説明

回帰反射型光電センサ、回帰反射型光電センサのセンサ本体および回帰反射部

【課題】被検出物体の検出の安定性が高められた回帰反射型光電センサを提供する。
【解決手段】回帰反射型光電センサは、円偏光を投光する投光系と、逆円偏光と円偏光とが混在する光が入射された場合に逆円偏光を選択的に受光する受光系とが形成されたセンサ本体10と、円偏光を逆円偏光を含む光に変換して反射する回帰反射部30とを含む。センサ本体10は、投光素子と、受光素子と、垂直偏光を円偏光に変換し、逆円偏光を垂直偏光に変換する1/4波長板28と、偏光フィルタ26とを含む。偏光フィルタ26は、回帰反射部30から受光素子4に至る受光経路上において受光素子4と位相差板28との間に配置され、垂直偏光を選択的に透過させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回帰反射型光電センサ、回帰反射型光電センサのセンサ本体および回帰反射部に関する。
【背景技術】
【0002】
回帰反射型光電センサとは、投光および受光の光学系と回路系を備えたセンサ本体と回帰反射板(以降、リフレクタと呼ぶ)からなるセンサである。回帰反射(逆反射、再帰反射とも呼ばれる)とは、コーナーキューブのように、投光が来た方向と同じ方向に最終的な反射光が向かう光の反射をいう。
【0003】
図21は、回帰反射型光電センサの使用例を示した図である。
図21を参照して、回帰反射型光電センサは、センサ本体310とリフレクタ305とを含む。センサ本体310の投光部より投光された光がリフレクタ305により反射され、その反射光がセンサ本体310の受光部により受光される。
【0004】
そして、回帰反射型光電センサはたとえば、工場の製造ラインにおいてベルトコンベヤ302で運ばれる被検出物体307を検出するのに用いられる。センサ本体310とリフレクタ305との間に被検出物体307があるとき、センサ本体310からリフレクタ305への光が被検出物体307により遮られ、センサ受光部に光が到達できないことで、物体が検出される。
【0005】
図22は、種々の被検出物体に対する検出動作を説明するための模式図である。
図22(A)に示すように、センサ本体310から投光された光が直接リフレクタ305で反射され、反射光が直接センサ本体310の受光部に入射される場合には、この反射光の受光量が十分得られるので、センサの出力はOFF状態となる。
【0006】
図22(B)に示すように、センサ本体310から投光された光が拡散反射物体である被検出物体307Aで反射され、拡散反射光がセンサ本体310の受光部に入射される場合には、リフレクタ30の場合よりも反射光が減衰しており、受光量の低下が検出され、センサの出力はON状態となる。
【0007】
図22(C)に示すように、センサ本体310から投光された光が鏡面反射物体である被検出物体307Bで反射された場合には、その反射光はリフレクタ30で反射される場合に比べてあまり減衰していない。したがって、このような被検出物体を検出する必要がある場合には、後に図23〜図25で説明するように、リフレクタ30で行なわれる偏光状態の変換現象を利用して被検出物体307Bの表面で反射した反射光を偏光フィルタで除去して受光する。この方法により、被検出物体307B表面からの正反射光がセンサ本体310の受光部に入射される場合でも、受光量の低下が検出されセンサの出力はON状態となる。
【0008】
図22(D)に示すように、センサ本体310から投光された光が透明物体である被検出物体307Cを透過し、透過した光がリフレクタ305で反射され、反射光がさらに被検出物体307Cを透過してセンサ本体310の受光部に入射される場合には、透明物体透過時に光の減衰が起こり受光量の低下が検出されセンサの出力はON状態となる。
【0009】
図22(D)に示すように、回帰反射型光電センサの光学システムはしばしば透明な物体(ガラスやプラスチック)を検出するために用いられる。その理由は、透明物体は透過時の光の減衰量があまり大きくないが、回帰反射型であれば検出物体を2回透過するので、光の減衰が得やすいためである。
【0010】
回帰反射型光電センサに用いられるリフレクタは、コーナーキューブアレイの回帰反射板が一般的である。コーナーキューブアレイのリフレクタにおいては、入射光と反射光との間で偏光変換が起こっている。
【0011】
図23は、リフレクタで起こる偏光変換の第1の例について説明するための図である。
図24は、リフレクタで起こる偏光変換の第2の例について説明するための図である。
【0012】
図23(B)、図24(B)は、コーナーキューブの形状を示している。コーナーキューブは、3つの直角二等辺三角形の90°の角を頂点に合わせて三角錐を形成し、その内面を受光面としたものである。したがって、コーナーキューブの3つの面は互いに90°をなす。リフレクタ305には、コーナーキューブが隙間無く配列されている。この光電センサに用いられるリフレクタは全反射を利用したものが一般的であり、全反射時に垂直偏光と水平偏光の間に位相差ができるため、偏光状態が変化する。
【0013】
図23(A)、図23(B)は入射光INとして垂直偏光が入射された場合の反射光REFの偏光状態を示す。図24(A)、図24(B)は入射光INとして円偏光が入射された場合の反射光REFの偏光状態を示す。
【0014】
全反射リフレクタでは偏光状態の変換が行なわれ、理想的には垂直偏光は水平偏光に変換され、円偏光は逆円偏光に変換される。しかし、実際には図23、図24に示したように理想的な変換はされず、反射光は偏光状態が複数の状態の光が混在する光となる。
【0015】
再び、図22を参照して、反射光に関する問題点について説明する。図22(B)に示す場合、検出物体にセンサが投光した光が物体で遮られた際に、その物体によって反射された光が問題となる。この問題において、検出物体からの拡散反射光はリフレクタとの反射率差によって、または幾何光学的な手法によって回避される。図22(C)に示すように検出物体が光沢面である場合は、被検出物体とリフレクタとの反射率差が少ないため、別の手法が用いられる。この手法はセンサの投光部と受光部において偏光を制御して正反射光を受光しないようにするものである。
【0016】
回帰反射型光電センサに関しては大きく2つの光学系があり、投光部と受光部の光軸が異なる2眼タイプと、投光部と受光部の光軸が一致している同軸タイプとがある。これらの両タイプにおいて図22(C)で説明した被検出物体からの正反射光をカットするためには、偏光を制御した手法を用いることが一般的である。
【0017】
図25は、2眼タイプのセンサ本体の構造例を示す図である。
図25を参照して、2眼タイプのセンサ本体310は、投光部と受光部とを含む。投光部は、発光ダイオード(LED)311、レンズ316、および偏光フィルタ319Hを含む。受光部は、偏光フィルタ319V、レンズ317、および受光素子314を含む。受光素子314としては、一般に光検出器(PD)が使用される。
【0018】
偏光フィルタ319Hは、水平方向が偏光方向であり、偏光フィルタ319Vは垂直方向が偏光方向である。つまり、互いに偏光方向が直交となる1対の偏光フィルタが用いられる。
【0019】
LED311で発せられた光は、偏光フィルタ319Hを通過して水平偏光となり被検出物体に照射される。被検出物体が無い場合にはコーナーキューブリフレクタで反射され、偏光方向が垂直方向に変換された光が偏光フィルタ319Vを通過して受光素子314に到達する。被検出物体が存在する場合にその被検出物体で正反射された光は、水平偏光のままであるので、偏光フィルタ319Vで遮られ受光素子314には到達しない。
【0020】
したがって、被検出物体が存在しない場合に比べて存在する場合のほうが、受光素子314で検出される光の強度が低くなる。したがって、図22(C)のように被検出物体が鏡面を有する物体である場合も、物体の存在により受光素子で受光される光の強度が低くなるので物体検出が可能となる。
【0021】
図26は、同軸タイプのセンサ本体の第1の構造例を示す図である。
図26を参照して、同軸タイプのセンサ本体410は、LED411と、偏光ビームスプリッタ419と、レンズ416と、受光素子414とを含む。
【0022】
LED411で発せられた光は、偏光ビームスプリッタ419で反射され水平偏光となり被検出物体に照射される。被検出物体が無い場合にはコーナーキューブリフレクタで反射され、偏光方向が垂直方向に変換された光が偏光ビームスプリッタ419を通過して受光素子414に到達する。被検出物体が存在する場合には被検出物体で正反射された光(破線で示される)は、水平偏光のままであり、偏光ビームスプリッタ419で遮られ、受光素子414には到達しない。
【0023】
図27は、同軸タイプのセンサ本体の第2の構造例を示す図である。
図27を参照して、同軸タイプのセンサ本体510は、LED511と、偏光フィルタ519H,519Vと、ハーフミラー519と、レンズ516と、受光素子514とを含む。
【0024】
LED511から発せられた光は、偏光フィルタ519Hで水平偏光となりハーフミラー519で反射されて被検出物体に照射される。被検出物体が無い場合には、投光は、コーナーキューブリフレクタで反射され、偏光方向が垂直方向に変換された光がハーフミラー519を透過し偏光フィルタ519Vを通過して受光素子514に到達する。被検出物体が存在する場合には被検出物体で正反射された光(破線で示される)は、水平偏光のままであり、偏光フィルタ519Vで遮られ、受光素子514には到達しない。
【0025】
このような回帰反射型光電センサ光学系に関する先行文献としては、特開2002−279870号公報(特許文献1)や、特公平6−93521号公報(特許文献2)がある。
【特許文献1】特開2002−279870号公報
【特許文献2】特公平6−93521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
回帰反射型光電センサが検出する対象には、図22(D)で説明したように透明物体も含まれる。たとえば、飲料の容器として盛んに利用されているPET(PolyEthylene Terephthalate)ボトルもこのような透明物体である。従来においては、PETボトルによる光の減衰を大きくするために、被検出物体に光を2度透過させる回帰反射型の光電センサにより検出を実現してきた。
【0027】
しかし、近年、PETボトルの光電センサによる安定検出が困難になってきている。
回帰反射型光電センサによるPETボトルの検出を行なうにあたっての課題の1つは、PETボトルの透過率が高く光の減衰が起こりにくいことである。また、近年では薄型化が進み、さらに透過率が高くなってきている。
【0028】
もう1つは、形状が複雑化したため、この複雑な形状により光が想定されない方向への反射や屈折がされるようになったことである。
【0029】
図28は、PETボトルによる光の反射や集光の影響を説明するための図である。
図28を参照して、センサ本体310から発せられた光K1は、本来矢印K2に示すように直進するが、PETボトル(被検出物体307)の形状の影響で矢印K3に示すようにリフレクタ305に向かうように集光される場合もある。また、センサ本体310から発せられた光K4は、本来矢印K5に示すように直進するが、PETボトル(307)の表面において矢印K6に示すように受光部に向かうように反射される場合もある。
【0030】
リフレクタ305で反射された光K7は、本来矢印K8に示すように直進するが、PETボトル(307)の形状の影響で矢印K9に示すように受光部に向かうように集光される場合もある。また、リフレクタ305で反射された光K10は、本来矢印K11に示すように減衰して直進するが、PETボトル(307)の表面において矢印K12に示すようにリフレクタ305に向かって反射されてから矢印K13に示すように受光部に向かう場合もある。
【0031】
このような余分な光が受光部に入ると、光の微小な減衰を検出している受光部は誤動作してしまう。すなわち、薄型化に伴い十分な光の減衰が得られず、同時に複雑な形状のため、PETボトル(307)による集光や反射光の影響を受けて、誤動作するなどの問題がある。
【0032】
また、従来の検出物体からの反射光をカットする光学系を採用しようとすると、PETボトルの複屈折性が問題となる。
【0033】
図29は、複屈折の影響を説明するための図である。
図29(A)に示すように、光源から発せられた光M1は、偏光フィルタを通過する。リフレクタに向かう入射光INは垂直偏光である。そして、反射光REFは偏光変換され受光部の偏光フィルタによってそのうち水平偏光のみが受光される。このとき受光される光を光M2とする。通常は、被検出物体が検知エリアに到達すると、受光量は光M2の受光量よりも減少し、センサ本体は被検知物体を検知する。
【0034】
しかし、図29(B)に示すように、PETボトルが介在するときには、PETボトルの複屈折性により全反射リフレクタの不完全な偏光変換状態を理想的な偏光変換状態へ変化させる場合がある。この場合、受光部で受光される光M3は、光M2よりもかえって受光量が増加する場合がある。すなわち受光量が減少しないので、PETボトルを検出できない場合があるという問題があった。
【0035】
つまり、反射光を除去するために偏光を使った技術があるが、PETボトルの複屈折とリフレクタの偏光変換の不完全性が問題となって、この技術を使うことができない。
【0036】
この発明の目的は、このような背景のもとPETボトルの複屈折性を光の減衰に変換し、検出の安定性を高めるとともに、PETボトルからの反射光の問題を回避できる技術を提供することである。また同時に本発明は従来の回帰反射型光電センサのいくつか課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0037】
この発明は、要約すれば、回帰反射型光電センサであって、第1の円偏光を投光する投光系と、第1の円偏光とは異なる第2の円偏光と第1の円偏光とが混在する光が入射された場合に第2の円偏光を選択的に受光する受光系とが形成されたセンサ本体と、第1の円偏光を第2の円偏光を含む光に変換して反射する回帰反射部とを備える。
【0038】
好ましくは、センサ本体は、投光素子と、受光素子と、第1の直線偏光を第1の円偏光に変換し、第2の円偏光を第1の直線偏光に変換する第1の位相差板と、第1の偏光フィルタとを含む。第1の偏光フィルタは、回帰反射部から受光素子に至る受光経路上において受光素子と第1の位相差板との間に配置され、第1の直線偏光を選択的に透過させる。
【0039】
より好ましくは、センサ本体は、投光窓および受光窓として兼用される光透過部が設けられたケースに収容される。第1の位相差板および第1の偏光フィルタは、ともに光透過部を覆うように配置される。受光素子は、受光方向が投光素子の投光方向に交差するように配置される。センサ本体は、投光と受光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射するハーフミラーをさらに含む。
【0040】
より好ましくは、センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容される。第1の位相差板および第1の偏光フィルタは、ともに投光窓および受光窓を覆うように配置される。
【0041】
より好ましくは、センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容される。第1の位相差板は、投光窓および受光窓を覆うように配置される。第1の偏光フィルタは、受光窓を覆うように配置される。投光素子は、第1の直線偏光を発射するレーザ発光素子である。
【0042】
より好ましくは、投光素子および受光素子は、アンプ部に配置され、第1の位相差板および第1の偏光フィルタは、アンプ部と分離されたヘッド部に配置される。センサ本体は、アンプ部とヘッド部とを接続する光ファイバをさらに含む。
【0043】
より好ましくは、回帰反射部は、光を回帰反射させるリフレクタと、第1の円偏光を第2の直線偏光に変換し、第2の直線偏光を第2の円偏光に変換する第2の位相差板と、第2の偏光フィルタとを含む。第2の偏光フィルタは、投光素子からリフレクタに至る投光経路上において第2の位相差板とリフレクタとの間に配置され、第2の直線偏光を選択的に透過させる。
【0044】
この発明は、他の局面に従うと、回帰反射型光電センサのセンサ本体であって、投光素子と、受光素子と、直線偏光を第1の円偏光に変換し、第1の円偏光と異なる第2の円偏光を直線偏光に変換する位相差板と、偏光フィルタとを含む。偏光フィルタは、回帰反射板から受光素子に至る受光経路上において受光素子と位相差板との間に配置され、直線偏光を選択的に透過させる。
【0045】
好ましくは、センサ本体は、投光窓および受光窓として兼用される光透過部が設けられたケースに収容される。位相差板および偏光フィルタは、ともに光透過部を覆うように配置される。受光素子は、受光方向が投光素子の投光方向に交差するように配置される。センサ本体は、投光と受光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射するハーフミラーをさらに含む。
【0046】
好ましくは、センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容される。位相差板および偏光フィルタは、ともに投光窓および受光窓を覆うように配置される。
【0047】
好ましくは、センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容される。位相差板は、投光窓および受光窓を覆うように配置される。偏光フィルタは、受光窓を覆うように配置される。投光素子は、直線偏光を発射するレーザ発光素子である。
【0048】
好ましくは、投光素子および受光素子は、アンプ部に配置され、第1の位相差板および第1の偏光フィルタは、アンプ部と分離されたヘッド部に配置される。センサ本体は、アンプ部とヘッド部とを接続する光ファイバをさらに含む。
【0049】
この発明は、さらに他の局面に従うと、回帰反射型光電センサに用いられる回帰反射部であって、光を回帰反射させるリフレクタと、第1の円偏光を直線偏光に変換し、直線偏光を第2の円偏光に変換する位相差板と、偏光フィルタとを含む。偏光フィルタは、センサ本体側からリフレクタに至る光経路上において第2の位相差板とリフレクタとの間に配置され、直線偏光を選択的に透過させる。
【0050】
この発明のさらに他の局面に従うと、回帰反射型光電センサであって、第1の直線偏光を投光する投光系と、第1の直線偏光とは異なる第2の直線偏光と第1の直線偏光とが混在する光が入射された場合に第1の直線偏光を選択的に受光する受光系とが形成されたセンサ本体と、入射された光を第1の直線偏光のみを含む反射光に変換して反射する回帰反射部とを備える。
【0051】
好ましくは、センサ本体は、投光素子と、受光素子と、第1の偏光フィルタとを含む。第1の偏光フィルタは、回帰反射部から受光素子に至る受光経路上に配置され、第1の直線偏光を選択的に透過させる。
【0052】
より好ましくは、センサ本体は、投光窓および受光窓として兼用される光透過部が設けられたケースに収容される。第1の偏光フィルタは、光透過部を覆うように配置される。受光素子は、受光方向が投光素子の投光方向に交差するように配置される。センサ本体は、投光と受光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射するハーフミラーをさらに含む。
【0053】
より好ましくは、投光素子および受光素子は、アンプ部に配置され、第1の偏光フィルタは、アンプ部と分離されたヘッド部に配置される。センサ本体は、アンプ部とヘッド部とを接続する光ファイバをさらに含む。
【0054】
より好ましくは、回帰反射部は、光を回帰反射させるリフレクタと、リフレクタに対して光の入射面側に配置され、第1の直線偏光を選択的に透過させる第2の偏光フィルタとを含む。
【発明の効果】
【0055】
この発明によれば、被検出物体の検出の安定性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0057】
[実施の形態1]
図1は、光電センサの本体の斜視図である。
【0058】
図2は、本発明の実施の形態1に係る光電センサの内部について、図1の断面II−IIにおいて示した断面図である。
【0059】
図1、図2を参照して、同軸型の回帰反射型光電センサのセンサ本体10について説明する。センサ本体10は、ケースの前面に円偏光板(位相差板付き偏光板)24がはめ込まれた窓が設けられている。円偏光板24は、脱落しないように保護部材22によって保持されている。ケースの上面には、表示灯61が設けられており、検出結果がわかるようになっている。
【0060】
投光素子1はハーフミラー3の反射によりレンズ2の焦点位置に発光部分が位置するように配置されている。レンズ2の焦点位置にはハーフミラー3を介して受光位置に受光素子4が配置されている。ハーフミラー3は、受光軸に対して45°傾けて設けられ、受光した光の一部を透過する。
【0061】
ここでレンズ2及びハーフミラー3は投光素子1の光をレンズ6によって投光ビームとして図示しない回帰反射板に向けて投光すると共に、投光ビームと同軸の回帰反射板からの反射光をレンズ6によって受光素子4に集光する光学部材を構成している。
【0062】
レンズ6は投光素子1から発した光を平行な投光ビームとして回帰反射板に対して投光すると共に、反射光を受光素子4に集光するものである。
【0063】
なお、図2において、投光素子1と受光素子4の位置を逆にしてもよい。
円偏光板24を投光時および受光時の両方において透過させることにより、誤動作の原因となっていたPETボトルの複屈折を利用し、複屈折による偏光状態の乱れを光の減衰へ変換することで、PETボトル検出において高い安定性をもった光学システムを実現することができる。
【0064】
図3は、実施の形態1の光学システムについて、光学要素を抽出して示した概略図である。
【0065】
図3を参照して、実施の形態1の回帰反射型光電センサは、円偏光を投光する投光系と、逆円偏光と円偏光とが混在する光が入射された場合に逆円偏光を選択的に受光する受光系とが形成されたセンサ本体10と、円偏光を逆円偏光を含む光に変換して反射する回帰反射部30とを含む。
【0066】
センサ本体10は、投光素子1と、受光素子4と、ハーフミラー3と、レンズ6と円偏光板24とを含む。円偏光板24は、偏光フィルタ26と1/4波長板28とを含む。
【0067】
回帰反射部30は、円偏光板34と、全反射リフレクタ32とを含む。円偏光板34は、偏光フィルタ36と1/4波長板38とを含む。偏光フィルタには吸収軸とこれに直交する透過軸とがある。偏光フィルタは透過軸と一致する方向の直線偏光を透過させ、他の光成分は吸収する。一方、1/4波長板(位相差板)には遅延軸がある。1/4波長板は、遅延軸方向の偏光方向成分の位相を1/4波長分遅らせる。
【0068】
1/4波長板に、遅延軸に対して45°(または−45°)方向の直線偏光が入射されると、直線偏光は円偏光に変換される。逆に、1/4波長板に、円偏光が入射すると、円偏光は、遅延軸に対して45°(または−45°)の直線偏光に変換される。
【0069】
円偏光板は、偏光フィルタと1/4波長板とが、吸収軸と遅延軸とを45°(または−45°)傾けられた状態で張り合わせたものである。
【0070】
図4は、図3に示した光学システムの各部分での偏光の状態を詳細に示した図である。
図4を参照して、センサ本体10は、投光素子1と、受光素子4と、第1の直線偏光(垂直偏光B2)を第1の円偏光(円偏光B3)に変換し、第2の円偏光(逆円偏光B8)を第1の直線偏光(垂直偏光B9)に変換する第1の位相差板(1/4波長板28)と、第1の偏光フィルタ26とを含む。第1の偏光フィルタ26は、回帰反射部30から受光素子4に至る受光経路上において受光素子4と第1の位相差板(1/4波長板28)との間に配置され、第1の直線偏光(垂直偏光B2,B10)を選択的に透過させる。
【0071】
回帰反射部30は、光を回帰反射させる全反射リフレクタ32と、第1の円偏光(円偏光B3)を第2の直線偏光(水平偏光B4)に変換し、第2の直線偏光(水平偏光B7)を第2の円偏光(逆円偏光B8)に変換する第2の位相差板(1/4波長板38)と、第2の偏光フィルタ36とを含む。第2の偏光フィルタ36は、投光素子1から全反射リフレクタ32に至る投光経路上において第2の位相差板(1/4波長板38)と全反射リフレクタ32との間に配置され、第2の直線偏光(水平偏光B5,B7)を選択的に透過させる。
【0072】
1/4波長板28,38はある方向性(遅延軸方向)を持っており、円偏光が入射されると偏光方向が特定方向の直線偏光に変換される。偏光フィルタ26,36は、それぞれ1/4波長板28,38の方向性に偏光方向が合うように、1/4波長板28,38に透明な接着剤で予め張り合わされている。
【0073】
小さな2つの部材の方向を合わせるのは精度を確保するのが難しい。しかし、大きなシート状の1/4波長板に方向性を一致させるように大きなシートの偏光フィルタを張り合わせるのはずっと容易である。したがって、大きなシート状の1/4波長板と偏光フィルタとを張り合わせておき、これをプレスなどで打ち抜いて窓形状に合わせた所望の形状の部材に加工すればよい。
【0074】
再び図2を参照して、センサ本体10は、投光窓および受光窓として兼用される光透過部が設けられたケースに収容される。位相差板および偏光フィルタは、ともに光透過部を覆うように配置される。受光素子4は、受光方向が投光素子1の投光方向に交差するように配置される。センサ本体10は、投光と受光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射するハーフミラー3をさらに含む。
【0075】
図5は、実施の形態1のセンサ本体10における反射光除去について説明するための図である。
【0076】
図5を参照して、センサ本体10の投光部より円偏光B3を投光する。センサ本体10の受光部は、逆円偏光を選択して受光する。ワーク40に投光部より投光された円偏光B3は偏光状態が変わらない正反射光(円偏光B8X)となるが、これは1/4波長板28で水平偏光に変換されるので偏光フィルタ26を透過せず、受光されない。
【0077】
図6は、実施の形態1の回帰反射部30における反射光除去について説明するための図である。
【0078】
図6を参照して、回帰反射部30は、全反射リフレクタ32と、その前面に配置された偏光フィルタ36および1/4波長板38を備えている。円偏光B3が回帰反射部30に入光すると1/4波長板38により水平偏光B4に変換され、偏光フィルタ36を透過し、水平偏光B5が全反射リフレクタ32に入射する。
【0079】
全反射リフレクタからの反射光B6は、偏光状態が変換され、偏光フィルタ36を透過して直線偏光成分である水平偏光B7のみ取り出される。その後、水平偏光B7は、1/4波長板38を透過し、回帰反射部30に入射した円偏光B3とは逆の円偏光B8となる。また、回帰反射部30からの反射光である逆円偏光B8がワーク40により正反射され、再び回帰反射部30に入射する場合、この光はセンサ本体から投光された円偏光B3とは逆の円偏光B3Xである。逆円偏光B3Xは、1/4波長板38により垂直偏光B4Xに変換され偏光フィルタ36によりカットされる。
【0080】
なお、本実施の形態において用いている1/4波長板38と偏光フィルタ36の組合せは、一般的に円偏光フィルタ(円偏光板)、光アイソレータ、反射防止フィルタと呼ばれる。これらには、1/4波長板に限らず、複数の波長板を組み合わせたものを用いる場合があり、これを使用しても良い。特に近年フラットパネルディスプレイ用の反射防止フィルタの需要が高まり、安価に広帯域の波長に対応したものが市販されるようになってきており、これを使用することで低コストに本実施の形態の光学システムを構築することが可能である。
【0081】
図7は、偏光ビームスプリッタを使用した比較例であるセンサ本体100の問題点を説明するための図である。
【0082】
同軸型センサにおいては偏光の制御に偏光ビームスプリッタが一般的に用いられる。図7を参照して、比較例のセンサ本体100は、偏光ビームスプリッタ102とレンズ110とを含む。しかし、偏光ビームスプリッタ102はガラスプリズム104,106のいずれか一方に薄膜を蒸着し、他方のガラスプリズムで蒸着膜を挟みこんだ構造をとる必要があり、ハーフミラーに対して非常にコストが高い。同軸タイプにおいて偏光の制御が必要ない場合にはハーフミラーが用いられる。実施の形態1で用いられる図3〜図5に示すセンサ本体10は、ハーフミラー3を使用するので偏光ビームスプリッタのような構造は必要ない。ハーフミラー3は、ガラス板等への薄膜蒸着で作ることができ低コストで実現できる。
【0083】
また、図7で示すように偏光ビームスプリッタ102を使った同軸光学系では、レンズ110を投光部と受光部で共用している。しかし、レンズ110を共用すると、点光源から発せられた光C1は、光C2,C4,C6に示すように、偏光ビームスプリッタ102を一定の角度では通過しない。このため、偏光状態が正しい光C5に比べて、光C3,C7のように偏光状態に乱れが生じる問題がある。
【0084】
図8は、偏光ビームスプリッタを使用する場合の偏光乱れを解決する検討例を示した図である。
【0085】
図8では、偏光乱れの問題を回避するために偏光ビームスプリッタ102を光が通過する前にレンズ112により平行光にしている。しかし、この場合には受光系に別のレンズ114が必要となり光学系が非常に大型になる問題がある。
【0086】
図8に示した検討例に比べると、実施の形態1で用いられるセンサ本体10を適用すれば小型な構成で問題は解決できる。なお、受光素子と投光素子の位置を入れ替えても良い。
【0087】
図9は、受光素子と投光素子の位置を入れ替えたセンサ本体10Aの光路を示す図である。
【0088】
図9を参照して、センサ本体10Aは、ハーフミラー3と1枚のレンズ6からなる同軸回帰反射型光電センサの光学系を有する。さらに、センサ本体10Aは、レンズ6の前面に配置される偏光フィルタ26と1/4波長板28とを有する。
【0089】
すると、光源から発せられる光はレンズ6で平行光となり、投光される光B3はきれいな円偏光となる。したがって、投光された光B3の正反射光は1/4波長板28と偏光フィルタ26の組合せによって遮断される。1/4波長板28と偏光フィルタ26の組合せは、逆円偏光のみを受光する光学系を形成する。
【0090】
したがって、偏光ビームスプリッタを有するシステムの偏光乱れの問題を回避しつつ偏光を制御して、正反射光を受光しない同軸回帰反射型光電センサを実現できる。
【0091】
続いて、回帰反射型光電センサにおいて、PETボトルのような複屈折を伴うワークが検知エリアに到達した場合に光強度の減衰を確保する概念について説明を補足する。
【0092】
図10は、ワークが検知エリアに到達した場合の光強度の減衰を示す概念図である。実施の形態1は、同軸型センサに関するものであるが概念については2眼式と共通するので図10は2眼式センサ本体50が示してある。
【0093】
図10を参照して、センサ本体50は、投光した光とは偏光状態が異なる光を受光する。そして回帰反射部52は、ワークによる偏光の乱れをカットするとともに、入射光と反射光との偏光状態を変換する。なお、投光が円偏光である場合は、「投光した光とは偏光状態が異なる光」には、例えば逆円偏光が該当する。また、投光が垂直または水平偏光である場合には、「投光した光とは偏光状態が異なる光」には、例えば水平または垂直偏光が該当する。
【0094】
これにより、投光された光D1Aがワーク54を透過したときに複屈折により偏光状態が等しい光D2Aと偏光状態が異なる光D2Bに分かれても、回帰反射部52に入射される際偏光状態が異なる光D2Bはカットされる。
【0095】
そして光D2Aは、回帰反射部によって偏光状態が異なる光D3Bに変換されて、ワーク54に再入射する。ワーク54を透過したときに光D3Bは複屈折により偏光状態が投光D1Aと等しい光D4Aと偏光状態が異なる光D4Bに分かれる。センサ本体50に入射される際偏光状態が等しい光D4Aはカットされる。
【0096】
以上より、ワーク54によって複屈折により偏光状態が変わった光成分は、その後回帰反射部およびセンサ本体でカットされる。ワーク54を光路に挿入すると光がカットされた分受光量が低減するので、受光部でワークの検出が容易になる。
【0097】
図11は、図10に示した概念を実施の形態1に当てはめて詳しく説明するための図である。
【0098】
図11に示す図は、図4に示した構成においてPETボトルのような複屈折を生じるワーク54が光路に挿入されている点が図4とは異なる。したがって、センサ本体10と回帰反射部30の構成要素の配置は同じであるので、これらについての説明は繰返さない。
【0099】
投光素子1から発せられた光B1は偏光フィルタ26で垂直偏光B2が選択透過され、1/4波長板28で円偏光B3に変換される。そして円偏光B3は、その一部がワーク54を透過する際に偏光状態が乱された光B3Dに変わる。光B3Dは1/4波長板38を通過して光B4Dに変換されるが、この光B4Dは図4の光B4とは偏光状態が異なっているので偏光フィルタ36でカットされる。したがって、複屈折により偏光状態が変化させられた光成分は矢印P1に示す部分で遮断されてしまい、複屈折の影響を受けなかった光の成分が水平偏光B5として全反射リフレクタ32に到達する。
【0100】
全反射リフレクタ32では、図23、図24で説明したように偏光状態の変換が起こり、光B6が反射される。光B6の成分のうち水平偏光B7のみが偏光フィルタ36で選択的に透過される。そして水平偏光B7は、1/4波長板38によって逆円偏光B8に変換される。
【0101】
逆円偏光B8はワーク54に入射され、その一部の成分は偏光乱れが生じた光B8Dに変換される。光B8Dは1/4波長板38を通過して光B9Dに変換されるが、この光B9Dは図4の光B9とは偏光状態が異なっているので偏光フィルタ36でカットされる。したがって、複屈折により偏光状態が変化させられた光成分は矢印P2に示す部分で遮断されてしまい、複屈折の影響を受けなかった光の成分が垂直偏光B10として受光素子4に到達する。
【0102】
つまり、ワーク54によって複屈折により偏光状態が変わった光成分は、回帰反射部30の矢印P1に示す行程およびセンサ本体10の矢印P2に示す行程で2回にわたりカットされる。ワーク54を光路に挿入すると受光素子4での受光量が安定的に低減するので、受光部で検知しやすくなる。
【0103】
おおよそ透明な部材を光が1回通過すると約10%光強度が減衰する。PETボトルの場合、中空形状でありボトル壁を4回通過するため、1−0.94=34%光強度が減衰する。これに対してPETボトルによって偏光がほぼランダム光の状態に乱された場合、本光学システムではリフレクタにおいて50%、センサにおいて50%光強度が減衰される。よって光学システム全体では1−0.52×0.94=84%光強度が減衰する。また原理的には、検出物体の複屈折の状態によっては100%の減衰も考えられる。本光学システムにて実験的には98%〜83%までの減衰が確認できた。
【0104】
また、授受する光が円偏光であるので、センサ本体と回帰反射部との設置方向も厳密に合わせる必要はない。
【0105】
[実施の形態1の変形例]
このようなリフレクタ側とセンサ側で、複屈折を持った検出物体による偏光の乱れを光の減衰に変換する光学システムとして別の光学システムが考えられる。
【0106】
図12は、実施の形態1の変形例に係る光学システムの概念を示す図である。
図12に示すようにこの変形例では、センサ本体56は、投光した光とは偏光状態が同じである光を受光する。そして回帰反射部58は、ワークによる偏光の乱れをカットするとともに、入射光と偏光状態が等しい反射光を反射する。
【0107】
これにより、投光された光E1Aがワーク54を透過したときに複屈折により偏光状態が等しい光E2Aと偏光状態が異なる光E2Bに分かれても、回帰反射部58に入射される際偏光状態が異なる光E2Bはカットされる。
【0108】
そして光E2Aは、回帰反射部によって偏光状態が等しい光D3Aとして反射されて、ワーク54に再入射する。ワーク54を透過したときに光D3Aは複屈折により偏光状態が投光E1Aと等しい光E4Aと偏光状態が異なる光E4Bに分かれる。センサ本体56に入射される際、偏光状態が異なる光E4Bはカットされる。
【0109】
以上より、ワーク54によって複屈折により偏光状態が変わった光成分は、その後回帰反射部およびセンサ本体でカットされるので、ワーク54を光路に挿入するとカットされた分の受光量が低減するので、受光部でのワークの検出が容易になる。
【0110】
図13は、同軸型センサのより具体的な構成を示した図である。
図13の光学システムは、図11に示した光学システムから1/4波長板28,38が取り除かれており、さらに、偏光フィルタ36が偏光フィルタ26と偏光方向が等しい偏光フィルタ36Aに置換されたものである。
【0111】
この光学システムでは直線偏光F3を投光し、その直線偏光F3がリフレクタ前面の偏光フィルタ36Aに入射し、全反射リフレクタ32へ入射する。全反射リフレクタ32により偏光が変換され、光F6が反射される。光F6のうちの直線偏光成分F8のみがリフレクタ前面の偏光フィルタ36Aを通過し、センサ本体60側へ透過され、偏光フィルタ26を透過し受光素子4で受光される。
【0112】
複屈折を持つワーク54があるとき、それによって偏光状態が乱された投光の光F3Dは乱れた偏光成分が全反射リフレクタ32の前面の偏光フィルタ36Aによりカットされる。そして、直線偏光成分F5のみが全反射リフレクタ32に入射し、前述と同様に直線偏光の光F8がセンサ本体側に反射される。全反射リフレクタ32からの反射光についても同様に、検出物体に乱された偏光成分F8Dはセンサ本体60側の偏光フィルタ26によりカットされ、直線偏光成分F10のみが受光素子によって受光される。
【0113】
ワークで発生する正反射光による悪影響を受けやすいというデメリットがあるが、位相差板を使用せず偏光フィルタのみを使った図13のような光学系においても、矢印P3,P4に示す行程で減衰が起こり、複屈折に関しては図11で説明した光学システムと同じ効果が得られる。
【0114】
[実施の形態2]
実施の形態1では、同軸型のセンサに本発明を適用した例を説明した。実施の形態2では、2眼式のセンサに本発明を適用した例について説明する。なお、概念については図10および図12で説明したものが共通するので説明は繰返さない。また、回帰反射部については、実施の形態1と共通するので説明は繰返さない。
【0115】
図14は、本発明を適用した2眼式のセンサ本体の断面図である。
図14を参照して、センサ本体70は、ケースの前面に円偏光板78がはめ込まれた窓が設けられている。円偏光板78は、受光レンズ77および投光レンズ76を覆っている。投光レンズ76は投光部のホルダ部材72によって支持されている。受光レンズ77は、受光部のホルダ部材75によって支持されている。
【0116】
投光素子1は、投光レンズ76の焦点位置に発光部分が位置するように配置されている。受光レンズ77の焦点位置には、受光素子74が配置されている。
【0117】
ここで、投光レンズ76は、投光素子71の光を平行な投光ビームとして図示しない回帰反射板に向けて投光すると共に、受光レンズ77は、投光ビームと平行軸の回帰反射板からの反射光を受光素子74に集光する。
【0118】
なお、図14ではセンサ本体70前面の下側に投光部、上側に受光部が設けられているが、投光部と受光部の位置を逆にしてもよい。
【0119】
図15は、実施の形態2の光学システムと比較例の光学システムのセンサ本体について、光学要素を抽出して示した概略図である。
【0120】
図15(A)には、比較例の2眼式センサ本体200が示されている。センサ本体200は、投光系として投光素子201と、レンズ206と、水平方向の偏光方向を有する偏光フィルタ209Hとを含む。
【0121】
センサ本体200は、さらに、受光系として垂直方向の偏光方向を有する偏光フィルタ209Vと、レンズ207と、受光素子204とを含む。
【0122】
図16は、比較例の2眼式センサ本体の問題点を説明するための図である。
図16(A)に示すように、偏光フィルタ209Hと偏光フィルタ209Vの偏光方向が正しく調整されていれば、ワーク40で反射した正反射光は、偏光フィルタ209Vで遮断されるので受光されない。
【0123】
しかし、図16(B)に示すように、偏光フィルタ209Hと偏光フィルタ209Vの偏光方向が正しく調整されていない場合には、ワーク40で反射した正反射光の一部は、偏光フィルタ209Vから漏れてしまい受光されるので、受光量が増加し誤動作の原因となる。
【0124】
再び図15を参照して、図15(B)に示す実施の形態2に係るセンサ本体70は、図14に示したように投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容される。センサ本体70は、投光素子71と、投光レンズ76と、受光レンズ77と、受光素子74と、1/4波長板80と、偏光フィルタ79とを含む。1/4波長板80と偏光フィルタ79とは、ともに投光窓および受光窓を覆うように配置される。
【0125】
1/4波長板80はある方向性(遅延軸方向)を持っており、円偏光が入射されると偏光方向が特定方向の直線偏光に変換される。偏光フィルタ79は、1/4波長板の方向性に偏光方向が合うように1/4波長板に透明な接着剤で予め張り合わされている。
【0126】
図15(B)に示す構成を採用すれば、センサ本体における偏光フィルタの偏光方向は調整する必要がなくなる。このため、センサ本体の組立が容易になる。また、授受する光が円偏光であるので、センサ本体と回帰反射部との設置方向も厳密に合わせる必要はない。
【0127】
以上説明した実施の形態2によれば、従来の2眼式回帰反射型光電センサでの問題が解決できるという効果が奏される。偏光を制御する際に用いられる偏光フィルタの固定に関するものである。偏光フィルタは検出物体からの受光部への正反射光をカットするために用いられるが、この偏光フィルタは投光部と受光部で偏光方向が直交している必要がある。偏光方向の角度がずれると正反射光が漏れ、光沢面の検出物体において誤動作が起こる(図16参照)問題があった。このような問題に対して、今回発明した光学システムのセンサ側を適用すれば問題は解決できる。本発明のセンサ側と同様に投光部と受光部の前面に偏光フィルタと1/4波長板を組み合わせたものを配置することで、検出物体からの正反射光をカットできるため、偏光フィルタの角度ずれの問題を回避することができる。同時に部品点数は少なくなり、組みつけの工数も減らすことができる(図15(B)参照)。
【0128】
また、図15(C)に示すようにセンサ本体を変形しても良い。図15(C)に示されるセンサ本体70Aは、図15(B)に示すセンサ本体70の構成において、偏光フィルタ79に代えて受光部のみを覆う偏光フィルタ79Aを含み、投光素子71に代えて直線偏光を発射するレーザダイオードLDを含む。他の部分は図15(B)に示した構成と同じであるので説明は繰返さない。
【0129】
図15(C)に示したセンサ本体70Aは、レーザダイオードLDの偏光方向と1/4波長板80の方向を合わせる必要があるが、センサ本体と回帰反射部との設置方向も厳密に合わせる必要はない。
【0130】
[実施の形態3]
実施の形態1では、同軸型のセンサに本発明を適用した例を説明し、実施の形態2では、2眼式のセンサに本発明を適用した例について説明した。本発明は、さらに、光ファイバ型光電センサに対しても好適に用いることができる。なお、概念については、図10および図12で説明したものが共通するので説明は繰返さない。また、回帰反射部については、実施の形態1と共通するので説明は繰返さない。
【0131】
図17は、実施の形態3に係る光ファイバ型光電センサ本体の構成を示す斜視図である。
【0132】
図17を参照して、センサ本体150は、アンプ部151と、ヘッド部152と、アンプ部151とヘッド部152とを接続する光ファイバ162,163とを含む。光電センサ本体150は、アンプ部151とヘッド部152に分離されている。すなわち、「センサ本体」は、実施形態として常に一体である必要はなく、物理的に分離した2以上の部分を有していても良い。詳細には図示しないが、投光素子および受光素子は、アンプ部151に配置されている。また、位相差板や偏光フィルタは、アンプ部151とは分離されたヘッド部152に配置されている。
【0133】
図17において、光電センサ本体の上部カバー172を開いた状態における外観斜視図が示されている。プラスチック製の筐体171の前部には、投光用ファイバ162と受光用ファイバ163とが挿入され、クランプレバー173の操作によって抜け止め固定される。筐体171の後部からは電気コード164が引き出されている。電気コード164は、アース用の芯線と、正電源用の芯線と、検出出力用の芯線と、診断出力用の芯線とを含む。
【0134】
筐体171の上部には、透明な上部カバー172が開閉可能に取り付けられている。上部カバー172を開いた状態で露出する筐体171の上面には、表示器175,176と、操作ボタン177,178,179と、スライド操作子180,スライド操作子181とが設けられている。
【0135】
図18は、図17におけるヘッド部152の第1の構成例を説明するための概略図である。図18では、ヘッド部152Aに対して投光用光ファイバ162と受光用光ファイバ163の光ファイバケーブル2本が接続される。
【0136】
ヘッド部152Aは、投光レンズ76と、受光レンズ77と、円偏光板78とを含む。円偏光板78は、1/4波長板80と、偏光フィルタ79とを含む。1/4波長板80と偏光フィルタ79とは、ともにヘッド部152Aの投光窓および受光窓を覆うように配置される。なお、このヘッド部152Aの構成は、図15(B)に示した2眼式の光電センサに対応するものである。
【0137】
投光用光ファイバ162から偏光フィルタ79および1/4波長板80を通過して回帰反射部30に投光される光は、円偏光である。
【0138】
回帰反射部30は、円偏光板34と、全反射リフレクタ32とを含む。円偏光板34は、偏光フィルタ36と1/4波長板38とを含む。回帰反射部30が円偏光を反射すると、これが逆円偏光に変換されてヘッド部152Aに向かう。ヘッド部152Aでは、円偏光板78を通過することによって、逆円偏光が垂直偏光に変換され受光用光ファイバ163に入射される。
【0139】
図19は、図17におけるヘッド部152の第2の構成例を説明するための概略図である。図19では、ヘッド部152Bに対して投光用光ファイバ162と受光用光ファイバ163の光ファイバケーブル2本が一体化された光ファイバ160が接続される。
【0140】
ヘッド部152Bは、レンズ6と、円偏光板24とを含む。円偏光板24は、1/4波長板28と、偏光フィルタ26とを含む。なお、このヘッド部152Bの構成は、図3に示した光電センサ本体に対応するものである。
【0141】
図20は、図19のXX−XXにおける光ファイバ160の断面図である。
図19、図20を参照して、光ファイバ160は、中心に投光用光ファイバ162が配置されておりその周辺に複数の受光用光ファイバ163が配置されている。アンプ部151に近い端部では、受光用光ファイバ163は、投光用光ファイバ162から分離されて受光素子側の接続口に挿入される。投光用光ファイバ162は、投光素子側の接続口に挿入される。
【0142】
投光用光ファイバ162から偏光フィルタ26および1/4波長板28を通過して回帰反射部30に投光される光は、円偏光である。
【0143】
回帰反射部30は、円偏光板34と、全反射リフレクタ32とを含む。円偏光板34は、偏光フィルタ36と1/4波長板38とを含む。回帰反射部30が円偏光を反射すると、これが逆円偏光に変換されてヘッド部152Bに向かう。ヘッド部152Bでは、円偏光板24を通過することによって、逆円偏光が垂直偏光に変換され受光用光ファイバ163に入射される。
【0144】
以上説明した実施の形態3に示した場合においても、実施の形態1,2と同様にリフレクタ以外による反射光など余分なノイズ成分がカットされ受光素子での受光量が安定的に低減するので、受光部で検知しやすくなる。
【0145】
なお、図18、図19で示した構成において1/4波長板をセンサ本体およびリフレクタから取り除いた場合でも、図12,図13で説明したように、一定の効果を奏することができる。
【0146】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】光電センサの本体の斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光電センサの内部について、図1の断面II−IIにおいて示した断面図である。
【図3】実施の形態1の光学システムについて、光学要素を抽出して示した概略図である。
【図4】図3に示した光学システムの各部分での偏光の状態を詳細に示した図である。
【図5】実施の形態1のセンサ本体10における反射光除去について説明するための図である。
【図6】実施の形態1の回帰反射部30における反射光除去について説明するための図である。
【図7】偏光ビームスプリッタを使用した比較例であるセンサ本体100の問題点を説明するための図である。
【図8】偏光ビームスプリッタを使用する場合の偏光乱れを解決する検討例を示した図である。
【図9】受光素子と投光素子の位置を入れ替えたセンサ本体10Aの光路を示す図である。
【図10】ワークが検知エリアに到達した場合の光強度の減衰を示す概念図である。
【図11】図10に示した概念を実施の形態1に当てはめて詳しく説明するための図である。
【図12】実施の形態1の変形例に係る光学システムの概念を示す図である。
【図13】同軸型センサのより具体的な構成を示した図である。
【図14】本発明を適用した2眼式のセンサ本体の断面図である。
【図15】実施の形態2の光学システムと比較例の光学システムのセンサ本体について、光学要素を抽出して示した概略図である。
【図16】比較例の2眼式センサ本体の問題点を説明するための図である。
【図17】実施の形態3に係る光ファイバ型光電センサ本体の構成を示す斜視図である。
【図18】図17におけるヘッド部152の第1の構成例を説明するための概略図である。
【図19】図17におけるヘッド部152の第2の構成例を説明するための概略図である。
【図20】図19のXX−XXにおける光ファイバ160の断面図である。
【図21】回帰反射型光電センサの使用例を示した図である。
【図22】種々の被検出物体に対する検出動作を説明するための模式図である。
【図23】リフレクタで起こる偏光変換の第1の例について説明するための図である。
【図24】リフレクタで起こる偏光変換の第2の例について説明するための図である。
【図25】2眼タイプのセンサ本体の構造例を示す図である。
【図26】同軸タイプのセンサ本体の第1の構造例を示す図である。
【図27】同軸タイプのセンサ本体の第2の構造例を示す図である。
【図28】PETボトルによる光の反射や集光の影響を説明するための図である。
【図29】複屈折の影響を説明するための図である。
【符号の説明】
【0148】
1,71,201 投光素子、2,6,110,112,114,206,207,316,317,416,516 レンズ、3,519 ハーフミラー、4,74,204,314,414,514 受光素子、10,10A,50,56,60,70,70A,100,150,200,310,410,510 センサ本体、22 保護部材、24 円偏光板、26,36,36A,79,79A,209H,209V,319H,319V,519H,519V 偏光フィルタ、28,38,80 1/4波長板、30,52,58 回帰反射部、32 全反射リフレクタ、34,78 円偏光板、40,54 ワーク、61 表示灯、72,75 ホルダ部材、76 投光レンズ、77 受光レンズ、102 偏光ビームスプリッタ、104,106 ガラスプリズム、151 アンプ部、152,152A,152B ヘッド部、162,163 光ファイバ、302 ベルトコンベヤ、305 リフレクタ、307,307A,307B,307C 被検出物体、419 偏光ビームスプリッタ、LD レーザダイオード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の円偏光を投光する投光系と、前記第1の円偏光とは異なる第2の円偏光と前記第1の円偏光とが混在する光が入射された場合に前記第2の円偏光を選択的に受光する受光系とが形成されたセンサ本体と、
前記第1の円偏光を前記第2の円偏光を含む光に変換して反射する回帰反射部とを備える、回帰反射型光電センサ。
【請求項2】
前記センサ本体は、
投光素子と、
受光素子と、
第1の直線偏光を前記第1の円偏光に変換し、前記第2の円偏光を前記第1の直線偏光に変換する第1の位相差板と、
前記回帰反射部から前記受光素子に至る受光経路上において前記受光素子と前記第1の位相差板との間に配置され、前記第1の直線偏光を選択的に透過させる第1の偏光フィルタとを含む、請求項1に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項3】
前記センサ本体は、投光窓および受光窓として兼用される光透過部が設けられたケースに収容され、
前記第1の位相差板および前記第1の偏光フィルタは、ともに前記光透過部を覆うように配置され、
前記受光素子は、受光方向が前記投光素子の投光方向に交差するように配置され、
前記センサ本体は、
投光と受光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射するハーフミラーをさらに含む、請求項2に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項4】
前記センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容され、
前記第1の位相差板および前記第1の偏光フィルタは、ともに前記投光窓および前記受光窓を覆うように配置される、請求項2に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項5】
前記センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容され、
前記第1の位相差板は、前記投光窓および前記受光窓を覆うように配置され、
前記第1の偏光フィルタは、前記受光窓を覆うように配置され、
前記投光素子は、前記第1の直線偏光を発射するレーザ発光素子である、請求項2に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項6】
前記投光素子および前記受光素子は、アンプ部に配置され、
前記第1の位相差板および前記第1の偏光フィルタは、前記アンプ部と分離されたヘッド部に配置され、
前記センサ本体は、
前記アンプ部と前記ヘッド部とを接続する光ファイバをさらに含む、請求項2に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項7】
前記回帰反射部は、
光を回帰反射させるリフレクタと、
前記第1の円偏光を第2の直線偏光に変換し、前記第2の直線偏光を前記第2の円偏光に変換する第2の位相差板と、
前記投光素子から前記リフレクタに至る投光経路上において前記第2の位相差板と前記リフレクタとの間に配置され、前記第2の直線偏光を選択的に透過させる第2の偏光フィルタとを含む、請求項2に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項8】
回帰反射型光電センサのセンサ本体であって、
投光素子と、
受光素子と、
直線偏光を第1の円偏光に変換し、前記第1の円偏光と異なる第2の円偏光を前記直線偏光に変換する位相差板と、
回帰反射板から前記受光素子に至る受光経路上において前記受光素子と前記位相差板との間に配置され、前記直線偏光を選択的に透過させる偏光フィルタとを含む、回帰反射型光電センサのセンサ本体。
【請求項9】
前記センサ本体は、投光窓および受光窓として兼用される光透過部が設けられたケースに収容され、
前記位相差板および前記偏光フィルタは、ともに前記光透過部を覆うように配置され、
前記受光素子は、受光方向が前記投光素子の投光方向に交差するように配置され、
前記センサ本体は、
投光と受光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射するハーフミラーをさらに含む、請求項8に記載の回帰反射型光電センサのセンサ本体。
【請求項10】
前記センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容され、
前記位相差板および前記偏光フィルタは、ともに前記投光窓および前記受光窓を覆うように配置される、請求項8に記載の回帰反射型光電センサのセンサ本体。
【請求項11】
前記センサ本体は、投光窓および受光窓が並んで設けられたケースに収容され、
前記位相差板は、前記投光窓および前記受光窓を覆うように配置され、
前記偏光フィルタは、前記受光窓を覆うように配置され、
前記投光素子は、前記直線偏光を発射するレーザ発光素子である、請求項8に記載の回帰反射型光電センサのセンサ本体。
【請求項12】
前記投光素子および前記受光素子は、アンプ部に配置され、
前記第1の位相差板および前記第1の偏光フィルタは、前記アンプ部と分離されたヘッド部に配置され、
前記センサ本体は、
前記アンプ部と前記ヘッド部とを接続する光ファイバをさらに含む、請求項8に記載の回帰反射型光電センサのセンサ本体。
【請求項13】
回帰反射型光電センサに用いられる回帰反射部であって、
光を回帰反射させるリフレクタと、
第1の円偏光を直線偏光に変換し、前記直線偏光を前記第2の円偏光に変換する位相差板と、
センサ本体側から前記リフレクタに至る光経路上において前記第2の位相差板とリフレクタとの間に配置され、前記直線偏光を選択的に透過させる偏光フィルタとを含む、回帰反射型光電センサの回帰反射部。
【請求項14】
第1の直線偏光を投光する投光系と、前記第1の直線偏光とは異なる第2の直線偏光と前記第1の直線偏光とが混在する光が入射された場合に前記第1の直線偏光を選択的に受光する受光系とが形成されたセンサ本体と、
入射された光を前記第1の直線偏光のみを含む反射光に変換して反射する回帰反射部とを備える、回帰反射型光電センサ。
【請求項15】
前記センサ本体は、
投光素子と、
受光素子と、
前記回帰反射部から前記受光素子に至る受光経路上に配置され、前記第1の直線偏光を選択的に透過させる第1の偏光フィルタとを含む、請求項14に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項16】
前記センサ本体は、投光窓および受光窓として兼用される光透過部が設けられたケースに収容され、
前記第1の偏光フィルタは、前記光透過部を覆うように配置され、
前記受光素子は、受光方向が前記投光素子の投光方向に交差するように配置され、
前記センサ本体は、
投光と受光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射するハーフミラーをさらに含む、請求項15に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項17】
前記投光素子および前記受光素子は、アンプ部に配置され、
前記第1の偏光フィルタは、前記アンプ部と分離されたヘッド部に配置され、
前記センサ本体は、
前記アンプ部と前記ヘッド部とを接続する光ファイバをさらに含む、請求項15に記載の回帰反射型光電センサ。
【請求項18】
前記回帰反射部は、
光を回帰反射させるリフレクタと、
前記リフレクタに対して光の入射面側に配置され、前記第1の直線偏光を選択的に透過させる第2の偏光フィルタとを含む、請求項15に記載の回帰反射型光電センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2008−112629(P2008−112629A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294301(P2006−294301)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】