回転要素組立体及び回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置
【課題】熟練した技能を有さない使用者が、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能な回転要素組立体及びこの回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置を提供する。
【解決手段】所定深さの第1切り欠き部を形成する縁部を備えた壁部と、前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、該支持要素に支持されるシャフトと、該シャフトに支持される回転要素と、を備え、前記支持要素は、前記縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする回転要素組立体。
【解決手段】所定深さの第1切り欠き部を形成する縁部を備えた壁部と、前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、該支持要素に支持されるシャフトと、該シャフトに支持される回転要素と、を備え、前記支持要素は、前記縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする回転要素組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転要素組立体及び回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ローラ、カムや歯車といった回転要素が組み込まれた装置は、様々な技術分野で用いられている。例えば、コピー機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの機能を備える複合機といった画像形成装置は、回転要素として、数多くのローラを用い、画像形成装置の筐体内でのシートの搬送を行うように設計される。
【0003】
回転要素の摩耗は、回転要素が使用される環境に依存する。例えば、回転要素が、任意の物体に摩擦接触するような環境で用いられる場合には、比較的頻繁な回転要素の交換作業が要求される。
【0004】
一般に、回転要素は、E型ストップリングといった接続部材を用いて、シャフトに取り付けられる。このような従来の接続部材を用いた回転要素の取付けは、専用の工具及び熟練の技能を要するものである。
【0005】
特許文献1は、シャフトに挿通されるとともにシャフトの周面から突出するピンを覆うように形成された壁部と、シャフトの周面に形成された溝部に挿入される爪部とを含む歯車を回転要素として開示する。特許文献1の回転要素は、E型ストップリングを用いることなく、シャフトに接続可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−19716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の回転要素は、シャフトと回転要素との連結を比較的容易に行うことを可能にする構造である。しかしながら、回転要素とシャフトとを支持する壁部との接続を考慮するものではない。
【0008】
回転要素が任意の装置に組み込まれるとき、回転要素及びシャフトは、装置の筐体や装置に組み込まれたブラケットといった壁部に接続される。回転要素の交換に対する熟練した技能を有さない一般の使用者自身が、摩耗或いは破損した回転要素を交換しようとするとき、壁部に対する回転要素及びシャフトの接続作業の簡素化が必要とされる。特許文献1は、壁部に対する回転要素及びシャフトの接続作業の簡素化を図るための技術を開示するものではない。したがって、特許文献1の開示技術は、例えば、工場において、シャフトと回転要素とを組み合わせる組み立て作業の効率化に貢献するものの、市場に出荷された後の回転要素の交換作業の効率化に貢献するものではない。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、熟練した技能を有さない使用者が、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能な回転要素組立体及びこの回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面に係る回転要素組立体は、所定深さの第1切り欠き部を形成する縁部を備えた壁部と、前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、該支持要素に支持されるシャフトと、該シャフトに支持される回転要素と、を備え、前記支持要素は、前記縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
上記構成によれば、縁部によって形成された所定深さの第1切り欠き部に支持要素を取り付けることによって、シャフト及び回転要素が壁部に支持されることとなる。支持要素は、第1位置と第2位置との間で弾性変形可能な変形部を備える。第1位置にある変形部は、縁部に沿い、第2位置にある変形部は、縁部から離間する。使用者は、第1位置から第2位置に変形部を弾性変形させることによって、容易に壁部から支持要素、シャフト及び回転要素を容易に取り外すことが可能となる。また、第2位置に弾性変形された変形部を有する支持要素を第1切り欠き部に取り付け、その後、第1位置に変形部を戻すことによって、支持要素、シャフト及び回転要素はしっかりと壁部に取り付けられることとなる。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【0012】
上記構成において、前記縁部は、互いに対向する第1縁部と第2縁部とを含み、前記変形部は、前記第1位置において前記第1縁部に沿う第1変形部と、前記第1位置において前記第2縁部に沿う第2変形部と、を含み、前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記壁部から部分的に突出することが好ましい(請求項2)。
【0013】
上記構成によれば、使用者は、第1変形部及び第2変形部の突出部分を摘むことによって、これら変形部を第1位置から第2位置に容易に変形させることができる。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【0014】
上記構成において、前記第1切り欠き部は、前記第1縁部、前記第2縁部及び前記第1縁部及び前記第2縁部の間で延びる底縁により形成され、前記支持要素は、前記第1変形部の端部及び前記第2変形部の端部との間で延びるとともに、前記底縁に沿う基部を含み、前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記基部との接続部を軸に弾性的に前記第1位置から前記第2位置に回動することが好ましい(請求項3)。
【0015】
上記構成によれば、使用者が、第1変形部と第2変形部の突出部分を摘むと、第1変形部及びは、基部との接続部を軸に弾性的に第1位置から第2位置に回動する。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【0016】
上記構成において、前記基部は、前記シャフトが嵌入される穴部が形成された支持部を含み、前記シャフトは、前記穴部に対して回転不能に嵌入される第1部分と、該第1部分に対して回転可能に接続される第2部分と、を含み、前記第2部分は、前記回転要素を支持するとともに前記回転要素を回転させるための駆動力を伝達する伝達部材を含むことが好ましい(請求項4)。
【0017】
上記構成によれば、基部に形成された支持部の穴部にシャフトの第1部分が回転不能に嵌入される。したがって、支持部はシャフトに対する支持機能のみを発揮すればよく、支持要素の構造が簡素化されることとなる。シャフトの第2部分は、第1部分に対して回転可能に取り付けられるとともに回転要素を支持するように形成される。したがって、回転要素の回転機能は好適に維持されることとなる。
【0018】
上記構成において、前記変形部には、前記縁部が挿入される溝部が形成されることが好ましい(請求項5)。
【0019】
上記構成によれば、変形部に形成された溝部に、第1切り欠き部を形成する縁部が挿入されるので、支持要素は壁部にしっかりと固定されることとなる。
【0020】
上記構成において、前記縁部には、第2切り欠き部が形成され、前記変形部は、前記溝部から突出するとともに前記第2切り欠き部に係合される爪部が形成されることが好ましい(請求項6)。
【0021】
上記構成によれば、爪部と第2切り欠き部との間の係合により、支持要素が意図せず第1切り欠き部から脱落することが抑制される。
【0022】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、該画像形成部に前記シートを供給する回転要素組立体と、を含み、該回転要素組立体は、第1切り欠き部が形成された壁部と、前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、該支持要素に支持されるシャフトと、該シャフトに支持される回転要素と、を備え、前記支持要素は、前記第1切り欠き部を形成するとともに該第1切り欠き部の深さ方向に延びる縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする(請求項7)。
【0023】
上記構成によれば、回転要素組立体がシートを画像形成部に供給し、画像形成部がシートに画像を形成する。回転要素組立体の壁部に形成された第1切り欠き部に支持要素を取り付けることによって、シャフト及び回転要素が壁部に支持されることとなる。支持要素は、第1位置と第2位置との間で弾性変形可能な変形部を備える。第1位置にある変形部は、第1切り欠き部の深さ方向に延びる縁部に沿い、第2位置にある変形部は、縁部から離間する。使用者は、第1位置から第2位置に変形部を変形させることによって、容易に壁部から支持要素、シャフト及び回転要素を容易に取り外すことが可能となる。また、第2位置に弾性変形された変形部を有する支持要素を第1切り欠き部に取り付け、その後、第1位置に変形部を戻すことによって、支持要素、シャフト及び回転要素はしっかりと壁部に取り付けられることとなる。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転要素組立体の概略的な模式図である。
【図2】図1に示される回転要素組立体の支持要素を支持する壁部の概略的な模式図である。
【図3】図1に示される回転要素組立体の支持要素を示す斜視図である。
【図4】図2に示される壁部に取り付けられた支持要素を示す斜視図である。
【図5】図2に示される壁部に取り付けられた支持要素を示す断面図である。
【図6】第2位置へ変形された支持要素を示す断面図である。
【図7】支持要素により支持されるシャフトの斜視図である。
【図8】図7に示されるシャフトの概略的な断面図である。
【図9】回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置の外観斜視図である。
【図10】図9に示される画像形成装置の内部構造を概略的に示す図である。
【図11】図9に示される画像形成装置内の回転要素組立体を概略的に示す断面図である。
【図12】図9に示される画像形成装置に組み込まれた回転要素組立体を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。以下の説明において、「回転要素」との用語は、シャフトに支持される任意の回転体を意味する。回転体はシャフトとともに回転してもよいし、シャフトに対して回転するものであってもよい。回転体として、ローラ、歯車やカムを例示することができるが、他の回転体が回転要素として用いられてもよい。以下の説明において、回転要素を支持する「壁部」との用語は、回転要素を取り囲む回転要素組立体の筐体の壁部であってもよく、回転要素組立体が組み込まれる任意の装置の壁部であってもよい。代替的に、「壁部」は、回転要素を支持する任意の支持壁であってもよい。以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパや画像形成処理を受ける他のシート材料を意味する。「シートの先頭縁」との用語は、シートの搬送方向において、先頭に位置するシートの縁を意味する。以下の説明で用いられる「上流」、「下流」及びこれらに類する用語は、シートの搬送方向における「上流」、「下流」及びこれらに類する概念を意味する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る回転要素組立体の原理を説明する模式図である。尚、図1の回転要素組立体は、例えば、シートや他の物品を搬送するための搬送装置或いは搬送装置の一部として用いられるが、他の実施形態において、他の装置に駆動力を伝達するための駆動装置として用いられてもよい。代替的に、回転要素組立体は、回転要素の回転を利用して、所定の目的を達成する任意の装置として用いられてもよい。
【0028】
図1に示される回転要素組立体700は、駆動源として用いられるモータ710と、略直方体形状の筐体720と、筐体720内に少なくとも部分的に収容される駆動部730及び従動部740を含む。本実施形態において、従動部740が交換対象の部材として説明される。例えば、従動部740が、静止している物体に搬送方向Dへ向かう力を加えるとき、従動部740は物体との間の摩擦によって摩耗しやすい。このような環境下で回転要素組立体700が使用されるとき、従動部740が容易に交換されるように形成されることが好ましい。
【0029】
駆動部730は、搬送方向Dに沿う筐体720の第1側壁部721を貫通して、モータ710側へ突出するシャフト731を含む。モータ710のシャフトには、第1ギア711が取り付けられる。また、シャフト731の端部には、第1ギア711と噛み合う第2ギア732が取り付けられる。第1側壁部721は、シャフト731を回転可能に支持する。駆動部730は更に、シートや他の物品を搬送するための円筒状のローラ733を含む。ローラ733は、シャフト731と一体的に回転する。駆動部730は更に、第1側壁部721とローラ733との間に配設される第3ギア734を含む。第3ギア734は、シャフト731に取り付けられ、シャフト731と一体的に回転する。
【0030】
回転要素組立体700は更に、筐体720内に配設されるアイドルギア722を含む。アイドルギア722は、第1側壁部721から内方に突出する支持シャフト723によって、回転可能に支持される。
【0031】
従動部740は、第1側壁部721と、第1側壁部721に対向して形成される筐体720の第2側壁部724との間で延びるシャフト741と、第1側壁部721に着脱自在に取り付けられる支持要素742と、シートや他の物品を搬送するための円筒状のローラ743とを含む。ローラ743は、本実施形態において、交換対象となる回転要素として用いられる。シャフト741の一端部は、支持要素742によって支持され、他端部は第2側壁部724に形成された溝部725に収容される。支持要素742は、後述されるように、第1側壁部721と係合する。支持要素742と第1側壁部721との間の係合が解除されると、従動部740は、溝部725に沿って筐体2の開口部に向けて移動可能となる。この結果、従動部740は筐体2から取り外されることとなる。尚、溝部725に代えて、第2側壁部724を、第1側壁部721と同様の形状とし、第2側壁部724に支持要素742を着脱自在に取り付けてもよい。
【0032】
従動部740は更に、支持要素742とローラ743との間に配設される第4ギア744を含む。第4ギア744は、アイドルギア722と噛み合うとともにシャフト741と一体的に回転する。また、シャフト741に支持されるローラ743は、シャフト741とともに一体的に回転する。かくして、モータ710の作動によって、駆動部730及び従動部740が回転動作することとなる。
【0033】
図2は、第1側壁部721を部分的に示す。図2と併せて、図1を参照しつつ、第1側壁部721が説明される。
【0034】
第1側壁部721には、第1側壁部721の上縁726から下方に向けて切り欠かれた略U字形状の第1切り欠き部750が形成される。第1切り欠き部750に支持要素742は着脱自在に取り付けられることとなる。第1切り欠き部750は、第1切り欠き部750の深さ方向に延びるとともに互いに対向する第1縁部751及び第2縁部752並びに第1縁部751の下端と第2縁部752の下端との間で延びる底縁753によって形成される。第1縁部751及び第2縁部752それぞれの略中間位置に第2切り欠き部754が形成される。これら第2切り欠き部754は、互いに対向し、第1切り欠き部750の幅方向に拡がる。
【0035】
図3は、第1側壁部721の第1切り欠き部750に着脱自在に取り付けられる支持要素742の斜視図である。図3と併せて、図1及び図2を参照しつつ、支持要素742が説明される。
【0036】
弾性変形可能な樹脂材料から略U字形状に成型される支持要素742は、全体的に、上下方向に延びる第1変形部761及び第2変形部762と、第1変形部761の下端及び第2変形部762の下端に接続される基部763とを含む。使用者が第1変形部761及び第2変形部762の上端部を互いに近接させるように力を加えると、基部763との接続部となる第1変形部761及び第2変形部762の下端を軸に、第1変形部761及び第2変形部762は回動することとなる。
【0037】
基部763は、略直方体形状の支持部764を含む。支持部764には、支持部764を貫通する略D字形状の穴部765が形成される。穴部765にシャフト741の端部が嵌入される。この結果、シャフト741は支持要素742に好適に支持されることとなる。
【0038】
第1変形部761及び第2変形部762の外周面から略直方体状の突出部766が突出する。支持要素742は更に、突出部766の下方において、第1変形部761、第2変形部762及び基部763の外周面に沿って延びる一対の突条767を含む。一対の突条767の間に溝部768が形成される。図2に関連して説明された第1縁部751、第2縁部752及び底縁753は、溝部768に挿入される。第1変形部761及び第2変形部762は、溝部768から突出する爪部769を含む。爪部769は、図2に関連して説明された第2切り欠き部754に係合される。
【0039】
図4は、第1壁部721に取り付けられた支持要素742の斜視図である。図4と併せて、図2及び図3を参照しつつ、支持要素742が更に説明される。
【0040】
支持要素742の外周輪郭は、第1側壁部721に形成された第1切り欠き部750の輪郭と相補的である。したがって、支持要素742が第1切り欠き部750に挿入されると、溝部768内に、第1縁部751、第2縁部752及び底縁753が挿入されることとなる。支持要素742が完全に第1切り欠き部750に嵌め込まれると、支持要素742の突出部766の下面が第1側壁部721の上縁726に当接する。第1変形部761及び第2変形部762の上端部分は、第1側壁部721の上縁726に対して、上方に突出する。使用者は、第1変形部761及び第2変形部762の上端部分を摘むことにより、第1変形部761及び第2変形部762を互いに近づけるように弾性的に変形させることができる。以下の説明において、使用者が第1変形部761及び第2変形部762に力を加えず、第1切り欠き部750の第1縁部751に沿う第1変形部761の位置及び/又は第2縁部752に沿う第2変形部762の位置は、便宜的に、第1位置と称される。また、使用者が第1変形部761及び/又は第2変形部762に力を加え、第1切り欠き部750の第1縁部751から離間した第1変形部761の位置及び/又は第2縁部752から離間した第2変形部762の位置は、便宜的に、第2位置と称される。
【0041】
図5は、第1位置にある第1変形部761及び第2変形部762を備える支持要素742の断面図であり、図6は、第2位置にある第1変形部761及び第2変形部762を備える支持要素742の断面図である。図5及び図6と併せて、図2及び図3を参照しつつ、支持要素742の変形が説明される。
【0042】
図5及び図6に示されるように、第1変形部761及び第2変形部762は、基部763との接続部を軸に、第1位置から第2位置に弾性的に回動可能である。第1変形部761及び第2変形部762が第1位置にあるとき、第1変形部761及び第2変形部762それぞれは、第1縁部751及び第2縁部752に沿い、第1変形部761及び第2変形部762の外周面に形成された溝部768に第1縁部751及び第2縁部752が挿入される。また、第1変形部761及び第2変形部762それぞれの外周面から突出する三角板状の爪部769は、第1縁部751及び第2縁部752に形成された第2切り欠き部754内に突出する。この結果、第1側壁部721と支持要素742とが互いに係合されることとなる。
【0043】
図6に示される如く、使用者が、第1変形部761の上端部及び第2変形部762の上端部に力Fを加えると、第1変形部761及び第2変形部762それぞれは、第1縁部751及び第2縁部752から離間するように回動する。この結果、第1変形部761及び第2変形部762の外周面に形成された溝部768から、第1縁部751及び第2縁部752は離脱する。同様に、爪部769は、第2切り欠き部754から離脱する。その後、使用者が、支持要素742を上方に持ち上げると、支持要素742は、第1側壁部721から取り外されることとなる。
【0044】
図5及び図6に示されるように、爪部769は、略直角三角形状の板部材である。爪部769の外周輪郭は、第1位置に存する第1変形部761及び第2変形部762に対して水平方向に延びる接触縁と、接触縁の先端から第1変形部761及び第2変形部762に向けて延びる傾斜縁とを含む。接触縁は、第2切り欠き部754の上側境界を形成する縁部に接触する。支持要素742が第1切り欠き部750に挿入される過程で、第1縁部751及び第2縁部752に接触し、第1変形部761及び第2変形部762を第2位置へ向かわせる力Fを生じさせる。この結果、第1変形部761及び第2変形部762は互いに接近するように弾性的に回動する。爪部769が第2切り欠き部754に到達すると、力Fは消失し、第1変形部761及び第2変形部762は、第1位置へ弾性的に戻ることとなる。この結果、爪部769は第2切り欠き部754と係合する。かくして、使用者は、比較的容易に、支持要素742を第1側壁部721に取り付けることが可能となる。
【0045】
図7は、支持要素742及び筐体720の第2側壁部724に支持されるシャフト741及びローラ743の斜視図である。図8は、図7に示されるシャフト741及びローラ743の概略的な断面図である。図7及び図8と併せて、図1及び図3を参照しつつ、シャフト741及びローラ743が説明される。
【0046】
シャフト741は、支持要素742及び第2側壁部724によって、回転不能に支持される第1部分771と、第1部分771によって回転可能に支持される第2部分772とを含む。支持要素742側に配設される第1部分771は、支持要素742に形成された穴部765に嵌入される第1端部773と、第1端部773に隣接して形成される内円板774aとを含む。第1端部773は、穴部765と相補的な断面形状の柱部として形成される。第1端部773が、支持要素742の穴部765に嵌入されることにより、第1部分771は支持要素742によって回転不能に支持されることとなる。本実施形態において、第1端部773は、略D字形状の断面を有するが、他の実施形態において、非円形の任意の断面を有してもよい。或いは、キー及びキー溝の組み合わせや他の適切な構造を用いて、第1端部773が支持要素742に対して回転不能に接続されてもよい。
【0047】
第2側壁部724側に配設される第1部分771は、第2側壁部724に形成された溝部725に挿入される第2端部775と、第2部分772に接続される内円板774bと、第2端部775と内円板774bとの間で延びる接続シャフト776とを含む。第2端部775に隣接する接続シャフト776の基端部は径大に形成され、シャフト741の軸方向の位置決めを行う。
【0048】
第2部分772は、略円筒形状に形成される。第2部分772の両端部は、第1部分771の内円板774a,774bと嵌合し、第1部分771に対して回転可能に接続される。第2部分772の外周面には、ローラ743及び第4ギア744が取り付けられる。ローラ743及び第4ギア744は、第2部分772と一体的に回転する。ローラ743は、例えば、搬送対象となる物品に適した材質から形成される。例えば、回転要素組立体700が紙やOHPといったシート材料を搬送するために用いられるときには、ローラ743はラバーやコルクといった材料から形成される。本実施形態において、ローラ743を回転させるための駆動力をシャフト741に伝達するための伝達部材として、第4ギア744が用いられるが、第3ギアに代えて、プーリや他の適切な伝達部材が用いられてもよい。かくして、第2部分772は、ローラ743を支持しつつ、好適に回転することとなる。
【0049】
図9は、図1乃至図8に関連して説明された回転要素組立体700が組み込まれた画像形成装置の外観斜視図である。尚、図9の画像形成装置は、プリンタであるが、他の実施形態において、コピー機、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機やシートに画像を形成可能な他の装置であってもよい。
【0050】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体2と、筐体2の正面側に突出するトレイ510と、トレイ510の下方に配設されるカセット300とを備える。筐体2は、シートに画像を形成するのに必要な様々な機器(例えば、後述される画像形成部を構成する要素)を収容する。トレイ510は、トレイ510の下縁を軸に、筐体2に回動可能に取り付けられる。図9に示されるトレイ510は、上述の如く、筐体2から突出する突出位置にある。使用者は、突出位置にあるトレイ510上にシートを載置することができる。トレイ510上のシートは、後述される給紙構造体によって、シートに画像を形成する画像形成部に向けて給紙されることとなる。使用者が、トレイ510を突出位置から筐体2に近づけるように回動させると、トレイ510は筐体2に形成された凹領域21内に収容されることとなる。カセット300は、筐体2に対して、挿脱可能に形成される。使用者は、カセット300を筐体2から正面側に引き抜き、カセット300内にシートを収容することができる。カセット300内に所望のシートを収容した後、使用者はカセット300を筐体2内に挿入することができる。以下の説明において、トレイ510に載置されたシートは第1のシートと便宜的に称され、カセット300内に収容されたシートは、第2のシートと便宜的に称される。画像形成装置1は、第1のシート及び第2のシートを画像形成部に選択的に搬送し、シートにトナー画像を形成することができる。
【0051】
トレイ510の上方に操作パネル22が配設される。使用者は、操作パネル22を操作し、画像形成装置1の所望の動作をさせることができる。操作パネル22は、例えば、トナー画像の濃さを調節するためのボタンを含んでもよい。画像形成装置1は、操作パネル22への使用者による入力及び外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から送られる画像信号(印刷対象となる画像に関する情報を含む信号)に従って、シートにトナー画像を形成する。
【0052】
トレイ510又はカセット300から給紙されたシートは、画像形成部によってトナー画像の形成がなされた後、筐体2の上面に形成された排紙トレイ23上に排出されることとなる。排紙トレイ23の上側には、略三角柱状の空間が形成され、当該空間内に画像形成処理が施与されたシートが蓄積されることとなる。
【0053】
図10は、画像形成装置1の内部構造を概略的に示す。図10と併せて、図1及び図9を参照しつつ、画像形成装置1が更に説明される。
【0054】
トレイ510又はカセット300から搬送されたシートは、筐体2内で形成された搬送路に案内されつつ、シートにトナー画像を形成する画像形成部410及びトナー画像をシートに定着させる定着部430へ搬送される。その後、シートは、排出部450を通じて、排紙トレイ23上に排出される。
【0055】
搬送路は、第1シートを筐体2内へ引き込み、画像形成部410に給紙する給紙構造体520を基端として、筐体2の背面壁24に向けて延びる第1給紙搬送路530と、第1給紙搬送路530の下方に位置するカセット300の下流端(図10中、右端)から上方に向けて延びる第2給紙搬送路310とを含む。第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は、画像形成部410の画像形成工程とタイミングを合わせて、画像形成部410にシートを送るレジストローラ対320の上流で合流する。
【0056】
搬送路は更に、レジストローラ対320から定着部430までの区間、シートを案内する主搬送路330と、定着部430から排出部450までの区間、シートを案内する排出搬送路340とを含む。主搬送路330に沿って移動するシートに画像形成部410はトナー画像を形成し、定着部430は、シートにトナー画像を定着させる。使用者が片面印刷を画像形成装置1にさせるとき、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを排出部450は筐体2外へ排出する。排出されたシートは、排紙トレイ23上に積層されることとなる。
【0057】
使用者が両面印刷を画像形成装置1にさせるとき、排出部450は、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを所定量だけ筐体2外へ送り出した後、筐体2内へ引き戻すスイッチバック動作を実行する。搬送路は更に、排出部450によって引き戻されたシートを案内するための戻し搬送路350を含む。戻し搬送路350は、排出部450から筐体2の背面壁24へ向かって延び、その後、下方に向けて延びる。更にその後、戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310に向けて延び、第2給紙搬送路310と合流する。
【0058】
第1給紙搬送路530、第2給紙搬送路310、主搬送路330、排出搬送路340及び戻し搬送路350の適所には、これら搬送路に案内されるシートを搬送するための搬送ローラ対360が配設される。
【0059】
上述の如く、トレイ510上に載置された第1シートは、給紙構造体520によって、第1給紙搬送路530に送り込まれる。給紙構造体520は、筐体2に向けて下方に傾斜したトレイ510上のシートの先頭縁を押し上げるリフト板521と、リフト板521によって押し上げられたシートの先頭縁と接触可能に配設された給紙ローラ522と、給紙ローラ522の下方に配設された分離パッド523とを含む。給紙ローラ522が回転すると、シートは、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過し、第1給紙搬送路530内へ送り込まれる。分離パッド523は、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過するシートに対して摩擦力を与える。したがって、給紙ローラ522が複数枚のシートを第1給紙搬送路530へ送り込もうとするとき、分離パッド523は最上位にあるシート(給紙ローラ522と直接的に接触するシート)以外のシートに搬送方向と逆方向に作用する摩擦力を与え、第1給紙搬送路530内への搬送を妨げる。この結果、シートは1枚ずつ第1給紙搬送路530内へ送り込まれることとなる。
【0060】
他のもう1つの給紙源として用いられるカセット300は、シートを支持するリフト板305を含む。リフト板305は、カセット300内のシートの先頭縁を上方に押し上げるように傾斜する。リフト板305の下流端の上方には、図1乃至図8に関連して説明された回転要素組立体700が組み込まれる。本実施形態において、回転要素組立体700の従動部740のローラ743は、カセット300からシートを取り出すためのピックアップローラとして用いられる。駆動部730のローラ733は、ローラ743から送られたシートを、第2給紙搬送路310を通じて画像形成部410へ供給する給紙ローラとして用いられる。ローラ743は、リフト板305が押し上げたシートの先頭縁に接触する。この結果、ローラ743が回転すると、シートはカセット300から下流へ送り出されることとなる。ここで、ローラ743はリフト板305上で静止したシートを搬送する役割を担うため、ローラ743の周面とシートとの摩擦によって、ローラ743の摩耗は比較的速く促進される。このため、図1乃至図8に関連して説明された回転要素組立体700の構造及び/又は原理が好適に用いられ、使用者によるローラ743に対する比較的容易な交換作業が提供される。
【0061】
従動部740のローラ743の下流には、駆動部730のローラ733及びローラ733の下方に位置する捌きローラ313が配設される。従動部740のローラ743は、駆動部730のローラ733と捌きローラ313との間にシートを送り込む。駆動部730のローラ733は、シートを更に下流へ送り出すように回転する。一方、捌きローラ313は、シートをカセット300に戻す方向に回転する。尚、捌きローラ313は、図1に関連して説明された第1ギア711、第2ギア732、第3ギア734、アイドルギア722及び第4ギア744を含むギア機構に連結され、シートをカセット300に戻す方向へ回転してもよい。従動部740のローラ743が複数枚のシートを送り出したとき、捌きローラ313は最上位にあるシート(駆動部730のローラ733と直接的に接触するシート)以外のシートをカセット300に押し戻す。この結果、シートは1枚ずつ第2給紙搬送路310へ送り込まれることとなる。
【0062】
第2給紙搬送路310へ送り込まれたシートは、第2給紙搬送路310に設けられた搬送ローラ対360によってレジストローラ対320に向けて送り出される。上述の戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360の上流で合流する。したがって、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360は、戻し搬送路350を通じて第2給紙搬送路310に供給されたシートも同様にレジストローラ対320へ送り出す。レジストローラ対320の上流で、第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は合流する。したがって、レジストローラ対320は、第1給紙搬送路530又は第2給紙搬送路310を通じて搬送されたシートを画像形成部410へ供給する。
【0063】
画像形成部410は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Kを含む。これらコンテナの下方には、YMCK各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Kがそれぞれ配設される。画像形成部410は、これらトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kに収容されたトナーを用いて、シートに画像を形成する。
【0064】
画像形成部410は、各色のトナー像を担持する感光体ドラム17(電子写真方式で潜像が形成される感光体)を含む。感光体ドラム17として、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。
【0065】
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10(10Y、10M、10C、10K)、転写器(転写ローラ)19及びクリーニング装置18が配置される。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の表面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。露光ユニット94は、例えば、外部装置からの画像信号(画像情報を含む信号)に基づき、レーザ光を照射する。現像装置10Y、10M、10C、10Kは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kから供給される各色のトナーを用いて、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像(可視像化)する。転写ローラ19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
【0066】
各現像装置10Y、10M、10C、10Kは、現像筐体20を備える。現像筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納される。また、現像筐体20内には、現像筐体20の底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラ11、12(現像剤攪拌部材)が回転可能に配置される。
【0067】
現像筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定されており、攪拌ローラ11、12は循環経路内に配設される。攪拌ローラ11、12の間の軸方向には、現像筐体20の底部から立設された仕切り壁201が設けられる。仕切り壁201は、循環経路を区画する。仕切り壁201の周囲を周回するように、循環経路が形成される。2成分現像剤は、循環経路を攪拌ローラ11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
【0068】
2成分現像剤は、攪拌ローラ11及び12によって攪拌されつつ現像筐体20内を循環し、トナーが帯電される。攪拌ローラ11上の2成分現像剤は、上側に位置する磁気ローラ14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は、磁気ローラ14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ブラシは、ドクターブレード13によって層厚規制される。現像ローラ15上のトナー層は、磁気ローラ14と現像ローラ15との間の電位差によって形成される。トナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0069】
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成部410の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像信号に基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0070】
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラ922及び従動ローラ923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、カセット300又はトレイ510から供給されるシートに二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラ922及び従動ローラ923は、筐体2によって回転自在に支持される。
【0071】
レジストローラ320から送り出されたシートは、二次転写部98を構成する中間転写ベルト921及び転写ローラ981との間に供給される。その後、シートは二次転写部98によって転写されたトナー画像を担持しつつ、定着部430へ送り出される。
【0072】
定着部430は、ヒータ431を内蔵する加熱ローラ432と、加熱ローラ432に圧接される加圧ローラ433とを含む。二次転写部98から送り出されたシートは、加熱ローラ432と加圧ローラ433との間に送り込まれる。シート上のトナーは加熱ローラ432からの熱エネルギを受け溶融し、加圧ローラ433からの圧力を受けることにより、シートに定着されることとなる。定着部430は、シートにトナーを定着した後、排出搬送路340を介してシートを排出部450へ送る。
【0073】
排出部450は、排出ローラ対451を含む。排出ローラ対451は正転・逆転可能に形成される。これにより、上述のスイッチバック動作が達成されることとなる。
【0074】
図11は、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700の周囲の概略的な断面図である。図12は、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700を下方から見た斜視図である。図11及び図12と併せて、図10を参照しつつ、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700が説明される。
【0075】
本実施形態において、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700の筐体720は、下方に開口している。筐体720の開口部からローラ743,733が部分的に突出し、搬送されるシートに接触する。
【0076】
ローラ743を交換するために、使用者は、カセット300を筐体2から引き抜く。この結果、回転要素組立体700の下方に空間が生ずる。使用者は、当該空間に腕を伸ばし、ローラ743を支持する支持要素742を操作することができる。使用者は、支持要素742の第1変形部761及び第2変形部762を近づけるように弾性的に回動させることにより、回転要素組立体700の筐体720から従動部740を取り外すことができる。その後、新たな従動部740を筐体720に取り付けることにより、摩耗したローラ743の交換が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、回転体の回転を利用して、所定の動作を行う各種装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1・・・・・画像形成装置
410・・・画像形成部
721・・・第1側壁部(壁部)
750・・・第1切り欠き部
741・・・シャフト
742・・・支持要素
743・・・ローラ
744・・・第4ギア
751・・・第1縁部
752・・・第2縁部
753・・・底縁
754・・・第2切り欠き部
761・・・第1変形部
762・・・第2変形部
763・・・基部
765・・・穴部
768・・・溝部
769・・・爪部
771・・・第1部分
772・・・第2部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転要素組立体及び回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ローラ、カムや歯車といった回転要素が組み込まれた装置は、様々な技術分野で用いられている。例えば、コピー機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの機能を備える複合機といった画像形成装置は、回転要素として、数多くのローラを用い、画像形成装置の筐体内でのシートの搬送を行うように設計される。
【0003】
回転要素の摩耗は、回転要素が使用される環境に依存する。例えば、回転要素が、任意の物体に摩擦接触するような環境で用いられる場合には、比較的頻繁な回転要素の交換作業が要求される。
【0004】
一般に、回転要素は、E型ストップリングといった接続部材を用いて、シャフトに取り付けられる。このような従来の接続部材を用いた回転要素の取付けは、専用の工具及び熟練の技能を要するものである。
【0005】
特許文献1は、シャフトに挿通されるとともにシャフトの周面から突出するピンを覆うように形成された壁部と、シャフトの周面に形成された溝部に挿入される爪部とを含む歯車を回転要素として開示する。特許文献1の回転要素は、E型ストップリングを用いることなく、シャフトに接続可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平5−19716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の回転要素は、シャフトと回転要素との連結を比較的容易に行うことを可能にする構造である。しかしながら、回転要素とシャフトとを支持する壁部との接続を考慮するものではない。
【0008】
回転要素が任意の装置に組み込まれるとき、回転要素及びシャフトは、装置の筐体や装置に組み込まれたブラケットといった壁部に接続される。回転要素の交換に対する熟練した技能を有さない一般の使用者自身が、摩耗或いは破損した回転要素を交換しようとするとき、壁部に対する回転要素及びシャフトの接続作業の簡素化が必要とされる。特許文献1は、壁部に対する回転要素及びシャフトの接続作業の簡素化を図るための技術を開示するものではない。したがって、特許文献1の開示技術は、例えば、工場において、シャフトと回転要素とを組み合わせる組み立て作業の効率化に貢献するものの、市場に出荷された後の回転要素の交換作業の効率化に貢献するものではない。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、熟練した技能を有さない使用者が、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能な回転要素組立体及びこの回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面に係る回転要素組立体は、所定深さの第1切り欠き部を形成する縁部を備えた壁部と、前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、該支持要素に支持されるシャフトと、該シャフトに支持される回転要素と、を備え、前記支持要素は、前記縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする(請求項1)。
【0011】
上記構成によれば、縁部によって形成された所定深さの第1切り欠き部に支持要素を取り付けることによって、シャフト及び回転要素が壁部に支持されることとなる。支持要素は、第1位置と第2位置との間で弾性変形可能な変形部を備える。第1位置にある変形部は、縁部に沿い、第2位置にある変形部は、縁部から離間する。使用者は、第1位置から第2位置に変形部を弾性変形させることによって、容易に壁部から支持要素、シャフト及び回転要素を容易に取り外すことが可能となる。また、第2位置に弾性変形された変形部を有する支持要素を第1切り欠き部に取り付け、その後、第1位置に変形部を戻すことによって、支持要素、シャフト及び回転要素はしっかりと壁部に取り付けられることとなる。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【0012】
上記構成において、前記縁部は、互いに対向する第1縁部と第2縁部とを含み、前記変形部は、前記第1位置において前記第1縁部に沿う第1変形部と、前記第1位置において前記第2縁部に沿う第2変形部と、を含み、前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記壁部から部分的に突出することが好ましい(請求項2)。
【0013】
上記構成によれば、使用者は、第1変形部及び第2変形部の突出部分を摘むことによって、これら変形部を第1位置から第2位置に容易に変形させることができる。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【0014】
上記構成において、前記第1切り欠き部は、前記第1縁部、前記第2縁部及び前記第1縁部及び前記第2縁部の間で延びる底縁により形成され、前記支持要素は、前記第1変形部の端部及び前記第2変形部の端部との間で延びるとともに、前記底縁に沿う基部を含み、前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記基部との接続部を軸に弾性的に前記第1位置から前記第2位置に回動することが好ましい(請求項3)。
【0015】
上記構成によれば、使用者が、第1変形部と第2変形部の突出部分を摘むと、第1変形部及びは、基部との接続部を軸に弾性的に第1位置から第2位置に回動する。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【0016】
上記構成において、前記基部は、前記シャフトが嵌入される穴部が形成された支持部を含み、前記シャフトは、前記穴部に対して回転不能に嵌入される第1部分と、該第1部分に対して回転可能に接続される第2部分と、を含み、前記第2部分は、前記回転要素を支持するとともに前記回転要素を回転させるための駆動力を伝達する伝達部材を含むことが好ましい(請求項4)。
【0017】
上記構成によれば、基部に形成された支持部の穴部にシャフトの第1部分が回転不能に嵌入される。したがって、支持部はシャフトに対する支持機能のみを発揮すればよく、支持要素の構造が簡素化されることとなる。シャフトの第2部分は、第1部分に対して回転可能に取り付けられるとともに回転要素を支持するように形成される。したがって、回転要素の回転機能は好適に維持されることとなる。
【0018】
上記構成において、前記変形部には、前記縁部が挿入される溝部が形成されることが好ましい(請求項5)。
【0019】
上記構成によれば、変形部に形成された溝部に、第1切り欠き部を形成する縁部が挿入されるので、支持要素は壁部にしっかりと固定されることとなる。
【0020】
上記構成において、前記縁部には、第2切り欠き部が形成され、前記変形部は、前記溝部から突出するとともに前記第2切り欠き部に係合される爪部が形成されることが好ましい(請求項6)。
【0021】
上記構成によれば、爪部と第2切り欠き部との間の係合により、支持要素が意図せず第1切り欠き部から脱落することが抑制される。
【0022】
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、該画像形成部に前記シートを供給する回転要素組立体と、を含み、該回転要素組立体は、第1切り欠き部が形成された壁部と、前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、該支持要素に支持されるシャフトと、該シャフトに支持される回転要素と、を備え、前記支持要素は、前記第1切り欠き部を形成するとともに該第1切り欠き部の深さ方向に延びる縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする(請求項7)。
【0023】
上記構成によれば、回転要素組立体がシートを画像形成部に供給し、画像形成部がシートに画像を形成する。回転要素組立体の壁部に形成された第1切り欠き部に支持要素を取り付けることによって、シャフト及び回転要素が壁部に支持されることとなる。支持要素は、第1位置と第2位置との間で弾性変形可能な変形部を備える。第1位置にある変形部は、第1切り欠き部の深さ方向に延びる縁部に沿い、第2位置にある変形部は、縁部から離間する。使用者は、第1位置から第2位置に変形部を変形させることによって、容易に壁部から支持要素、シャフト及び回転要素を容易に取り外すことが可能となる。また、第2位置に弾性変形された変形部を有する支持要素を第1切り欠き部に取り付け、その後、第1位置に変形部を戻すことによって、支持要素、シャフト及び回転要素はしっかりと壁部に取り付けられることとなる。かくして、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、熟練した技能を有さない使用者であっても、専用の工具を用いることなく、回転要素を交換することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る回転要素組立体の概略的な模式図である。
【図2】図1に示される回転要素組立体の支持要素を支持する壁部の概略的な模式図である。
【図3】図1に示される回転要素組立体の支持要素を示す斜視図である。
【図4】図2に示される壁部に取り付けられた支持要素を示す斜視図である。
【図5】図2に示される壁部に取り付けられた支持要素を示す断面図である。
【図6】第2位置へ変形された支持要素を示す断面図である。
【図7】支持要素により支持されるシャフトの斜視図である。
【図8】図7に示されるシャフトの概略的な断面図である。
【図9】回転要素組立体が組み込まれた画像形成装置の外観斜視図である。
【図10】図9に示される画像形成装置の内部構造を概略的に示す図である。
【図11】図9に示される画像形成装置内の回転要素組立体を概略的に示す断面図である。
【図12】図9に示される画像形成装置に組み込まれた回転要素組立体を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。尚、以下の説明で用いられる「上」、「下」、「左」や「右」などの方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、何ら本発明を限定するものではない。以下の説明において、「回転要素」との用語は、シャフトに支持される任意の回転体を意味する。回転体はシャフトとともに回転してもよいし、シャフトに対して回転するものであってもよい。回転体として、ローラ、歯車やカムを例示することができるが、他の回転体が回転要素として用いられてもよい。以下の説明において、回転要素を支持する「壁部」との用語は、回転要素を取り囲む回転要素組立体の筐体の壁部であってもよく、回転要素組立体が組み込まれる任意の装置の壁部であってもよい。代替的に、「壁部」は、回転要素を支持する任意の支持壁であってもよい。以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパや画像形成処理を受ける他のシート材料を意味する。「シートの先頭縁」との用語は、シートの搬送方向において、先頭に位置するシートの縁を意味する。以下の説明で用いられる「上流」、「下流」及びこれらに類する用語は、シートの搬送方向における「上流」、「下流」及びこれらに類する概念を意味する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る回転要素組立体の原理を説明する模式図である。尚、図1の回転要素組立体は、例えば、シートや他の物品を搬送するための搬送装置或いは搬送装置の一部として用いられるが、他の実施形態において、他の装置に駆動力を伝達するための駆動装置として用いられてもよい。代替的に、回転要素組立体は、回転要素の回転を利用して、所定の目的を達成する任意の装置として用いられてもよい。
【0028】
図1に示される回転要素組立体700は、駆動源として用いられるモータ710と、略直方体形状の筐体720と、筐体720内に少なくとも部分的に収容される駆動部730及び従動部740を含む。本実施形態において、従動部740が交換対象の部材として説明される。例えば、従動部740が、静止している物体に搬送方向Dへ向かう力を加えるとき、従動部740は物体との間の摩擦によって摩耗しやすい。このような環境下で回転要素組立体700が使用されるとき、従動部740が容易に交換されるように形成されることが好ましい。
【0029】
駆動部730は、搬送方向Dに沿う筐体720の第1側壁部721を貫通して、モータ710側へ突出するシャフト731を含む。モータ710のシャフトには、第1ギア711が取り付けられる。また、シャフト731の端部には、第1ギア711と噛み合う第2ギア732が取り付けられる。第1側壁部721は、シャフト731を回転可能に支持する。駆動部730は更に、シートや他の物品を搬送するための円筒状のローラ733を含む。ローラ733は、シャフト731と一体的に回転する。駆動部730は更に、第1側壁部721とローラ733との間に配設される第3ギア734を含む。第3ギア734は、シャフト731に取り付けられ、シャフト731と一体的に回転する。
【0030】
回転要素組立体700は更に、筐体720内に配設されるアイドルギア722を含む。アイドルギア722は、第1側壁部721から内方に突出する支持シャフト723によって、回転可能に支持される。
【0031】
従動部740は、第1側壁部721と、第1側壁部721に対向して形成される筐体720の第2側壁部724との間で延びるシャフト741と、第1側壁部721に着脱自在に取り付けられる支持要素742と、シートや他の物品を搬送するための円筒状のローラ743とを含む。ローラ743は、本実施形態において、交換対象となる回転要素として用いられる。シャフト741の一端部は、支持要素742によって支持され、他端部は第2側壁部724に形成された溝部725に収容される。支持要素742は、後述されるように、第1側壁部721と係合する。支持要素742と第1側壁部721との間の係合が解除されると、従動部740は、溝部725に沿って筐体2の開口部に向けて移動可能となる。この結果、従動部740は筐体2から取り外されることとなる。尚、溝部725に代えて、第2側壁部724を、第1側壁部721と同様の形状とし、第2側壁部724に支持要素742を着脱自在に取り付けてもよい。
【0032】
従動部740は更に、支持要素742とローラ743との間に配設される第4ギア744を含む。第4ギア744は、アイドルギア722と噛み合うとともにシャフト741と一体的に回転する。また、シャフト741に支持されるローラ743は、シャフト741とともに一体的に回転する。かくして、モータ710の作動によって、駆動部730及び従動部740が回転動作することとなる。
【0033】
図2は、第1側壁部721を部分的に示す。図2と併せて、図1を参照しつつ、第1側壁部721が説明される。
【0034】
第1側壁部721には、第1側壁部721の上縁726から下方に向けて切り欠かれた略U字形状の第1切り欠き部750が形成される。第1切り欠き部750に支持要素742は着脱自在に取り付けられることとなる。第1切り欠き部750は、第1切り欠き部750の深さ方向に延びるとともに互いに対向する第1縁部751及び第2縁部752並びに第1縁部751の下端と第2縁部752の下端との間で延びる底縁753によって形成される。第1縁部751及び第2縁部752それぞれの略中間位置に第2切り欠き部754が形成される。これら第2切り欠き部754は、互いに対向し、第1切り欠き部750の幅方向に拡がる。
【0035】
図3は、第1側壁部721の第1切り欠き部750に着脱自在に取り付けられる支持要素742の斜視図である。図3と併せて、図1及び図2を参照しつつ、支持要素742が説明される。
【0036】
弾性変形可能な樹脂材料から略U字形状に成型される支持要素742は、全体的に、上下方向に延びる第1変形部761及び第2変形部762と、第1変形部761の下端及び第2変形部762の下端に接続される基部763とを含む。使用者が第1変形部761及び第2変形部762の上端部を互いに近接させるように力を加えると、基部763との接続部となる第1変形部761及び第2変形部762の下端を軸に、第1変形部761及び第2変形部762は回動することとなる。
【0037】
基部763は、略直方体形状の支持部764を含む。支持部764には、支持部764を貫通する略D字形状の穴部765が形成される。穴部765にシャフト741の端部が嵌入される。この結果、シャフト741は支持要素742に好適に支持されることとなる。
【0038】
第1変形部761及び第2変形部762の外周面から略直方体状の突出部766が突出する。支持要素742は更に、突出部766の下方において、第1変形部761、第2変形部762及び基部763の外周面に沿って延びる一対の突条767を含む。一対の突条767の間に溝部768が形成される。図2に関連して説明された第1縁部751、第2縁部752及び底縁753は、溝部768に挿入される。第1変形部761及び第2変形部762は、溝部768から突出する爪部769を含む。爪部769は、図2に関連して説明された第2切り欠き部754に係合される。
【0039】
図4は、第1壁部721に取り付けられた支持要素742の斜視図である。図4と併せて、図2及び図3を参照しつつ、支持要素742が更に説明される。
【0040】
支持要素742の外周輪郭は、第1側壁部721に形成された第1切り欠き部750の輪郭と相補的である。したがって、支持要素742が第1切り欠き部750に挿入されると、溝部768内に、第1縁部751、第2縁部752及び底縁753が挿入されることとなる。支持要素742が完全に第1切り欠き部750に嵌め込まれると、支持要素742の突出部766の下面が第1側壁部721の上縁726に当接する。第1変形部761及び第2変形部762の上端部分は、第1側壁部721の上縁726に対して、上方に突出する。使用者は、第1変形部761及び第2変形部762の上端部分を摘むことにより、第1変形部761及び第2変形部762を互いに近づけるように弾性的に変形させることができる。以下の説明において、使用者が第1変形部761及び第2変形部762に力を加えず、第1切り欠き部750の第1縁部751に沿う第1変形部761の位置及び/又は第2縁部752に沿う第2変形部762の位置は、便宜的に、第1位置と称される。また、使用者が第1変形部761及び/又は第2変形部762に力を加え、第1切り欠き部750の第1縁部751から離間した第1変形部761の位置及び/又は第2縁部752から離間した第2変形部762の位置は、便宜的に、第2位置と称される。
【0041】
図5は、第1位置にある第1変形部761及び第2変形部762を備える支持要素742の断面図であり、図6は、第2位置にある第1変形部761及び第2変形部762を備える支持要素742の断面図である。図5及び図6と併せて、図2及び図3を参照しつつ、支持要素742の変形が説明される。
【0042】
図5及び図6に示されるように、第1変形部761及び第2変形部762は、基部763との接続部を軸に、第1位置から第2位置に弾性的に回動可能である。第1変形部761及び第2変形部762が第1位置にあるとき、第1変形部761及び第2変形部762それぞれは、第1縁部751及び第2縁部752に沿い、第1変形部761及び第2変形部762の外周面に形成された溝部768に第1縁部751及び第2縁部752が挿入される。また、第1変形部761及び第2変形部762それぞれの外周面から突出する三角板状の爪部769は、第1縁部751及び第2縁部752に形成された第2切り欠き部754内に突出する。この結果、第1側壁部721と支持要素742とが互いに係合されることとなる。
【0043】
図6に示される如く、使用者が、第1変形部761の上端部及び第2変形部762の上端部に力Fを加えると、第1変形部761及び第2変形部762それぞれは、第1縁部751及び第2縁部752から離間するように回動する。この結果、第1変形部761及び第2変形部762の外周面に形成された溝部768から、第1縁部751及び第2縁部752は離脱する。同様に、爪部769は、第2切り欠き部754から離脱する。その後、使用者が、支持要素742を上方に持ち上げると、支持要素742は、第1側壁部721から取り外されることとなる。
【0044】
図5及び図6に示されるように、爪部769は、略直角三角形状の板部材である。爪部769の外周輪郭は、第1位置に存する第1変形部761及び第2変形部762に対して水平方向に延びる接触縁と、接触縁の先端から第1変形部761及び第2変形部762に向けて延びる傾斜縁とを含む。接触縁は、第2切り欠き部754の上側境界を形成する縁部に接触する。支持要素742が第1切り欠き部750に挿入される過程で、第1縁部751及び第2縁部752に接触し、第1変形部761及び第2変形部762を第2位置へ向かわせる力Fを生じさせる。この結果、第1変形部761及び第2変形部762は互いに接近するように弾性的に回動する。爪部769が第2切り欠き部754に到達すると、力Fは消失し、第1変形部761及び第2変形部762は、第1位置へ弾性的に戻ることとなる。この結果、爪部769は第2切り欠き部754と係合する。かくして、使用者は、比較的容易に、支持要素742を第1側壁部721に取り付けることが可能となる。
【0045】
図7は、支持要素742及び筐体720の第2側壁部724に支持されるシャフト741及びローラ743の斜視図である。図8は、図7に示されるシャフト741及びローラ743の概略的な断面図である。図7及び図8と併せて、図1及び図3を参照しつつ、シャフト741及びローラ743が説明される。
【0046】
シャフト741は、支持要素742及び第2側壁部724によって、回転不能に支持される第1部分771と、第1部分771によって回転可能に支持される第2部分772とを含む。支持要素742側に配設される第1部分771は、支持要素742に形成された穴部765に嵌入される第1端部773と、第1端部773に隣接して形成される内円板774aとを含む。第1端部773は、穴部765と相補的な断面形状の柱部として形成される。第1端部773が、支持要素742の穴部765に嵌入されることにより、第1部分771は支持要素742によって回転不能に支持されることとなる。本実施形態において、第1端部773は、略D字形状の断面を有するが、他の実施形態において、非円形の任意の断面を有してもよい。或いは、キー及びキー溝の組み合わせや他の適切な構造を用いて、第1端部773が支持要素742に対して回転不能に接続されてもよい。
【0047】
第2側壁部724側に配設される第1部分771は、第2側壁部724に形成された溝部725に挿入される第2端部775と、第2部分772に接続される内円板774bと、第2端部775と内円板774bとの間で延びる接続シャフト776とを含む。第2端部775に隣接する接続シャフト776の基端部は径大に形成され、シャフト741の軸方向の位置決めを行う。
【0048】
第2部分772は、略円筒形状に形成される。第2部分772の両端部は、第1部分771の内円板774a,774bと嵌合し、第1部分771に対して回転可能に接続される。第2部分772の外周面には、ローラ743及び第4ギア744が取り付けられる。ローラ743及び第4ギア744は、第2部分772と一体的に回転する。ローラ743は、例えば、搬送対象となる物品に適した材質から形成される。例えば、回転要素組立体700が紙やOHPといったシート材料を搬送するために用いられるときには、ローラ743はラバーやコルクといった材料から形成される。本実施形態において、ローラ743を回転させるための駆動力をシャフト741に伝達するための伝達部材として、第4ギア744が用いられるが、第3ギアに代えて、プーリや他の適切な伝達部材が用いられてもよい。かくして、第2部分772は、ローラ743を支持しつつ、好適に回転することとなる。
【0049】
図9は、図1乃至図8に関連して説明された回転要素組立体700が組み込まれた画像形成装置の外観斜視図である。尚、図9の画像形成装置は、プリンタであるが、他の実施形態において、コピー機、ファクシミリ、これらの機能を備える複合機やシートに画像を形成可能な他の装置であってもよい。
【0050】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体2と、筐体2の正面側に突出するトレイ510と、トレイ510の下方に配設されるカセット300とを備える。筐体2は、シートに画像を形成するのに必要な様々な機器(例えば、後述される画像形成部を構成する要素)を収容する。トレイ510は、トレイ510の下縁を軸に、筐体2に回動可能に取り付けられる。図9に示されるトレイ510は、上述の如く、筐体2から突出する突出位置にある。使用者は、突出位置にあるトレイ510上にシートを載置することができる。トレイ510上のシートは、後述される給紙構造体によって、シートに画像を形成する画像形成部に向けて給紙されることとなる。使用者が、トレイ510を突出位置から筐体2に近づけるように回動させると、トレイ510は筐体2に形成された凹領域21内に収容されることとなる。カセット300は、筐体2に対して、挿脱可能に形成される。使用者は、カセット300を筐体2から正面側に引き抜き、カセット300内にシートを収容することができる。カセット300内に所望のシートを収容した後、使用者はカセット300を筐体2内に挿入することができる。以下の説明において、トレイ510に載置されたシートは第1のシートと便宜的に称され、カセット300内に収容されたシートは、第2のシートと便宜的に称される。画像形成装置1は、第1のシート及び第2のシートを画像形成部に選択的に搬送し、シートにトナー画像を形成することができる。
【0051】
トレイ510の上方に操作パネル22が配設される。使用者は、操作パネル22を操作し、画像形成装置1の所望の動作をさせることができる。操作パネル22は、例えば、トナー画像の濃さを調節するためのボタンを含んでもよい。画像形成装置1は、操作パネル22への使用者による入力及び外部装置(例えば、パーソナルコンピュータ)から送られる画像信号(印刷対象となる画像に関する情報を含む信号)に従って、シートにトナー画像を形成する。
【0052】
トレイ510又はカセット300から給紙されたシートは、画像形成部によってトナー画像の形成がなされた後、筐体2の上面に形成された排紙トレイ23上に排出されることとなる。排紙トレイ23の上側には、略三角柱状の空間が形成され、当該空間内に画像形成処理が施与されたシートが蓄積されることとなる。
【0053】
図10は、画像形成装置1の内部構造を概略的に示す。図10と併せて、図1及び図9を参照しつつ、画像形成装置1が更に説明される。
【0054】
トレイ510又はカセット300から搬送されたシートは、筐体2内で形成された搬送路に案内されつつ、シートにトナー画像を形成する画像形成部410及びトナー画像をシートに定着させる定着部430へ搬送される。その後、シートは、排出部450を通じて、排紙トレイ23上に排出される。
【0055】
搬送路は、第1シートを筐体2内へ引き込み、画像形成部410に給紙する給紙構造体520を基端として、筐体2の背面壁24に向けて延びる第1給紙搬送路530と、第1給紙搬送路530の下方に位置するカセット300の下流端(図10中、右端)から上方に向けて延びる第2給紙搬送路310とを含む。第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は、画像形成部410の画像形成工程とタイミングを合わせて、画像形成部410にシートを送るレジストローラ対320の上流で合流する。
【0056】
搬送路は更に、レジストローラ対320から定着部430までの区間、シートを案内する主搬送路330と、定着部430から排出部450までの区間、シートを案内する排出搬送路340とを含む。主搬送路330に沿って移動するシートに画像形成部410はトナー画像を形成し、定着部430は、シートにトナー画像を定着させる。使用者が片面印刷を画像形成装置1にさせるとき、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを排出部450は筐体2外へ排出する。排出されたシートは、排紙トレイ23上に積層されることとなる。
【0057】
使用者が両面印刷を画像形成装置1にさせるとき、排出部450は、定着部430から排出搬送路340へ送り出されたシートを所定量だけ筐体2外へ送り出した後、筐体2内へ引き戻すスイッチバック動作を実行する。搬送路は更に、排出部450によって引き戻されたシートを案内するための戻し搬送路350を含む。戻し搬送路350は、排出部450から筐体2の背面壁24へ向かって延び、その後、下方に向けて延びる。更にその後、戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310に向けて延び、第2給紙搬送路310と合流する。
【0058】
第1給紙搬送路530、第2給紙搬送路310、主搬送路330、排出搬送路340及び戻し搬送路350の適所には、これら搬送路に案内されるシートを搬送するための搬送ローラ対360が配設される。
【0059】
上述の如く、トレイ510上に載置された第1シートは、給紙構造体520によって、第1給紙搬送路530に送り込まれる。給紙構造体520は、筐体2に向けて下方に傾斜したトレイ510上のシートの先頭縁を押し上げるリフト板521と、リフト板521によって押し上げられたシートの先頭縁と接触可能に配設された給紙ローラ522と、給紙ローラ522の下方に配設された分離パッド523とを含む。給紙ローラ522が回転すると、シートは、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過し、第1給紙搬送路530内へ送り込まれる。分離パッド523は、給紙ローラ522と分離パッド523との間を通過するシートに対して摩擦力を与える。したがって、給紙ローラ522が複数枚のシートを第1給紙搬送路530へ送り込もうとするとき、分離パッド523は最上位にあるシート(給紙ローラ522と直接的に接触するシート)以外のシートに搬送方向と逆方向に作用する摩擦力を与え、第1給紙搬送路530内への搬送を妨げる。この結果、シートは1枚ずつ第1給紙搬送路530内へ送り込まれることとなる。
【0060】
他のもう1つの給紙源として用いられるカセット300は、シートを支持するリフト板305を含む。リフト板305は、カセット300内のシートの先頭縁を上方に押し上げるように傾斜する。リフト板305の下流端の上方には、図1乃至図8に関連して説明された回転要素組立体700が組み込まれる。本実施形態において、回転要素組立体700の従動部740のローラ743は、カセット300からシートを取り出すためのピックアップローラとして用いられる。駆動部730のローラ733は、ローラ743から送られたシートを、第2給紙搬送路310を通じて画像形成部410へ供給する給紙ローラとして用いられる。ローラ743は、リフト板305が押し上げたシートの先頭縁に接触する。この結果、ローラ743が回転すると、シートはカセット300から下流へ送り出されることとなる。ここで、ローラ743はリフト板305上で静止したシートを搬送する役割を担うため、ローラ743の周面とシートとの摩擦によって、ローラ743の摩耗は比較的速く促進される。このため、図1乃至図8に関連して説明された回転要素組立体700の構造及び/又は原理が好適に用いられ、使用者によるローラ743に対する比較的容易な交換作業が提供される。
【0061】
従動部740のローラ743の下流には、駆動部730のローラ733及びローラ733の下方に位置する捌きローラ313が配設される。従動部740のローラ743は、駆動部730のローラ733と捌きローラ313との間にシートを送り込む。駆動部730のローラ733は、シートを更に下流へ送り出すように回転する。一方、捌きローラ313は、シートをカセット300に戻す方向に回転する。尚、捌きローラ313は、図1に関連して説明された第1ギア711、第2ギア732、第3ギア734、アイドルギア722及び第4ギア744を含むギア機構に連結され、シートをカセット300に戻す方向へ回転してもよい。従動部740のローラ743が複数枚のシートを送り出したとき、捌きローラ313は最上位にあるシート(駆動部730のローラ733と直接的に接触するシート)以外のシートをカセット300に押し戻す。この結果、シートは1枚ずつ第2給紙搬送路310へ送り込まれることとなる。
【0062】
第2給紙搬送路310へ送り込まれたシートは、第2給紙搬送路310に設けられた搬送ローラ対360によってレジストローラ対320に向けて送り出される。上述の戻し搬送路350は、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360の上流で合流する。したがって、第2給紙搬送路310の搬送ローラ対360は、戻し搬送路350を通じて第2給紙搬送路310に供給されたシートも同様にレジストローラ対320へ送り出す。レジストローラ対320の上流で、第1給紙搬送路530及び第2給紙搬送路310は合流する。したがって、レジストローラ対320は、第1給紙搬送路530又は第2給紙搬送路310を通じて搬送されたシートを画像形成部410へ供給する。
【0063】
画像形成部410は、イエロー用トナーコンテナ900Y、マゼンタ用トナーコンテナ900M、シアン用トナーコンテナ900C、ブラック用トナーコンテナ900Kを含む。これらコンテナの下方には、YMCK各色に対応する現像装置10Y、10M、10C、10Kがそれぞれ配設される。画像形成部410は、これらトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kに収容されたトナーを用いて、シートに画像を形成する。
【0064】
画像形成部410は、各色のトナー像を担持する感光体ドラム17(電子写真方式で潜像が形成される感光体)を含む。感光体ドラム17として、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。各感光体ドラム17には、トナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kからそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが供給される。
【0065】
感光体ドラム17の周囲には、帯電器16、現像装置10(10Y、10M、10C、10K)、転写器(転写ローラ)19及びクリーニング装置18が配置される。帯電器16は、感光体ドラム17の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム17の表面は、露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。露光ユニット94は、例えば、外部装置からの画像信号(画像情報を含む信号)に基づき、レーザ光を照射する。現像装置10Y、10M、10C、10Kは、それぞれトナーコンテナ900Y、900M、900C、900Kから供給される各色のトナーを用いて、各々の感光体ドラム17上に形成された静電潜像を現像(可視像化)する。転写ローラ19は、中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム17とニップ部を形成し、感光体ドラム17上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置18は、トナー像転写後の感光体ドラム17の周面を清掃する。
【0066】
各現像装置10Y、10M、10C、10Kは、現像筐体20を備える。現像筐体20の内部には、磁性キャリアとトナーとを有する2成分現像剤が収納される。また、現像筐体20内には、現像筐体20の底部近傍に長手方向を軸方向として並列に2本の攪拌ローラ11、12(現像剤攪拌部材)が回転可能に配置される。
【0067】
現像筐体20の内部底面には、現像剤の循環経路が設定されており、攪拌ローラ11、12は循環経路内に配設される。攪拌ローラ11、12の間の軸方向には、現像筐体20の底部から立設された仕切り壁201が設けられる。仕切り壁201は、循環経路を区画する。仕切り壁201の周囲を周回するように、循環経路が形成される。2成分現像剤は、循環経路を攪拌ローラ11及び12によって攪拌、搬送されながら帯電される。
【0068】
2成分現像剤は、攪拌ローラ11及び12によって攪拌されつつ現像筐体20内を循環し、トナーが帯電される。攪拌ローラ11上の2成分現像剤は、上側に位置する磁気ローラ14に吸引されて搬送される。吸引された2成分現像剤は、磁気ローラ14上に磁気ブラシ(図示せず)を形成する。磁気ブラシは、ドクターブレード13によって層厚規制される。現像ローラ15上のトナー層は、磁気ローラ14と現像ローラ15との間の電位差によって形成される。トナー層によって感光体ドラム17上の静電潜像が現像される。
【0069】
露光ユニット94は、光源やポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成部410の各々に設けられた感光体ドラム17の周面に、画像信号に基づく光を照射して、静電潜像を形成する。
【0070】
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラ922及び従動ローラ923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム17からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、カセット300又はトレイ510から供給されるシートに二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラ922及び従動ローラ923は、筐体2によって回転自在に支持される。
【0071】
レジストローラ320から送り出されたシートは、二次転写部98を構成する中間転写ベルト921及び転写ローラ981との間に供給される。その後、シートは二次転写部98によって転写されたトナー画像を担持しつつ、定着部430へ送り出される。
【0072】
定着部430は、ヒータ431を内蔵する加熱ローラ432と、加熱ローラ432に圧接される加圧ローラ433とを含む。二次転写部98から送り出されたシートは、加熱ローラ432と加圧ローラ433との間に送り込まれる。シート上のトナーは加熱ローラ432からの熱エネルギを受け溶融し、加圧ローラ433からの圧力を受けることにより、シートに定着されることとなる。定着部430は、シートにトナーを定着した後、排出搬送路340を介してシートを排出部450へ送る。
【0073】
排出部450は、排出ローラ対451を含む。排出ローラ対451は正転・逆転可能に形成される。これにより、上述のスイッチバック動作が達成されることとなる。
【0074】
図11は、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700の周囲の概略的な断面図である。図12は、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700を下方から見た斜視図である。図11及び図12と併せて、図10を参照しつつ、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700が説明される。
【0075】
本実施形態において、画像形成装置1に組み込まれた回転要素組立体700の筐体720は、下方に開口している。筐体720の開口部からローラ743,733が部分的に突出し、搬送されるシートに接触する。
【0076】
ローラ743を交換するために、使用者は、カセット300を筐体2から引き抜く。この結果、回転要素組立体700の下方に空間が生ずる。使用者は、当該空間に腕を伸ばし、ローラ743を支持する支持要素742を操作することができる。使用者は、支持要素742の第1変形部761及び第2変形部762を近づけるように弾性的に回動させることにより、回転要素組立体700の筐体720から従動部740を取り外すことができる。その後、新たな従動部740を筐体720に取り付けることにより、摩耗したローラ743の交換が完了する。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明は、回転体の回転を利用して、所定の動作を行う各種装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0078】
1・・・・・画像形成装置
410・・・画像形成部
721・・・第1側壁部(壁部)
750・・・第1切り欠き部
741・・・シャフト
742・・・支持要素
743・・・ローラ
744・・・第4ギア
751・・・第1縁部
752・・・第2縁部
753・・・底縁
754・・・第2切り欠き部
761・・・第1変形部
762・・・第2変形部
763・・・基部
765・・・穴部
768・・・溝部
769・・・爪部
771・・・第1部分
772・・・第2部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定深さの第1切り欠き部を形成する縁部を備えた壁部と、
前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、
該支持要素に支持されるシャフトと、
該シャフトに支持される回転要素と、を備え、
前記支持要素は、前記縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする回転要素組立体。
【請求項2】
前記縁部は、互いに対向する第1縁部と第2縁部とを含み、
前記変形部は、前記第1位置において前記第1縁部に沿う第1変形部と、前記第1位置において前記第2縁部に沿う第2変形部と、を含み、
前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記壁部から部分的に突出することを特徴とする請求項1記載の回転要素組立体。
【請求項3】
前記第1切り欠き部は、前記第1縁部、前記第2縁部及び前記第1縁部及び前記第2縁部の間で延びる底縁により形成され、
前記支持要素は、前記第1変形部の端部及び前記第2変形部の端部との間で延びるとともに、前記底縁に沿う基部を含み、
前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記基部との接続部を軸に弾性的に前記第1位置から前記第2位置に回動することを特徴とする請求項2記載の回転要素組立体。
【請求項4】
前記基部は、前記シャフトが嵌入される穴部が形成された支持部を含み、
前記シャフトは、前記穴部に対して回転不能に嵌入される第1部分と、該第1部分に対して回転可能に接続される第2部分と、を含み、
前記第2部分は、前記回転要素を支持するとともに、前記回転要素を回転させるための駆動力を伝達する伝達部材を含むことを特徴とする請求項3記載の回転要素組立体。
【請求項5】
前記変形部には、前記縁部が挿入される溝部が形成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の回転要素組立体。
【請求項6】
前記縁部には、第2切り欠き部が形成され、
前記変形部は、前記溝部から突出するとともに前記第2切り欠き部に係合される爪部が形成されることを特徴とする請求項5記載の回転要素組立体。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部と、
該画像形成部に前記シートを供給する回転要素組立体と、を含み、
該回転要素組立体は、
第1切り欠き部が形成された壁部と、
前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、
該支持要素に支持されるシャフトと、
該シャフトに支持される回転要素と、を備え、
前記支持要素は、前記第1切り欠き部を形成するとともに該第1切り欠き部の深さ方向に延びる縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする画像形成装置。
【請求項1】
所定深さの第1切り欠き部を形成する縁部を備えた壁部と、
前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、
該支持要素に支持されるシャフトと、
該シャフトに支持される回転要素と、を備え、
前記支持要素は、前記縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする回転要素組立体。
【請求項2】
前記縁部は、互いに対向する第1縁部と第2縁部とを含み、
前記変形部は、前記第1位置において前記第1縁部に沿う第1変形部と、前記第1位置において前記第2縁部に沿う第2変形部と、を含み、
前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記壁部から部分的に突出することを特徴とする請求項1記載の回転要素組立体。
【請求項3】
前記第1切り欠き部は、前記第1縁部、前記第2縁部及び前記第1縁部及び前記第2縁部の間で延びる底縁により形成され、
前記支持要素は、前記第1変形部の端部及び前記第2変形部の端部との間で延びるとともに、前記底縁に沿う基部を含み、
前記第1変形部及び前記第2変形部は、前記基部との接続部を軸に弾性的に前記第1位置から前記第2位置に回動することを特徴とする請求項2記載の回転要素組立体。
【請求項4】
前記基部は、前記シャフトが嵌入される穴部が形成された支持部を含み、
前記シャフトは、前記穴部に対して回転不能に嵌入される第1部分と、該第1部分に対して回転可能に接続される第2部分と、を含み、
前記第2部分は、前記回転要素を支持するとともに、前記回転要素を回転させるための駆動力を伝達する伝達部材を含むことを特徴とする請求項3記載の回転要素組立体。
【請求項5】
前記変形部には、前記縁部が挿入される溝部が形成されることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の回転要素組立体。
【請求項6】
前記縁部には、第2切り欠き部が形成され、
前記変形部は、前記溝部から突出するとともに前記第2切り欠き部に係合される爪部が形成されることを特徴とする請求項5記載の回転要素組立体。
【請求項7】
シートに画像を形成する画像形成部と、
該画像形成部に前記シートを供給する回転要素組立体と、を含み、
該回転要素組立体は、
第1切り欠き部が形成された壁部と、
前記第1切り欠き部に着脱自在に取り付けられる支持要素と、
該支持要素に支持されるシャフトと、
該シャフトに支持される回転要素と、を備え、
前記支持要素は、前記第1切り欠き部を形成するとともに該第1切り欠き部の深さ方向に延びる縁部に沿う第1位置と、前記縁部から離間する第2位置との間で弾性変形可能な変形部を含むことを特徴とする画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−174581(P2011−174581A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40520(P2010−40520)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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