説明

回転式工具

【課題】動作を停止させることになる対象部材までの距離の設定変更を容易とする。
【解決手段】対象物体までの距離を測定する距離センサー3と、該距離センサー3からの距離情報と所定値との比較結果に基づいて作動中のモータ2を停止させる制御手段8とを備える。また、上記所定値を記憶する記憶手段80と、この記憶手段が記憶する所定値を距離センサー3の現在出力値で書き換える書き換え手段とを備える。モータを停止させる対象部材までの距離を実際に作業を行ってみた時点での距離とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ締めや孔明けに用いられる回転式工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドライバービットが装着されてねじ締めに用いられる回転式工具に、ねじ締めの対象部材までの距離を測定する測距手段を設けて、ねじ締め作業中に測距手段で測定される距離が予め決められた所定距離となれば、ねじが着座したとみなして回転式工具の動作を止めてしまうものが特開2003−136419号公報(特許文献1)に示されている。
【0003】
また上記公報には、測距手段を複数設けてこれら測距手段で測定される距離に差がある時は、回転式工具が傾いていると判断して警告を出力することも示されている。
【0004】
ところで、ドライバービットはその長さが一定ではなく、用途によって長さの異なるビットを使用することがある。また、測距手段による着座検知機能は、ドリルビットを使用して孔明けを行う時、対象部材をドリルビットが貫通した時点で動作を停止させたり、孔の深さが所定値になれば動作を停止させることもできるが、対象部材の厚みや明けたい孔の深さは一定ではない。しかも、ドリルビットの長さはその径によって異なる。
【0005】
このために着座や孔明け完了に伴って動作を停止させることを測距手段を用いて行う場合、動作を停止させることになる対象部材までの距離の設定変更を容易に行えるものでなくては実用に供することができない。
【特許文献1】特開2003−136419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて発明したものであって、その目的とするところは動作を停止させることになる対象部材までの距離の設定変更を容易に行うことができる回転式工具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本発明に係る回転式工具は、対象物体までの距離を測定する距離センサーと、該距離センサーからの距離情報と所定値との比較結果に基づいて作動中のモータを停止させる制御手段とを備えている回転式工具において、上記所定値を記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する所定値を距離センサーの現在出力値で書き換える書き換え手段とを備えていることに特徴を有している。
【0008】
モータを停止させる対象部材までの距離を実際に作業を行ってみた時点での距離とすることができるものである。
【0009】
上記制御手段は、距離センサーからの距離情報及び所定値に基づいてモータの回転数を制御するものであると、停止だけでなく、回転数の制御も行うことができるために、孔明け作業などに更に好適なものとなる。
【0010】
また、書き換え手段は設定操作がなされた時点の距離センサーの現在出力値で所定値を書き換えるものであると、書き換える値を常に適切なものとすることができる。
【0011】
また、対象物体までの距離を複数箇所で測定する距離センサーを備えて、制御手段が距離センサーによる複数の距離情報に基づいて傾きを判定する傾き判定部を備えていると、距離センサーの出力に基づくモータ停止をより正確に行うことができる。
【0012】
この場合、単一の距離センサーが工具本体に対して距離測定の位置を可変として配設されているものであってもよい。必要とする距離センサーの数を少なくすることができるためにコストを下げることができる。
【0013】
記憶手段が記憶する所定値との比較によるモータ停止動作をオフとする解除手段を備えたものとすれば、モータの自動停止動作が好ましくない場合にも対応することができる。
【0014】
この場合、解除手段は、設定操作がなされた時点での距離センサの現在出力値が予め設定された第2の所定値より大である場合にオフとするものであると、設定操作のためのスイッチで解除手段を兼用することができる。
【0015】
距離センサーの温度を検出する温度センサーを備えて、温度センサーの出力値に応じて距離センサーの出力値を補正する温度補償手段を備えていれば、距離センサーが工具本体内にあって動力であるモータや減速ギアの発熱の影響を受けやすい場合にも正確な距離測定を行うことができる。
【0016】
また、制御手段は動力である正逆転自在のモータの逆転時には距離情報と所定値との比較によるモータ停止動作をオフとするものであると、モータを逆転させる場合、つまりはねじを外したりする場合に解除操作を必要としなくなる。
【0017】
さらに、対象物体にねじ込まれるビスの頭部の着座を検出する着座検出手段を備えているとともに、制御手段は着座検出手段を有効とするとともに着座検出手段による着座検出でモータを停止させる時、比較する所定値を予め設定されたオフセット値を加えた値とするものであると、所要の締め付けカが必要な作業を確実に行うことができるとともに、着座が検出できない場合でも、所定値にオフセット値を加えた距離のところでモータが停止するために、ビスがめり込み過ぎたりすることがないものとなる。
【0018】
対象物体までの距離を複数箇所で測定する距離センサーを備えたものにおいては、制御手段は距離センサーによる複数の距離情報の平均値を対象物体までの距離としたり、複数の距離情報のうちの最短の距離情報を対象物体までの距離とすればよい。
【0019】
あるいは複数の距離情報のうちの少なくとも1つが予め設定された第3の所定値をより大である場合に他の距離センサーの距離情報を対象物体までの距離とするものであってもよい。この場合、1個の距離センサーが対象物体の端になって距離センサーの出力値が実際の対象物体までの距離を示すものではない場合にも、作業を行うことができる。
【0020】
記憶手段が記憶する所定値を、距離センサーの出力値にオフセット値を加えたものとするオフセット値付加手段を備えたものとするのも好ましい。ビス頭を対象物体に所定量だけめり込ませたい場合や、ドリル作業で対象物体を貫通させたくない場合などにも適用することができる。なお、前者の場合のオフセット値の調整範囲は数mm程度が適当であり、調整分解能としては0.1〜1mm程度がよく、後者の場合のオフセット値の調整範囲は数cm程度が適当で、調整分解能としてはmm単位程度がよい。ここにおけるオフセット値付加手段としては、その回転でオフセット値を変化させる調整ダイアルを好適に用いることができるほか、表示部に表示されるオフセット値をアップダウンキーで変更することができるものを好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、記憶手段が記憶する所定値を距離センサーの現在出力値で書き換えることができるために、実際に作業を行ってみた時点で上記書き換えを行うだけで、モータを停止させることになる距離を実際の作業に即したものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図2は本発明に係る回転式工具を、図3はその回路ブロック図を示しており、胴部とグリップ部とを備える本体1はその胴部内に動力源としてのモータ2と、モータ2の回転出力を減速する減速部20と、回転打撃発生部21とを内蔵している。この回転打撃発生部21は、低負荷時には工具ビット23が装着されるチャック22を単に回転させ、負荷が大きくなれば回転方向の打撃衝撃を加えるものであるが、この構成については周知のものを用いることができるために、ここでは説明を省略する。
【0023】
また、グリップ部の前面にはトリガスイッチ11を配しており、グリップ部内には電源である電池とモータ駆動用スイッチング素子である駆動FETブロック12を内蔵している。またグリップ部下端の電池収納部の前部上面には設定スイッチ6を設けている。
【0024】
そして本体1の胴部には複数個の距離センサー3と、距離センサー3の温度を測定する温度センサー4とを配置してある。図示例では投光部と受光部とを有する光学式の距離センサー3を示しているが、この他、超音波式等であってもよい。前記従来例と同様に、出力用ビットが装着される工具本体先端部の周囲に配置されて、ねじ締めあるいは孔明けの対象物体9までの距離を測定する。なお、上記複数個の距離センサー3は、工具の周囲に3個以上を等間隔で配置しておくことが望ましい。各距離センサー3の出力比較による工具の後述する傾き方向及び傾き角度の算出が容易となるからである。
【0025】
なお、距離センサー3は光学式のものの場合、図5に示すように本体1の内部に配置してもよい。ただし、粉塵等の異物が工具内部に入って故障の原因となることを避けるために、透明部材50を介して投受光を行うものとする。
【0026】
また温度センサー4は、距離センサー3の出力が図7に示すように温度によって変化してしまうために温度補償を行うために設けたものであり、本体1内に距離センサー3を配置した場合、モータ2や減速部の発熱の影響を受けやすくなるために特に有効である。
【0027】
本体1の後端面には表示部7を設けてある。図6に示した表示部7の一例では、距離センサー3による距離情報と、所定値である設定距離情報とを表示している。後端面に表示部7を設けているのは、図に示す形態の回転式工具の場合、使用者が作業中にも表示部7の表示を確認することができるからである。他の形態のものであれば、同様に作業中にそのままの姿勢で確認することができる位置に配置する。
【0028】
距離センサー3及び温度センサー4は、図3に示すように制御回路8に接続されている。また制御回路8には上記表示部7や、距離情報等を記憶する記憶回路80、モータ2における回転数検知回路(FG)81が接続されているとともに、PWMドライブ回路82を介して前記駆動FETブロック12が接続されている。
【0029】
上記制御回路8は、マイクロコンピュータで構成されたものであり、図4に示すように、モータ回転数検知部とパルス幅変動打撃検出部と打撃毎アンビル回転量算出部と締め付け力推定部を備えるとともに、距離センサー3の出力値と所定値との比較に加えて、締め付け力の変化などからビス締めの際にビスの頭部が着座したかどうかの判定も行う情報判定部を備えている。
【0030】
そして上記設定スイッチ6は、操作された時点での距離センサー3のA/D変換された後の出力値(対象物体9までの距離情報)を記憶回路80に書き込むためのものであり、この書き込みを作業中に行うことができるように、前記トリガスイッチ11の操作のためにグリップ部を握っている状態で操作できる位置に配置されている。また、この設定スイッチ6は、たとえばその長押し操作などで、所定値との比較によるモータ停止動作をオフとする解除スイッチを兼ねたものとなっている。
【0031】
次にその動作について説明すると、トリガスイッチ11が操作されていない時点で設定スイッチ6を操作すれば、その時点での距離センサー3の出力値(距離情報)を記憶回路80に書き込んで表示部7における前記設定距離情報表示欄にその距離情報を表示する。また、記憶回路80に距離情報が記録されていた場合には、設定スイッチ6が操作された時点での距離センサー3の出力値を記憶回路80に上書きして距離情報を更新する。
【0032】
従って、ある作業を連続して行う時、記憶回路80に距離情報が書き込まれているならば、まずは解除スイッチ(設定スイッチ6)の操作でモータ2の自動停止動作をオフとしておき、次いで実際のねじ締めあるいは孔明けの作業を行う。そしてねじが着座したと判断できる時点や、孔明けが所定の深さまで達したり対象物体を貫通したりした時点でトリガスイッチ11をオフとし、その状態のままで設定スイッチ6を操作すれば、その時点での距離センサー3の出力値が記憶回路80に書き込まれる。
【0033】
このようにして記憶回路80に距離情報を書き込んだならば、次の作業からは距離センサー3で検出された距離が記憶回路80に記録された距離情報に合致する状態になった時点で制御回路1がモータ2を止めて作業を停止させるために、ねじが着座したかどうか、あるいは孔明けが所定の深さに達したかという点に気をつかうことなく作業を行うことができる。ちなみにモータ2の停止は、電源供給の遮断に加えて、モータ2の端子間をショートさせることでブレーキをかけて即時停止動作となるようにしてある。
【0034】
そして出力ビットを交換した時や、異なるビスを使用する時、あるいは異なる孔を明ける時など、最初の一度だけ上記記憶操作を行うだけで、適切なタイミングでモータが停止する作業を行うことができるものである。
【0035】
なお、電動ドライバーにおいてはモータ2に正逆転自在なものを使用するが、この場合、図8に示すように、モータ2を逆転させる場合(ねじを緩める場合)は、距離情報と所定値との比較によるモータ停止動作が自動的にオフとなるようにしておくことで、モータ2を逆転させる作業を行う時の上記解除スイッチ操作を不要とすることができる。
【0036】
ところで、複数の距離センサー3を備えたものでは、距離センサーによる複数の距離情報の平均値を対象物体までの距離とした場合、対象物体9に対する本体1の傾きや対象物体9表面の凹凸による距離情報のばらつきを平均化させることができ、また、図12に示すように複数の距離情報のうちの最短の距離情報を対象物体までの距離とすれば、対象物体9が凹凸の激しい複雑な構造である場合に有利となることから、使用者が選択できるようにしておくことが好ましい。
【0037】
また、図9に示すように、対象物体9の端で操作する時など、対象物体9までの距離を測定することができない距離センサー3が存在する場合がある。このために、ある距離センサー3の距離情報がある値を越えている時は図11に示すようにその距離センサー3以外の距離センサー9の距離情報を対象物体9までの距離とすることが好ましく、上記のある値としては、図10に示すところの距離センサー9で適切に距離を測定できる範囲の限界距離L2を用いることが好ましい。1個の距離センサーが故障した場合などにも有効である。
【0038】
このほか、所要の締め付け力が欲しい時などは、対象物体9までの距離だけでモータ2を停止させてしまっては問題があることから、締め付け力を元に判定を行う前記着座検知によってモータ2を自動停止させるモードも設けて切り替えることができるようにしておくことが好ましい。また、このモードにした時には、図13に示すようい記憶回路10に記憶した所定値にオフセット値(たとえば−2mm)を加算し、着座が検出できない場合でも、所定値にオフセット値を加えた距離のところでモータ2が停止するようにしておくと、着座検知がうまく機能しなかった場合でも、図14に示すように、ビスがめり込み過ぎたりする虞を無くすことができる。
【0039】
さらには、オフセット値を手動で調整且つ設定することができるようにしておくことも好ましい。ドリルビットの先端を対象物体9に当接させた時点で設定スイッチ6を操作し、更にオフセット値をセットすることで、図15に示すように、孔明けを行う場合に貫通後に更にどれだけドリルを侵入させるか、あるいは孔明け深さをどれだけにするかを容易に設定することができる。
【0040】
そして、複数の距離センサー3を用いたものでは、これらの距離情報を比較することで、工具が対象物体9に対して垂直になっているかどうかの判定を制御回路8に行わせることができるとともに、垂直になっていなければ、ランプを点灯させるなどして、使用者に注意を促すようにしておくことができる。
【0041】
ちなみに上記傾きは、図16に示すように、各距離センサー3から対象物体9までの各距離から傾き角度θと傾き方向とを演算し、表示部7において図17に示すようにどちらの方向にどれだけ傾いているかを表示するようにしておくと、使用者にしてみれば傾きを直すことが容易となる。また、対象物体0に対して工具を傾けた状態で作業する場合も存在しているが、この場合の傾き角度の保持を適切に行うことができる。
【0042】
以上の実施例では、複数の距離センサー3を設けているが、傾き判定を行うのでなければ、距離センサー3は1つだけであってもよい。また、距離センサー3が1つだけでも、図18に示すように工具の胴部外周面に沿って距離センサー3を動かすことができるようにしておくとともに、距離センサー3を予め定めた複数位置のいずれかに位置した時に測距動作がなされるようにしておくと、距離センサー3が1つだけでも工具の傾きを検知することができるものを得ることができる。図19及び図20は距離センサー3を外周方向に動かしている時は別途移動検出センサによるセンサー移動信号によって移動中と判断して距離測定動作をオフとし、距離センサー3が胴部外周面の凹部に嵌り込んだ時には夫々の測定位置に来たとして距離測定動作を行うようにしたものを示している。なお、図19では予め定めた複数位置が3位置となっているが、さらに多数の位置で距離センサー3を位置決めして距離測定を行うことができるようにしておいてもよいのはもちろんである。また、距離測定位置を定めずに、どの移動位置でも距離測定を行うことができるようにしてもよい。
【0043】
ところで、この種の回転式工具においては、制御回路1によってモータ2の回転数のコントロールも行うことができるように構成されたものが多いが、距離センサー3によって測定される距離と、モータ2の回転数との関係を定めて、距離に応じてモータ2の回転数が変化するようにしておくならば、図21に示すように、始めは回転数が低く、徐々に回転数が高くなり、作業終了直前には回転数が低くなるという孔明け作業に好適な回転数制御を制御回路8で行うことができる。また、この時の回転数を下げるために必要な作業終了直前であるかどうかの判断は、前述のように記憶回路80に記憶させた距離情報に基づいて行うことができる。なお、作業開始時は距離センサー3が出力する距離情報の変化量が少なくなった時点を出力ビットが対象物体に接した時点としてみなすことができるために、この点に基づいて徐々に回転数を上げていけばよい。また、同じ作業を連続して行う場合のことを想定すれば、上記の距離−回転数の関係を記憶回路80に記憶させてしまうことができるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態の一例の動作のフローチャートである。
【図2】同上の断面図である。
【図3】同上の回路ブロック図である。
【図4】同上の制御回路のブロック図である。
【図5】他例の部分断面図である。
【図6】表示部の一例の正面図である。
【図7】温度補償についての説明図である。
【図8】同上のモータ逆転に関するフローチャートである。
【図9】使用状態の一例の断面図である。
【図10】同上の距離センサーの距離検出範囲についての説明図である。
【図11】同上の動作を示すフローチャートである。
【図12】他例の動作を示すフローチャートである。
【図13】更に他例の動作を示すフローチャートである。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】別の例の動作説明図である。
【図16】傾き検出についての説明図である。
【図17】同上の表示部の傾き表示欄についての正面図である。
【図18】別の例の概略断面図である。
【図19】(a)は同上の距離センサー移動検知についての説明図、(b)は移動検知出力のタイムチャートである。
【図20】同上のフローチャートである。
【図21】別の実施例における距離−回転数制御に関する説明図である。
【符号の説明】
【0045】
2 モータ
3 距離センサー
6 設定スイッチ
8 制御回路
80 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体までの距離を測定する距離センサーと、該距離センサーからの距離情報と所定値との比較結果に基づいて作動中のモータを停止させる制御手段とを備えている回転式工具において、上記所定値を記憶する記憶手段と、この記憶手段が記憶する所定値を距離センサーの現在出力値で書き換える書き換え手段とを備えていることを特徴とする回転式工具。
【請求項2】
制御手段は、距離センサーからの距離情報及び所定値に基づいてモータの回転数を制御するものであることを特徴とする請求項1記載の回転式工具。
【請求項3】
書き換え手段は設定操作がなされた時点の距離センサーの現在出力値で所定値を書き換えるものであることを特徴とする請求項1または2記載の回転式工具。
【請求項4】
対象物体までの距離を複数箇所で測定する距離センサーを備えており、制御手段は距離センサーによる複数の距離情報に基づいて傾きを判定する傾き判定部を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項5】
単一の距離センサーが工具本体に対して距離測定の位置を可変として配設されていることを特徴とする請求項4記載の回転式工具。
【請求項6】
記憶手段が記憶する所定値との比較によるモータ停止動作をオフとする解除手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項7】
解除手段は、設定操作がなされた時点での距離センサの現在出力値が予め設定された第2の所定値より大である場合にオフとするものであることを特徴とする請求項6記載の回転式工具。
【請求項8】
距離センサーの温度を検出する温度センサーを備えて、温度センサーの出力値に応じて距離センサーの出力値を補正する温度補償手段を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項9】
制御手段は動力である正逆転自在のモータの逆転時には距離情報と所定値との比較によるモータ停止動作をオフとするものであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項10】
対象物体にねじ込まれるビスの頭部の着座を検出する着座検出手段を備えているとともに、制御手段は着座検出手段を有効とするとともに着座検出手段による着座検出でモータを停止させる時、比較する所定値を予め設定されたオフセット値を加えた値とするものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項11】
対象物体までの距離を複数箇所で測定する距離センサーを備えており、制御手段は距離センサーによる複数の距離情報の平均値を対象物体までの距離とするものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項12】
対象物体までの距離を複数箇所で測定する距離センサーを備えており、制御手段は距離センサーによる複数の距離情報のうちの最短の距離情報を対象物体までの距離とするものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項13】
対象物体までの距離を複数箇所で測定する距離センサーを備えており、制御手段は距離センサーによる複数の距離情報のうちの少なくとも1つが予め設定された第3の所定値をより大である場合に他の距離センサーの距離情報を対象物体までの距離とするものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の回転式工具。
【請求項14】
記憶手段が記憶する所定値を、距離センサーの出力値にオフセット値を加えたものとするオフセット値付加手段を備えていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の回転式工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−88306(P2006−88306A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−280403(P2004−280403)
【出願日】平成16年9月27日(2004.9.27)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】