説明

回転機械の故障診断システム

【課題】専用の騒音センサ及び振動センサを用いることなく、画像処理分析技術を用いて回転機械の故障診断を行う。
【解決手段】回転機械1の表面には評価用図形が表示されており、回転機械1から離れた位置に固定されているカメラ付き携帯電話機等の通信装置2が評価用図形の画像データを取得する。得られた画像データは、PC等からなるデータ処理分析装置3に伝送され、該装置3は、受け取った現在画像データから得られる現在画像パターンの面積と、予め記憶された回転機械の正常稼働状態での評価図形の基準画像データから得られる基準画像パターンの面積とを対比し、面積の差が所定値以上になったときに、回転機械1が故障であると判定する。回転機械1上にカメラ付き通信装置2を配置し、回転機械1から離れた壁面等に評価用図形を表示しても良い。評価用図形は、円形の内部に十字形を表した図形等の単純図形を採用することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機械の故障診断システムに関し、より詳細には、回転機械の故障を画像処理分析技術を用いて診断するようにした故障診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体製造プラント等の種々の分野において各種作業の自動化が推進されており、これに伴ってブロワ、排風機、ポンプ等の各種の回転機械が各種の作業部門で使用されるようになってきている。
このような回転機械の故障診断には、監視員が回転機械から発せられる音の大小に基づいて経験的に判断する方法、並びに、騒音センサ及び/又は振動センサを用いて回転機械が発する騒音及び/又は振動を計測し、その値に基づいて診断する方法がある。
また、回転機械のモータが一定回転数で回転されているときのモータの電流値が所定のスレッショルド値を超えたときに故障警報を出力する装置も提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、監視員の経験に基づく故障診断は、監視員の経験不足がある場合には、回転機械が故障しているにも拘わらず故障ではないと判断する可能性があり、またその逆に、故障していないにも拘わらず故障していると判断し、回転機械の運転を停止させてしまうことがある。前者の場合は、重大な事故に結びつくことがあり、後者の場合は、回転機械の無用な稼働停止による作業停止の損失が生じてしまう。
また、騒音センサ及び振動センサによる回転機械の故障診断は、振動を電気信号に変換してそれを表示させる装置が高価であり、特に、電力及び信号用の配線設備、信号分析処理設備、及び分析結果の表示設備を備える場合には、さらに高価となる。
さらに、モータが一定回転数で回転しているときのモータ電流値に基づいて故障診断を行う方法では、モータの回転数を変更して使用する場合に故障診断を行うことができない、という問題がある。
【0004】
本発明は、上記したような従来例の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、専用の騒音センサ及び振動センサを用いることなく、画像処理分析技術を用いて回転機械の故障診断を行うことができる故障診断システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した目的を達成するために、第1の観点の本発明は、回転機械の故障を診断するシステムであって、
回転機械の表面に表示されている評価用図形と、
回転機械から離れた位置に固定されている撮像装置であって、評価用図形の画像データを取得する撮像装置と、
撮像装置からの画像データを受け取り、該受け取った現在画像データから得られる現在画像パターンと、予め記憶された回転機械の正常稼働状態での評価図形の基準画像データから得られる基準画像パターンとを対比し、その対比結果に基づいて回転機械の故障を診断するデータ処理分析装置と
からなることを特徴とする故障診断システムを提供する。
【0006】
上記した目的を達成するために、第2の観点の本発明は、回転機械の故障を診断するシステムであって、
回転機械に固定されているパネル上に表示されている評価用図形と、
回転機械から離れた位置に固定されている撮像装置であって、評価用図形の画像データを取得する撮像装置と、
撮像装置からの画像データを受け取り、該受け取った現在画像データから得られる現在画像パターンと、予め記憶された回転機械の正常稼働状態での評価図形の基準画像データから得られる基準画像パターンとを対比し、その対比結果に基づいて回転機械の故障を診断するデータ処理分析装置と
からなることを特徴とする故障診断システムを提供する。
この故障診断システムにおいて、パネルは、回転機械の振動を増幅する部材を介して回転機械に固定されていることが好ましい。
【0007】
上記した目的を達成するために、第3の観点の本発明は、回転機械の故障を診断するシステムであって、
回転機械から離れた位置に固定表示されている評価用図形と、
回転機械に固定されている撮像装置であって、評価用図形の画像データを取得する撮像装置と、
撮像装置からの画像データを受け取り、該受け取った現在画像データから得られる現在画像パターンと、予め記憶された回転機械の正常稼働状態での評価図形の基準画像データから得られる基準画像パターンとを対比し、その対比結果に基づいて回転機械の故障を診断するデータ処理分析装置と
からなることを特徴とする故障診断システムを提供する。
この故障診断システムにおいて、撮像装置は、回転機械の振動を増幅する部材を介して回転機械に固定されていることが好ましい。
【0008】
上記した第1〜第3の観点の本発明に係る故障診断システムにおいて、データ処理分析装置は、現在画像パターンと基準画像パターンとのパターンマッチングを行い、マッチングしない程度が所定の閾値よりも大きい場合に、回転機械が故障であることを示す信号を出力するよう構成されていることが好ましい。また、データ処理分析装置は、現在画像パターンの面積及び基準画像パターンの面積を演算し、これら面積の差を演算し、該差が所定の閾値以上である場合に、回転機械が故障であることを示す信号を出力するよう構成されていることが好ましい。さらに、撮像装置は、データ処理分析装置と通信可能なカメラ付通信装置であり、データ処理分析装置は、カメラ付通信装置にアクセスすることによりカメラ付通信装置を所定の期間動作させ、該所定の期間に渡ってカメラ付通信装置から受け取る現在画像データを累積することにより得られた画像データを、現在画像データとするよう構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記したように構成されているので、簡単な構成で、回転機械の故障診断を効率的に行うことができる。
また、撮像装置として、カメラ付き携帯電話等の通信装置を使用することにより、回転機械から遠隔地にあるデータ処理分析装置からのアクセスに応じて画像データを返送することができるため、プラント等において多数配置されている回転機械の集中的な遠隔監視が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明に係る回転機械の故障診断装置の一実施例を説明するための図であり、図1において、1は故障診断の対象の回転機械、2はカメラ付通信装置、3はデータ処理分析装置、4は警報装置である。
カメラ付通信装置2は、カメラ付きの携帯電話端末又は固定電話端末等であり、撮像機能及びそれにより得られた画像データを通信する機能を備えた装置であれば、任意の装置を採用することができる。これら機能を個々に備えた装置の組合せであってもよい。また、通信機能を具備せずに、データ処理分析装置3に有線で接続されて画像データを送るカメラのみであってもよい。
データ処理分析装置3は、送られてきた画像データを処理する機能を備えたPC等のコンピュータであり、したがって、データ処理分析装置3の機能はコンピュータプログラムによって実現される。データ処理分析装置3及び警報装置4は、回転機械1の近傍に配置される必要が無く、遠隔のオペレーションルーム等に配置されても良い。
【0011】
また、図1において、5は回転機械等に固定されたパネルであり、6はカメラ付通信装置2を天井、壁面に固定し、電源供給や通信操作をするための固定装置である。また、7は回転機械の振動を増幅する部材である。
パネル5には、図2の(A)に示すような、円形の中に十字形を表した評価用図形が表示されている。なお、この図形は、図2の(A)に示した図形に限定されるものではなく、黒色等で表される部分の面積を比較的簡単に演算できる単純形状の図形であれば、どのようなものでも評価用図形として採用することができる。例えば、円形のみ、十字形のみであってもよく、さらには、矩形、三角形等であっても良い。また、パネル5は、回転機械そのものであってもよく、すなわち、回転機械に評価用図形を直接表示してもよい。カメラ付通信装置2と評価用図形(又はパネル5)との距離は、評価用図形の画像がある程度鮮明に得られ、しかも、回転機械1の振動がある程度増幅された状態で反映される必要があるため、0.1m〜5mの範囲であることが好ましい。
【0012】
カメラ付通信装置2は、パネル5に向けられて固定されており、評価用図形を撮影して得られた画像データをデータ処理分析装置3に送信する。データ処理分析装置3は、受け取った画像データを処理して、該画像データによって表される画像の図形の面積を演算する。
このとき、データ処理分析装置3は、所定の時間Tに得られた複数の画像フレーム中の各画素Pij(i行j列の画素)の画像データIijを累算する。これにより、回転機械1が正常運転している場合には、回転機械1の振動が比較的小さいため、データ処理分析装置3によって再生される画像は、図2の(B)に示すような、回転機械1が非稼働時に得られる評価用図形の画像と面積がほぼ等しいかやや増大した画像となる。一方、回転機械1が故障している場合には、その振動幅が大きくなるので、再生される画像は、図2の(C)に示すように、面積が増大した画像となる。
データ処理分析装置3は、再生された画像の面積の増大を検出し、その面積の増大が所定の閾値を超えた場合に、警報装置4を駆動させることにより、回転機械1に異常が生じたことを警報させる。閾値は、実機テスト等により、回転機械1に生じる振動変位と評価用図形の面積の増大との関係を予め測定し、それに基づいて、異常による振動変位に対応する面積増大分を閾値として決定すればよい。
【0013】
図3の機能ブロック図を参照して、データ処理分析装置3の構成を、より詳細に説明する。データ処理分析装置3は、カメラ付通信装置2からの画像データを処理して画像認識を行い、所定の時間T中に得られる複数の画像フレームの各画素Pijの画像データIijを累算して画像パターンを生成する画像パターン生成部31、及び、回転機械1が正常動作しているときに得られる図2の(B)に示すような画像パターン(基準画像パターン)を記憶する基準画像パターン記憶部32を備えている。基準画像パターン記憶部32には、回転機械1の初期動作時等の正常動作時に、スイッチ33を基準画像パターン記憶部32の側に所定の時間Tオンすることにより、カメラ付通信装置2から送信された画像データに基づいて画像パターン生成部31が生成した画像パターンを、基準画像パターンとして記憶させる。
【0014】
データ処理分析装置3はさらに、パターンマッチング部34、及び正常/異常判定部35を備えている。パターンマッチング部34は、画像パターン生成部31から現在得られた画像パターン(現在画像パターン)と、基準画像パターン記憶部32に記憶されている基準画像パターンとをパターンマッチングすることにより、これらの面積の差(すなわち、基準画像パターンの面積からの増大した面積分)を演算する。なお、本明細書において、画像パターンとは、図2の(B)及び(C)に示されているような図形において、黒色で表されている部分のみであり、したがって、画像パターンの面積とは、黒色部分の面積である。例えば、面積の増大分は、現在画像パターンに含まれる画素数から基準画像パターンに含まれる画素数として演算することができる。
【0015】
正常/異常判定部35は、得られた面積の差すなわち増大面積が所定の閾値を超えているか否かを判定し、超えている場合に、警報装置4を動作させる警報駆動出力を供給する。なお、閾値を2つ設け、面積の増大が低い方の閾値を超えた時点で回転機械1が要観察であることを示す警報を発生し、高い方の閾値を超えた場合に回転機械1に障害が生じたものとして運転を停止すべきことを示す警報を発生させても良い。
なお、上記した例においては、画像パターン(画像データを所定時間T累算することにより生成)を生成しているが、画像パターンを生成することなく、所定時間T中に受信した画像データに含まれる黒色画素の数を計数し、予め計数し記憶した正常動作時の黒色画素の数との差を検出するようにしてもよい。これによって、等価的に、基準画像パターンと現在画像パターンの面積の差を得ることができる。
【0016】
図1に示した実施例では、カメラ付通信装置2を回転機械1に固定し、評価用図形を天井又は壁面に表示しているが、カメラ付通信装置2と評価用図形との配置関係を逆にして、カメラ付通信装置2を天井又は壁面に取り付け、評価用図形を回転機械1に直接表示又は評価図形を表示したパネル5を回転機械1に固定しても良い。
【0017】
カメラ付通信装置2を回転機械1に固定する場合、及びパネル5を回転機械に固定する場合の具体的手段の例を、図4の(A)及び(B)を参照して説明する。図4の(A)及び(B)において、11は、回転機械1のケーシング部分であって、回転による振動が生じやすい部分であり、この部分11にボルト及びナット等の固定金具で台座61を固定する。台座61が、角度調整機能を備えていてもよい。
【0018】
そして、図4の(A)の例では、この台座61に台座61’を角度調整自在に固定し、そして、台座61’上にバネやクリップ等の弾性固定具62を用いてカメラ付通信装置2を固定する。台座61’の角度調整機能により、カメラ付通信装置2のカメラが評価用図形と向き合うことができるように調節可能である。
また、図4の(B)の例では、台座61に、ゴム製又はバネ製の振動を増幅する材料からなる振動増幅部材63を介して、パネル5を固定する。この例においても、台座に角度調整機能を持たせて、パネル5がカメラ付通信装置2と向き合うよう調節可能にすることができる。また、振動増幅部材63により、回転機械1のミクロン単位の振動が増幅されてパネル5に伝達されるので、回転機械1の振動を確実に把握することができる。
なお、上記したように、評価用図形を表示したパネル5を回転機械1に固定し、カメラ付通信装置2を回転機械1から離れた位置に配置しても、またその逆に配置しても良い。したがって、図4の(A)の台座61’を、評価用図形を表したパネル5として使用してもよく、また図4(B)のパネル5を台座として使用して、その上に弾性固定具でカメラ付通信装置2を固定するようにしてよい。
【0019】
カメラ付通信装置2が、携帯電話端末等のように音声通信機能を有している場合、画像パターンの面積の増大だけでなく、回転機械1の周囲の騒音を顕す音響データによっても、回転機械1の異常を検出するように構成することができる。この場合、カメラ付通信装置2すなわち携帯電話端末のマイクロフォンが周囲騒音を収集し、該騒音を顕す音響データをデータ処理分析装置3に送信し、データ処理分析装置3が、正常運転時の騒音レベルに対比して現在の騒音レベルがどの程度増大したかを検出し、増大分が所定の閾値を超えているか否かを判定する。この場合、受信した音響データ内、ある特定の周波数に注目して、該周波数の信号レベルの増大が所定の閾値を超えているかどうかを判定しても良い。そして、画像パターンの面積の増大が所定の閾値を超え、かつ騒音レベルの増大が所定の閾値を超えている場合に、回転機械1に異常が発生したと判定する。
【0020】
また、カメラ付通信装置2は、データ処理分析装置3からの、例えば1日に1回程度の周期的な指令信号により起動されて、起動から所定の時間(>時間T)だけ動作して画像データ(及び/又は音響データ)を取得し、該データをデータ処理分析装置3に送信するようにしても良い。さらに、カメラ付通信装置2をデータ処理分析装置3から起動させる代わりに、カメラ付通信装置2自体にタイマによる自動起動機能を持たせ、該機能により時間が到来したときに自らを起動して、カメラを所定の時間動作させるようにしても良い。カメラ付通信装置2に内蔵する電源は、太陽電池であることが好ましい。
また、運転中に回転機械1が故障で停止した場合、得られる現在画像パターンは、基準画像パターンよりも面積が小さくなる。したがって、データ処理分析装置3を、現在画像パターンが基準画像パターンよりも所定レベル以上に小さくなったときに警報信号を出力するように構成することにより、回転機械1の運転停止障害を検出することもできる。
【0021】
ところで、回転機械は、その性能向上やマンマシンインターフェースの改善に伴うメカトロニクス化が進んでいるため、ブラックボックス化された部分を多く備えている。したがって、回転機械の修理及び保全のために様々な知識や経験が要求され、ユーザ側の保全員では対処できなくなっている。そこで、回転機械に故障が発生した場合、ユーザはメンテナンス業者に連絡してサービスエンジニアの派遣を要請することになるが、修理を完了するまでに多大な時間がかかり、その間の設備の稼働停止等による損失が大きくなる。
このような問題を解決するために、回転機械の故障をユーザ側で個々に監視検出するのではなく、管理会社又は同一会社内の管理部門において集中的に監視検出し、故障を検出した際に直ちに、管理会社又は管理部門がサービスエンジニア等を派遣することができるようにすることが望ましい。
本発明に係る故障診断システムにおいては、カメラ付通信装置2から通信される画像データを処理するデータ処理分析装置3を、回転機械1から離れた遠隔地に配置することができるので、上記したような集中監視システムに適用することができる。
また、本発明の故障診断システムは、現場の画像(及び音)の情報が送信されることになるため、回転機械のみならず、電気設備や静止した装置に対する現場の状況を監視するためのシステムとして、応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る回転機械の故障診断システムの構成を示す概略説明図である。
【図2】(A)は、本発明に係る回転機械の故障診断システムに用いられる評価用図形を示し、(B)は正常運転状態を顕す基準画像パターンを示し、(C)は異常運転状態を表す画像パターンを示す模式図である。
【図3】図1に示した故障診断システムのデータ処理分析装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】(A)及び(B)は、本発明に係る故障診断システムにおいて、カメラ付通信装置を回転機械に固定する手段の例を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械の故障を診断するシステムであって、
回転機械の表面に表示されている評価用図形と、
回転機械から離れた位置に固定されている撮像装置であって、評価用図形の画像データを取得する撮像装置と、
撮像装置からの画像データを受け取り、該受け取った現在画像データから得られる現在画像パターンと、予め記憶された回転機械の正常稼働状態での評価図形の基準画像データから得られる基準画像パターンとを対比し、その対比結果に基づいて回転機械の故障を診断するデータ処理分析装置と
からなることを特徴とする故障診断システム。
【請求項2】
回転機械の故障を診断するシステムであって、
回転機械に固定されているパネル上に表示されている評価用図形と、
回転機械から離れた位置に固定されている撮像装置であって、評価用図形の画像データを取得する撮像装置と、
撮像装置からの画像データを受け取り、該受け取った現在画像データから得られる現在画像パターンと、予め記憶された回転機械の正常稼働状態での評価図形の基準画像データから得られる基準画像パターンとを対比し、その対比結果に基づいて回転機械の故障を診断するデータ処理分析装置と
からなることを特徴とする故障診断システム。
【請求項3】
請求項2記載の故障診断システムにおいて、パネルは、回転機械の振動を増幅する部材を介して回転機械に固定されていることを特徴とする故障診断システム。
【請求項4】
回転機械の故障を診断するシステムであって、
回転機械から離れた位置に固定表示されている評価用図形と、
回転機械に固定されている撮像装置であって、評価用図形の画像データを取得する撮像装置と、
撮像装置からの画像データを受け取り、該受け取った現在画像データから得られる現在画像パターンと、予め記憶された回転機械の正常稼働状態での評価図形の基準画像データから得られる基準画像パターンとを対比し、その対比結果に基づいて回転機械の故障を診断するデータ処理分析装置と
からなることを特徴とする故障診断システム。
【請求項5】
請求項4記載の故障診断システムにおいて、撮像装置は、回転機械の振動を増幅する部材を介して回転機械に固定されていることを特徴とする故障診断システム。
【請求項6】
請求項1〜5いずれかに記載の故障診断システムにおいて、データ処理分析装置は、
現在画像パターンと基準画像パターンとのパターンマッチングを行い、マッチングしない程度が所定の閾値よりも大きい場合に、回転機械が故障であることを示す信号を出力する
よう構成されていることを特徴とする故障診断システム。
【請求項7】
請求項1〜5いずれかに記載の故障診断システムにおいて、データ処理分析装置は、
現在画像パターンの面積及び基準画像パターンの面積を演算し、これら面積の差を演算し、該差が所定の閾値以上である場合に、回転機械が故障であることを示す信号を出力するよう構成されている
ことを特徴とする故障診断システム。
【請求項8】
請求項1〜7いずれかに記載の故障診断システムにおいて、
撮像装置は、データ処理分析装置と通信可能なカメラ付通信装置であり、
データ処理分析装置は、カメラ付通信装置にアクセスすることによりカメラ付通信装置を所定の期間動作させ、該所定の期間に渡ってカメラ付通信装置から受け取る現在画像データを累積することにより得られた画像データを、現在画像データとするよう構成されている
ことを特徴とする故障診断システム。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−194656(P2006−194656A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4849(P2005−4849)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】