説明

図形表示装置およびプログラム

【課題】図形表示装置において、表示された図形の必要な図形部分を明瞭に且つ容易に指定して選択することを可能にする。
【解決手段】図形表示画面Gに表示させた図形の中で、例えば面積測定の対象としたい図形部分が存在する場合に、[ALPHA]キーの操作に応じて、図形選択モードを領域選択モード[Area]に設定し、領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]を表示させる。そして、現在のカーソルCmの位置を基準に、測定対象の領域(三角形CDE)が存在する方向をカーソルキー[↑]により指示すると、直近の閉じた領域である同三角形CDEの図形部分が検知されカーソルCmが移動される。そして、検知された三角形CDEをなす各辺CD,DE,ECの表示色とその内側の領域の表示色とが、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]の表示形態に対応した[Pink]と[Yellow]に変更されて識別表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図形を描画して解析するための図形表示装置およびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる入力装置からの入力操作に従って作図を実行して任意の図形を表示させ、また、表示された図形の面積、角度、辺の長さ、傾きなどを測定して表示させる機能を備えた図形表示装置が実用化されている。
【0003】
この図形表示装置において、表示させた任意の図形の面積を測定する場合、同図形を囲む各辺をカーソルにより個々に指定して同図形の全体を選択する。また、表示させた図形の任意の頂角を測定する場合、同頂角を構成する2辺をカーソルにより個々に指定して同頂角のある図形部分を選択する。
【0004】
このため、図形の測定対象部分が、同図形の2辺以上から構成される場合、各辺毎にカーソルによる指定操作が必要になり、特に、多角形の面積を測定するには、その全ての辺を個々に指定する必要がある。
【0005】
キーボード上に3×3のマトリクス状に配列されたテンキー「1」〜「9」それぞれの配置位置に対応して、表示画面を3×3のマトリクス状に9分割した各エリアを設定する。そして、テンキー操作に対応した画面位置のエリアにカーソルをジャンプ移動させて表示させることで、所望の画面位置に対応させたテンキー操作を行うだけで、1キータッチでカーソルを一気にジャンプ移動表示できる表示制御装置が考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−299220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来の表示制御装置では、カーソルを、ユーザが目標とする画面位置のエリアに対して、テンキー操作により一気にジャンプ移動させて表示することが可能である。しかしながら、画面上に表示させた図形の必要な各辺を指定するには、依然としてカーソルによる各辺毎の指定操作が必要になり、操作性が悪く面倒な問題がある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたもので、表示された図形の必要な図形部分を明瞭に且つ容易に指定して選択することが可能になる図形表示装置およびその制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の図形表示装置は、ユーザ操作に応じた図形を表示部に表示させる図形表示手段と、この図形表示手段により表示された図形に関する選択の種類をユーザ操作に応じて設定する選択種類設定手段と、この選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に応じて異なる表示形態のカーソルを前記表示部に表示させるカーソル表示手段と、前記図形表示手段により表示された図形のうち前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に対応した図形部分を検知する図形部分検知手段と、この図形部分検知手段により検知された図形部分の表示形態を前記カーソル表示手段により表示されたカーソルの表示形態に対応して変更する図形部分識別表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の図形表示装置は、前記請求項1に記載の図形表示装置において、前記図形部分検知手段により検知された図形部分に対して前記カーソル表示手段により表示されたカーソルを移動させるカーソル移動手段を備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項3に記載の図形表示装置は、前記請求項2に記載の図形表示装置において、前記カーソル表示手段は、前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に応じて異なる形状/色のカーソルを前記表示部に表示させ、前記図形部分識別表示手段は、前記図形部分検知手段により検知された図形部分の表示形態を前記カーソル表示手段により表示されたカーソルの形状/色に対応して変更する、ことを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の図形表示装置は、前記請求項3に記載の図形表示装置において、前記図形に関する選択の種類は、図形の領域、角度、長さであり、前記カーソル表示手段は、前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類が図形の領域の場合は、多角形からなる矢印の外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第2の特定色にした領域指定用カーソルを前記表示部に表示させ、図形の角度の場合は、内角に角度記号を付加した矢印の外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第3の特定色にした角度指定用カーソルを前記表示部に表示させ、図形の長さの場合は、矢印の外形線を第1の特定色にした線指定用カーソルを前記表示部に表示させ、前記図形部分検知手段は、前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類が図形の領域の場合は、3つ以上の辺により閉じられた領域を有する図形部分を検知し、図形の角度の場合は、角度をなす2つの辺からなる図形部分を検知し、図形の長さの場合は、1つの線からなる図形部分を検知し、前記図形部分識別表示手段は、前記図形部分検知手段により3つ以上の辺により閉じられた領域を有する図形部分が検知された場合は、前記カーソル表示手段により表示された領域指定用カーソルの表示形態に対応して、同図形部分の外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第2の特定色に変更し、前記角度をなす2つの辺からなる図形部分が検知された場合は、前記角度指定用カーソルの表示形態に対応して、同図形部分の内角に角度記号を付加しその外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第3の特定色に変更し、前記1つの線からなる図形部分が検知された場合は、前記線指定用カーソルの表示形態に対応して、同図形部分を第1の特定色に変更する、ことを特徴としている。
【0013】
請求項5に記載のプログラムは、電子機器のコンピュータを、ユーザ操作に応じた図形を表示部に表示させる図形表示手段、この図形表示手段により表示された図形に関する選択の種類をユーザ操作に応じて設定する選択種類設定手段、この選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に応じて異なる表示形態のカーソルを前記表示部に表示させるカーソル表示手段、前記図形表示手段により表示された図形のうち前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に対応した図形部分を検知する図形部分検知手段、この図形部分検知手段により検知された図形部分の表示形態を前記カーソル表示手段により表示されたカーソルの表示形態に対応して変更する図形部分識別表示手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、表示された図形の必要な図形部分を明瞭に且つ容易に指定して選択することが可能になる図形表示装置およびその制御プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の図形表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す図。
【図2】前記グラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図。
【図3】前記グラフ関数電卓10による図形表示処理(その1)を示すフローチャート。
【図4】前記グラフ関数電卓10による図形表示処理(その2)を示すフローチャート。
【図5】前記グラフ関数電卓10による図形表示処理(その3)を示すフローチャート。
【図6】前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い角度選択モード[Angle]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作(その1)を示す図。
【図7】前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い角度選択モード[Angle]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作(その2)を示す図。
【図8】前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い点・線選択モード[Others]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作を示す図。
【図9】前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い領域選択モード[Area]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作を示す図。
【図10】前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い領域選択モード[Area]を設定し、測定対象の図形をその表示色から指定して選択した場合の表示動作(その1)を示す図。
【図11】前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い領域選択モード[Area]を設定し、測定対象の図形をその表示色から指定して選択した場合の表示動作(その2)を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面により本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の図形表示装置の実施形態に係るグラフ関数電卓10の外観構成を示す図である。
【0018】
このグラフ関数電卓10は、その携帯性の必要からユーザが片手で十分把持し片手で操作可能な小型サイズからなり、このグラフ関数電卓10の本体正面にはキー入力部11およびカラー表示部16が設けられる。
【0019】
キー入力部11には、数字や数式を入力したり計算の実行を指示したりするための数字・演算記号キー群12、各種の関数を入力するための関数機能キー群13、各種動作モードのメニュー画面を表示させたり動作モードの設定を指示したりするためのモード設定キー群14、カラー表示部16に表示されたカーソルの移動操作やデータ項目の選択操作などを行うためのカーソルキー15、キーパネル上にプリントされているかカラー表示部16の下端に沿ってメニュー表示される各種の機能を選択的に指定するためのファンクションキーF1〜F6が備えられる。
【0020】
前記数字・演算記号キー群12としては、「0」〜「9」(数字)キーおよび「+」「−」「×」「÷」(演算記号)キー、「EXE」(実行)キー、「AC」(クリア)キーなどが配列される。
【0021】
前記関数機能キー群13としては、「log」(対数)キー、「sin」(サイン)キー、「ab/c」(分数)キーなどが配列される。
【0022】
前記モード設定キー群14としては、「Menu」(メニュー)キー、「VARS」(測定)キー、「OPTN」(オプション)キー、「SHIFT」(シフト)キー、「ALPHA」(アルファ)キー、「EXIT」(終了)キーなどが配列される。
【0023】
ここで、前記「ALPHA」(アルファ)キーは、図形表示モードでは、4種の図形選択モード(領域選択モード[Area]→角度選択モード[Angle]→点・線選択モード[Others]→ノーマルモード[OFF])を、そのキー操作毎に順次切り替えるキーとして使用される。
【0024】
この4種の図形選択モード([Area][Angle][Others][OFF])では、図形表示画面Gに表示されるカーソルの形状と色が各モードに応じた表示形態に切り替えられ、このカーソルにより指定された図形は、同カーソルの形状と色に対応した表示形態に変更されて識別表示される。
【0025】
領域選択モード[Area]では、三角形の矢印の外形線を[Pink]、その内側の領域を[Yellow]とした領域指定用カーソルCm(図9参照)に切り替えられる。
【0026】
角度選択モード[Angle]では、矢印の頂角部に角度記号を付加した外形線を[Pink]、その内側の領域を[Gray]とした角度指定用カーソルCk(図7参照)に切り替えられる。
【0027】
点・線選択モード[Others]では、矢印の頂部にドットを付加した[Pink]の点・線指定用カーソルCo(図8参照)に切り替えられる。
【0028】
ノーマルモード[OFF]では、矢印の外形線もその内側の領域も(Black)としたノーマルカーソルCn(図6(A)参照)に切り替えられる。
【0029】
例えば、図1に示すように、点Aを中心とする円B[Green]、三角形CDE[Red]、長方形CDEF[Blue]を表示させた図形表示画面Gにおいて、角度選択モード[Angle]での角度指定用カーソルCk(Pink/Gray)により三角形CDE[Red]の頂点Cに対応するところの∠DCEをなす一方の辺CEを指定する。すると、同頂角∠DCEをなす2辺CD,CEの表示色が[Pink]に変更され、その頂角部に角度表示記号Hk[Gray]が付加されると共に、同2辺に図形指定マーク[□]mが付加される。
【0030】
なお、前記各キーの上縁に沿ったキーパネル上には、入力可能な文字、記号、関数、機能がプリントされており、モード設定キー群14にある「SHIFT」(シフト)キーと該当する各キーとの組合せにより入力できる。
【0031】
例えば「F2」(ファンクション)キーは、「SHIFT」(シフト)キーとの組合せにより「Zoom」キーとして機能し、図形表示画面Gにて表示された図形の拡大表示を指示できる。
【0032】
前記カラー表示部16は、ドットマトリクス型のカラー液晶表示ユニットからなり、その表示画面上には、当該画面のタッチ位置を検出するための透明タブレットのタッチパネル16Tが重ねて設けられる。
【0033】
このグラフ関数電卓10は、内蔵されるプロセッサ(CPU)21が、予め記憶されるか又は外部から読み込まれる図形表示処理プログラム22aを実行し、各部の動作を制御することにより(図2参照)、少なくとも以下の4つの機能(a)〜(d)を有する。
【0034】
(a)ユーザ所望の図形をその図形の線や領域を所望の色で描画して表示させる機能。
【0035】
(b)表示されている図形を4種の図形選択モード([Area][Angle][Others][OFF])の何れかに従い、各選択モードに対応したカーソルCm,Ck,Co,Cnにより指定する機能。
【0036】
(c)カーソルCm,Ck,Co,Cnにより指定された図形(図形部分)を、該当するカーソルの形状や色に対応した表示形態に変更して識別表示させる機能。
【0037】
(d)識別表示により選択された図形に関するデータを測定して表示させる機能。
【0038】
図2は、前記グラフ関数電卓10の電子回路の構成を示すブロック図である。
【0039】
このグラフ関数電卓10は、コンピュータであるプロセッサ(CPU)21を備えている。
【0040】
プロセッサ(CPU)21は、メモリ(フラッシュROM)22に予め記憶されているシステムプログラム、あるいはメモリカードなどの外部記録媒体23から記録媒体読み取り部24を介してメモリ22に読み込まれた電卓制御プログラム、あるいはインターネットなど、通信ネットワーク上のWebサーバ(プログラムサーバ)から外部PCを経由してダウンロードされ前記メモリ22に読み込まれた電卓制御プログラムに従い回路各部の動作を制御する。そして、前記メモリ22に予め記憶されたシステムプログラムや電卓制御プログラムは、キー入力部11からのキー入力信号やタッチパネル16Tからのタッチ位置検出信号に応じて起動される。
【0041】
前記プロセッサ(CPU)21には、前記メモリ22、記録媒体読み取り部24、キー入力部11、タッチパネル16Tが接続される他に、カラー表示部(LCD)16が接続される。
【0042】
前記メモリ(フラッシュROM)22に記憶される電卓制御プログラムとしては、前述した図形の描画、表示に関する各種の機能(a)(b)(c)(d)を司る図形表示処理プログラム22a、キー入力部11によりユーザ入力される任意の演算式に応じた各種の演算処理を実行するための演算処理プログラム22bなどが記憶される。
【0043】
そして、前記メモリ22のワークエリアには、図形描画データメモリ22c、演算データメモリ22d、図形選択モードメモリ22e、図形測定データメモリ22f、指定中図形部分データメモリ22g、選択中図形部分データメモリ22hなどが備えられる。
【0044】
図形描画データメモリ22cには、前記図形表示処理プログラム22aに従った図形の描画データがその表示色データと共に記憶される。
【0045】
演算データメモリ22dには、前記演算処理プログラム22bに従った演算式、演算経過、演算結果のデータが記憶される。
【0046】
図形選択モードメモリ22eには、図形描画モードにおける4種の図形選択モード([Area][Angle][Others][OFF])の何れかのモードデータが、[ALPHA](アルファ)キーの操作に応じて切り替えられて設定される。
【0047】
図形測定データメモリ22fには、前記図形描画データメモリ22cに記憶された図形の描画データのうちで、前記図形選択モードに従い選択表示された図形に関するデータの測定処理が実行された場合に、その測定データが測定対象の図形に対応付けられて記憶される。
【0048】
指定中図形部分データメモリ22gには、前記各図形選択モード([Area][Angle][Others][OFF])でのカーソルCm,Ck,Co,Cnにより指定され、図形指定マーク[□]mが付加されると共に、該当するカーソルの色と形状に応じて表示形態が変更され識別表示されたところの図形部分データが記憶される。
【0049】
選択中図形部分データメモリ22hには、前記指定中図形部分データメモリ22gに記憶された図形指定マーク[□]m付の図形部分データについて、「EXE」(実行)キーの操作に応じて同図形部分データの選択が決定され、同図形指定マーク[□]mが図形選択マーク[■]Mに変更さて識別表示された図形部分データが記憶される。
【0050】
次に、前記構成のグラフ関数電卓10による図形表示機能について説明する。
【0051】
図3は、前記グラフ関数電卓10による図形表示処理(その1)を示すフローチャートである。
【0052】
図4は、前記グラフ関数電卓10による図形表示処理(その2)を示すフローチャートである。
【0053】
図5は、前記グラフ関数電卓10による図形表示処理(その3)を示すフローチャートである。
【0054】
(第1実施例)
図6は、前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い角度選択モード[Angle]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作(その1)を示す図である。
【0055】
図7は、前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い角度選択モード[Angle]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作(その2)を示す図である。
【0056】
ユーザ操作に応じて図形表示モードに設定され、図形表示処理プログラム22aが起動されると、図形表示機能のメニュー選択画面がカラー表示部16に表示され、ユーザ任意の機能を指定するための待機状態になる(ステップS1)。
【0057】
ここで、図形描画機能が指定されると(ステップS2(Yes))、図形の種類および描画色を指定する処理(ステップS3)と、指定された図形の位置と大きさを指定する処理(ステップS4)とに従い、ユーザ所望の図形が図形描画データメモリ22cに描画され、図形表示画面Gとしてカラー表示部16に表示される(ステップS5)。
【0058】
例えば、図6(A)に示すように、図形の種類として「円」、描画色として[Green]が指定され(ステップS3)、カーソルキー15によるノーマルカーソルCn[Black](ノーマルモード[OFF])の移動操作により円の中心Aと同円の半径Bが指定されると(ステップS4)、中心A,半径A−Bの円Bが[Green]で描画表示される(ステップS5)。
【0059】
また、図形の種類として「三角形」、描画色として[Red]が指定され(ステップS3)、三角形の3頂点C,D,Eが指定されると(ステップS4)、同3頂点を順番に結ぶ三角形CDEが[Red]で描画表示される(ステップS5)。
【0060】
さらに、図形の種類として「長方形」、描画色として[Blue]が指定され(ステップS3)、長方形の4頂点F,G,H,Iが指定されると(ステップS4)、同4頂点を順番に結ぶ長方形FGHIが[Blue]で描画表示される(ステップS5)。
【0061】
図形選択モードがノーマルモード[OFF]に設定されている前記図形表示画面Gにおいて、ノーマルカーソルCnによる図形/線の選択機能が指定されると(ステップS13(Yes))、カーソルキー15の操作に応じて同カーソルCnにより選択された図形または線に対して、図形選択マーク[■]M(図11(S)参照)が付加されて表示される(ステップS14,S15)。
【0062】
ここで、例えば前記ユーザ指定の[Green]により表示されている円Bに前記図形選択マーク[■]Mを付加した図形表示画面Gにおいて、同選択された図形(円B)の領域または線(辺)をユーザ所望の色にして表示させるために、ユーザ操作に応じて色塗り機能(Format)が指定されると、色塗り対象の選択ウインドウ(図示せず)が表示される(ステップS6(Yes))。
【0063】
この色塗り対象選択ウインドウにおいて、前記図形選択マーク[■]Mにより選択されている図形(円B)の領域を色塗りするための“Area Color”が選択されると、色指定ウインドウ(図示せず)が表示される(ステップS7(Yes))。
【0064】
この色指定ウインドウにおいて、例えば“Cyan”が指定されると(ステップS8)、前記図形選択マーク[■]Mが付加されて表示されている[Green]の円Bの領域が、前記指定された[Cyan]により塗り潰されて表示される(ステップS9)。
【0065】
一方、前記色塗り対象選択ウインドウにおいて、選択されている図形の辺または線を色塗りするための“Line Color”が選択された場合には(ステップS10(Yes))、前記色指定ウインドウにおいて指定された色で(ステップS11)、そのとき図形選択マーク[■]Mが付加されて表示されている図形の辺または線が色付けされて表示される(ステップS12)。
【0066】
このように図形選択マーク[■]Mを付加した図形の領域または辺(線)を、ユーザが指定した色で自在に塗り潰したり、色付けしたりすることができる。
【0067】
次に、前記図6(A)で示した、図形選択モードがノーマルモード[OFF]に設定されている[Green]の円B、[Red]の三角形CDE、[Blue]の長方形FGHIからなる図形表示画面Gにおいて、[ALPHA](アルファ)キーが操作されると(ステップS16(Yes))、図形選択モードメモリ22eに記憶されたモードデータに従いノーマルモード[OFF]であると判断される(ステップS17(Yes))。
【0068】
すると、図形選択モードが領域選択モード[Area]に設定され、前記ノーマルカーソルCn[Black]は、図9(A)に示すように、三角形の矢印の外形線を[Pink]その内側の領域を[Yellow]とした領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]に切り替えられる(ステップS18)。
【0069】
さらに、図形選択モードが前記領域選択モード[Area]に設定された状態で、[ALPHA](アルファ)キーが操作されると(ステップS16(Yes)→S17(No))、同図形選択モードが角度選択モード[Angle]に設定され、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]は、図6(B)に示すように、矢印の頂角部に角度記号を付加した外形線を[Pink]その内側の領域を[Gray]とした角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]に切り替えられる(ステップS19)。
【0070】
またさらに、図形選択モードが前記角度選択モード[Angle]に設定された状態で、[ALPHA](アルファ)キーが操作されると(ステップS16(Yes)→S17(No))、同図形選択モードが点・線選択モード[Others]に設定され、前記角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]は、図8(A)に示すように、矢印の頂部にドットを付加した[Pink]の点・線指定用カーソルCo[Pink]に切り替えられる(ステップS19)。
【0071】
こうして、前記[ALPHA](アルファ)キーの操作に応じて、図6(B)に示すように、図形選択モードが角度選択モード[Angle]に設定され、角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]が表示された図形表示画面Gにおいて、図7(C)に示すように、カーソルキー15[←]が操作されると、図形選択モードにてカーソルキーでの図形/線の選択指示がされたと判断される(ステップS20(Yes)→S21(Yes))。
【0072】
すると、図形選択モードメモリ22eから現在の図形選択モードの種類(角度選択モード[Angle])が読み出され(ステップS22)、現在のカーソルCkの位置(図6(B)参照)から前記カーソルキー15の操作方向[←]にある角度測定の対象となる直近の図形部分(三角形CDEの頂角Eをなす2辺EC,EDの部分)が検知される(ステップS23)。
【0073】
すると、図7(C)に示すように、前記検知された角度測定の対象となる図形部分(三角形CDEの頂角Eをなす部分)に角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]が移動される(ステップS24)。
【0074】
そして、同カーソルCk[Pink/Gray]の表示形態に対応させて、前記頂角Eをなす部分に角度表示記号Hk[Gray]が付加され、同頂角Eをなす2辺EC,EDの表示色が[Pink]に変更されて識別表示されると共に、各辺EC,EDに図形指定マーク[□]mが付加される(ステップS25)。
【0075】
ここでさらに、図7(D)に示すように、カーソルキー15[←]が操作されると、前記同様に、図形選択モードメモリ22eから現在の図形選択モードの種類(角度選択モード[Angle])が読み出され(ステップS26(No)→S20〜S22)、現在のカーソルCkの位置(図7(C)参照)から前記カーソルキー15の操作方向[←]にある角度測定の対象となる直近の図形部分(三角形CDEの頂角Cをなす2辺CE,CDの部分)が検知される(ステップS23)。
【0076】
すると、図7(D)に示すように、前記検知された角度測定の対象となる図形部分(三角形CDEの頂角Cをなす部分)に角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]が移動される(ステップS24)。
【0077】
そして、同カーソルCk[Pink/Gray]の表示形態に対応させて、前記頂角Cをなす部分に角度表示記号Hk[Gray]が付加され、同頂角Eをなす2辺CE,CDの表示色が[Pink]に変更されて識別表示されると共に、各辺CE,CDに図形指定マーク[□]mが付加される(ステップS25)。
【0078】
そして、図7(E)に示すように、「EXE」(実行)キーが操作されると(ステップS26(Yes))、前記三角形CDEにおいて角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]により指定されている頂角Cをなす図形部分に付加された図形指定マーク[□]mが図形選択マーク[■]Mに変更される(ステップS27)。
【0079】
このように、図形表示画面Gに表示させた図形の中で、角度を測定したい図形部分が存在する場合に、[ALPHA](アルファ)キーの操作に応じて、図形選択モードを角度選択モード[Angle]に設定し、角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]を表示させる。そして、現在のカーソルCkの位置を基準に、測定対象の∠ECDが存在する三角形CDEの頂点Cの方向をカーソルキー[←]15により指示すると、同∠ECDをなす2辺の図形部分CE,CDが検知される。そして、検知された2辺の図形部分CE,CDに、前記角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]の表示形態に対応した角度表示記号Hk[Gray]が付加されると共に、同2辺の図形部分CE,CDが[Pink]に変更されて識別表示される。
【0080】
このため、前記角度測定の対象である三角形CDEの∠ECDをなす2辺の図形部分CE,CDを、個別にカーソルで指定する必要なく、前記角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]を移動させてその表示形態[Pink/Gray]と同様に識別表示させ、容易に且つ明瞭に指定して選択することができる。
【0081】
こうして、図7(E)で示したように、図形表示画面Gにおける三角形CDEの測定対象の頂角Cをなす2辺CE,CDに図形選択マーク[■]Mが付加された状態で、図7(F)に示すように、[VARS]キーの操作により測定機能が指定されると(ステップS31(Yes))、前記角度選択モード[Angle]に応じた測定対象識別表示(角度表示記号Hkの付加表示と2辺CE,CDの色変更表示)を解除した図形測定画面Gsに切り替わる(ステップS32)。
【0082】
そして、前記図形選択マーク[■]Mにより領域が選択されているか、または線が選択されているかが判断される(ステップS33 or S42)。
【0083】
ここで、前記図7(F)で示した図形測定画面Gsでは、線(辺)が選択されていると判断され(ステップS42(Yes))、さらに、当該選択されている線(辺)は、1本の線(辺)であるか、または角度をなす2本の線(辺)であるかが判断される(ステップS43 or S51)。
【0084】
ここで、角度をなす2本の線(辺)CE,CDが選択されていると判断されると(ステップS51(Yes))、同選択中の2本の線(辺)CE,CDについての測定項目を示す図形測定アイコンが一覧表示(図示せず)されると共に、同測定項目がデフォルトで[角度]に設定され、[角度]測定アイコンBKが画面Gsの左下に表示される(ステップS52)。
【0085】
すると、前記図形測定画面Gsにおいて、選択されている三角形CDEの2本の線(辺)CE,CDを対象に、前記測定項目として設定された[角度]が測定(計算)され、同測定された各線(辺)CE,CDのなす角度[60]は、同図形測定画面Gsの下端に沿った測定データ表示エリアAsに表示される(ステップS53)。
【0086】
この後、ユーザ操作に応じて、測定データを測定対象の図形に貼り付けすると判断された場合は(ステップS56(Yes))、前記測定された角度[Angle:60]が、選択中の2線(辺)CE,CD間に貼り付けられて表示される(ステップS57)。
なお、ユーザ操作に応じて他の測定項目に変更すると判断された場合には(ステップS54(Yes))、当該ユーザ操作に応じた他の測定項目に変更され、変更後の測定項目に対応した図形測定アイコンが図形測定画面Gsの左下に表示される(ステップS55)。そして、前記ステップS53からの処理に戻る。
【0087】
こうして、角度選択モード[Angle]を設定して切り替え表示される角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]を使用し、角度測定の対象となる図形部分を容易に且つ明瞭に指定して図形選択マーク[■]Mを表示させ、所望の図形の角度測定を非常に簡単に行うことができる。
【0088】
(第2実施例)
図8は、前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い点・線選択モード[Others]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作を示す図である。
【0089】
前記図7(F)で示した図形測定画面Gsにおいて、図形角度の測定データが表示された後に、[EXIT](終了)キーが操作されると(ステップS58(Yes))、[角度]測定アイコンBK、測定データ表示エリアAs、図形選択マーク[■]Mの表示が解除され、図8(G)に示すように、元の図形表示画面Gに切り替わる(ステップS41)。
【0090】
ここで、[ALPHA](アルファ)キーが操作されると(ステップS16(Yes))、現在の図形選択モードが角度選択モード[Angle]に設定されていると判断されるので(ステップS17(No))、同図形選択モードが点・線選択モード[Others]に変更設定される。そして、前記角度選択モード[Angle]にて表示されていた角度指定用カーソルCk[Pink/Gray]は、図8(G)に示すように、矢印の頂部にドットを付加した[Pink]の点・線指定用カーソルCo[Pink]に切り替わる(ステップS19)。
【0091】
こうして、図形選択モードが点・線選択モード[Others]に設定され、点・線指定用カーソルCo[Pink]が表示された図形表示画面Gにおいて、図8(H)に示すように、カーソルキー15[↑]が操作されると、図形選択モードにてカーソルキーでの図形/線の選択指示がされたと判断される(ステップS20(Yes)→S21(Yes))。
【0092】
すると、図形選択モードメモリ22eから現在の図形選択モードの種類(点・線選択モード[Others])が読み出され(ステップS22)、現在のカーソルCoの位置から前記カーソルキー15の操作方向[↑]にある点・線(辺)について測定対象となる直近の図形部分(辺CEの部分)が検知される(ステップS23)。
【0093】
すると、前記検知された測定対象となる図形部分(辺CEの部分)に点・線指定用カーソルCo[Pink]が移動される(ステップS24)。
【0094】
そして、同カーソルCo[Pink]の表示形態に対応させて、前記辺CEの表示色が[Pink]に変更されて識別表示され、同辺CEに図形指定マーク[□]mが付加される(ステップS25)。
【0095】
ここで、図8(I)に示すように、「EXE」(実行)キーが操作されると(ステップS26(Yes))、前記点・線指定用カーソルCo[Pink]により指定されている辺CEに付加された図形指定マーク[□]mが図形選択マーク[■]Mに変更される(ステップS27)。
【0096】
このように、図形表示画面Gに表示させた図形の中で、長さ測定の対象としたい図形部分が存在する場合に、[ALPHA](アルファ)キーの操作に応じて、図形選択モードを点・線選択モード[Others]に設定し、点・線指定用カーソルCo[Pink]を表示させる。そして、現在のカーソルCoの位置を基準に、測定対象の辺CEが存在する方向をカーソルキー[↑]15により指示すると、同辺CEの図形部分が検知される。そして、検知された辺CEの表示色が、前記点・線指定用カーソルCo[Pink]の表示形態に対応した[Pink]に変更されて識別表示される。
【0097】
このため、前記長さ測定の対象である三角形CDEの辺CEを、前記点・線指定用カーソルCo[Pink]を移動させてその表示形態[Pink]と同様に識別表示させ、容易に且つ明瞭に指定して選択することができる。
【0098】
こうして、図8(I)で示したように、図形表示画面Gにおける三角形CDEの測定対象の辺CEに図形選択マーク[■]Mが付加された状態で、図8(J)に示すように、[VARS]キーの操作により測定機能が指定されると(ステップS31(Yes))、前記点・線選択モード[Others]に応じた測定対象識別表示(辺CEの色変更表示)を解除した図形測定画面Gsに切り替わる(ステップS32)。
【0099】
そして、前記図形選択マーク[■]Mにより領域が選択されているか、または線が選択されているかが判断される(ステップS33 or S42)。
【0100】
ここで、前記図8(J)で示した図形測定画面Gsでは、線(辺)が選択されていると判断され(ステップS42(Yes))、さらに、当該選択されている線(辺)は、1本の線(辺)CEであると判断されるので(ステップS43(Yes))、同選択中の1本の線(辺)CEについての測定項目を示す図形測定アイコンが一覧表示(図示せず)されると共に、同測定項目がデフォルトで[長さ]に設定され、[長さ]測定アイコンBLが画面Gsの左下に表示される(ステップS44)。
【0101】
すると、前記図形測定画面Gsにおいて、選択されている三角形CDEの1本の線(辺)CEを対象に、前記測定項目として設定された[長さ]が測定(計算)され、同測定された線(辺)CEの長さ[3]は、同図形測定画面Gsの下端に沿った測定データ表示エリアAsに表示される(ステップS45)。
【0102】
この後、ユーザ操作に応じて、測定データを測定対象の図形に貼り付けすると判断された場合は(ステップS48(Yes))、前記測定された長さ[leng:3]が、選択中の線(辺)CEに貼り付けられて表示される(ステップS49)。
なお、ユーザ操作に応じて他の測定項目に変更すると判断された場合には(ステップS46(Yes))、当該ユーザ操作に応じた他の測定項目に変更され、変更後の測定項目に対応した図形測定アイコンが図形測定画面Gsの左下に表示される(ステップS47)。そして、前記ステップS45からの処理に戻る。
【0103】
こうして、点・線選択モード[Others]を設定して切り替え表示される点・線指定用カーソルCo[Pink]を使用し、長さ測定の対象となる図形部分(辺)を容易に且つ明瞭に指定して図形選択マーク[■]Mを表示させ、所望の図形の長さ測定を非常に簡単に行うことができる。
【0104】
(第3実施例)
図9は、前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い領域選択モード[Area]を設定して測定対象の図形を選択した場合の表示動作を示す図である。
【0105】
前記図8(J)で示した図形測定画面Gsにおいて、図形長さの測定データが表示された後に、[EXIT](終了)キーが操作されると(ステップS50(Yes))、[長さ]測定アイコンBL、測定データ表示エリアAs、図形選択マーク[■]Mの表示が解除され、図9(K)に示すように、元の図形表示画面Gに切り替わる(ステップS41)。
【0106】
ここで、[ALPHA](アルファ)キーが操作されると(ステップS16(Yes))、現在の図形選択モードが点・線選択モード[Others]に設定されていると判断されるので(ステップS17(No))、同図形選択モードがノーマルモード[OFF]に変更され、前記点・線選択モード[Others]にて表示されていた点・線指定用カーソルCo[Pink]は、ノーマルカーソルCn[Black]に切り替わる(ステップS19)。
【0107】
ここでさらに、[ALPHA](アルファ)キーが操作されると(ステップS16(Yes))、現在の図形選択モードがノーマルモード[OFF]に設定されていると判断されるので(ステップS17(Yes))、同図形選択モードが領域選択モード[Area]に変更され、前記ノーマルモード[OFF]にて一旦表示されたノーマルカーソルCn[Black]は、三角形の矢印の外形線を[Pink]その内側の領域を[Yellow]とした領域指定用カーソルCmに切り替わる(ステップS19)。
【0108】
こうして、図形選択モードが領域選択モード[Area]に設定され、領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]が表示された図形表示画面Gにおいて、図9(L)に示すように、カーソルキー15[↑]が操作されると、図形選択モードにてカーソルキーでの図形/線の選択指示がされたと判断される(ステップS20(Yes)→S21(Yes))。
【0109】
すると、図形選択モードメモリ22eから現在の図形選択モードの種類(領域選択モード[Area])が読み出され(ステップS22)、現在のカーソルCmの位置から前記カーソルキー15の操作方向[↑]にある面積測定の対象となる直近の図形部分(三角形CDEをなす一辺CEの部分)が検知される(ステップS23)。
【0110】
すると、前記検知された測定対象となる図形部分(三角形CDEの辺CEの部分)に領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]が移動される(ステップS24)。
【0111】
そして、同カーソルCm[Pink/Yellow]の表示形態に対応させて、前記三角形CDEを構成する各辺CD,DE,CEの表示色が[Pink]に、またその領域の表示色が[Yellow]に変更されて識別表示されると共に、同各辺CD,DE,CEに図形指定マーク[□]mが付加される(ステップS25)。
【0112】
ここで、図9(M)に示すように、「EXE」(実行)キーが操作されると(ステップS26(Yes))、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]により指定されている三角形CDEの各辺CD,DE,CEに付加された図形指定マーク[□]mが、図形選択マーク[■]Mに変更される(ステップS27)。
【0113】
このように、図形表示画面Gに表示させた図形の中で、例えば面積測定の対象としたい図形部分が存在する場合に、[ALPHA](アルファ)キーの操作に応じて、図形選択モードを領域選択モード[Area]に設定し、領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]を表示させる。そして、現在のカーソルCmの位置を基準に、測定対象の領域(三角形CDE)が存在する方向をカーソルキー[↑]15により指示すると、同三角形CDEの図形部分が検知される。そして、検知された三角形CDEをなす各辺CD,DE,ECの表示色とその内側領域の表示色とが、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]の表示形態に対応した[Pink]と[Yellow]とに変更されて識別表示される。
【0114】
このため、前記面積測定の対象である三角形CDEの各辺CD,DE,ECを、個別にカーソルで指定する必要なく、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]を移動させてその表示形態[Pink/Yellow]と同様に識別表示させ、容易に且つ明瞭に指定して選択することができる。
【0115】
こうして、図9(M)で示したように、図形表示画面Gにおける測定対象の三角形CDEの各辺CD,DE,ECに図形選択マーク[■]Mが付加された状態で、図9(N)に示すように、[VARS]キーの操作により測定機能が指定されると(ステップS31(Yes))、前記領域選択モード[Area]に応じた測定対象識別表示(各辺CD,DE,ECおよびその内側領域の色変更表示)を解除した図形測定画面Gsに切り替わる(ステップS32)。
【0116】
そして、前記図形選択マーク[■]Mにより領域が選択されているか、または線が選択されているかが判断される(ステップS33 or S42)。
【0117】
ここで、前記図9(N)で示した図形測定画面Gsでは、3辺CD,DE,ECにより閉じた領域が選択されていると判断され(ステップS33(Yes))、同選択中の領域CDEについての測定項目を示す図形測定アイコンが一覧表示(図示せず)されると共に、同測定項目がデフォルトで[面積]に設定され、[面積]測定アイコンBMが画面Gsの左下に表示される(ステップS34)。
【0118】
すると、前記図形測定画面Gsにおいて、選択されている領域(三角形)CDEを対象に、前記測定項目として設定された[面積]が測定(計算)され、同測定された領域(三角形)CDEの面積[5.196]は、同図形測定画面Gsの下端に沿った測定データ表示エリアAsに表示される(ステップS35)。
【0119】
この後、ユーザ操作に応じて、測定データを測定対象の図形に貼り付けすると判断された場合は(ステップS38(Yes))、前記測定された面積[Area:5.196]が、選択中の領域(三角形)CDEに貼り付けられて表示される(ステップS39)。
なお、ユーザ操作に応じて他の測定項目に変更すると判断された場合には(ステップS36(Yes))、当該ユーザ操作に応じた他の測定項目に変更され、変更後の測定項目に対応した図形測定アイコンが図形測定画面Gsの左下に表示される(ステップS37)。そして、前記ステップS35からの処理に戻る。
【0120】
こうして、領域選択モード[Area]を設定して切り替え表示される領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]を使用し、領域測定の対象となる図形部分(多角形)を容易に且つ明瞭に指定して図形選択マーク[■]Mを表示させ、所望の図形の面積測定を非常に簡単に行うことができる。
【0121】
(第4実施例)
図10は、前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い領域選択モード[Area]を設定し、測定対象の図形をその表示色から指定して選択した場合の表示動作(その1)を示す図である。
【0122】
図11は、前記グラフ関数電卓10の図形表示処理に伴い領域選択モード[Area]を設定し、測定対象の図形をその表示色から指定して選択した場合の表示動作(その2)を示す図である。
【0123】
前記図9(N)で示した図形測定画面Gsにおいて、図形面積の測定データが表示された後に、[EXIT](終了)キーが操作されると(ステップS40(Yes))、[面積]測定アイコンBM、測定データ表示エリアAs、図形選択マーク[■]Mの表示が解除され、図10(O)に示すように、元の図形表示画面Gに切り替わる(ステップS41)。
【0124】
図形選択モードが領域選択モード[Area]に設定され、領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]が表示された図形表示画面Gにおいて、図10(O)に示すように、[SHIFT]キーが操作されると、測定対象の図形部分をその表示色から指定して選択するための色キーメニュー30が同画面Gの下端に沿って表示される(ステップS20(Yes)→S21(No)→S28)。
【0125】
ここで、図10(P)に示すように、ファンクションキー[F4]の操作により前記色キーメニュー30の[F4:Green]が選択され、図形/線の選択指示がされたと判断されると(ステップS28(Yes))、図形選択モードメモリ22eから現在の図形選択モードの種類(領域選択モード[Area])が読み出される(ステップS29)。
【0126】
そして、現在の図形選択モード(領域選択モード[Area])に対応する図形部分(円B[green]、三角形CDE[Red]、四角形FGHI[Blue])のうち、前記選択された色キー[F4:Green]と同じ表示色の図形部分(円B[green])が検知される(ステップS30)。
【0127】
すると、前記検知された測定対象となる図形部分(円B[green])に領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]が移動される(ステップS24)。
【0128】
そして、同カーソルCm[Pink/Yellow]の表示形態に対応させて、前記検知された図形部分(円B[green])の外周線の表示色が[Pink]に、またその領域の表示色が[Yellow]に変更されて識別表示されると共に、同円Bの外周線に図形指定マーク[□]mが付加される(ステップS25)。
【0129】
ここでさらに、図11(Q)に示すように、ファンクションキー[F1]の操作により前記色キーメニュー30の[F1:Blue]が選択され、図形/線の選択指示がされたと判断されると(ステップS20(Yes)→S21(No)→S28(Yes))、前記同様に、図形選択モードメモリ22eから現在の図形選択モードの種類(領域選択モード[Area])が読み出される(ステップS29)。
【0130】
そして、前記選択された色キー[F1:Blue]と同じ表示色の図形部分(長方形FGHI[Blue])が検知される(ステップS30)。
【0131】
すると、前記検知された測定対象となる図形部分(長方形FGHI[Blue])に領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]が移動される(ステップS24)。
【0132】
そして、同カーソルCm[Pink/Yellow]の表示形態に対応させて、前記検知された図形部分(長方形FGHI[Blue])の各辺の表示色が[Pink]に、またその領域の表示色が[Yellow]に変更されて識別表示されると共に、同長方形FGHIの各辺に図形指定マーク[□]mが付加される(ステップS25)。
【0133】
ここで、図11(R)に示すように、「EXE」(実行)キーが操作されると(ステップS26(Yes))、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]により指定されている長方形FGHIの各辺に付加された図形指定マーク[□]mが、図形選択マーク[■]Mに変更される(ステップS27)。
【0134】
このように、図形表示画面Gに表示させた図形の中で、例えば面積測定の対象としたい図形部分が存在する場合に、[ALPHA](アルファ)キーの操作に応じて、図形選択モードを領域選択モード[Area]に設定し、領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]を表示させる。そして、ファンクションキー[F1]〜[F6]により色キーメニュー30を選択し、測定対象の領域を有する図形部分(長方形FGHI[Blue])の表示色[F1:Blue]を指定すると、同図形部分(長方形FGHI[Blue])が検知され前記領域指定用カーソルCmが移動される。そして、検知された長方形FGHIをなす各辺の表示色とその内側の領域の表示色とが、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]の表示形態に対応した[Pink]と[Yellow]とに変更されて識別表示される。
【0135】
このため、前記面積測定の対象である長方形FGHIの各辺を、個別にカーソルで指定する必要なく、前記領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]を移動させてその表示形態[Pink/Yellow]と同様に識別表示させ、容易に且つ明瞭に指定して選択することができる。
【0136】
こうして、図11(R)で示したように、図形表示画面Gにおける測定対象の長方形FGHIの各辺に図形選択マーク[■]Mが付加された状態で、図11(S)に示すように、[VARS]キーの操作により測定機能が指定されると(ステップS31(Yes))、前記領域選択モード[Area]に応じた測定対象識別表示(長方形FGHIの各辺およびその内側領域の色変更表示)を解除した図形測定画面Gsに切り替わる(ステップS32)。
【0137】
そして、前記図形選択マーク[■]Mにより領域が選択されているか、または線が選択されているかが判断される(ステップS33 or S42)。
【0138】
ここで、前記図11(S)で示した図形測定画面Gsでは、4辺FG,GH,HI,IGにより閉じた領域が選択されていると判断され(ステップS33(Yes))、同選択中の領域FGHIについての測定項目を示す図形測定アイコンが一覧表示(図示せず)されると共に、同測定項目がデフォルトで[面積]に設定され、[面積]測定アイコンBMが画面Gsの左下に表示される(ステップS34)。
【0139】
すると、前記図形測定画面Gsにおいて、選択されている領域(長方形)FGHIを対象に、前記測定項目として設定された[面積]が測定(計算)され、同測定された領域(長方形)FGHIの面積[20]は、同図形測定画面Gsの下端に沿った測定データ表示エリアAsに表示される(ステップS35)。
【0140】
この後、ユーザ操作に応じて、測定データを測定対象の図形に貼り付けすると判断された場合は(ステップS38(Yes))、前記測定された面積[Area:20]が、選択中の領域(長方形)FGHIに貼り付けられて表示される(ステップS39)。
なお、ユーザ操作に応じて他の測定項目に変更すると判断された場合には(ステップS36(Yes))、当該ユーザ操作に応じた他の測定項目に変更され、変更後の測定項目に対応した図形測定アイコンが図形測定画面Gsの左下に表示される(ステップS37)。そして、前記ステップS35からの処理に戻る。
【0141】
こうして、領域選択モード[Area]を設定して切り替え表示される領域指定用カーソルCm[Pink/Yellow]および色キー[F1:Blue]〜[F6:Yellow]を使用し、面積測定の対象となるカラー表示された図形部分(多角形)を容易に且つ明瞭に指定して図形選択マーク[■]Mを表示させ、所望の図形の面積測定を非常に簡単に行うことができる。
【0142】
なお、前記各実施形態において記載したグラフ関数電卓10による動作手法、すなわち、図3,図4,図5のフローチャートに示す図形表示処理での各手法は、コンピュータに実行させることができるプログラムとして、メモリカード(ROMカード、RAMカード等)、磁気ディスク(フロッピディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の外部記録媒体(23)に格納して配布することができる。そして、電子式計算機(10)のコンピュータ(21)は、この外部記録媒体(23)に記憶されたプログラムを記憶装置(22)に読み込み、この読み込んだプログラムによって動作が制御されることにより、前記各実施形態において説明した図形の色付け描画機能と測定対象に応じた図形(図形部分)の選択機能および選択図形の測定機能を実現し、前述した手法による同様の処理を実行することができる。
【0143】
また、前記各手法を実現するためのプログラムのデータは、プログラムコードの形態として通信ネットワーク(公衆回線)上を伝送させることができ、この通信ネットワークに接続された通信装置によって前記プログラムデータを電子式計算機(10)のコンピュータ(21)に取り込み、前述した図形の色付け描画機能と測定対象に応じた図形(図形部分)の選択機能および選択図形の測定機能を実現することもできる。
【0144】
なお、本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、各実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの構成要件が異なる形態にして組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0145】
10 …グラフ関数電卓
11 …キー入力部
12 …数字・演算記号キー群
13 …関数機能キー群
14 …モード設定キー群
15 …カーソルキー
16 …カラー表示部
16T…タッチパネル
21 …プロセッサ(CPU)
22 …メモリ
22a…図形表示処理プログラム
22b…演算処理プログラム
22c…図形描画データメモリ
22d…演算データメモリ
22e…図形選択モードメモリ
22f…図形測定データメモリ
22g…指定中図形部分データメモリ
22h…選択中図形部分データメモリ
23 …外部記録媒体
24 …記録媒体読み取り部
30 …色キーメニュー
G …図形表示画面
Gs …図形測定画面
Cn …ノーマルカーソル
Cm …領域指定用カーソル
Ck …角度指定用カーソル
Co …点・線指定用カーソル
m …図形指定マーク[□]
M …図形選択マーク[■]
BM …[面積]測定アイコン
BK …[角度]測定アイコン
BL …[長さ]測定アイコン
As …測定データ表示エリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作に応じた図形を表示部に表示させる図形表示手段と、
この図形表示手段により表示された図形に関する選択の種類をユーザ操作に応じて設定する選択種類設定手段と、
この選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に応じて異なる表示形態のカーソルを前記表示部に表示させるカーソル表示手段と、
前記図形表示手段により表示された図形のうち前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に対応した図形部分を検知する図形部分検知手段と、
この図形部分検知手段により検知された図形部分の表示形態を前記カーソル表示手段により表示されたカーソルの表示形態に対応して変更する図形部分識別表示手段と、
を備えたことを特徴とする図形表示装置。
【請求項2】
前記図形部分検知手段により検知された図形部分に対して前記カーソル表示手段により表示されたカーソルを移動させるカーソル移動手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の図形表示装置。
【請求項3】
前記カーソル表示手段は、前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に応じて異なる形状/色のカーソルを前記表示部に表示させ、
前記図形部分識別表示手段は、前記図形部分検知手段により検知された図形部分の表示形態を前記カーソル表示手段により表示されたカーソルの形状/色に対応して変更する、
ことを特徴とする請求項2に記載の図形表示装置。
【請求項4】
前記図形に関する選択の種類は、図形の領域、角度、長さであり、
前記カーソル表示手段は、前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類が図形の領域の場合は、多角形からなる矢印の外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第2の特定色にした領域指定用カーソルを前記表示部に表示させ、図形の角度の場合は、内角に角度記号を付加した矢印の外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第3の特定色にした角度指定用カーソルを前記表示部に表示させ、図形の長さの場合は、矢印の外形線を第1の特定色にした線指定用カーソルを前記表示部に表示させ、
前記図形部分検知手段は、前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類が図形の領域の場合は、3つ以上の辺により閉じられた領域を有する図形部分を検知し、図形の角度の場合は、角度をなす2つの辺からなる図形部分を検知し、図形の長さの場合は、1つの線からなる図形部分を検知し、
前記図形部分識別表示手段は、前記図形部分検知手段により3つ以上の辺により閉じられた領域を有する図形部分が検知された場合は、前記カーソル表示手段により表示された領域指定用カーソルの表示形態に対応して、同図形部分の外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第2の特定色に変更し、前記角度をなす2つの辺からなる図形部分が検知された場合は、前記角度指定用カーソルの表示形態に対応して、同図形部分の内角に角度記号を付加しその外形線を第1の特定色、同外形線に囲まれる領域を第3の特定色に変更し、前記1つの線からなる図形部分が検知された場合は、前記線指定用カーソルの表示形態に対応して、同図形部分を第1の特定色に変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載の図形表示装置。
【請求項5】
電子機器のコンピュータを、
ユーザ操作に応じた図形を表示部に表示させる図形表示手段、
この図形表示手段により表示された図形に関する選択の種類をユーザ操作に応じて設定する選択種類設定手段、
この選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に応じて異なる表示形態のカーソルを前記表示部に表示させるカーソル表示手段、
前記図形表示手段により表示された図形のうち前記選択種類設定手段により設定された図形に関する選択の種類に対応した図形部分を検知する図形部分検知手段、
この図形部分検知手段により検知された図形部分の表示形態を前記カーソル表示手段により表示されたカーソルの表示形態に対応して変更する図形部分識別表示手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−14440(P2012−14440A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−150377(P2010−150377)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】