説明

回転機械の可変磁気結合

【課題】ターボファンエンジンの独立的に且つ並行して回転する1対のシャフトの間でトルク伝達するシステムが、磁気ギアボックスを包含する。
【解決手段】磁気ギアボックス110は、第1リング構造116、第2リング構造、および中間リング構造114b、114cを包含し、各々のリング構造は、その中に埋め込んだ複数の永久磁石とを有し、中間リング構造は、第1リング構造と第2リング構造との間に配設され、各々のリング構造は、残りのリング構造に対して同軸的に同心的であり、且つ独立的に回転可能である。第1リング構造および第2リング構造は、回転エンジンシャフトの別体のものに結合し、中間リング構造は、シャフト間においてトルクを伝達するように動作可能である。当該回転機械は、コントローラを有し、シャフト間において伝達されるトルク比率を調節すべく動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機械を結合するための方法および装置に関し、特にターボファン機械の高圧(HP)および低圧(LP)のタービンシャフトの結合に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、一般に、1つまたはそれ以上のコンプレッサを含み、その後に、燃焼室と、高圧および低圧のタービンとを順番に包含する。これらのエンジンコンポーネントは、連続的に流れ連通して配置され、環状外側ケース内におけるエンジンの長手方向軸中心線の回りに配設される。各コンプレッサは作動中、それぞれのタービンおよびコンプレッサ空気によって駆動される。コンプレッサ空気は、燃料と混合され、燃焼室内において点火され、高温燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、高圧および低圧のタービンを介して流れ、それらが高温燃焼ガスによって生じたエネルギーを抽出し、各コンプレッサを駆動し補助動力を発生させる。
【0003】
エンジン出力は、シャフト出力またはスラストのいずれかとして伝達され、飛行中の航空機に動力を供給する。例えば、バイパス式ターボファンエンジンにおけるファンロータまたはガスタービン式プロペラエンジンにおけるプロペラのようなその他の回転可能な負荷において、動力は高圧および低圧のタービンから抽出され、それぞれのファンロータおよびプロペラを駆動する。
【0004】
ターボファンエンジンの個々のコンポーネントは作動中、異なった動力パラメータを必要とするものであると十分に理解されている。例えば、ファンの回転速度は、ファンの直径が非常に大きくて、回転速度が非常に遅くなければならないので、その先端速度によって或る程度まで制限される。コアコンプレッサは一方で、その遥かに小さい先端直径の故に、より高い回転速度において駆動され得る。従って、航空機ガスタービンエンジンにおけるファンおよびコアコンプレッサには、独立的な動力伝達装置を備えた別体の高圧および低圧のタービンが必要である。更にまた、タービンがより高い回転速度において最も効率的であるので、ファンを駆動する低速タービンには、必要な動力を抽出するために補足的なステージが必要である。
【0005】
多くの新しい航空機システムは、現在の航空機システムにおけるものよりも大きい電気的負荷に対応するように設計されている。現在開発中である民間旅客機用の設計の電気システム仕様は、最新型の民間旅客機の2倍もの電力を要求し得る。この電力需用の増大は、航空機を駆動するエンジンから抽出される機械的な動力に由来するに他ならない。例えば高所からアイドリング降下する間のように、比較的低い出力レベルで航空機エンジンを作動させるとき、この補足的な電力をエンジンの機械的動力から抽出することは、エンジンを適切に作動させる能力を低下させ得る。
【0006】
従来的には、電力はガスタービンエンジン内における高圧(HP)エンジンスプールから抽出される。HPエンジンスプールは、HPエンジンスプールの比較的高い作動速度により、それをエンジンに接続する発電機を駆動するための機械的動力の理想的な供給源となる。しかし、発電機を駆動するためには、単にHPエンジンスプールだけに頼るのではなく、エンジン内部の補足的な供給源からも動力を抽出することが好適である。LPエンジンスプールは動力伝達の代替的な供給源を提供するが、低速で駆動する発電機は同様の定格のより高速で駆動する発電機よりも大型であることが多いので、比較的低速のLPエンジンスプールには一般的にギアボックスが必要となる。
【0007】
しかし、比較的低い出力レベル(例えば、高所からのアイドリングまたはアイドリング状態に近い降下、タクシング用の低出力など)で作動しているときに、エンジンからこの補足的な機械的動力を抽出することは、エンジン操作性を低下させ得る。従来的には、この動力は高圧(HP)エンジンスプールから抽出されている。HPエンジンスプールはその比較的高い作動速度により、それをエンジンに取付けられる発電機を駆動するための機械的動力の理想的な供給源となる。しかし、何らかの他の手段によってそれにトルクおよび動力を伝達することによって、このスプールにおいて利用可能である動力の量を増大させることも好適である。
【0008】
エンジンの中におけるもう1つの動力供給源は低圧(LP)スプールであり、典型的には、HPスプールより遥かに低速において、且つ比較的広い速度領域にわたって作動する。この低速の機械的な動力源を変形なしに利用すると、発電機が大きくなり実用的ではなくなってしまう。
【0009】
この変形に対する多くの解決策が、従来的な動力伝達装置、機械的な歯車装置および電気機械的な構成の様々な形式を包含し提案された。そのような解決策の1つとして、発電機を独立的に駆動させる第3の中圧(IP)スプールを利用するタービンエンジンがある。しかし、この第3スプールもまたHPスプールに結合することが必要である。IPおよびHPの各スプールを結合するために使用される手段は、機械的クラッチまたは粘着性タイプの結合機構である。
【0010】
2005年5月24日付けで公布された「トルク偏重能力を備えた差動歯車式タービンエンジン(Differential Geared Turbine Engine with Torque Modulation Capacity)」という発明の名称の米国特許第6,895,741号において、3本のシャフトを有する機械的にギア操作されるエンジンが開示されている。そのファン、コンプレッサおよびタービンシャフトは、補足的な周転円運動式ギア構成を適用することによって、機械的に結合する。電磁機械が、コンプレッサおよびファンの速度特性に対するトルクを選択的に調整し、且つタービン、コンプレッサおよびファンの間における回転速度関係を調整するために制御されても良い。それらの機械は、電気的なスタータとして使用されても良い。コンプレッサロータシャフトおよびファンロータシャフトのいずれかまたは両方が、電力を受け取ってエンジンを電気的に始動させるモータとして機能する機械によって回転されても良い。しかし、これによって機械ギアボックスなしに、並行して回転するHPおよびLPのターボシャフトの結合が達成されるわけではない。
【特許文献1】米国特許第6,895,741号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、機械ギアボックスなしに様々な速度において作動する独立的な回転機械の間において制御可能に動力を伝達するシステムと、磁気的な結合技術を使用して独立的な回転機械の間においてトルクを伝達することとが、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
新たに説明される方法では、1台の回転機械からもう1台の機械へと機械的トルクを可変伝達し、プラネタリ磁気ギアボックスにおける磁気的な効果にのみ依拠して、1台の機械をもう1台に結合させる。第2手段は、トルク伝達を可変制御するために使用される。本発明は、ターボファンエンジンに適用可能であり、ターボファンエンジン内の様々な速度における回転シャフトを結合させて、動力を制御可能に伝達する。比較的高速および低速のエンジンシャフトを周転円運動式磁気ギアボックスに適用することにより、効果的なギア比が、周転円運動式ギアボックスの第3入力において可変に作動させることによって調整され得る。標準的な作動速度の範囲内においてトルク調整することにより、シャフト間における制御可能な動力が伝達される。本発明は特に、エンジンからより大きな機械的動力を抽出するために、または動力学的なエンジン性能を強化する際に有益であり得る。任意により補足的な動力歯車装置が、所望の範囲の操作性を達成すべく採用されても良い。
【0013】
1つの態様において、本発明はエンジンの独立的且つ並行して回転する1対のシャフト間においてトルクを伝達するシステムに関する。当該システムは、磁気ギアボックスを包含する。磁気ギアボックスは、第1リング構造、第2リング構造および中間リング構造を有する。第1、第2および中間のリング構造はそれぞれに、それらを貫通する環状開口を含み、その中に埋め込んだ複数の磁極片を有する。中間リング構造は、第1リング構造と第2リング構造の間に配設される。第1、第2および中間のリング構造は、残りのリング構造に対して同軸的に配設され、同心的且つ独立的に回転可能である。第1および第2のリング構造は、別個の回転エンジンシャフトに結合する。中間リング構造は、第1リング構造および第2リング構造と協働して、1対のシャフト間において伝達されるトルクのレベルを決定する。
【0014】
中間リング構造は、回転機械に結合しても良い。当該回転機械は、コントローラを有しており、角速度の比率を調節し、それに従って1対のシャフト間において伝達される動力の比率も調節するように動作可能である。1つの実施例では、回転機械はコントローラから発生した信号に応じて、中間リング構造からの動力を受け取りそれに対して動力を供給するように構成されるモータ/発電機であり、動力は1対の回転シャフト間において可変配分される。
【0015】
もう1つの態様では、本発明はガスタービンエンジンに関する。ガスタービンエンジンは、低圧タービンスプール、高圧タービンスプール、少なくとも1つの圧縮ステージ、燃焼室、排気システム、および回転ファンブレード構成を包含する。低圧タービンスプールおよび高圧タービンスプールは、磁気ギアボックスを介して磁気結合する。磁気ギアボックスは、第1リング構造、第2リング構造、および中間リング構造を有する。第1、第2および中間のリング構造はそれぞれに、それらを貫通する環状開口を含み、その中に埋め込んだ複数の磁極片を有する。中間リング構造は、第1リング構造と第2リング構造の間に配設される。第1、第2および中間のリング構造は、残りのリング構造に対して同軸的に配設され、同心的且つ独立的に回転可能である。第1および第2のリング構造は、別個の回転エンジンシャフトに結合する。中間リングは、高圧タービンスプールと低圧タービンスプールの間においてトルクを伝達すべく動作可能である。中間リング構造は、回転機械に結合しても良い。回転機械は、コントローラを有しており、高圧タービンスプールと低圧タービンスプールの間において伝達される動力の比率を調節すべく動作可能である。回転機械は、コントローラから発生した信号に応じて、中間リング構造からの動力を受け取りそれに対して動力を供給するように構成されるモータ/発電機であっても良く、トルクは1対の回転シャフト間において可変に配分される。
【0016】
本発明はまた、ガスタービンエンジンの第1および第2の独立的に回転するシャフト間においてトルクを伝達する方法に関する。当該方法は、第1リング構造、第2リング構造および中間リング構造を有する調節可能な磁気ギアボックスを提供し、第1、第2および中間のリング構造の各々が、それらを貫通する環状開口とその中に埋め込んだ複数の磁極片とを有し、中間リング構造が、第1リング構造と第2リング構造の間に配設され、第1、第2および中間のリング構造の各々が、残りのリング構造に対して同軸的に配設され、同心的且つ独立的に回転可能であり; 磁気ギアボックスの第1シャフトを第1リング構造に結合させ; 磁気ギアボックスの第2シャフトを第2リング構造に結合させ; 回転機械を中間リング構造に結合させて、第1および第2のシャフトと回転機械のうちの少なくとも2つを並行して回転させ; 中間リング構造に対して電力を供給し或いはそこから電力を抽出すべく回転機械を作動させることによって、第1リング構造と第2リング構造の間において伝達される動力の比率を制御する、各ステップを包含する。
【0017】
多くのその他の動力結合技術は、機械的な動力を電力に変換する発電を使用して、電力をもう1本のシャフト上における機械的な動力に変換するモータに対して電力が適用される、複数のモータ/発電機の構成に関する。そのようなシステムは、電力用配線装置、動力コネクタ、および補助的な制御システムにかなり依拠しているため、動力変換を達成するものの、コストの増大および信頼性の低さを伴う。
【0018】
本発明の1つの利点は、機械的なリンク機構または接触が各エンジンスプールの間において何も必要とされず、振動の伝達を削減することである。
【0019】
本発明のもう1つの利点は、それがエンジンの内部にあるかまたは外部にあっても良いことである。
【0020】
本発明の更にもう1つの利点は、可変トルク伝達(例えば、ハイブリッド式自動車用動力伝達装置など)を必要とするその他の形式の機械的な装置においても適用され得ることである。
【0021】
本発明の更にもう1つの利点は、如何なる機械的な接触もなしに1本の回転シャフトをもう1本に結合する定常的なトルク可変式動力結合を許容することである。本発明は、更に、電力に対する中間的な転換なしで、トルクまたは動力の結合を許容するものでもある。
【0022】
本発明の補足的な利点は、その他の様式において機械的な歯車装置が使用されるときに生じ得る故障に対して耐性がある任意のマルチスプール式タービンエンジンの各スプールの間において機械的な動力を制御可能に伝達する方法を提供することである。入力と出力の間において機械的な接触が存在しないので、壊滅的な損傷または故障の機会もまた僅かしか存在しない。
【0023】
本発明は、エンジン能力に対する影響を最小限にする様式においてタービンエンジンからより大きな量の機械的な動力を抽出するシステムを提供するものであり、動力抽出の供給源を変更可能に選択することによって、エンジンの操作性を潜在的に向上させ得るものでもある。
【0024】
本発明のその他の特徴および利点は、本発明の原理を具体例として示している添付図面と共に考慮して、好適な実施例に関する後続の更に詳細な説明から明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1において示したものは、全てが連続的な軸方向流れ関係で配置されている、ファン35、ブースタ11、高圧コンプレッサ20、燃焼室22、高圧タービン23、および低圧タービン27を有する例示的な一般的ターボファンエンジン10である。ファン35、ブースタ11および低圧タービンは、低圧スプール29によって、連続的に接続する。高圧コンプレッサ20、燃焼室22および高圧タービンは、高圧スプール21によって連続的に接続する。
【0026】
コアエンジン内の燃焼室22は、高圧力コンプレッサ20からの圧縮空気を燃料と混合させ、結果として生じる燃料および空気の混合物に点火して、燃焼ガスを発生させる。或る仕事量が、これらのガスから各高圧タービンブレード(図示せず)によって抽出され、それが高圧コンプレッサ20を駆動する。燃焼ガスは、コアエンジンから動力タービンまたは1列の低圧タービンブレードを有する各低圧タービンブレード(図示せず)の中に吐出される。
【0027】
次に図2を参照すると、磁気的な周転円運動式ギア構成すなわちギアボックス110は、内側磁石リング112、中央または中間のリング114および外側磁石リング116を包含する。各々のリング(内側112、中央114および外側116の)は、リング構造112,114および116に沿って間隔を置いて埋め込まれる予め定めた個数の磁極片112a,114aおよび116aによって構成される。極片112aおよび116aは永久磁石によって構成され、極片114aは磁気透過性材料によって構成され、極片114aは磁気的に非透過性のセクター114bによって分離される。内側および外側のリング構造112,116は、磁気透過性材料によって構成される。磁気ギアボックス110は、各々のリング112,114および116の中における磁極の個数によって規定される固定トルク比率を有する。磁気ギアボックス110は、ターボファンエンジン10のHPおよびLPのスプール21,29を結合させる。固定トルク比率は、各リング112,114および116の回転速度が以下で規定される式1を満たす状況においてのみ、適用されることに留意すること。エンジン内の力は各ロータの速度が互いに独立しているようなものであるので、理想的なトルク分割は、中間リングがスリップを排除するに足る十分に低い負荷で自由に回転するときにのみ実現される。固定トルク比率は、磁気ギアボックス110が機能する傾向性を説明する理想的特性である。磁気ギアボックス110に負荷を掛けることは、磁気ギアボックス110を理想的な関係から逸脱させるが、小さな速度変化の場合に[下記の式1から]結果として生じる力は、理想的なトルク比率を復元し、且つ各速度を[式1に従って]調和させる方向におけるものである。
【0028】
磁気ギアボックス110は、図3に示した機械式周転円運動プラネタリギアボックス120の完全に受動的な磁気的等価物を提供する。高度な磁気結合が磁気ギア構成110において達成され、それが機械式周転円運動プラネタリギアボックス120に匹敵するトルク密度を可能にする。しかし、磁気ギアボックス110は、各リング112,114および116の間における機械的な接触なしで機能し、結果として、機械的な振動を削減する。その脱出トルクは磁気ギアボックス110が摺動することを許容し、過度のトルクに曝されるときにも、故障して破損する機械的なギア構成と比較して安全性のファクタを可能にする。磁気ギアボックスのギア比は1未満(すなわちi<1.0)であり得るが、機械的な周転円運動式ギアボックスのギア比(下記の式2を参照)はi>1.0(差動ギアボックスの場合にはi=1.0)に限定されるので、磁気ギアボックス110は、機械的な周転円運動式ギアボックスに対して補足的な利点を提示する。
【0029】
再び図3を参照すると、上述のように、磁気ギアボックス110は、内側リング112、中間リング114および外側リング116を有するものであり、それらは、機械的な周転円運動式ギアボックス120の3つの主要なコンポーネントに類似し、すなわち、最も内側の「太陽」ギア122、中央の「プラネット」キャリア124および最も外側のリングギア126が、それぞれに、内側リング112、中間リング114および外側リング116に対応する。ギア122,124および126の各々は、それぞれに、122a,124aおよび126aとして示される歯を有する。プラネットキャリア121は、各中央「プラネット」キャリア124の一様な位置を「太陽」ギア122の回りに維持するために使用される。
【0030】
図4を参照すると、太陽ギア122(ωによって示した)、プラネタリギア124(ωによって示した)およびリングギア126(ωによって示した)の角速度は、図4に示した計算図表によって例示される。各々のギア角速度ω,ωおよびωは、垂直方向軸132,134および136によってそれぞれに示される。角速度ω,ωおよびωは、以下の通りに式1によって決定される。
【0031】
ω(1−i)=ω - (i)(ω) ・・・(式1)
ここでは、プラネタリギアセットの比率はiであり、
=−z/z ・・・(式2)
=リングギアの歯の本数であり、z=太陽ギアの歯の本数である。
【0032】
キャリア速度ωの縦座標140は、太陽ギア速度ωおよびリングギア速度ωの縦座標142,144の間において、水平方向軸138に沿って配設される。キャリア縦座標140は、水平方向軸138の下において矢印146,148で示したように、1からiまでの比率において、2つの外側の縦座標142,144の間における間隔を分割する。垂直方向軸132,134および136のそれぞれに対する線158の交点152,154および156は、それぞれに、角速度ω,ωおよびωの数値を規定する。周転円運動式歯車装置の速度を変化させることによって、斜線158は回転する。トルクT,TおよびTは、式3に従って太陽ギア122、キャリア124およびリングギア126の各シャフトに作用する。
ω + Tω + Tω = 0 ・・・(式3)
次に図5を参照すると、HPスプール21とLPスプール29の間に配設した可変式磁気ギアボックス110を有するターボファンエンジン10が、概略的に示されている。磁気ギアボックス110の外側リング116はHPスプール21に結合し、内側リング112はLPスプール29に結合し、第3リング114はモータ/発電機(M/G)160に結合する。エンジン10は、HPスプール21に結合して、スタータ/発電機164,166を駆動する従来的なギアボックス162をも含み、航空機システムのための主要な電力供給源を提供する。本発明は、エンジンの高速および低速のスプールを接続する2つ以上のスプールを有するエンジンに対しても適用され得ると理解すべきである。中間リング114は、M/G160に結合する。中間リング114は、2つの効果的なリング114bおよび114cに分割されても良く、それらは、中間リング114が磁気ギアボックス110によってエンジンスプール21,29の間に準備される結合が何も存在しないフリーホイールであるべく許容されて相殺するように、或いは内側リング112と外側リング116の間における結合の度合いすなわちパーセンテージを調節するように、磁場のフェージングを前進させるかまたは遅延させるべく制御可能に調整されても良い。これは、一般的なキー付きシャフト上に2つの個別リング114b,114cを取付けて、それぞれの磁場の位相調整を提供する制御手段(図示せず)を提供することによって達成されても良い。1つの代替的な方法は、それぞれの磁場のための外部的な位相制御装置(図示せず)を備えたインターリーブ式磁極114b,114cを有する単一の統合的なリング114を提供することである。特には中間リング114が磁気ギアボックス110によってエンジンスプール21,29の間に準備される結合が何も存在しないフリーホイールであるように許容することによって、磁気ギアボックス110に接続するシャフトの間における磁気的な結合を制御する能力は、HPスプール21およびLPスプール29のような2本のシャフトを切離すことが必要であるとき、安全性機能を提供する。HPスプール21、LPスプール29およびM/Gの構成は、以下で更に詳細に議論されるように、選択的に修正されても良く、内側リング112、中間リング114および外側リング116が、HPスプール21、LPスプール29およびM/Gの何れかに結合して、代替的なトルク伝達特性を達成すると留意すべきである。
【0033】
図6を参照すると、立体分解図が磁気ギアボックス110の3リング式構成を示している。内側リング112はLPスプール磁石112aを内包する。この実施例では、中間リング114の磁極114b,114cは、同軸的な条線114b,144cによって示したように、インターリーブ配置される。中間リング114は、M/G160に結合し、HPスプール21とLPスプール29の間におけるトルクの相対的な配分を制御するために使用される。外側磁石リング116はHPスプール21に結合し、内側磁石リング112はLPスプール29に結合する。リング112,114および116の各々は、他のものに対して同軸的且つ同心的であり、独立的に回転可能なものでもある。
【0034】
図7および図8を参照すると、本発明の好適な実施例が示されている。磁気ギアボックス110は、標準的にLPスプール29より高速度で回転するHPスプール21が内側リング磁石112に結合して内側リング磁石112をより高速度で作動させ、LPスプール29がHPスプール21より低速度で作動する外側磁石リング116に結合するようにして、構成される。この関係は、例えば、プラネタリ歯122aの固定セットの場合に、磁気ギアボックス10の自然な歯車装置比率に追随するものである。しかし、HPおよびLPのスプール21,29は、互いに独立的に且つ変化する速度で作動しても良い。そのような状況下では、固定比率の結合は許容され得ないので、中間磁石リング114が、これもまた同様に独立的に回転するように配置される。中間磁石リング114は、式1および2によって規定される角速度で回転する。線158(図4を参照)は、LPに対するHPの速度の或る特定の比率で速度0を通過することが可能であった。可動式中間リング114にトルクを掛けることによって、トルクは、磁気ギアボックスの式1および2に従って、内側リング112および外側リング116に伝達される。可動式中間リング114上に掛かるトルクは、所望の方向に動力を伝達するためにポジティブであるかまたはネガティブであっても良い。このトルクは、回転している中間リング114に掛けられ、その結果として、動力は、この場所において何れかの方向に流れることになる。この伝達される動力のための電源および負荷は、可変に供給されるべきである。例えば、モータ/発電機160は、図5に示すように、動力を中間リング114に供給し或いはその中において動力を消費させるべく使用されることが可能であった。しかし、この電力は、既存の電力システムから獲得されなければならない。その際、動力を循環させることは、機械的な形態および電気的な形態の両方において生じ得る。設計において慎重に考慮されない場合には、動力システムの重量およびサイズの増大が生じるかもしれない。不都合に循環する動力を最小限にするためには、可変トルクカプラ200が、中間リング114に掛かる出力トルク或いは周転円運動式磁気ギアボックス110に対するその他の入力を変化させる。
【0035】
図8に示したように、可変トルクカプラ200は、入力のための回転式永久磁石202と、出力シャフト206を駆動する回転式カゴ形誘電ロータ204と、摺動式磁気シールド制御装置(図示せず)とを有する。ロータ204は、キー付き出力シャフト206上を摺動して、可変トルクカプラ200の出力トルクを選択的に制御する。矢印208によって示したように、可変トルクカプラをエンジンの中心線に対して軸方向に摺動させることによって、ロータ上において誘導される電流およびトルクが調節される。このカプラ200の出力は、シャフト206を介して磁気ギアボックス110の中間リング114の入力に対して適用され、結果として、それを介する動力の流れを制御する。
【0036】
可変トルクカプラ200に加えて、連続的且つ無限可変式の機械的な動力伝達装置、油圧的な動力伝達装置、モータ/発電機の組合せ、および新規な電気機械的構成を含みた幾つかのその他の構成が採用されても良い。
【0037】
本発明は、それを介する動力の流れを制御する連続的且つ可変的な方法と組み合わせた周転円運動式磁気ギアボックス110を開示している。この連続的な可変性の適用は、HPおよびLPのスプール21,29の作動領域の全体にわたって任意に適用され得るものであり、例えば、幾つかの作動方式では、中間リング114は、如何なるトルクが掛かることもなく完全に自由に回転しても良い。逆に言えば、その他の作動方式では、中間リング114は、1つの方向において回転するように拘束されても良く、LPスプール29に対するHPスプール21の速度比率を一定に維持するために必要なトルクを提供する。磁気ギアボックスの固定ギア比は、変更可能に形成される。可変的なギア比を備えた磁気ギアボックス110は、第1の機械的な回転シャフトから第2の機械的な回転シャフトに対する動力の伝達を制御する能力を提示する。任意選択的には、補足的な歯車装置のステージが、エンジンスプールの作動速度の最適化を許容すべく提供されても良い。
【0038】
下記の表1は、LPスプール29、HPスプール21およびM/Gセット160がそれらの間におけるトルク結合に関して構成され得る実行可能な並べ替えを示している。
【0039】
【表1】

もう1つの様相では、磁気ギアボックス110は、ターボファンエンジンのHPスプール21とLPスプール29の間におけるトルク伝達の固定比率を提供し得るものであり、そこでは、M/G160または可変トルクカプラ200のような第3の入力装置は中間磁気リング114に接続しない。例えば、図9には、磁気ギアボックス110がHPスプール21およびLPスプール29に結合する単純化した構成が示されている。この構成は、標準的な機械式ギアボックス構成162を介して動力をHPスプール21から抽出するものであり、そこでは、ギアボックス162が1つまたはそれ以上のスタータ168またはスタータ/発電機164に結合する。スタータ/発電機164による動力の抽出が増大するとき、LPスプール29は、磁気ギアボックス110を介して補足的な動力を提供し得るものであり、HPスプール21によって提供される動力の量がほぼ一定になり、HPスプール21の速度を一定のままに維持することを許容する。これは、少なくとも3つの有益な効果を有する。すなわち、(1)緊急用スラストを増大させる低加速時間、(2)HPスプールの高い安定性マージン、および(3)LPスプール速度を低下させることに起因するアイドルスラストの削減である。トルク結合式磁気ギアボックス110は、例えば、HPタービン23とLPタービン27の間において分割される動力を最適化し、或いは、コアエンジン18の加速または減速を支援する動力供給源/動力シンクとしてLPスプール21を利用するためにトルクを伝達するようなその他の様式において、パフォーマンスおよび操作性を向上させるべく内部的に使用され得るものでもある。ファン速度制御装置の下にある間に動力をファンに対して移動させることがサイクルを再度バランスさせるので、この構成は、定常状態の空気速度安定性のためのスラスト制御装置としては使用されないことに留意すること。これは燃料フローを変化させ得るが、より多くのスラストを形成することにはならない。
【0040】
様々なターボファン構成は、図面で示したそれらの具体例以外の磁気ギアボックス110を採用しても良い。具体例として、3スプール式ターボファン(例えばHP、LPおよび補助用)が、磁気ギアボックス110を備えて構成されても良く、3つのスプールのうちの任意の2つのスプールが接続し得ることになる。代替的には、3つのスプールを有するターボファンにおいて、2つの磁気ギアボックス110が、残りの2つのスプールに対して任意のスプールを接続するように構成されても良い。更にもう1つの構成では、3スプール式ターボファンは、1つの磁気ギアボックス110が3つの全てのスプールに接続され得ることになり、1つのリング112,114および116が各々のスプールに接続するようにして、構成されても良い。磁気ギアボックス110に対する入力動力は、ターボファンの第3スプールから供給されても良い。或いは、2スプール式ターボファンにおいて、ギアボックスの使用によって形成される第3の従属的なスプールが、ギア付きファンまたはギア付きブースタのようなものを備えたHPスプールの各部分を切離すべく採用されても良い。
【0041】
本発明は、ターボファンエンジン以外の回転機械に対しても適用され得るものである。例えば、自動車形式の差動ドライブシステムが磁気ギアボックス110を採用しても良く、そこでは、左の車軸が1つのリング構造に接続し、右の車軸がリング構造の他のものに接続し、中間リングが固定される[すなわち、i=1]。良好な牽引力を備えた直線的な運転では、両方のリングは、対向方向において同じ速度で回転する。カーブでは、それらのリング速度は、一方がより速くなり一方がより遅くなって、僅かに逸脱するものであり、小さな復元トルクが、速い車軸を遅らせて、遅い車軸を加速させる傾向になる。一方の車輪が逸脱する場合には、何らかのスリップ速度が存在することになり、その速度において、実質的なトルクが、それらの車輪を同じ回転速度に復帰させるべく生成される牽引力を備えて、スリップしている車輪から車輪へと動力を伝達するように機能する。
【0042】
本発明のもう1つの適用では、マルチ発電機式パワーシステムが、1つのプライム・ムーバから駆動されても良く、そこには、1つのマスター発電機が存在していて、残りの発電機は従属的発電機である。プライム・ムーバからマスター発電機への結合は剛直であり、それは複式磁気ギアボックス110の第1リングに接続する。プライム・ムーバと従属的発電機の間における継手または各継手は、基準値からの接線方向への変位の限定的な範囲内において捩り撓み性であることになる。それらの従属的発電機は、同様な個数の磁気ギアボックス110の1つまたはそれ以上の第2リングに接続する。中間リング114は、接線方向の変位の前記限定的な範囲内においてそれらの従属的発電機を遅延させるかまたは前進させるべく制御され、全ての従属的発電機はマスター発電機に対する同一の位相角度で作動していることになる。この構成は、パワーシステムにおいて相当な損失を引き起こし得るものであるギアボックスのミスアラインメントおよび摩耗、ロータおよびステータの製造公差などの問題を取り除いて、発電機の全体にわたってより一様な電気的負荷を配分する。
【0043】
本件の書面に拠る説明は、最適の態様を包含させて、本発明を開示する具体例を使用していて、当業者が本発明を実行して使用することを可能にするものでもある。本発明の特許可能な範囲は、その請求項によって規定されていて、当業者に想起されるその他の具体例を含み得るものである。そのようなその他の具体例は、それらが各請求項の文字通りの表現から実質的には相違していない構造的要素を有しているならば、請求項の範囲内に納まるものであると意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】一般的なターボファンエンジンの概略図である。
【図2】磁気的な周転円運動式ギア構成の概略図である。
【図3】機械式周転円運動プラネタリギアボックスの概略図である。
【図4】図3の周転円運動式ギアボックスに関するベクトル数学的な関係を示している計算図表である。
【図5】可変式磁気ギアボックスを有するターボファンエンジン10の概略図である。
【図6】可変式磁気ギアボックスの3リング式構成を示している立体分解図である。
【図7】可変トルクコントローラを備えた可変式磁気ギアボックスを有するターボファンエンジンを示している好適な実施例の概略図である。
【図8】図7に示した可変トルクコントローラの概略図である。
【図9】磁気ギアボックスが一定比率の構成においてHPスプールおよびLPスプールに結合する単純化した構成を示している。
【0045】
可能である場合にはいつでも、同じ参照番号が、図面の全体にわたって同じであるかまたは同様である部品を指し示すために使用されるものとする。
【符号の説明】
【0046】
10 ターボファンエンジン
35 ファン
11 ブースタ
20 高圧コンプレッサ
22 燃焼室
23 高圧タービン
27 低圧タービン
29 低圧スプール
21 高圧スプール
110 磁気的な周転円運動式ギアボックス
112 内側磁石リング
114 中央または中間のリング
116 外側磁石リング
112a 磁極片
114a 磁極片
116a 磁極片
120 機械的な周転円運動式ギアボックス
122 太陽ギア
124 プラネタリギア
126 リングギア
122a 太陽ギア歯
124a プラネタリギア歯
126a リングギア歯
121 プラネットキャリア
124 プラネットキャリア
132 ギア角速度軸
134 ギア角速度軸ω
136 ギア角速度軸ω
138 水平方向軸
140 キャリア速度ωc縦座標
142 太陽ギア速度ωs縦座標
144 リングギア速度ωr縦座標
146 矢印
148 矢印
152 交点ωs
154 交点ωc
156 交点ωr
158 斜線
160 モータ/発電機(M/G)
162 スタータ/発電機ギアボックス
164 スタータ/発電機
166 スタータ/発電機
200 可変トルクカプラ
202 永久磁石
204 ロータ
206 出力シャフト
208 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの独立的に且つ並行して回転する1対のシャフトの間においてトルクを伝達するシステムであって、当該システムが:
磁気ギアボックス(110)を含み、磁気ギアボックス(110)が、第1リング構造(116)、第2リング構造(112)、および中間リング構造(114)を含み、各々の第1(116)、第2(112)および中間(114)のリング構造が、それらを貫通する環状開口と、その中に埋め込んだ複数の磁極片(112a,114a,116a)とを有し、中間リング構造(114)が、第1リング構造(116)と第2リング構造(112)の間に配設され、各々の第1(116)、第2(112)および中間(114)のリング構造が、残りのリング構造に対して同軸的に配設され、同心的且つ独立的に回転可能であり;
第1(116)および第2(112)リング構造が、それぞれに回転エンジン(10)シャフトの別体のものに結合し、中間リング構造(114)が、第1リング構造(116)および第2リング構造(112)と協働して、シャフトの対の間において伝達されるトルクレベルを決定する、
システム。
【請求項2】
中間リング構造(114)が回転機械に結合していて、回転機械がコントローラを有し、回転機械がシャフトの対の間において伝達されるトルクレベルを調節すべく動作可能である、
請求項1記載のシステム。
【請求項3】
回転機械は、コントローラによって生成される信号に応じて中間リング構造(114)からの動力を受け取り且つそれに対して動力を供給するように構成されるモータ/発電機(160)であり、トルクが回転シャフトの対の間において可変伝達される、
請求項2記載のシステム。
【請求項4】
回転機械がロータ部分(204)と複数の永久磁石(202)をその中に埋め込んだ第3環状リング(114)構造とを含み、ロータ部分(204)が、出力シャフト(206)を含み、回転機械の軸に沿って2方向に運動してロータ(204)を第3リング(114)の中に磁気結合するように構成され、第3環状リング(114)が、独立的に回転するエンジン(10)のシャフトのうちの1本に対して駆動的に結合し、ロータ部分(204)の中において電磁場を誘導して、出力シャフト(206)の出力トルクを選択的に制御し、ロータ(204)の出力シャフト(206)が、第1(116)、中間(114)または第2(112)のリング構造のうちの1つに結合する、
請求項2記載のシステム。
【請求項5】
ロータ部分(204)がカゴ形誘電ロータである、
請求項4記載のシステム。
【請求項6】
磁気ギアボックス(110)が機械式周転円運動プラネタリギアボックスの完全に受動的な磁気的等価物を含む、
請求項1記載のシステム。
【請求項7】
磁気ギアボックス(110)の脱出トルクが、過剰に掛かったトルクに応じて、第1(116)、第2(112)および中間(114)のリング構造が摺動することを許容して、磁気ギアボックス(110)に対する機械損傷を防止する、
請求項1記載のシステム。
【請求項8】
第1(116)、第2(112)および中間(114)のリング構造が以下の式によって関連付けられる角速度ωp,ωsおよびωrを有し:
ω(1−i)=ω−(i)(ω
ここでは、比率i=z/zであり、z/zは、第2リング構造(112)中の永久磁石(202)の個数に対する磁気ギアボックス(110)の外側プラネタリリング上の第1リング構造(116)中の永久磁石(202)の個数によって規定される比率である、
請求項2記載のシステム。
【請求項9】
トルクTs,TcおよびTrは、第1リング構造(116)、第2リング構造(112)および中間リング構造(114)に対応し、以下の式に従って、第1(116)、第2(112)および中間(114)のリング構造にトルクを掛ける:
ω + Tω + Tω = 0
請求項8記載のシステム。
【請求項10】
エンジン(10)が第1シャフトに結合する高圧タービン(23)と第2シャフトに結合する低圧タービン(27)とを有するターボファン航空機エンジンである、
請求項1記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−157458(P2008−157458A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329436(P2007−329436)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】