説明

回転式圧縮機−膨張機システムならびに関連する使用および製造方法

本技術は、概して回転容積型システムと関連する使用および製造方法とに関する。本システムを使用して、圧縮可能な流体を圧縮しかつ/または膨張させることができる。いくつかの実施形態では、回転容積型システムは、第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、第1ポートを介してチャンバと流体連通する第1通路と、第2ポートを介してチャンバと流体連通する第2通路とを有する。本システムは、チャンバハウジング内に配置されかつチャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能なシャフトと、2つ以下のローブを備えたロータとをさらに含むことができる。ロータを、シャフトによって支持しかつシャフトに対して回転可能とすることができ、流れがチャンバを介して第1通路から第2通路に提供される第1モードで交互に動作可能とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年3月1日に出願され、「UNDERWATER COMPRESSED AIR ENERGY STORAGE」と題する米国仮特許出願第61/309,415号明細書に対する優先権およびその利益を主張し、その出願は全体として参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
本技術は、概して、たとえば流体を圧縮し、圧縮した流体を貯蔵し、かつ/または放出する回転式圧縮機−膨張機システムに関する。
【0003】
電気系統からの電力需要は大幅に変化する可能性がある。電気系統の効率を向上させるために、過剰な、オフピーク時の再生可能に生成された電気を貯蔵し、それによって、貯蔵した電気を需要が高い時に利用することができるようにすることが望ましい。電池、高置水力発電システムおよび圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)システムを含む、電気を生成するために後に使用されるエネルギーを貯蔵するいくつかの利用可能な方法がある。
【0004】
CAESシステムは、電気系統からのエネルギーによって駆動される圧縮機において大気を圧縮する。圧縮空気は、圧縮空気貯蔵器、たとえば地質構造(geological formation)または他の構造に貯蔵される。エネルギーが要求されると、圧縮空気を加熱し膨張させて電気を生成することができる。さまざまな装置を使用して、CAESシステム用の空気を圧縮し膨張させることができる。たとえば、典型的な内燃機関、往復空気圧縮機または回転容積型装置等の容積型機械(positive displacement machine)(PDM)が、貯蔵するために空気を圧縮することができる。CAESシステム用のコスト削減方法の1つは、PDMを、圧縮プロセスおよび膨張プロセスの両方に対して双方向に使用するというものである。しかしながら、双方向PDMは、機械的に複雑化することが多く、高い圧力比で動作する傾向があり、システムに高い温度変化をもたらす。これにより、回収されるエネルギーの量が比較的低くなる可能性がある。その結果、CAESシステムで使用するために効率的で低コストの双方向(たとえば可逆)圧縮機/膨張機が必要とされている。
【0005】
本開示の多くの態様を、以下の図面を参照してより理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。実際には、本開示の原理を明確に例示することに重きが置かれている。さらに、図面において、同様の参照数字は、複数の図を通して対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本開示のいくつかの実施形態による圧縮流体を貯蔵し放出するように構成された圧縮空気エネルギー貯蔵システムの部分概略図である。
【図2】図2は、本開示の実施形態によって構成された二葉式回転容積型システムの部分概略正面図である。
【図3】図3は、本開示の実施形態によって構成された三葉式回転容積型システムの部分概略正面図である。
【図4A】図4Aは、本開示の実施形態によって構成された圧縮機/膨張機システムの正面等角図である。
【図4B】図4Bは、図4Aの圧縮機/膨張機システムの動作中の代表的な時点における概略図である。
【図4C】図4Cは、図4Aの圧縮機/膨張機システムの動作中の代表的な時点における概略図である。
【図4D】図4Dは、図4Aの圧縮機/膨張機システムの動作中の代表的な時点における概略図である。
【図4E】図4Eは、図4Aの圧縮機/膨張機システムの動作中の代表的な時点における概略図である。
【図5】図5は、図3に示すシステム310の上部の拡大端面図である。
【図6A】図6Aは、本開示の実施形態によって構成された一体型熱交換器を有する回転容積型システムの部分概略等角図である。
【図6B】図6Bは、本開示の別の実施形態によって構成された一体型熱交換器を有する多段回転容積型システムの部分概略等角側面図である。
【図6C】図6Cは、図6Bのシステムの内部の部分概略等角端面図である。
【図6D】図6Dは、図6Bのシステムの部分概略等角端面図である。
【図7】図7は、本開示の実施形態によって構成された断熱材を有する回転容積型システムの正面図である。
【図8】図8は、本開示の実施形態によって構成された略中空ロータを有する回転容積型システムの部分概略等角図である。
【図9】図9は、本開示の実施形態による並列して動作する複数のロータを有する回転容積型システムの部分概略等角図である。
【図10】図10は、本開示の別の実施形態によって構成された回転容積型システムの組立分解側面等角図である。
【図11】図11は、本開示の実施形態によって構成された回転容積型システムの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術は、概して、圧縮流体を貯蔵し放出する回転式圧縮機−膨張機システムと、関連するシステムおよび方法とに関する。少なくともいくつかの文脈では、本システムは、圧力調整チャンバ、チャンバと第1通路および第2通路との間の弁なし流体連通部、一体型熱交換器および/または3つ以下のローブ(突出部)(たとえば2つのローブ)を有するロータを含む。いくつかの実施形態では、ロータは、双方向に、たとえば、流れが第1通路からチャンバを介して第2通路に提供される第1構成またはモードで、かつ流れが第2通路からチャンバを介して第1通路に提供される第2構成またはモードで動作することができる。他の実施形態では、本技術ならびに関連するシステムおよび方法は、異なる構成、モード、構成要素および/または手続きを有することができる。さらに他の実施形態は、特定の構成要素または手続きがなくてもよい。したがって、関連する技術における当業者は、本技術が、追加の要素を伴う他の実施形態を含むことができ、かつ/または図1〜図11を参照して後に示しかつ説明する特徴のうちのいくつかのない他の実施形態を含むことができることを理解するであろう。
【0008】
上述した特徴のうちのいくつかまたはすべてには、再生可能エネルギー源に関連して特定の適用可能性および利点がある。特に、多くの再生可能エネルギー源(たとえば太陽および風)は、時間によって著しく変化するようにエネルギーを提供する。好適な貯蔵器と組み合わせた一体とされた圧縮機/膨張機システムは、エネルギーを貯蔵し後にエネルギーを放出する効率的な機構を提供する。こうした圧縮機/膨張機システムが動作する効率を向上させることにより、ここで開示する技術の態様は、再生可能な供給源からのエネルギーが得られ、貯蔵されかつ使用される効率を向上させることができる。
【0009】
後述する技術の多くの実施形態が、プログラム可能なコンピュータによって実行されるルーチンを含むコンピュータ実行可能命令の形態をとることができる。当業者は、本技術の態様を、後に示しかつ説明するもの以外のコンピュータシステムで実施することができることを理解するであろう。本技術を、後述するコンピュータ実行可能命令のうちの1つまたは複数を実行するように特別にプログラムされ、構成されまたは構築される専用コンピュータまたはデータプロセッサで具現化することができる。したがって、本明細書で全体的に用いる用語「コンピュータ」および「コントローラ」は、任意のデータプロセッサを指し、インターネットアプライアンスおよびハンドヘルドデバイス(パームトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、携帯電話、マルチプロセッサシステム、プロセッサベースまたはプログラム可能消費者家電、ネットワークコンピュータ、ミニコンピュータ等を含む)を含むことができる。これらのコンピュータが処理する情報を、CRTディスプレイまたはLCDを含むあらゆる好適な表示媒体に提示することができる。
【0010】
本技術を、分散環境で実施することも可能であり、そこでは、タスクまたはモジュールが、通信ネットワークを介してリンクされる遠隔処理装置によって実行される。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールまたはサブルーチンを、局所メモリ記憶装置および遠隔メモリ記憶装置に配置することができる。後述する技術の態様を、磁気のまたは光学的に読取可能なまたは取外し可能なコンピュータディスクを含むコンピュータ可読媒体に格納するかまたは分散させてもよく、同様にネットワークによって電子的に分散させてもよい。本技術の態様に特定のデータ構造およびデータの伝送もまた、本技術の範囲内に含まれる。
【0011】
概要
図1は、後に使用するために一度で生成されたエネルギーを貯蔵する代表的な全体的なシステム100を概略的に示す。全体的なシステム100は、送電系統104の電線を介して、エネルギーを矢印Aの方向にエネルギー貯蔵装置(たとえば貯蔵器)108に向かって供給する、1つまたは複数のエネルギー供給源102を含むことができる。供給されるエネルギーを、たとえば風、太陽、天然ガス、石油、石炭、水力発電所、原子炉および/または他のものを含む複数の好適な供給源から生成することができる。
【0012】
動力装置106(たとえば、モータ、発電機またはモータ/発電機)は、供給源102からのエネルギーを使用して、双方向圧縮機/膨張機110を第1構成またはモードで動作するように電気的にまたは機械的に駆動する。第1モードでは、圧縮機/膨張機は流体、たとえば大気を圧縮する。圧縮中に発生する熱を、放散し、または膨張プロセスにおいて後に使用するために保持することができる。空気は、圧縮された後、エネルギー貯蔵装置108の圧縮機/膨張機流体貯蔵空間(volume)101に向かわせられる。
【0013】
エネルギー貯蔵装置108は、地質構造、水中圧縮流体貯蔵容器、高圧タンクおよび/または他の好適な空間を含むことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵装置108は、参照により本明細書に援用される米国仮特許出願第61/309,415号明細書、「UNDERWATER COMPRESSED AIR ENERGY STORAGE」に記載されているような水中装置である。いくつかの実施形態では、エネルギー貯蔵装置108は、圧縮機/膨張機流体貯蔵空間101および蓄熱空間103を含む。圧縮機/膨張機流体貯蔵空間101は、双方向圧縮機/膨張機110によって処理される作動流体を貯蔵することができる。蓄熱空間103は、双方向圧縮機/膨張機110によってまたは他のプロセスあるいは機械によって使用される加熱または冷却された流体を貯蔵することができる。
【0014】
エネルギー需要家112が、送電系統104に追加のエネルギーを要求すると、エネルギー貯蔵装置108は、双方向圧縮機/膨張機110に圧縮空気または別の流体を供給することができ、圧縮機/膨張機110は、圧縮空気または他の流体を膨張させるように第2モードで動作する。いくつかの実施形態では、膨張プロセス中に、圧縮機/膨張機110に熱を追加することができる。熱は、圧縮プロセスの生成物であり得るか、または別の熱源(たとえば、温液貯蔵器、ガスタービンからの排気および/または他の好適な供給源)から来ることが可能である。圧縮機/膨張機110において空気を膨張させることにより、動力装置106を駆動して、矢印Bの方向で送電系統104に電気を供給させる。そのように、エネルギー需要家112に電気が提供される。圧縮機/膨張機110は、エネルギー需要および他の要因に基づいてさまざまな速度で動作することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、圧縮機/膨張機110は低速で動作し、小量ではあるが高効率で動力を生成する。他の実施形態では、圧縮機/膨張機110はより高速で動作し、より大量の動力をより低効率で生成する。
【0015】
システム100はまた、1つまたは複数のシステム構成要素、たとえば動力装置106、圧縮機/膨張機110および/またはエネルギー貯蔵装置108の動作を指示するコントローラ148も含むことができる。したがって、コントローラ148は、入力117(たとえばセンサ入力)を受け取り、コンピュータ実施命令を介して出力119(たとえば制御信号)を向かわせることができる。たとえば、コントローラ148は、供給源102によって生成されかつ需要家112によって要求されるエネルギーレベルに対応する入力を受け取ることができ、これらのレベル間の差に基づいて、圧縮機/膨張機110を通る流体流の方向を制御し、たとえばエネルギー供給が需要を超える場合は圧縮機/膨張機110を介して流体をエネルギー貯蔵装置108内に向かわせ、受容が供給を超える場合は流体流を逆流させる。いくつかの実施形態では、コントローラ148は、供給レベルおよび需要レベルに応答することに加えてまたはその代りに、オペレータ入力または他の要素に応答することができる。
【0016】
図2は、本開示の実施形態によって構成された二葉式回転容積型システム210の部分概略正面図である。システム210は、第1流体通路214と、第2流体通路216と、内壁220および外壁222を有するチャンバハウジング218とを含むことができる。第1流体通路214は、第1圧力で作動流体を有することができ、第2通路216は、第1圧力より高いかまたは低い第2圧力で作動流体を有することができる。チャンバハウジング218は、圧力調整チャンバ224を少なくとも部分的に包囲している。図2に示す特定の実施形態では、圧力調整チャンバ224は略円形であるが、他の実施形態では、変更された楕円形、長円形、トロコイド形または他の湾曲形状を有することができる。圧力調整チャンバ224は、第1通路214を圧力調整チャンバ224に接続する第1ポート226と、第2通路216を圧力調整チャンバ224に接続する第2ポート228とをさらに含むことができる。したがって、第1ポート226および第2ポート228は、チャンバハウジング218を通して延在している。本開示のいくつかの実施形態では、後にさらに詳細に説明するように、圧力調整チャンバ224と第1通路214との間にかつ/または圧力調整チャンバ224と第2通路216との間に弁はない。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態では、システム210は、第1モードでは圧縮機として動作し第2モードでは膨張機として動作するように構成された双方向圧縮機/膨張機を含む。システム210の動作モード(たとえば、圧縮機として運転されているか膨張機として運転されているか)に応じて、第1ポート226は、入口ポートとしてまたは出口ポートとして動作し、第2ポート228は、反対の機能を行い、たとえば、出口ポートまたは入口ポートとして動作する。たとえば、システム210が圧縮機として作動している第1モードでは、ロータ232は第1方向に回転し、第1ポート226は入口ポートとして機能し(低圧作動流体または流れを圧縮チャンバ224内に送り込み)、第2ポート228は出口ポートとして機能する(圧縮作動流体を受け入れそれを第1通路214に送り込む)。システムが膨張機として運転している第2モードでは、ロータ232は、第1方向とは反対の第2方向に回転し、第1ポート226は出口ポートとして動作し、第2ポート228は入口ポートとして動作し、システム210を通る流れの方向は反転する。他の実施形態では、システム210は、専用の圧縮機または膨張機として動作し、双方向には作動しない。特定の実施形態では、システム210は3つ以上のポートを有することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、システム210は、2つの入口ポートおよび2つの出口ポートを有することができる。ポート226、228は、丸い角を備えた矩形であってもよく、または他の形状であってもよい。ポート226、228は、後にさらに詳細に説明するように、本開示の種々の実施形態とは異なるようにチャンバハウジング218内に配置される。これらの実施形態のうちのいずれかにおいて、個々のポート(たとえば第1ポート226および第2ポート228)は、チャンバハウジング218の分離部230によって互いから分離されている。
【0018】
システム210はロータ232をさらに含むことができ、ロータ232は、その中心部236を通って伸びるシャフト234に結合され、かつそれに対して偏心して回転可能である。シャフト234には偏心カム268がさらに結合されており、それは、ロータ232の中心部236に配置されている。ロータ232は、複数のローブ238を有することができる。図2に示すロータ232は2つのローブ238を含むが、他の実施形態では、3つ以上のローブを有することができる。ローブ238は、本開示の種々の実施形態ではさまざまな形状、曲率および寸法を有することができる。概して、各ローブ238は、ロータ232の中心236から半径方向外側に、ロータ232の隣接する領域より大きく延在しており、それにより、ロータ232の周辺境界233は非円形である。各ローブは、ローブ238の半径方向最外点に先端239を有している。シャフト234は、図2の平面に対して垂直な回転軸Rに沿ってチャンバ224内に延在している(たとえば横切っている)。シャフト234を、モータ、発電機またはモータ/発電機(図1に概略的に示す)に電気的にかつ/または機械的に接続することができる。ロータ232は、シャフト234およびカム268を回転させることによって駆動される。シャフト234の回転方向によって、ロータ232の回転方向と、システム210が圧縮機として動作しているか膨張機として動作しているかが決まる。図3を参照して後にさらに詳細に説明するように、いくつかの実施形態では、ロータを回転させるために歯車を追加することができる。
【0019】
図示する実施形態では、第1ポート226および第2ポート228はともに、半径方向に配置されている。言い換えれば、ポート226、228は、回転軸Rに対して略平行なチャンバハウジング218の面221に配置されている。ロータ232がシャフト234の周囲で軌道を描く回転を行う際、ローブ先端239は、第1ポート226および第2ポート228を通過して回転し、第1ポート226および第2ポート228を周期的に覆いかつ露出させる。
【0020】
ローブ238のシール(たとえば先端ローラ240)は、チャンバハウジング218の内壁220に対してロータ232を封止する。先端ローラ240を、全体として円柱状とすることができ、それらは、ギアなし車輪および車軸装置または球状車輪システム等のローラ取付具241を介してローブ328に取り付けられる。ローラ240を、ばねまたは他の圧力装置によって(たとえば、米国特許第3,899,272号明細書に開示されているように)、調整された方法でロータ壁に押し付けることにより、チャンバハウジング内壁220との低摩擦接触を提供することができ、ローラ240はまた、ロータ位置を案内することも可能である。ローラ240はまた、加圧流体が、ロータ232およびハウジング内壁220によって境界が画されているチャンバゾーン242から漏出しないことを確実にするのにも役立つことができる。他の実施形態では、摺動シール、液体フィルム、および/またはローブ238とチャンバハウジング218の内壁220との間の意図的に配置された間隙空間等、他の先端封止特徴を使用することができる。一実施形態では、たとえば、チャンバハウジング218またはローブ先端239に液体の薄膜を施すことができる。いくつかの実施形態では、薄膜は、海水、淡水、油、グリコール、グリセリンおよび/あるいは別の材料または材料の組合せを含むことができる。薄膜は、先端239とチャンバハウジング内壁220との間の間隙にわたってより高い流れ抵抗を提供することができる。他の実施形態では、チャンバゾーン242を最小摩擦で封止するように、先端239に空気軸受を適用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、圧力調整チャンバ224の内壁220および/またはロータ232の一部が、1つまたは複数の低摩擦コーティング244を含むことができる。コーティング244は、プラスチック、セラミックまたは他の材料を含むことができる。低温用途では、低摩擦コーティング(たとえば、テフロン、エポキシ、ポリカーボネート、架橋ポリエチレンおよび/または他の材料)が、ロータ232とチャンバ224との間に比較的低い摩擦を提供しながら、かつ高温シールを犠牲にすることなく、シールの完全性を向上させることができる。
【0021】
第1ポート226と第2ポート228との間の分離部230は、シール、たとえば可変形状シール246を支持することができる。可変形状シール246は、ロータ232がチャンバ224内で偏心して回転する際にロータ232の周辺境界233と係合することができる。可変形状シール246は、チャンバハウジング218の内壁220と接触しているロータ周辺部233およびローラ240と組み合わせて、チャンバ224を、個々のゾーン圧力を有する個々のチャンバゾーン242に分割する。図示する位置では、チャンバ224は、ロータ232の軌道の向きのために1つのチャンバゾーン242しか有していない。後にかつ図4A〜図4Eを参照してさらに詳細に説明するように、ロータ232を回転させることにより、ゾーン242のサイズおよび数が変化する。
【0022】
チャンバハウジング内壁220に対する回転ロータ232の軌道位置により、チャンバゾーン242のサイズと、ゾーン242内の流体の圧力とを確定することができる。たとえば、図2に示すロータ232は、底部死点位置と等価な位置に向けられている。圧縮モードでは、ロータ232は、偏心シャフト234を中心に第1回転方向に(たとえば右回りに)回転して、圧縮された作動流体を高圧通路(たとえば第2通路216)に送出する。膨張モードでは、ロータ232は反対方向に回転して、膨張した作動流体を低圧通路(たとえば第1通路214)に送出する。図1に関連して上述したように、システム210は、ロータ232の回転方向を制御するコントローラ148を含むことができ、コントローラ148は、さらに、システム210が圧縮するように動作するかまたは膨張させるように動作するかを確定する。コントローラ148は、それに従って、入力117を(たとえばセンサおよび/またはオペレータから)受け取り、ロータ232に指示する出力119を提供することができる。コントローラ148は、機械的装置、電気的装置、電気機械的装置および/または他の好適な装置によって、ロータ232の回転の方向を変えることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、コントローラ148は、シャフト234の回転方向およびトルクを制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ148は、システム210の双方向性を制御することに加えていくつかの機能を実行することができる。これらの実施形態のうちのいずれにおいても、コントローラ148は、システム210の動作を指示する命令によってプログラムされたあらゆる好適なコンピュータ可読媒体を含むことができる。
【0023】
システム210は、チャンバハウジング218の外側に配置された熱交換器258をさらに含むことができる。熱交換器258は、第1通路214および第2通路216のうちの1つあるいは複数および/またはチャンバ224と流体連通する熱交換器通路256を含むことができる。一実施形態では、熱交換器通路256と第1通路214および/または第2通路216との間に配置された熱交換器ハウジング壁261は、熱交換器通路256と第1通路214および/または第2通路216との間に流れを向ける。流れを、熱交換器258との作動流体接触を向上させるように向けることができる。熱交換器258を、加熱または冷却を提供することに専用とすることができ、または、圧縮中にチャンバ224によって処理される流体を冷却し、膨張中に熱を追加するように双方向とすることができる。他の実施形態では、流体は、霧化スプレーノズル等、1つまたは複数のノズル231によってチャンバ224および/または通路214、216あるいは256内に直接注入される。注入される流体は、チャンバ224内の作動流体より低温であることも高温であることも可能であり、したがって、熱交換器258によって提供される伝熱効果に加えてまたはその代りに作動流体を冷却または加熱することができる。熱交換器258のさらなる態様については、図6A〜図6Dを参照して後に説明する。
【0024】
外側ハウジング250は、チャンバハウジング218、第1通路214および第2通路216を少なくとも部分的に包囲するかまたは覆うことができる。外側ハウジング250は、内側に面している内面252と外側に面している外面254とを有することができる。外側ハウジング250を、チャンバハウジング218から半径方向に間隔を空けて配置することができ、それにより、通路214、216、256、熱交換器258、安定化特徴260(たとえば隔離体(standoff))、断熱材(図2には示さないが、図7を参照して後にさらに詳細に説明する)および/または他の構成要素に対して空間を提供する。図2では、外側容器250は、全体として円柱状であるように示されているが、他の実施形態では、他の形状であってもよく、かつ/またはチャンバハウジング218を部分的にのみ包囲してもよい。外側ハウジング250は、1つまたは複数の隔壁(bulkhead)262と軸方向に隣接していてもよい。図示する実施形態では、システム210の内部機構を不明瞭にしないように、1つの軸方向隔壁262のみが示されているが、他の実施形態では、外側ハウジング250を2つの軸方向隔壁262の間に挟装することができる。このように、外側ハウジング250および隔壁262は、システム210内の流れのための圧力容器を形成することができる。したがって、外側ハウジング250の内面252および隔壁262は、システム210内を通る加圧流体と接触しかつ/またはそれを収容する。圧力容器として外側ハウジング250を使用することにより、システム210全体に対する材料要件を低減することができる。
【0025】
上述したように、チャンバハウジング218の内面220は、摩擦を低減しかつ/または摩耗を管理するために1つまたは複数のコーティング244を有することができる。耐熱性または耐腐食性等の所望の機能的特性または材料特性を達成するために、(内面220に加えてまたはその代りに)システム210の他の面、たとえばチャンバハウジング218、外側ハウジング250、ロータ232、通路214、216、流体通路256、熱交換器258、隔壁262および/またはシャフト234の外面に、コーティング244を施すことができる。たとえば、システム210が燃焼機関用途に使用される場合、セラミック等の高温コーティングを用いて、高温流体から表面を保護することができる。低温圧縮機用途では、プラスチックコーティングを用いて、耐腐食性を向上させより低コストで摩擦を低減することができる。
【0026】
図3は、本開示の別の実施形態によって構成された三葉式回転容積型システム310の部分概略正面図である。システム310は、内面220および外面222を有するチャンバハウジング218と、圧縮/膨張チャンバ224と、ロータ332と、シャフト234と、内壁252および外壁254を有する外側ハウジング250とを含む、図2を参照して上述した多くの特徴を含む。システム310は、第1通路214および第2通路216と、通路214、216をチャンバ224に接続する第1ポート226および第2ポート228とをさらに含む。図示する実施形態では、4つのポートがあるが、他の実施形態では、システム310はそれより多いかまたは少ないポートを含むことができる。いくつかの実施形態では、ポート226、228にも通路214、216とチャンバ224との間にも弁がない。
【0027】
ロータ332の中心部336の内周に、リングギア336(例えば遊星ギア)が配置され、シャフト234の外周に配置されたピニオン364と噛合するように配置されている。シャフト234に偏心カム368が取り付けられ、ロータ336の中心部336に配置されている。ロータギア366は、ピニオン264と噛合して、チャンバ224の周囲でロータ332を偏心して周回させる。他の実施形態では、図2を参照して上述したカム等の他の機構が、ギアを必要とすることなくロータ332を回転させる。
【0028】
図示する実施形態では、ロータ332は、3つの湾曲したローブ338を含む全体として三角形であるロータ周辺部333を有している。各ローブ338は先端339を有し、各先端339は先端広がり部(tip−widener)特徴370を有している。他の実施形態では、ロータ332は、3つより多いかまたは少ないローブ338を有することができ、ローブ338は、異なる弧度を有することができる。先端広がり部370は、ローブ先端339から半径方向にかつ円周方向に延在して、チャンバハウジング218の内壁220に接触する。広がり部370は、チャンバ224を複数の(たとえば3つの)チャンバゾーン342に分割する。回転ロータ332のローブ338および先端広がり部370は、第1ポート226および第2ポート228を周期的に覆いかつ露出させる。チャンバハウジング内壁220に対する回転ロータ332の位置により、チャンバゾーン342のサイズとゾーン342内の対応する流圧とが決まる。いくつかの実施形態では、先端広がり部370を、すべてのローブ338に取り付けなくてもよく、または先端広がり部370はまったくなくてもよい。先端広がり部370については、図5を参照して後にさらに詳細に説明する。
【0029】
先の概要は、さまざまな設定において効率的にかつ有効に流体を圧縮し膨張させるいくつかのシステムおよび方法を紹介した。たとえば、外圧が高く流体体積が大きい水中CAESシステムでは、3つ以下のローブおよび大型ポートを備えた双方向圧縮機/膨張機の実施形態は、低流体摩擦で高い流体流を提供することができる。大型ポートは、さまざまな設計および特徴、たとえば、上述し後にさらに詳細に説明する先端広がり部および可変形状シールにより可能になる。
【0030】
上述したシステムのうちのいくつかは、効率を向上させるとともに運用コストおよび/または材料コストを低減するかまたは最小限にすることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、圧縮機/膨張機を、一定の熱エネルギー源または冷却エネルギー源を提供する大量の水たまり(body of water)に近接して配置することができる。さらにまたは別法として、水たまりは、圧縮プロセスによって加温された水に対する収納場所を提供することができる。加温水が収容される場合、加温水を、膨張プロセス中に、圧縮の熱を収集するために使用されるものと同じ熱交換方法を用いて後に使用することができる。さらに、ローブを低減した設計では、概して、圧縮する気体の体積に対して必要な質量、従ってコストが低減する。圧縮機/膨張機の弁なし双方向動作が、さらなる効率を提供することができ、装置複雑性および材料コストを低減することができる。以下のセクションは、これらの特徴および利点のうちのいくつかをより詳細に説明し、さらなる関連する特徴および利点を紹介する。
【0031】
二葉ロータ
図4Aは、本開示の実施形態によって構成された圧縮機/膨張機システム410の正面等角図である。システム410は、図2および図3に関して上述したものと略同様のいくつかの特徴を含む。たとえば、システム410は、シャフト234によって支持されかつシャフト234に対して回転可能なロータ232を含み、ロータ232およびシャフト234は、チャンバハウジング218によって少なくとも部分的に包囲されている圧力調整チャンバ224内に配置されている。ロータは、第1ローブ238aおよび第2ローブ238bを含む2つのローブを備えている。チャンバハウジング218は、内壁220および外壁222を有している。チャンバ224は、チャンバを低圧通路および高圧通路(図示せず)に接続する第1ポート226および第2ポート228を含む。いくつかの実施形態では、ポート226、228もポートと通路との間にも弁はない。
【0032】
システム410は、第1ポート226と第2ポート228との間のチャンバハウジング218の部分230に摺動可能に結合された可変形状シール246をさらに含むことができる。可変形状シール246は、ロータ232がチャンバ224内で偏心して回転する際に、可変形状シール246をロータ232の周辺境界243と係合するように付勢する、内部ばね447を含むことができる。可変形状シール246は、可変形状シール246が圧縮/膨張チャンバ224内に伸長する前方位置と、可変形状シール246がチャンバハウジング218の内壁220と略同一平面である後退位置または引込み位置との間で、半径方向に往復運動することにより、ロータ232の周辺部233と連続的な封止係合を維持することができる。この実施形態の特定の態様では、可変形状シール246の第1部分を、チャンバハウジング218に対して固定することができ、第2部分を、チャンバハウジング218に対して半径方向にかつ/または円周方向に移動可能とすることができる。たとえば、シール246は、チャンバハウジング218に対して固定される座部と、チャンバ218に対して移動する(たとえば半径方向に往復運動する)封止面とを含むことができる。可変形状シール246は、チャンバ内壁220に対して(たとえばローラ240を介して)押圧するロータ232と結合して、図4A〜図4Eにおいてゾーン442a〜442cとして個々に識別される1つまたは複数のチャンバゾーン(たとえば3つのゾーン)442をもたらす。少なくともいくつかの実施形態では、システム410は、複数の可変形状シール246を含むことができる。
【0033】
図4Aに示すロータ432は先端ローラ240を含む。図2を参照して上述したように、ローラ240は、ロータローブ238とチャンバハウジング218の内壁220との間およびロータローブ238と可変形状シール246との間の摩擦を低減することができる。ローラ240はまた、ロータ232がチャンバハウジング218の輪郭に従うことをより可能にすることができる。
【0034】
図4B〜図4Eは、動作中の代表的な箇所における図4Aに示す圧縮機/膨張機システム410の概略図である。まず図4Bを参照すると、ロータ232は、第1ポート226および第2ポート228を覆うように配置されている。第1チャンバゾーン442aは流体を収容し、ロータの軌道のこの位置では、第1ゾーン442aの容積が最大限になる。ロータ432が、矢印Rによって指示しかつ図4Cに示すようにおよそ45°左回りに回転すると、低圧流体が第1ポート226を介して第2ゾーン442bに入る。第1ゾーン442aの容積が低減し、第1ゾーン442a内の流体を圧縮する。可変形状シール246に結合されたばね447が、可変形状シール246を、ロータ周辺部233に係合し続けるように半径方向内側に押す。
【0035】
可変形状シール246と接近する第1ローブ238aとの間に、隙間ゾーン442cが形成される。隙間ゾーン442cには、第2ポート228を介して高圧流体が充填されるが、いくつかの実施形態では、このわずかな体積の流体は単純に、第1ローブ238aが可変形状シール246に近づくに従い、低損失で第2ポート228から排出する。いくつかの実施形態では、システム410は、可変形状シール246と第2ポート228との間のチャンバハウジング218の内壁220に溝(図4Cでは見えず)を含み、したがって、隙間空間442cが任意のロータ位置において高圧通路内に排気され得る。
【0036】
図4Dでは、ロータ232は、左回り方向に回転し続けている。この位置では、第1ゾーン442a内の流体は、所望の圧力比まで圧縮されており、第2ポート228を介して高圧通路内に吐出を開始する。第1ローブ238aは、第2ポート228の縁にある。低圧流体は、第2ゾーン442bを充填し続ける。
【0037】
図4Eにおいて、ロータ232は、左回りに回転し続けており、この位置で、ロータ232の一方の側の流体はチャンバ224から吐出され、他方の側の流体はチャンバ224に入る。特に、(入ってくる流体に対して所望の圧力比にある)第1ゾーン442aの加圧流体は、第2ポート228を介して吐出される。低圧流体は、第2ゾーン442bを充填し続ける。ポート226、228のサイズおよび間隔を選択することにより、設計者は、システムの実施形態が異なると異なる可能性がある所望の圧力比を得ることができる。そして、ロータ232は、図4Bに示す位置まで回転し続けるが、この時点では、第2ゾーン442bには流体が充填されており、第1ローブ238aおよび第2ローブ238bは反対の位置にある。
【0038】
上述した手順を、代表的な圧縮モードに関連して説明した。膨張モードでは、ロータ432が反対方向に回転して流体を膨張させることができることが理解されよう。上述したように、圧縮モードと膨張モードとの変更を、コントローラ148(図2には概略的に示す)によって制御することができる。
【0039】
上述した配置の1つの特徴は、ポート226、228間の圧力比を、適度に、たとえば特定の実施形態ではおよそ1.2であるように設計することができる、ということである。この配置の利点は、圧縮中に温度上昇を低減し、それにより、システムを比較的低温材料で製造することができる、ということである。これにより、システムの全体的なコストを低減することができる。(典型的な場合のように)流体をより高い圧力比によって圧縮する必要がある場合、システムは、図6Bを参照して後述するように、直列に配置された複数の段を含むことができる。上述した配置の別の特徴は、2つのローブしかないロータを含む、ということである。この特徴の利点は、第1ポートおよび第2ポートの位置決めおよび/または寸法決めにおいてより高い柔軟性を可能にすることができる、ということである。そして、これにより、後にさらに説明するように、システムの効率を向上させることができるより大型のポートを容易にすることができる。
【0040】
先端広がり部
図5は、図3に示すシステム310の上部の拡大端面図である。システム310は、図2および図3を参照して上述したものと略同様のいくつかの特徴を有している。たとえば、システム310は、圧力調整チャンバ224を包囲するチャンバハウジング218を含む。チャンバ224は、それぞれ第1通路214および第2通路216に接続された第1ポート226および第2ポート228を有している。上述したように、少なくともいくつかの実施形態では、ポートと通路との間に弁がない。システム310は、圧力調整チャンバ224および通路214、216を包囲する外側ハウジング250をさらに含む。先端339を備えたローブ338を有するロータ332が、チャンバ224内に配置されている。システム310の図示する部分は、ローブ先端339に移動可能に結合することができる先端広がり部370を強調している。
【0041】
先端広がり部370は、個別に撓曲するアーム592aおよび592bを含むことができ、それらは、取付箇所594に位置する例えばねじりばね(図5には見えず)によって、かつ/またはアーム592a、592bの弾性構造によって半径方向外側に付勢される。アーム592a、592bは、ロータ332が回転するとチャンバハウジング218の内壁220に沿ってさまざまな角度に連続的に接触するように、個別に可撓性であり得る。たとえば先端広がり部370は、プラスチックまたはばね鋼等、弾性的に屈曲可能な予備成形された材料を含むことができる。他の実施形態では、先端広がり部370は、2つより多いかまたは少ないアーム592a、592bを有することができ、ばね力以外の力で半径方向外側に向くことができる。先端広がり部370を、たとえば溶接、摩擦固定、接着剤による接着および/または締結具を含む、複数の好適な機構によってローブ338に取り付けることができる。
【0042】
さらなる実施形態では、先端広がり部371を、矢印Pによって示すように、ローブ338に対して枢動するように枢動継手を含む取付箇所594において、ローブ338に取り付けることができる。この実施形態では、先端広がり部370を、上述したように可撓性とすることができ、またはより剛性とすることができる。より剛性である場合、枢動する際に、(矢印Tによって示すように)内壁220に向かってかつそこから離れる方向に並進するように、スロット595に配置することができる。
【0043】
先端広がり部370は、第1ポート226および第2ポート228の円周方向広がりCより広い円周方向広がりCを有することができる。言い換えれば、先端広がり部370が個々のポートの上に配置されると、先端広がり部アーム592a、592bは、チャンバ224との流体連通から有効にポートを封止する。したがって、先端広がり部370は、入力ポート226と出力ポート228との間に必要な円周方向間隔を低減することができる。例として三葉ロータ332を使用することにより、従来のローブ先端の間の間隔はおよそ120°であり、その結果、ポートを、ハウジングの円周の周囲に完全に均一に間隔を空けて配置する必要が出る。しかしながら、先端広がり部370により、ポート226、228を、120°未満の間隔の位置に配置することができ、実質的にローブ338の円周方向の広がりが増大する。ポート配置のこの柔軟性により、装置310のより高い容積効率が可能になる。先端広がり部370の円周方向広がりCは、ポート226、228の数および間隔とポートの開放および閉鎖の所望のタイミングとに応じて変化する可能性がある。先端広がり部370の円周方向広がりCを、ローブ338の間に所望の円周方向空間を提供するように変更することができる。たとえば、4つのポート、3つのローブおよび1.4の圧力比を有する一実施形態では、高圧ポートおよび低圧ポートの各近接する対の間の円周方向の広がりをおよそ89°とすることができ、先端広がり部の間の円周方向の広がりをおよそ51°とすることができ、低圧ポートの開放サイズをおよそ28°とすることができ、高圧ポートの開放サイズをおよそ17.5°とすることができる。
【0044】
先端広がり部および可変形状シールの両方が、大型のポートサイズを依然として可能にしながら、逆流状態を大幅に低減することができる。たとえば、先端広がり部は、チャンバの内壁に沿ってポート間の有効な円周方向間隔を有効に狭くすることにより、逆流を低減するかまたは最小限にすることができる。同様に、可変形状シールは、チャンバの高圧側および低圧側を動的に分離し、高圧ポートおよび低圧ポートが単一ゾーン内で同時に開放する機会を低減する。逆流状態を低減し大型ポートを可能にすることにより、システムは、先端バイパス流が低減することから利益を得ることができ、ポートの開放および閉鎖のタイミングを最適化することができ、それによりシステム効率が向上する。これらの特徴について、三葉ロータに関連して上述したが、それらを、単独でまたは二葉ロータと組み合わせて適用することができる。
【0045】
大型ポート
上述したように、開示したシステムのいくつかの実施形態は、過度に大きい逆流状態をもたらすことなく既存のポートより大幅に大型のポートサイズを含む。たとえば、圧力比が約8から約1.2であるさまざまな代表的な二葉設計配置では、ポートを、動作中にシステムに大きい逆流状態が起こることなく、チャンバ内面の円周の約3%から約15%以上のサイズとすることができる。圧力比が約8から約1.2であるさまざまな代表的な三葉配置では、ポートを、動作中に大きい逆流状態が起こることなく、チャンバ内面の円周の約4%から約15%までのサイズとすることができる。これらの大型ポートを、可変形状シールおよび/または先端広がり特徴によって可能とすることができる。
【0046】
一体型熱交換器
図6Aは、本開示の実施形態によって構成された一体型熱交換器658aを有する回転容積型システム610aの部分概略等角図である。システム610aは、図2および図3を参照して上述したものと略同様のいくつかの特徴を含む。たとえば、システム610aは、内壁220および外壁222を有するチャンバハウジング218と、圧力調整チャンバ224と、シャフト234に回転可能に結合されたロータ332と、第1通路214および第2通路216と、チャンバ224と個々の通路214、216との間の流体連通を提供するチャンバ224内の第1ポート226および第2ポート228とを含む。
【0047】
熱交換器658aは、チャンバハウジング218および通路214、216の半径方向外側に配置されている。熱交換器658aは、加熱または冷却された熱交換器流体を搬送する1つまたは複数の熱交換器供給管659を含む。図示する実施形態では、熱交換器658aは、チャンバハウジング218の一部を包囲し、圧力調整チャンバ224からの作動流体と流体連通している。特に、第2ポート228を介してチャンバ224から出る作動流体は、第2通路216を通って矢印Fの方向に半径方向外側に、かつ熱交換機通路256内に流れることにより、熱交換器658aと接触する。作動流体は、供給管659内の加熱または冷却された熱交換器流体と熱を交換する。
【0048】
本システムは、内面252および外面254を有する外側ハウジング250(その一部を図6Aに示す)をさらに備えている。外側ハウジング250は、チャンバハウジング218、圧力調整チャンバ224、通路214、216および熱交換器658aを少なくとも部分的に包囲しかつ/または覆うことができる。いくつかの実施形態では、熱交換器658aを通過する加圧された作動流体は、作動流体を収容する圧力容器として作用する外側ハウジング250の内面252と接触する。圧力容器として外側ハウジング250の内部を使用することにより、圧力調整チャンバ224とポート226、228、通路214、216および熱交換器658aとの間、および多段システムにおける1つの段と次の段との間におけるいくつかのパイプ継手および通路が不要となる。
【0049】
図6Aに示す熱交換器658aは、フィン付き管熱交換器である。他の実施形態は、他のタイプの熱交換器、例えばシェル−アンド−チューブ型熱交換器、プレート式熱交換器、ガス−ガス熱交換器、直接接触式熱交換器、流体熱交換機、相変化熱交換器、廃熱回収ユニットなど、または他のタイプの熱交換器を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、熱交換器658aは、高温ガス流からの熱を熱交換流体に伝達する廃熱回収ユニット(図示せず)を備えることができる。高温ガス流は、ガスタービンまたはディーゼルエンジンからの排気ガス流か、または製油所あるいは他の工業システムからの廃ガス流であり得る。
【0050】
熱交換器流体は、淡水、海水、蒸気、冷却剤、油、または他の好適なガス状液体および/または二相流体を含むことができる。熱交換器658aは、圧縮モードおよび膨張モード両方で動作して、双方向圧縮機/膨張機をサポートすることができ、流れがチャンバ224に入る前かまたは入った後に圧縮された/膨張された流れと相互作用することができる。いくつかの実施形態では、熱交換器流体は、装置の動作の圧縮モードおよび膨張モードの両方に対して同じであるが、他の実施形態では、異なる熱交換器流体が使用される。いくつかの実施形態では、圧縮モードでの動作中に加熱される熱交換器流体を、たとえば膨張段において動作中に使用される外部蓄熱貯蔵器に貯蔵することができる。熱交換器658aを、金属、セラミックまたはプラスチックを含む、複数の好適な材料または材料の組合せから作製することができる。いくつかの実施形態では、熱交換器は、多種多様の熱交換流体の使用を可能にするために、耐腐食性材料(たとえば、銅、白銅、チタン、ステンレス鋼等)から作製される。
【0051】
図6Bを参照して後にさらに詳細に説明するように、複数の圧力調整チャンバ224(たとえば段)を、流体接続することができ、それらは直列に動作することができる。いくつかの多段実施形態では、ラジアル型熱交換器658aは、複数のチャンバハウジング218の外壁222に沿って軸方向に延在している。こうした実施形態では、圧縮/膨張された作動流体は、第1段の第1ポート228から半径方向外側に(矢印Fによって示すように)熱交換器658a内に、熱交換器658aに沿って軸方向に、その後、半径方向内側に移動して、第2圧力調整チャンバ(図示せず)の第2ポートに入る。システムが圧縮モードで動作している場合、作動流体を段の間で冷却することができる。システムが膨張モードで動作している場合、作動流体を段の間で加熱することができる。段間加熱および冷却は、システム610aから動作効率を失わせる可能性がある、段の間の温度差を低減する(たとえば最小限にする)ことができる。通路214、216内で作動流体をチャンバハウジング218から半径方向外側に向けることにより、システムは、段の間の圧力変動を低減し、著しい熱交換器の長さを可能にすることができる。
【0052】
図6Bは、本開示の別の実施形態による複数の一体型熱交換器658bを有する多段回転容積型システム610bの部分概略等角側面図である。システム610bは、シャフト234に軸方向に沿って位置合せされた複数の段(個々に段672〜675と番号が付されている)を含む。明確にするために、シャフト234によって支持されるロータを、図6Bには示していない。各段は、第1ポート226および第2ポート228を有するチャンバハウジング218と、第1通路214と、第2通路216とを含むことができる。各段672〜675は、対応するチャンバハウジング218に軸方向に隣接して配置された1つまたは複数の隔壁662をさらに含むことができる。
【0053】
システム610bは、圧縮/膨張段672〜675の間に軸方向に位置合せされた複数のアキシャル型熱交換器658bをさらに含む。熱交換器658bは、第1通路214および/または第2通路216における作動流体と流体連結している。特に、作動流体は、1つの段から次の段へ矢印Fの方向に移動する。たとえば、作動流体は、対応する第2ポート228を通って第1段672を出た後、軸方向に隣接する熱交換器658b内に軸方向に流れ込む。そして、作動流体は、隣接する段673の第1ポート226に入り、図6Bにおいて作動流体が右から左に移動する際にプロセスが繰り返される。いくつかの実施形態では、作動流体は第2通路216から熱交換器658b内に直接移動し、他の実施形態では、作動流体は、隣接する隔壁662の1つまたは複数の開口部を通って横断し(図6Cを参照して以下で詳細に説明される)、その後、隣接する熱交換器658b内に入る。作動流体は、熱交換器658b内で熱エネルギーを伝達し、第1通路214および隣接する第2段673の第1ポート226内に軸方向に進む。連続した段の第1ポート226および第2ポート228は、システム610b内に作動流体をより十分に向かわせるために、互いに対して右回りまたは左回りにずれていてもよい。
【0054】
図6Aを参照して上述したラジアル型熱交換器658aのように、アキシャル型熱交換器658bは、圧縮モードおよび膨張モードの両方で動作して双方向圧縮機/膨張機をサポートすることができる。アキシャル型熱交換器658bでは、上述した熱交換器および熱交換器流体のタイプのいずれをも同様に使用することができる。図6Bには、3つの熱交換器658bおよび4つの圧縮/膨張段672〜675が示されているが、他の実施形態は、それより多いかまたは少ない段および/または熱交換器658bを含むことができ、段672〜675および熱交換器658bの配置を変更することができる。たとえば、一体型熱交換器のないシステムで、多段設計を用いることができる。さらに、圧縮/膨張段672〜675および熱交換器の軸方向長さを、システム610b内で変更することができる。たとえば、異なる軸方向長さを用いて、段間で作動流体の濃度が変化することにより1つの段から次の段への略一貫した圧力比を維持することができる。
【0055】
ここで図6Cを参照すると、システム610bは、補強リブ684を有する穿孔隔壁662をさらに含むことができる。個々の隔壁662は、作動流体が通路および隣接する段の対応するチャンバポート内に流れ込むのを可能にする1つまたは複数の開口部682を含む。外側ハウジングおよび隔壁662が、システム610b内を通る作動流体に対する圧力容器として作用する実施形態では、隔壁662は、特に、隔壁662が外側ハウジングに結合される隔壁662の周辺部の近くに位置する開口部682の周囲で、内圧から著しい曲げ力を受ける可能性がある。したがって内圧による隔壁変形を防止するかまたは制限するように、開口部682にわたって補強リブ684を溶接するかまたは他の方法で取り付けることができ、一方で、内部熱交換器658bへの流体流を依然として可能にすることができる。補強リブ684を、アキシャル型熱交換器658bを有するシステム610bにあるように示すが、それらを、ラジアル型熱交換器(たとえば図6Aに示す熱交換器658a)を有する実施形態において、または熱交換器のない実施形態において使用することができる。
【0056】
ここで図6Dを参照すると、システム610bは、個々の圧力調整チャンバ224と隣接する熱交換器658bとの間に配置された分配プレート686をさらに含むことができる。分配プレート686は、圧力調整チャンバ224のすべてまたは一部に及ぶことができ、複数の開口部685を含むことができる。分配プレート686は、熱交換器658bの上に作動流体をより有効に浸透させるように配置されている。特に、作動流体は、半径方向に第2ポート228から出る際、矢印Cによって示すように、チャンバ224の外側を円周方向に、その後、開口部685を通り熱交換器658bを通って軸方向に通過する。さまざまな実施形態において、分配プレート686の開口部685は、異なるサイズおよび形状を有することができ、分配プレート686は、より多いかまたは少ない開口部685を有することができ、かつ/または開口部685を、他の構成で配置することができる。プレート686は、双方向圧縮機/膨張機システムに対する必要に応じて、いずれかの方向に流れる作動流体を可能にすることができる。分配プレート686を、アキシャル型熱交換器658bを有するシステム610bに関連して示しているが、図6Aに示すものと同様のラジアル型熱交換器に、類似するプレートを使用することができる。たとえば、分配プレート686を、熱交換器の湾曲と一致するように湾曲させることができ、通路と対応するラジアル型熱交換器との間に半径方向に配置することができる。さらに、ロータ332を三葉ロータ332として示しているが、他の実施形態では、一体型熱交換器設計および/または多段設計を、より多いかまたは少ない(たとえば2つの)ロータローブを有するロータで使用することができる。
【0057】
ラジアル型熱交換器およびアキシャル型熱交換器を、回転容積型システムにおいて別個にまたは組み合わせて使用することができる。寸法的特徴が、特定のシステムにおいていずれのタイプの一体型熱交換器を使用するべきかに影響を与える可能性がある。たとえば、アキシャル型熱交換器は、幅が狭く長いシステムを可能にし、一方で、ラジアル型熱交換器は、必要な段間隔壁が少ない(2つの隣接する段が共通の仕切隔壁を共有することができるため)幅が広いがより短いシステムを可能にする。いずれのタイプの熱交換器が選択されるかに関らず、熱交換器を装置に組み込むにことにより、回転容積型システムのより一定の温度動作を可能にすることができる。双方向システムでは、一体型熱交換器は、膨張サイクルに対し圧縮中に生成される熱の効率的な回復を可能にする。圧縮空気エネルギー貯蔵用途では、一体型熱交換器の使用により、圧縮機/膨張機とエネルギー貯蔵システムとの間の空気のサイクル(round−trip)エネルギー効率を大幅に向上させることができ、通常、膨張プロセス中に熱を加えるために必要な天然ガスを低減するかまたはなくすことにより動作コストを低減することができる。
【0058】
さらにまたは別法として流体注入を使用して、回転容積型装置において熱を交換することができる。図2を参照して紹介したように、流体注入は、圧力調整チャンバ224に注入流体(通常液体)を導入して、流体とチャンバ224内の流れとの間に伝熱をもたらす。いくつかの実施形態では、注入流体は、海水、淡水、油(植物油または鉱油)またはフルオロカーボン等の冷媒を含むことができる。注入流体の選択は、たとえば注入流体の表面張力、所定の熱、伝熱効率、注入流体を噴霧するコスト、潤滑特性および環境へのやさしさを含む、複数の注入流体特性によって決まり得る。いくつかの実施形態では、注入流体は、不燃性であり、かつ/または燃焼なしにチャンバ224または他の領域内に注入されるように特に選択される。
【0059】
さまざまな実施形態では、流体を、第1ポート226を介して、チャンバハウジングにおける1つまたは複数の別個の流体供給ポートを介して、かつ/または(図8を参照して後にさらに詳細に説明する)ロータにおける1つまたは複数の流体ポートを介して導入することができる。他の実施形態では、注入流体は、第1通路214あるいは第2通路216において、または熱交換器通路256において導入される。さらなる実施形態では、注入流体は、圧力が変化する流体内により均一な注入流体分布を提供するように、複数の位置から導入される。いくつかの実施形態では、注入流体は、霧化スプレーノズル等のノズル(図2に概略的に示す)を介して導入される。いくつかの実施形態では、注入流体は、作動流体における表面積および注入流体懸濁を増大させるように霧化される。一実施形態では、たとえば、注入流体は、約500ミクロン以下である。特定の実施形態では、注入流体は、約20ミクロンから約100ミクロンのサイズになるように霧化される。注入時、注入流体は、チャンバ内の作動流体と直接接触することにより、圧縮熱を吸収することができるかまたは膨張のために熱を提供することができる。いくつかの実施形態では、熱交換注入流体を、膨張または圧縮のいずれかの前にガス流内に注入してもよく、または、ガス流を、熱交換流体内に浸透することができるようにしてもよい。いくつかの実施形態では、作動流体または注入流体のいずれかの出力温度を監視する1つまたは複数の温度センサからのフィードバックを、コントローラが、場合によっては熱エネルギー貯蔵に関する情報および他のパラメータとともに使用して、動作の高効率または所望の温度範囲を含み得るさまざまな目的を達成するように、液体の量および注入方法を調整することができる。
【0060】
注入流体を、吐出ポート228を介して、圧力調整流体によって抽出することができ、または、サンプのような装置、凝縮(熱交換器658aまたは658bの凝縮等)、遠心分離、または通路214、216、256におけるバッフル板等、さまざまな機構によって別個に抽出することができる。抽出時、熱交換液を、熱貯蔵器に貯蔵することができる。いくつかの実施形態では、注入流体は、液−液熱交換器を通過することができ、液−液熱交換器は、圧縮後に流体から熱を抽出するか、または膨張の前に流体に熱を提供する。所望の動作状態ならびに液体の相対的な質量流および所定の熱に応じて、液体注入により、別個の熱交換機構に対する必要をなくすかまたは低減することができる。流体注入熱交換を、安価なものとすることができ、かつそれにより、作動流体と注入流体との間のより近いアプローチ温度を可能にすることができる。液体注入熱交換に対して、図6A〜図6Dを参照して上述したもののいずれかを含む、複数の液体を使用することができる。さらに、いくつかの実施形態では、熱交換流体として霧(たとえば、液滴または凝縮蒸気の浮遊)を使用することができる。
【0061】
上述した熱交換器の1つの特徴は、システムの1つの位置においてかつ/またはシステムの別の部分における1つの動作モード中にかつ/または別の動作モード中に生成された熱を再利用することができる、ということである。この配置により、システムの全体的な熱力学的効率を向上させることができ、それによりシステムを動作させるコストを低減することができる。特定の実施形態では、回転容積型装置と周囲環境、または別個の熱貯蔵器、または両方との間で熱を交換することができる。一般に、交換流体において可能な温度上昇が高いほど、後に取り出すために熱を貯蔵する利点が大きくなる。
【0062】
断熱
図7は、本開示の実施形態によって構成された断熱材798を有する回転容積型システム710の正面図である。システム710は、図2および図3を参照して上述したものに略同様のいくつかの特徴を含む。たとえば、システム710は、チャンバハウジング218を含み、チャンバハウジング218は、第1通路214および第2通路216を有し、圧力調整チャンバ224とシャフト234によって支持されかつそれに対して回転可能なロータ232とを包囲する。本システムはまた、熱交換器258と、内面252および外面254を有する外側ハウジング250とを含む。
【0063】
特定の実施形態では、断熱材798は、外側ハウジング250の半径方向外側に配置されている。図示する実施形態では、断熱材798は、外側ハウジング250の外面254に円周方向に接触しかつそれを包囲しているが、他の実施形態では、外側ハウジング250の一部のみを包囲してもよい。他の実施形態では、断熱材798を、外側ハウジング250の内側とすることができ、断熱材798は、外側ハウジング250の内面252と接触することができる。さらなる実施形態では、断熱材798は、チャンバハウジング224、熱交換器258および/または通路214、216と接触することができ、外側ハウジングは、存在しないかまたは断熱材798の半径方向外側にあり得る。断熱材798は、空隙によって外側ハウジングから間隔を空けて配置される外側シェルを含むことができ、または図示するように、間隙を、好適な絶縁充填材料797によって充填することができる。いくつかの実施形態では、充填材料797は、ガラス繊維充填材または他の材料であり得る。他の実施形態では、間隙を排気して断熱効果を提供することができる。これらの実施形態のいずれにおいても、断熱材798は、システム710内、特に一体型熱交換器258内において流体温度を維持するのに寄与することができる。
【0064】
中空ロータ
図8は、本開示の実施形態によって構成された略中空ロータ832を有する回転容積型システム810の部分概略等角図である。システム810は、図2および図3を参照して上述したものと略同様のいくつかの特徴を含む。たとえば、システム810は、外側ハウジング250、チャンバハウジング218および圧力調整チャンバ224を含む。
【0065】
図示する実施形態では、ロータ832の端面を切り取ることにより、ロータ832が、ロータ壁890によって枠が決められる略中空内部891を有することが示されている。いくつかの実施形態では、たとえば、ロータ832の体積のわずかな一部のみが、ロータ壁890を備え、ロータ832の残りを、少なくとも部分的にいくつかの実施形態では大部分中空のままにする。一実施形態では、たとえば、ロータ壁890は、ロータ体積の5パーセント以下を構成する。いくつかの実施形態では、ロータ壁890を、回転する際のロータのバランスをとるように局所的に厚くすることができる。他の実施形態では、ロータ壁890を、ハニカム構造または層を分離する充填材によって補強された材料の2つ以上の層から構成してもよい。
【0066】
ロータ832は、さまざまな内部特徴を含むことができる。一実施形態では、ロータ内部891は、ロータ832構造に支持を追加するように補強構造888を含む。補強構造888はまた、シャフトおよびカムと嵌合する中心構造836も含むことができる。たとえば、図3を参照して上述したように、中心構造836は、リングギア366を支持することができる。ロータ832は、さらにまたは別法として、内部空洞889を含むことができる。一実施形態では、内部空洞889は、充填材料によって充填され、所望のロータ832重量を達成する。別の実施形態では、図6を参照して上述したように、内部空洞889は、内部流体通路889と、熱交換方法として圧力調整チャンバ224に熱注入流体を供給する出口ポート883とを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、ロータ832を、板材から鋳造するかまたは製造することができる。たとえば、一実施形態では、ロータ832を、切断され、成形され、かつ溶接された板材から製造することができる。図8に示すロータ832は二葉ロータ832であるが、他の実施形態では、ロータ832は3つ以上のローブを有することができる。
【0068】
中空ロータ832の1つの特徴は、容易に製造することができ、安価かつ軽量とすることができる、ということである。したがって、中空ロータ832は、それが取り付けられるシステムのコストおよび複雑性を低減することができる。中空ロータ832の別の特徴は、慣性加速度によるシャフトに対する偏心荷重を低減することができるということである。したがって、それが取り付けられるシステムにおいて、疲労荷重を低減し、したがってシステムの寿命を延長することができる。
【0069】
並列ロータ
図9は、本開示の実施形態により並列に動作する複数(たとえば3つ)のロータ932を有する回転容積型システム910の部分概略等角図である。システム910は、図2および図3を参照して上述したものに略同様のいくつかの特徴を含む。たとえば、システム910は、チャンバハウジング218、圧力調整チャンバ224およびシャフト234を含む。チャンバハウジング218を、図9では、明確にするために透明であるものとして示すが、いくつかの実施形態では、チャンバハウジング218は透明ではない。3つのロータ932は、チャンバハウジング218内で並列に動作する。ロータ932は、共通の第1ポート226および共通の第2ポート228を共有することができ、それらは各々、チャンバハウジング218に沿って軸方向に伸びている。ロータ932は、共通の第1通路および第2通路(図9には示さず)をさらに共有することができる。システム910は、各ロータ932間に軸方向に配置された(明確にするために隠されている)隔壁をさらに備え、それにより、各ロータ932は、別個のチャンバ224に配置される。
【0070】
ロータ932を、互いに対して右回りにまたは左回しにずらすことができ、それにより、各ロータ932は、所与の瞬間にそのチャンバ224内の異なる軌道位置に配置される。ずれたロータ932を並列に動作させることにより、いくつかの利点が提供される。たとえば、ロータ932のずれ角が、シャフト234に結合されるモータ/発電機に対するトルクのバランスをとることができる。特に、単一ロータ932の偏心運動から発生する振動およびシャフト曲げ荷重が、追加のロータ932の逆の動きによってバランスがとられる。さらに、ずれ角は、第1通路および第2通路内の圧力の変動を、種々の位相角で動作しているロータにわたる吸込および吐出の脈動を平均することにより、またこれらの流路内の容積を増大させることによりさらに制限する。流路内の容積を増大させることにより、望ましくないほど高い吐出圧力または望ましくないほど低い吸込圧力がある危険が低減する。上述したように、1つの段からの吐出を、次の段の吸込と同時に起きるようにタイミングを取ることができ、それにより、全体的な流れを平滑化し、望ましくない圧力の変動を回避することができる。
【0071】
組立技法
図10は、本開示の別の実施形態によって構成された回転容積型システム1010の組立分解側面等角図である。システム1010は、組立コストおよび材料を低減する「リングおよびプレート(ring and plate)」技法を用いて組み立てられる。組立方法は、チャンバハウジング1018および外側ハウジング1050を円柱状部分に成形することを含む。これを、板材を圧延し溶接することを含む、さまざまな方法により、または材料を円柱形状に鍛造することによって行うことができる。ポート開口部1026を、チャンバハウジング1018を形成するために用いられる板材に事前に切断することができる。隔離体1045を成形するかまたはチャンバハウジング1018に結合して、結果として得られるシステム1010において通路間の分離をもたらすことができる。
【0072】
いくつかの実施形態では、本方法は、材料または構造、たとえば熱交換器、分配プレート、チャンバハウジング1018および/または外側ハウジング1050のうちの1つまたは複数をコーティングすることを含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、本方法は、耐腐食性のために、鋼等の構造材料の上にプラスチック等のコーティングをフレーム溶射することを含むことができる。他の実施形態では、硫化モリブデンまたはグラファイト等の乾燥潤滑剤を施すことができる。さらにまたは別法として、テフロン、エポキシまたはポリカーボネート等の低摩擦コーティングをいくつかの面に施してもよい。他の実施形態では、システム1010の1つまたは複数の要素に、セラミック材料をコーティングすることができる。本方法は、シャフト234、ロータ332、チャンバハウジング1018および外側ハウジング1050を軸方向に位置合せすることをさらに含むことができる。シャフト、ロータおよびチャンバハウジング1018は、外側ハウジング1050内で半径方向に入れ子になる。いくつかの多段実施形態では、シャフト234は、雄−雌スプライン特徴またはピン付きソケット継手等の分離可能な継手で嵌合されるいくつかの区分化された部分を備えている。特定の実施形態では、シャフトは中空であり得る。
【0073】
ロータ332、シャフト234およびチャンバハウジング1018が、外側ハウジング1050内で軸方向に位置合せされると、本方法は、外側ハウジング1050の第1軸方向側面1053に第1隔壁1062aを位置決めすることと、外側ハウジング1050の第2軸方向側面1055に第2隔壁1062bを位置決めすることをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第1隔壁1062aおよび第2隔壁1062bは、それぞれ第1隔壁直径および第2隔壁直径を有し、第1隔壁直径および第2隔壁直径は、外側ハウジング1050の直径および/またはチャンバハウジング1018の直径より大きい。隔壁1062a、1062bは、図6Cを参照し先により詳細に説明したように、1つまたは複数の流れ開口部682を含むことができる。
【0074】
組立方法は、複数の引張部材1096(多部品引張部材1096a、1096bおよび1096cとして識別される)により、第1隔壁1062aを第2隔壁1062bに接続し、それにより、第1隔壁1062aと第2隔壁1062bとの間に外側ハウジング1050を固定し、内部加圧可能空間を密閉することをさらに含むことができる。引張部材1096は、ロッドおよびボルト、ラッチ、締結具および/または他のコネクタを含むことができる。いくつかの実施形態では、引張部材1096は、第1隔壁1062aを、外側ハウジング1050の半径方向外側で第2隔壁1062bに固定する。隔壁1096を、外側ハウジング1050にさらに封止することができる。他の実施形態では、外側ハウジング1050はなくてもよく、隔壁1062を、チャンバハウジング1018の第1軸方向側面および第2軸方向側面に配置することができる。多段構造の場合、隣接する段は、内圧荷重の支持を支援する軸方向段の間のガスケットシールにより、共通の隔壁を共有することができる。引張部材1096によって圧縮されるガスケットまたはOリングシールは、頑強かつ取外し可能な継手をもたらすことができる。さらに、隔壁1062を、チャンバハウジング1018または外側ハウジング1050のうちの少なくとも一方に溶接するかまたは封止することができる。
【0075】
リングおよびプレート組立の実施形態は、容易な組立ておよび分解、ならびに内部空洞への迅速かつ直接の保守アクセスを含む、いくつかの利点を提供する。本設計の別の特徴は、モジュール式であり得るということである。たとえば、異なる段が同じかまたは同様の共通部品を使用することができ、それにより製造コストおよび機械加工コストを低減することができる。図6Bに示すものと同様の多段システムは、複数段に対して同一の穿孔およびシャフト開口部を有する同一の隔壁を組み込むことができる。いくつかの実施形態では、1つの段から次の段へ同様の圧力比を維持し、かつ空気をわずかな増分で圧縮または膨張させるために、段の長さは異なり得る。段の長さが異なるにも関らず、同じ工具および組立体を用いて、異なる段のチャンバハウジングおよび外側ハウジングの円柱を形成することができる。上述したモジュール式設計を用いて、段の数を容易に調整することができる。
【0076】
ブレイトンサイクル
上述した多くの回転容積型装置を、双方向圧縮機/膨張機システムに関連して説明したが、本明細書に開示する特徴および方法を、専用圧縮機および専用膨張機で同様に使用することができる。図11は、本開示の実施形態によって構成された専用圧縮機1176および専用膨張機1177を有する回転容積型システム1110の内部の等角図である。システム1110は、ブレイトンサイクル熱機関として使用されるように構成されており、そこでは、作動流体は、気体として圧縮され、加熱され、その後に膨張する。システム1110は、シャフト234に沿って軸方向に位置合わせされた、専用圧縮機1176、熱供給源1178および専用膨張機1177を含む。圧縮機1176、熱源1178および膨張機1177は、穿孔隔壁262または他のタイプの流体通路を通して流体連通することができる。いくつかの実施形態では、システム1110は、圧縮機および/または膨張機の複数の段を含む。
【0077】
個々の圧縮機1176および膨張機1177は、本明細書に記載する特徴のうちのいずれをも含むことができる。たとえば、図示する圧縮機1176は、入力ポートおよび吐出ポート(図11では見えない)を有する圧縮チャンバ1179と、シャフト234に回転可能に結合された二葉ロータ232と、低圧通路1116と、高圧通路1114と、熱交換器1158と、外側ハウジング250とを含む。圧縮機1176は、低圧通路1116からの流体を圧縮チャンバ1179内に導入するように構成され、圧縮チャンバ1179では、流体は圧縮され、その後高圧通路1114内に吐出される。圧縮機1176と一体的な熱交換器1158を、図6A〜図6Dを参照して上述したものと同様とすることができ、熱交換器1158は、多段圧縮機では、段間の流れを冷却することができ、圧縮プロセスの効率をさらに向上させる。いくつかの実施形態では、システム1110は、空気調和(たとえば、暖房および熱駆動冷房)のために圧縮中に発生する熱を分散させるように構成された熱分散システム、または流体分配器(図示せず)に接続されている。他の実施形態では、圧縮機1176は、三葉またはそれより多いローブのロータ、可変形状シール、先端広がり部、アキシャル型熱交換器または他の特徴等の別の特徴を有することができる。
【0078】
熱源1178は、実施形態毎に異なってもよい。たとえば、図示する実施形態における熱源1178は、複数の燃焼チャンバ1181を備えている。他の実施形態では、熱源1178は、単一燃焼チャンバであってもよい。熱源は、バイオマスあるいは石炭等の固形燃料、ガソリンあるいはディーゼル等の液体燃料、または天然ガスあるいは水素等の気体燃料を使用することができる。別の実施形態では、熱源1178は、1つまたは複数の熱交換器、たとえば上記図6A〜図6を参照して上述したタイプの熱交換器のいずれかを含むことができる。たとえば、熱源1178は、自動車エンジンまたは発電所ガスタービンの排気によって加熱される熱交換器流体による「廃熱回収」熱交換器を含むことができる。他の実施形態は、熱交換器およびそれに続く燃焼チャンバ等、2つ以上のタイプの熱源を含むことができる。いくつかの実施形態では、熱源1178は、圧縮機および膨張機と共通の外側ハウジングを共有する。熱源外側ハウジングを、明瞭にするために図11には示していない。
【0079】
膨張機1177を、圧縮機1176と構造的に同様または同一とすることができるが、ただし膨張機1177は、高圧通路からの流体を膨張チャンバ内に導入するように構成され、膨張チャンバでは、流体が膨張し、その後、低圧通路内に吐出される。一体型膨張機熱交換器は、多段膨張機において段の間の流体を加熱することができる。いくつかの実施形態では、膨張機1177は、軸方向長さLが圧縮機の軸方向長さLより長く、それにより、加熱流の体積の増大を可能にする。図示する実施形態では、圧縮機1176、熱供給源1178および膨張機1177は、軸方向に位置合せされるが、他の実施形態では、それらを半径方向にまたは他の方向に方向付けることができる。さらに、さまざまな実施形態において、圧縮機1176、熱供給源1178および/または膨張機1177は、共通のシャフト234を共有するかまたは別個のシャフトを有することができる。
【0080】
本明細書に開示する回転容積型装置のさまざまな実施形態は、多数の利点を提供し、そのうちのいくつかを、特定の特徴に関して上述した。二葉式および三葉式の実施形態は、さまざまな機構(たとえば可変形状シールおよび/または先端広がり部)を用いて、圧力調整チャンバと通路との間の逆止め弁を不要にする。これらシステムは、逆流状態およびいずれのポートも開放していない時間を低減するかまたはなくすことができる。これらの機構により、システムコストおよび複雑性も低減することができ、それにより初期システムコストおよび後の保守コストが低減する。上述した配置により、システムは、圧縮モードと膨張モードとの間でより迅速にかつ動的に交互になることも可能になる。さらに、装置のうちのいくつかにおいてポートサイズが相対的に大型であることにより、吸込ポートおよび排出ポートにおける圧力損が低減され、この場合もまた装置の全体的な効率が向上する。
【0081】
本明細書に開示する組立技法のうちのいくつかは、従来の技法に比較してコスト節減を提供する。これらのうちのいくつかとしては、材料要件を低減すること、コーティングにより材料耐久性を向上させること、部品および製造方法を共有すること、廃熱の有効な使用、ならびに組立および分解時間の低減が挙げられる。圧縮機および膨張機を単一の効率的な構造に結合し、各動作モードに対して、共通の熱交換器等、同じ内部構成要素を使用することにより、別個の圧縮機および膨張機を有する他の装置に比較してシステムコストが大幅に低減する。さらに、本明細書に開示した装置のうちのいくつかは、シャフトを介して電気モータに直接結合されて動作することができる。これにより、ギアボックスに関連するコストが低減するかまたはなくなり、システムの全体的な技術的複雑性が低減する。
【0082】
上述した特徴は、図1に示すように、エネルギーを貯蔵するとともに放出するために使用される圧縮機/膨張機システムに関連して特に有利であり得る。特に、上述した特徴により、断続的に、不連続に、または他の可変ベースでエネルギーを提供することができる供給源によって供給されるエネルギーを、貯蔵し放出するコストを低減することができる。たとえば、いくつかの再生可能なエネルギーサービス(たとえば、太陽エネルギーおよび風エネルギー)は、通常、非常に可変式にエネルギーを提供する。こうしたエネルギー源を使用するコストを効率的にかつ有効に低減するシステムおよび方法により、化石燃料の使用を低減することと、したがって地球温暖化およびエネルギーの海外依存度を低減することを含む、著しい利益をもたらすことができる。
【0083】
上述したことから、本技術の所定の実施形態を、例示の目的で本明細書において説明したが、本技術から逸脱することなくさまざまな変更を行うことができることが理解されよう。たとえば、本開示のいくつかの特徴を、双方向回転容積型システムに関連して説明している。先端広がり部、可変形状シール、一体型熱交換器、中空ロータ、組立技法、材料およびチャンバ/ロータ形状を含むこれらの特徴の多くを、双方向ではないシステムに関連して適用することができる。特定の実施形態では、これらの特徴および他の特徴を、専用圧縮機または膨張機システムに、かつ/または本明細書に記載したものと略同様の他の特徴を有するシステムに適用することができる。特定の実施形態では、特徴のうちのいくつかまたはすべてを、一体型熱交換器があってもなくても、二葉ロータおよび/あるいは3つ以上のローブを有するロータ、多段システム、ならびに/または並列吸込および出力配置に関して使用することができる。
【0084】
特定の実施形態に関して説明した技術の特定の態様を、他の実施形態で結合するかまたはなくしてもよい。たとえば、いくつかの実施形態は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含まなくてもよい。すなわち、先端ローラあるいは他の封止特徴、先端広がり部、可変形状シール、複数段、材料コーティング、リングおよびプレート組立技法、中空ロータまたは本明細書に開示した他の特徴である。さらに、いくつかの実施形態に関連する利点を、これらの実施形態に関連して説明したが、他の実施形態もまたこうした利点を示す場合があり、すべての実施形態が、本技術の範囲内にあるためにこうした利点を必ずしも示すとは限らない。したがって、本開示および関連技術は、本明細書に明示的に記載せずまたは示さない他の実施形態を包含することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記圧力調整チャンバ内に配置され、かつ2つ以下のローブを備えるロータであって、前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能であり、かつ、流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能であるロータと、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、(a)前記チャンバと前記第1通路との間および(b)前記チャンバと前記第2通路との間の流れを制御するために弁が配置されていないことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に配置され、かつ前記ロータが回転する際に前記ロータの前記ローブと封止可能に接触するように、変化する半径方向の広がりを有するシールをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記ロータが第1ロータを含み、前記圧力調整チャンバが第1圧力調整チャンバを含み、前記システムが、第2圧力調整チャンバ内に配置された第2ロータをさらに具備し、
前記第1ロータが第1ロータ向きを有し、前記第2ロータが第2ロータ向きを有し、前記第1ロータ向きが前記第2ロータ向きから右回りまたは左回りにずれており、
前記第2ロータが2つ以下のローブを備え、
前記第2ロータが、前記第1ロータと前記第1通路および前記第2通路を共有し、
前記第2ロータが、前記シャフトによって支持され、かつ前記第1ロータに並列に前記シャフトに対して回転可能であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1ポートおよび前記第2ポートのうちの少なくとも一方が、前記回転軸に対して略平行である前記チャンバハウジングの面に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に配置された可変形状シールをさらに具備し、
(a)前記チャンバと前記第1通路との間および(b)前記チャンバと前記第2通路との間の流れを制御するために弁が配置されておらず、
前記ロータおよび前記可変形状シールが、前記圧力調整チャンバをチャンバゾーンに分割し、個々のチャンバゾーンが、所与の時点に前記第1通路および前記第2通路のうちの一方のみと連通していることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のシステムにおいて、各ロータローブがローブ先端を含み、前記システムが、前記チャンバハウジングと個々のローブ先端との間に配置された先端封止部をさらに具備し、前記先端封止部が、回転する円柱、液体の薄膜および低摩擦コーティングのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、前記シャフトに結合されたコントローラであって、前記シャフトの回転方向を反転させることにより、前記第1モードでの動作と前記第2モードでの動作との間で前記ロータの向きを変えるように動作可能であるコントローラをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記第1通路および前記第2通路と流体連通する流体貯蔵器と、
前記シャフトに結合された電気モータ/発電機と、
をさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項10】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能であり、かつロータ周辺部を有するロータと、
前記第1ポートと前記第2ポートとの間で前記チャンバハウジングに結合され、かつ前記ロータ周辺部と封止可能に係合される可変形状シールと、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、(a)前記チャンバと前記第1通路との間および(b)前記チャンバと前記第2通路との間の流れを制御するために弁が配置されていないことを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記可変形状シールが、前記ロータの回転時に、後退位置と、前記圧力調整チャンバ内に半径方向に伸長する伸長位置との間で、半径方向に往復運動するように配置され、
前記可変形状シールが、前記可変形状シールを前記伸長位置に向けるばねを備え、
前記可変形状シールが、前記ロータのローブが前記可変形状シールに対して押圧すると、前記後退位置に向かって前進することを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項10に記載のシステムにおいて、前記可変形状シールの第1部分が、前記チャンバハウジングに固定結合され、前記可変形状シールの第2部分が、前記チャンバハウジングに対して円周方向に移動可能であることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項10に記載のシステムにおいて、前記第1ポートおよび前記第2ポートが、前記回転軸に対して略平行である前記チャンバハウジングの面に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項10に記載のシステムにおいて、
(a)前記チャンバと前記第1通路との間および(b)前記チャンバと前記第2通路との間の流れを制御するために弁が配置されておらず、
前記ロータが、流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能であり、
前記ロータおよび前記可変形状シールが、前記圧力調整チャンバを、前記第1通路と流体連通する第1チャンバゾーンと前記第2通路と流体連通する第2チャンバゾーンとに分割することを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記シャフトに結合されたコントローラであって、前記シャフトの回転方向を反転させることにより、前記第1モードでの動作と前記第2モードでの動作との間で前記ロータの向きを変えるように動作可能であるコントローラと、
前記シャフトに結合されたモータ、発電機、または一体とされたモータ/発電機のうちの少なくとも1つと、
をさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項17】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記圧力調整チャンバ内に配置され、かつ2つ以下のローブを備えるロータであって、前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能であり、かつ、流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能であるロータと、
前記第1通路および前記第2通路を介して前記圧力調整チャンバと流体連通する流体貯蔵空間と、
前記シャフトに結合されたコントローラであって、実行されると前記シャフトの回転方向を反転させる命令によってプログラムされているコントローラと、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記第1ポートと前記第2ポートとの間に配置され、かつ前記ロータが回転すると前記ロータの前記ローブと封止可能に接触するように変化する半径方向の広がりを有するシールをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項18に記載のシステムにおいて、前記シールおよび前記ロータが、前記ローブの数に1を足した数に等しい数のゾーンを前記圧力調整チャンバ内に形成することを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項17に記載のシステムにおいて、(a)前記チャンバと前記第1通路との間および(b)前記チャンバと前記第2通路との間の流れを制御するために弁が配置されていないことを特徴とするシステム。
【請求項21】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記シャフトに結合されたモータ、発電機、または一体とされたモータ/発電機のうちの少なくとも1つをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項22】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記流体貯蔵空間が、地質構造、水中貯蔵容器または高圧タンクを含むことを特徴とするシステム。
【請求項23】
請求項17に記載のシステムにおいて、前記コントローラが、実行されると、エネルギー供給レベルに対応する第1入力およびエネルギー需要レベルに対応する第2入力に少なくとも部分的に基づいて、前記シャフトの回転方向を反転させる命令をさらに含むことを特徴とするシステム。
【請求項24】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記圧力調整チャンバ内に配置され、かつ複数のローブを備えるロータであって、
個々のローブが、前記ローブの半径方向最外部に先端を含み、
前記先端が先端円周方向長さを有し、
前記ロータが、前記先端に近接して結合されかつそこから円周方向に延在する先端広がり部を含み、
前記先端広がり部が、前記先端円周方向長さより大きい先端広がり部円周方向長さを有し、
前記ロータが、前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能である、ロータと、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項25】
請求項24に記載のシステムにおいて、前記ロータが、流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能であることを特徴とするシステム。
【請求項26】
請求項24に記載のシステムにおいて、前記先端広がり部が可撓性アームを備えることを特徴とするシステム。
【請求項27】
請求項24に記載のシステムにおいて、
前記第1ポートが第1ポート円周方向長さを有し、
前記第2ポートが第2ポート円周方向長さを有し、
前記先端広がり部円周方向長さが、前記第1ポート円周方向長さおよび前記第2ポート円周方向長さの各々より大きいかまたは等しいことを特徴とするシステム。
【請求項28】
請求項24に記載のシステムにおいて、前記先端広がり部が、前記ローブに枢動可能に結合されたアームを含むことを特徴とするシステム。
【請求項29】
請求項24に記載のシステムにおいて、(a)前記チャンバと前記第1通路との間および(b)前記チャンバと前記第2通路との間の流れを制御するために弁が配置されていないことを特徴とするシステム。
【請求項30】
請求項24に記載のシステムにおいて、
前記先端広がり部が第1先端広がり部を含み、前記ロータが、第2先端広がり部および第3先端広がり部をさらに含み、各先端広がり部が個々の先端に結合されており、
(a)前記チャンバと前記第1通路との間および(b)前記チャンバと前記第2通路との間の流れを制御するために弁が配置されていないことを特徴とするシステム。
【請求項31】
請求項24に記載のシステムにおいて、
前記シャフトに結合されたモータ、発電機、または一体とされたモータ/発電機のうちの少なくとも1つと、
前記シャフトに結合されたコントローラであって、前記シャフトの回転方向を反転させることにより、前記第1モードでの動作と前記第2モードでの動作との間で前記ロータの向きを変えるように動作可能であるコントローラと、
前記第1通路および前記第2通路と流体連通する流体貯蔵器であって、前記シャフトの前記回転方向が、前記貯蔵器と前記第1通路および前記第2通路との間の流体流を制御する、流体貯蔵器と、
さらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項32】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記圧力調整チャンバ内に配置されたロータであって、流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能であるロータと、
前記圧力調整チャンバの外側に配置され、かつ前記第1通路または前記第2通路のうちの少なくとも一方と流体連通する熱交換器と、
内面および外面を有する圧力容器であって、前記チャンバハウジング、前記第1通路、前記第2通路および前記熱交換器を少なくとも部分的に包囲し、さらに、前記圧力容器の前記内面が、前記システムを流れる作動流体と接触するように配置される、圧力容器と、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項33】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記ロータが第1ロータを含み、前記圧力調整チャンバが第1圧力調整チャンバを含み、前記第1ロータおよび前記圧力調整チャンバが第1段を含み、
第1ポートおよび第2ポートを備えた第2圧力調整チャンバと、
第2ロータと、
を備える第2段と、
前記第1段と前記第2段との間に軸方向に配置された隔壁と、
前記第1段の前記第2ポートを前記熱交換器に流体接続する第1通路と、
前記熱交換器を前記第2段の前記第1ポートに流体接続する第2通路と、
をさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項34】
請求項33に記載のシステムにおいて、前記第1段が第1軸方向長さを有し、前記第2段が、前記第1軸方向長さとは異なる第2軸方向長さを有することを特徴とするシステム。
【請求項35】
請求項33に記載のシステムにおいて、前記第1段の前記第1ポートおよび前記第2段の前記第1ポートが、右回りまたは左周りに円周方向にずれていることを特徴とするシステム。
【請求項36】
請求項33に記載のシステムにおいて、前記熱交換器が、前記第1段と前記第2段との間に軸方向に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項36に記載のシステムにおいて、複数の開口部を有する分配プレートであって、前記第1段チャンバハウジングと前記熱交換器との間に軸方向に配置されている分配プレートをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記熱交換器が、前記チャンバハウジングと前記圧力容器との間に半径方向に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記熱交換器が相変化熱交換器を含むことを特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項32に記載のシステムにおいて、前記第1通路および前記第2通路のうちの少なくとも一方に結合されたコントローラであって、前記シャフトの回転方向を反転させることにより、前記第1モードでの動作と前記第2モードでの動作との間で前記ロータの向きを変えるように動作可能であるコントローラをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項41】
請求項32に記載のシステムにおいて、
前記熱交換器が、前記チャンバハウジングから外側に半径方向に配置されており、
前記第1ポートおよび前記第2ポートのうちの少なくとも一方が、(a)前記回転軸に略平行である前記チャンバハウジングの面に配置されおり、(b)前記チャンバと前記熱交換器との間に流体連通を提供することを特徴とするシステム。
【請求項42】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記圧力調整チャンバ内に配置されたロータであって、流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能であるロータと、
前記第1通路および前記第2通路のうちの少なくとも一方と流体連通し、前記圧力調整チャンバの外側に配置された熱交換器と、
内面および外面を有する圧力容器であって、前記チャンバハウジング、前記第1通路、前記第2通路および前記熱交換器を少なくとも部分的に包囲し、さらに、前記圧力容器の前記内面が、前記システムを流れる作動流体と接触するように配置される、圧力容器と、
前記第1通路および前記第2通路のうちの少なくとも一方に結合されたコントローラであって、前記シャフトの回転方向を反転させることにより、前記第1モードでの動作と前記第2モードでの動作との間で前記ロータの向きを変えるように動作可能であるコントローラと、
前記第1通路および前記第2通路と流体連通している流体貯蔵器であって、前記シャフトの前記回転方向が、前記貯蔵器と前記第1通路および前記第2通路との間の流体流を制御する、流体貯蔵器と、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項43】
請求項42に記載のシステムにおいて、前記熱交換器が、前記チャンバハウジングと前記圧力容器との間に軸方向に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項44】
請求項42に記載のシステムにおいて、
前記ロータが第1ロータを含み、前記圧力調整チャンバが第1圧力調整チャンバを含み、
前記第1ロータおよび前記圧力調整チャンバが第1段を含み、
前記システムが、
第1ポートおよび第2ポートを備えた第2圧力調整チャンバと、
第2ロータと、
を備える第2段と、
前記第1段と前記第2段との間に軸方向に配置された隔壁と、
前記第1段の前記第2ポートを前記熱交換器に流体接続する第1通路と、
前記熱交換器を前記第2段の前記第1ポートに流体接続する第2通路と、
をさらに具備し、
前記熱交換器が、前記第1段と前記第2段との間に軸方向に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項45】
請求項42に記載のシステムにおいて、前記流体貯蔵器が、地質構造、水中貯蔵容器または高圧タンクを含むことを特徴とするシステム。
【請求項46】
請求項42に記載のシステムにおいて、前記シャフトに結合されたモータ、発電機、または一体とされたモータ/発電機のうちの少なくとも1つをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項47】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記圧力調整チャンバ内に配置されるロータであって、
前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能であり、
流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能である、ロータと、
を具備し、
前記ロータが1つまたは複数の内部空洞を備えることを特徴とする回転容積型システム。
【請求項48】
請求項47に記載のシステムにおいて、個々のロータ空洞内に配置された充填材料をさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項49】
請求項47に記載のシステムにおいて、前記ロータが溶接された板を備えることを特徴とするシステム。
【請求項50】
請求項47に記載のシステムにおいて、
前記ロータがロータ枠を備え、
前記ロータがロータ体積を占有し、
前記ロータ枠が、前記ロータ体積の約5パーセント以下を占有することを特徴とするシステム。
【請求項51】
請求項47に記載のシステムにおいて、前記内部空洞が、前記チャンバに流体を向かわせるように配置されたポートを含むことを特徴とするシステム。
【請求項52】
請求項47に記載のシステムにおいて、前記ロータ内に配置された補強構造をさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項53】
回転容積型装置を動作させる方法において、
作動流体を、入力ポートを介して通路から回転チャンバに導入するステップと、
前記回転チャンバ内に複数のローブを備えたロータを支持するシャフトを回転させることにより、前記回転チャンバ内で前記作動流体を圧縮するかまたは膨張させるステップと、
ノズルを介して注入流体を前記回転チャンバ内に注入するステップと、
前記注入流体を燃焼することなく、前記注入流体と前記作動流体との間で熱を伝達するステップと、
出口ポートを介して、前記回転チャンバから前記作動流体および前記注入流体を吐出するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法において、前記注入流体を前記回転チャンバ内に注入するステップが、前記入力ポート、前記ロータの流体ポートまたは前記回転チャンバの流体ポートのうちの少なくとも1つを通して流体を注入することを含むことを特徴とする方法。
【請求項55】
請求項53に記載の方法において、前記回転チャンバから前記注入流体を抽出するステップが、前記チャンバから前記注入流体を除去することと、前記注入流体を熱貯蔵器に貯蔵することを含むことを特徴とする方法。
【請求項56】
請求項53に記載の方法において、前記注入流体を前記回転チャンバ内に注入するステップが、霧を注入することを含むことを特徴とする方法。
【請求項57】
請求項53に記載の方法において、
前記作動流体の温度、前記注入流体の温度、前記作動流体の圧力または前記作動流体の流量のうちの1つまたは複数を検知するステップと、
前記検知に基づいて、前記注入流体の体積、圧力、量または温度特性を調整するステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項58】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記圧力調整チャンバ内に配置されたロータであって、前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能であり、かつ、流れが、前記第2通路から前記チャンバを介して前記第1通路に提供される第1モードと、流れが、前記第1通路から前記チャンバを介して前記第2通路に提供される第2モードとで交互に動作可能である、ロータと、
前記チャンバハウジングの少なくとも一部、前記第1通路および前記第2通路の周囲に配置された断熱材と、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項59】
請求項58に記載のシステムにおいて、前記断熱材がガラス繊維充填材を含むことを特徴とするシステム。
【請求項60】
請求項58に記載のシステムにおいて、前記断熱材が空隙断熱材を含むことを特徴とするシステム。
【請求項61】
請求項58に記載のシステムにおいて、前記断熱材によって少なくとも部分的に包囲された熱交換器をさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項62】
請求項56に記載のシステムにおいて、内面および外面を有する圧力容器をさらに具備し、
前記圧力容器が、前記チャンバハウジング、前記第1通路および前記第2通路を少なくとも部分的に包囲し、
前記断熱材が、前記圧力容器の前記外面の少なくとも一部の周囲に配置されることを特徴とするシステム。
【請求項63】
回転容積型装置を動作させる方法において、
第1通路から圧力調整チャンバに、前記第1通路と前記圧力調整チャンバとの間で弁を作動させることなく、第1ポートを介して第1体積の作動流体を導入するステップと、
前記チャンバ内でロータを、シャフトを中心に第1回転方向に回転させ、それにより前記チャンバ内で前記第1体積の作動流体を圧縮するステップであって、前記ロータが3つ以下のローブを有する、ステップと、
個々のロータローブを、前記チャンバハウジングの内壁と封止可能に係合させるステップと、
前記第1体積の作動流体を前記チャンバから第2ポートを介して第2通路に吐出するステップと、
前記第2通路から前記圧力調整チャンバに、前記第2通路と前記圧力調整チャンバとの間で弁を作動させることなく、前記第2ポートを介して第2体積の作動流体を導入するステップと、
前記チャンバ内で前記ロータを、前記第1方向とは反対の第2回転方向に回転させ、それにより前記チャンバ内で前記第2体積の作動流体を膨張させるステップと、
前記第2体積の作動流体を前記チャンバから前記第1ポートを介して前記第1通路に吐出するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項64】
請求項63に記載の方法において、前記回転容積型装置の動作中に生成される熱を伝達するかまたは貯蔵するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項65】
請求項63に記載の方法において、個々のロータローブを前記内壁に封止可能に係合させるステップが、前記個々のローブによって支持される先端ローラを係合させることを含むことを特徴とする方法。
【請求項66】
請求項63に記載の方法において、個々のロータローブを前記内壁に封止可能に係合させるステップが、前記個々のローブによって支持される先端広がり部を係合させることを含むことを特徴とする方法。
【請求項67】
請求項63に記載の方法において、前記ロータが前記シャフトを中心に回転する際に、前記ロータを動的に係合させるように、可変形状シールを往復運動させるステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項68】
請求項63に記載の方法において、
前記第1体積の作動流体を、前記第1通路および前記第2通路と流体連通する流体貯蔵器に貯蔵するステップと、
前記第1通路および前記第2通路における圧力を制御することにより、前記ロータの前記回転方向の向きを変えるステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項69】
請求項63に記載の方法において、
エネルギー供給レベルに関する情報をコントローラに送出するステップと、
エネルギー需要レベルに関する情報を前記コントローラに送出するステップと、
前記コントローラを使用して、前記シャフトの前記回転方向を反転させる命令を実行するステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項70】
請求項63に記載の方法において、前記第2体積の作動流体を加熱するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項71】
第1ポートおよび第2ポートを備えた圧力調整チャンバを有するチャンバハウジングであって、半径方向直径、第1軸方向側面および第2軸方向側面を有するチャンバハウジングと、
前記第1ポートを介して前記チャンバと流体連通する第1通路と、
前記第2ポートを介して前記チャンバと流体連通する第2通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能であるロータと、
第1隔壁プレートおよび第2隔壁プレートであって、前記第1隔壁プレートが、前記チャンバハウジングの前記第1側面に軸方向に隣接して配置され、前記第2隔壁プレートが、前記チャンバハウジングの前記第2側壁に軸方向に隣接して配置される、第1隔壁プレートおよび第2隔壁プレートと、
前記第1隔壁プレートを前記第2隔壁プレートに固定する複数のコネクタと、
を具備することを特徴とする回転容積型システム。
【請求項72】
請求項71に記載のシステムにおいて、
前記第1隔壁プレートが第1直径を有し、前記第2隔壁プレートが第2直径を有し、
前記第1隔壁直径および前記第2隔壁直径が、前記チャンバハウジング直径より大きいことを特徴とするシステム。
【請求項73】
請求項71に記載のシステムにおいて、前記コネクタがボルトを含むことを特徴とするシステム。
【請求項74】
請求項71に記載のシステムにおいて、前記チャンバハウジング、前記第1通路および前記第2通路を包囲する外側ハウジングをさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項75】
回転容積型装置を製造する方法において、
シート状の材料を円柱状外側ハウジングに成形するステップであって、前記外側ハウジングが、外側ハウジング直径、第1軸方向側面および第2軸方向側面を有する、ステップと、
前記外側ハウジング内で、チャンバハウジング、軸方向に位置合せされたシャフトおよびロータを入れ子にするステップと、
第1隔壁を、前記外側ハウジングの前記第1軸方向側面に隣接して、かつ第2隔壁を前記外側ハウジングの前記第2軸方向側面に隣接して、軸方向に配置するステップであって、前記第1隔壁が第1隔壁直径を有し、前記第2隔壁が第2隔壁直径を有し、前記第1隔壁直径および前記第2隔壁直径が前記外側ハウジング直径より大きい、ステップと、
前記第1隔壁を前記第2隔壁に複数の引張部材によって接続することにより、前記外側ハウジングを、前記第1隔壁と前記第2隔壁との間に固定するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項76】
請求項75に記載の方法において、シート状の材料を円柱状外側ハウジングに成形するステップが、前記シートを圧延し溶接して円柱形状にすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項77】
請求項75に記載の方法において、前記ロータ、前記シャフト、前記隔壁、前記チャンバハウジングまたは前記外側ハウジングのうちの少なくとも1つを、耐熱性、耐腐食性または耐摩擦性材料で少なくとも部分的にコーティングするステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項78】
請求項75に記載の方法において、前記第1隔壁または前記第2隔壁の少なくとも一方を前記外側ハウジングに溶接または封止するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項79】
請求項75に記載の方法において、前記外側ハウジング内に前記ロータを入れ子にするステップが、実質的に中空の内部を有するロータを入れ子にすることを含むことを特徴とする方法。
【請求項80】
請求項75に記載の方法において、前記第1隔壁および前記第2隔壁を前記外側ハウジングに封止することにより流体密封圧力容器を形成するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項81】
第1入力ポートおよび第1吐出ポートを備えた第1圧力調整チャンバを有する第1チャンバハウジングと、
前記第1入力ポートを介して前記第1チャンバと流体連通する第1低圧通路と、
前記第1吐出ポートを介して前記第1チャンバと流体連通する第1高圧通路であって、(a)前記第1チャンバと前記第1低圧通路との間および(b)前記第1チャンバと前記第1高圧通路との間の流れを制御するために弁が配置されていない、第1高圧通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能である第1シャフトと、
前記第1圧力調整チャンバ内で前記第1シャフトによって支持されるとともに前記第1シャフトに対して回転可能な第1多葉ロータと、
を有する回転式圧縮機と、
前記回転式圧縮機と流体連通する熱源と、
前記熱源と流体連通する回転式膨張機であって、
第2入力ポートおよび第2吐出ポートを備えた第2圧力調整チャンバを有する第2チャンバハウジングと、
前記第2入力ポートを介して前記第2チャンバと流体連通する第2高圧通路と、
前記第2吐出ポートを介して前記第2チャンバと流体連通する第2低圧通路であって、(a)前記第2チャンバと前記第2低圧通路との間および(b)前記第2チャンバと前記第2高圧通路との間の流れを制御するために弁が配置されていない、第2低圧通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能である第2シャフトと、
前記第2圧力調整チャンバ内で前記第2シャフトによって支持されるとともに前記第2シャフトに対して回転可能な第2多葉ロータと、
を有する回転式膨張機と、
を具備することを特徴とするエンジンシステム。
【請求項82】
請求項81に記載のシステムにおいて、前記熱源が熱交換器であることを特徴とするシステム。
【請求項83】
請求項82に記載のシステムにおいて、前記システム熱交換器が、相変化熱交換器、フィン付き管熱交換器またはガス−ガス熱交換器のうちの少なくとも1つであることを特徴とするシステム。
【請求項84】
請求項81に記載のシステムにおいて、前記圧縮機または前記膨張機のうちの少なくとも一方と流体連通する流体分配器をさらに具備することを特徴とするシステム。
【請求項85】
請求項81に記載のシステムにおいて、前記第1シャフトが共通シャフトの第1部分を含み、前記第2シャフトが前記共通シャフトの第2部分を含むことを特徴とするシステム。
【請求項86】
第1入力ポートおよび第1吐出ポートを備えた第1圧力調整チャンバを有する第1チャンバハウジングと、
前記第1入力ポートを介して前記第1チャンバと流体連通する第1高圧通路と、
前記第1吐出ポートを介して前記第1チャンバと流体連通する第1低圧通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能であるシャフトと、
前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能な第1多葉ロータと、
を備える回転式圧縮機であって、個々の第1ロータローブから円周方向に延在する第1先端広がり部か、または前記第1チャンバハウジング内の前記第1入力ポートと前記第1吐出ポートとの間に配置された第1可変形状シールのうちの少なくとも一方をさらに備える回転式圧縮機と、
前記回転式圧縮機と流体連通する熱源と、
前記熱源と流体連通し、
第2入力ポートおよび第2吐出ポートを備えた第2圧力調整チャンバを有する第2チャンバハウジングと、
前記第2入力ポートを介して前記第2チャンバと流体連通する第2低圧通路と、
前記第2吐出ポートを介して前記第2チャンバと流体連通する第2高圧通路と、
前記チャンバハウジング内に配置され、かつ前記チャンバハウジングに対して回転軸を中心に回転可能である第2シャフトと、
前記シャフトによって支持されるとともに前記シャフトに対して回転可能な第2多葉ロータと、
を備える回転式圧縮機であって、個々の第2ロータローブから円周方向に延在する第2先端広がり部か、または前記第2チャンバハウジング内の前記第2入力ポートと前記第2吐出ポートとの間に配置された第2可変形状シールのうちの少なくとも一方をさらに備える回転式膨張機と、
を具備することを特徴とするエンジンシステム。
【請求項87】
請求項86に記載のシステムにおいて、前記熱源が熱交換器を含むことを特徴とするシステム。
【請求項88】
請求項86に記載のシステムにおいて、前記熱源が燃焼器を含むことを特徴とするシステム。
【請求項89】
請求項88に記載のシステムにおいて、前記燃焼器が、前記圧縮機と前記膨張機との間に軸方向に配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項90】
請求項86に記載のシステムにおいて、前記熱源が、前記回転式圧縮機および前記回転式膨張機の外側の熱源に結合された廃熱回収ユニットを含むことを特徴とするシステム。
【請求項91】
請求項86に記載のシステムにおいて、前記第1ロータが2つ以下のローブを有し、前記第2ロータが2つ以下のローブを有することを特徴とするシステム。
【請求項92】
請求項86に記載のシステムにおいて、前記第1シャフトが共通シャフトの第1部分を含み、前記第2シャフトが前記共通シャフトの第2部分を含むことを特徴とするシステム。
【請求項93】
回転容積型装置を動作させる方法において、
第1通路から第1ポートを介して圧力調整チャンバに第1体積の作動流体を導入するステップと、
前記チャンバ内でロータを、シャフトを中心に第1回転方向に回転させ、それにより前記第1体積の作動流体を圧縮するステップであって、前記ロータが2つのローブを有する、ステップと、
個々のロータローブを、前記チャンバの内壁と封止可能に係合させるステップと、
前記第1体積の作動流体を前記チャンバから第2ポートを介して第2通路に吐出するステップと、
前記第2通路から前記第2ポートを介して前記圧力調整チャンバに第2体積の作動流体を導入するステップと、
前記チャンバ内で前記ロータを、前記第1方向とは反対の第2回転方向に回転させ、それにより前記第2体積の作動流体を膨張させるステップと、
前記第2体積の作動流体を前記チャンバから前記第1ポートを介して前記第1通路に吐出するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項94】
請求項93に記載の方法において、
前記第1通路から前記圧力調整チャンバに前記第1体積の作動流体を導入するステップが、前記第1通路と前記圧力調整チャンバとの間で弁を作動させることなく前記1体積の作動流体を導入することを含み、
前記第2通路から前記圧力調整チャンバに前記第2体積の作動流体を導入するステップが、前記第2通路と前記チャンバとの間で弁を作動させることなく前記第2体積を導入することを含むことを特徴とする方法。
【請求項95】
請求項93に記載の方法において、個々のロータローブを前記内壁に封止可能に係合させるステップが、前記個々のローブによって支持される先端ローラを係合させることを含むことを特徴とする方法。
【請求項96】
請求項93に記載の方法において、前記第1通路から前記圧力調整チャンバに前記第1体積の作動流体を導入するステップが、第1体積の作動流体を、可変形状シールによって少なくとも部分的に境界が画された前記チャンバの第1ゾーン内に導入することを含むことを特徴とする方法。
【請求項97】
請求項93に記載の方法において、
前記圧力調整チャンバを複数のチャンバゾーンに分割するステップであって、少なくとも1つのチャンバゾーンが、可変形状シールによって少なくとも部分的に境界が画される、ステップと、
前記可変形状シールを、後退位置と、前記可変形状シールが前記圧力調整チャンバ内に半径方向に伸長する伸長位置との間で、回転ロータに接触することにより軸方向に往復運動させるステップ
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項98】
請求項93に記載の方法において、
エネルギー供給レベルに対応する第1情報をコントローラに送信するステップと、
エネルギー需要レベルに対応する第2情報を前記コントローラに送信するステップと、
前記第1情報および前記第2情報に少なくとも部分的に基づいて、前記シャフトの前記回転方向を反転させるコントローラベースの命令を実行するステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項99】
回転容積型装置を動作させる方法において、
第1通路から第1ポートを介して圧力調整チャンバに第1体積の作動流体を導入するステップと、
前記チャンバ内でロータを、シャフトを中心に第1回転方向に回転させ、それにより前記第1体積の作動流体を圧縮するステップと、
前記第1体積の作動流体を前記チャンバから第2ポートを介して第2通路に吐出するステップと、
前記第2通路から前記第2ポートを介して前記圧力調整チャンバに第2体積の作動流体を導入するステップと、
前記チャンバ内で前記ロータを、前記第1方向とは反対の第2回転方向に回転させ、それにより前記第2体積の作動流体を膨張させるステップと、
前記第2体積の作動流体を前記チャンバから前記第1ポートを介して前記第1通路に吐出するステップと、
前記第1体積の作動流体および前記第2体積の作動流体のうちの少なくとも一方を、熱交換器および前記圧力調整チャンバを少なくとも部分的に包囲する圧力容器内に向かわせるステップと、
前記圧力調整チャンバの外側にかつ前記圧力容器内に配置された前記熱交換器において、前記熱交換器内の熱交換器流体と、前記第1体積の作動流体および前記第2体積の作動流体のうちの少なくとも一方との間で、熱を伝達するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項100】
請求項99に記載の方法において、前記回転容積型装置の動作中に生成される熱を貯蔵するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項101】
請求項99に記載の方法において、前記熱交換器流体と前記第1体積の作動流体および前記第2体積の作動流体のうちの少なくとも一方との間で熱を伝達するステップが、
前記第1体積の作動流体から前記熱交換器流体に熱を伝達することと、
前記熱交換器流体から前記第2体積の作動流体に熱を伝達することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項102】
請求項99に記載の方法において、圧力調整チャンバに第1体積の作動流体を導入するステップが、第1体積の作動流体を第1圧力調整チャンバに導入することを含み、ロータを回転させるステップが第1ロータを回転させることを含み、
前記第1体積の作動流体を前記第2通路から半径方向外側に前記熱交換器内に吐出するステップと、
前記熱交換器において前記第1体積の作動流体からの熱を前記熱交換器流体に伝達するステップと、
前記第1体積の作動流体を第2圧力調整チャンバに導入するステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項103】
請求項99に記載の方法において、圧力調整チャンバに第1体積の作動流体を導入するステップが、第1体積の作動流体を第1圧力調整チャンバに導入することを含み、ロータを回転させるステップが第1ロータを回転させることを含み、
前記第1体積の作動流体を前記第2通路から軸方向に前記熱交換器内に吐出するステップと、
前記熱交換器において前記第1体積の作動流体からの熱を前記熱交換器流体に伝達するステップと、
前記第1体積の作動流体を第2圧力調整チャンバに導入するステップであって、前記第2圧力調整チャンバが、前記第1圧力調整チャンバおよび前記熱交換器と軸方向に位置合せされる、ステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項104】
請求項99に記載の方法において、
エネルギー供給レベルに対応する第1情報をコントローラに送信するステップと、
エネルギー需要レベルに対応する第2情報を前記コントローラに送信するステップと、
前記第1情報および前記第2情報に少なくとも部分的に基づいて、前記シャフトの前記回転方向を反転させるコントローラベースの命令を実行するステップと、
をさらに含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−521433(P2013−521433A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556190(P2012−556190)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2011/026762
【国際公開番号】WO2011/109449
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(512072979)ブライト エナジー ストレージ テクノロジーズ,エルエルピー. (2)
【氏名又は名称原語表記】Bright Energy Storage Technologies,LLP.