説明

回路基板及び近接センサ

【課題】部品点数が増大せず、新たな実装面積の確保も不要で、反射成分を低減できる近接センサ、及び近接センサを実装するための回路基板を提供する。
【解決手段】回路基板は、近接センサ10が実装され、回路基板の本体49と、回路基板の本体49に設けられ、カバー18に当接するカバー当接面47と、近接センサ10と回路基板とを導通接続させる伸縮自在なスプリングコネクタ26と、を有する。スプリングコネクタ26は、カバー当接面47をカバー18に押し当てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が実装される回路基板、及び、回路基板上に実装され、少なくとも発光素子又は受光素子を含む近接センサに関する。
【背景技術】
【0002】
検出対象物(以下、単に「対象物」と称す)が近くに存在するか否かを非接触で検出する近接センサには、検出方式によって誘導型、静電容量型、超音波型、電磁波型、赤外線型等がある。近年、特に赤外線型の近接センサ(以下、単に「近接センサ」と称す)は、携帯電話等に多用されている。近接センサは、対象物に当たって反射した赤外線を受光素子が受光して光電変換し、光電変換によって変換された電力が所定の閾値以上になる場合に、対象物が一定距離内にあることを判定する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図9に示す様に、近接センサ100は、携帯電話101の筐体102に収容される基板103上に発光素子104及び受光素子105がSMD(Surface Mount Device)実装される。図9は、基板103とカバー109との間に隙間の生じた近接センサを搭載する従来の携帯電話の断面図である。ここで、基板103の表面から筐体102の天面106までの距離Tは、カメラモジュール107等の最も背の高い部品によって決められる。
【0004】
天面106の開口部108には、赤外線を透過させるカバー109が設けられる。このため、近接センサ100と筐体102の天面106との間には隙間tが生じ、正常な反射光110と、図9中に示した破線の光路でカバー109により反射される期待しない光111とが混じって受光素子105で検出される。この期待しない光111を検出しない様に近接センサ100の感度を下げれば、受光素子105の感度を向上させるのが困難となる。
【0005】
そこで、受光素子105の感度を向上させるため、図10に示す様に、近接センサ100をフレキシブル基板112の一端側に実装し、フレキシブル基板112の他端側を専用コネクタ113で基板103に接続する構造が提案されている。図10は、フレキシブル基板112を用いて、基板103とカバー109との間の隙間を除去した従来の携帯電話の断面図である。この構造では、スペーサ114でフレキシブル基板112の背面を押さえることにより、近接センサ100が筐体102の天面106に密着する。これにより、図9に示す期待しない光111による不要な反射成分が低減され、近接センサ100の特性を向上させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−281477号公報(請求項1、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、フレキシブル基板112上に実装された近接センサ100は、筐体102の天面106に密着させて不要な反射成分を低減できる反面、近接センサ100を構成するための部品点数が増加した。すなわち、フレキシブル基板112、スペーサ114、専用コネクタ113が新たな追加部品として必要となる。従って、これらの追加部品を実装するための新たな実装面積を基板103に確保しなければならず、組立作業工程も複雑化する。
【0008】
また、特許文献1には、焦電型赤外線センサとフィルターとの平行度を高めるため、回路基板とピン端子との間に導電性ゴムを設ける構成が開示されているが、反射成分を低減するための隙間tの除去対策についての示唆はない。
【0009】
本発明は上記した従来の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、部品点数が増大せず、新たな実装面積の確保も不要で、反射成分を低減する回路基板及び近接センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の回路基板は、近接センサが実装される回路基板であって、本体と、前記本体に設けられ、カバーに当接するカバー当接面と、前記近接センサを導通接続させる伸縮自在なスプリングコネクタと、を有し、前記スプリングコネクタは、前記カバー当接面を前記カバーに押し当てることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の回路基板は、前記本体が、前記カバーに当接すると共に、発光素子又は受光素子の載置面を有するセンサ部と、前記センサ部の前記カバーと反対側で、前記センサ部と前記回路基板とを導通接続させるコネクタ部と、を有し、前記センサ部と前記コネクタ部とがそれぞれ異なる材料で成形されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の回路基板は、前記センサ部に、単体の発光素子が実装されることを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の回路基板は、前記センサ部に、単体の受光素子が実装されることを特徴とする。
【0014】
本発明の第5の回路基板は、前記センサ部が、別体としての単体の発光素子及び単体の受光素子の各載置面を有し、前記センサ部の前記各載置面に、前記別体としての単体の発光素子及び単体の受光素子が実装されることを特徴とする。
【0015】
本発明の第6の回路基板は、前記センサ部が、前記発光素子の載置面と前記受光素子の載置面とが同一材料で一体に成形され、前記センサ部の前記発光素子の載置面に前記発光素子が実装され、前記センサ部の前記受光素子の載置面に前記受光素子が実装されることを特徴とする。
【0016】
本発明の第1の近接センサは、上述した第2〜第6のうちいずれかの回路基板に実装される近接センサであって、前記カバーに当接すると共に、前記発光素子又は前記受光素子の載置面を有し、前記載置面上に前記発光素子又は前記受光素子が実装されたセンサ部と、前記センサ部の前記カバーと反対側で、前記センサ部と前記回路基板とを導通接続させるコネクタ部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第2の近接センサは、前記カバー当接面と前記発光素子の載置面との間に設けられ、前記発光素子からの光を封止する封止部と、を更に備え、前記カバーが、前記封止部の封止材料と同一若しくは略同一の屈折率を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、部品点数が増大せず、新たな実装面積の確保も不要で、反射成分を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態の近接センサが実装された回路基板を備える携帯電話の断面図
【図2】(a)第1の実施形態の回路基板の分解斜視図、(b)回路基板の本体とスプリングコネクタとを組み立てた状態の斜視図
【図3】図1に示したスプリングコネクタ近傍の拡大図
【図4】(a)第2実施形態の回路基板の分解斜視図、(b)回路基板の本体とスプリングコネクタとを組み立てた状態の斜視図
【図5】本発明に係る第3実施形態の近接センサが実装された回路基板を備える携帯電話の断面図
【図6】(a)第3の実施形態の回路基板の分解斜視図、(b)回路基板の本体とスプリングコネクタとを組み立てた状態の斜視図
【図7】(a)第4実施形態の回路基板の分解斜視図、(b)回路基板の本体とスプリングコネクタとを組み立てた状態の斜視図
【図8】(a)第5実施形態の回路基板の斜視図、(b)第5の実施形態の回路基板の一部分を切り欠いた斜視図
【図9】基板とカバーとの間に隙間の生じた近接センサを搭載する従来の携帯電話の断面図
【図10】フレキシブル基板を用いて、基板とカバーとの間の隙間を除去した従来の携帯電話の断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、第1実施形態の近接センサ10が実装された回路基板48を備える携帯電話の断面図である。本発明に係る回路基板48は、回路基板本体49と、回路基板本体49に設けられ、カバー18に当接するカバー当接面47と、近接センサ10を導通接続させる伸縮自在なスプリングコネクタ26と、を有する構成である(後述参照)。
【0021】
本発明に係る回路基板48の回路基板本体49は、発光素子22及び受光素子23のいずれも実装されていない状態のセンサ部20(後述参照)とコネクタ部21とが別体若しくは一体として成形されたものである。
【0022】
また、センサ部20に単体の発光素子22、単体の受光素子23、及び単体の発光素子22及び受光素子23のうちいずれかが実装(載置)された状態のセンサ部20と、コネクタ部21とにより、本発明に係る近接センサ10が構成される。
【0023】
図2(a)は第1の実施形態の回路基板の分解斜視図、図2(b)は回路基板の本体49とスプリングコネクタとを組み立てた状態の斜視図である。図3は、図1に示したスプリングコネクタ26近傍の拡大図である。
【0024】
本実施形態に係る近接センサ10及び回路基板48は、電子機器に好適に搭載できる。電子機器として本明細書では携帯電話11を例に説明する。
【0025】
なお、本発明に係る近接センサ及び回路基板48は、携帯電話11の他、防犯ライト用センサ、節電用センサ等に用いることができる。また、本発明に係る近接センサ及び回路基板48は、赤外線の変化を感知する焦電型近接センサにも用いることができる。
【0026】
携帯電話11には実装基板12が収容され、実装基板12は筐体13に固定される。筐体13には、実装基板12と筐体13の表面板裏面(すなわち、天面14)との間に、諸部品の収容空間15が形成されている。実装基板12には例えばカメラモジュール16が実装される。カメラモジュール16は、諸部品の中で全高が最大となる。従って、収容空間15の高さはカメラモジュール16の高さと略同一に設定される場合が多い。筺体13には、カメラモジュール16の撮像光を取り入れるための撮影開口部17が穿設されている。
【0027】
実装基板12にはカメラモジュール16の近傍に近接センサ10が実装される。近接センサ10は、実装基板12とカバー18との間で挟持される。近接センサ10の上方には筐体13にセンサ開口部19が穿設される。センサ開口部19は、カバー18によって塞がれている。図1に示す様に、近接センサ10は、カバー18に当接するカバー当接面47(図2(a),(b)参照)を表面部に有するセンサ部20と、センサ部20のカバー18と反対側で実装基板12に導通接続されるコネクタ部21と、を備える。
【0028】
本実施形態において、センサ部20は、表面部にカバー当接面47を有すると共に、単体の発光素子22の載置面を凹部内の底面に有する。近接センサ10を構成する場合には、この載置面上に単体の発光素子22が実装(載置)される。また、センサ部20には、図2(a),(b)に示す様に、カバー当接面47と発光素子22の載置面との間におけるセンサ部20の凹部に、発光素子22からの光を封止する封止部24が設けられている。本実施形態において、受光素子(図4に示す受光素子23と同様のもの)は別途に配設されている。
【0029】
カバー18は、センサ部20における封止部24の封止材料と同一若しくは略同一の屈折率を有する。これにより、近接センサ10から出射された光が反射されずに特定の方向(例えば図1の矢印の方向)に出射され易くなり、カバー18によって反射されることを低減できる。
【0030】
図2(a)に示す様に、コネクタ部21の上面には複数の接点部25が設けられ、それぞれの接点部25は、センサ部20とコネクタ部21とが接合されることで、センサ部20から導出される端子に接続される。センサ部20とコネクタ部21との接合は、係止構造、熱溶着、接着剤等の種々の方法により行うことができる。
【0031】
図2(a),(b)に示す様に、コネクタ部21には、実装基板12との間で伸縮自在となって実装基板12に導通接続されるスプリングコネクタ26が設けられている。すなわち、スプリングコネクタ26は、実装基板12とセンサ部20との間を導通接続させる。更に、スプリングコネクタ26は、コネクタ部21を介して、センサ部20のカバー当接面47をカバー18に押し当てる。
【0032】
スプリングコネクタ26では、コネクタ部21の下面に穿設されたピン保持孔27(図3参照)にピン基端部28が固定される。それぞれのピン保持孔27には、所定の接点部25に導通する図3に示す配線パターン29が形成される。配線パターン29は、MID(Molded Interconnect Devices)技術によってピン保持孔27に直接形成される。MIDとは、射出成形品の表面に電気回路を一体形成した三次元成形回路部品のことで、従来の二次元回路とは異なり、傾斜面、垂直面、曲面、成形体内部の貫通孔等にも回路を付加する。これにより、コネクタ部21の接点部25とピン保持孔27の配線パターン29との接続を可能としている。
【0033】
なお、このMIDには、特に特開2008−159942号公報(段落0002〜0003)、特開2011−134777号公報(段落0003)に開示されているMIPTEC(登録商標)(微細複合加工技術)を用いることができる。MIPTEC(登録商標)によれば、射出成形品の表面に電気回路を形成するMID技術に、成形表面活性化処理技術とレーザパターニング工法等を用いることで、微細パターニング、かつ、ベアチップ実装が可能な3D実装デバイスを実現できる。
【0034】
コネクタ部21に装着されるスプリングコネクタ26は、有底円筒状に形成されるピン基端部28の開口側に接触ピン30が移動自在に挿入されている。ピン基端部28からの接触ピン30の抜けは、接触ピン30の基端に設けられたフランジ部31をピン基端部28の開口小径縁部32に係止して行う。ピン基端部28の内方にはスプリング33が設けられ、スプリング33は接触ピン30を突出する方向に付勢している。つまり、スプリングコネクタ26は、接触ピン30の移動範囲で、接点間寸法の差異に対応可能となる。
【0035】
本発明に係る近接センサ10又は回路基板48では、スプリングコネクタ26がコネクタ部21及びセンサ部20を押し当てることによって、カバー18にセンサ部20のカバー当接面47が当接する。また、本発明に係る近接センサ10又は回路基板48では、センサ部20のカバー18と反対側にコネクタ部21が当接し、コネクタ部21のセンサ部20と反対側から突出したスプリングコネクタ26がセンサ部20と実装基板12とを導通接続させる。スプリングコネクタ26は伸縮自在なので、コネクタ部21と実装基板12との間、すなわち、カバー18と実装基板12との距離が異なる場合であっても、スプリングコネクタ26の伸縮の範囲でコネクタ部21と実装基板12とを接続状態にする。すなわち、図1に示すカメラモジュール16の高さと異なる仕様のカメラモジュールにも対応が可能となっている。
【0036】
これにより、カバー18と実装基板12との間においてセンサ部20及びコネクタ部21が挟持状態となり、センサ部20のカバー当接面47と筐体13の天面14との間の従来の隙間が除去され、図9に示す期待しない光111による不要な反射成分が低減できる。また、フレキシブル基板、専用コネクタ、スペーサが不要となる。さらに、センサ部20とオフセットさせたフレキシブル基板の専用コネクタを配置するスペースを実装基板12に確保する必要もなくなる。
【0037】
また、センサ部20に単体の発光素子22が実装された場合には、発光素子22からの光が従来の隙間を通ることなく直接カバー18に入射し、出射光を効率よく対象物へ照射できる。
【0038】
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。
図4(a)は第2実施形態の回路基板の分解斜視図、図4(b)は回路基板の本体49とスプリングコネクタ26とを組み立てた状態の斜視図である。なお、以下の各実施形態において、図1〜図3に示した部材と同一の部材には同一の符号を付し重複する説明は省略するものとする。なお、図4(a),(b)に示す回路基板48には便宜的に受光素子23を図示しているが、回路基板48の構成に受光素子23は不要である。
【0039】
本実施形態において、センサ部35は、カバー18に当接するカバー当接面47を表面部に有すると共に、単体の受光素子23の載置面をセンサ部35の凹部内に設けられた底面に有する。本実施形態の近接センサを構成する場合には、センサ部35の凹部内に設けられた載置面上に、単体の受光素子23が実装(載置)される。コネクタ部36には、センサ部35に対応した接点部25と、スプリングコネクタ26とが図2(a)に示すコネクタ部21と同様に配設されている。
【0040】
本実施形態の近接センサは、センサ部35の凹部内に設けられた底面(載置面)上に受光素子23が実装(載置)されることにより構成される。従って、対象物からの反射光が図9に示す隙間tを通ることなくカバー18から直接に受光素子23に入射し、反射光を効率よく受光できる。
【0041】
次に、本発明に係る第3実施形態を説明する。
図5は、本発明に係る第3実施形態の近接センサ37が実装された回路基板48を備える携帯電話11の断面図である。図6(a)は第3の実施形態の回路基板48の分解斜視図、図6(b)は回路基板48の本体49とスプリングコネクタ26とを組み立てた状態の斜視図である。なお、図6(a),(b)に示す回路基板48には便宜的に受光素子23を図示しているが、回路基板48の構成に受光素子23は不要である。
【0042】
図5に示す様に、本実施形態に係る近接センサ37は、センサ部38が、それぞれカバー18に当接するカバー当接面47を有する。更に、近接センサ37は、単体の発光素子22及び単体の受光素子23の各載置面を有し、各載置面に単体の発光素子22及び単体の受光素子23が実装されて並べて配設されたものである。
【0043】
図6(a)又は図6(b)に示す様に、コネクタ部39には、センサ部38に対応した接点部25と、スプリングコネクタ26とが図2(a)に示すコネクタ部21と同様に配設されている。
【0044】
本実施形態の近接センサ37は、発光素子22とカバー18との間の隙間、及びカバー18と受光素子23との間の隙間が除去できるので、正常な反射光に混じって、発光素子22から直接にカバー18に反射して受光素子23に入る期待しない光が生じなくなる。
【0045】
次に、本発明に係る第4実施形態を説明する。
図7(a)は第4実施形態の回路基板48の分解斜視図、図7(b)は回路基板48の本体49とスプリングコネクタ26とを組み立てた状態の斜視図である。なお、図7(a),(b)に示す回路基板48には便宜的に受光素子23を図示しているが、回路基板48の構成に受光素子23は不要である。
【0046】
本実施形態において、センサ部41は、それぞれカバー18に当接するカバー当接面47を有して一体に形成され、単体の発光素子22及び単体の受光素子23の各載置面を各凹部の底面に有する。本実施形態の近接センサを構成する場合には、各載置面上に単体の発光素子22及び単体の受光素子23が実装(載置)される。コネクタ部42には、センサ部41に対応した接点部25と、スプリングコネクタ26とが図2(a)に示すコネクタ部21と同様に配設されている。
【0047】
本実施形態の回路基板は、発光素子22及び受光素子23の各載置面を有するセンサ部41、コネクタ部42、スプリングコネクタ26の3種の部品で構成される一体部品となり、部品点数が少なくなる。従って、本実施形態の回路基板によれば、近接センサを簡単に製造することができる。
【0048】
次に、本発明に係る第5実施形態を説明する。
図8(a)は第5実施形態の回路基板48の斜視図、図8(b)は第5の実施形態の回路基板48の一部分を切り欠いた斜視図である。
【0049】
本実施形態に係る回路基板48の本体49は、それぞれカバー18に当接するセンサ部とコネクタ部とのパッケージ46として、同一材料で一体的に成形されている。つまり、本実施形態の近接センサを構成する場合において発光素子22と受光素子23とが実装されるパッケージ46(回路基板48の本体49に対応)に、スプリングコネクタ26が直接に装着されている。即ち、回路基板48は、上述した各実施形態におけるセンサ部とコネクタ部とが一体成形されたパッケージ46(本体49)とスプリングコネクタ26とにより構成される。
【0050】
本実施形態の近接センサによれば、第4実施形態におけるセンサ部41とコネクタ部42とが一部品となり、部品点数を削減でき、組み立て工数も削減できる。
【0051】
さらに、本実施形態の回路基板48を用いて近接センサが構成される場合には、パッケージ46としての本体49に設けられた発光素子22の載置面に、発光素子22が載置され、同様に本体49に設けられた受光素子23の載置面に、受光素子23が載置される。
【0052】
これにより、発光素子22と受光素子23とが実装されることによって構成される近接センサも同様に、パッケージ46及びスプリングコネクタ26の2種の部品により構成される回路基板を用いて簡単に製造できるため、部品点数がさらに少なくなる。
【0053】
従って、上記の実施形態に係る近接センサによれば、従来の隙間(例えば、図9に示す隙間t)を除去でき、部品点数が増大せず、新たな実装面積の確保も不要で、反射成分を低減できる。
【0054】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属すると了解される。
【0055】
上述した実施形態では、各実施形態におけるセンサ部のカバー当接面はカバー18に直接当接するように説明した。しかし、各実施形態におけるスプリングコネクタ26は、カバー当接面47とカバー18との間を直接当接させるだけでなくてもよい。例えば、各実施形態におけるスプリングコネクタ26は、カバー当接面47とカバー18との間に別の部材が挟まれた状態において、別の部材を介してカバー当接面47をカバー18に押し当てることによってカバー当接面47をカバー18に当接させてもよい。
【符号の説明】
【0056】
12 実装基板
18 カバー
22 発光素子
23 受光素子
24 封止部
26 スプリングコネクタ
46 パッケージ
48 回路基板
49 本体
10、37 近接センサ
20、35、38、41 センサ部
21、36、39、42 コネクタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接センサが実装される回路基板であって、
本体と、
前記本体に設けられ、カバーに当接するカバー当接面と、
前記近接センサを導通接続させる伸縮自在なスプリングコネクタと、を有し、
前記スプリングコネクタは、前記カバー当接面を前記カバーに押し当てる回路基板。
【請求項2】
請求項1に記載の回路基板であって、
前記本体は、
前記カバーに当接すると共に、発光素子又は受光素子の載置面を有するセンサ部と、
前記センサ部の前記カバーと反対側で、前記センサ部と前記回路基板とを導通接続させるコネクタ部と、を有し、
前記センサ部と前記コネクタ部とがそれぞれ異なる材料で成形されている回路基板。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回路基板であって、
前記センサ部に、単体の発光素子が実装される回路基板。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の回路基板であって、
前記センサ部に、単体の受光素子が実装される回路基板。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の回路基板であって、
前記センサ部は、別体としての単体の発光素子及び単体の受光素子の各載置面を有し、
前記センサ部の前記各載置面に、前記別体としての単体の発光素子及び単体の受光素子が実装される回路基板。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の回路基板であって、
前記センサ部は、前記発光素子の載置面と前記受光素子の載置面とが同一材料で一体に成形され、
前記センサ部の前記発光素子の載置面に前記発光素子が実装され、
前記センサ部の前記受光素子の載置面に前記受光素子が実装される回路基板。
【請求項7】
請求項2〜6のうちいずれか一項に記載の回路基板に実装される近接センサであって、
前記カバーに当接すると共に、前記発光素子又は前記受光素子の載置面を有し、前記載置面上に前記発光素子又は前記受光素子が実装されたセンサ部と、
前記センサ部の前記カバーと反対側で、前記センサ部と前記回路基板とを導通接続させるコネクタ部と、を備える近接センサ。
【請求項8】
請求項7に記載の近接センサであって、
前記カバー当接面と前記発光素子の載置面との間に設けられ、前記発光素子からの光を封止する封止部と、を更に備え、
前記カバーが、前記封止部の封止材料と同一若しくは略同一の屈折率を有する近接センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−104731(P2013−104731A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247586(P2011−247586)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】