説明

噴射攪拌装置及び地盤改良方法

【課題】既設構造物の直下の地盤改良を、容易に、短時間で、多大な費用をかけることなく行うことができる噴射攪拌装置を提供する。
【解決手段】外管3と、該外管3内に該外管3の軸線を中心として回転自在に支持される内管11と、前記内管11の先端に設けられて前記内管11と一体に回転可能な削孔ヘッド30とからなる削孔ロッド2と、該削孔ロッド2の前記削孔ヘッド30先端に設けられる削孔液を吐出させる吐出孔34と、前記削孔ヘッド30の前記吐出孔34よりも後方側に設けられる固化材を噴射させる噴射孔35と、前記吐出孔34に削孔液を供給する第1供給路25と、前記噴射孔35に固化材を供給する第2供給路26とを備えている噴射攪拌装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射攪拌装置及び地盤改良方法に関し、特に、構造物の直下を地盤改良するのに有効な噴射攪拌装置及び地盤改良方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、旧耐震基準で建てられたLNGタンク等の既設構造物の直下を地盤改良し、地震に伴う地盤の液状化を防止し、液状化による既設構造物の倒壊等を防止するため、既設構造物の直下の地盤に薬液を注入し、直下の地盤を強化することが行われている。
【0003】
例えば、図24に示すように、既設構造物40の直上から既設構造物40を貫通する孔43を削孔し、この削孔したボーリング孔43を利用して既設構造物40の直下の地盤41に固化材を注入したり高圧噴射攪拌する等して地盤改良する方法、図25に示すように、既設構造物40の側方から地盤41を斜め下方に削孔し、この削孔したボーリング孔43を利用して既設構造物40の直下の地盤に固化材を注入したり高圧噴射攪拌する等して地盤改良する方法、図26に示すように、既設構造物40の側方の地盤41に縦坑44を設け、この縦坑44から地盤41を水平に削孔し、この削孔したボーリング孔43を利用して既設構造物40の直下の地盤41に固化材を注入したり高圧噴射攪拌する等して地盤改良する方法等が採用されている。
【0004】
ところで、上記のような地盤改良方法のうち、図24の地盤改良方法は、既設構造物40が道路や鉄道等の場合には、孔43を避けるように道路や鉄道等の切り回しを行った後に、既設構造物40の直下の地盤41を改良する必要がある。また、既設構造物40がLNGタンク等のように切り回しができない場合には、孔43を削孔するためにLNGタンク等の中身を抜いて床板を部分的に取り壊した後に、既設構造物30の直下の地盤41を改良する必要がある。
【0005】
また、図25の地盤改良方法は、既設構造物40の面積が広い場合には、既設構造物40の直下の中央付近まで孔43を削孔することできないため、その部分の地盤41の改良ができない。
【0006】
さらに、図26の地盤改良方法は、既設構造物40の周囲の地盤に既設構造物40に沿って縦坑44を掘削し、この縦抗44から地盤改良を行うことになるため、改良対象領域が深い位置に位置する場合には、縦坑44の掘削工事が大規模になる。また、地下水位以下での地盤改良は困難である。
【0007】
上記のような問題に対処するため、特許文献1に記載の地盤改良方法を採用することが考えられる。
特許文献1に記載の地盤改良工法は、可撓性を有する掘削ロッドを用い、この掘削ロッドを地上に設置した掘削機から繰り出すことにより、地盤を所定の深さまで斜め下方に削孔し、掘削ロッドの向きを施工対象領域に向かう方向に変えながら更に削孔し、掘削ロッドの先端を所定の位置に到達させる。
【0008】
そして、削孔したボーリング孔内に、掘削ロッドを包囲するように管状のケーシングを挿入し、ケーシングの先端をボーリング孔の先端の切羽に到達させ、ケーシング内から掘削ロッドを地上に引き抜き、ケーシング内に地上からモニタ(固化材充填手段)を挿入して先端を切羽に到達させる。
【0009】
そして、ケーシングを地上側に引き抜きながら、モニタを回転(180°或いは360°時計方向と反時計方向に交互に回転、逆回転させる)させて、モニタの先端から切削流体を噴射するとともに、固化材を噴射することを繰り返し行うことにより、削孔したボーリング孔内に固化材を高圧噴射し、地盤の施工対象領域に水平部分を有する地中固結体を造成し、施工対象領域の地盤を改良するというものである。
【0010】
特許文献1に記載の地盤改良方法を用いることにより、図24〜図26を参照して説明した地盤改良方法における上記の問題を解消することができ、既設構造物の直下を地盤改良することができる。
【0011】
しかし、特許文献1に記載の地盤改良方法は、図27に示すように、地上からケーシング45内にモニタ46を挿入した場合、モニタ46は、最初に先端が図27中のA´に当たり、次にB´に当たり、その後、図28に示すように、ケーシング45の形状に沿って湾曲し、最終的に図28中の屈曲部分A、及びBに当たる。このため、ケーシング45の中心線とモニタ46の中心線とを一致させることは難しく、モニタ46を回転させた場合に、モニタ46のケーシング45との接触部分A、Bの抵抗が増大し、モニタ46を円滑に回転させることができず、周囲の地盤に均等に固化材を高圧噴射することができない。さらに、モニタ46のケーシング45との接触部分A、Bが摩耗し易いため、モニタ46の耐久性が低下する。
さらに、上述したような多数の工程を経るため、既設構造物の直下の地盤改良に時間と手間と費用がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平2006−45847号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、既設構造物の直下の地盤改良を、容易に、短時間で、多大な費用をかけることなく行うことができる噴射攪拌装置及び地盤改良方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記のような課題を解決するために、本発明は、以下のような手段を採用している。
すなわち、本発明は、外管と、該外管内に該外管の軸線を中心として回転自在に支持される内管と、前記内管の先端に設けられて前記内管と一体に回転可能な削孔ヘッドとからなる削孔ロッドと、該削孔ロッドの前記削孔ヘッドの先端に設けられる削孔液を吐出させる吐出孔と、前記削孔ヘッドの前記吐出孔よりも後方側に設けられる固化材を噴射させる噴射孔と、前記吐出孔に削孔液を供給する第1供給路と、前記噴射孔に固化材を供給する第2供給路とを備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の噴射攪拌装置によれば、吐出孔から削孔液を吐出させながら削孔し、この際に、噴射孔から固化材を噴射させることにより、周囲の地盤と固化材とを攪拌混合し、改良対象領域の地盤に固化材を注入し、強化することができる。
また、内管を外管の内側に外管の軸線を中心として回転自在に支持しているので、削孔ロッドを湾曲させた状態としても、外管と内管とが局所的に干渉するようなことはなく、内管及び削孔ヘッドを円滑に回転させることができるとともに、内管に摩耗が生じるのを防止できる。
【0016】
また、本発明において、前記外管及び前記内管は、可撓性を有する材料から形成されるとともに、前記削孔ヘッドの先端には、前記内管の軸線に対して所定の角度で傾斜する先端ビットが一体に設けられていることとしてもよい。
【0017】
本発明の噴射攪拌装置によれば、削孔ヘッドの回転を停止させた状態で、削孔ロッドを地盤に押し込むことにより、先端ビットが地盤からの抵抗を受けて、削孔ロッドが先端ビットの傾斜角度に応じて湾曲変形して、削孔ロッドの進行方向が変更され、削孔ヘッドの回転を再開させることにより、削孔ロッドをその方向に進行させることができる。
従って、既設構造物の直下の地盤に障害物が存在する場合や、既設構造物の面積が大きい場合であっても、既設構造物の直下の地盤の改良対象領域に削孔ロッドの先端を到達させて、改良対象領域の地盤と固化材とを攪拌混合し、改良対象領域の地盤に固化材を注入し、強化することができる。
【0018】
さらに、本発明において、前記外管と前記内管との間に前記第1供給路が設けられ、前記内管の内側に前記第2供給路が設けられていることとしてもよい。
【0019】
本発明の噴射攪拌装置によれば、外管と内管との間の第1供給路を介して吐出孔に削孔液が供給され、内管の内側の第2供給路を介して噴射孔に固化材が供給されることになる。
【0020】
さらに、本発明において、前記内管は、第1内管と、該第1内管の内側に設けられる第2内管とからなり、前記第1内管と前記外管との間に前記第1供給路が設けられ、前記第2内管の内側に前記噴射孔に固化材を供給する前記第2供給路が設けられ、前記第1内管と前記第2内管との間に、前記噴射孔の周囲に前記噴射孔を包囲するように設けられた補助噴射孔に流体を供給する第3供給路が設けられていることとしてもよい。
【0021】
本発明の噴射攪拌装置によれば、第1内管と外管との間の第1供給路を介して吐出孔に削孔液が供給され、第2内管の内側の第2供給路を介して噴射孔に固化材が供給され、第1内管と第2内管との間の第3供給路を介して補助噴射孔に流体が供給されることになる。
従って、噴射孔から噴射された固化材と周辺地盤との摩擦を低減させることができるので、固化材をより広範囲に噴射し、改良対象領域の地盤の広範囲を固化材と攪拌混合し、改良対象領域の広範囲の地盤に固化材を注入し、強化することができる。
【0022】
さらに、本発明において、前記削孔ロッドは、単外管と、該単外管の内側に軸受を介して回転自在に支持される単内管と、前記単外管及び前記単内管の両端部に設けられる連結手段とからなる延長ユニットと、単外管と、該単外管の内側に軸受を介して回転自在に支持される単内管と、前記単外管及び前記単内管の一端部に設けられる前記削孔ヘッドと、前記単外管及び前記単内管の他端部に設けられる連結手段とからなるヘッドユニットとを備え、前記ヘッドユニットに、少なくとも一つの前記延長ユニットを前記連結手段を介して一連に連結してなることとしてもよい。
【0023】
本発明の噴射攪拌装置によれば、削孔ロッドは、ヘッドユニットに一つ又は複数の延長ユニットを連結することにより、削孔する孔の長さに応じた長さに設定できる。この場合、ヘッドユニットに連結手段を介して延長ユニットを連結し、延長ユニット同士を連結手段を介して連結すればよいので、削孔ロッドを削孔する孔の長さに応じた長さに容易に設定することができる。また、延長ユニットの単内管は、単外管の内側に軸受を介して回転自在に支持され、ヘッドユニットの単内管は、単外管の内側に軸受を介して回転自在に支持されているので、延長ユニットの単外管と単内管とが互いに干渉するようなことはなく、また、ヘッドユニットの単外管と単内管とが互いに干渉するようなことはなく、削孔ロッドの内管及び削孔ヘッドを円滑に回転させることができる。
【0024】
さらに、本発明において、前記連結手段は、前記単外管の端部に設けられるねじ部と、前記単内管の端部に設けられる嵌合部との組合せからなることとしてもよい。
【0025】
本発明の噴射攪拌装置によれば、ヘッドユニットの単外管の端部に設けられるねじ部、単内管の端部に設けられる嵌合部と、延長ユニットの単外管の端部に設けられるねじ部、単内管の端部に設けられる嵌合部とを互いに連結させることにより、ヘッドユニットと延長ユニットとが互いに連結される。また、一の延長ユニットの単外管の端部に設けられるねじ部、単内管の端部に設けられる嵌合部と、他の一の延長ユニットの単外管の端部に設けられるねじ部、単内管の端部に設けられる嵌合部とを互いに連結させることにより、二つの延長ユニットが互いに連結されることになる。
【0026】
さらに、本発明は、請求項1〜6の何れかに記載の噴射攪拌装置を用いて既設構造物の直下の地盤を改良する地盤改良方法であって、既設構造物の側方の地上から、前記削孔ロッドにより地盤を斜め下向きに削孔して、前記削孔ロッドの先端を既設構造物の直下の地盤の改良対象領域に対応する深さに到達させ、前記削孔ロッドの向きを前記改良対象領域に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を前記改良対象領域を貫通する位置に到達させる削孔工程と、前記削孔ロッドを引き抜きながら、前記噴射孔から固化材を噴射させ、必要に応じて、前記補助噴射孔から流体を噴射させることにより、前記改良対象領域に固化材を噴射させる固化材噴射工程とを備えていることを特徴とする。
【0027】
さらに、本発明は、請求項1〜6の何れかに記載の噴射攪拌装置を用いて既設構造物の直下の地盤を改良する地盤改良方法であって、既設構造物の側方の地上から、前記削孔ロッドにより地盤を斜め下向きに削孔して、前記削孔ロッドの先端を既設構造物の直下の地盤の改良対象領域に対応する深さに到達させ、前記削孔ロッドの向きを前記改良対象領域に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を前記改良対象領域に到達させる削孔工程と、 前記吐出孔から削孔液を吐出させるとともに、前記噴射孔から固化材を噴射させ、必要に応じて、前記補助噴射孔から流体を噴射させながら、前記削孔ロッドを更に進行させ、前記改良対象領域に固化材を噴射させる固化材噴射工程とを備えていることを特徴とする。
【0028】
さらに、本発明は、請求項1〜6の何れかに記載の噴射攪拌装置を用いて既設構造物の直下の地盤を改良する地盤改良方法であって、既設構造物の側方の地上から、前記削孔ロッドにより地盤を斜め下向きに削孔して、前記削孔ロッドの先端を既設構造物の直下の地盤の改良対象領域に対応する深さに到達させ、前記削孔ロッドの向きを前記改良対象領域に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を前記改良対象領域を貫通する位置に到達させ、前記削孔ロッドの向きを斜め上方に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を地上に到達させる削孔工程と、前記削孔ロッドを引き抜きながら、前記噴射孔から固化材を噴射させ、必要に応じて、前記補助噴射孔から流体を噴射させることにより、前記改良対象領域に固化材を噴射させる固化材噴射工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
以上、説明したように、本発明の噴射攪拌装置及び地盤改良方法によれば、既設構造物の直下の地盤を容易に、短時間で、多大な費用をかけることなく、地盤改良を行うことができる。また、既設構造物の直下の地盤中に障害物が存在する場合であっても、障害物を避けて障害物の背面側の地盤改良を行うことができる。さらに、削孔ロッドを屈曲させても、内管は、外管の内側に外管の軸線を中心として回転自在に支持されているので、内管と外管とが干渉するようなことはなく、内管及び削孔ヘッドを円滑に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による噴射攪拌装置の第1の実施の形態の削孔ロッドの概略図である。
【図2】第1の実施の形態の延長ユニットの拡大断面図である。
【図3】図2及び図7のC−C線断面図である。
【図4】図2及び図7のD−D線断面図である。
【図5】図2のE−E線断面図である。
【図6】第1実施の形態の延長ユニット同士の連結状態、及びヘッドユニットと延長ユニットとの連結状態の拡大断面図である。
【図7】第1の実施の形態のヘッドユニットの拡大断面図である。
【図8】図7のF−F線断面図である。
【図9】図7のG−G線断面図である。
【図10】図7のH−H線断面図である。
【図11】本発明による噴射攪拌装置の第2の実施の形態の削孔ロッドの延長ユニットの拡大断面図である。
【図12】図11及び図16のI−I線断面図である。
【図13】図11及び図16のJ−J線断面図である。
【図14】図11のK−K線断面図である。
【図15】第2の実施の形態の延長ユニット同士の連結状態、及びヘッドユニットと延長ユニットとの連結状態の拡大断面図である。
【図16】第2の実施の形態のヘッドユニットの拡大断面図である。
【図17】図16のL−L線断面図である。
【図18】図16のM−M線断面図である。
【図19】図16のN−N線断面図である。
【図20】本発明による地盤改良方法の手順を示した説明図である。
【図21】削孔ロッドの湾曲方向を示した説明図である。
【図22】本発明による地盤改良方法の他の手順を示した説明図である。
【図23】本発明による地盤改良方法の他の手順を示した説明図である。
【図24】従来の地盤改良方法の一例を示した概略図である。
【図25】従来の地盤改良方法の他の例を示した概略図である。
【図26】従来の地盤改良方法の他の例を示した概略図である。
【図27】従来の地盤改良方法の他の例を示した概略図であって、ケーシングとモニタとの関係を示した説明図であって、モニタの挿入の初期の状態を示した説明図である。
【図28】図27のモニタの挿入の後期の状態を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図10には、本発明による噴射攪拌装置の第1の実施の形態が示されている。本実施の形態の噴射攪拌装置1は、図20、図22、及び図23に示すように、既設構造物40の直下の地盤41を改良するのに有効なものである。
【0032】
すなわち、本実施の形態の噴射攪拌装置1は、図1〜図10に示すように、外管15と、外管15の内側に外管15の軸線を中心として回転自在に挿着される内管20と、内管20の先端に一体に設けられて内管20と一体に回転可能な削孔ヘッド5とからなる削孔ロッド2を備え、削孔ヘッド5に、削孔液を吐出させる吐出孔12と、固化材を高圧噴射させる噴射孔13とが設けられている。
【0033】
削孔ロッド2は、図1に示すように、先端に削孔ヘッド5を有するヘッドユニット3と、ヘッドユニット3の後端に着脱可能に連結される少なくとも一つの延長ユニット4とから構成され、地盤41に削孔する孔の長さに応じて、ヘッドユニット3の後端に一つ又は2つ以上の延長ユニット4が連結される。
【0034】
延長ユニット4は、図2〜図6に示すように、可撓性を有する材料から形成される単外管16と、単外管16の内側に回転自在に挿着される可撓性を有する材料から形成される単内管21と、単内管21を単外管16の軸線を中心として回転自在に支持する一対の軸受35、35とから構成されている。軸受35には各種の転がり軸受を用いることができる。本実施の形態においては、軸受35に玉軸受を用いている。
【0035】
図2及び図3に示すように、単外管16の軸方向の両端の内面側には、径方向内方に環状に突出する軸受支持部19が一体に設けられ、単内管21の軸方向の両端の外面側には、径方向外方に環状に突出する軸受支持部25が一体に設けられ、この軸受支持部19と軸受支持部25との間に、単内管21を回転自在に支持する軸受35が介装されている。
【0036】
図2及び図3に示すように、単内管21の軸受支持部25には、軸受支持部25を軸線方向に貫通する扇形状の開口26が4箇所に設けられ、この開口26を介して、単外管16の内周面と単内管21の外周面との間に形成される円筒状の空間30が延長ユニット4の軸線方向に貫通している。延長ユニット4の空間30と後述するヘッドユニット3の空間30、空間7とにより、後述する第1供給路32が構成される。
【0037】
図2〜図6に示すように、単内管21の内周面側には、延長ユニット4を軸線方向に貫通する円柱状の空間22が設けられ、この空間22と後述するヘッドユニット3の空間22とにより、後述する第2供給路33が構成される。
【0038】
図2、図4及び図5に示すように、単外管16の軸方向の一端の軸受支持部19よりも外側の部分は、外周面が所定の雄ねじ部17に形成され、他端の軸受支持部19よりも外側の部分は、内周面が所定の雌ねじ部18に形成され、単内管21の軸方向の一端の軸受支持部25よりも外側の部分は、内周面が断面六角形状のテーパ筒状の凹状嵌合部23に形成され、他端の軸受支持部25よりも外側の部分は、外周面が断面六角形状のテーパ筒状の凸状嵌合部24に形成されている。
【0039】
図6に示すように、二つの延長ユニット4、4を軸線を一致させた状態で対向させ、一方の延長ユニット4の単外管16の雌ねじ部18と他方の延長ユニット4の単外管16雄ねじ部17とを相互に螺合させることにより、一方の延長ユニット4の単内管21の凸状嵌合部24と他方の延長ユニット4の単内管21の凹状嵌合部23とが相互に嵌合され、二つの延長ユニット4、4が互いに連結され、両延長ユニット4、4の空間30と空間30とが相互に連通し、空間22と空間22とが相互に連通する。
【0040】
ヘッドユニット3は、図7〜図10に示すように、先端が所定の角度で斜めに切断されるとともに、後端が円板状の基部9によって閉塞される鋼管等から形成される筒状部6と、筒状部6の斜めに切断された先端を閉塞する楕円板状の先端ビット8とからなる削孔ヘッド5と、削孔ヘッド5の筒状部6の基部9の後端側の中心部に軸線を一致させた状態で一体に連結される単内管21と、単内管21の外周側に単内管21を包囲するように設けられる単外管16と、単内管21を単外管16の軸線を中心として回転自在に支持する一対の軸受35、35とから構成され、削孔ヘッド5の筒状部6の先端側に吐出孔12が設けられ、筒状部6の後端側の基部9に噴射孔13が設けられている。
【0041】
ヘッドユニット3の単外管16及び単内管21は、延長ユニット4の単外管16及び単内管21と同様に、可撓性を有する材料から形成されている。
【0042】
図7及び図9に示すように、ヘッドユニット3の削孔ヘッド5の筒状部6の基部9の後端には、軸方向の後方側に環状に突出する軸受支持部10が一体に設けられ、単外管16の先端には、軸方向の先方側に環状に突出するとともに、外周面が基部9の軸受支持部10の内周面と対向する軸受支持部19´が一体に設けられ、この軸受支持部10の内周面と軸受支持部19´の外周面との間に軸受35が介装され、この軸受35とヘッドユニット3の後端側の単外管16と単内管21との間に介装される軸受35とにより、単内管21が単外管16の軸線を中心として回転自在に支持されている。
【0043】
図7に示すように、ヘッドユニット3の単外管16の後端側の軸受支持部19、単内管21の後端側の軸受支持部25、両軸受支持部19、25間に介装される軸受35、単外管16の後端側の雌ねじ部18、単内管21の後端側の凸状嵌合部24は、延長ユニット4のそれらと同一に構成されている。
【0044】
図7及び図8に示すように、ヘッドユニット3の基部9には、基部9を軸線方向に貫通する2つの半円形状の開口11、11が後述する噴射孔13を中心として左右対称に設けられ、この開口11、11を介して、ヘッドユニット3の筒状部6の内側の空間7と単外管16と単内管21との間の空間30とが相互に連通し、この空間7及び空間30と、前述した延長ユニット4の空間30とにより、ヘッドユニット3の吐出孔12にベントナイト溶液等の削孔液を供給する第1供給路32が構成される。
【0045】
図7及び図8に示すように、ヘッドユニット3の基部9の内部には、基部9を軸線と直交する方向に貫通する噴射孔13が設けられ、この噴射孔13に単内管21の内側の空間22が連通し、このヘッドユニット3の空間22と、前述した延長ユニット4の空間22とにより、ヘッドユニット3の噴射孔13にグラウト、セメントミルク等の固化材を供給する第2供給路33が構成される。
【0046】
図6に示すように、ヘッドユニット3の後端側に延長ユニット4を軸線を一致させた状態で対向させ、ヘッドユニット3の後端側の単外管16の雌ねじ部18と延長ユニットの先端側の単外管16雄ねじ部17とを相互に螺合させることにより、ヘッドユニット3側の単内管21の凸状嵌合部24と延長ユニット4側の単内管21の凹状嵌合部23とが相互に嵌合され、ヘッドユニット3の後端側に延長ユニット4が連結され、延長ユニット4の空間30とヘッドユニット3の空間30とが相互に連通し、延長ユニット4の空間22とヘッドユニット3の空間22とが相互に連通し、ヘッドユニット3の吐出孔12に連通する一連の第1供給路32と噴射孔13に連通する一連の第2供給路33が構成される。
【0047】
上記のような構成の削孔ロッド2を地盤41に向けて繰り出し、削孔ヘッド5の吐出孔12から削孔液を吐出させながら、削孔ヘッド5を回転させて地盤41に押し込むことにより、地盤41を直線的に削孔することができる。また、削孔の途中において、削孔ヘッド5の回転を停止させて、削孔ロッド2を地盤41に押し込むことにより、図1、図7、及び図21に示すように、削孔ヘッド5の先端の先端ビット8が傾斜していることにより、地盤41から先端ビット8に図21の矢印方向から抵抗力が作用し、この抵抗力によって削孔ロッド2の進行方向が図21のA方向に変更される。従って、削孔ヘッド5の回転を停止させ、削孔ロッド2を地盤41に押し込んで先端ビット8の向きを調整し、削孔ヘッド5の回転を再開させることにより、孔43の向きを調整することができ、削孔ロッド2の進行方向を調整することができる。
【0048】
上記のように構成した本実施の形態の噴射攪拌装置1を用いて既設構造物40の直下の地盤41を改良するには、例えば、図20に示すように、既設構造物40の側方の地上に地上機1aを設置し、地上機1aに削孔ロッド2を接続し、地上機1aから削孔ロッド2を繰り出し、地上機1aから第1供給路32を介して吐出孔12に削孔液を供給し、吐出孔12から削孔液を吐出させながら、削孔ヘッド5を回転させて地盤41に押し込むことにより、地盤41を斜め下方に直線的に削孔し、削孔ロッド2の先端を既設構造物40の直下の改良対象領域42に対応する深さまで到達させる。
【0049】
この場合、削孔ロッド2のヘッドユニット3の後端に順次延長ユニット4を連結しながら、削孔ロッド2の長さを順次長く延ばして地盤41に押し込むことにより、削孔ロッド2の先端を既設構造物40の直下の改良対象領域42に対応する深さまで到達させる。
【0050】
そして、削孔ヘッド5の回転を一旦停止させ、必要に応じて、延長ユニット4を連結しながら削孔ロッド2を更に押し込み、削孔ヘッド5の先端の先端ビット8で地盤41からの抵抗力を受けさせることにより、図20に示すように、削孔ロッド2の向きを改良対象領域42に向けて徐々に変更する。そして、削孔ヘッド5の回転を再開させることにより、削孔ロッド2の先端を改良対象領域42に到達させ、削孔ロッド2を更に押し込むことにより、削孔ロッド2の先端を改良対象領域42を貫通する位置に到達させる。
【0051】
そして、改良対象領域42を貫通する位置から削孔ロッド2を引き抜きながら、削孔ヘッド5を回転させ、第2供給路33を介して噴射孔13に固化材を供給し、噴射孔13から周囲の地盤41に向けて固化材を高圧噴射させることにより、改良対象領域42の地盤41と固化材とを攪拌混合し、改良対象領域42の地盤41に固化材を注入する。
【0052】
このようにして、改良対象領域42の地盤41の全体に固化材を高圧噴射して注入することにより、既設構造物40の直下の地盤41の改良対象領域42を地盤改良することができる。
なお、この際、地盤41を削孔することによって産出された余剰の泥土は、削孔した孔43と削孔ロッド2の間の間隙を通じて発進側の地上に排出される。
【0053】
なお、上記の手順に限らず、図22に示すように、削孔ロッド2を、先端が改良対象領域42に到達する位置まで押し込み、その位置で削孔ヘッド5を回転させながら、吐出孔12から削孔液を吐出させ、噴射孔13から固化材を高圧噴射させて、削孔ロッド2を改良対象領域42を貫通する方向に押し込み、削孔ロッド2の周囲の地盤41と固化材とを攪拌混合し、改良対象領域42の地盤41に固化材を注入することにより、改良対象領域42を地盤改良してもよい。
【0054】
また、図23に示すように、削孔ロッド2を、改良対象領域42を貫通する位置まで押し込み、その位置から削孔ロッド2の方向を斜め上方に変えて地上に貫通させ、その位置から削孔ロッド2を先端が改良対象領域42の先端(図23の右端)に達するまで引き抜き、その位置から削孔ロッド2を更に引き抜きながら、削孔ヘッド5を回転させて噴射孔13から固化材を高圧噴射させ、削孔ロッド2の周囲の地盤41と固化材とを攪拌混合しながら周囲の地盤41に固化材を注入し、削孔ロッド2を更に引き抜いて改良対象領域42の末端(図23の左端)に到達させることにより、改良対象領域42の地盤41に固化材を注入し、改良対象領域42を地盤改良してもよい。
【0055】
この場合、地盤41を削孔することによって産出された余剰の泥土は、削孔した孔43を介して到達側の地上に排出されることになるので、余剰の泥土の排出が容易となる。
【0056】
上記のように構成した本実施の形態の噴射攪拌装置1にあっては、削孔ロッド2の外管15及び内管20を可撓性を有する材料で形成したので、図24及び図25に示すように、切り回しが必要な道路や鉄道等の既設構造物40や、切り回しが不可能なLNGタンク等の既設構造物40の直下の地盤41を改良する場合に、切り回しを必要とすることなく、また、既設構造物40を取り壊す必要もなく、削孔ロッド2の先端を既設構造物40の直下の改良対象領域42に到達させて、その部分に固化材を注入し、地盤改良することができる。
【0057】
また、既設構造物40の直下の地盤41中に基礎、杭等の障害物が存在する場合でも、削孔ロッド2の先端を障害物の背面側に到達させて、障害物の背面側に固化材を注入し、その部分を地盤改良することができる。
【0058】
さらに、図26に示すように、既設構造物40に沿って縦坑を削孔する必要がないので、地盤改良の改良対象領域42が深い位置に位置する場合であっても、大規模な縦坑を削孔する必要はなく、地盤改良を容易に短時間で多大な費用をかけることなく行うことができる。
【0059】
さらに、削孔ロッド2をヘッドユニット3と、ヘッドユニット3の後端に着脱可能に連結される少なくとも一つの延長ユニット4とによって構成したので、削孔ロッド2の長さを、地盤41に削孔する孔の長さに対応した長さに容易に設定することができる。
【0060】
さらに、削孔ロッド2を構成するヘッドユニット3及び延長ユニット4は、単外管16の内側に単内管21を軸受35によって回転自在に支持しているので、削孔ロッド2を地盤41に押し込む過程において、ヘッドユニット3及び延長ユニット4の単外管16を湾曲させても、単外管16の内側で単内管21が干渉するようなことはなく、単内管21の回転に支障をきたすようなことはなく、ヘッドユニット3の削孔ヘッド5を円滑に回転させることができ、地盤41に、改良対象領域42に向かう孔43を容易に、確実に削孔することができる。
【0061】
さらに、特許文献1に記載の地盤改良方法のような多数の工程を必要としないので、地盤改良を容易に短時間で多大な費用をかけることなく行うことができる。
【0062】
さらに、削孔ロッド2のヘッドユニット3は、削孔ヘッド5の後端に、単外管16の内側に単内管21を軸受35によって回転自在に支持したものを接続した簡単な構成ものであり、また、延長ユニット4は、単外管16の内側に単内管21を軸受35によって回転自在に支持した簡単な構成のものであるので、全体の構成を簡素化することができる。
【0063】
さらに、ヘッドユニット3と延長ユニット4との連結は、ヘッドユニット3の単外管16の雌ねじ部18に延長ユニット4の単外管16の雄ねじ部17を螺合させて、ヘッドユニット3の単内管21の凸状嵌合部24と延長ユニット4の凹状嵌合部23とを嵌合させればよく、また、延長ユニット4同士の連結は、一方の延長ユニット4の単外管16の雌ねじ部18に他方の延長ユニット4の単外管16の雄ねじ部17を螺合させて、一方の延長ユニット4の単内管21の凸状嵌合部24と他方の延長ユニット4の単内管21の凹状嵌合部23とを嵌合させればよいので、削孔ロッド2の長さの調整を容易に行うことができ、削孔作業を効率良く行うことができる。
【0064】
図11〜図18には、本発明による噴射攪拌装置の第2の実施の形態が示されている。
本実施の形態の噴射攪拌装置1は、ヘッドユニット3及び延長ユニット4の単内管21を、第1単内管27と第1単内管27の内側に設けられる第2単内管28との二重管構造に構成し、第1単内管27と第2単内管28との間の円状状の空間31によって第3供給路34を構成するとともに、ヘッドユニット3の基部9の噴射孔13の周囲に、図16に示すように、噴射孔13を包囲するように筒状の補助噴射孔14を設け、この補助噴射孔14に第3供給路34を連通させ、第3供給路34を介して補強噴射孔14に流体(空気等の気体、水等の液体)を供給するように構成したものであって、その他の構成は前記実施の形態に示すものと同様である。
【0065】
そして、本実施の形態の噴射攪拌装置1にあっても、前記実施の形態に示すものと同様の作用効果を奏する他、噴射孔13から固化材を高圧噴射する際に、噴射孔13の周囲の補助噴射孔14から流体を噴射させることにより、噴射孔13から高圧噴射された固化材と周辺の地盤41との摩擦を低減させることができるので、固化材をより広範囲に噴射し、改良対象領域42の地盤41の広範囲を固化材と攪拌混合し、改良対象領域42の広範囲の地盤に固化材を注入し、強化することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 噴射攪拌装置
1a 地上機
2 削孔ロッド
3 ヘッドユニット
4 延長ユニット
5 削孔ヘッド
6 筒状部
7 空間
8 先端ビット
9 基部
10 軸受支持部
11 開口
12 吐出孔
13 噴射孔
14 補助噴射孔
15 外管
16 単外管
17 雄ねじ部
18 雌ねじ部
19 軸受支持部
19´ 軸受支持部
20 内管
21 単内管
22 空間(内管の内側)
23 凹状嵌合部
24 凸状嵌合部
25 軸受支持部
26 開口
27 第1単内管
28 第2単内管
30 空間(外管と内管との間)
31 空間(第1内管と第2内管との間)
32 第1供給路
33 第2供給路
34 第3供給路
35 軸受
40 既設構造物
41 地盤
42 改良対象領域
43 孔
45 ケーシング
46 モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外管と、該外管内に該外管の軸線を中心として回転自在に支持される内管と、前記内管の先端に設けられて前記内管と一体に回転可能な削孔ヘッドとからなる削孔ロッドと、該削孔ロッドの前記削孔ヘッドの先端に設けられる削孔液を吐出させる吐出孔と、前記削孔ヘッドの前記吐出孔よりも後方側に設けられる固化材を噴射させる噴射孔と、前記吐出孔に削孔液を供給する第1供給路と、前記噴射孔に固化材を供給する第2供給路とを備えていることを特徴とする噴射攪拌装置。
【請求項2】
前記外管及び前記内管は、可撓性を有する材料から形成されるとともに、前記削孔ヘッドの先端には、前記内管の軸線に対して所定の角度で傾斜する先端ビットが一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の噴射攪拌装置。
【請求項3】
前記外管と前記内管との間に前記第1供給路が設けられ、前記内管の内側に前記第2供給路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の噴射攪拌装置。
【請求項4】
前記内管は、第1内管と、該第1内管の内側に設けられる第2内管とからなり、前記第1内管と前記外管との間に前記第1供給路が設けられ、前記第2内管の内側に前記噴射孔に固化材を供給する前記第2供給路が設けられ、前記第1内管と前記第2内管との間に、前記噴射孔の周囲に前記噴射孔を包囲するように設けられた補助噴射孔に流体を供給する第3供給路が設けられていることを特徴とする請求項3記載の噴射攪拌装置。
【請求項5】
前記削孔ロッドは、単外管と、該単外管の内側に軸受を介して回転自在に支持される単内管と、前記単外管及び前記単内管の両端部に設けられる連結手段とからなる延長ユニットと、
単外管と、該単外管の内側に軸受を介して回転自在に支持される単内管と、前記単外管及び前記単内管の一端部に設けられる前記削孔ヘッドと、前記単外管及び前記単内管の他端部に設けられる連結手段とからなるヘッドユニットとを備え、
前記ヘッドユニットに、少なくとも一つの前記延長ユニットを前記連結手段を介して一連に連結してなることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の噴射攪拌装置。
【請求項6】
前記連結手段は、前記単外管の端部に設けられるねじ部と、前記単内管の端部に設けられる嵌合部との組合せからなることを特徴とする請求項5に記載の噴射攪拌装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の噴射攪拌装置を用いて既設構造物の直下の地盤を改良する地盤改良方法であって、
既設構造物の側方の地上から、前記削孔ロッドにより地盤を斜め下向きに削孔して、前記削孔ロッドの先端を既設構造物の直下の地盤の改良対象領域に対応する深さに到達させ、前記削孔ロッドの向きを前記改良対象領域に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を前記改良対象領域を貫通する位置に到達させる削孔工程と、
前記削孔ロッドを引き抜きながら、前記噴射孔から固化材を噴射させ、必要に応じて、前記補助噴射孔から流体を噴射させることにより、前記改良対象領域に固化材を噴射させる固化材噴射工程とを備えていることを特徴とする地盤改良方法。
【請求項8】
請求項1〜6の何れかに記載の噴射攪拌装置を用いて既設構造物の直下の地盤を改良する地盤改良方法であって、
既設構造物の側方の地上から、前記削孔ロッドにより地盤を斜め下向きに削孔して、前記削孔ロッドの先端を既設構造物の直下の地盤の改良対象領域に対応する深さに到達させ、前記削孔ロッドの向きを前記改良対象領域に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を前記改良対象領域に到達させる削孔工程と、
前記吐出孔から削孔液を吐出させるとともに、前記噴射孔から固化材を噴射させ、必要に応じて、前記補助噴射孔から流体を噴射させながら、前記削孔ロッドを更に進行させ、前記改良対象領域に固化材を噴射させる固化材噴射工程とを備えていることを特徴とする地盤改良方法。
【請求項9】
請求項1〜6の何れかに記載の噴射攪拌装置を用いて既設構造物の直下の地盤を改良する地盤改良方法であって、
既設構造物の側方の地上から、前記削孔ロッドにより地盤を斜め下向きに削孔して、前記削孔ロッドの先端を既設構造物の直下の地盤の改良対象領域に対応する深さに到達させ、前記削孔ロッドの向きを前記改良対象領域に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を前記改良対象領域を貫通する位置に到達させ、前記削孔ロッドの向きを斜め上方に向けて変えながら、前記削孔ロッドの先端を地上に到達させる削孔工程と、
前記削孔ロッドを引き抜きながら、前記噴射孔から固化材を噴射させ、必要に応じて、前記補助噴射孔から流体を噴射させることにより、前記改良対象領域に固化材を噴射させる固化材噴射工程とを備えていることを特徴とする地盤改良方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2011−179283(P2011−179283A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46830(P2010−46830)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(000000549)株式会社大林組 (1,758)
【Fターム(参考)】