回転操作装置
【課題】操作部の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出し、さらに、スライド操作による見かけの回転角度を補正し、操作部の正確な回転角度を算出することができる回転操作装置を提供する。
【解決手段】入力装置1は、主に、回転操作、及び設置された面に対するスライド操作がなされる操作ノブ200と、スライド操作に基づく位置情報を生成するX、Yリニアエンコーダ170と、操作ノブ200に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板230と、反射板230に向けて光を出射する発光部300と、光が反射板230の反射率が異なる領域で反射した反射光として受光され、反射光に基づいた出力信号を出力する受光部400と、受光部400から取得した出力信号に基づいて操作ノブ200の回転角度を算出し、位置情報に基づいて受光部400に対する見かけの回転角度を算出して回転角度を補正する算出部102と、を備える。
【解決手段】入力装置1は、主に、回転操作、及び設置された面に対するスライド操作がなされる操作ノブ200と、スライド操作に基づく位置情報を生成するX、Yリニアエンコーダ170と、操作ノブ200に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板230と、反射板230に向けて光を出射する発光部300と、光が反射板230の反射率が異なる領域で反射した反射光として受光され、反射光に基づいた出力信号を出力する受光部400と、受光部400から取得した出力信号に基づいて操作ノブ200の回転角度を算出し、位置情報に基づいて受光部400に対する見かけの回転角度を算出して回転角度を補正する算出部102と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、回転可能に設けられた回転ダイアルと、回転ダイアルの背面の周方向に沿って交互に設けられた反射面及び断面三角形の溝と、回転ダイアルの背面に光を出射し、反射面によって反射した光を検出するフォトインタラプタと、を備える入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この入力装置は、回転ダイアルの回転に基づいて反射面での光の反射、又は溝での非反射が交互に発生し、フォトインタラプタによって光が検出されなかった回数をカウントすることによって、回転ダイアルの回転角度を検出することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−327233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の入力装置の構成では、回転軸の移動が可能である場合、回転軸の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出できないという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、操作部の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出し、さらに、スライド操作による見かけの回転角度を補正し、操作部の正確な回転角度を算出することができる回転操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射面を有し、回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、前記操作部の前記反射面に向けて光を出射する発光部と、前記発光部から出射した前記光が前記反射面で反射した反射光を受光し、受光した前記反射光に基づく出力信号を出力する受光部と、前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、を備えた回転操作装置を提供する。
【0008】
本発明の他の一態様は、回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、前記操作部に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板と、前記反射板に向けて光を出射する発光部と、前記発光部から出射した前記光が前記反射板の前記反射率が異なる領域を透過した透過光、又は反射した反射光として受光され、受光した前記透過光又は前記反射光に基づいた出力信号を出力する受光部と、前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、を備えた回転操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作部の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出し、さらに、スライド操作による見かけの回転角度を補正し、操作部の正確な回転角度を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の回転及びスライド操作の方向等を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の構成ブロック図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の構成を示す斜視図であり(b)は、ボイスコイルモータの部分の分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係る反射板の概略図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部の設置領域に関する模式図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部から出力される出力信号と角度の関係を示す概略図である。
【図8】図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る開口部とXY座標の関係を示した概略図であり、(b)は、見かけの回転角度Δθに関する概略図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施の形態に係る表示部に表示された表示画像の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態に係る受光部の設置に関する模式図である。
【図11】図11(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る反射板の概略図であり、(b)及び(c)は、受光部からA/Dコンバータを介してマイコンに出力される出力信号の概略図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。
【図13】図13は、本発明の第5の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
(入力装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の回転及びスライド操作の方向等を示す外観斜視図である。本実施の形態では、回転操作装置の一例としての入力装置1について説明する。入力装置1は、主に、回転操作、及び設置された面に対するスライド操作がなされる操作部としての操作ノブ200と、操作ノブ200のスライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部としてのX、Yリニアエンコーダ170と、操作ノブ200に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板230と、反射板230に向けて光を出射する発光部300と、発光部300から出射した光が反射板230の反射率が異なる領域を透過した透過光、又は反射した反射光として受光され、受光した透過光又は反射光に基づいた出力信号を出力する受光部400と、受光部400から取得した出力信号に基づいて操作ノブ200の回転操作による回転角度を算出し、X、Yリニアエンコーダ170から取得した位置情報に基づいて受光部400に対する操作ノブ200の見かけの回転角度を算出し、算出された見かけの回転角度によって、算出された回転角度を補正する算出部102と、を備えている。以下に、受光部400が透過光を受光する入力装置1について具体的に説明する。
【0012】
この入力装置1は、図1に示すように、操作ノブ200の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出するものであり、例えば、操作者が入力装置1の操作ノブ200をX移動、Y移動、及びθ回転させることにより、後述する表示部に表示されたカーソル等の位置を移動させるものである。例えば、自動車の車載機器の入力装置として使用でき、具体的には、カーナビゲーション装置の入力、オーディオ機器の入力等に使用できる。また、車載機器の入力装置に限られず、一般機器への入力装置として使用可能である。
【0013】
また、この入力装置1は、一例として、後述するボイスコイルモータ160等を制御することによって、車載機器に応じた入力環境を形成することができるものである。この入力環境とは、例えば、車載機器、又は表示部に表示された画面に応じて、操作ノブ200によるXY平面上の操作可能な領域を制限し、操作者が意識することなく適切な操作を行える環境を示す。例えば、1次元的な操作によってのみカーソル等を操作することができるとき、入力装置1は、ボイスコイルモータ160等を制御することで、1次元的な操作以外の操作を行えないように、操作反力を操作ノブ200に付与する。なお、XY平面とは、例えば、図1に示すように、カバー130の表面131と平行な平面内の座標であり、操作ノブ200の初期位置における中心に座標原点が設定されているものとする。
【0014】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の構成ブロック図であり、図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の構成を示す斜視図であり(b)は、ボイスコイルモータの部分の分解斜視図である。
【0015】
入力装置1は、図2、図3(a)及び(b)に示すように、移動により入力位置に基づく位置情報の検出及び出力を行なうX、Yリニアエンコーダ170と共に入力環境の調整を行なうボイスコイルモータ160を備えた入力デバイス部100と、マイコン101と、を備えて概略構成されている。上記のX、Yリニアエンコーダ170は、操作ノブ200で操作される。
【0016】
入力装置1は、図2に示すように、この入力装置1により動作制御される車載機器500と接続され、また、例えば車載機器500の操作メニュー等を表示し、操作ノブ200を介して操作されるX、Yリニアエンコーダ170により操作メニュー上で入力されるカーソル等を表示する表示部600に接続されている。
【0017】
入力装置1は、図3(a)に示すように、ベース110及びベース110を覆うベースカバー120と、ベースカバー120上に設けられたカバー130と、操作者が操作できるようにカバー130から突出して取付けられた操作ノブ200と、ベース110に取付けられ、一端が支持され他端に操作ノブ200が取付けられたノブシャフト210と、X方向にはノブシャフト210と当接しY方向にはノブシャフト210と摺動するX方向へスライド移動可能なXキャリッジ140と、Xキャリッジ140と直交しY方向にはノブシャフト210と当接しX方向にはノブシャフト210と摺動するY方向へスライド移動可能なYキャリッジ150と、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150に搭載されそれぞれに力覚を付与するボイスコイルモータ160と、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150のそれぞれの移動量を検出するためのリニアエンコーダ170と、を備えて概略構成されている。
【0018】
ここで、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150は、それぞれベース110に取付けられたX方向及びY方向へスライド移動可能なリニアスライドガイド180に支持されている。また、ノブシャフト210は、例えば、Xキャリッジ140の上部で支持部材141、Yキャリッジ150の下部で支持部材151によってX移動、Y移動、及びθ回転が可能となるように、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150に支持されている。
【0019】
また、ボイスコイルモータ160は、図3(b)に示すように、入力環境の調整を行なう駆動部として機能し、Xキャリッジ140又はYキャリッジ150に固定されるボイスコイル161と、マグネット166と軟磁性材料のヨーク167で形成される磁気回路165と、で構成される。
【0020】
ボイスコイル161は、所定の導電線材162がコイル状に巻回されて形成されており、磁気回路165から発生する磁束が導電線材162を横切るように配置されている。これにより、導電線材162に通電されたボイスコイル161は、フレミングの左手の法則により電磁力を受け、Xキャリッジ140又はYキャリッジ150に駆動力を作用させて、操作者に力覚を付与して入力環境の調整を行なう。また、図示省略するが、θ回転方向の位置調整制御を行なうDCサーボモータ、ステッピングモータ等の回転アクチュエータを備えても良い。
【0021】
マイコン101は、インターフェース(図示省略)を介して図2に示すように、X、Yリニアエンコーダ170と接続されている。マイコン101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む算出部102と、閾値等のパラメータ及び制御プログラムを記憶する記憶部103と、を備えて概略構成されている。
【0022】
X、Yリニアエンコーダ170は、それぞれ操作ノブ200のX、Y方向の移動に応じて位置情報をマイコン101に出力し、マイコン101の算出部102は、取得した位置情報に基づいてXY座標系における座標、操作速度V、及びそれを積分して移動量を算出する。なお、リニアエンコーダ170による構成に限られず、ポテンショメータ等により絶対位置を検出する構成としてもよい。
【0023】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。ノブシャフト210は、図4に示すように、円形状の反射板230が設けられている。このノブシャフト210は、ベースカバー120に形成された開口121、及びカバー130に形成された開口132を貫通し、操作ノブ200と接続されている。操作ノブ200は、例えば、この開口121及び131によってその最大の操作可能範囲(所定の範囲)が決まる。
【0024】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る反射板の概略図である。反射板230は、例えば、発光部300から出射する光を透過する材料で円形状に形成され、図5に示すように、一例として、第1〜第8の領域231〜238を有している。この第1の領域231は、周方向に反射率が異なる領域が形成され、例えば、第1の領域231内で、時計回りに反射率が低くなる濃淡パターンが形成されている。また第2〜第8の領域232〜238は、例えば、この第1の領域231に形成された濃淡パターンを繰り返したパターンを有しており、それぞれ45°の角度で反射板230上に形成されている。なお、この濃淡パターンは、上記に限定されず、時計回りに反射率が高くなっても良く、また濃淡パターンが全体にひとつ形成されても良い。さらに、濃淡パターンの数も上記に限定されない。
【0025】
発光部300は、図4に示すように、例えば、ベースカバー120の上部に配置される。発光部300は、例えば、LED(Light Emitting Diode)からなり、図4に示すように、反射板230に向けて光を射出する。なお、発光部300は、上記に限定されず、光を反射板230に向けて射出できるものであれば種類を問わない。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部の設置領域に関する模式図であり、図7は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部から出力される出力信号と角度の関係を示す概略図である。図7は、一例として、操作ノブ200がスライド操作されていない状態で、図1において時計回りに回転させた場合に受光部400からA/Dコンバータ401に出力されるアナログ信号を示しおり、縦軸が出力信号、横軸が角度である。
【0027】
受光部400は、例えば、フォトダイオードからなり、図4に示すように、反射板230を介して発光部300と対向するようにカバー130の下部に設けられている。この受光部400の設置位置は、図6に示すように、操作ノブ200の操作可能範囲によって制限される。つまり、受光部400の設置位置は、開口132内を移動するノブシャフト210と共に移動する反射板230の軌跡が重なり合う領域、例えば、図6に斜線で示す設置領域133内に設置されることが望ましい。受光部400は、この設置領域133に基づいたカバー130の下部に設置されることによって、操作ノブ200の操作位置に拠らず発光部300からの光を受光することができる。
【0028】
また受光部400は、発光部300から射出された光を反射板230を介して受光し、受光した光を出力信号としてA/Dコンバータ401に出力する。A/Dコンバータ401は、図7に示す受光部400からの鋸波形状の出力信号をデジタル信号(矩形波)に変換してマイコン101に出力する。
【0029】
この出力信号は、領域の境界付近の黒色の領域(反射率大)が、発光部300と受光部400の間にあるとき、反射によって反射板230を光が透過しないことから、受光部400は、光を受光せず、図7に示す出力信号がゼロとなる。また、出力信号は、領域の境界付近の白色の領域(反射率小)が、発光部300と受光部400の間にあるとき、反射板230を光が透過することから、受光部400は、光を受光し、図7に示す出力信号が最大値となる。この出力信号の値は、0〜45°の間で変化するので、算出部102は、得られた出力信号の値によってこの0〜45°の間の角度を精度良く算出することができる。また、算出部102は、操作ノブ200が操作される前の角度(基準角度とする)を記憶部103に記憶することで、回転角度及び回転方向を精度良く算出することができる。
【0030】
例えば、算出部102は、図7に示すように、操作前の出力信号の値がaであるとき、基準角度bを算出し、記憶部103に記憶させる。その後、操作ノブ200が、例えば、時計回りに回転操作され、回転操作が終了したときの出力信号の値がcであったとき、算出部102は、出力信号の値がcとなる回数に基づいて角度dを算出し、この角度dと基準角度bとの差分から操作ノブ200の回転角度を算出する。角度dの算出は、図7に示すように、出力信号と角度の関係を示す波形が鋸波形であることから、45°周期で出力信号は同じ値を取ることを利用して行われる。しかし、操作ノブ200がスライド操作されるとき、以下の理由により見かけの回転角度Δθが発生するため、このΔθを考慮して操作ノブ200の回転角度を算出する必要がある。以下に回転角度の補正について説明する。
【0031】
(回転角度の補正)
図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る開口部とXY座標の関係を示した概略図であり、(b)は、見かけの回転角度Δθに関する概略図である。以下に、操作ノブ200が、座標A(x1、y1)から座標B(x2、y2)に移動する場合の見かけの回転角度Δθに基づく実際の回転角度φOPの補正について説明する。なお、以下のXY座標の原点や軸方向等は、説明のためのものであり、任意に選択することができる。
【0032】
ここで、図8(a)及び(b)に示すように、受光部400の座標をO(X、Y)、ノブシャフト210の中心、すなわち移動前の操作ノブ210の中心の座標Aを(x1、y1)、移動後の操作ノブ210の中心の座標Bを(x2、y2)、受光部400と座標A(x1、y1)を結ぶ直線をOA、受光部400と座標B(x2、y2)を結ぶ直線をOBとする。
【0033】
直線OAは、反射板230の中心と受光部400を結ぶ直線でもあり、操作ノブ200が回転せずに座標Aから座標Bに移動するとき、図8(b)に示す直線O´Bと直線OAが平行となる。ここで、図8(b)に示すように、受光部400から座標Bに位置する操作ノブ200の回転角度φobを検出すると、∠AOB(=見かけの回転角度Δθ)だけ回転したように検出される。これは、見かけの回転角度Δθが発生しているためであり、この見かけの角度Δθを考慮して実際の回転角度を算出しなければならない。
【0034】
そこで算出部102において、以下の式(1)に基づいて実際の回転角度φOPの算出を行う。
φop=φob−Δθ・・・(1)
以下において、見かけの角度Δθの算出方法について説明する。
まず、Y軸と移動前の座標Aに基づく直線OAとのなす角度θ1は、以下の式(2)から求めることができる。
θ1=tan−1{(x1−X)/(Y−y1)}・・・(2)
ただし、−90°≦θ1≦90°である。
同様にY軸と移動後の座標Bに基づく直線OBとのなす角度、すなわち受光部400によって検出される回転角度φobは、受光部400の座標と座標Bを用いて以下の式(3)で表すことができる。
φob=tan−1{(x2−X)/(Y−y2)}・・・(3)
ただし、−90°≦φob≦90°である。
回転角度φobは、図8(b)に示すように、以下の式(4)の関係を満たす。
φob=φOP+Δθ・・・(4)
ただしφOP=θ1である。
Δθについて解いて式(5)を得る。
Δθ=φob−φOP・・・(5)
φOPはθ1であることから、式(5)に式(2)及び(3)を代入して以下の式(6)を得る。
Δθ=tan−1{(x2−X)/(Y−y2)}−tan−1{(x1−X)/(Y−y1)}・・・(6)
算出部102は、受光部400によって検出された回転角度φobと式(6)によって算出された見かけの回転角度Δθを式(1)に代入して実際の回転角度φopを算出する。
【0035】
以下に第1の実施の形態に係る入力装置の動作について各図を参照しながら説明する。
【0036】
(動作)
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る表示部に表示された表示画像の一例を示す概略図である。表示画像601の入力領域603に表示された入力カーソル604に所望の文字(例えば、「と」。)を入力する場合について説明する。文字の入力は、一例として、所望の文字が含まれる行ボタン上にカーソル602を移動させ、操作ノブ200を時計回りに回転操作することによって…た→ち→つ→て→と→た…と入力カーソル604上に表示され、反時計回りに回転操作することによって…た→と→て→つ→ち→た…と表示されるものとする。
【0037】
まず、発光部300は、反射板230に向けて光を出射する。受光部400は、反射板230を介してこの光を受光し、受光した光に基づいて出力信号をA/Dコンバータ401を介してマイコン101に出力する。マイコン101の算出部102は、入力した信号に基づいて現在の操作ノブ200の基準角度を算出し、算出した基準角度を記憶部103に記憶する。
【0038】
操作者は、操作ノブ200を操作し、カーソル602を所望の文字を含む行ボタン上に移動させる。
具体的には、マイコン101の算出部102は、X、Yリニアエンコーダ170から出力された位置情報に基づいてカーソル602の移動量、操作速度、及び実際の回転角度φopを算出し、マイコン101は、算出されたカーソル602の移動量、操作速度、及び実際の回転角度φopに基づいて表示部600に表示されたカーソル602を移動させるように表示部600を制御する。
【0039】
次に、操作者は、所望の文字を入力するため、操作ノブ200のスライド操作を停止した状態で操作ノブ200に対して時計回りに回転操作を行う。
具体的には、マイコン101は、操作ノブ200の移動が停止したことをX、Yリニアエンコーダ170からの位置情報に基づいて判定し、受光部400及びA/Dコンバータ401を介して出力信号を取得する。続いて、マイコン101の算出部102は、入力した信号に基づいて現在の操作ノブ200の基準角度を算出し、前回記憶させた基準角度を記憶部103に破棄させ、算出した基準角度を記憶部103に記憶させる。続いて、算出部102は、操作ノブ200の操作が停止したときの出力信号を受光部400及びA/Dコンバータ401を介して取得し、取得した出力信号に基づいて回転角度と回転方向を算出する。マイコン101は、算出された回転角度と回転方向に基づいて入力カーソル604に表示させる文字を選択し、選択した文字を表示部600に表示させる。
【0040】
操作者は、上記の操作を経て所望の文字入力が終了すると、所定の操作を行って文字の入力操作を終了する。なお、入力した文字の確定は、例えば、操作ノブ200の操作によってカーソル602を他の領域に移動させることによって行われる。
【0041】
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)操作ノブ200の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出することができる。
(2)操作ノブ200がスライド操作されている状態であっても正確な回転角度を算出することができる。
(3)操作ノブ200に受光部400を配置する場合に比べて、配置に自由度があり、また、配線を稼動する部分、例えば、操作ノブ200に設けないので、配線の断線等による不具合を防止することができる。
(4)発光部300と受光部400の位置が、操作ノブ200の操作によって変化しないので、回転軸が、操作ノブ200の操作位置によって発光部300と受光部400に対して相対移動しても、安定して操作ノブ200の回転角度を検出することができる。
(5)反射板230に方向性を有する濃淡パターンを有しているので、濃淡パターンを形成しない他の場合と比べて、操作ノブ200の回転角度及び回転方向を精度良く算出することができる。
(6)反射板230に方向性を有する濃淡パターンを有しているので、濃淡パターンを形成しない他の場合と比べて、回転角度の分解能が高い。
(7)1つの受光部400によって操作ノブ200の操作位置に関係なく回転角度を検出することができるので、入力装置1の製造コストを抑制することができる。
(8)非接触で操作ノブ200の回転角度を検出することができるので、接点を有して回転角度を検出するものと比べて、耐久性が高い。
【0042】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、受光部を2つ備えている点、及び反射板が小さい点で第1の実施の形態と異なっている。なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成及び機能を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る受光部の設置に関する模式図である。本実施の形態の入力装置1は、図10に示すように、第1の実施の形態における反射板230よりも半径の小さい反射板240と、受光部402及び403とを備えている。
【0044】
この受光部402及び403は、例えば、開口132の長手側の中央に対向して設けられている。受光部402及び403は、例えば、その受け持つ領域が予め設定されており、マイコン101は、X、Yリニアエンコーダ170からの位置情報に基づいて受光部402及び403を切り換えて操作ノブ200の回転角度及び回転方向を算出する。なお、例えば、受光部402及び403の構成は、第1の実施の形態における受光部400と同様であり、また、それぞれにA/Dコンバータが接続されている。
【0045】
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態によれば、受光部が1つの場合と比べて、反射板240を小さくすることができ、入力装置1を小型化することができる。
【0046】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、反射板に形成されたパターンが異なる点で第1及び第2の実施の形態と異なっている。
【0047】
図11(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る反射板の概略図であり、(b)及び(c)は、受光部からA/Dコンバータを介してマイコンに出力される出力信号の概略図である。図11(b)は、操作ノブ200を時計回りに回転させたときにA/Dコンバータ401から出力される出力信号であり、(c)は、操作ノブ200を反時計回りに回転させたときに出力される出力信号である。図11(b)及び(c)は、縦軸が出力信号、横軸が時間である。
【0048】
本実施の形態における反射板250は、図11(a)に示すように、黒スリット251、透過スリット252、黒スリット253、透過スリット254、黒スリット255、透過スリット256、黒スリット257によるパターンが周期的に形成されている。
【0049】
黒スリット251、253、255及び257は、例えば、反射率が透過スリット252、254及び256に比べて大きくなっている。また、透過スリット252、254及び256は、例えば、発光部300から出射された光をほぼ透過させるように構成されている。
【0050】
受光部400は、この反射板250を介して透過した透過光を受光し、A/Dコンバータ401を介して、図11(b)に示す出力信号をマイコン101に出力する。マイコン101の算出部102は、この出力信号のパターンに基づいて操作ノブ200の回転方向及び回転角度を算出する。算出部102は、例えば、必要な分解能に基づいて形成された図11(a)に示すパターンが、検出された回数によって回転角度を算出する。また、算出部102は、例えば、図11(b)及び(c)に示すように、操作ノブ200の回転方向によって、出力される出力信号のパターンが異なるので、容易に回転方向を判定することができる。
【0051】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、発光部と受光部がベースカバー上に配置されている点で上記の他の実施の形態と異なっている。
【0052】
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。本実施の形態における入力装置1は、図12に示すように、発光部300と受光部400がベースカバー120上に配置されている。この受光部400は、発光部300から出射された光が、反射板230によって反射した反射光を受光し、受光した反射光に基づいた出力信号を出力するように構成されている。
【0053】
操作ノブ200の回転角度及び回転方向の算出は、反射板230に形成されたパターンに応じて上記と同様に行われる。
【0054】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態は、操作ノブの裏面に反射面が形成されている点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0055】
図13は、本発明の第5の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。本実施の形態に係る入力装置1は、主に、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射面201を有し、回転操作、及び設置された面に対するスライド操作がなされる操作ノブ200と、操作ノブ200の反射面201に向けて光を出射する発光部300と、発光部300から出射した光が反射面201で反射した反射光を受光し、受光した反射光に基づいた出力信号を出力する受光部400と、を備えて概略構成されている。
【0056】
発光部300及び受光部400は、図13に示すように、ベースカバー120上に配置されている。
【0057】
操作ノブ200の回転角度及び回転方向の算出は、反射板230に形成されたパターンに応じて上記と同様に行われる。
【0058】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【0059】
発光部300及び受光部400は、上記の実施の形態に限定されず、例えば、両者が一体とされたフォトインタラプタ等でも良い。
【符号の説明】
【0060】
1…入力装置、100…入力デバイス部、101…マイコン、102…算出部、103…記憶部、110…ベース、120…ベースカバー、121…開口、130…カバー、131…表面、132…開口、133…設置領域、140…Xキャリッジ、141…支持部材、150…Yキャリッジ、151…支持部材、160…ボイスコイルモータ、161…ボイスコイル、162…導電線材、165…磁気回路、166…マグネット、167…ヨーク、170…XYリニアエンコーダ、180…リニアスライドガイド、200…操作ノブ、201…反射面、210…ノブシャフト、230…反射板、231…設置領域、240、250…反射板、251…黒スリット、252…透過スリット、253…黒スリット、254…透過スリット、255…黒スリット、256…透過スリット、257…黒スリット、300…発光部、400、402、403…受光部、401…A/Dコンバータ、500…車載機器、600…表示部、601…表示画像、602…カーソル、603…入力領域、604…入力カーソル
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、回転可能に設けられた回転ダイアルと、回転ダイアルの背面の周方向に沿って交互に設けられた反射面及び断面三角形の溝と、回転ダイアルの背面に光を出射し、反射面によって反射した光を検出するフォトインタラプタと、を備える入力装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この入力装置は、回転ダイアルの回転に基づいて反射面での光の反射、又は溝での非反射が交互に発生し、フォトインタラプタによって光が検出されなかった回数をカウントすることによって、回転ダイアルの回転角度を検出することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−327233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の入力装置の構成では、回転軸の移動が可能である場合、回転軸の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出できないという課題があった。
【0006】
本発明の目的は、操作部の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出し、さらに、スライド操作による見かけの回転角度を補正し、操作部の正確な回転角度を算出することができる回転操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射面を有し、回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、前記操作部の前記反射面に向けて光を出射する発光部と、前記発光部から出射した前記光が前記反射面で反射した反射光を受光し、受光した前記反射光に基づく出力信号を出力する受光部と、前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、を備えた回転操作装置を提供する。
【0008】
本発明の他の一態様は、回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、前記操作部に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板と、前記反射板に向けて光を出射する発光部と、前記発光部から出射した前記光が前記反射板の前記反射率が異なる領域を透過した透過光、又は反射した反射光として受光され、受光した前記透過光又は前記反射光に基づいた出力信号を出力する受光部と、前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、を備えた回転操作装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、操作部の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出し、さらに、スライド操作による見かけの回転角度を補正し、操作部の正確な回転角度を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の回転及びスライド操作の方向等を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の構成ブロック図である。
【図3】図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の構成を示す斜視図であり(b)は、ボイスコイルモータの部分の分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施の形態に係る反射板の概略図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部の設置領域に関する模式図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部から出力される出力信号と角度の関係を示す概略図である。
【図8】図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る開口部とXY座標の関係を示した概略図であり、(b)は、見かけの回転角度Δθに関する概略図である。
【図9】図9は、本発明の第1の実施の形態に係る表示部に表示された表示画像の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、本発明の第2の実施の形態に係る受光部の設置に関する模式図である。
【図11】図11(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る反射板の概略図であり、(b)及び(c)は、受光部からA/Dコンバータを介してマイコンに出力される出力信号の概略図である。
【図12】図12は、本発明の第4の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。
【図13】図13は、本発明の第5の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1の実施の形態]
(入力装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の回転及びスライド操作の方向等を示す外観斜視図である。本実施の形態では、回転操作装置の一例としての入力装置1について説明する。入力装置1は、主に、回転操作、及び設置された面に対するスライド操作がなされる操作部としての操作ノブ200と、操作ノブ200のスライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部としてのX、Yリニアエンコーダ170と、操作ノブ200に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板230と、反射板230に向けて光を出射する発光部300と、発光部300から出射した光が反射板230の反射率が異なる領域を透過した透過光、又は反射した反射光として受光され、受光した透過光又は反射光に基づいた出力信号を出力する受光部400と、受光部400から取得した出力信号に基づいて操作ノブ200の回転操作による回転角度を算出し、X、Yリニアエンコーダ170から取得した位置情報に基づいて受光部400に対する操作ノブ200の見かけの回転角度を算出し、算出された見かけの回転角度によって、算出された回転角度を補正する算出部102と、を備えている。以下に、受光部400が透過光を受光する入力装置1について具体的に説明する。
【0012】
この入力装置1は、図1に示すように、操作ノブ200の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出するものであり、例えば、操作者が入力装置1の操作ノブ200をX移動、Y移動、及びθ回転させることにより、後述する表示部に表示されたカーソル等の位置を移動させるものである。例えば、自動車の車載機器の入力装置として使用でき、具体的には、カーナビゲーション装置の入力、オーディオ機器の入力等に使用できる。また、車載機器の入力装置に限られず、一般機器への入力装置として使用可能である。
【0013】
また、この入力装置1は、一例として、後述するボイスコイルモータ160等を制御することによって、車載機器に応じた入力環境を形成することができるものである。この入力環境とは、例えば、車載機器、又は表示部に表示された画面に応じて、操作ノブ200によるXY平面上の操作可能な領域を制限し、操作者が意識することなく適切な操作を行える環境を示す。例えば、1次元的な操作によってのみカーソル等を操作することができるとき、入力装置1は、ボイスコイルモータ160等を制御することで、1次元的な操作以外の操作を行えないように、操作反力を操作ノブ200に付与する。なお、XY平面とは、例えば、図1に示すように、カバー130の表面131と平行な平面内の座標であり、操作ノブ200の初期位置における中心に座標原点が設定されているものとする。
【0014】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の構成ブロック図であり、図3(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る入力装置の入力デバイス部の構成を示す斜視図であり(b)は、ボイスコイルモータの部分の分解斜視図である。
【0015】
入力装置1は、図2、図3(a)及び(b)に示すように、移動により入力位置に基づく位置情報の検出及び出力を行なうX、Yリニアエンコーダ170と共に入力環境の調整を行なうボイスコイルモータ160を備えた入力デバイス部100と、マイコン101と、を備えて概略構成されている。上記のX、Yリニアエンコーダ170は、操作ノブ200で操作される。
【0016】
入力装置1は、図2に示すように、この入力装置1により動作制御される車載機器500と接続され、また、例えば車載機器500の操作メニュー等を表示し、操作ノブ200を介して操作されるX、Yリニアエンコーダ170により操作メニュー上で入力されるカーソル等を表示する表示部600に接続されている。
【0017】
入力装置1は、図3(a)に示すように、ベース110及びベース110を覆うベースカバー120と、ベースカバー120上に設けられたカバー130と、操作者が操作できるようにカバー130から突出して取付けられた操作ノブ200と、ベース110に取付けられ、一端が支持され他端に操作ノブ200が取付けられたノブシャフト210と、X方向にはノブシャフト210と当接しY方向にはノブシャフト210と摺動するX方向へスライド移動可能なXキャリッジ140と、Xキャリッジ140と直交しY方向にはノブシャフト210と当接しX方向にはノブシャフト210と摺動するY方向へスライド移動可能なYキャリッジ150と、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150に搭載されそれぞれに力覚を付与するボイスコイルモータ160と、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150のそれぞれの移動量を検出するためのリニアエンコーダ170と、を備えて概略構成されている。
【0018】
ここで、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150は、それぞれベース110に取付けられたX方向及びY方向へスライド移動可能なリニアスライドガイド180に支持されている。また、ノブシャフト210は、例えば、Xキャリッジ140の上部で支持部材141、Yキャリッジ150の下部で支持部材151によってX移動、Y移動、及びθ回転が可能となるように、Xキャリッジ140及びYキャリッジ150に支持されている。
【0019】
また、ボイスコイルモータ160は、図3(b)に示すように、入力環境の調整を行なう駆動部として機能し、Xキャリッジ140又はYキャリッジ150に固定されるボイスコイル161と、マグネット166と軟磁性材料のヨーク167で形成される磁気回路165と、で構成される。
【0020】
ボイスコイル161は、所定の導電線材162がコイル状に巻回されて形成されており、磁気回路165から発生する磁束が導電線材162を横切るように配置されている。これにより、導電線材162に通電されたボイスコイル161は、フレミングの左手の法則により電磁力を受け、Xキャリッジ140又はYキャリッジ150に駆動力を作用させて、操作者に力覚を付与して入力環境の調整を行なう。また、図示省略するが、θ回転方向の位置調整制御を行なうDCサーボモータ、ステッピングモータ等の回転アクチュエータを備えても良い。
【0021】
マイコン101は、インターフェース(図示省略)を介して図2に示すように、X、Yリニアエンコーダ170と接続されている。マイコン101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を含む算出部102と、閾値等のパラメータ及び制御プログラムを記憶する記憶部103と、を備えて概略構成されている。
【0022】
X、Yリニアエンコーダ170は、それぞれ操作ノブ200のX、Y方向の移動に応じて位置情報をマイコン101に出力し、マイコン101の算出部102は、取得した位置情報に基づいてXY座標系における座標、操作速度V、及びそれを積分して移動量を算出する。なお、リニアエンコーダ170による構成に限られず、ポテンショメータ等により絶対位置を検出する構成としてもよい。
【0023】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。ノブシャフト210は、図4に示すように、円形状の反射板230が設けられている。このノブシャフト210は、ベースカバー120に形成された開口121、及びカバー130に形成された開口132を貫通し、操作ノブ200と接続されている。操作ノブ200は、例えば、この開口121及び131によってその最大の操作可能範囲(所定の範囲)が決まる。
【0024】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る反射板の概略図である。反射板230は、例えば、発光部300から出射する光を透過する材料で円形状に形成され、図5に示すように、一例として、第1〜第8の領域231〜238を有している。この第1の領域231は、周方向に反射率が異なる領域が形成され、例えば、第1の領域231内で、時計回りに反射率が低くなる濃淡パターンが形成されている。また第2〜第8の領域232〜238は、例えば、この第1の領域231に形成された濃淡パターンを繰り返したパターンを有しており、それぞれ45°の角度で反射板230上に形成されている。なお、この濃淡パターンは、上記に限定されず、時計回りに反射率が高くなっても良く、また濃淡パターンが全体にひとつ形成されても良い。さらに、濃淡パターンの数も上記に限定されない。
【0025】
発光部300は、図4に示すように、例えば、ベースカバー120の上部に配置される。発光部300は、例えば、LED(Light Emitting Diode)からなり、図4に示すように、反射板230に向けて光を射出する。なお、発光部300は、上記に限定されず、光を反射板230に向けて射出できるものであれば種類を問わない。
【0026】
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部の設置領域に関する模式図であり、図7は、本発明の第1の実施の形態に係る受光部から出力される出力信号と角度の関係を示す概略図である。図7は、一例として、操作ノブ200がスライド操作されていない状態で、図1において時計回りに回転させた場合に受光部400からA/Dコンバータ401に出力されるアナログ信号を示しおり、縦軸が出力信号、横軸が角度である。
【0027】
受光部400は、例えば、フォトダイオードからなり、図4に示すように、反射板230を介して発光部300と対向するようにカバー130の下部に設けられている。この受光部400の設置位置は、図6に示すように、操作ノブ200の操作可能範囲によって制限される。つまり、受光部400の設置位置は、開口132内を移動するノブシャフト210と共に移動する反射板230の軌跡が重なり合う領域、例えば、図6に斜線で示す設置領域133内に設置されることが望ましい。受光部400は、この設置領域133に基づいたカバー130の下部に設置されることによって、操作ノブ200の操作位置に拠らず発光部300からの光を受光することができる。
【0028】
また受光部400は、発光部300から射出された光を反射板230を介して受光し、受光した光を出力信号としてA/Dコンバータ401に出力する。A/Dコンバータ401は、図7に示す受光部400からの鋸波形状の出力信号をデジタル信号(矩形波)に変換してマイコン101に出力する。
【0029】
この出力信号は、領域の境界付近の黒色の領域(反射率大)が、発光部300と受光部400の間にあるとき、反射によって反射板230を光が透過しないことから、受光部400は、光を受光せず、図7に示す出力信号がゼロとなる。また、出力信号は、領域の境界付近の白色の領域(反射率小)が、発光部300と受光部400の間にあるとき、反射板230を光が透過することから、受光部400は、光を受光し、図7に示す出力信号が最大値となる。この出力信号の値は、0〜45°の間で変化するので、算出部102は、得られた出力信号の値によってこの0〜45°の間の角度を精度良く算出することができる。また、算出部102は、操作ノブ200が操作される前の角度(基準角度とする)を記憶部103に記憶することで、回転角度及び回転方向を精度良く算出することができる。
【0030】
例えば、算出部102は、図7に示すように、操作前の出力信号の値がaであるとき、基準角度bを算出し、記憶部103に記憶させる。その後、操作ノブ200が、例えば、時計回りに回転操作され、回転操作が終了したときの出力信号の値がcであったとき、算出部102は、出力信号の値がcとなる回数に基づいて角度dを算出し、この角度dと基準角度bとの差分から操作ノブ200の回転角度を算出する。角度dの算出は、図7に示すように、出力信号と角度の関係を示す波形が鋸波形であることから、45°周期で出力信号は同じ値を取ることを利用して行われる。しかし、操作ノブ200がスライド操作されるとき、以下の理由により見かけの回転角度Δθが発生するため、このΔθを考慮して操作ノブ200の回転角度を算出する必要がある。以下に回転角度の補正について説明する。
【0031】
(回転角度の補正)
図8(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る開口部とXY座標の関係を示した概略図であり、(b)は、見かけの回転角度Δθに関する概略図である。以下に、操作ノブ200が、座標A(x1、y1)から座標B(x2、y2)に移動する場合の見かけの回転角度Δθに基づく実際の回転角度φOPの補正について説明する。なお、以下のXY座標の原点や軸方向等は、説明のためのものであり、任意に選択することができる。
【0032】
ここで、図8(a)及び(b)に示すように、受光部400の座標をO(X、Y)、ノブシャフト210の中心、すなわち移動前の操作ノブ210の中心の座標Aを(x1、y1)、移動後の操作ノブ210の中心の座標Bを(x2、y2)、受光部400と座標A(x1、y1)を結ぶ直線をOA、受光部400と座標B(x2、y2)を結ぶ直線をOBとする。
【0033】
直線OAは、反射板230の中心と受光部400を結ぶ直線でもあり、操作ノブ200が回転せずに座標Aから座標Bに移動するとき、図8(b)に示す直線O´Bと直線OAが平行となる。ここで、図8(b)に示すように、受光部400から座標Bに位置する操作ノブ200の回転角度φobを検出すると、∠AOB(=見かけの回転角度Δθ)だけ回転したように検出される。これは、見かけの回転角度Δθが発生しているためであり、この見かけの角度Δθを考慮して実際の回転角度を算出しなければならない。
【0034】
そこで算出部102において、以下の式(1)に基づいて実際の回転角度φOPの算出を行う。
φop=φob−Δθ・・・(1)
以下において、見かけの角度Δθの算出方法について説明する。
まず、Y軸と移動前の座標Aに基づく直線OAとのなす角度θ1は、以下の式(2)から求めることができる。
θ1=tan−1{(x1−X)/(Y−y1)}・・・(2)
ただし、−90°≦θ1≦90°である。
同様にY軸と移動後の座標Bに基づく直線OBとのなす角度、すなわち受光部400によって検出される回転角度φobは、受光部400の座標と座標Bを用いて以下の式(3)で表すことができる。
φob=tan−1{(x2−X)/(Y−y2)}・・・(3)
ただし、−90°≦φob≦90°である。
回転角度φobは、図8(b)に示すように、以下の式(4)の関係を満たす。
φob=φOP+Δθ・・・(4)
ただしφOP=θ1である。
Δθについて解いて式(5)を得る。
Δθ=φob−φOP・・・(5)
φOPはθ1であることから、式(5)に式(2)及び(3)を代入して以下の式(6)を得る。
Δθ=tan−1{(x2−X)/(Y−y2)}−tan−1{(x1−X)/(Y−y1)}・・・(6)
算出部102は、受光部400によって検出された回転角度φobと式(6)によって算出された見かけの回転角度Δθを式(1)に代入して実際の回転角度φopを算出する。
【0035】
以下に第1の実施の形態に係る入力装置の動作について各図を参照しながら説明する。
【0036】
(動作)
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る表示部に表示された表示画像の一例を示す概略図である。表示画像601の入力領域603に表示された入力カーソル604に所望の文字(例えば、「と」。)を入力する場合について説明する。文字の入力は、一例として、所望の文字が含まれる行ボタン上にカーソル602を移動させ、操作ノブ200を時計回りに回転操作することによって…た→ち→つ→て→と→た…と入力カーソル604上に表示され、反時計回りに回転操作することによって…た→と→て→つ→ち→た…と表示されるものとする。
【0037】
まず、発光部300は、反射板230に向けて光を出射する。受光部400は、反射板230を介してこの光を受光し、受光した光に基づいて出力信号をA/Dコンバータ401を介してマイコン101に出力する。マイコン101の算出部102は、入力した信号に基づいて現在の操作ノブ200の基準角度を算出し、算出した基準角度を記憶部103に記憶する。
【0038】
操作者は、操作ノブ200を操作し、カーソル602を所望の文字を含む行ボタン上に移動させる。
具体的には、マイコン101の算出部102は、X、Yリニアエンコーダ170から出力された位置情報に基づいてカーソル602の移動量、操作速度、及び実際の回転角度φopを算出し、マイコン101は、算出されたカーソル602の移動量、操作速度、及び実際の回転角度φopに基づいて表示部600に表示されたカーソル602を移動させるように表示部600を制御する。
【0039】
次に、操作者は、所望の文字を入力するため、操作ノブ200のスライド操作を停止した状態で操作ノブ200に対して時計回りに回転操作を行う。
具体的には、マイコン101は、操作ノブ200の移動が停止したことをX、Yリニアエンコーダ170からの位置情報に基づいて判定し、受光部400及びA/Dコンバータ401を介して出力信号を取得する。続いて、マイコン101の算出部102は、入力した信号に基づいて現在の操作ノブ200の基準角度を算出し、前回記憶させた基準角度を記憶部103に破棄させ、算出した基準角度を記憶部103に記憶させる。続いて、算出部102は、操作ノブ200の操作が停止したときの出力信号を受光部400及びA/Dコンバータ401を介して取得し、取得した出力信号に基づいて回転角度と回転方向を算出する。マイコン101は、算出された回転角度と回転方向に基づいて入力カーソル604に表示させる文字を選択し、選択した文字を表示部600に表示させる。
【0040】
操作者は、上記の操作を経て所望の文字入力が終了すると、所定の操作を行って文字の入力操作を終了する。なお、入力した文字の確定は、例えば、操作ノブ200の操作によってカーソル602を他の領域に移動させることによって行われる。
【0041】
(第1の実施の形態の効果)
第1の実施の形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)操作ノブ200の移動方向、移動量、回転方向及び回転角度を同時に検出することができる。
(2)操作ノブ200がスライド操作されている状態であっても正確な回転角度を算出することができる。
(3)操作ノブ200に受光部400を配置する場合に比べて、配置に自由度があり、また、配線を稼動する部分、例えば、操作ノブ200に設けないので、配線の断線等による不具合を防止することができる。
(4)発光部300と受光部400の位置が、操作ノブ200の操作によって変化しないので、回転軸が、操作ノブ200の操作位置によって発光部300と受光部400に対して相対移動しても、安定して操作ノブ200の回転角度を検出することができる。
(5)反射板230に方向性を有する濃淡パターンを有しているので、濃淡パターンを形成しない他の場合と比べて、操作ノブ200の回転角度及び回転方向を精度良く算出することができる。
(6)反射板230に方向性を有する濃淡パターンを有しているので、濃淡パターンを形成しない他の場合と比べて、回転角度の分解能が高い。
(7)1つの受光部400によって操作ノブ200の操作位置に関係なく回転角度を検出することができるので、入力装置1の製造コストを抑制することができる。
(8)非接触で操作ノブ200の回転角度を検出することができるので、接点を有して回転角度を検出するものと比べて、耐久性が高い。
【0042】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態は、受光部を2つ備えている点、及び反射板が小さい点で第1の実施の形態と異なっている。なお、以下の各実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成及び機能を有する部分は、第1の実施の形態と同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0043】
図10は、本発明の第2の実施の形態に係る受光部の設置に関する模式図である。本実施の形態の入力装置1は、図10に示すように、第1の実施の形態における反射板230よりも半径の小さい反射板240と、受光部402及び403とを備えている。
【0044】
この受光部402及び403は、例えば、開口132の長手側の中央に対向して設けられている。受光部402及び403は、例えば、その受け持つ領域が予め設定されており、マイコン101は、X、Yリニアエンコーダ170からの位置情報に基づいて受光部402及び403を切り換えて操作ノブ200の回転角度及び回転方向を算出する。なお、例えば、受光部402及び403の構成は、第1の実施の形態における受光部400と同様であり、また、それぞれにA/Dコンバータが接続されている。
【0045】
(第2の実施の形態の効果)
第2の実施の形態によれば、受光部が1つの場合と比べて、反射板240を小さくすることができ、入力装置1を小型化することができる。
【0046】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態は、反射板に形成されたパターンが異なる点で第1及び第2の実施の形態と異なっている。
【0047】
図11(a)は、本発明の第3の実施の形態に係る反射板の概略図であり、(b)及び(c)は、受光部からA/Dコンバータを介してマイコンに出力される出力信号の概略図である。図11(b)は、操作ノブ200を時計回りに回転させたときにA/Dコンバータ401から出力される出力信号であり、(c)は、操作ノブ200を反時計回りに回転させたときに出力される出力信号である。図11(b)及び(c)は、縦軸が出力信号、横軸が時間である。
【0048】
本実施の形態における反射板250は、図11(a)に示すように、黒スリット251、透過スリット252、黒スリット253、透過スリット254、黒スリット255、透過スリット256、黒スリット257によるパターンが周期的に形成されている。
【0049】
黒スリット251、253、255及び257は、例えば、反射率が透過スリット252、254及び256に比べて大きくなっている。また、透過スリット252、254及び256は、例えば、発光部300から出射された光をほぼ透過させるように構成されている。
【0050】
受光部400は、この反射板250を介して透過した透過光を受光し、A/Dコンバータ401を介して、図11(b)に示す出力信号をマイコン101に出力する。マイコン101の算出部102は、この出力信号のパターンに基づいて操作ノブ200の回転方向及び回転角度を算出する。算出部102は、例えば、必要な分解能に基づいて形成された図11(a)に示すパターンが、検出された回数によって回転角度を算出する。また、算出部102は、例えば、図11(b)及び(c)に示すように、操作ノブ200の回転方向によって、出力される出力信号のパターンが異なるので、容易に回転方向を判定することができる。
【0051】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態は、発光部と受光部がベースカバー上に配置されている点で上記の他の実施の形態と異なっている。
【0052】
図12は、本発明の第4の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。本実施の形態における入力装置1は、図12に示すように、発光部300と受光部400がベースカバー120上に配置されている。この受光部400は、発光部300から出射された光が、反射板230によって反射した反射光を受光し、受光した反射光に基づいた出力信号を出力するように構成されている。
【0053】
操作ノブ200の回転角度及び回転方向の算出は、反射板230に形成されたパターンに応じて上記と同様に行われる。
【0054】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態は、操作ノブの裏面に反射面が形成されている点で上記の各実施の形態と異なっている。
【0055】
図13は、本発明の第5の実施の形態に係る入力デバイス部の要部断面図である。本実施の形態に係る入力装置1は、主に、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射面201を有し、回転操作、及び設置された面に対するスライド操作がなされる操作ノブ200と、操作ノブ200の反射面201に向けて光を出射する発光部300と、発光部300から出射した光が反射面201で反射した反射光を受光し、受光した反射光に基づいた出力信号を出力する受光部400と、を備えて概略構成されている。
【0056】
発光部300及び受光部400は、図13に示すように、ベースカバー120上に配置されている。
【0057】
操作ノブ200の回転角度及び回転方向の算出は、反射板230に形成されたパターンに応じて上記と同様に行われる。
【0058】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されず、本発明の技術思想を逸脱あるいは変更しない範囲内で種々の変形及び組み合わせが可能である。
【0059】
発光部300及び受光部400は、上記の実施の形態に限定されず、例えば、両者が一体とされたフォトインタラプタ等でも良い。
【符号の説明】
【0060】
1…入力装置、100…入力デバイス部、101…マイコン、102…算出部、103…記憶部、110…ベース、120…ベースカバー、121…開口、130…カバー、131…表面、132…開口、133…設置領域、140…Xキャリッジ、141…支持部材、150…Yキャリッジ、151…支持部材、160…ボイスコイルモータ、161…ボイスコイル、162…導電線材、165…磁気回路、166…マグネット、167…ヨーク、170…XYリニアエンコーダ、180…リニアスライドガイド、200…操作ノブ、201…反射面、210…ノブシャフト、230…反射板、231…設置領域、240、250…反射板、251…黒スリット、252…透過スリット、253…黒スリット、254…透過スリット、255…黒スリット、256…透過スリット、257…黒スリット、300…発光部、400、402、403…受光部、401…A/Dコンバータ、500…車載機器、600…表示部、601…表示画像、602…カーソル、603…入力領域、604…入力カーソル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射率が異なる領域が周方向に形成された反射面を有し、回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、
前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、
前記操作部の前記反射面に向けて光を出射する発光部と、
前記発光部から出射した前記光が前記反射面で反射した反射光を受光し、受光した前記反射光に基づく出力信号を出力する受光部と、
前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、
を備えた回転操作装置。
【請求項2】
回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、
前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、
前記操作部に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板と、
前記反射板に向けて光を出射する発光部と、
前記発光部から出射した前記光が前記反射板の前記反射率が異なる領域を透過した透過光、又は反射した反射光として受光され、受光した前記透過光又は前記反射光に基づいた出力信号を出力する受光部と、
前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、
を備えた回転操作装置。
【請求項3】
前記反射率が異なる領域は、濃淡パターン又は粗密パターンによって形成される請求項1又は2に記載の回転操作装置。
【請求項1】
反射率が異なる領域が周方向に形成された反射面を有し、回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、
前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、
前記操作部の前記反射面に向けて光を出射する発光部と、
前記発光部から出射した前記光が前記反射面で反射した反射光を受光し、受光した前記反射光に基づく出力信号を出力する受光部と、
前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、
を備えた回転操作装置。
【請求項2】
回転操作、及び設置された面に対して所定の範囲内でスライド操作がなされる操作部と、
前記操作部の前記スライド操作に基づく位置情報を生成する位置情報生成部と、
前記操作部に設けられ、反射率が異なる領域が周方向に形成された反射板と、
前記反射板に向けて光を出射する発光部と、
前記発光部から出射した前記光が前記反射板の前記反射率が異なる領域を透過した透過光、又は反射した反射光として受光され、受光した前記透過光又は前記反射光に基づいた出力信号を出力する受光部と、
前記受光部から取得した前記出力信号に基づいて前記操作部の前記回転操作による回転角度を算出し、前記位置情報生成部から取得した前記位置情報に基づいて前記受光部に対する前記操作部の見かけの回転角度を算出し、算出された前記見かけの回転角度によって、算出された前記回転角度を補正する算出部と、
を備えた回転操作装置。
【請求項3】
前記反射率が異なる領域は、濃淡パターン又は粗密パターンによって形成される請求項1又は2に記載の回転操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図5】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図5】
【図11】
【公開番号】特開2011−43887(P2011−43887A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190041(P2009−190041)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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