説明

噴射ボタン装置

【課題】カバー体と噴射ボタンとを簡単に且つ安価に製造でき、残留内容物を簡単に噴射させて排出できる噴射ボタン装置の提供。
【解決手段】容器本体1からカバー体20を外して連結片37を押し下げると、両橋架部34はカバー体20寄りが切断され、斜片31は折り曲げられ、水平片32及び噴射ボタン8は右方向及び下方へも移動する。このとき、水平片32及び噴射ボタン8が下方へ移動することにより、カバー体20側が切断された両橋架部34は係止突部36を越えることとなり、押し下げを止めると、カバー体20の天壁部24上に噴射ボタン8の外側筒状部10が押圧した状態で両橋架部34が係止突部36に下から係止することとなる。このような状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした状態の容器本体1を装着すると、筒体29底面により噴射ヘッド部2が押圧されたまま噴射ボタン8に容器本体1が保持固定されて内容物排出状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射ボタンの押圧操作によって、容器本体内の内容物を、噴射ボタンの噴出口から噴射させるようにした噴射ボタン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、エアゾール容器は、容器内の液体を噴出して使い切ったつもりでも、容器内には、例えば高圧ガスが残溜しており、誤って加熱すると容器が破裂する危険があるので、容器内の液体を使い切った後も噴射ボタンを介して噴射ステムを押し下げ、容器内に残存する高圧ガスを全部噴出し終わってから廃棄することが要請されている。しかし、このためにはカバー体を外し、容器内の高圧ガスが出なくなるまで噴射ボタンを指先で押し下げ続けねばならず、面倒な手数と時間を要する。このため、容器本体に上から嵌着するカバー体に、これとは別体の噴射ボタンを組み込んで噴射ボタン装置を構成し、通常の噴射可能状態とは異なり、容器本体にこの噴射ボタン装置を取り付けて、残留内容物を噴射させて排出させる構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3813833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カバー体と噴射ボタンとが別体であり、製造コストが嵩み、カバー体への噴射ボタンの組み付け作業も必要である。
【0005】
そこで本発明は、カバー体と噴射ボタンとを簡単に且つ安価に製造でき、残留内容物を簡単に噴射させて排出できる噴射ボタン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このため第1の発明は、容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
それぞれ前記開口を横切るように橋架部を介して前記連結片と前記カバー体とを連結すると共に前記カバー体の前記開口を形成する壁面から各橋架部に対応してそれぞれ係止突部が形成された垂下片を垂下するように設け、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために、前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して前記連結片を押し下げた際に、カバー体寄りが切断された各橋架部が各垂下片に形成された係止突部に下方から係止すると共に前記噴射ボタンが前記カバー体の天壁部に上方から係止保持され、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の天壁部に上方から係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする。
【0007】
第2の発明は、容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成すると共に噴射ボタンの周側壁に外方へ折り曲げ可能な係合片を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して前記噴射ボタンの係合片を外方へ折り曲げて前記カバー体の天壁部に上方から係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の天壁部に上方から前記係合片を係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする。
【0008】
第3の発明は、容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有すると共に上方へ折り曲げ可能な係止片が形成された環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために、前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して前記カバー体の前記係止片を上方に折り曲げて噴射ボタンの天壁部裏面に係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の前記係止片により係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする。
【0009】
第4の発明は、容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために前記噴射ボタン又はカバー壁に第2嵌着部を形成すると共にこの噴射ボタンの周側壁に対向するように第1及び第2の挿通用の開口を開設し、
前記容器本体からカバー体を外して付属品としてのエクステンションチューブを前記噴射ボタンの第1及び第2の挿通用開口に挿通させると共にこの挿通させたエクステンションチューブを前記カバー体の天壁部に上方から係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の天壁部に上方から前記エクステンションチューブを係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする。
【0010】
第5の発明は、容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
前記カバー体の天壁部に前記中央開口に連通する開口を形成して、この開口を形成する対向する開口形成壁間には支点となる各連結軸体を介して揺動片を揺動可能に連結し、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために、前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して各連結軸体を介して揺動片を揺動させて、この揺動片の一端部をカバー体の外壁部上に係止保持させると共に他端部を噴射ボタンの周側壁下端に係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記揺動片により係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、噴射ボタンは連結片を介してカバー体に連結されているので、噴射ボタンとカバー体とを互いに別体に形成する必要がなくなり、噴射ボタンとカバー体とを一体に成形することにより、噴射ボタン及びカバー体の製造が簡単になる。また、カバー体に対して別体に構成した噴射ボタンを一定範囲内で移動自在に組み込むための複雑な構造が不要になるし、噴射ボタンをカバー体に組み込む作業も不要になり、カバー体及び噴射ボタンを簡単で且つ安価に製造することができる。
【0012】
特に、第1の発明によれば、残留内容物(残留ガス含む、以下同じ。)を噴射させて排出させる際には、カバー体の天壁部上に噴射ボタンが押圧した状態で弾性により上昇する両橋架部が係止突部に下から係止することとなって、噴射ボタンがそのままでは上昇しないようにカバー体に確実に保持された状態とすることができるから、このように保持された状態にある噴射ボタンに上下逆さにした容器本体を第2嵌着部により取り付けて保持することと相俟って、安定した状態で残留内容物を確実に排出させることができる。
【0013】
また、第2の発明によれば、残留内容物を噴射させて排出させる際には、カバー体に設けられた係合片を外方へ折り曲げ、この折り曲げられた係合片がカバー体の天壁部に上から係止し、噴射ボタンがカバー体に係止保持されるので、このように保持された状態にある噴射ボタンに上下逆さにした容器本体を第2嵌着部により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物を確実に排出させることができる。
【0014】
また、第3の発明によれば、残留内容物を噴射させて排出させる際には、カバー体に設けられた係止片を上方へ折り曲げ、この折り曲げられた係止片が噴射ボタンを下から支承して、噴射ボタンがカバー体に係止保持されるので、このように保持された状態にある噴射ボタンに上下逆さにした容器本体を第2嵌着部により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物を確実に排出させることができる。
【0015】
また、第4の発明によれば、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる際には、噴射ボタンの周側壁に対向するように開設した第1及び第2の挿通用の開口内にエクステンションチューブを挿通し、このエクステンションチューブがカバー体の天壁部に上から係止し、噴射ボタンがカバー体に係止保持されるので、このように保持された状態にある噴射ボタンに上下逆さにした容器本体を第2嵌着部により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物を確実に排出させることができる。
【0016】
また、第5の発明によれば、残留内容物を噴射させて排出させる際には、揺動片を揺動させて、この揺動片をカバー体の外壁部上に係止保持させると共に噴射ボタンの周側壁下端に係止保持させ、噴射ボタンを確実にカバー体に係止保持することができるので、このように保持された状態にある噴射ボタンに上下逆さにした容器本体を第2嵌着部により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物を確実に排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図2】第1の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けて噴射ボタンを押圧した状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図3】第1の実施形態の噴射ボタン装置の平面図である。
【図4】第1の実施形態の噴射ボタン装置の左側面図である。
【図5】第1の実施形態の噴射ボタン装置の左側面図である。
【図6】第1の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図7】第1の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に保持した状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を前後方向に縦断した左側面図である。
【図8】第1の実施形態において、噴射ボタンの天壁部裏面に係止片を設けて、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図9】第1の実施形態において、噴射ボタンの天壁部裏面に係止片を設けて、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図10】第1の実施形態において、カバー体の開口を形成するその内側開口端部に係止片を形成し、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図11】第1の実施形態において、カバー体の開口を形成するその内側開口端部に係止片を形成し、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図12】第2の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図13】第2の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けて噴射ボタンを押圧した状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図14】第2の実施形態の噴射ボタン装置の右側面図である。
【図15】第2の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図16】第3の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図17】第3の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けて噴射ボタンを押圧した状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図18】第3の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図19】第4の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置の左側面図である。
【図20】第4の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置の右側面図である。
【図21】第4の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図22】第4の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けて噴射ボタンを押圧した状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図23】第4の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図24】第5の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図25】第5の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けて噴射ボタンを押圧した状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図26】第5の実施形態の噴射ボタン装置の平面図である。
【図27】第5の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図28】第6の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図29】第6の実施形態において、容器本体上にカバー体を取り付けて噴射ボタンを押圧した状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図30】第6の実施形態の噴射ボタン装置の平面図である。
【図31】第6の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に係止保持させた状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を左右方向に縦断した正面図である。
【図32】第6の実施形態において、噴射ボタンをカバー体に保持した状態の噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体を取り付けた状態の噴射ボタン装置を前後方向に縦断した左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の噴射ボタン装置の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図7において、1は液化ガス、ヘアスプレー等のエアゾール容器の容器本体で、この容器本体1は円筒状を呈しており、例えばアルミニウム製の金属板を板金加工して筒状をした胴壁部と凹曲面をした底壁部とを一体に成形した胴部の上端部に、例えばアルミニウム製のマウンテンキャップ3が設けられた開口密閉蓋部4を巻締め加工により強固に接合した金属密封容器で構成されている。
【0019】
そして、前記マウンテンキャップ3には、ステム等を備えて内容物を上方へ向けて噴射する噴射ヘッド部2が設けられると共に環状の突部5が形成されている。また、前記開口密閉蓋部4の巻締め加工部分は丸みを帯びた突部6が環状に形成されている。
【0020】
8は噴射ヘッド部2のステムを押圧操作するための噴射ボタンで、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂材料により形成されている。この噴射ボタン8は、概ね有底円筒状を呈しており、内側筒状部9、この内側筒状部9の外側に配設される外側筒状部10、これら内側筒状部9と外側筒状部10とを連結する天壁部11とを備えている。なお、図1に示すように、外側筒状部10の右部は内側筒状部9より長さが短く、およそ半分程度である。
【0021】
そして、内側筒状部9と外側筒状部10の内側に設けられた内側壁13との間には環状の空間部12が形成され、内側筒状部9には噴射ヘッド部2に外側から嵌合する嵌合凹部14とこの嵌合凹部14に連通する縦長の流路15とが形成され、更にこの流路15に連通する横向きの噴射口16が形成されている。即ち、噴射ボタン8は嵌合凹部14を介して噴射ヘッド部2に外側から装着され、噴射ボタン8の押圧操作によって、噴射ヘッド部2から上方に噴射された容器本体1内の内容物を流路15内に導き、その噴射方向を横方向に変えて噴射ボタン8の噴射口16から外方に噴射させるように構成されている。
【0022】
20は噴射ボタン8の外周を取り囲むカバー体で、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂材料により円筒状に形成され、前記開口密閉蓋部4の環状の突部6に外壁部21の内側下端部に形成された凹部から成る第1嵌着部22が嵌合して、前記容器本体1の上端部に外側から着脱可能に嵌合して固定される。
【0023】
図3に示すように、カバー体20は下部側に円筒状の円筒状の外壁部21を備えると共にほぼ中央部に開口23を有する環状の天壁部24を備え、上部側に噴射ボタン8の前後方向(前記噴射ボタンの横方向)の外方を塞ぐ一対のカバー壁25を備え、前後一対のカバー壁25間の左側に噴射窓26が形成され、両カバー壁25間の右側に噴射ボタン8を指で押圧操作するための操作窓27が形成されている。
【0024】
そして、前記噴射ボタン8は前記一対のカバー壁25間であって天壁部24の開口23内に入り込むように配置されて、カバー体20が噴射ボタン8の周囲を取り囲むように一対のカバー壁25と噴射窓26と操作窓27とを周方向に備えている。
【0025】
また、噴射ボタン8の天壁部11中央部には、上下逆さにした状態の容器本体1を噴射ヘッド部2に外側から嵌合する嵌合凹部28が上面開口せる筒体29により形成され、この嵌合凹部28を形成する筒体29の底面には下向きの噴射口30が開設されている。
【0026】
更に、図3に示すように、噴射ボタン8の天壁部11の前後部には円弧状の一対の開口19が開設され、その外方には一対の立上り壁17が設けられて、この一対の立上り壁17の上端部に第2嵌着部18が形成される。そして、前記容器本体1を上下逆さにして、嵌合凹部28内に噴射ヘッド部2を挿入すると共に前記マウンテンキャップ3の環状の突部5を天壁部11に当接させて、前記第2嵌着部18を前記マウンテンキャップ3の環状の突部5に上方から嵌合させると、上下逆さにした状態の前記容器本体1の下端部に外側から着脱可能に嵌合して固定することができる。
【0027】
そして、噴射ボタン8の外側筒状部10の左端部が連結片37を介してカバー体20の左部に連結されている。これにより、カバー体20、連結片37及び噴射ボタン8とは一体に成形されて作製される。また、噴射ボタン8の噴射口16の左方にカバー体20の噴射窓26を位置させるようにカバー体20内に噴射ボタン8は配置され、この噴射ボタン8はカバー体20と共に容器本体1から着脱可能になり且つカバー体20から不測に分離しないように構成されている。
【0028】
前記連結片37は内側へ傾斜して下部がカバー体20の前部に連結した斜片31と、この斜片31に連結した水平片32とから構成される。そして、この水平片32とカバー体20の前後にも前記開口23が延びて存在しており、左端部はカバー体20に連結すると共に右端部は噴射ボタン8に連結している。なお、前記斜片31の上下中間部位には水平方向に延びた薄肉部33が形成され、この薄肉部33を支点として、前記斜片31上部が下方へ折り曲げられて、水平片32及び噴射ボタン8が右方向へ移動できるように構成される。
【0029】
なお、前記薄肉部33に代えて、ミシン目部分を形成して、このミシン目部分を支点として連結片37の斜片31を折り曲げるようにしてもよく、またくびれ部分を形成してもよく、更には連結片37の肉厚を厚肉部分と薄肉部分とから構成してその境部分を支点として折り曲げられるようにしてもよい。
【0030】
また、前記水平片32の左部において、それぞれ前記開口23を横切るように縦断面が、例えば台形状で上面が水平面である橋架部34が設けられ、この橋架部34を介して水平片32とカバー体20とを連結している。この各橋架部34の外側(カバー体20寄り)の上底側は短かく、内側(連結片37寄り)の下底側は長く形成され、連結片37の斜片31と水平片32とに指が跨るようにして強く押し下げた際に、各橋架部34のカバー体20寄りが切断され易く形成されている。
【0031】
また、この橋架部34の内方において、カバー体20の開口形成壁面から垂下片35が垂下するように設けられ、この各垂下片35には切断された前記橋架部34が下方から係合して係止する係止突部36が前記開口23内に突出して入り込むように形成される。この係止突部36は縦断面が例えば、直角三角形形状を呈して、斜辺である傾斜面と底辺の水平面とを備え、前記橋架部34の水平な上面と係合して係止保持し易いように、形成される。なお、係止突部36は縦断面が直角三角形形状に限らず、例えば縦断面が傾斜面と水平面を備えた台形形状を呈するものや、その他の形状でもよい。
【0032】
そして、カバー体20の第1嵌着部22を開口密閉蓋部4の環状の突部6に外側から嵌合させることにより、カバー体20を容器本体1に装着したとき、噴射ボタン8が嵌合凹部14を介して噴射ヘッド部2のステムに嵌合装着され、噴射ボタン8の噴射口16の左方にカバー体21の噴射窓26を位置させて噴射口16を開放する噴射可能状態になるように構成される。
【0033】
そして、前記連結片37は上下方向に弾性変形可能とされ、カバー体20を容器本体1に噴射可能状態に装着した状態で、容器本体1内の内容物を噴射させるために、使用者が指を操作窓27側から挿入して噴射ボタン8上に載せ、指で噴射ボタン8を押圧操作すると、両橋架部34は切断されることなく、連結片37を弾性変形させて、この連結片37及び噴射ボタン8を揺動させて(図2参照)、噴射ボタン8が噴射ヘッド部2のステムを上方から押圧することとなって、容器本体1内の内容物が噴射される。このとき、カバー体20の天壁部24上に揺動した噴射ボタン8の外側筒状部10が当接することは無く、制限を受けない。
【0034】
次に、容器本体1内の内容物が無くなった場合には、通常の使用後に、廃棄回収の際の爆発防止及び環境保護のために、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる動作について、説明する。初めに、使用者は容器本体1からカバー体20を取り外して、連結片37の斜片31と水平片32とに指が跨るようにして強く押し下げると、両橋架部34はカバー体20寄りが切断される(このとき、連結片37寄りは切断されない。)と共に斜片31上部は薄肉部33を支点として下方へ折り曲げられて、水平片32及び噴射ボタン8は右方向へ移動しながら、下方へも移動する。
【0035】
このとき、水平片32及び噴射ボタン8が下方へ移動することにより、カバー体20側が切断された両橋架部34は係止突部36の斜面上を滑りながら案内されて係止突部36を越えることとなり、その時点で使用者が指の押し下げを止めると、カバー体20の天壁部24上に噴射ボタン8の外側筒状部10が押圧した状態に係止保持され、連結片37の弾性により上昇する両橋架部34が係止突部36に下から係止保持することとなり、噴射ボタン8がそのままでは上昇しないように、カバー体20に保持された状態となる(図4及び図5参照)。
【0036】
そして、図6及び図7に示すように、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を装着する。即ち、噴射ヘッド部2を嵌合凹部28内に挿入させるようにして、マウンテンキャップ3の環状の突部5を天壁部11に当接させて、噴射ボタン8に形成された第2嵌着部18をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させる。
【0037】
このとき、両橋架部34が係止突部36に下から係止して噴射ボタン8がカバー体20に保持された状態で、筒体29の底面により噴射ヘッド部2が押圧されたまま、噴射ボタン8に容器本体1が保持固定されて内容物排出状態になり、残留内容物は下向きの噴射口30を介して噴射されて液状となって外方に排出される。
【0038】
以上の第1の実施形態によれば、噴射ボタン8は連結片37を介してカバー体20に連結されているので、噴射ボタン8とカバー体20とを互いに別体に形成する必要がなくなり、噴射ボタン8とカバー体20とを一体に成形することにより、噴射ボタン8及びカバー体20の製造が簡単になる。また、カバー体に対して別体に構成した噴射ボタンを一定範囲内で移動自在に組み込むための複雑な構造が不要になるし、噴射ボタンをカバー体に組み込む作業も不要になり、カバー体20及び噴射ボタン8を簡単で且つ安価に製造することができる。更には、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる際には、カバー体20の天壁部24上に噴射ボタン8の外側筒状部10が押圧した状態に係止保持され、連結片37の弾性により上昇する両橋架部34が係止突部36に下から係止保持することとなって、噴射ボタン8がそのままでは上昇しないようにカバー体20に確実に保持された状態とすることができるから、このように保持された状態にある噴射ボタン8に、上下逆さにした容器本体1を第2嵌着部18により取り付けて保持することと相俟って、安定した状態で残留内容物及び残留ガスを確実に排出させることができる。
【0039】
なお、上記第1の実施形態において、図8に示すように、噴射ボタン8の天壁部11裏面に縦断面形状がL字形状の係止片38を設けてもよい。そして、この係止片38は、垂直片38Aと、この垂直片38A下端を外方へ折曲した水平片38Bとから構成され、この水平片38Bの外端位置を噴射ボタン8の外側筒状部10の外面位置と同じにすると共にこの水平片38B上面と外側筒状部10下端との間の間隔をカバー体20の天壁部24の厚さと同じ寸法とするか僅か長く形成する。
【0040】
このように、係止片38を設けることにより、図9に示すように、使用者が容器本体1からカバー体20を取り外して、連結片37の斜片31と水平片32とに指が跨るようにして強く押し下げ、両橋架部34のカバー体20寄りを切断すると共に斜片31上部を薄肉部33を支点として下方へ折り曲げて噴射ボタン8を右方向及び下方へ移動させ、連結片37の弾性により上昇する両橋架部34が係止突部36に下から係止保持すると共に係止片38の水平片38Bと外側筒状部10との間にカバー体20の天壁部24を挿入させて(挟持させて)、噴射ボタン8をカバー体20に係止保持させ、更に、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を第2嵌着部18をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させることにより装着する。
【0041】
従って、噴射ボタン8をカバー体20に係止保持させた状態で、噴射ボタン装置に上下逆さにした状態の容器本体1を第2嵌着部18により取り付けて保持することと相俟って、安定した状態で残留内容物及び残留ガスを外方に確実に排出させることができる。
【0042】
更には、上記第1の実施形態において、図10に示すように、カバー体20の開口23を形成するその内側開口端部を上方に折曲して係止片39を形成してもよい。
【0043】
このように、係止片39を設けることにより、図11に示すように、使用者が容器本体1からカバー体20を取り外して、連結片37の斜片31と水平片32とに指が跨るようにして強く押し下げ、両橋架部34のカバー体20寄りを切断すると共に斜片31上部を薄肉部33を支点として下方へ折り曲げて噴射ボタン8を右方向及び下方へ移動させ、連結片37の弾性により上昇する両橋架部34が係止突部36に下から係止保持すると共に同じく連結片37の弾性により噴射ボタン8が左方へ移動しようとするので係止片39の外側に噴射ボタン8の外側筒状部10の内側が係止して保持される。更に、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を第2嵌着部18をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させることにより装着する。
【0044】
従って、噴射ボタン8をカバー体20に係止保持させた状態で、噴射ボタン装置に上下逆さにした状態の容器本体1を第2嵌着部18により取り付けて保持することと相俟って、安定した状態で残留内容物及び残留ガスを外方に確実に排出させることができる。
【0045】
次に、噴射ボタン装置の第2の実施形態について、図12乃至図15に基づいて説明するが、噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体1を取り付けた状態の噴射ボタン装置を前後方向に縦断した左側面図については、第1の実施形態における図7と同様であり、この図7を参照する。特に、第1の実施形態と異なる部分についてのみ詳述し、第1の実施形態と同一の符号は同一物又は同一の機能を有するものとして、説明は省略される。先ず、この第2の実施形態の噴射ボタン8は第1の実施形態と同様に、連結片37を介してカバー体20と一体に連結しているが、連結片37の斜片31に薄肉部33が形成されていない点や、噴射ボタン8の内側壁13が無い点等が異なる。また、水平片32とカバー体20とを連結する橋架部34や、カバー体20の開口形成壁面から垂下する垂下片35が無い点も異なる。
【0046】
そして、内側筒状部9の外方に配設される外側筒状部10Aには、図12における右部にL字形状の水平溝と垂直溝から成る溝41が形成されており、この溝41の縦開口端は開放しており、縦方向に形成された基端部の薄肉部42を支点として外方への折返し用の係合片43が折り曲げ可能に設けられる。
【0047】
なお、前記薄肉部42に代えて、ミシン目部分を形成して、このミシン目部分を支点として係合片43を折り曲げるようにしてもよく、またくびれ部分を形成してもよく、更には噴射ボタン8の外側筒状部10Aと係合片43との肉厚を変えてその境部分を支点として折り曲げられるようにしてもよい。
【0048】
そして、第1の実施形態と同様に、連結片37は上下方向に弾性変形可能であり、開口密閉蓋部4の環状の突部6に外壁部21の内側下端部に形成された第1嵌着部22を嵌合させて、カバー体20を容器本体1に噴射可能状態に装着した状態で、容器本体1内の内容物を噴射させるために、使用者が指を操作窓27側から挿入して噴射ボタン8上に載せ、指で噴射ボタン8を押圧操作すると、連結片37は弾性変形し、この連結片37及び噴射ボタン8は揺動し(図13参照)、噴射ボタン8が噴射ヘッド部2のステムを上方から押圧することとなって、容器本体1内の内容物が噴射される。このとき、カバー体20の天壁部24上に揺動した噴射ボタン8の外側筒状部10Aが当接することは無く、制限を受けない。
【0049】
次に、容器本体1内の内容物が無くなった場合には、通常の使用後に、廃棄回収の際の爆発防止及び環境保護のために、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる動作について、説明する。初めに、使用者は容器本体1からカバー体20を取り外して、カバー体20の内方から薄肉部42を支点として外方へ係合片43を折り曲げる。
【0050】
そして、図7及び図15に示すように、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を装着する。即ち、噴射ヘッド部2を嵌合凹部28内に挿入させるようにして、マウンテンキャップ3の環状の突部5を天壁部11に当接させて、第2嵌着部18をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させる。
【0051】
このとき、折り曲げられた前記係合片43がカバー体20の天壁部24に上から係止して保持され、噴射ボタン8がカバー体20に保持された状態で、第2嵌着部18もマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合した状態であり(図7参照)、筒体29の底面により噴射ヘッド部2が押圧されたまま、噴射ボタン8に容器本体1が保持固定されて内容物排出状態になり、残留内容物は下向きの噴射口30を介して噴射されて液状となって外方に排出される。
【0052】
以上の第2の実施形態によれば、噴射ボタン8は連結片37を介してカバー体20に連結されているので、噴射ボタン8とカバー体20とを互いに別体に形成する必要がなくなり、噴射ボタン8とカバー体20とを一体に成形することにより、噴射ボタン8及びカバー体20の製造が簡単になる。また、カバー体に対して別体に構成した噴射ボタンを一定範囲内で移動自在に組み込むための複雑な構造が不要になるし、噴射ボタンをカバー体に組み込む作業も不要になり、カバー体20及び噴射ボタン8を簡単で且つ安価に製造することができる。更に、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる際には、カバー体20に設けられた係合片43を外方へ折り曲げ、この折り曲げられた係合片43がカバー体20の天壁部24に上から係止して保持され、噴射ボタン8がカバー体20に保持される(噴射ボタン8の揺動が制限され)ので、このように保持された状態にある噴射ボタン8に上下逆さにした容器本体1を第2嵌着部18により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物及び残留ガスを確実に排出させることができる。
【0053】
次に、噴射ボタン装置の第3の実施形態について、図16乃至図20に基づいて説明するが、噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体1を取り付けた状態の噴射ボタン装置を前後方向に縦断した左側面図については、第1の実施形態における図7と同様であり、この図7を参照する。特に、第1の実施形態と異なる部分についてのみ詳述し、第1の実施形態と同一の符号は同一物又は同一の機能を有するものとして、説明は省略される。先ず、この第3の実施形態の噴射ボタン8は第1の実施形態と同様に、連結片37を介してカバー体20と一体に連結しているが、連結片37の斜片31に薄肉部33が形成されていない点等が異なる。また、水平片32とカバー体20とを連結する橋架部34や、カバー体20の開口形成壁面から垂下する垂下片35が無い点も異なる。
【0054】
そして、第1の実施形態と同様に、内側筒状部9の外方に配設される外側筒状部10Bの右部は短いが、下方に行くに従って外方へ拡開し形状を呈している。また、図16に示すように、カバー体20は下部に円筒状の円筒状の外壁部21を備えると共にほぼ中央部に開口23を有する環状の天壁部24を備えているが、この天壁部24の前記開口23に面する内側端部には薄肉部51を支点として下方に折り曲げられた係止片52が垂下するように連結されている。従って、この垂下した係止片52は薄肉部51を支点として上方へ折り曲げ易く、構成されている。
【0055】
なお、前記薄肉部51に代えて、ミシン目部分を形成して、このミシン目部分を支点として係止片52を折り曲げるようにしてもよく、またくびれ部分を形成してもよく、更にはカバー体20の天壁部24と係止片52との肉厚を変えてその境部分を支点として折り曲げられるようにしてもよい。
【0056】
そして、第1の実施形態と同様に、連結片37は上下方向に弾性変形可能であり、開口密閉蓋部4の環状の突部6に外壁部21の内側下端部に形成された第1嵌着部22を嵌合させて、カバー体20を容器本体1に噴射可能状態に装着した状態で、容器本体1内の内容物を噴射させるために、使用者が指を操作窓27側から挿入して噴射ボタン8上に載せ、指で噴射ボタン8を押圧操作すると、連結片37は弾性変形し、この連結片37及び噴射ボタン8は揺動し(図17参照)、噴射ボタン8が噴射ヘッド部2のステムを上方から押圧することとなって、容器本体1内の内容物が噴射される。このとき、カバー体20の天壁部24上に揺動した噴射ボタン8の外側筒状部10Bが当接することは無く、制限を受けない。
【0057】
次に、容器本体1内の内容物が無くなった場合には、通常の使用後に、廃棄回収の際の爆発防止及び環境保護のために、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる動作について、説明する。初めに、使用者は容器本体1からカバー体20を取り外して、カバー体20の内方から薄肉部51を支点として上方へ係止片52を折り曲げ、外側筒状部10Aとその内側に設けられた内側壁13との間の空間内にこの折り曲げられた係止片52を挿入して、係止片52の端部を天壁部11裏面に当接させて係止し、噴射ボタン8を下から支承して係止保持する(図18参照)。
【0058】
そして、図7及び図18に示すように、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を装着する。即ち、噴射ヘッド部2を嵌合凹部28内に挿入させるようにして、マウンテンキャップ3の環状の突部5を天壁部11に当接させて、第2嵌着部18をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させる。
【0059】
このとき、上方に折り曲げられた前記係止片52が噴射ボタン8を下から支承して、噴射ボタン8はカバー体20に保持された状態となり(図18参照)、第2嵌着部18もマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合した状態であり(図7参照)、筒体29の底面により噴射ヘッド部2が押圧されたまま、噴射ボタン8に容器本体1が保持固定されて内容物排出状態になり、残留内容物は下向きの噴射口30を介して噴射されて液状となって外方に排出される。
【0060】
以上の第3の実施形態によれば、噴射ボタン8は連結片37を介してカバー体20に連結されているので、噴射ボタン8とカバー体20とを互いに別体に形成する必要がなくなり、噴射ボタン8とカバー体20とを一体に成形することにより、噴射ボタン8及びカバー体20の製造が簡単になる。また、カバー体に対して別体に構成した噴射ボタンを一定範囲内で移動自在に組み込むための複雑な構造が不要になるし、噴射ボタンをカバー体に組み込む作業も不要になり、カバー体20及び噴射ボタン8を簡単で且つ安価に製造することができる。更に、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる際には、カバー体20に設けられた係止片52を上方へ折り曲げ、この折り曲げられた係止片52が噴射ボタン8を下から支承して係止し、噴射ボタン8がカバー体20に保持される(噴射ボタン8の揺動が制限され)ので、このように保持された状態にある噴射ボタン8に上下逆さにした容器本体1を第2嵌着部18により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物及び残留ガスを確実に排出させることができる。
【0061】
次に、噴射ボタン装置の第4の実施形態について、図19乃至図23に基づいて説明するが、噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体1を取り付けた状態の噴射ボタン装置を前後方向に縦断した左側面図については、第1の実施形態における図7と同様であり、この図7を参照する。特に、第1の実施形態と異なる部分についてのみ詳述し、第1の実施形態と同一の符号は同一物又は同一の機能を有するものとして、説明は省略される。先ず、この第4の実施形態の噴射ボタン8は第1の実施形態と同様に、連結片37を介してカバー体20と一体に連結しているが、連結片37の斜片31に薄肉部33が形成されていない点や、噴射ボタン8の内側壁13が無い点等が異なる。また、水平片32とカバー体20とを連結する橋架部34や、カバー体20の開口形成壁面から垂下する垂下片35が無い点も異なる。
【0062】
そして、内側筒状部9の外方に配設される外側筒状部10Cの周側壁下端には、内側筒状部9を避けて対向するように噴射窓26に面する第1挿通口61及び操作窓27に面する第2挿通溝62が開設されており、この第2挿通溝62の下端開口端は開放している。また、例えばカバー体20の側面に形成された取付溝を有する取付部63に、細部に内容物を噴射したい場合に使用するエクステンションチューブ64が付属品として取り外し可能に取り付けられている。なお、この取付部63を前記カバー体20に限らず、容器本体1に形成してもよく、更にはエクステンションチューブ64をテープでカバー体20や容器本体1に固定するようにしてもよい。
【0063】
そして、第1の実施形態と同様に、連結片37は上下方向に弾性変形可能であり、開口密閉蓋部4の環状の突部6に外壁部21の内側下端部に形成された第1嵌着部22を嵌合させて、カバー体20を容器本体1に噴射可能状態に装着した状態で、容器本体1内の内容物を噴射させるために、使用者が取付部63から取り外したエクステンションチューブ64を噴射口16内に挿入して(図21参照)、指を操作窓27側から挿入して噴射ボタン8上に載せ、指で噴射ボタン8を押圧操作すると、連結片37は弾性変形し、この連結片37及び噴射ボタン8は揺動し(図22参照)、噴射ボタン8が噴射ヘッド部2のステムを上方から押圧することとなって、エクステンションチューブ64を介して容器本体1内の内容物が噴射される。このとき、カバー体20の天壁部24上に揺動した噴射ボタン8の外側筒状部10Cが当接することは無く、制限を受けない。
【0064】
次に、容器本体1内の内容物が無くなった場合には、通常の使用後に、廃棄回収の際の爆発防止及び環境保護のために、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる動作について、説明する。初めに、使用者は容器本体1からカバー体20を取り外して、噴射ボタン8の外側筒状部10Cの周側壁に形成した第1挿通口61及び第2挿通溝62に挿通する(図23参照)。
【0065】
そして、図7(但し、エクステンションチューブ64は無い。)及び図23に示すように、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を装着する。即ち、噴射ヘッド部2を嵌合凹部28内に挿入させるようにして、マウンテンキャップ3の環状の突部5を天壁部11に当接させて、第2嵌着部18をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させる。
【0066】
このとき、噴射ボタン8の外側筒状部10Cの周側壁に形成した第1挿通口61及び第2挿通溝62内に挿通されたエクステンションチューブ64がカバー体20の天壁部24に上から係止し、噴射ボタン8がカバー体20に保持された状態となり(図23参照)、第2嵌着部18もマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合した状態であり(図7参照)、筒体29の底面により噴射ヘッド部2が押圧されたまま、噴射ボタン8に容器本体1が保持固定されてエクステンションチューブ64を介して内容物排出状態になり、残留内容物は下向きの噴射口30を介して噴射されて液状となって外方に排出される。
【0067】
以上の第4の実施形態によれば、噴射ボタン8は連結片37を介してカバー体20に連結されているので、噴射ボタン8とカバー体20とを互いに別体に形成する必要がなくなり、噴射ボタン8とカバー体20とを一体に成形することにより、噴射ボタン8及びカバー体20の製造が簡単になる。また、カバー体に対して別体に構成した噴射ボタンを一定範囲内で移動自在に組み込むための複雑な構造が不要になるし、噴射ボタンをカバー体に組み込む作業も不要になり、カバー体20及び噴射ボタン8を簡単で且つ安価に製造することができる。更に、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる際には、噴射ボタン8の外側筒状部10Cの周側壁に形成した第1挿通口61及び第2挿通溝62内にエクステンションチューブ64を挿通し、このエクステンションチューブ64がカバー体20の天壁部24に上から係止し、噴射ボタン8がカバー体20に保持される(噴射ボタン8の揺動が制限され)ので、このように保持された状態にある噴射ボタン8に上下逆さにした容器本体1を第2嵌着部18により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物及び残留ガスを確実に排出させることができる。
【0068】
次に、噴射ボタン装置の第5の実施形態について、図24乃至図27に基づいて説明するが、噴射ボタン装置に上下逆さにした容器本体1を取り付けた状態の噴射ボタン装置を前後方向に縦断した左側面図については、第1の実施形態における図7と同様であり、この図7を参照する。特に、第1の実施形態と異なる部分についてのみ詳述し、第1の実施形態と同一の符号は同一物又は同一の機能を有するものとして、説明は省略される。先ず、この第5の実施形態の噴射ボタン8は第1の実施形態と同様に、連結片37を介してカバー体20と一体に連結しているが、連結片37の斜片31に薄肉部33が形成されていない点や、噴射ボタン8の内側壁13が無い点等が異なる。また、水平片32とカバー体20とを連結する橋架部34や、カバー体20の開口形成壁面から垂下する垂下片35が無い点も異なる。
【0069】
そして、内側筒状部9の外方に配設される外側筒状部10Dは、第4の実施形態の外側筒状部10Cと第1挿通口61及び第2挿通溝62が開設されていない点を除き、同一である。
【0070】
そして、図24乃至図27に示すように、カバー体20は下部側に円筒状の円筒状の外壁部21Aを備えると共にほぼ中央部に開口23を有する環状の天壁部24を備えているが、この天壁部24の右部には開口23に連通する開口71が形成されている。そして、この開口71を形成する前後の対向する開口形成壁72間には、垂直片73Aと水平片73Bとから成る断面が略T字形状の揺動片73が支点となる各連結軸体74を介して揺動可能に連結される。
【0071】
そして、第1の実施形態と同様に、連結片37は上下方向に弾性変形可能であり、開口密閉蓋部4の環状の突部6に外壁部21Aの内側下端部に形成された第1嵌着部22を嵌合させて、カバー体20を容器本体1に噴射可能状態に装着した状態で、容器本体1内の内容物を噴射させるために、使用者が指を操作窓27側から挿入して噴射ボタン8上に載せ、指で噴射ボタン8を押圧操作すると、連結片37は弾性変形し、この連結片37及び噴射ボタン8は揺動し(図25参照)、噴射ボタン8が噴射ヘッド部2のステムを上方から押圧することとなって、容器本体1内の内容物が噴射される。このとき、カバー体20の天壁部24上に揺動した噴射ボタン8の外側筒状部10Dが当接することは無く、制限を受けない。
【0072】
次に、容器本体1内の内容物が無くなった場合には、通常の使用後に、廃棄回収の際の爆発防止及び環境保護のために、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる動作について、説明する。初めに、使用者は容器本体1からカバー体20を取り外して、揺動片73を弾性変形により捩れた各連結軸体74を支点として図24における反時計方向に揺動させて、図27に示すように、垂直片73Aの左端部で外側筒状部10Dを下から支承して係止保持させると共に右端部を上からカバー体20の外壁部21A上に係止保持させる。この場合、図27において、揺動片73は時計方向に回動して元の位置に戻ろうとする付勢力が働くが、垂直片73Aの右端部がカバー体20の外壁部21A上に係止しているので時計方向への回動はできず、前記外側筒状部10Dの支承及び外壁部21A上への係止は強固なものであり、更に噴射ボタン8の反時計方向への回動も水平片73Bにより制限されるので、噴射ボタン8を確実にカバー体20に保持固定することができる。
【0073】
そして、図7及び図27に示すように、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を装着する。即ち、噴射ヘッド部2を嵌合凹部28内に挿入させるようにして、マウンテンキャップ3の環状の突部5を天壁部11に当接させて、第2嵌着部18をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させる。
【0074】
このとき、揺動した揺動片73により噴射ボタン8はカバー体20に保持された状態となり(図27参照)、第2嵌着部18もマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合した状態であり(図7参照)、筒体29の底面により噴射ヘッド部2が押圧されたまま、噴射ボタン8に容器本体1が保持固定されて内容物排出状態になり、残留内容物は下向きの噴射口30を介して噴射されて液状となって外方に排出される。
【0075】
以上の第5の実施形態によれば、噴射ボタン8は連結片37を介してカバー体20に連結されているので、噴射ボタン8とカバー体20とを互いに別体に形成する必要がなくなり、噴射ボタン8とカバー体20とを一体に成形することにより、噴射ボタン8及びカバー体20の製造が簡単になる。また、カバー体に対して別体に構成した噴射ボタンを一定範囲内で移動自在に組み込むための複雑な構造が不要になるし、噴射ボタンをカバー体に組み込む作業も不要になり、カバー体20及び噴射ボタン8を簡単で且つ安価に製造することができる。更に、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる際には、揺動片73を揺動させて、垂直片73Aの左端部で外側筒状部10を下から支承すると共に右端部が上からカバー体20の外壁部21A上に係止させ、噴射ボタン8を確実にカバー体20に保持固定することができ(噴射ボタン8の揺動が制限され)ので、このように保持された状態にある噴射ボタン8に上下逆さにした容器本体1を第2嵌着部18により取り付けて保持することと相俟って、簡単な構成及び操作で残留内容物及び残留ガスを確実に排出させることができる。
【0076】
なお、第1乃至第5の実施形態は、第2嵌着部18を噴射ボタン8に形成したが、カバー体20に設けてもよい。即ち、このように第2嵌着部をカバー体20に設けた場合の噴射ボタン装置の第6の実施形態について、図28乃至図32に基づいて説明する。
【0077】
特に、第1の実施形態と異なる部分についてのみ詳述し、第1の実施形態と同一の符号は同一物又は同一の機能を有するものとして、説明は省略される。先ず、この第4の実施形態の噴射ボタン8は第1の実施形態と同様に、連結片37を介してカバー体20と一体に連結しているが、連結片37の斜片31に薄肉部33が形成されていない点や、噴射ボタン8の内側壁13が無い点等が異なる。また、水平片32とカバー体20とを連結する橋架部34や、カバー体20の開口形成壁面から垂下する垂下片35が無い点も異なる。
【0078】
そして、第2の実施形態と同様に、内側筒状部9の外方に配設される外側筒状部10Aには、図28における右部に右部にL字形状の水平溝と垂直溝から成る溝41が形成されており、この溝41の縦開口端は開放しており、縦方向に形成された基端部の薄肉部42を支点として外方への折返し用の係合片43が折り曲げ可能に設けられる。
【0079】
そして、第1の実施形態と同様に、連結片37は上下方向に弾性変形可能であり、開口密閉蓋部4の環状の突部6に外壁部21の内側下端部に形成された第1嵌着部22を嵌合させて、カバー体20を容器本体1に噴射可能状態に装着した状態で、容器本体1内の内容物を噴射させるために、使用者が指を操作窓27側から挿入して噴射ボタン8上に載せ、指で噴射ボタン8を押圧操作すると、連結片37は弾性変形し、この連結片37及び噴射ボタン8は揺動し(図29参照)、噴射ボタン8が噴射ヘッド部2のステムを上方から押圧することとなって、容器本体1内の内容物が噴射される。このとき、カバー体20の天壁部24上に揺動した噴射ボタン8の外側筒状部10Aが当接することは無く、制限を受けない。
【0080】
そして、カバー体20のカバー壁25Aの開口23Aの開口形成部に対向するように第2嵌着部81がそれぞれ形成され、水平部分と垂直部分から構成される第2嵌着部81に沿って、この垂直部分との間の空間82を存して内側に平面視円弧状の筒壁83がそれぞれ開設される。
【0081】
次に、容器本体1内の内容物が無くなった場合には、通常の使用後に、廃棄回収の際の爆発防止及び環境保護のために、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる動作について、説明する。初めに、使用者は容器本体1からカバー体20を取り外して、カバー体20の内方から薄肉部42を支点として外方へ係合片43を折り曲げる。
【0082】
そして、図31及び図32に示すように、上述のようにした状態の噴射ボタン装置に上方から上下逆さにした状態の容器本体1を装着する。即ち、噴射ヘッド部2を嵌合凹部28内に挿入させるようにして、マウンテンキャップ3の環状の突部5を噴射ボタン8の天壁部11に当接させて、カバー体20の第2嵌着部81をマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合させる。
【0083】
このとき、折り曲げられた前記係合片43がカバー体20の天壁部24に上から係止し、噴射ボタン8がカバー体20に係止保持された状態で(図31参照)、カバー壁25Aの第2嵌着部81もマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合した状態であり(図32参照)、筒体29の底面により噴射ヘッド部2が押圧されたまま、噴射ボタン装置に容器本体1が保持固定されて内容物排出状態になり、残留内容物は下向きの噴射口30を介して噴射されて液状となって外方に排出される。
【0084】
以上の第6の実施形態によれば、噴射ボタン8は連結片37を介してカバー体20に連結されているので、噴射ボタン8とカバー体20とを互いに別体に形成する必要がなくなり、噴射ボタン8とカバー体20とを一体に成形することにより、噴射ボタン8及びカバー体20の製造が簡単になる。また、カバー体に対して別体に構成した噴射ボタンを一定範囲内で移動自在に組み込むための複雑な構造が不要になるし、噴射ボタンをカバー体に組み込む作業も不要になり、カバー体20及び噴射ボタン8を簡単で且つ安価に製造することができる。更に、残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出させる際には、カバー体20に設けられた係合片43を外方へ折り曲げ、この折り曲げられた係合片43がカバー体20の天壁部24に上から係止して噴射ボタン8がカバー体20に係止保持され(噴射ボタン8の揺動が制限され)、カバー壁25Aの第2嵌着部81もマウンテンキャップ3の突部5裏面に嵌合した状態で保持されるので、簡単な構成及び操作で残留内容物及び残留ガスを確実に排出させることができる。
【0085】
なお、以上の全ての実施形態において、噴射ボタン8の天壁部11中央部に、噴射ヘッド部2に外側から嵌合する嵌合凹部28及び噴射口30を筒体29により形成したが、必ずしもこのような筒体29を設けなくともよく、噴射ヘッド部2のステムが当接する部材を設けて残留内容物及び残留ガスを噴射させて排出できるものであればよい。
【0086】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0087】
1 容器本体
2 噴射ヘッド部
5、6 突部
8 噴射ボタン
10、10A、10B、10C、10D 外側筒状部
11 天壁部
18 第2嵌着部
20 カバー体
21、21A 外壁部
22 第1嵌着部
23 開口
24 天壁部
25、25A カバー壁
34 橋架部
35 垂下片
36 係止突部
37 連結片
41 溝
42 薄肉部
43 係合片
51 薄肉部
52 係止片
61 第1挿通口
62 第2挿通溝
63 取付部
64 エクステンションチューブ
71 開口
72 開口形成壁
73 揺動片
73A 垂直片
73B 水平片
74 連結軸体
81 第2嵌着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
それぞれ前記開口を横切るように橋架部を介して前記連結片と前記カバー体とを連結すると共に前記カバー体の前記開口を形成する壁面から各橋架部に対応してそれぞれ係止突部が形成された垂下片を垂下するように設け、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために、前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して前記連結片を押し下げた際に、カバー体寄りが切断された各橋架部が各垂下片に形成された係止突部に下方から係止すると共に前記噴射ボタンが前記カバー体の天壁部に上方から係止保持され、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の天壁部に上方から係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする噴射ボタン装置。
【請求項2】
容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成すると共に噴射ボタンの周側壁に外方へ折り曲げ可能な係合片を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して前記噴射ボタンの係合片を外方へ折り曲げて前記カバー体の天壁部に上方から係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の天壁部に上方から前記係合片を係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする噴射ボタン装置。
【請求項3】
容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有すると共に上方へ折り曲げ可能な係止片が形成された環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために、前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して前記カバー体の前記係止片を上方に折り曲げて噴射ボタンの天壁部裏面に係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の前記係止片により係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする噴射ボタン装置。
【請求項4】
容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために前記噴射ボタン又はカバー壁に第2嵌着部を形成すると共にこの噴射ボタンの周側壁に対向するように第1及び第2の挿通用の開口を開設し、
前記容器本体からカバー体を外して付属品としてのエクステンションチューブを前記噴射ボタンの第1及び第2の挿通用開口に挿通させると共にこの挿通させたエクステンションチューブを前記カバー体の天壁部に上方から係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記カバー体の天壁部に上方から前記エクステンションチューブを係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする噴射ボタン装置。
【請求項5】
容器本体内の内容物を外方へ向けて噴射する噴射ヘッド部に装着される噴射ボタンと、この噴射ボタンの外周を取り囲むカバー体と、噴射ボタンとカバー体とを連結する連結片とを備え、カバー体を前記容器本体の上部に被せるように装着させ、前記噴射ボタンを噴射ヘッド部に装着させて噴射ボタンを押圧操作すると、前記連結片が弾性変形して噴射ボタンが噴射ヘッド部を押圧して内容物を噴射させる噴射可能状態となり、前記カバー体に対して前記容器本体を上下逆さに取付けると、前記噴射ボタンを前記噴射ヘッド部に押し付けて、噴射ヘッド部から内容物を噴射させる状態に保持する内容物排出状態となる噴射ボタン装置であって、
前記カバー体は、前記噴射可能状態となるよう前記容器本体の上部に被せるように装着させるための第1嵌着部が下部に形成された円筒状の外壁部と、中央部に開口を有する環状の天壁部と、前記噴射ボタンの横方向の外方を塞ぐ一対のカバー壁を備え、
前記カバー体の天壁部に前記中央開口に連通する開口を形成して、この開口を形成する対向する開口形成壁間には支点となる各連結軸体を介して揺動片を揺動可能に連結し、
上下逆さにした前記容器本体を取付けるために、前記噴射ボタン又はカバー体に第2嵌着部を形成し、
前記容器本体からカバー体を外して各連結軸体を介して揺動片を揺動させて、この揺動片の一端部をカバー体の外壁部上に係止保持させると共に他端部を噴射ボタンの周側壁下端に係止保持させ、
前記内容物排出状態となるように、前記揺動片により係止保持された状態にある前記噴射ボタンに、上下逆さにした前記容器本体を前記第2嵌着部により取り付けて保持することを特徴とする噴射ボタン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−116426(P2011−116426A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−277150(P2009−277150)
【出願日】平成21年12月7日(2009.12.7)
【出願人】(599169380)株式会社小林産業 (1)
【Fターム(参考)】