説明

回収装置、及び、回収方法

【課題】リガンドに結合したアナライトの回収時に、流路に非特異的に吸着したアナライトが回収されてしまうことを防止可能な回収装置、及び、回収方法を提供する。
【解決手段】測定部56に配置されているセンサースティック40の流路側部品43を誘電体ブロック42から取り外し、取り外した流路側部品43を部品廃棄部34へ廃棄する。次に、測定部56の誘電体ブロック42に新しい流路側部品43を取り付ける。そして、押さえ部材58で流路側部品43を上から押圧して、誘電体ブロック42に流路側部品43を取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リガンドへアナライトを含むアナライト溶液を供給した後、回収液を用いて前記リガンドと結合したアナライトを回収するための回収装置、及び、回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、固定されたリガンドに、このリガンドと結合(特異吸着)するアナライトを結合させ、その後、結合したアナライトをリガンドから解離して回収したり、回収したアナライトに対して各種分析をしたりすることが行なわれている(特許文献1、特許文献2参照)。
【0003】
例えば、特許文献1には、固定リガンドへリガンド結合物質(アナライト)を結合させた後、解離液でリガンド結合物質を解離し、解離したリガンド結合物質を容器で受けて回収する装置が開示されている。この装置では、固定リガンドの上に流路部材で流路を形成し、この流路にリガンド結合物質を含む溶液を送液することにより、固定リガンドへリガンド結合物質を供給している。そして、固定リガンドとリガンド結合物質との相互作用を測定する。
【0004】
ところで、多くの生化学分析の際、流す溶液には目的とするリガンド結合物質のみが含まれているとは限らず、他の物質を含む場合もある。このとき、リガンド結合物質を含む溶液を流路に送液すると、リガンド結合物質が流路に非特異的に吸着してしまうことがある。リガンド結合物質を回収する際に、本来、リガンドと特異的に結合したリガンド結合物質のみを回収したいところであるが、非特異的に吸着した他の物質も回収されてしまうという不都合が生じてしまう。
【特許文献1】特表平9−500208号
【特許文献2】特表平11−512518号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、リガンドに結合したアナライトの回収時に、流路に非特異的に吸着したアナライトが回収されてしまうことを防止可能な回収装置、及び、回収方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の回収装置は、リガンドの固定された平坦面との間に液体流路を構成する流路部材を用いて、前記リガンドへアナライトを含むアナライト溶液を供給した後、前記リガンドと結合したアナライトを回収する回収装置であって、前記流路部材を交換する流路交換手段、を含んで構成されている。
【0007】
上記構成の回収装置では、アナライト供給手段により流路へアナライト溶液が供給される。供給されたアナライト溶液中のアナライトは、流路を構成する平坦面に固定されたリガンドと結合する。このとき、アナライト溶液中の他の物質が、流路を構成する流路部材の内壁に非特異的に吸着することがある。そこで、本発明では、流路交換手段により流路部材が交換する。したがって、流路部材に非特異的に吸着した他の物質が回収されてしまうことがなく、不要な物質が回収物質に混入するのを防止することができる。
【0008】
なお、本願においてリガンドとは、生理活性のある高分子物質をいい、タンパク質、DNA、RNA、糖類などが例示されるがそれらに限られない。
【0009】
また、本願においてアナライトとは、リガンドと相互作用をするか否か試験される目的をもってリガンドに供給されるすべての化合物をいう。
【0010】
第1の態様の回収装置は、前記交換手段により交換された後の前記流路部材により構成される液体流路の幅が、交換される前の前記流路部材により構成される液体流路の幅よりも広いこと、を特徴とすることができる。
【0011】
交換後に構成される流路の幅を、交換前に構成されていた流路の幅よりも広くすれば、流路部材の交換により流路の位置が多少ずれても、リガンドの固定位置をカバーするように流路を構成することができる。したがって、流路部材を交換する際の流路部材とリガンドとの相対位置の位置決め精度を高精度にする必要がなく、容易に交換することができる。
【0012】
また、第1の態様の回収装置は、前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定する測定手段、をさらに備えたことを特徴とすることもできる。
【0013】
測定手段を備えることにより、リガンドとアナライトとの結合状態を測定することができ、回収液の供給開始、終了を適切なタイミングで行なうことができる。
【0014】
なお、前記測定手段は、前記金属膜の前記液体流路が構成される側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定することができる。この場合には、前記平坦面は金属膜で構成する。全反射減衰を利用した測定としては、表面プラズモン共鳴、漏洩モード検出を用いることができる。
【0015】
また、第1の態様の回収装置の、前記金属膜は、誘電体ブロックの光反射面に形成され、前記測定手段が、前記誘電体ブロックを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させること、を特徴とすることができる。
【0016】
上記構成によれば、金属膜が誘電体ブロック上に直接形成されるので、金属膜と誘電体ブロックとが別体とされている場合と比較して、光学的なロスを少なくすることができる。また、金属膜と誘電体ブロックとが別体とされている場合には、誘電体ブロックと金属膜の形成された板との間に屈折率マッチングオイル等を注入する必要があるが、上記構成であれば屈折率マッチングオイル等を注入する必要はなく、回収装置の構成を簡単にすることができると共に、取り扱いも簡単になり、利便性が高まる。
【0017】
また、第1の態様の回収装置の、前記金属膜は、透明な平板の一面に形成され、前記測定手段は、前記平板の前記金属膜が形成された側と逆側の面と誘電体ブロックとを圧着させ、この光学プリズムを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させること、を特徴とすることもできる。
【0018】
上記構成によれば、金属膜の形成された平板を、光学プリズムと別体にして簡易な構成とすることができる。
【0019】
本発明の第2の態様の回収方法は、リガンドの固定された平坦面との間に液体流路を構成する流路部材を用いて、前記リガンドへアナライトを含むアナライト溶液を供給した後、前記リガンドと結合したアナライトを回収する回収方法であって、前記アナライト溶液の供給後、前記流路部材を交換し、交換後の流路部材と前記平坦面との間に構成される液体流路へ解離液を供給して、前記リガンドから解離されたアナライトを回収するものである。
【0020】
上記回収方法によれば、アナライト溶液の供給後、流路部材を交換するので、流路部材に非特異的に吸着した他の物質が回収されてしまうことがなく、不要な物質が回収物質に混入するのを防止することができる。
【0021】
第2の態様の回収方法は、前記交換された後の前記流路部材により構成される流路の幅が、交換される前の前記流路部材により構成される流路の幅よりも広いことを特徴とすることができる。
【0022】
交換後に構成される流路の幅を、交換前に構成されていた流路の幅よりも広くすれば、流路部材の交換により流路の位置が多少ずれても、リガンドの固定位置をカバーするように流路を構成することができる。したがって、流路部材を交換する際の流路部材とリガンドとの相対位置の位置決め精度を高精度にする必要がなく、容易に交換することができる。
【0023】
また、第2の態様の回収方法は、前記アナライト溶液の供給中、及び、前記回収液の供給中に、前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定することを特徴とすることもできる。
【0024】
このように、リガンドとアナライトとの結合状態を測定することにより、結合状態に応じて、回収液の供給開始、終了を適切なタイミングで行なうことができる。
【0025】
また、第2の態様の回収方法は、前記平坦面が金属膜で構成され、前記測定は、前記金属膜の前記流路が構成される側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定すること、を特徴とすることもできる。
【0026】
このように、全反射減衰を利用した測定方法により、リガンドとアナライトとの結合状態を測定することができる。
【0027】
また、第2の態様の回収方法は、前記金属膜が、誘電体ブロックの光反射面に形成され、前記測定は、前記誘電体ブロックを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させて行なわれること、を特徴とすることができる。
【0028】
上記構成によれば、金属膜が誘電体ブロック上に直接形成されるので、金属膜と誘電体ブロックとが別体とされている場合と比較して、測定の際の光学的なロスを少なくすることができる。また、屈折率マッチングオイル等を用いる必要がなく、取り扱いも簡単になり、利便性が高まる。
【0029】
また、第2の態様の回収方法は、前記金属膜が、透明な平板の一面に形成され、前記測定は、前記平板の前記金属膜が形成された側と逆側の面と誘電体ブロックとを圧着させ、この誘電体ブロックを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させて行なわれること、を特徴とする。
上記構成によれば、金属膜の形成された平板を、誘電体ブロックと別体にして簡易な構成とすることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は上記構成としたので、流路部材に非特異的に吸着したアナライトが回収されてしまうことがなく、不要な物質が回収物質に混入するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0032】
本発明の回収装置は、バイオセンサー10として構成されている。バイオセンサー10は、金属膜の表面に発生する表面プラズモン共鳴を利用して、リガンドDとアナライトAとの相互作用を測定する、いわゆる表面プラズモンセンサーである。
【0033】
図1に示すように、バイオセンサー10は、トレイ保持部12、搬送部14、容器載置台16、液体吸排部20、押さえ部26、流路交換部30、光学測定部54、及び、制御部60を備えている。
【0034】
トレイ保持部12は、載置台12A、及び、ベルト12Bを含んで構成されている。載置台12Aは、矢印Y方向に架け渡されたベルト12Bに取り付けられており、ベルト12Bの回転により矢印Y方向に移動可能とされている。載置台12A上には、トレイTが2枚、位置決めして載置される。トレイTには、センサースティック40が8本収納されている。センサースティック40は、リガンドDの固定されるチップであり、詳細については後述する。載置台12Aの下には、センサースティック40を後述するスティック保持部材14Cの位置まで押し上げる、押上機構12Dが配置されている。
【0035】
センサースティック40は、図2及び図3に示すように、誘電体ブロック42、流路部材44、保持部材46、接着部材48、及び、蒸発防止部材49、で構成されている。
【0036】
誘電体ブロック42は、光ビームに対して透明な透明樹脂等で構成されており、断面が台形の棒状とされたプリズム部42A、及び、プリズム部42Aの両端部にプリズム部42Aと一体的に形成された被保持部42Bを備えている。プリズム部42Aの互いに平行な2面の内の広い側の上面には、図4にも示すように金属膜50が形成されている。この金属膜50上に、バイオセンサー10で解析するリガンドDが固定される。誘電体ブロック42は、いわゆるプリズムとして機能し、バイオセンサー10での測定の際には、プリズム部42Aの対向する互いに平行でない2つの側面の内の一方から光ビームが入射され、他方から金属膜50との界面で全反射された光ビームが出射される。
【0037】
金属膜50の表面には、図4に示すように、リンカー層50Aが形成されている。リンカー層50Aは、リガンドDを金属膜50上に固定化するための層である。リンカー層50A上には、リガンドDが固定されアナライトAとリガンドDとの反応が生じる測定領域(E1)と、リガンドDが固定されず、前記測定領域E1の信号測定に際しての参照信号を得るための参照領域(E2)とが形成される。この参照領域E2は、上述したリンカー層50Aを製膜する際に形成される。形成方法としては、例えば、リンカー層50Aに対して表面処理を施して、リガンドDと結合する結合基を失活させる。これにより、リンカー層50Aの半分が測定領域E1となり、残りの半分が参照領域E2となる。このように、結合基を失活させるためには、上記、ブロッキングに用いたエタノールアミン−ヒドロクロライドを用いることができる。参照領域E2の別の構成方法としては、参照領域E2にカルボキシルメチルデキストランの代わりに、例えば、アルキルチオールを配するようにすれば、アルキル基を表面に配することが出来、アルキル基は、アミノカップリング法でリガンド結合させることは出来ないので、参照領域E2として使うことができる。
【0038】
図5にも示すように、液体流路45に露出されたリンカー層50Aの、参照領域E2以外の部分には、リガンドDが固定されている。参照領域E2にはリガンドDは固定されていない。参照領域E2、及び、参照領域E2よりも上流側に位置する測定領域E1には、各々光ビームL2、L1が入射される。参照領域E2は、リガンドDの固定された測定領域E1から得られるデータを補正するために設けられた領域である。
【0039】
プリズム部42Aの両側面には、下側の端辺に沿ってプリズム部42Aの上面と垂直な仮想面の延長上に構成される垂直凸部42Dが7箇所に形成されている。また、誘電体ブロック42の下面の長手方向に沿った中央部には、係合溝42Eが形成されている。
【0040】
流路部材44は、誘電体ブロック42よりもわずかに狭幅の直方体状とされ、図3に示すように、誘電体ブロック42の金属膜50上に6個並べて配置されている。各々の流路部材44の下面には流路溝44Aが形成されており、上面に形成された供給口45A及び排出口45Bと連通されて、金属膜50との間に、液体流路45が構成される。したがって、1本のセンサースティック40には、独立した6個の液体流路45が構成される。流路部材44の側壁には、保持部材46の内側の図示しない凹部に圧入されて保持部材46との密着性を確保するための凸部44Bが形成されている。流路部材44は、誘電体ブロック42と粘着可能な材料で構成されている。
【0041】
なお、液体流路45には、種々の蛋白質を含む液体が供給されることが想定されるので、流路壁への蛋白質の固着を防止するため、流路部材44の材料としては、蛋白質に対する非特異吸着性を有しないことが好ましい。
【0042】
保持部材46は、長尺とされ、上面板46A及び2枚の側面板46Bで構成されている。保持部材46は、6個の流路部材44を間に挟んで、誘電体ブロック42上に被せられる。なお、必要に応じて誘電体ブロック42と保持部材46とが係合されるように係合部(例えば、保持部材46の側面板46Bに係合孔を形成し、この係合孔に係合される係合凸部を誘電体ブロックに形成する)を設けてもよい。本実施形態では、保持部材46が誘電体ブロック42上に被せられることにより、流路部材44が誘電体ブロック42に粘着されて取り付けられる。保持部材46上面板46Aには、流路部材44の供給口45A及び排出口45Bと対向する位置に、流路部材44に向けて狭くなるテーパー状のピペット挿入孔46Dが形成されている。また、隣り合うピペット挿入孔46Dとピペット挿入孔46Dとの間には、位置決め用のボス46Eが形成されている。
【0043】
保持部材46の上面には、蒸発防止部材49が接着部材48を介して接着されている。接着部材48のピペット挿入孔46Dと対向する位置にはピペット挿入用の孔48Dが形成され、ボス46Eと対向する位置には位置決め用の孔48Eが形成されている。また、蒸発防止部材49のピペット挿入孔46Dと対向する位置には十字状の切り込みであるスリット49Dが形成され、ボス46Eと対向する位置には位置決め用の孔49Eが形成されている。ボス46Eを孔48E及び49Eに挿通させて、蒸発防止部材49を保持部材46の上面に接着することにより、蒸発防止部材49のスリット49Dと流路部材44の供給口45A及び排出口45Bとが対向するように構成される。ピペットチップCPの非挿入時には、スリット49D部分が供給口45Aを覆い、液体流路45に供給されている液体の蒸発が防止される。
【0044】
図1に示すように、バイオセンサー10の搬送部14は、上部ガイドレール14A、下部ガイドレール14B、及び、スティック保持部材14C、を含んで構成されている。上部ガイドレール14A及び下部ガイドレール14Bは、トレイ保持部12及び光学測定部54の上部で、矢印Y方向と直交する矢印X方向に水平に配置されている。上部ガイドレール14Aには、スティック保持部材14Cが取り付けられている。スティック保持部材14Cは、センサースティック40の両端部の被保持部42Bを保持可能とされていると共に、上部ガイドレール14Aに沿って移動可能とされている。スティック保持部材14Cに保持されたセンサースティック40の係合溝42Eと下部ガイドレール14Bとが係合され、スティック保持部材14Cが矢印X方向に移動することにより、センサースティック40が光学測定部54上の測定部56に搬送される。また、測定部56には、測定時にセンサースティック40を押さえる押さえ部材58が備えられている。押さえ部材58は、図示しない駆動機構によりZ方向に移動可能とされ、測定部56に配置されたセンサースティック40を上側から押圧する。
【0045】
容器載置台16には、アナライト溶液プレート17、回収液ストック容器18、解離液ストック容器19が載置されている。アナライト溶液プレート17は、96に区画されており、各種のアナライト溶液をストック可能とされている。回収液ストック容器18は、回収容器18A〜18Hで構成されており、回収容器18A〜18Hには、後述するピペットチップCPを挿入可能な開口Kが形成されている。解離液ストック容器19は、複数のストック容器19A〜19EH構成されており、回収容器と同様にピペットチップCPを挿入可能な開口Kが形成されている。
【0046】
液体吸排部20は、上部ガイドレール14A、及び、ガイドレール16Bよりも上方で、矢印Y方向に架け渡された横断レール22、及び、ヘッド24を含んで構成されている。横断レール22は、図示しない駆動機構により、矢印X方向移動可能とされている。また、ヘッド24は、横断レール22に取り付けられ、矢印Y方向に移動可能とされている。また、ヘッド24は、図示しない駆動機構により、鉛直方向(矢印Z方向)にも移動可能とされている。ヘッド24は、図6に示すように、2本のピペット部24A、24Bを備えている。ピペット部24A、24Bには、先端部にピペットチップCPが取り付けられ、個々にZ方向の長さを調整可能とされている。ピペットチップCPは、図示しないピペットチップストッカーに多数ストックされており、必要に応じて交換可能とされている。
【0047】
なお、本実施形態においてはセンサースティック40への液体供給はピペットチップCPにより行われるが、ピペットチップの代わりに、一端が上記各溶液プレートに接続され、他端がセンサースティック40に接続可能とされたインジェクションチューブを設け、送液ポンプにより液体の供給を行ってもよい。
【0048】
光学測定部54は、図7に示すように、光源54A、第1光学系54B、第2光学系54C、受光部54D、信号処理部54E、を含んで構成されている。光源54Aからは、発散状態の光ビームLが出射される。光ビームLは、第1光学系54Bを介して、2本の光ビームL1、L2となり、測定部56に配置された誘電体ブロック42の測定領域E1と参照領域E2に入射される。測定領域E1及び参照領域E2において、光ビームL1、L2は、金属膜50と誘電体ブロック42との界面に対して種々の入射角成分を含み、かつ全反射角以上の角度で入射される。光ビームL1、L2は、誘電体ブロック42と金属膜50との界面で全反射される。全反射された光ビームL1、L2も、種々の反射角成分をもって反射される。この全反射された光ビームL1、L2は、第2光学系54Cを経て受光部54Dで受光されて、各々光電変換され、光検出信号が信号処理部54Eへ出力される。信号処理部54Eでは、入力された光検出信号に基づいて所定の処理が行なわれ、測定領域E1及び参照領域E2の全反射減衰角のデータ(以下「全反射減衰角データ」という)が求められる。この全反射減衰角データが制御部60へ出力される。
【0049】
図8に示すように、流路交換部30は、部品ストック部32、部品廃棄部34、及び、部品搬送部36、を含んで構成されている。部品ストック部32は、測定部56の下流側に配置されており、部品ストック部32には、センサースティック40の誘電体ブロック42以外の部品、すなわち、流路部材44、保持部材46、接着部材48、及び、蒸発防止部材49で組み立てられた、流路側部品43がZ方向に重ねてストックされている。ストックされている流路側部品43は、図示しない付勢機構により下から上方向に付勢されており、後述する保持アーム36Aが上部に配置されたときに、最上段の流路側部品43が上側へ押し出されて保持アーム36Aに狭持される。部品ストック部32にストックされている流路側部品43の流路部材44に形成されている流路溝44Aは、測定部56に配置されている交換対象となるセンサースティック40の流路部材44に形成されている流路溝44よりも幅広となっている。したがって、交換後のセンサースティック40の液体流路45の幅は、交換前のセンサースティック40の液体流路45の幅よりも幅広となる。
【0050】
部品搬送部36は、保持アーム36A及びレール36Bを含んで構成されている。レール36Bは、センサースティック40が搬送される搬送方向と平行に配置されている。保持アーム36Aは、流路側部品43を長手方向両端で狭持可能とされており、レール36Bに沿って移動される。
【0051】
部品廃棄部34は、部品ストック部32を挟んで測定部56と逆側に配置されている。部品廃棄部34は箱状とされ、中にセンサースティック40から取り外された流路側部品43が廃棄される。
【0052】
制御部60は、バイオセンサー10の全体を制御する機能を有し、図7に示すように、光源54A、信号処理部54E、及び、バイオセンサー10の図示しない駆動系と接続されている。制御部60は、図9示すように、バスBを介して互いに接続される、CPU60A、ROM60B、RAM60C、メモリ60D、及び、インターフェースI/F60E、を有し、各種の情報を表示する表示部62、各種の指示、情報を入力するための入力部64と接続されている。
【0053】
メモリ60Dには、バイオセンサー10を制御するための各種プログラムや、各種データが記録されている。
【0054】
次に、バイオセンサー10での、アナライト回収手順について説明する。ここでは、センサースティック40のリガンドDにアナライトAを結合させ、その後、結合したアナライトAのみをリガンドDから解離させて回収する。
【0055】
バイオセンサー10の載置台12Aには、リガンドDが固定され、液体流路45に保存液Cが充填されたセンサースティック40入りのトレイがセットされている。また、アナライト溶液プレート17、解離液ストック容器19には、所定のアナライト溶液、解離液がそれぞれセットされている。
【0056】
まず、押上機構12Dにより、1のセンサースティック40がスティック保持部材14Cの位置まで押し上げられ、スティック保持部材14Cにより保持される。そして、スティック保持部材14Cは、センサースティック40を保持したまま下部ガイドレール14Bに沿って移動して、センサースティック40を測定部56へ搬送する。測定部56へ搬送されたセンサースティック40は、所定の測定位置に位置決めされて押さえ部材58により、上部から押圧され固定される。
【0057】
入力部64から測定開始の指示が入力されると、制御部60では、図10に示す測定処理が実行される。
【0058】
まず、ステップS12で、光源54Aへ光ビームLの出射指示信号を出力する。これにより、光源54Aから光ビームLが出射される。出射された光ビームLは、第1光学系54Bで2本の光ビームL1、L2となり、液体流路45の測定領域E1、参照領域E2へ各々入射される。また、ステップS14で、受光部54D及び信号処理部54Eへ、作動指示信号を出力する。これにより、測定領域E1、参照領域E2で全反射され第2光学系54Cを経た光ビームL1、L2は、受光部54Dで受光され、受光された光は、測定領域E1、参照領域E2毎に光電変換されて光検出信号が信号処理部54Eへ出力される。信号処理部54Eでは、光検出信号に所定の処理が加えられ、全反射減衰角データが生成され、制御部60へ出力される。
【0059】
制御部60では、ステップS16で、所定時間経過したかどうかを判断し、所定時間の経過後、ステップS18で、入力された全反射減衰角データをメモリ60Dへ記憶する。そして、ステップS20で、測定領域E1からの光検出信号により得られる全反射減衰角データを、参照領域E2からの光検出信号により得られる全反射減衰角データで補正して、リガンドDとアナライト溶液YA中のアナライトAとの結合状態を示す結合状態データを生成する。そして、ステップS22で、結合状態データを表示部62へ出力する。これにより、所定時間毎の結合状態データがメモリ60Dへ記憶されると共に、表示部62へ表示される。表示部62へは、図11(A)に示すように、時間毎の結合状態データがグラフ化されて出力される。この測定処理は、測定処理終了信号を受けるまで継続される。
【0060】
一方、入力部64からアナライト結合回収処理開始の指示が入力されると、制御部60では、図12に示すアナライト結合回収処理が実行される。
【0061】
まず、ステップS30で、アナライト溶液YAの供給指示信号を出力する。これにより、ヘッド24で、液体流路45へアナライト溶液YAが供給される。アナライト溶液YAの供給は、具体的には以下のように行なわれる。まず、ヘッド24がアナライト溶液YAのセットされたアナライト溶液プレート17の上部に移動し、ピペット部24Aが下側に長く、ピペット部24Bが短くなるように段差がつけられる(図6(C)参照)。そして、ヘッド24を下降させて、ピペット部24Aに取り付けられているピペットチップCPAの先端のみをアナライト溶液YAが貯留されたセルへ挿入し、ピペットチップCPA内にアナライト溶液YAを吸引する。次に、ヘッド24を上昇させて測定部56の上部に移動させ、ピペット部24Aとピペット部24Bとが同じ高さになるように長さを調整する(図6(A)参照)。そして、ヘッド24を下降させて、ピペット部24A側のピペットチップCPAの先端を液体流路45の供給口45Aへ挿入し、ピペット部24B側のピペットチップCPBの先端を液体流路45の排出口45Bへ挿入する(図13(A)参照)。そして、ピペットチップCPAから液体流路45へアナライト溶液YAを注入すると共に、ピペットチップCPBで液体流路45から押し出される保存液を吸引する(図13(B)参照)。これにより、リガンドDへアナライトAが供給され、リガンドDとアナライトAとが結合する。
【0062】
前述の測定処理により、表示部62には、例えば、図11に示すように、アナライト溶液の供給時から徐々に結合度が増加する反応曲線S1が表示される。
【0063】
ステップS32で、前記測定処理で得られる結合状態データに基づいて、リガンドDとアナライトAとの結合が十分に行われているかどうかを判断する。ここでの判断は、例えば、結合データの増加率が10%以下となった場合に、リガンドDとアナライトAとの結合が十分であると判断することができる。判断が肯定された場合には、ステップS34で、アナライト溶液排出指示信号を出力して、液体流路45からアナライト溶液YAを排出させる。判断が否定された場合には、リガンドDとアナライトAとの結合が十分に行われるまで待機する。アナライト溶液YAの排出は、具体的には、図14(A)に示すように、ピペットチップCPAに空気を吸引しておき、図14(B)に示すように、供給口45Aから液体流路45へ空気を注入して排出口45B側へアナライト溶液YAを押し出し、ピペットチップCPBで押し出されたアナライト溶液YAを吸引することにより、アナライト溶液YAを液体流路45から排出させる。
【0064】
なお、本実施形態では、アナライト溶液YAの排出処理を上記のようにして行ったが、アナライト溶液YAの充填されている液体流路45へ一旦バッファー液を供給してリガンドDに非特異的に吸着したアナライトAを洗浄し、その後、バッファー液をピペットチップCPAからの空気で押し出して液体流路45から排出させるようにしてもよい。
【0065】
次に、ステップS36で、センサースティック40の流路側部品の交換処理を行う。交換処理は、図15に示すように、ステップS36Aで、保持アーム36Aへ取り外し指示信号を出力し、測定部56に配置されているセンサースティック40の流路側部品43を誘電体ブロック42から取り外し、ステップS36Bで、廃棄指示信号を出力して、取り外した流路側部品43を部品廃棄部34へ廃棄する。流路側部品43の取り外しは、押さえ部材58を上昇させて押圧を解除した後、図8に示すように、保持アーム36Aで測定部56に配置されているセンサースティック40の流路側部品43を狭持して、レール36Bに沿って部品廃棄部34側へ移動することにより行われる。また、流路側部品43の廃棄は、部品廃棄部34の上部で保持アーム36Aでの流路側部品43の狭持を解除して、流路側部品43を部品廃棄部34内へ落とし込むことにより行われる。次に、ステップS36Cで、取り付け指示信号を出力して、測定部56の誘電体ブロック42に新しい流路側部品43を取り付ける。ここでの取り付けは、保持アーム36Aを部品ストック部32の上部に移動させ、部品ストック部32にストックされている最上段の流路側部品43を保持アーム36Aで狭持し、測定部56の誘電体ブロック42上に搬送する。そして、押さえ部材58で流路側部品43を上から押圧して、誘電体ブロック42に流路側部品43を取り付ける。これにより、流路側部品43の交換処理が完了する。
【0066】
流路側部品43の交換処理後、ステップS38で、液体流路45へ解離液Jを供給するための、解離液供給指示信号を出力する。解離液Jの供給は、ヘッド24のピペット部24Aに取り付けられたピペットチップCPAでストック容器19に準備されている解離液Jを吸引し、吸引した解離液Jを供給口45Aから注入することにより行われる。解離液Jの注入により、アナライトAからリガンドDが解離し、測定処理で得られる結合度は減少し、例えば、図11(B)の反応曲線S2のような表示となる。
【0067】
ステップS40で、アナライトAがリガンドDと十分に解離したかどうかを判断する。ここでの判断は、測定処理で得られる結合状態データに基づいて行われ、例えば、結合度の減少率が5%以下となったときに、十分に解離したと判断することができる。判断が否定された場合には、アナライトAがリガンドDと十分に解離するまで待機し、判断が肯定された場合には、ステップS42で、液体流路45からリガンドDと解離したアナライトAを回収する。ここでの回収は、ヘッド24のピペット部24Aに取り付けられたピペットチップCPAでストック容器19に準備されているバッファー液Bを吸引し、吸引したバッファー液Bを供給口45Aから注入すると共に、ピペット部24Bに取り付けられたピペットチップCPBで排出口45Bから排出される解離液Jを吸引し、吸引した解離液Jを回収液ストック容器18へ注入することにより行われる。これにより、解離液Jと共にアナライトAが回収液ストック容器18に回収される。なお、回収液ストック容器18への解離液Jの注入時には、ピペット部24Bが下側に長く、ピペット部24Aが短くなるように段差がつけられ(図6(B)参照)、ピペット部24Bに取り付けられたピペットチップCPBのみが、回収液ストック容器18の開口Kへ挿入される。
【0068】
そして、ステップS44で、測定終了指示信号を出力し、アナライト結合回収処理を終了する。
【0069】
一方、測定処理も、測定終了指示信号を受けて終了される。
【0070】
本実施形態では、アナライト溶液YAを液体流路45へ供給してリガンドDとアナライトAとを結合させた後、液体流路45を構成する流路部材44を含む流路側部品43を交換するので、アナライトAが流路溝44Aに非特異的に吸着した流路部材44は廃棄され、アナライトAの吸着していない流路部材44を用いてアナライトAが回収される。したがって、流路部材44に非特異的に吸着したアナライトAが回収されてしまうことがなく、回収液に不要な物質が混在するのを防止することができる。
【0071】
なお、本実施形態では、測定処理を行いながらアナライト結合回収処理を行ったが、測定処理は必ずしも必要ではない。測定処理なしでアナライト結合回収処理を行う場合には、結合開始、解離開始から所定の時間を経過したことをもって結合、解離が十分に行われたとみなすことができる。
【0072】
また、本実施形態では、交換後の流路部材44の流路溝44Aを交換前のものよりも幅広としたが、必ずしも幅広とする必要はない。特に、このような構成とすることにより、流路部材44の交換により液体流路45の位置が多少ずれても、リガンドDの固定位置をカバーするように液体流路45を構成することができる。したがって、流路部材44を交換する際の流路部材44とリガンドDとの相対位置の位置決め精度を高精度にする必要がなく、容易に流路部材44を交換することができる。
【0073】
また、本実施形態では、アナライトAのみをリガンドDから解離させて回収する例について説明したが、アナライトAは、リガンドDごと解離させたり、リガンドDごと分解して解離させたりして、回収してもよい。
【0074】
また、本実施形態では、リガンドDの固定される金属膜50が、プリズムとして機能する誘電体ブロック42上に形成されているセンサースティック40を用いたが、図15に示すように、金属膜70Aが透明な平板72の一面に形成され、この金属膜70A上にリガンドDが固定されているセンサーチップ74を用いてもよい。この場合には、光学プリズムPを平版72の金属膜70Aが形成されていない面と密着させ、この光学プリズムPを介して金属膜70Aへ光ビームLを入射させると共に入射させた光ビームLを反射させる。この構成によれば、金属膜70Aの形成される平板72を、光学プリズムPと別体にして、センサーチップ74を簡易な構成とすることができる。
【0075】
一方、本実施形態のように、金属膜50が誘電体ブロック42上に形成された構成とすることにより、光学的なロスを少なくすることができる。また、金属膜と誘電体ブロックとが別体とされている場合には、プリズムと金属膜の形成された板との間に屈折率マッチングオイル等を注入する必要があるが、本実施形態のように、金属膜50が誘電体ブロック42上に形成された構成であれば、屈折率マッチングオイル等を注入する必要はなく、バイオセンサーの構成を簡単にすることができると共に、取り扱いも簡単になり、利便性が高まる。
【0076】
なお、本実施形態では、バイオセンサーとして、表面プラズモンセンサーを一例として説明したが、バイオセンサーとしては、表面プラズモンセンサーに限定されるものではない。その他の例えば、水晶発振子マイクロバランス(QCM)測定技術、金のコロイド粒子から超微粒子までの機能化表面を使用した光学的測定技術など、あらゆるバイオセンサーを用いてのアナライトの回収に本発明は適用することができる。
【0077】
また、全反射減衰を利用する他のバイオセンサーとしては、漏洩モード検出器をあげることができる。漏洩モードセンサは、誘電体と、この上に順に層設されたクラッド層と光導波層とによって構成された薄膜とからなり、この薄膜の一方の面がセンサ面となり、他方の面が光入射面となる。光入射面に全反射条件を満たすように光を入射させると、その一部が前記クラッド層を透過して前記光導波層に取り込まれる。そして、この光導波層において、導波モードが励起されると、前記光入射面における反射光が大きく減衰する。導波モードが励起される入射角は、表面プラズモン共鳴角と同様に、センサ面上の媒質の屈折率に応じて変化する。この反射光の減衰を検出することにより、前記センサ面上の反応を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本実施形態のバイオセンサーの全体斜視図である。
【図2】本実施形態のセンサースティックの斜視図である。
【図3】本実施形態のセンサースティックの分解斜視図である。
【図4】本実施形態のセンサースティックの1の液体流路部分の断面図である。
【図5】本実施形態のセンサースティックの測定領域及び参照領域へ光ビームが入射している状態を示す図である。
【図6】本実施形態の液体供給部を構成するピペット部の側面図である。
【図7】本実施形態のバイオセンサーの光学測定部付近の概略図である。
【図8】本実施形態の流路交換部付近の斜視図である。
【図9】本実施形態の制御部とその周辺の概略ブロック図である。
【図10】本実施形態の測定処理のフローチャートである。
【図11】本実施形態での測定結果の一例を示すグラフである。
【図12】本実施形態のアナライト供給回収処理のフローチャートである。
【図13】本実施形態の液体流路での液供給動作を説明する図である。
【図14】本実施形態の液体流路での液排出手順を説明する図である。
【図15】本実施形態の流路側部品の交換処理のフローチャートである。
【図16】本発明が実施される他の形態のセンサーチップの概略断面図である。
【符号の説明】
【0079】
10 バイオセンサー
20 液体供給部
24 ヘッド
30 流路交換部
32 部品ストック部
34 部品廃棄部
36 部品搬送部
36A 保持アーム
36B レール
40 センサースティック
42 誘電体ブロック
43 流路側部品
44 流路部材
45 液体流路
50 金属膜
54 光学測定部
60 制御部
70A 金属膜
72 平板
74 センサーチップ
J 解離液
K 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リガンドが固定される平坦面との間に流路を構成する流路部材を用いて、前記リガンドへアナライトを含むアナライト溶液を供給した後、前記リガンドと結合したアナライトを回収する回収装置であって、
前記流路部材を交換する流路交換手段、
を備えた回収装置。
【請求項2】
前記交換手段により交換された後の前記流路部材により構成される前記流路の幅が、交換される前の前記流路部材により構成される前記流路の幅よりも広いこと、を特徴とする請求項1に記載の回収装置。
【請求項3】
前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定する測定手段、をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回収装置。
【請求項4】
前記平坦面は金属膜で構成され、
前記測定手段は、前記金属膜の前記液体流路が構成される側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定すること、
を特徴とする請求項3に記載の回収装置。
【請求項5】
前記金属膜は、誘電体ブロックの光反射面に形成され、
前記測定手段は、前記誘電体ブロックを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させること、を特徴とする請求項4に記載の回収装置。
【請求項6】
前記金属膜は、透明な平板の一面に形成され、
前記測定手段は、前記平板の前記金属膜が形成された側と逆側の面と誘電体ブロックとを圧着させ、この誘電体ブロックを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させること、を特徴とする請求項4に記載の回収装置。
【請求項7】
リガンドの固定された平坦面との間に流路を構成する流路部材を用いて、前記リガンドへアナライトを含むアナライト溶液を供給した後、前記リガンドと結合したアナライトを回収する回収方法であって、
前記アナライト溶液の供給後、前記流路部材を交換し、
交換後の流路部材と前記平坦面との間に構成される前記流路へ解離液を供給して、前記リガンドから解離されたアナライトを回収する、回収方法。
【請求項8】
前記交換された後の前記流路部材により構成される前記流路の幅は、交換される前の前記流路部材により構成される前記流路の幅よりも広いことを特徴とする請求項7に記載の回収方法。
【請求項9】
前記アナライト溶液の供給中、及び、前記解離液の供給中に、前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の回収方法。
【請求項10】
前記平坦面は金属膜で構成され、
前記測定は、前記金属膜の前記液体流路が構成される側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記アナライトとの結合状態を測定すること、
を特徴とする請求項9に記載の回収方法。
【請求項11】
前記金属膜は、誘電体ブロックの光反射面に形成され、
前記測定は、前記誘電体ブロックを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させて行なわれること、を特徴とする請求項10に記載の回収方法。
【請求項12】
前記金属膜は、透明な平板の一面に形成され、
前記測定は、前記平板の前記金属膜が形成された側と逆側の面と誘電体ブロックとを圧着させ、この誘電体ブロックを介して前記金属膜へ光ビームを入射させると共に入射させた光ビームを反射させて行なわれること、を特徴とする請求項10に記載の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−3487(P2007−3487A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187198(P2005−187198)
【出願日】平成17年6月27日(2005.6.27)
【出願人】(000005201)富士フイルムホールディングス株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】