説明

回路部品の製造方法

【課題】半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子を、複数のターミナルに高速且つ良好に溶接することができるとともに、半導体素子の破壊を防止することができる回路部品の製造方法を提供する。
【解決手段】「配置工程」では、リード端子52とターミナル42のIC接続部42aとを当接させ、その当接した部分である当接部62と半導体素子が搭載(埋設)されたベース部51との間のリード端子52にアース用治具61を当接させる。その後、「溶接工程」では、「配置工程」の状態を保って、当接部62に電子ビームを照射してリード端子52とターミナル42のIC接続部42aとを溶接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビームを用いて溶接する回路部品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回路部品としては、半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子を、複数のターミナルに溶接したものがある。このような回路部品の製造方法では、各種の溶接が適用可能である。そして、考えられる溶接方法としては電子ビームを用いたものがある(例えば、特許文献1参照)。この電子ビームを用いた溶接では、非接触で多点(複数のリード端子とターミナル)をコイルを用いて略同時に即ち高速で溶接できるという利点がある。又、レーザ溶接では、複数のリード端子等における各表面のバラツキ、即ち、各反射面の小さな段差や傾きが影響して溶接不良が発生する虞があるが、電子ビームを用いた溶接では、前記バラツキによる影響が小さく良好に溶接ができるという利点がある。
【特許文献1】特開平6−71464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子を、複数のターミナルに溶接する回路部品の製造方法として電子ビームを用いた溶接を単純に採用しようとすると、半導体素子の内部に高電荷がかかり半導体素子が破壊されてしまうという虞がある。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子を、複数のターミナルに高速且つ良好に溶接することができるとともに、半導体素子の破壊を防止することができる回路部品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明では、半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子を、複数のターミナルに溶接する回路部品の製造方法であって、前記リード端子と前記ターミナルとを当接させ、その当接した部分である当接部と前記半導体素子との間の前記リード端子に導電性のアース用治具を当接させる配置工程と、前記配置工程の後、該配置工程の状態を保って前記当接部に電子ビームを照射して前記リード端子と前記ターミナルとを溶接する溶接工程とを備えた。
【0006】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の回路部品の製造方法において、前記配置工程では、前記アース用治具を前記リード端子に対して、前記リード端子と前記ターミナルとを当接させる方向に押圧接触させる。
【0007】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の回路部品の製造方法において、前記アース用治具は、各前記リード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触可能な複数の独立当接部を有するものであって、前記配置工程では、前記独立当接部を各前記リード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触させる。
【0008】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記アース用治具は、前記複数のリード端子の少なくとも2つに同時に当接可能な治具当接部が一体形成されるものであって、前記配置工程では、前記複数のリード端子の少なくとも2つに同時に前記治具当接部を当接させる。
【0009】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記アース用治具は、前記当接部と前記半導体素子との間に配置されてそれらを仕切るための被覆部を有するものであって、前記配置工程では、前記当接部と前記半導体素子との間に前記被覆部を配置して前記当接部と前記半導体素子とを仕切る。
【0010】
請求項6に記載の発明では、請求項5に記載の回路部品の製造方法において、前記被覆部は、前記アース用治具に一体的に設けられるものであって、前記配置工程では、前記アース用治具を前記リード端子に当接させるとともに前記被覆部を前記当接部と前記半導体素子との間に配置する。
【0011】
請求項7に記載の発明では、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、前記配置工程では、前記リード端子に対して前記ターミナルを傾斜させて当接させる。
【0012】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、配設工程では、リード端子とターミナルとが当接され、その当接した部分である当接部と半導体素子との間のリード端子に導電性のアース用治具が当接される。その後、溶接工程では、配置工程の状態が保たれたまま前記当接部に電子ビームが照射されてリード端子とターミナルとが溶接される。このようにすると、電子ビームを用いるため、高速且つ良好に溶接することができる。しかも、電子ビームを照射する当接部と半導体素子との間のリード端子には導電性のアース用治具が当接されるため、半導体素子の内部に高電荷がかかるといったことが防止され、半導体素子の破壊が防止される。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、配置工程では、アース用治具がリード端子に対して、リード端子とターミナルとが当接される方向に押圧接触されるため、他の治具等を用いることなくリード端子がターミナルに押圧接触されることになり、リード端子とターミナルとを容易且つ良好に溶接することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、アース用治具は、各リード端子に対してそれぞれ(独立して)弾性的に押圧接触可能な複数の独立当接部を有するものであって、前記配置工程では、独立当接部が各リード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触される。よって、例えば、複数のリード端子における各表面が製造誤差等によって小さな段差を有している場合でも、各独立当接部がその段差に追従しながらリード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触され、各リード端子に独立当接部(アース用治具)が良好に当接される。言い換えると、一部のリード端子に対してアース用治具が離間してしまう(浮いてしまう)といったことが防止される。その結果、リード端子やそれを支持する部材を高精度に製造しなくても、半導体素子の破壊を防止することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、アース用治具は、複数のリード端子の少なくとも2つに同時に当接可能な治具当接部が一体形成されるものであって、前記配置工程では、複数のリード端子の少なくとも2つに同時に治具当接部が当接される。よって、治具の数(部品点数)を少なくしながら、同時に少なくとも2箇所を溶接することができる。特に、請求項3に記載の発明にこの発明を適用する場合は、複数の独立当接部が治具当接部を構成することになり、それぞれの効果を共に得ることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、アース用治具は、当接部と半導体素子との間に配置されてそれらを仕切るための被覆部を有するものであって、前記配置工程では、当接部と半導体素子との間に被覆部が配置されて当接部と半導体素子とが仕切られる。よって、溶接工程時に気化した(蒸発した)金属が、例えば、被覆部より半導体素子側のリード端子に付着してそれらを短絡してしまうといったことが防止される。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、被覆部は、アース用治具に一体的に設けられるものであって、前記配置工程では、アース用治具がリード端子に当接されるとともに被覆部が当接部と半導体素子との間に配置される。よって、例えば、被覆部をリード端子に当接させる部材と別体として別々に配置する場合に比べて、配置工程の高速化及び単純化を図ることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、配置工程では、リード端子に対してターミナルが傾斜されて当接されるため、容易に当接させることができる。言い換えると、リード端子に対してターミナルを傾斜させないように(平行に)すると、各部の寸法誤差等により当接させたい部分(例えばリード端子の先端)が離間してしまう(浮いてしまう)といった虞があるが、予め傾斜させて当接させるので、このようなことが防止される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子を、複数のターミナルに高速且つ良好に溶接することができるとともに、半導体素子の破壊を防止することができる回路部品の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を車両におけるパワーウインドウ装置用のモータ1に具体化した一実施の形態を図1〜図6に従って説明する。図1に示すように、モータ1は、モータ本体2と、該モータ本体2の回転を減速して出力するための減速部3とを備えている。
【0021】
モータ本体2は、図1及び図2に示すように、扁平の略有底筒状に形成されたヨークハウジング(以下、単にヨークという)4と、該ヨーク4内面に固定された一対のマグネット5(図2参照)と、該ヨーク4内で回転可能に支持されるアーマチャ(電機子)6と、ブラシホルダ7と、一対の給電用ブラシ8とを備えている。
【0022】
ブラシホルダ7は、樹脂材料よりなり、ホルダ本体7aと、フランジ部7bと、延出部7cと、コネクタ部7dと、ターミナル支持部7eとが一体形成されている。ホルダ本体7aは、前記ヨーク4の開口部内に略収容されるように形成されている。ホルダ本体7aの中央孔には軸受9が固定され、該軸受9にはアーマチャ6における回転軸10の先端側が回転可能に支持される。尚、回転軸10の先端はヨーク4の外部まで突出し、その突出した部分にはセンサ用マグネット10aが金属プレートを介して固定されている。又、ホルダ本体7aにおけるヨーク4の内部側には給電用ブラシ8が保持され、該給電用ブラシ8は前記回転軸10に固定された整流子11に押圧接触されている。
【0023】
フランジ部7bは、前記ホルダ本体7aにフランジ状に(回転軸10を軸中心として径方向外側に)延出されている。延出部7cは、フランジ部7bにおけるヨーク4の扁平面4a(図1参照、図1及び図2中、紙面と平行な面)に沿った一方(図1及び図2中、右方)の端部から外部方向(前記径方向外側)に突出して形成され、その先端部にコネクタ部7dが形成されている。このコネクタ部7dは、前記扁平面4aの直交方向(図1及び図2中、紙面直交方向の紙面奥側)から図示しない外部コネクタが嵌着可能に形成されている。又、ターミナル支持部7eは、延出部7cから回転軸10に沿った軸方向に延びるように形成されている。
【0024】
又、ブラシホルダ7には、それぞれ複数のブラシ側ターミナル12とコネクタ側ターミナル13とが埋設(インサート成形)されている。ブラシ側ターミナル12は、ホルダ本体7aにおけるヨーク4の内部側から延出部7cに延びるとともに、その先端部である内部接続端子12aがターミナル支持部7eからモータ本体2の軸方向(図2中、下方向)に突出(露出)して形成されている。このブラシ側ターミナル12の基端部にはピッグテールを介して前記給電用ブラシ8が電気的に接続される。コネクタ側ターミナル13は、コネクタ部7dから延出部7cに延びるとともに、その先端部である内部接続端子13aがターミナル支持部7eからモータ本体2の軸方向(図2中、下方向)に突出(露出)して形成されている。このコネクタ側ターミナル13の基端部は、コネクタ部7dにおいて露出して外部接続端子13bを形成し、コネクタ部7dに外部コネクタが嵌着されることで該外部コネクタのターミナルに電気的に接続されることになる。又、前記内部接続端子12a,13aは、前記扁平面4aの直交方向(図2中、紙面直交方向)に沿って並設される。尚、図2では、内部接続端子12a,13aが紙面直交方向に並設されるため、1つしか図示されない。又、ブラシホルダ7において、フランジ部7b、延出部7c及びコネクタ部7dは、コネクタ部7dの外部接続端子13bと対応した部分等を除いて、エラストマよりなる防水部材14にて略覆われる。
【0025】
減速部3は、ギヤハウジング21と、ウォーム軸22と、ウォームホイール23と、クラッチ24(図2参照)と、回路部品としての制御回路部材25と、カバー26とを備える。
【0026】
ギヤハウジング21は、樹脂材料よりなる。ギヤハウジング21は、固定部21aと、ウォーム収容部21bと、ホイール収容部21cと、回路収容部21dとを備える。
固定部21aは、ヨーク4の開口部に形成されたフランジ部4bと対応した形状に形成されて該フランジ部4bとネジ27にて固定され、該フランジ部4bとともに前記ブラシホルダ7のフランジ部7bを(防水部材14を介して)挟持する。
【0027】
ウォーム収容部21bは、前記回転軸10の延長線上で筒状に延びて形成され、その内部にウォーム軸22を回転可能に支持する。又、ウォーム収容部21bの内部におけるモータ本体2側には、ウォーム軸22と回転軸10とを駆動連結するクラッチ24(図2参照)が設けられている。クラッチ24は、回転軸10からの駆動力をウォーム軸22に伝達し、逆にウォーム軸22からの駆動力が回転軸10に伝達されないようウォーム軸22の回転をロックするように作動する。つまり、このクラッチ24は、負荷側から加わる力によるモータ1の回転を防止するために設けられている。
【0028】
ホイール収容部21cは、ウォーム収容部21bと直交する方向で扁平の円盤形状に形成され、その内部にウォームホイール23を回転可能に支持する。尚、ウォーム収容部21bとホイール収容部21cとはその内部が一部で連通し、該連通部分でウォーム軸22とウォームホイール23とが歯合される。又、ホイール収容部21cは、前記ウォーム収容部21bに対して(中心として)前記コネクタ部7dの反対側(図1中、左側)に形成されている。又、ホイール収容部21cの扁平面21eは前記ヨーク4の扁平面4aに沿って形成され、ギヤハウジング21全体としては、その扁平面21eの直交方向から見た面がギヤハウジング21の扁平面ということになる。
【0029】
回路収容部21dは、前記内部接続端子12a,13aと対応した位置であって、その内部に内部接続端子12a,13aが配置されるように形成されている。詳しくは、回路収容部21dは、ウォーム収容部21bに対して(中心として)ホイール収容部21cの反対側であって、ウォーム収容部21bとコネクタ部7dとの間(制御回路部材25を除いた構成ではモータ1のデッドスペースとなる部分)に形成されている。回路収容部21dは、その内部がウォーム収容部21bの内部におけるモータ本体2側(前記センサ用マグネット10aと対応した部分)と連通している。又、回路収容部21dには、制御回路部材25を収容すべく制御回路部材25を回転軸10の軸方向に沿った方向から挿入可能とする開口部21fが形成されている。この開口部21fは、その開口方向(開口部21fと直交する方向)が回転軸10の軸方向及びその直交方向に対して傾斜するように設定されている。本実施の形態の開口部21fは、ギヤハウジング21の扁平面の直交方向から見てコネクタ部7dとウォーム収容部21bの先端側(モータ本体2の反対側)とを結ぶ傾斜した直線状に形成されている。尚、前記ブラシ側ターミナル12とコネクタ側ターミナル13の各内部接続端子12a,13aは、開口部21fの開口方向外側から見て露出する(見える)位置に配置されている(図2参照)。そして、回路収容部21dには、制御回路部材25が略収容される。
【0030】
制御回路部材25は、図3及び図4に示すように、保持部材31、モールドIC32、ヒートシンク33、複数のコンデンサ34、チョークコイル35、ホールIC36、及びLIN通信用の発振子37等を備える。
【0031】
保持部材31は、樹脂材料よりなるベース部材41と、ベース部材41に配設された(インサート成形された)複数のターミナル42とを有する。ベース部材41は、四角形の略扁平形状(平板状)の板状部41aと、板状部41aの長手方向両端から板状部41aの一方の扁平面41bの直交方向に立設された一対の端子接続台41c,41dとを備える。又、ベース部材41は、一方の端子接続台41cから前記板状部41aの長手方向に沿って(外側に)延びるセンサ保持部41eと、他方の端子接続台41dから前記板状部41aの長手方向に沿って(外側に)延びる発振子保持部41fとを備える。尚、本実施の形態のセンサ保持部41eは、端子接続台41cからその立設方向に沿った2段階の段差部41gを介して形成されている。
【0032】
又、図3に示すように、板状部41aにおいて一方の前記扁平面41bには、端子接続台41c,41dの立設方向に沿って(即ち板状部41aの扁平面41bの直交方向に)立設される複数の載置部41hが形成されている。
【0033】
又、一対の端子接続台41c,41dには、板状部41aの一方の扁平面41bの直交方向に更に突出するように立設された規制部41iが形成されている。本実施の形態の規制部41iは、図4に示すように、4箇所に形成されている。詳しくは、規制部41iは、各端子接続台41c,41dにおいて前記板状部41aの短手方向の両端部に形成されている。又、本実施の形態の規制部41iは、異なる端子接続台41c,41d側端部(即ち、端子接続台41cにおける規制部41iは、端子接続台41d側の端部であって、端子接続台41dにおける規制部41iは、端子接続台41c側の端部)に形成されている。又、本実施の形態の一対の端子接続台41c,41dには、板状部41aの扁平面41bの直交方向に貫通する貫通孔41jが形成されている。 又、発振子保持部41fの先端部(図3中、下端部)には、板状部41aの他方の扁平面41kの直交方向に突出するように立設された発振子保護壁41lが形成されている。
【0034】
前記複数のターミナル42は、それぞれ一部が(ベース部材41の)外部に露出するように設けられたIC接続部42a、センサ接続部42b、及び外部接続部42c等を有する(図3及び図4参照)。IC接続部42aは、端子接続台41c,41d上に露出するように配設される。又、複数のIC接続部42aは、各端子接続台41c,41d上において、2つの規制部41iの間に配設される。又、IC接続部42aは、その一部が前記貫通孔41jを渡るように配設される。又、センサ接続部42bは、センサ保持部41e上に露出するように配設される。又、外部接続部42cは、前記ブラシ側ターミナル12及びコネクタ側ターミナル13の内部接続端子12a,13aと対応する位置(図2参照)において板状部41aの他方の扁平面41kから突出するように立設される。
【0035】
モールドIC32は、半導体素子が搭載(埋設)された略四角形(詳しくは長方形)の平板状の樹脂材料よりなるベース部(パッケージ)51を有し、ベース部51の平面(その長手方向)に沿った方向の外部に前記半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子52が引き出されている。尚、本実施の形態のリード端子52は、ベース部51の長手方向一端側(図4中、上側)に10個、ベース部51の長手方向他端側(図4中、下側)に12個設けられている。又、本実施の形態のモールドIC32には複数の検査用リード端子53が設けられている。又、本実施の形態のモータ1は駆動回路としてのリレーを備えず、モールドIC32が搭載する半導体素子が駆動回路としてのパワーMOSFETを含んでいる。そして、モールドIC32は、ホールIC36にて検出(検知)されるセンサ用マグネット10a(回転軸10)の回転速度等に応じて車両ウインドウガラスに挟み込みが発生したと判断すると、給電用ブラシ8(モータ本体2)に逆回転電流を供給するといった、挟み込み防止制御を行うものである。
【0036】
そして、モールドIC32は、前記一方の扁平面41bの直交方向から保持部材31に対して固定される。詳しくは、モールドIC32は、そのベース部51の平面が板状部41aの一方の扁平面41b上に配設(詳しくは扁平面41bと対向するように載置部41hに接着)される。このとき、リード端子52は、各端子接続台41c,41d上における2つの規制部41iの間に配設される。よって、ターミナル42(詳しくはIC接続部42a)に対するリード端子52の位置ずれが規制される。詳しくは、ターミナル42(詳しくはIC接続部42a)に対するリード端子52の位置ずれが発生しようとしても規制部41iが当接することでその位置ずれ(移動)が規制される。そして、リード端子52の先端部とターミナル42のIC接続部42aとは溶接によって接続固定される。
【0037】
又、ヒートシンク33は、アルミ合金より略四角形の略平板状に形成されている。ヒートシンク33は、モールドIC32(半導体素子)が発生した熱を放散(放熱)すべく、その平面がモールドIC32のベース部51の平面(板状部41aと対向する側と反対側の平面)に当接するように固定(接着)されている。
【0038】
又、コンデンサ34及びチョークコイル35は、図3に示すように、板状部41aの他方の扁平面41k上に配設され、それらの端子は、板状部41a内に埋設されたターミナル42にはんだによって接続固定される。
【0039】
又、ホールIC36は、図3に示すように、センサ保持部41e上(一方の扁平面41b側)に配設され、その端子はターミナル42のセンサ接続部42bに溶接によって接続固定される。尚、このホールIC36は、その内部に2つのホール素子36a,36bを有する。
【0040】
又、LIN通信用の発振子37は、図3に示すように、発振子保持部41f上(他方の扁平面41k側)に配設され、その端子は、板状部41a内に埋設されたターミナル42(本実施の形態ではIC接続部42aと共用)にはんだによって接続固定される。尚、本実施の形態の発振子37は、発振子保持部41f上において発振子保護壁41lの内側(図3中、上側)に配設され、外部への倒れや、更に外部に配設されるものとの接触が防止されている。
【0041】
上記のように構成される制御回路部材25は、モータ本体2と減速部3とが組み付けられた状態で前記開口部21fからギヤハウジング21(回路収容部21d)内に、その一部が開口部21fの外部に突出するように組み付けられる。尚、このとき、制御回路部材25は、アーマチャ6における回転軸10に沿った方向から開口部21fに挿入されて組み付けられる。そして、このように組み付けられることで、複数の外部接続部42cがブラシ側ターミナル12及びコネクタ側ターミナル13の内部接続端子12a,13a(給電用ブラシ8及びコネクタ部7d)に対してそれぞれ電気的に接続可能に配置される。そして、開口部21fの開口方向外側から見て露出した複数の外部接続部42cは、内部接続端子12a,13aにそれぞれ溶接されて電気的に接続される。
【0042】
そして、ギヤハウジング21の前記開口部21fには、制御回路部材25を組み付けた状態で、開口部21fを閉塞すべく金属製のカバー26がかしめられて固定される。
上記のように構成されたパワーウインドウ装置用のモータ1は、車両ドア内に配設され、ウォームホイール23に連結された出力軸23a(図1参照)が図示しないレギュレータ等を介して車両ウインドウガラスに駆動連結される。
【0043】
次に、上記制御回路部材25を製造する(ターミナル42のIC接続部42aにリード端子52を溶接する)際に用いるアース用治具61について図5及び図6を参照して説明する。
【0044】
アース用治具61は、導電性の金属材料(本実施の形態では銅)よりなる。アース用治具61は、図6(a),(b)に示すように、略板状の板部61aと、板部61aの長手方向両端からそれぞれ前記各リード端子52に対応して分岐されるように延設される複数の分岐片61bとを備える。尚、本実施の形態の分岐片61bは、前記ベース部51の長手方向片側にまとめて並設されるリード端子52に対し、並設されたリード端子52の外側にそれぞれ余計に1個設けられている。即ち、分岐片61bは、ベース部51の長手方向一端側(図4中、上側)の10個のリード端子52に対応して板部61aの長手方向一端側(図6(a)中、右側)に12個設けられ、ベース部51の長手方向他端側(図4中、下側)の12個のリード端子52に対応して板部61aの長手方向他端側(図6(a)中、左側)に14個設けられている。
【0045】
分岐片61bは、板部61aに対して薄肉とされて板部61aの長手方向に沿って延びる弾性部61cと、弾性部61cの先端から板部61aの平面直交方向(図6(b)中、下方向)に延びる独立当接部61dとを備える。即ち、独立当接部61dは、各リード端子52に対してそれぞれ(独立して)弾性部61cによって弾性的に押圧接触可能とされている。尚、アース用治具61の長手方向の長さは、各独立当接部61dが各リード端子52(その中間部)に同時に当接可能に設定されている。又、本実施の形態では、複数の独立当接部61dがリード端子52の全てに同時に当接可能な治具当接部を構成している。
【0046】
又、本実施の形態では、並設される独立当接部61dがそれぞれリード端子52の(並設方向の)幅より大きい幅とされ(図5(a)参照)、リード端子52の先端とベース部51との間に配置されてそれらを仕切るための被覆部を構成している。言い換えると、本実施の形態のアース用治具61は、隣り合うリード端子52同士の間隔(隙間)より小さい幅のスリット61eが形成されることでアース用治具61の長手方向両端に分岐片61b(弾性部61c及び独立当接部61d)が形成されている。尚、本実施の形態では、並設されたリード端子52の外側にそれぞれ余計に設けられる独立当接部61d(図6(a)中、四隅に設けられるものであって、図5(a)中、図示略)もリード端子52と当接せずに前記被覆部の役目を担うことになる。又、本実施の形態の板部61aには、外部の駆動装置に接続固定するための接続孔61fが板部61aの長手方向に一対形成されている。
【0047】
次に、上記制御回路部材25の製造方法(ターミナル42のIC接続部42aにリード端子52を溶接する方法)について図5及び図6を参照して説明する。
制御回路部材25の製造方法は、「配置工程」と「溶接工程」とを備える。
【0048】
「配置工程」では、図5(a),(b)に示すように、リード端子52とターミナル42のIC接続部42aとを当接させ、その当接した部分(後に溶接する部分)である当接部62(図5(b)参照)と半導体素子が搭載(埋設)されたベース部51との間のリード端子52に前記アース用治具61を当接させる。詳述すると、本実施の形態では、まずモールドIC32のベース部51を板状部41aの一方の扁平面41b上に配設(詳しくは扁平面41bと対向するように載置部41hに接着)し、リード端子52の先端側をターミナル42のIC接続部42a上に重ねるように当接させる。尚、このとき、リード端子52の先端は、前記貫通孔41jにおいて前記IC接続部42aと当接され、その当接した部分が当接部62(図5(b)参照)とされる。次に、アース用治具61を前記当接部62とベース部51との間のリード端子52に当接させる。このとき、アース用治具61を、リード端子52に対して、リード端子52とIC接続部42aとを当接させる方向(重ねる方向であって、図5(b)中、上下方向に)に押圧接触させる。又、このとき、アース用治具61の各独立当接部61dをリード端子52に対して(弾性部61cによって)それぞれ弾性的に押圧接触させる(図5(a)参照)。又、このとき、複数のリード端子52の全てに同時にアース用治具61(独立当接部61d)を当接させる。又、このとき、リード端子52の(並設方向の)幅より大きい幅とされて並設された独立当接部61d(被覆部)が前記当接部62とベース部51との間に配置されて前記当接部62とベース部51とが仕切られることになる。
【0049】
次に「溶接工程」では、前記「配置工程」の状態を保って、当接部62に電子ビーム(図示略)を照射してリード端子52とターミナル42のIC接続部42aとを溶接する。
そして、「溶接工程」の後、前記アース用治具61を前記リード端子52から離間させる。尚、図2〜図4では、製造完了後の制御回路部材25を図示しているが、リード端子52とIC接続部42aとの溶接部分(溶けて再び固まった状態)の詳細までは図示していない。
【0050】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)電子ビームを用いるため、高速且つ良好に溶接することができる。しかも、電子ビームを照射する当接部62と半導体素子が搭載(埋設)されたベース部51との間のリード端子52には導電性のアース用治具61が当接されるため、半導体素子の内部に高電荷がかかるといったことが防止され、半導体素子の破壊が防止される。又、溶接時には高熱が発生するが、上記したようにアース用治具61が当接され熱が逃げるため、熱による半導体素子の破壊も防止される。
【0051】
(2)「配置工程」では、アース用治具61がリード端子52に対して、リード端子52とIC接続部42aとが当接される方向(重ねる方向)に押圧接触されるため、他の治具等を用いることなくリード端子52がIC接続部42aに押圧接触されることになり、リード端子52とIC接続部42aとを容易且つ良好に溶接することができる。
【0052】
(3)アース用治具61は、各リード端子52に対してそれぞれ(独立して)弾性的に押圧接触可能な複数の独立当接部61dを有するものであって、「配置工程」では、各独立当接部61dがリード端子52に対して(弾性部61cによって)それぞれ弾性的に押圧接触される。よって、例えば、複数のリード端子52における各表面が製造誤差等によって小さな段差を有している場合でも、各独立当接部61dがその段差に追従しながらリード端子52に対してそれぞれ弾性的に押圧接触され、各リード端子52に独立当接部61d(アース用治具61)が良好に当接される。言い換えると、一部のリード端子52に対してアース用治具61が離間してしまう(浮いてしまう)といったことが防止される。その結果、リード端子52やそれを支持する部材(保持部材31やベース部51等)を高精度に製造しなくても、半導体素子の破壊を防止することができる。
【0053】
(4)アース用治具61に一体形成された複数の独立当接部61dはリード端子52の全てに同時に当接可能な治具当接部を構成し、「配置工程」では、複数のリード端子52の全てに同時に独立当接部61d(治具当接部)が当接される。よって、治具の数(部品点数)を少なくしながら、同時に全ての箇所を溶接することができる。
【0054】
(5)アース用治具61において並設される独立当接部61dはそれぞれリード端子52の(並設方向の)幅より大きい幅とされ、リード端子52の先端とベース部51との間に配置されてそれらを仕切るための被覆部を構成し、「配置工程」では、その被覆部が当接部62とベース部51との間に配置されて当接部62とベース部51とが仕切られる。よって、「溶接工程」時に気化した(蒸発した)金属が、例えば、被覆部よりベース部51側のリード端子52に付着してそれらを短絡してしまうといったことが防止される。又、前記被覆部はアース用治具61に一体的に設けられる(本実施の形態では独立当接部61dとして一体形成される)ものであって、「配置工程」では、アース用治具61がリード端子52に当接されるとともに被覆部が当接部62とベース部51との間に配置される。よって、例えば、被覆部をアース用治具と別体として別々に配置する場合に比べて、「配置工程」の高速化及び単純化を図ることができる。又、独立当接部61dがそれぞれリード端子52の(並設方向の)幅より大きい幅とされることで、独立当接部61dの体積が大きくなることから、溶接時に発生する高熱がアース用治具61(独立当接部61d)を介して逃げ易くなる。
【0055】
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態の「配置工程」では、アース用治具61をリード端子52に対して、リード端子52とIC接続部42aとを当接させる方向(重ねる方向)に押圧接触させるとしたが、これに限定されず、他の方向から当接させてもよい。例えば、アース用治具をリード端子に対して、リード端子とIC接続部(ターミナル)とを当接させる方向の直交方向から当接させるようにしてもよい。尚、この場合、例えばアース用治具61の形状等を変更する必要がある。
【0056】
・上記実施の形態では、アース用治具61は、各リード端子52に対してそれぞれ(独立して)弾性的に押圧接触可能な複数の独立当接部61dを有するとしたが、これに限定されず、2つ以上のリード端子52に対してそれぞれ独立して弾性変形しない非独立当接部に変更してもよい。例えば、前記スリット61eが形成されず、分岐片61bがまとめられた形状のアース用治具に変更してもよい。又、この場合、勿論、アース用治具に応じて「配設工程」(独立当接部61dをリード端子52に対してそれぞれ弾性的に押圧接触させる)を一部変更することになる。
【0057】
・上記実施の形態では、アース用治具61に一体形成された複数の独立当接部61dはリード端子52の全てに同時に当接可能な治具当接部を構成するとしたが、これに限定されず、他の構成に変更してもよい。例えば、リード端子52の全てに同時に当接可能な治具当接部を他の構成(例えば、上記したようにスリット61eが形成されない構成)としてもよい。又、例えば、リード端子52の全て以外であって少なくとも2つに同時に当接可能な治具当接部に変更してもよい。この場合、例えば、アース用治具61をその長手方向で2つに分割し、一対のアース用治具としてもよい。又、この場合、勿論、アース用治具に応じて「配設工程」(複数のリード端子52の全てに同時に独立当接部61dを当接させる)を一部変更してもよい。
【0058】
・上記実施の形態では、アース用治具61において並設される独立当接部61dはそれぞれリード端子52の(並設方向の)幅より大きい幅とされ、リード端子52の先端とベース部51との間に配置されてそれらを仕切るための被覆部を構成するとしたが、これに限定されず、他の構成の被覆部に変更してもよいし、被覆部を形成しなくてもよい。例えば、被覆部をリード端子に当接させる部材(独立当接部61d)と別体として別々に配置してもよい。
【0059】
・上記実施の形態のリード端子52に対してターミナル42のIC接続部42aを傾斜させて当接させてもよい。例えば、端子接続台41c,41dの頂面を板状部41aの扁平面41bに対して傾斜して形成し、それとともにIC接続部42aを傾斜させてもよい。このようにすると、「配置工程」では、リード端子52に対してIC接続部42aが傾斜されて当接されるため、容易に当接させることができる。言い換えると、リード端子52に対してIC接続部42aを傾斜させないように(平行に)すると、各部の寸法誤差等により当接させたい部分(リード端子52の先端)が離間してしまう(浮いてしまう)といった虞があるが、予め傾斜させて当接させるので、このようなことが防止される。
【0060】
・上記実施の形態では、モールドIC32は駆動回路としてのパワーMOSFETを含んだ半導体素子が搭載(埋設)されるものとしたが、これに限定されず、例えば他の半導体素子が搭載されるモールドIC(半導体装置)に変更してもよい。
【0061】
・上記実施の形態では、制御回路部材25はコンデンサ34やチョークコイル35やホールIC36等を備えるとしたが、それらを備えていない(例えばチョークコイル35を備えていない)回路部品としての制御回路部材に具体化してもよいし、更に他の部品を備える制御回路部材に変更してもよい。
【0062】
・上記実施の形態では、パワーウインドウ装置用のモータ1における回路部品の製造方法として具体化したが、例えば、サンルーフ装置、スライドドア装置、バックドア装置等、他の装置用のモータにおける回路部品の製造方法として具体化してもよい。又、モータ以外の装置における回路部品の製造方法として具体化してもよい。
【0063】
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項4に記載の回路部品の製造方法において、前記アース用治具は、前記複数のリード端子の全てに同時に当接可能な前記治具当接部が形成されるものであって、前記配置工程では、前記複数のリード端子の全てに同時に前記治具当接部を当接させることを特徴とする回路部品の製造方法。このようにすると、治具を1つとしながら、同時に全ての箇所を溶接することができる。
【0064】
(ロ)請求項6に記載の回路部品の製造方法において、前記被覆部は、並設される複数の前記独立当接部が前記リード端子の幅より大きい幅とされることで該独立当接部によって構成されることを特徴とする回路部品の製造方法。このようにすると、並設される複数の独立当接部同士の間隔(隙間)が、前記リード端子同士の間隔(隙間)より小さくなる。よって、当接部と半導体素子とが仕切られることになり、溶接工程時に気化した(蒸発した)金属が、例えば、被覆部より半導体素子側のリード端子に付着してそれらを短絡してしまうといったことが防止される。又、このようにすると、被覆部を独立当接部と別体とした場合に比べて、部品点数を少なくすることができる。
【0065】
(ハ)半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子とターミナルとを当接させて、その当接した部分である当接部に電子ビームを照射して前記リード端子と前記ターミナルとを溶接する際に、前記当接部と前記半導体素子との間の前記リード端子に当接させるための導電性のアース用治具であって、各前記リード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触可能な複数の独立当接部を有したことを特徴とするアース用治具。このようにすると、アース用治具は、各リード端子に対してそれぞれ(独立して)弾性的に押圧接触可能な複数の独立当接部を有するため、例えば、複数のリード端子における各表面が製造誤差等によって小さな段差を有している場合でも、各独立当接部がその段差に追従しながらリード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触される。よって、各リード端子に独立当接部(アース用治具)が良好に当接される。言い換えると、一部のリード端子に対してアース用治具が離間してしまう(浮いてしまう)といったことが防止される。その結果、リード端子やそれを支持する部材を高精度に製造しなくても、半導体素子の破壊を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施の形態におけるモータの平面図。
【図2】本実施の形態におけるモータの一部断面図。
【図3】本実施の形態における制御回路部材の平面図。
【図4】本実施の形態における制御回路部材の左側面図。
【図5】(a)本実施の形態における制御回路部材の製造方法を説明するための模式図。(b)同じく制御回路部材の製造方法を説明するための模式図。
【図6】(a)本実施の形態におけるアース用治具の底面図。(b)同じくアース用治具の断面図。
【符号の説明】
【0067】
42…ターミナル、52…リード端子、61…アース用治具、61d…独立当接部(治具当接部及び被覆部)、62…当接部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子と電気的に接続された複数のリード端子を、複数のターミナルに溶接する回路部品の製造方法であって、
前記リード端子と前記ターミナルとを当接させ、その当接した部分である当接部と前記半導体素子との間の前記リード端子に導電性のアース用治具を当接させる配置工程と、
前記配置工程の後、該配置工程の状態を保って前記当接部に電子ビームを照射して前記リード端子と前記ターミナルとを溶接する溶接工程と
を備えたことを特徴とする回路部品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の回路部品の製造方法において、
前記配置工程では、前記アース用治具を前記リード端子に対して、前記リード端子と前記ターミナルとを当接させる方向に押圧接触させることを特徴とする回路部品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回路部品の製造方法において、
前記アース用治具は、各前記リード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触可能な複数の独立当接部を有するものであって、
前記配置工程では、前記独立当接部を各前記リード端子に対してそれぞれ弾性的に押圧接触させることを特徴とする回路部品の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、
前記アース用治具は、前記複数のリード端子の少なくとも2つに同時に当接可能な治具当接部が一体形成されるものであって、
前記配置工程では、前記複数のリード端子の少なくとも2つに同時に前記治具当接部を当接させることを特徴とする回路部品の製造方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、
前記アース用治具は、前記当接部と前記半導体素子との間に配置されてそれらを仕切るための被覆部を有するものであって、
前記配置工程では、前記当接部と前記半導体素子との間に前記被覆部を配置して前記当接部と前記半導体素子とを仕切ることを特徴とする回路部品の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の回路部品の製造方法において、
前記被覆部は、前記アース用治具に一体的に設けられるものであって、
前記配置工程では、前記アース用治具を前記リード端子に当接させるとともに前記被覆部を前記当接部と前記半導体素子との間に配置することを特徴とする回路部品の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回路部品の製造方法において、
前記配置工程では、前記リード端子に対して前記ターミナルを傾斜させて当接させることを特徴とする回路部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−54854(P2007−54854A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241601(P2005−241601)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】