説明

回転機械用振動監視装置

【課題】小型で高速の回転機械における振動に基づく異常を適切に設定した振動許容値を用いて早期に検知し、異常時の急激な振動増加による回転機械の破損を防止できる回転機械用振動監視装置を提供する。
【解決手段】回転機械用振動監視装置は、回転機械に取り付けたセンサからの振動信号を受信する振動信号受信手段1と、ここで受信した振動信号から振動振幅や振動周波数等を解析する振動解析手段2と、振動解析手段で解析した振動解析値を保存する振動解析値保存手段3と、この振動解析値保存手段3に予め保存した振動解析値を基に振動許容値を算出する許容値演算手段4と、算出した振動許容値を保存する許容値保存手段5と、振動信号受信手段で受信して解析した振動値と振動許容値とを比較する比較判断手段6と、この比較結果に基づいて出力信号を制御装置に出力する信号出力手段7とを備えて構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転機械用振動監視装置に係り、特にガスタービンやターボ圧縮機等の高速回転機械の軸振動監視に好適な回転機械用振動監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のガスタービンやターボ圧縮機等の回転機械においては、コスト削減や設置スペース削減の要求から、小型化や高出力化が進んでおり、この結果、回転体が小型になり、しかも高速化する傾向にある。この種の回転機械では、機器の保護のため、回転体の振動の監視を行い、異常の早期検出が行えるようにしている。
【0003】
例えば、特許文献1で提案されている水力発電所監視制御装置では、発電機や水車の各軸を軸振動監視部で、また下ブラケットや上カバー等の固定部を固定部振動監視部で監視し、発電機の出力帯や運転時間等を考慮して設定する振動警報レベル設定部及び周波数警報レベル設定部を備えて異常の監視を行うようにしている。
【0004】
この種の監視装置においては、通常設計者や作業者等の判断で、警報レベルを適宜設定して比較判断に使用することが殆どである。このような人が経験に基づき設定する警報レベルでは、回転機械の個体差、更には使用環境や使用条件等による振動振幅のばらつきを考慮した裕度の大きな設定となっている。
【0005】
【特許文献1】特開平5−281000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的な回転機械、特にマイクロガスタービンのように、回転体が小型化して回転数が5万回から10万回のように高速化すると、振動が増加すると共に、異常時の振動変化が急激に進行するようになる。
【0007】
従来の異常時の振動変化が穏やかな回転機械では、上記したようにばらつきを考慮した裕度の大きい警報レベルを設定し、振動がある程度明確に変化してからの判断で警報を出力しても、機器が破損する前に適切な対応ができている。ところが、異常時の振動変化が急激に進行する高速の回転機械では、振動の変化をなるべく早く検知して警報を出力しないと、振動が急激に増加してしまい、回転機械が破壊してしまう恐れがある。
【0008】
このため、従来の設計者が既設の回転機械を参考にして予め設定する裕度の大きい警報レベルでの判断では不十分となる。また、警報レベルを最適化するためには、回転速度や出力や周波数スペクトルの各周波数成分に対応し、警報レベルを細かく設定する必要があるが、従来のように設計者が決定する警報レベルの設定では、警報レベルの細分化するのに限界が生ずる。
【0009】
本発明の目的は、振動許容値の設定を適切にして小型で高速の回転機械における振動に基づく異常を早期に検知し、異常時の急激な振動増加による回転機械の破損を防止できる回転機械用振動監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
回転機械に取り付けたセンサからの振動信号を受信する振動信号受信手段と、該振動信号受信手段にて受信した振動信号を解析する振動解析手段と、前記振動解析手段で解析した振動解析値を保存する振動解析値保存手段と、前記振動解析値保存手段に予め保存した振動解析値を基に振動許容値を算出する許容値演算手段と、前記許容値演算手段で算出した振動許容値を保存する許容値保存手段と、前記振動信号受信手段で受信して解析した振動値と前記振動許容値とを比較する比較判断手段と、該比較判断手段の比較結果に基づいて出力信号を出力する信号出力手段とを備えて回転機械用振動監視装置を構成することを特徴としている。
【0011】
また、回転機械に取り付けたセンサからの振動信号を受信する振動信号受信手段と、該振動信号受信手段にて受信した振動信号を解析する振動解析手段と、回転機械の運転状態量を取得する運転状態量取得手段と、前記振動解析手段で解析した振動解析値と前記運転状態量取得手段で取得した回転機械の運転状態量とを対応づけて保存する振動解析値保存手段と、前記振動解析値保存手段に予め保存した振動解析値を基に振動許容値を算出する許容値演算手段と、前記許容値演算手段で算出した振動許容値を保存する許容値保存手段と、前記振動信号受信手段で受信して解析した振動値と回転機械の運転状態量とを対応付けて前記振動許容値とを比較する比較判断手段と、該比較判断手段の比較結果に基づいて出力信号を出力する信号出力手段とを備えて回転機械用振動監視装置を構成することを特徴としている。
【0012】
好ましくは、前記振動解析手段としては、受信した振動信号から振動振幅を算出する振動解析手段を用いることを特徴としている。
【0013】
また好ましくは、前記振動解析手段としては、受信した振動信号から各周波数成分を算出する振動周波数解析手段を用いることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のように回転機械用振動監視装置を構成すれば、予め記録保存した振動信号値を基に、振動許容値を算出して適切に設定するものであるから、回転機械の個体差や据付条件等のばらつきを含まない振動許容値を設定できるため、回転機械の振動に基づく異常を的確に早期に検出でき、異常時の急激な振動増加による回転機械の破損を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の回転機械用振動監視装置では、回転機械に取り付けたセンサからの振動信号を受信する振動信号受信手段と、該振動信号受信手段にて受信した振動信号を解析する振動解析手段と、前記振動解析手段で解析した振動解析値を保存する振動解析値保存手段と、前記振動解析値保存手段に予め保存した振動解析値を基に振動許容値を算出する許容値演算手段と、前記許容値演算手段で算出した振動許容値を保存する許容値保存手段と、前記振動信号受信手段で受信して解析した振動値と前記振動許容値とを比較する比較判断手段と、前記比較判断手段の比較結果に基づいて出力信号を出力する信号出力手段とを備えて構成する。
【実施例1】
【0016】
本発明の一実施例である図1に示す回転機械用振動監視装置を用いて説明する。本発明の回転機械用振動監視装置では、回転機械に取り付けた振動センサ(図示せず)からの振動信号を受信する振動信号受信手段1、及びこの振動信号受信手段1で受信した振動信号を解析する振動解析手段2を備えている。振動解析手段2は、図1では振動信号から例えば電圧変動を利用して振動振幅を解析する振動振幅解析手段を用いたものである。
【0017】
振動解析手段2で解析した振動解析値は、振動解析値保存手段3に保存し、この保存した振動解析値を用いて許容値算出手段4で、回転機械運転時の振動許容値を演算し、これを許容値保存手段5に保存している。
【0018】
振動解析値保存手段3に保存する振動解析値は、例えば回転機械の試運転時や実運転時等の適当な時点で得た振動信号を解析した振動解析値を予め保存する。この振動解析値を用いて、許容値算出手段4で回転機械を運転する際に用いる振動振幅の振動許容値を、適宜算出設定して許容値保存手段5に保存して活用する。
【0019】
回転機械の実運転時の振動信号は、振動解析手段2で解析した振動振幅が比較判断手段6に伝えられ、ここで予め演算して許容値保存手段5に保存しておいた振動振幅の許容値との比較を行い、比較判断結果に基づいた出力信号を信号出力手段7より制御装置(図示せず)に出力する。
【0020】
許容値演算手段4は、振動解析値保存手段3に予め保存した振動解析値である振動振幅を基に振動許容値を演算して利用するため、回転機械の個体差や据付条件のばらつきを含まない振動許容値を設定することができ、この振動の許容値を用いて、回転機械の異常を早期に検知することができる。
【実施例2】
【0021】
本発明の他の実施例である図2に示す回転機械用振動監視装置で、図1の例と異なる点は、回転機械の各種計器から受信する運転状態量15を入力する運転状態量受信手段8を備えていることである。運転状態量15とは、回転速度や機関出力、温度、圧力等の回転機械の運転状態を表す状態量である。
【0022】
振動解析値保存手段3は、上記の実施例と同様に振動解析手段2で解析した振動解析値である振動振幅と、運転状態量受信手段8で取得した入力した運転状態量とを対応付けて予め保存している。この振動解析値保存手段3に保存している運転状態量と対応させた振動解析値である振動振幅を基に、運転状態量に対応した振動許容値を許容値演算手段4で算出し、この結果を許容値保存手段5に保存しておき、回転機械の実運転時の異常判断に活用する。
【0023】
回転機械の実運転時に比較判断手段6では、振動解析手段2からの実運転時の振動解析値と運転状態量受信手段8で取得した運転状態量を取り込んで対応付けを行い、これと許容値保存手段5に予め保存した運転状態に対応した振動許容値とを比較判断し、比較判断結果に基づいた出力信号を信号出力手段7より制御装置(図示せず)に出力する。
【0024】
図3に、図2の実施例における運転状態量である回転速度に対応した振動振幅における振動許容値の例の模式図を示している。図3の一点鎖線は、振動解析値保存手段3に予め保存した運転状態量である回転速度に対応させて表示した振動振幅H1であり、細実線は運転状態量である回転速度に対応した振動許容値H2であり、また太実線は振動演算手段3で回転機械の実際の運転時における振動信号より算出した振動解析値H3である。
【0025】
図3の場合、回転機械の実運転時の振動解析値である振動振幅H3が、低回転速度領域において回転速度に対応して予め設定した振動許容値H2を上回っており、この運転状態量のとき回転機械では異常が発生している。
【0026】
なお、振動許容値H2は、振動解析値保存手段3に予め保存した運転状態に対応した振動解析値である振動振幅に、回転機械の過去の運転実績を考慮した一定値Aを加えた値になる。即ち、回転速度rにおける振動解析値保存手段3に予め保存した運転状態に対応した振動解析値である振動振幅をX(r)とすると、回転速度rの運転状態量に対応した振動許容値H(r)は、次の(1)式で算出される。
【0027】
H(r)=X(r)+A …(1)
回転機械の運転状態量に関係なく振動許容値を設定する場合は、図3に破線で示す最大値線HMのように、運転状態量に対応した振動許容値の最大値を、振動許容値とするのが妥当であるが、この場合には図3の太実線で示した振動解析値H3の異常を検知できないことになる。
【0028】
本発明の回転機械用振動監視装置では、回転機械の運転状態量に対応した振動許容値H2を設定することにより、実際の運転状態の変化による振動振幅4のばらつきを排除した裕度の小さい振動許容値H2を設定することができ、これを用いて回転機械の異常を早期に検知できる。
【実施例3】
【0029】
本発明の別の実施例である図4に示す回転機械用振動監視装置で、図1の例と異なる点は、センサからの振動信号を解析する振動解析手段2として振動周波数解析手段を使用したものである。この振動周波数解析手段には、例えば高速フーリエ変換器が用いられ、振動信号受信手段1で取得した振動信号について周波数解析を行い、周波数スペクトルを算出する。
【0030】
振動解析値保存手段3では、回転機械の試運転時や実運転時等の適当な時点で得た振動信号を振動解析手段2で解析し、これによって得た周波数スペクトルを保存する。振動解析値保存手段3に予め保存した周波数スペクトルを基に、許容値演算手段4で各周波数成分の振動許容値を算出する。
【0031】
許容値演算手段4で算出した各周波数成分の振動許容値を、許容値保存手段5に保存しており、回転機械の実運転の際には、取得した振動信号を振動解析手段2である振動周波数解析手段で解析した周波数スペクトルの各周波数成分と、許容値保存手段5に保存した各周波数成分の振動許容値21との比較を、比較判断手段6で実施する。この比較判断結果に基づいた出力信号が、信号出力手段7から制御装置(図示せず)に出力する。
【0032】
図5に、図4の実施例で振動信号の振動解析を行った各周波数成分における振動振幅の振動許容値例の模式図を示している。図中の一点鎖線は、周波数をfとしたとき、予め保存した周波数スペクトルY(f)であり、細実線は各周波数成分の振動許容値H(f)で、太実線は振動周波数振動解析手段2で解析した回転機械の実運転時における振動信号の周波数スペクトルHUを示している。
【0033】
なお、各周波数成分の振動許容値H(f)は、周波数スペクトルY(f)に一定値Cを乗じた次の(2)式で算出される。
【0034】
H(f)=Y(f)×C …(2)
この図5の例では、回転機械の主周波数成分より低い低周波数領域において周波数スペクトルHUが、各周波数成分の振動許容値H(f)を上回っており、この領域で異常が発生していると判定できる。
【0035】
図1の実施例のように、振動振幅を基に振動許容値を設定する場合は、例えば図3の破線に示すような振動振幅の積分値HOを採用することが多いから、この場合は図5の例のような回転機械の主周波数成分より低い低周波数領域の異常を検知できない恐れがある。これに対して、図4の実施例では、予め保存した周波数スペクトルY(f)を活用し、各周波数成分の振動許容値H(f)を図5のように設定しているため、振動振幅の積分値HOには表れにくい周波数成分の微小な変化を検知でき、これによって回転機械の異常を早期に検知することができる。
【0036】
図6に、図4の実施例で振動信号の振動解析を行った各周波数成分における振動振幅の振動許容値ついて、他の例の模式図を示している。この図6と図5の違いの一つは、各周波数成分の上限振動許容値H(f)Hに加えて、各周波数成分の下限振動許容値H(f)Lを設定したものである。
【0037】
通常の異常発生時には、振動振幅が増加することが多いが、高速回転機械では振動振幅が一旦小さくなった後に、急激に増大することもある。このような異常に対して、各周波数成分の下限振動許容値H(f)Lを設定することにより、振動振幅が急激に増大する前に検知することができる。
【0038】
また、図6と図5との他の相違点は、各周波数成分の振動許容値H(f)H、H(f)Lの設定で、予め保存した周波数スペクトルに、例えば回転機械の主周波数成分の20%とした特定の周波数点fEを境にして、一定値Aを加えた値及び一定値Cを乗じた値を組み合わせて上限に設定し、また同様に特定の周波数点fEを境にして一定値Bを減じた値及び一定値Dを除した値を組み合わせて下限に設定し、用いている。
【0039】
図6の低周波数領域の如く予め保存した周波数スペクトルY(f)の振動振幅が小さい場合は、予め保存した周波数スペクトルY(f)の定数倍を各周波数成分の上限振動許容値H(f)Hとして使用すると、振動振幅の許容範囲が小さくなり、計測ノイズなどによって誤って異常と判断されてしまう恐れがある。このような計測ノイズは振動振幅に関係なくほぼ一定と考えられるから、図6のように予め保存した周波数スペクトル20の振動振幅が小さい周波数領域においては、予め保存した周波数スペクトル20に対して一定値を加えた値及び一定値を減じた値を、各周波数成分の上限振動許容値H(f)Hとして使用すると効果的である。
【0040】
一方、図6の高周波数領域のように、予め保存した周波数スペクトルY(f)の振動振幅が大きい場合は、状態変化による振動感度が高く、振動振幅の大きさに比例して許容範囲を広げる必要があるから、図6のように予め保存した周波数スペクトルY(f)に対して一定値Cを乗じた値及び一定値Dを除した値を、下限振動許容値H(f)Lとして使用するのが効果的である。
【0041】
図7は図4の実施例において振動信号の振動解析を行った各周波数成分における振動振幅の振動許容値ついて、別の例の模式図を示している。この図7と図6の相違点は、振動解析値保存手段3に予め保存した周波数スペクトルの複数を用いたもので、予め保存した周波数スペクトルの最大値Y(f)Hを基に、各周波数成分の上限振動許容値H(f)Hを算出し、また予め保存した周波数スペクトルの最小値Y(f)Lを基に、各周波数成分の下限振動許容値H(f)Lを設定した点である。
【0042】
より具体的には、予め保存した周波数スペクトルの最大値Y(f)Hに、一定値Aを加えた値の各周波数成分を、上限振動許容値H(f)Hとし、予め保存した周波数スペクトルの最小値Y(f)Lに一定値Bを減じた値の各周波数成分を、下限振動許容値H(f)Lとしている。
【0043】
このように、振動解析値保存手段3に予め保存した周波数スペクトルの複数を使用することによって、回転機械の運転回数毎のばらつきを直接評価できるので、各周波数成分の振動許容値の範囲を最適化でき、回転機械の異常を早期に検知することができる。
【0044】
また、図8は図4の実施例において各周波数成分の振動許容値の更に別の例の模式図を示している。図8と図7の違いは、振動解析値保存手段3に予め保存した周波数スペクトルの平均値Y(f)Cを、各周波数成分の振動許容値における許容範囲の中心値とし、予め保存した周波数スペクトルの統計的ばらつき量を基に、各周波数成分の上限及び下限振動許容値H(f)H、H(f)Lを設定し、使用している点である。
【0045】
この例では、振動解析値保存手段3に予め保存した周波数スペクトルの標準偏差σを基準にしてこの±3σの6倍の範囲を、許容範囲として設定している。このように、予め保存した周波数スペクトルの統計的ばらつき量を基に許容範囲を設定すると、予め保存した複数の周波数スペクトルの中に、特異なデータが含まれている場合でも、その影響を小さくして許容範囲を最適化できるから、回転機械の異常を早期に検知することができる。
【実施例4】
【0046】
本発明の回転機械用振動監視装置は、例えば図9に示す実施例のように、上記した実施例2と実施例3を組み合わせて構成したものである。即ち、この実施例は、実施例3に回転機械からの運転状態量を受信する運転状態量受信手段8を負荷した点に相違があり、振動解析値保存手段3において同様に運転状態量に対応した周波数スペクトルを保存しており、運転状態量に対応した各周波数成分の振動許容値の設定を許容値演算手段4で予め実施し、これを許容値保存手段5に保存している。
【0047】
比較判断手段6では、回転機械の運転時に運転状態量受信手段8から運転状態量を取り込み、周波数スペクトルと運転状態量に対応した各周波数成分の振動許容値とを比較を行い、比較判断結果に基づいた出力信号を、信号出力手段7から制御装置(図示せず)に出力する構成としている。この構成においても、振動許容値の設定は、上記したのと同様に単独でも、また組み合わせても使用できる。
【0048】
この回転機械用振動監視装置ように、実施例3の構成に加えて回転機械の運転状態量に対応した周波数スペクトルを使用と、各周波数成分の振動許容値26の裕度を小さくすることができるため、機器の異常を早期に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の回転機械用振動監視装置の一実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の他の実施例である回転機械用振動監視装置を示す構成図である。
【図3】運転状態に対応した振動許容値の一例を示す模式図である。
【図4】本発明の別の実施例である回転機械用振動監視装置を示す構成図である。
【図5】振動信号を解析した各周波数成分での振動許容値の一例を示す模式図である。
【図6】振動信号を解析した各周波数成分での振動許容値の他の例を示す模式図である。
【図7】振動信号を解析した各周波数成分での振動許容値の別の例を示す模式図である。
【図8】振動信号を解析した各周波数成分での振動許容値の更に別の例を示す模式図である。
【図9】本発明の更に別の実施例である回転機械用振動監視装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0050】
1…振動信号受信手段、2…振動解析手段、3…振動解析値保存手段、4…許容値演算手段、5…許容値保存手段、6…比較判断手段、7…信号出力手段、8…運転状態量受信手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械に取り付けたセンサからの振動信号を受信する振動信号受信手段と、該振動信号受信手段にて受信した振動信号を解析する振動解析手段と、前記振動解析手段で解析した振動解析値を保存する振動解析値保存手段と、前記振動解析値保存手段に予め保存した振動解析値を基に振動許容値を算出する許容値演算手段と、前記許容値演算手段で算出した振動許容値を保存する許容値保存手段と、前記振動信号受信手段で受信して解析した振動値と前記振動許容値とを比較する比較判断手段と、前記比較判断手段の比較結果に基づいて出力信号を出力する信号出力手段とを備えて構成したことを特徴とする回転機械用振動監視装置。
【請求項2】
回転機械に取り付けたセンサからの振動信号を受信する振動信号受信手段と、該振動信号受信手段にて受信した振動信号を解析する振動解析手段と、回転機械の運転状態量を取得する運転状態量取得手段と、前記振動解析手段で解析した振動解析値と前記運転状態量取得手段で取得した回転機械の運転状態量とを対応づけて保存する振動解析値保存手段と、前記振動解析値保存手段に予め保存した振動解析値を基に振動許容値を算出する許容値演算手段と、前記許容値演算手段で算出した振動許容値を保存する許容値保存手段と、前記振動信号受信手段で受信して解析した振動値と回転機械の運転状態量とを対応付けて前記振動許容値とを比較する比較判断手段と、前記比較判断手段の比較結果に基づいて出力信号を出力する信号出力手段とを備えて構成したことを特徴とする回転機械用振動監視装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記振動解析手段は、受信した振動信号から振動振幅を算出する振動振幅解析手段であることを特徴とする回転機械用振動監視装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、前記振動解析手段は、受信した振動信号から各周波数成分を算出する振動周波数解析手段であることを特徴とする回転機械用振動監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−212317(P2007−212317A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−33145(P2006−33145)
【出願日】平成18年2月10日(2006.2.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】