説明

回路基板内に埋め込むための固体電解コンデンサ

【課題】回路基板内に埋め込まれるように構成された電解コンデンサを提供する。
【解決手段】電解コンデンサは、コンデンサ素子と、アノード端子及びカソード端子と、コンデンサ素子を封入し、ケースの両側から外側に延びるアノード端子及びカソード端子の少なくとも一部分を露出させたままにするケースとを収容する。端子の各々は、コンデンサ素子の方向に面する上面と、コンデンサ素子から離れる方向に面する下面とを有する。従来の表面装着型電解コンデンサとは対照的に、これらの露出したアノード及びカソード端子部分の上面は、回路基板に取付けられる。このようにして、コンデンサは、その厚みの一部又は全体が基板それ自体内に埋め込まれた状態になるように基本的に「逆さまに」取付けられ、それによって基板上のコンデンサの高さプロフィールを最小にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
固体電解コンデンサ(例えば、タンタルコンデンサ)は、電子回路の小型化に対する主な寄与因子であり、極限の環境においてこのような回路を応用することを可能にしてきた。多くの従来の固体電解コンデンサには、プリント回路基板上に表面装着することができるJ字形の端子を用いて形成される。これらの端子は、コンデンサの端部上に存在し、従って、その全体の長さを拡張している。従って、これらのコンデンサのいくつかが基板上に隣接した状態で取付けられる時、その間隔は、短絡を防ぐほど十分に大きくする必要があり、これがコンデンサの密集した充填を妨げる。「うつ伏せ」端子としても公知であるような端子が主としてコンデンサの底部上に配置されたコンデンサも開発されている。しかし、基板上に表面装着された時、これらのコンデンサの高さは、特に比較的大きいケースサイズに対して依然として小型化を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】米国特許第6、322、912号
【特許文献2】米国特許第6、391、275号
【特許文献3】米国特許第6、416、730号
【特許文献4】米国特許第6、527、937号
【特許文献5】米国特許第6、576、099号
【特許文献6】米国特許第6、592、740号
【特許文献7】米国特許第6、639、787号
【特許文献8】米国特許第7、220、397号
【特許文献9】米国特許出願公開第2005/0019581号
【特許文献10】米国特許出願公開第2005/0103638号
【特許文献11】米国特許出願公開第2005/0013765号
【特許文献12】米国特許第6、197、252号
【特許文献13】米国特許第4、085、435号
【特許文献14】米国特許第4、945、452号
【特許文献15】米国特許第5、198、968号
【特許文献16】米国特許第5、357、399号
【特許文献17】米国特許第5、394、295号
【特許文献18】米国特許第5、495、386号
【特許文献19】米国特許第6、191、936号
【特許文献20】米国特許第5、949、639号
【特許文献21】米国特許第3、345、545号
【特許文献22】米国特許第6、674、635号
【特許文献23】米国特許出願公開第2005/0270725号
【特許文献24】米国特許第5、457、862号
【特許文献25】米国特許第5、473、503号
【特許文献26】米国特許第5、729、428号
【特許文献27】米国特許第5、812、367号
【特許文献28】米国特許出願公開第2006/0038304号
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Bruanauer、Emmet、及びTeller著、「米国化学学会誌」、第60巻、1938年、p309
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、回路基板に取付けられた時に高密度充填を達成することができる固体電解コンデンサに対する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態により、上面と、下面と、前面と、後面とを形成するコンデンサ素子を含む固体電解コンデンサを開示する。コンデンサ素子は、アノードと、アノードの上に重なる誘電体層と、固体電解質を含む誘電体層の上に重なるカソードとを含み、アノードリードが、アノードに電気的に接続されている。コンデンサはまた、アノードリードに電気的に接続されたアノード端子と、カソードに電気的に接続されたカソード端子とを含む。アノード端子は、コンデンサ素子の下面に実質的に平行である第1の構成要素を収容し、カソード端子は、コンデンサ素子の下面に実質的に平行である第2の構成要素を収容する。更に、コンデンサは、コンデンサ素子を封入して第1の構成要素及び第2の構成要素の少なくとも一部分を露出させたままにするケースを含む。第1の構成要素及び第2の構成要素の露出部分は、ほぼ同一平面上にあり、ケースから外側に延びており、それぞれ、コンデンサ素子の上面に面する上面と、コンデンサ素子の上面から離れる方向に面する対向する下面とを形成する。第1の構成要素及び第2の構成要素の上面は、回路基板に取付けられるように構成される。
【0006】
本発明の別の実施形態により、対向する導電性部材が位置する装着面を形成する基板を含む回路基板を開示する。凹型開口部が、導電性部材間の装着面に設けられる。更に、基板は、固体電解コンデンサを収容し、これは、ほぼ同一平面上の関係でこのコンデンサから外側に延びるカソード端子とアノード端子とを収容する。アノード端子及びカソード端子は、コンデンサが凹型開口部内に埋め込まれるようにそれぞれの導電性部材に電気的に接続される。
【0007】
本発明の他の特徴及び態様を以下でより詳細に説明する。
本発明の完全かつ権限付与する開示は、当業者に対するその最良のモードを含み、添付の図を参照することを含む本明細書の残りの部分においてより具体的に列挙する。
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同じか又は類似の特徴又は要素を示すことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の電解コンデンサの一実施形態の斜視図である。
【図2】プリント回路基板上に取付けられて示す本発明の電解コンデンサの一実施形態の断面図である。
【図3】図2に示すコンデンサの上面図である。
【図4】図2に示すコンデンサの底面図である。
【図5】本発明の電解コンデンサの別の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の説明は、単に例示的な実施形態の説明であり、本発明のより広範な態様を限定するものとして想定していないことを当業者にあっては理解されるものとする。
総括的には、本発明は、回路基板内に埋め込まれるように構成された電解コンデンサに関する。電解コンデンサは、コンデンサ素子と、アノード端子及びカソード端子と、コンデンサ素子を封入し、ケースの両端から外側に延びるアノード端子及びカソード端子の少なくとも一部分を露出させたままにするケースとを収容する。これらの端子の各々は、コンデンサ素子の方向に面する上面と、コンデンサ素子から離れる方向に面する下面とを有する。従来の表面装着型電解コンデンサとは対照的に、これらの露出したアノード端子部分及びカソード端子部分の上面は、回路基板に取付けられる。従って、コンデンサは、その厚みの一部又は全体がそれ自体基板内に埋め込まれるように基本的に「逆さまに」取付けられ、それによって基板上のコンデンサの高さプロフィールを最小にすることができる。
【0010】
アノードは、約5、000μF*V/g又はそれよりも大きく、一部の実施形態では約25、000μF*V/g又はそれよりも大きく、一部の実施形態では約40、000μF*V/g又はそれよりも大きく、及び一部の実施形態では約70、000〜約200、000μF*V/g又はそれよりも大きい高い比電荷を有するバルブ金属組成物から形成することができる。バルブ金属組成物は、タンタル、ニオブ、アルミニウム、ハフニウム、チタン、これらの合金、これらの酸化物、これらの窒化物のようなバルブ金属(すなわち、酸化可能な金属)又はバルブ金属ベースの化合物を含む。例えば、バルブ金属組成物は、1:1.0±1.0、一部の実施形態では1:1.0±0.3、一部の実施形態では1:1.0±0.1、及び一部の実施形態では1:1.0±0.05のニオブ対酸素の原子比率を有するニオブ酸化物のようなニオブの導電性酸化物を含むことができる。例えば、ニオブ酸化物は、NbO0.7、NbO1.0、NbO1.1、及びNbO2とすることができる。好ましい実施形態では、この組成物は、高温での焼結後でさえも化学的に安定のままとすることができる導電性ニオブ酸化物であるNbO1.0を含む。このようなバルブ金属酸化物の実施例は、Fifeに付与された米国特許第6、322、912号、Fife他に付与された米国特許第6、391、275号、Fife他に付与された米国特許第6、416、730号、Fifeに付与された米国特許第6、527、937号、Kimmel他に付与された米国特許第6、576、099号、Fife他に付与された米国特許第6、592、740号、Kimmel他に付与された米国特許第6、639、787号及びKimmel他に付与された米国特許第7、220、397号、並びにSchnitterに付与された米国特許出願公開第2005/0019581号、Schnitter他に付与された米国特許出願公開第2005/0103638号、Thomas他に付与された米国特許出願公開第2005/0013765号に説明されており、これらの全ては、全ての目的に対して引用により全体が本明細書に組み込まれている。
【0011】
アノードを形成するために、一般的に、従来の製造工程を利用することができる。一実施形態では、ある一定の粒径を有するタンタル又はニオブ酸化物粉末が、最初に選択される。例えば、これらの粒子は、剥離性、角張り、結節性、及びこれらの混在又は変形を有することができる。粒子はまた、典型的には、少なくとも約60メッシュ、一部の実施形態では約60〜約325メッシュ、一部の実施形態では約100〜約200メッシュのふるいサイズ分布を有する。更に、比表面積は、約0.1〜約10.0m2/g、一部の実施形態では約0.5〜約5.0m2/g、及び一部の実施形態では約1.0〜約2.0m2/gである。用語「比表面積」とは、吸着ガスとして窒素を用いたBruanauer、Emmet、及びTeller著、「米国化学学会誌」、第60巻、1938年、p309の物理気体吸着(B.E.T.)法によって判断される表面積のことである。同様にして、嵩(又はスコット)密度は、典型的には、約0.1〜約5.0g/cm3、一部の実施形態では約0.2〜約4.0g/cm3、及び一部の実施形態では約0.5〜約3.0g/cm3である。
【0012】
アノードの構成を容易にするために、他の成分を導電粒子に添加することができる。例えば、導電粒子は、選択的に結合剤及び/又は滑剤と混合され、アノード本体を形成するために圧縮される時に、粒子が互いに十分に付着するのを保証することができる。適切な結合剤には、樟脳、ステアリン酸、及び他のソープ脂肪酸、Carbowax(Union Carbide)、Glyptal(General Electric)、ポリビニルアルコール、ナフタレン、植物性ワックス及びマイクロワックス(精製パラフィン)を含むことができる。結合剤は、溶媒中に溶解し、及び拡散させることができる。例示的な溶媒には、水、アルコールなどを含むことができる。利用時の結合剤及び/又は滑剤の百分率は、重量で全質量の約0.1%から約8%までを範囲とすることができる。しかし、結合剤及び滑剤は、本発明においては必須ではないことを理解すべきである。
【0013】
得られる粉末は、いずれかの従来の粉末プレス金型を使用して圧縮成形することができる。例えば、プレス金型は、ダイと1つ又は複数のパンチとを使用するシングルステーション圧密プレスとすることができる。代替的に、ダイと単一の下側パンチのみを使用するアンビル型圧密プレス金型を使用することができる。シングルステーション圧密プレス金型は、シングルアクション、ダブルアクション、フローティングダイ、移動可能プラテン、対向ラム、スクリュー、インパクト、ホットプレス、コイニング又はサイジングのような様々な機能を有するカム式、トグル/ナックル式、及び偏心/クランク式プレスのようないくつかの基本タイプにおいて利用可能である。粉末は、アノードリード(例えば、タンタルワイヤ)の周りに圧縮成形することができる。代替的に、アノードリードは、アノード本体の圧縮及び/又は焼結に続いて、アノード本体に取付ける(例えば、溶接する)ことができることを更に認めるべきである。圧縮後、いかなる結合剤/滑剤も、ある一定の温度(例えば、約150℃〜約500℃)で数分間真空下においてペレットを加熱することによって除去することができる。代替的に、結合剤/滑剤はまた、全ての目的において引用により全体が本明細書に組み込まれているBishop他に付与された米国特許第6、197、252号に説明されているように、ペレットを水溶液に接触させることによって除去することができる。その後、ペレットは、焼結され、多孔質の一体化塊を形成する。例えば、一実施形態では、ペレットは、約1200℃〜約2000℃、一部の実施形態では約1500℃〜約1800℃の温度で、真空又は不活性雰囲気の下において焼結させることができる。ペレットは、焼結すると、粒子間の結合の成長によって収縮する。上述の技術に加えて、アノード本体を構成する他のあらゆる技術も本発明により利用することができ、この技術は、Galvagniに付与された米国特許第4、085、435号、Sturmer他に付与された米国特許第4、945、452号、Galvagniに付与された米国特許第5、198、968号、Salisburyに付与された米国特許第5、357、399号、Galvagni他に付与された米国特許第5、394、295号、Kulkarniに付与された米国特許第5、495、386号、Fifeに付与された米国特許第6、322、912号などに説明されており、これらは、全ての目的において引用により全体が本明細書に組み込まれている。
【0014】
必須ではないが、アノードの厚みは、コンデンサの電気的性能を改善するように選択することができる。例えば、アノードの厚みは、約4ミリメートル又はそれ未満、一部の実施形態では約0.05〜約2ミリメートル、及び一部の実施形態では約0.1〜約1ミリメートルとすることができる。アノードの形状も、得られるコンデンサの電気的特性を改善するように選択することができる。例えば、アノードは、曲線状、正弦関数状、矩形、U字形、V字形のような形状を有することができる。アノードはまた、表面積対容積比率を増加させてESRを最小にし、コンデンサの周波数応答を拡張させるために、1つ又はそれよりも多くのしわ、溝、凹部、又は窪みを収容する「溝付き」形状を有することができる。このような「溝付き」アノードは、例えば、Webber他に付与された米国特許第6、191、936号、Maeda他に付与された米国特許第5、949、639号、及びBourgault他に付与された米国特許第3、345、545号、並びにHahn他に付与された米国特許出願公開第2005/0270725号に説明されており、これらの全ては、全ての目的において引用により全体が本明細書に組み込まれている。
【0015】
アノードは、構成された状態で、誘電体層がアノードの上及び/又は内部に形成されるように、陽極酸化処理することができる。陽極酸化処理は、比較的高い誘電率を有する材料を形成するようにアノードが酸化されるような電気化学処理である。例えば、酸化ニオブ(NbO)アノードは、陽極酸化処理されて五酸化ニオブ(Nb25)になることができる。通常は、陽極酸化処理は、アノードを電解質に浸漬することによるなどの最初にアノードに電解質を付加することによって実施される。電解質は、一般的に、溶液(例えば、水性又は非水性)、拡散液、融液などのような液体の状態にある。水(例えば、脱イオン水)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル及びテトラヒドロフラン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、及びブタノール)、トリグリセリド、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ジエチレングリコールエーテル、及びメトキシプロピルアセテート)、アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルカプリリン/カプリン脂肪酸アミド、及びN−アルキルピロリドン)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、及びベンゾニトリル)、スルホキシド又はスルホン(例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)及びスルホラン)のような溶媒が、一般的に電解質内で使用される。溶媒は、電解質の約50重量%〜約99.9重量%、一部の実施形態では約75重量%〜約99重量%、及び一部の実施形態では約80重量%〜約95重量%を構成することができる。必ずしも必要ではないが、望ましい酸化物を得ることを助けるために、水性溶媒(例えば、水)の使用が多くの場合に望ましい。実際に、水は、電解質内に使用される溶媒の約50重量%又はそれよりも多く、一部の実施形態では約70重量%又はそれよりも多く、及び一部の実施形態では約90重量%〜100重量%を構成することができる。
【0016】
電解質は、イオン伝導性があり、25℃において判断すると、センチメートル当たり約1ミリシーメンス(mS/cm)又はそれよりも大きく、一部の実施形態では約30mS/cm又はそれよりも大きく、一部の実施形態では約40mS/cm〜約100mS/cmのイオン伝導率を有することができる。電解質のイオン伝導率を高めるために、溶媒中で解離することが可能な化合物が使用され、イオンを形成することができる。この目的のために適切なイオン化合物は、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、ホウ酸、ボロン酸などのような酸と、アクリル酸、メタクリル酸、マロン酸、コハク酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、アジピン酸、マレイン酸、リンゴ酸、オレイン酸、没食子酸、酒石酸、クエン酸、ギ酸、酢酸、グリコール酸、シュウ酸、プロピオン酸、フタル酸、イソフタル酸、グルタル酸、グルコン酸、乳酸、アスパラギン酸、グルタミニン酸、イタコン酸、トリフルオロ酢酸、バルビツール酸、桂皮酸、安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸などのようなカルボン酸を含む有機酸と、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、スチレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ヒドロキシベンゼンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのようなスルホン酸と、ポリ(アクリル)酸又はポリ(メタクリル)酸及びこれらのコポリマー(例えば、マレイン酸−アクリル酸、スルホン酸−アクリル酸、及びスチレン−アクリル酸のコポリマー)、カラゲナン酸、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸などのようなポリマー酸とその他を含むことができる。イオン化合物の濃度は、望ましいイオン伝導率を得るように選択される。例えば、酸(例えば、リン酸)は、電解質の約0.01重量%〜約5重量%、一部の実施形態では約0.05重量%〜約0.8重量%、及び一部の実施形態では約0.1重量%〜約0.5重量%を構成することができる。必要に応じて、イオン化合物の混合物も電解質中で使用することができる。
【0017】
電流は、電解質を通過して誘電体層を形成する。電圧の値により、誘電体層の厚みが制御される。例えば、電源は、最初に、必要な電圧に到達するまで定電流モードに設定することができる。その後、電源は、定電位モードに切り換えられ、アノードの表面上に望ましい誘電体厚みを形成することを保証することができる。勿論、パルス又はステップ定電位法のような他の公知の方法も使用することができる。電圧は、通常は約4V〜約200V、一部の実施形態では約9V〜約100Vの範囲にある。陽極酸化中に、電解質は、約30℃又はそれよりも高く、一部の実施形態では約40℃〜約200℃、及び一部の実施形態では約50℃〜約100℃のような高温に保つことができる。陽極酸化はまた、周囲温度又はそれ未満で実施することができる。得られる誘電体層は、アノードの表面上及びその孔隙内に形成することができる。
【0018】
誘電体層が形成された状態で、比較的絶縁性のある樹脂材料(天然の又は合成の)から作られたような保護コーティングを選択的に付加することができる。このような材料は、約10Ω/cmよりも大きく、一部の実施形態では約100よりも大きく、一部の実施形態では約1、000Ω/cmよりも大きく、一部の実施形態では約1x105Ω/cmよりも大きく、及び一部の実施形態では約1x1010Ω/cmよりも大きい比抵抗を有することができる。本発明に利用することができる一部の樹脂材料は、以下に限定されるものではないが、ポリウレタン、ポリスチレン、不飽和又は飽和脂肪酸のエステル(例えば、グリセライド)などを含む。例えば、適切な脂肪酸エステルは、以下に限定されるものではないが、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、エレオステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アレウリチン酸、シェロール酸、及び他のエステルを含む。これらの脂肪酸エステルは、得られる膜が急激に重合して安定した層になることを可能にする「乾性油」を形成するために、比較的複雑な組合せで使用される時に特に有用であることが見出されている。このような乾性油は、モノ−グリセライド、ジ−グリセライド、及び/又はトリ−グリセライドを含むことができ、これらは、それぞれ、1つ、2つ、及び3つのエステル化された脂肪酸アシル残基を備えたグリセロール骨格を有する。例えば、使用することができる一部の適切な乾性油は、以下に限定されるものではないが、オリーブ油、アマニ油、ヒマシ油、キリ油、大豆油、及びセラックを含む。これら及び他の保護コーティング材料は、Fife他に付与された米国特許第6、674、635号により詳細に説明されており、この特許は、全ての目的において引用により全体が本明細書に組み込まれている。
【0019】
陽極酸化処理された部分は、その後、二酸化マンガン、導電性ポリマーのような固体電解質を含むカソードを形成する段階を受ける。二酸化マンガン固体電解質は、例えば、硝酸マンガン(Mn(NO32)の熱分解によって形成することができる。このような技術は、例えば、Sturmer他に付与された米国特許第4、945、452号に説明されており、この特許は、全ての目的において引用により全体が本明細書に組み込まれている。代替的に、1つ又はそれよりも多くのポリへテロ環(例えば、ポリピロール、ポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDT)のようなポリチオフェン、ポリアニリン)、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン、ポリフェノレート、及びこれらの誘導体を含む導電性ポリマーコーティングを使用することができる。更に、必要に応じて、導電性ポリマーコーティングはまた、複数の導電性ポリマー層から形成することができる。例えば、一実施形態では、導電性ポリマーカソードは、PEDTから形成された1つの層とポリピロールから形成された別の層とを含むことができる。様々な方法を利用して、アノード部分上に導電性ポリマーコーティングを付加することができる。例えば、電解重合、スクリーン印刷、浸漬、電気泳動コーティング、及びスプレーのような従来技術を使用して導電性ポリマーコーティングを形成することができる。一実施形態では、例えば、導電性ポリマーを形成するのに使用されるモノマー(例えば、3、4−エチレンジオキシチオフェン)が、最初に重合触媒と混合されて溶液を形成することができる。例えば、1つの適切な重合触媒は、「CLEVIOS C」であり、これは、トルエンスルホン酸鉄(III)であり、「H.C.Starck」によって販売されている。「CLEVIOS C」は、「H.C.Starck」によって同じく販売されているPEDTモノマーの3、4−エチレンジオキシチオフェンである「CLEVIOS M」に対する市販の触媒である。触媒拡散液が形成された状態で、次に、ポリマーがアノード部分の表面上に形成されるように、アノード部分をこの拡散液に浸漬することができる。代替的に、触媒及びモノマーはまた、アノード部分に別々に付加することができる。一実施形態では、例えば、触媒は、溶媒(例えば、ブタノール)中に溶解させ、次に、浸漬のための溶液としてアノード部分に付加することができる。アノード部分は、次に、乾燥させられ、それから溶媒を除去することができる。その後、アノード部分は、適切なモノマーを含む溶液中に浸漬することができる。モノマーが、触媒を含むアノード部分の表面に接触した状態で、モノマーは、その上で化学的に重合する。更に、触媒(例えば、「CLEVIOS C」)はまた、任意的な保護コーティング(例えば、樹脂材料)を形成するのに使用される材料と混合することができる。このような場合に、アノード部分は、次に、モノマー(CLEVIOS M)を含有する溶液中に浸漬することができる。その結果、モノマーは、保護コーティングの表面内及び/又はその上で触媒と接触し、それらと反応して、導電性ポリマーコーティングを形成することができる。様々な方法を以上に説明してきたが、アノード部分に導電性コーティングを付加する他のあらゆる方法も、本発明において利用することができることを理解すべきである。例えば、このような導電性ポリマーコーティングを付加する他の方法は、Sakata他に付与された米国特許第5、457、862号、Sakata他に付与された米国特許第5、473、503号、Sakata他に付与された米国特許第5、729、428号、Kudoh他に付与された米国特許第5、812、367号に説明されており、これらは、全ての目的において引用により全体が本明細書に組み込まれている。
【0020】
殆どの実施形態では、付加された状態で、固体電解質はヒーリングされる。ヒーリングは、固体電解質層の各々の付加の後に行うことができ、又は全てのコーティングの付加後に行うことができる。一部の実施形態では、例えば、固体電解質は、リン酸及び/又は硫酸の溶液のような電解質溶液中にペレットを浸漬し、その後に、電流が予め選択したレベルまで減少するまで溶液に一定の電圧を印加することにより、ヒーリングすることができる。必要に応じて、このようなヒーリングは、複数の段階で完成することができる。例えば、一実施形態では、導電性ポリマーコーティングを有するペレットは、最初にリン酸に浸漬して約20ボルトを印加され、次に、硫酸に浸漬して約2ボルトを印加される。この実施形態では、第2の低電圧硫酸溶液又はトルエンスルホン酸の使用は、得られるコンデンサの静電容量の増加及び散逸率(DF)の減少を可能にすることができる。上述の層の一部又は全体の付加の後に、ペレットは、こうして必要に応じて洗浄され、様々な副生成物、余分の触媒などを除去することができる。更に、一部の事例では、上述の浸漬操作の一部又は全ての後に乾燥を利用することができる。例えば、ペレットが後に続く浸漬段階の間に液体を受け入れることができるように、ペレットの孔隙を空にするために触媒の付加後及び/又はペレットの洗浄後に乾燥が望ましい場合がある。
【0021】
必要に応じて、この部分は、選択的にカーボン層(例えば、グラファイト)及び銀層をそれぞれ付加することができる。例えば、銀コーティングは、コンデンサのための半田付け可能導体、接触層、及び/又は電荷コレクタとして機能することができ、炭素コーティングは、銀コーティングと固体電解質との接触を制限することができる。このようなコーティングは、固体電解質の一部又は全体の上に重ねることができる。
【0022】
以上に示すように、本発明の電解コンデンサはまた、コンデンサ素子のアノードリードが電気的に接続されたアノード端子と、コンデンサ素子のカソードが電気的に接続されたカソード端子とを含む。導電性金属(例えば、銅、ニッケル、銀、ニッケル、亜鉛、錫、パラジウム、鉛、銅、アルミニウム、モリブデン、チタン、鉄、ジルコニウム、マグネシウム、及びこれらの合金)のようなあらゆる導電材料は、端子を形成するために使用することができる。具体的に、適切な導電性金属には、例えば、銅、銅合金(例えば、銅−ジルコニウム、銅−マグネシウム、銅−亜鉛、又は銅−鉄)、ニッケル、ニッケル合金(例えば、ニッケル−鉄)が含まれる。端子の厚みは、通常、コンデンサの厚みを最小にするように選択される。例えば、端子の厚みは、約0.05〜約1ミリメートル、一部の実施形態では、約0.05〜約0.5ミリメートル及び約0.07〜約0.2ミリメートルの範囲とすることができる。1つの例示的な導電材料は、Wieland(独国)から入手可能な銅−鉄合金金属板である。必要に応じて、端子の表面は、当業技術で公知のように、ニッケル、銀、金、錫などで電気メッキされ、最後の部分が回路基板に取付け可能になることを保証することができる。1つの特定的な実施形態では、端子の両表面は、ニッケル及び銀フラッシュメッキでそれぞれメッキされるが、装着面も錫半田層でメッキされる。
【0023】
図1を参照すると、コンデンサ素子33に電気的に接続しているアノード端子62とカソード端子72とを含む電解コンデンサ30の一実施形態を示している。コンデンサ素子33は、上面37と、下面39と、前面36と、後面38とを有する。カソード端子72は、コンデンサ素子33の表面のいずれかと電気的に接触することができるが、図示の実施形態におけるカソード端子は、下面39及び後面38と電気的に接触している。より具体的には、カソード端子72は、第2の構成要素74に対して実質的に垂直に位置する第1の構成要素73を収容する。第1の構成要素73は、コンデンサ素子33の下面39に電気的に接触し、かつそれと実質的に平行である。第2の構成要素74は、コンデンサ素子33の後面38に電気的に接触し、かつそれと実質的に平行である。これらの部分は、一体化しているように示しているが、代替的に、直接か又は付加的な導電性要素(例えば、金属)を通じて互いに接続された別々の部分とすることができることを理解すべきである。
【0024】
同様に、アノード端子62は、第2の構成要素64に対して実質的に垂直に位置する第1の構成要素63を収容する。第1の構成要素63は、コンデンサ素子33の下面39に電気的に接触し、かつそれと実質的に平行である。第2の構成要素64は、アノードリード16を担持する領域51を含む。図示の実施形態では、領域51は、リード16の表面接触及び機械的安定性を更に増強するために「U字形」を有する。
【0025】
端子は、当業技術で公知のいずれかの技術を使用してコンデンサ素子に接続することができる。一実施形態では、例えば、カソード端子72及びアノード端子62を形成するリードフレームを設けることができる。電解コンデンサ素子33をリードフレームに取付けるために、導電性接着剤を最初にカソード端子72の表面に付加することができる。導電性接着剤は、例えば、樹脂合成物と共に含有された導電性金属粒子を含むことができる。これらの金属粒子は、銀、銅、金、プラチナ、ニッケル、亜鉛、ビスマスなどとすることができる。樹脂合成物は、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)、硬化剤(例えば、無水酸)、及びカプリング剤(例えば、シランカプリング剤)を含むことができる。適切な導電性接着剤は、Osako他に付与された米国特許出願公開第2006/0038304号に説明されており、この特許は、全ての目的において引用により全体が本明細書に組み込まれている。導電性接着剤をカソード端子72に付加する様々な技術のいずれも使用することができる。例えば、実用的かつコスト低減の利益の理由から、印刷技術を使用することができる。
【0026】
一般的に、端子をコンデンサに取付ける様々な方法を使用することができる。一実施形態では、例えば、アノード端子62の第2の構成要素64及びカソード端子72の第2の構成要素74は、最初に図1に示す位置まで上方に曲げられる。その後、コンデンサ素子33は、カソード端子72上に配置され、その下面39が接着剤に接触し、アノードリード16が上部のU字形領域51によって受け取られるようにする。必要に応じて、プラスチックパッド又はテープのような絶縁材料(図示せず)をコンデンサ素子33の下面39とアノード端子62の第1の構成要素63との間に配置して、アノード端子とカソード端子を電気的に分離することができる。
【0027】
次に、アノードリード16は、機械的溶接、レーザ溶接、導電性接着剤などのような当業技術で公知のいずれかの技術を使用して領域51に電気的に接続される。例えば、アノードリード16は、レーザを使用してアノード端子62に溶接することができる。レーザは、一般的に、誘導放出によって光子を放出することが可能なレーザ媒質と、レーザ媒質の元素を励起させるエネルギ源とを含む共振器を有する。適切なレーザの1つの種類は、レーザ媒質がネオジム(Nd)を添加したアルミニウム及びイットリウムガーネット(YAG)から成るレーザである。励起した粒子は、ネオジムイオンNd3+である。エネルギ源は、レーザ媒質に連続エネルギを供給して連続レーザビームを放射し、又はエネルギ放電を供給してパルスレーザビームを放射することができる。アノードリード16をアノード端子62に電気的に接続すると、次に、導電性接着剤を硬化させることができる。例えば、熱及び圧力を印加して電解コンデンサ素子33が接着剤によってカソード端子72に十分に接着することを保証するために、ヒートプレスを使用することができる。
【0028】
コンデンサ素子が取付けられた状態で、リードフレームは、樹脂ケース内に封入され、樹脂ケースは、次に、シリカ又は他のいずれかの公知の封入材料で満たすことができる。ケースの幅及び長さは、目的とする用途に応じて変えることができる。適切なケースは、例えば、「A」、「B」、「F」、「G」、「H」、「J」、「K」、「L」、「M」、「N」、「P」、「R」、「S」、「T」、「W」、「Y」、又は「X」ケース(AVX Corporation)を含むことができる。使用するケースサイズに関わらず、コンデンサ素子は、アノード端子及びカソード端子の少なくとも一部分が回路基板上に取付けるために露出するように封入される。
【0029】
例えば、図1に示すように、コンデンサ素子33は、アノード端子62の第1の構成要素63の部分81とカソード端子72の第1の構成要素73の部分91とがケース78の両側を通して外側に延びるようにケース78内に封入される。図1において、露出部分81及び93の各々は、離間したアーム部分の形態をとっている。しかし、これらの露出部分は、この構成を有する必要はない。図5は、例えば、アーム部分が部分201及び203によってそれぞれ接続されている本発明の付加的な実施形態を示している。このような部分201及び203は、コンデンサ素子30を回路基板の表面上に取付ける機能を改善することができる。
【0030】
いずれにせよ、コンデンサの長さに対する部分81及び91の各々の長さは(例えば、図1のx方向において)、一般的に、極めて大きい表面設置面積を作り出すことなく回路基板に接合するほど十分に大きい領域が供給されるように選択される。例えば、実際の長さは、コンデンサのケースサイズによって変化する場合があるが、部分81及び/又は91の長さ対ケース78の長さの比は、通常は0.05〜約1、一部の実施形態では約0.08〜約0.5、及び一部の実施形態では約0.1〜約0.3である。
【0031】
アノード端子部分81及びカソード端子部分91は、望ましくは、互いにほぼ同一平面上の関係にあり、任意的に、コンデンサ素子33及び/又はケース78の下面とほぼ同一平面上の関係にある。必須ではないが、アノード端子62及びカソード端子72の他の部分も封入後に露出したままとすることができる。図1において、例えば、端子62及び72もケースの下面において露出している。封入後に、アノード及びカソードのそれぞれの端子62及び72の露出部分は、エージング処理され、選別され、かつ望ましいサイズに整えることができる。
【0032】
コンデンサ30は、形成された状態で、次に回路基板上に取付けることができる。より具体的には、アノード端子及びカソード端子のほぼ同一平面にある部分81及び91は、コンデンサ素子33の下面39にそれぞれが面している上面83及び93と、コンデンサ素子33の下面39からそれぞれが離れる方向に面する下面85及び95とを形成する。表面83及び93は、回路基板の凹型開口部内にアノード端子62及びカソード端子72を取付けるために配置される。従って、コンデンサ64は、その厚みの一部又は全体がそれ自体基板内に埋め込まれるように「逆さまに」取付けられ、従って、基板上のコンデンサ30の高さプロフィールを最小にすることができる。
【0033】
例えば、図2〜図4を参照すると、図1のコンデンサ64が、基板150(例えば、絶縁層)及び導電性部材111を収容するプリント回路基板100に取付けられた一実施形態を示している。当業技術で公知の他の様々な電子部品も基板100上に取付けることができ、単一のコンデンサは、例示の目的のためだけに示していることを理解すべきである。いずれにしても、基板100は、開口部105が導電性部材111間で窪んでいるような装着面109を有する。基板上のコンデンサの高さプロフィールを最小にするために、コンデンサ64は、開口部105内に埋め込まれ、半田付けによるなどの公知の技術を使用して装着面109に取付けられる。すなわち、露出したアノード端子部分81の上面83と露出したカソード端子部分91の上面93とが、両方とも、装着面109上に配置された導電性部材111に取付けられる。
【0034】
コンデンサ64が埋め込まれる程度は、基板100の厚み、ケースサイズのような様々な要素に依存している。ケースの厚みは、例えば、約0.05〜約4.0ミリメートル、一部の実施形態では約0.1〜約2ミリメートル、及び一部の実施形態では約0.2〜約1.0ミリメートルとすることができる。同様に、回路基板の厚み(取付けられた電気部品を含まず)は、約0.1〜約5ミリメートル、一部の実施形態では約0.2〜約3ミリメートル、及び一部の実施形態では約0.4〜約1.5ミリメートルとすることができる。従って、使用される特定の厚みにより、コンデンサ64は、ケース78の下面が基板100の上面とほぼ同一平面にあるように埋め込むことができる。代替的に、コンデンサ64は、その下面が基板100の上面よりも上に僅かに出るように埋め込むことができる。いずれにせよ、コンデンサによって占有される高さプロフィールは、減少し、望ましい使用法に応じて制御することができる。
本発明のこれら及び他の修正及び変形は、本発明の精神及び範囲から離れることなく当業者によって実施することができる。更に、様々な実施形態の態様は、全体的又は部分的に相互に置換することができることを理解すべきである。更に、当業者にあっては、以上の説明が例示のためだけであり、特許請求の範囲に更に説明する本発明を限定する意図はないことを認めるであろう。
【符号の説明】
【0035】
30 電解コンデンサ
33 コンデンサ素子
62 アノード端子
72 カソード端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、下面、前面、及び後面を形成し、かつアノードリードが電気的に接続されたアノード、該アノードの上に重なる誘電体層、及び固体電解質を含む該誘電体層の上に重なるカソードを含むコンデンサ素子と、
前記アノードリードに電気的に接続され、かつ前記コンデンサ素子の前記下面に実質的に平行である第1の構成要素を収容するアノード端子と、
前記カソードに電気的に接続され、かつ前記コンデンサ素子の前記下面に実質的に平行である第2の構成要素を収容するカソード端子と、
前記コンデンサ素子を封入し、かつ前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の少なくとも一部分を露出したままにするケースと、
を含み、
前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の前記露出部分は、ほぼ同一平面上にあり、かつ前記ケースから外向きに延びており、
更に、前記第1の構成要素及び前記第2の構成要素の前記露出部分は、それぞれ、前記コンデンサ素子の上面に面する上面と、該コンデンサ素子の該上面から離れる方向に面する対向する下面とを形成し、該第1の構成要素及び該第2の構成要素の該上面は、回路基板に取付けられるように構成される、
ことを特徴とする固体電解コンデンサ。
【請求項2】
前記アノードは、タンタル、ニオブ、又はその導電性酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項3】
前記固体電解質は、二酸化マンガン、導電性ポリマー、又はその組合せを含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項4】
前記アノード端子の前記第1の構成要素は、前記コンデンサ素子の前記下面に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項5】
前記アノード端子は、更に、前記第1の構成要素に対してほぼ垂直である第3の構成要素を含むことを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項6】
前記第3の構成要素は、前記アノードリードが電気的に接続されたU字形領域を収容することを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項7】
前記第3の構成要素は、前記ケース内に封入されることを特徴とする請求項5に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項8】
前記カソード端子の前記第2の構成要素は、前記コンデンサ素子の前記下面に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項9】
前記カソード端子は、更に、前記第2の構成要素に対してほぼ垂直であって前記コンデンサ素子の前記後面に電気的に接続された第4の構成要素を含むことを特徴とする請求項8に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項10】
前記第4の構成要素は、前記ケース内に封入されることを特徴とする請求項9に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項11】
前記カソード端子は、導電性接着剤を用いて前記コンデンサ素子に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項12】
前記アノードリードは、前記アノード端子にレーザ溶接されることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項13】
前記ケースの長さに対する前記第1の構成要素の前記露出部分の長さ又は前記第2の構成要素の前記露出部分の長さの比は、約0.05から約1であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項14】
前記ケースの長さに対する前記第1の構成要素の前記露出部分の長さ又は前記第2の構成要素の前記露出部分の長さの比は、約0.08から約0.5であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
【請求項15】
対向する導電性部材が位置する装着面を形成し、かつ凹型開口部が該導電性部材間の該装着面に設けられた基板と、
ほぼ同一平面上の関係でコンデンサから外向きに延びるカソード端子及びアノード端子を収容し、かつコンデンサが前記凹型開口部内に埋め込まれるように該アノード端子及びカソード端子がそれぞれの導電性部材に電気的に接続された固体電解コンデンサと、
を含むことを特徴とする回路基板。
【請求項16】
前記コンデンサは、アノードリードが電気的に接続されたアノードと、該アノードの上に重なる誘電体層と、固体電解質を含む該誘電体層の上に重なるカソードとを含むコンデンサ素子を含むことを特徴とする請求項15に記載の回路基板。
【請求項17】
前記アノードは、タンタル、ニオブ、又はその導電性酸化物を含むことを特徴とする請求項16に記載の回路基板。
【請求項18】
前記固体電解質は、二酸化マンガン、導電性ポリマー、又はその組合せを含むことを特徴とする請求項16に記載の回路基板。
【請求項19】
前記アノード端子及び前記カソード端子は、それぞれ、前記コンデンサ素子の上面に面する上面と、該コンデンサ素子の該上面から離れる方向に面する対向する下面とを形成し、
第1の構成要素及び第2の構成要素の上面が、前記導電性部材に取付けられる、
ことを特徴とする請求項16に記載の回路基板。
【請求項20】
前記コンデンサの下面が、前記基板の上面と実質的に同一平面上であることを特徴とする請求項15に記載の回路基板。
【請求項21】
前記コンデンサの下面が、前記基板の上面の上方に延びていることを特徴とする請求項15に記載の回路基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−67965(P2010−67965A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202302(P2009−202302)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(507113867)エイヴィーエックス コーポレイション (46)
【Fターム(参考)】