説明

図書保管管理システム

【課題】利用者が用いるメンテナンス用品や私物等の物品を保管用コンテナに収容して保管しておくことができ、使い勝手を向上させることができる図書保管管理システムを提供すること。
【解決手段】管理装置24は、目的の図書4の図書識別情報を受付ける図書識別情報受付手段8,9と、搬送対象のコンテナ6のコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段23と、を備えるとともに、図書識別情報受付手段8,9にて受付けた図書識別情報に対応付けて記憶手段28に記憶されるコンテナ識別情報が付与されたコンテナ6を搬送する第1搬送形態と、コンテナ識別情報受付手段23にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送する第2搬送形態と、の少なくとも2つの搬送形態を選択する搬送形態選択手段20,28,29をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置の指令に基づき、書庫に保管されている複数のコンテナの中から、目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後にステーションから書庫に搬送する図書保管管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の図書保管管理システムにおいては、図書を常に指定されたコンテナに収容して保管する固定ロケーションや、図書を収容スペースに空きがあるコンテナに収容して保管するフリーロケーションなどの管理形態がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−290622号公報(第2頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、図書館等において図書保管管理システムのコンテナに、識別情報で管理する図書以外の物品、例えば、識別情報が付与されていない新聞や雑誌や、利用者が使うメンテナンス用品や私物等の物品を収容して、保管用コンテナとして利用したいという利用者側の要望がある。しかしながら、特許文献1に記載の図書保管管理装置にあっては、管理できるコンテナが、識別情報が付与された図書を収容するコンテナに限られており、利用者側の要望に答えられず、使い勝手が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、図書識別情報が付与されていない新聞や雑誌や、利用者が用いるメンテナンス用品や私物等の物品を保管用コンテナに収容して保管しておくことができ、使い勝手を向上させることができる図書保管管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の図書保管管理システムは、
複数の図書を収容した複数のコンテナが書庫に保管され、該複数の図書には、各図書を識別可能な図書識別情報が付与されるとともに、該複数のコンテナには、各コンテナを識別可能なコンテナ識別情報が付与されており、管理装置の指令に基づき、前記書庫に保管されている前記複数のコンテナの中から、貸し出しまたは返却作業の対象となる目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、該コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後に前記ステーションから前記書庫に搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、複数のコンテナ識別情報を記憶するとともに少なくとも一部のコンテナ識別情報と図書識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記目的の図書の図書識別情報を受付ける図書識別情報受付手段と、搬送対象のコンテナのコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段と、を備えるとともに、
該管理装置は、前記図書識別情報受付手段にて受付けた図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されるコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送する第1搬送形態と、前記コンテナ識別情報受付手段にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送する第2搬送形態と、の少なくとも2つの搬送形態を選択する搬送形態選択手段をさらに備えることを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は搬送形態選択手段によって各搬送形態を適宜選択可能となり、第1搬送形態における図書識別情報の受付によって目的の図書を収容するコンテナの搬送を行うことができるとともに、第2搬送形態におけるコンテナ識別情報の受付によってもコンテナの搬送を行うことができ、利用者は第2搬送形態を選択することで、図書識別情報が付与されていない新聞や雑誌や、利用者が用いるメンテナンス用品や私物等の物品を、第2搬送形態の搬送対象となっている保管用コンテナに収容して書庫に保管しておくことができるようになり、図書保管管理システムの使い勝手を向上させることができる。
【0007】
本発明の図書保管管理システムは、
前記記憶手段は、前記コンテナ識別情報に対応付けてコンテナに関連するコンテナ関連情報を記憶するようになっており、前記管理装置は、前記コンテナ関連情報を入力する入力手段をさらに備えることを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は入力手段を用いて、コンテナに収容する物品に関連する情報等のコンテナ関連情報を記憶手段に対して追加的に入力することができ、利用者がコンテナ関連情報を参照することで、保管用コンテナを書庫から呼び出す際の使い勝手を向上させることができる。
【0008】
本発明の図書保管管理システムは、
前記管理装置は、前記図書における前記図書識別情報が記録された図書識別情報記録部を読み取る図書読取手段と、前記コンテナにおける前記コンテナ識別情報が記録されたコンテナ識別情報記録部を読み取るコンテナ読取手段と、前記図書読取手段にて読み取られた図書識別情報及び前記コンテナ読取手段にて読み取られたコンテナ識別情報に基づいて前記記憶手段に記憶される前記図書識別情報及び前記コンテナ識別情報の対応付けの点検作業を行う点検制御手段と、前記第2搬送形態の搬送対象のコンテナを前記点検作業の対象から除外するコンテナ点検除外手段と、をさらに備えることを特徴としている。
この特徴によれば、図書読取手段及びコンテナ読取手段によって記憶手段に記憶される図書識別情報及びコンテナ識別情報の対応付けの点検作業を自動的に行うことができるとともに、コンテナ点検除外手段により第2搬送形態の搬送対象の保管用コンテナを点検作業の対象から除外することができ、図書を収容しない保管用コンテナの点検作業が行われずに済むようになり、点検作業の効率を向上させることができる。
【0009】
本発明の図書保管管理システムは、
前記管理装置は、前記第1搬送形態の搬送対象のコンテナを、コンテナと該コンテナに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとした保管方式と、コンテナと該コンテナに収容される図書との対応関係を固定ロケーションとした保管方式と、の各種保管方式に対応させて搬送するとともに、前記搬送形態選択手段は、前記フリーロケーション用の搬送形態と、前記固定ロケーション用の搬送形態と、前記第2搬送形態と、の少なくとも3つの搬送形態を選択するようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、利用者は搬送形態選択手段によって、フリーロケーション用のコンテナ、固定ロケーション用コンテナ、第2搬送形態の保管用コンテナの各種コンテナを選択して書庫から呼び出すことができるようになり、図書保管管理システムの使い勝手を向上させることができる。
【0010】
本発明の図書保管管理システムは、
前記管理装置は、各利用者を識別可能な利用者識別情報を受付ける利用者識別情報受付手段をさらに備え、該管理装置は、前記利用者識別情報受付手段にて受付けた利用者識別情報に基づいて、前記第2搬送形態の搬送対象のコンテナを搬送させる権限の与えられた特定利用者と、該特定利用者以外の一般利用者と、を識別可能となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、管理装置が、第2搬送形態の搬送対象の保管用コンテナを利用できる管理者等の特定利用者を識別できるようになり、この管理装置によって、特定利用者以外の一般利用者が保管用コンテナに不用意にアクセスできないように制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例における図書保管管理システムの全体像を示す側面図である。
【図2】ステーションを示す斜視図である。
【図3】ステーションを示す横断平面図である。
【図4】図書保管管理システムの構成を示すブロック図である。
【図5】保管用コンテナを示す図である。
【図6】タッチパネルに表示されるコンテナ入庫メニュー画面を示す図である。
【図7】タッチパネルに表示されるコンテナ呼出画面を示す図である。
【図8】タッチパネルに表示されるコンテナ作業画面を示す図である。
【図9】タッチパネルに表示される蔵書点検メニュー画面を示す図である。
【図10】タッチパネルに表示されるコンテナ内図書一覧画面を示す図である。
【図11】タッチパネルに表示される蔵書点検漏れコンテナ呼出画面を示す図である。
【図12】タッチパネルに表示される蔵書点検漏れコンテナ作業画面を示す図である。
【図13】図書情報テーブルを示す図である。
【図14】コンテナ情報テーブルを示す図である。
【図15】利用者情報テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る図書保管管理システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0013】
実施例に係る図書保管管理システムにつき、図1から図15を参照して説明する。以下、図1の紙面左側をステーションの正面側(前方側)とし、図3の紙面下側をステーションの正面側(前方側)として説明する。
【0014】
図1の符号1は、本発明の適用された図書保管管理システムである。この図書保管管理システム1は、図1に示すように、例えば、図書館にて地上階に設けられ、利用者に公開されている開架書庫2と、図書館の地下階に設けられ、利用者に公開されていない閉架書庫3と、の間に亘って設置されており、閉架書庫3に収容されている図書4を利用者の要求に応じて開架書庫2まで搬送するシステムである。
【0015】
閉架書庫3には、図書4を収容するための複数の書棚5が配置されている。図4に示すように、これら書棚5には複数の図書4等が収容された複数のコンテナ6が収容されている。
【0016】
コンテナ6に収容されている図書4には、各図書4毎に固有の図書ID(図書識別情報)や図書関連情報が記憶されているRFIDタグ7(図書識別情報記録部)が貼り付けられており、このRFIDタグ7の図書IDは、後述する図書用タグリーダ8(図書識別情報受付手段,図書読取手段)及び貸出返却用タグリーダ9(図書識別情報受付手段,図書読取手段)によってID情報を読み取り可能となっている。尚、この図書関連情報とは、各図書4のタイトル、著者、出版社、ページ数等である。
【0017】
また、本実施例におけるRFIDタグ7は、内蔵したICチップを非接触方式(無線方式)で、後述する図書用タグリーダ8と貸出返却用タグリーダ9とで読み取らせる公知のパッシブ型のRFIDタグである。
【0018】
ここで、図書4をコンテナ6に収容する際のアサイン方式(搬送形態)について説明する。本実施例における図書保管管理システム1では、コンテナ6毎に図書4を文学、スポーツ、評論等の分野毎に収容する固定ロケーション方式(第1搬送形態)と、図書4を分野毎に分けずに空きのあるコンテナ6に収容するフリーロケーション方式(第1搬送形態)と、を任意に選択可能になっている。
【0019】
固定ロケーション方式では、予め所定の図書4を収容するコンテナ6を定めておき、図書4を貸出して返却する際に、再度同じコンテナ6に収容するようになっている。連続小説や関連性のあるひとまとまりの図書4等を固定ロケーション方式で収容しておくことで、貸出しや返却を効率よく行うことができる。
【0020】
一方、フリーロケーション方式では、閉架書庫3内のコンテナ6の収容位置と、各コンテナ6に収容された図書4の各図書IDと、を対応させて後述する記憶部28に記憶させておき、図書4の貸出し及び返却が行われる度に記憶部28の情報を更新するようになっている。空きのあるコンテナ6に任意の図書4を収容することができるため、ステーション13と閉架書庫3との間でコンテナ6を搬送する回数が固定ロケーション方式と比較して少なくて済むようになる。
【0021】
また、図5に示すように、多数のコンテナ6のうち、一部のコンテナ6を、図書保管管理システム1のメンテナンス用品(図書IDが付与されていない管理マニュアル等)や、後述する管理者や司書等の利用者の私物等の物品を保管する保管箱として使用することができるようになっている。後述するように、コンテナ6のアサイン方式には、固定ロケーション方式とフリーロケーション方式と合わせて保管箱方式(第2搬送形態)として利用情報をデータベースに登録することができるようになっている。
【0022】
図1に示すように、図書保管管理システム1は、閉架書庫3にて書棚5から図書4が収容されたコンテナ6を取り出すための複数基のスタッカクレーン10と、地下階である閉架書庫3と地上階である開架書庫2との間を昇降可能とする搬送エレベータ11と、を備えている。そして、スタッカクレーン10によって書棚5から取り出されたコンテナ6は、コンベア12を介して搬送エレベータ11に受け渡されるようになっている。
【0023】
また、図書保管管理システム1は、閉架書庫3からコンテナ6を搬送可能であって、利用者が目的の図書4の貸し出し、若しくは返却を行うことができるステーション13と、コンテナ6を一時保管するためのロータリーラック14と、を備えている。搬送エレベータ11によって地上階まで搬送されたコンテナ6は、コンベア15を介してステーション13及びロータリーラック14まで搬送されるようになっている。尚、本実施例における利用者とは、図書館の司書や、図書館が設置された学校の学生や教授等である。
【0024】
また、開架書庫2に設けられたステーション13にて設定された指令に基づき、スタッカクレーン10は、各書棚5におけるコンテナ6の収容位置まで前後並びに上下方向に自動走行して、コンテナ6の出し入れを行うようになっている。
【0025】
図2に示すように、ステーション13の上部には、その内部が中空である中空部16が形成されている。この中空部16内には、搬送エレベータ11側からコンベア15が延設されており、図書4が収容されているコンテナ6を中空部16内に搬送可能となっている。
【0026】
図2及び図3に示すように、コンテナ6の内部は、複数の図書4を収容するための上方が開口する収容空間17となっている。この収容空間17は、磁性部材からなる磁性板18によって正面側と背面側とに分割されており、複数の図書4が前後2列に配置され、背表紙4aをコンテナ6の正面側または背面側に向けた状態で、かつ図書4の厚み方向である左右方向に並べられた状態で収容されている。
【0027】
図2及び図3に示すように、ステーション13の中空部16内の中央には、コンベア15に連続して設けられたターンテーブル19が配設されている。ステーション13に搬送されたコンテナ6は、このターンテーブル19上に載置されるようになっている。
【0028】
尚、ステーション13の利用者は、後述するタッチパネル20(表示手段)及びキーボード68(入力手段)の操作によってターンテーブル19を回転させてコンテナ6を水平回転させることができる。そのため、コンテナ6は、その正面側及び背面側のいずれの側も利用者側に向けることができるようになり、コンテナ6の正面側及び背面側の両側に図書4を収容しておくことができ、コンテナ6内のスペースを有効利用できる。
【0029】
そして、ステーション13の上部正面側には、左右方向に中空部16を開閉自在なスライド扉21が取り付けられており、利用者は、このスライド扉21を開放することによって中空部16に搬送されてきたコンテナ6から図書4を取り出せるようになっている。
【0030】
また、コンテナ6の正面側と背面側の外面には、左右方向の略中央部に各コンテナ6を識別可能なバーコード部22(コンテナ識別情報記録部)が設けられている。尚、このバーコード部22には、各コンテナ6を識別できる固有のコンテナID(コンテナ識別情報)や前後のいずれの側かを示す情報が含まれた情報が書き込まれている。
【0031】
図3に示すように、ステーション13の中空部16内の上流側と下流側には、コンベア15の正面側と背面側の両側に、コンテナ6に収容されている図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るための図書用タグリーダ8と、コンテナ6に取り付けられたバーコード部22からコンテナID等の情報を読み取るためのバーコードリーダ23(コンテナ識別情報受付手段,コンテナ読取手段)と、が取り付けられている。
【0032】
また、コンベア15は、搬送エレベータ11側からステーション13の中空部16内に延設されているとともに、中空部16内から更に搬送エレベータ11側に延設されている平面視でU字状に形成されている。コンテナ6は、ステーション13において紙面右側から紙面左側へと一方通行に搬送されるようになっており、図書用タグリーダ8及びバーコードリーダ23は、ステーション13の上流側及び下流側にそれぞれ設けられている。
【0033】
また、同様のバーコードリーダ23が開架書庫2におけるステーション13外のコンベア15及び閉架書庫3におけるコンベア12近傍にも複数箇所に取り付けられている。コンテナ6のバーコード部22がコンベア12,15に設けられたバーコードリーダ23で読み取られることにより、各コンテナ6の搬送経路における現在位置情報などを後述する管理装置24が把握することができるようになっている。
【0034】
尚、前述のロータリーラック14は、内部に複数のコンテナ6を収容可能となっており、後述するコンテナ呼出処理によって閉架書庫3からステーション13に呼び出されたコンテナ6が複数ある場合などにコンテナ6をロータリーラック14に待機させることができるようになっている。
【0035】
搬送エレベータ11を介して地上階に搬送された複数のコンテナ6がロータリーラック14に一時保管された後、コンテナ6は所定の順序でロータリーラック14から運び出される。そして、ロータリーラック14から運び出されたコンテナ6は、平面視で右側のコンベア15から中央のステーション13に搬送され、ステーション13での処理が終わったコンテナ6は、左側のコンベア15に載せられて再び搬送エレベータ11によって地下階の閉架書庫3へと搬送されるようになっている。
【0036】
図2に示すように、ステーション13の正面側には、利用者がコンテナ6から取り出した図書4を載置するための天板25が設けられている。この天板25上には、ステーション13を利用する利用者に対して、図書4の貸し出し及び返却作業の指示を行うためのタッチパネル20が設けられている。このタッチパネル20は、利用者が直接指等を接触させて操作可能になっている。
【0037】
また、天板25には、図書4のRFIDタグ7から識別情報を読み取るための貸出返却用タグリーダ9が埋設されている。更に、特に図示しないが、ステーション13には、図書館の利用者が所有するICカード26から利用者の利用者ID(利用者識別情報)を読取可能なカードリーダ27(利用者識別情報受付手段)が設けられている。尚、このICカード26には、RFIDタグが内蔵され、固有の利用者IDが記憶されている。
【0038】
一方、図書館の管理室(図示略)等には、図4に示すように、閉架書庫3からの図書4の貸し出し及び返却を管理する管理装置24が設けられている。この管理装置24は、図13〜図15に示す図書情報テーブルとコンテナ情報テーブルと利用者情報テーブルが記憶されている記憶部28(記憶手段)と、管理装置24内で各種制御を行う制御部29と、から構成されている。
【0039】
この制御部29には、ステーション13のバーコードリーダ23と、図書用タグリーダ8と、貸出返却用タグリーダ9と、ターンテーブル19と、タッチパネル20と、キーボード68と、カードリーダ27と、が接続されている。また、制御部29には、コンベア15と、ロータリーラック14と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、本実施例における図書保管管理システム1には複数のステーション13が設けられており、管理装置24は、各ステーション13とそれぞれ接続されている。
【0040】
更に、制御部29には、閉架書庫3のコンベア12と、スタッカクレーンと、搬送エレベータ11と、バーコードリーダ23と、が接続されている。尚、制御部29は、LAN回線等の通信回線30を介して図書館内部または図書館外部の複数の予約端末31に接続されている。例えば図書館の利用者は、予約端末31から管理装置24に対して所望の図書4の貸出予約を行うことができるようになっている。
【0041】
図13に示すように、記憶部28に記憶されている図書情報テーブルには、図書4の図書IDに対して、図書4のタイトルと、巻号、年月次、厚さと、この図書4が収容されるべきコンテナ6の正コンテナIDと、コンテナ6内における図書4の所在を示す配置位置と、後述する蔵書点検作業を行うか否かを図書4毎に指定するチェック要否と、蔵書点検作業の結果を示す照合結果と、照合結果が不良(不整合状態)であった場合にその理由が登録される照合不良情報(不整合情報)と、図書4が現在収容されているコンテナ6のコンテナIDが登録される現コンテナIDと、が対応付けられて記憶される。
【0042】
このうち、コンテナ6内の図書4の配置位置は、コンテナ6の前後をA及びBとして登録し、それぞれの側を正面側としたときの左右方向の位置を本実施例では3分割して左側、中央部、右側の位置を1〜3で登録するようにしている。すなわち、配置位置がB−2とあるのは、B側の中央部に図書4が収容されている、ということを示している。
【0043】
図14に示すように、記憶部28に記憶されているコンテナ情報テーブルには、コンテナ6のコンテナIDに対して、固定、フリー、保管箱などのロケーション方式を示すアサイン方式と、コンテナ6が閉架書庫3内のいずれの書棚5にあるかを示すロケーション(保管位置)と、貸し出しまたは返却によって入出庫が行われた最新の日付を示す入出庫日付(入出庫履歴)と、蔵書点検作業を行うか否かをコンテナ6毎に指定するチェック要否と、各コンテナ6の前後のいずれかをA及びBで示す前後位置と、図書保管管理システム1の管理者や図書館の司書が自由に入力することができるメモと、蔵書点検作業の結果を示す照合結果と、照合結果が不良であった場合にその理由が登録される照合不良情報(不整合情報)と、からなるコンテナ関連情報が関連付けて記憶されている。尚、コンテナ情報テーブルのロケーションと入出庫日付とにより本実施例における保管情報が構成されている。
【0044】
図15に示すように、記憶部28に記憶されている利用者情報テーブルには、利用者が図書館を利用するために図書館に登録した固有の利用者IDと利用者が貸し出しを行う図書4の図書IDとに対して、貸出予定日が関連付けて記憶されている。制御部29が予約端末31から貸出予約を受けると、制御部29は、予約を行った利用者の利用者IDと予約がされた図書IDと貸出予定日を利用者情報テーブルに記憶させるようになっている。更に、利用者IDに対して所定のアクセス権限の有無も登録されている。
【0045】
図書4の貸し出し及び返却について説明すると、例えば図書保管管理システム1を備える図書館が設置された学校の学生が予約端末31によって図書4の貸出予約または返却予約を行い、学生が所有するICカード26を用いて図書館の司書がステーション13で図書4の貸し出しまたは返却作業を行うことができるようになっている。
【0046】
次に、利用者が図書4や私物を収容するために、新たなコンテナ6を閉架書庫3に入庫させるコンテナ入庫処理について説明する。尚、コンテナ入庫処理を行うことができる利用者は、アクセス権限を有する管理者や司書などに限られている。
【0047】
予め管理者(特定利用者)や司書(特定利用者)の利用者IDの利用者情報テーブルにおけるアクセス権限は「有」と登録されており、学生(一般利用者)の利用者IDの利用者情報テーブルにおけるアクセス権限は初期値(「無」)となっている。
【0048】
ステーション13において、司書が所有するICカード26をカードリーダ27にかざすと、ICカード26に内蔵されたRFIDタグ7に記憶されている固有の利用者IDが読み取られる。管理装置24の制御部29は、カードリーダ27が読み取った利用者IDに基づいて、図11に示す利用者情報テーブルを参照し、アクセス権限が「有」の場合には、図示しない管理者メニュー画面をタッチパネル20に表示する。管理者メニュー画面にはコンテナ入庫メニューへ進むボタンが表示されるようになっており、司書がそのボタンを押すと、制御部29は、図6に示すコンテナ入庫メニュー画面をタッチパネル20に表示する。
【0049】
また、もし学生等のアクセス権限のない利用者がICカード26をカードリーダ27にかざした場合には、管理者メニュー画面は表示されないため、コンテナ入庫メニュー画面で保管箱方式のコンテナ6を呼び出すことはできないようになっている。このようにすることで、一般利用者が保管箱方式のコンテナ6に不用意にアクセスできないように制限することができる。
【0050】
図6に示すように、制御部29は、コンテナ入庫メニュー画面に、「固定」ボタン43と「フリー」ボタン44と「保管箱」ボタン45と「ラインアウト」ボタン46を表示し、いずれかのボタンを選択する旨の指示を表示する。司書が入庫するコンテナ6のアサイン方式を固定ロケーション方式で保管する場合には「固定」ボタン43を選択し、フリーロケーション方式で保管する場合には「フリー」ボタン44を選択し、保管箱方式で保管する場合には、「保管箱」ボタン45を選択して入庫させる。
【0051】
司書がステーション13において、バーコード部22を貼り付けたコンテナ6を載置し、タッチパネル20に表示された「固定」または「フリー」または「保管箱」ボタン43,44,45のうち、所望の方式のボタンを押すと、制御部29は、コンテナチェック処理を行う。
【0052】
具体的には、制御部29は、ステーション13の下流側にコンテナ6を搬送し、ステーション13の下流側に設けられたバーコードリーダ23によって、コンテナ6に貼り付けられたバーコード部22を読み取り、バーコード部22に含まれるコンテナIDに基づいて、コンテナ情報テーブルに登録されている情報を照合する。
【0053】
制御部29は、バーコード部22から読み取ったコンテナIDがコンテナ情報テーブルに既に登録済である重複エラーとなったり、コンテナIDが読み取れなかった場合には、タッチパネル20にエラーメッセージを表示し、司書にエラー内容の確認を行い、作業をやり直す旨の表示を行う。
【0054】
コンテナチェック処理の結果、エラーがない場合またはエラーが解消された場合には、制御部29は、コンテナ6をステーション13からコンベア12,15や搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行うとともに、読み取ったコンテナIDの情報をコンテナ情報テーブルに登録する。
【0055】
尚、司書が「ラインアウト」ボタン46を押すことによってコンテナ6をステーション13から取り除くことができるようになっており、「ラインアウト」ボタン46が押されると、制御部29は、そのコンテナ6の入庫を行わず、コンテナ入庫メニューの初期状態に戻す処理を行う。
【0056】
このように、司書はコンテナ6毎にアサイン方式を適宜選択可能となっており、コンテナ情報テーブルには各コンテナ6のコンテナIDに基づいてアサイン方式が登録されるため、例えば後述するコンテナ呼出処理において、保管箱方式のコンテナ6をステーション13に呼び出す場合にアサイン方式を指定することによって、保管箱方式のコンテナ6を呼び出すことができるようになっている。
【0057】
次に、利用者が図書4等をコンテナ6に収容する際に、閉架書庫3からステーション13にコンテナ6を搬送するコンテナ呼出処理について、図7と図8を参照して説明する。先ず、ステーション13において、司書が所有するICカード26をカードリーダ27にかざすと、制御部29は、利用者情報テーブルのアクセス権限を参照し、前述のコンテナ入庫処理の際と同様に管理者メニュー画面を表示する。管理者メニュー画面にはコンテナ呼出メニューへ進むボタンが表示されるようになっており、司書がそのボタンを押すと、制御部29は、図7に示すコンテナ呼出メニュー画面をタッチパネル20に表示する。
【0058】
図7に示すように、コンテナ呼出メニュー画面の上部側には、コンテナIDを入力可能なコンテナID入力部47と、空のコンテナ6を選択する空コンテナボタン48と、アサイン方式を固定、フリー、保管箱方式から選択するアサイン方式ボタン49と、検索ボタン50と、コンテナ呼出ボタン51と、が表示される。
【0059】
司書は、呼び出したいコンテナ6のコンテナIDが予め分かっている場合にはコンテナID入力部47にコンテナIDを入力し、空のコンテナ6を呼び出したいときは空コンテナボタン48を選択し、いずれのアサイン方式のコンテナ6を呼び出すかを固定、フリー、保管箱方式の3つのアサイン方式ボタン49から選択できるようになっている。尚、本発明における搬送形態選択手段は、タッチパネル20と記憶部28と制御部29とから構成されている。
【0060】
司書が、所望の検索内容を入力及び選択し、タッチパネル20に表示された検索ボタン50を押すと、制御部29は、それらの情報を基にコンテナ情報テーブルを参照する。例えばコンテナID入力部47にコンテナIDが入力された場合には、制御部29は、そのコンテナIDを基にコンテナ情報テーブルの正コンテナIDに対応する登録情報を参照して取得した前後位置、アサイン方式、メモ等のコンテナ関連情報を、コンテナ呼出メニュー画面の下部側にリスト表示する。
【0061】
尚、コンテナ呼出メニュー画面には、詳細ボタンと取消ボタンが表示されている。詳細ボタンを押すと、そのコンテナ6に収容されている図書4等の詳細情報が表示され、取消ボタンを押すと、タッチパネル20のリストからそのコンテナ6の情報が非表示となり、コンテナ呼出を行わないように変更することができる。
【0062】
本実施例では、司書がメンテナンス用品や私物等の物品を保管する際に、保管箱方式のコンテナ6を呼び出すものとして説明する。司書が保管箱のアサイン方式ボタン49を選択して検索ボタン50を押すと、制御部29は、コンテナ情報テーブルを参照してアサイン方式が保管箱であるコンテナ6のコンテナIDやコンテナ関連情報を、コンテナ呼出メニュー画面の下部側にリスト表示する。
【0063】
そして、司書が表示されたリストを確認してタッチパネル20に表示されたコンテナ呼出ボタン51を押すと、制御部29は、リスト表示されたコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送する処理を行う。具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12,15や搬送エレベータ11によってステーション13に搬送させる。
【0064】
尚、コンテナ6にはバーコード部22が設けられており、搬送経路の所定の複数箇所に設置されたバーコードリーダ23によってコンテナ6のコンテナIDが読み取られる。制御部29は、バーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基に、読み取りを行ったバーコードリーダ23の位置から各コンテナ6の現在位置情報を把握することができるようになっている。
【0065】
前述したようにステーション13にもバーコードリーダ23が設置されており、制御部29は、ステーション13のバーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基に、コンテナ6がステーション13に搬送されたことを把握する。また、このときステーション13の上流側に設けられた図書用タグリーダ8によってコンテナ6内の図書4のRFIDタグ7が読み取られ、制御部29は、図書情報テーブルに登録されている内容と照合して確認する確認処理を行う。コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29によって、図8に示すコンテナ作業画面に切り替えられる。
【0066】
尚、呼び出されたコンテナ6が複数ある場合には、前述したロータリーラック14に一時保管され、先にステーション13に搬送されたコンテナ6の作業が終了すると、順次ステーション13に搬送されるようになっている。
【0067】
コンテナ6のバーコード部22には、A側であるかB側であるかを示す前後情報が含まれており、制御部29は、ステーション13に搬送されたコンテナ6のバーコード部22の情報からコンテナ6の前後方向を判断し、ステーション13内で正面側となっている側がA側かB側であるかを判定する。
【0068】
図8に示すように、制御部29は、コンテナID、アサイン方式、前後方向を判断した前後情報等のコンテナ関連情報をコンテナ作業画面の画面上部側に表示するとともに、画面右部にはコンテナ回転ボタン52を表示し、画面中央部にはコンテナ戻しボタン53を表示する。
【0069】
司書は、タッチパネル20の表示画面がコンテナ作業画面に切り替わったことでステーション13にコンテナ6が到着したことを認識でき、司書がステーション13のスライド扉21を開放してコンテナ6に私物等の物品を収容することができる。また、画面下部には、コンテナ6の情報を入力できるメモ入力部54が表示されており、司書は、コンテナ6に収容した物品等に関するメモ情報を、キーボード68を用いてメモ入力部54に登録することができるようになっている。
【0070】
また、コンテナ作業画面には、そのコンテナ6に対して蔵書点検作業を行うか否かを設定するコンテナ単位チェック対象のチェックボックス55が表示され、「チェックする」と「チェックしない」とが選択可能になっている。
【0071】
司書がコンテナ戻しボタン53を押すと、制御部29は、前述したコンテナ入庫処理の際と同様に、コンテナチェック処理を行い、コンテナ6をステーション13からコンベア12,15や搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行うとともに、コンテナ情報テーブルの更新処理を行う。
【0072】
具体的には、チェックボックス55において「チェックしない」が選択された場合には、制御部29は、閉架書庫3に搬送させるコンテナ6のコンテナIDに対応するチェック要否に「不要」を登録し、コンテナ作業画面でメモ入力部54に入力された情報をコンテナIDに対応するメモの項目に登録する。
【0073】
尚、司書がコンテナ作業画面に表示されたコンテナ回転ボタン52を押すと、制御部29によって、ターンテーブル19が回転し、コンテナ6の向きが180度回転される。ターンテーブル19の回転が完了すると、制御部29は、コンテナ作業画面において、正面側となったコンテナ6の情報を表示する。これにより、コンテナ6の正面側と背面側の収容空間17に対してそれぞれ物品を収容したり情報を入力したりできる。
【0074】
このように、コンテナ作業場面において保管箱方式のコンテナ6を後述する蔵書点検作業の対象から除外することができるため、図書4を収容しない保管箱方式のコンテナ6の蔵書点検作業が行われずに済み、蔵書点検作業の効率を向上させることができる。尚、本発明における点検制御手段は、記憶部28と制御部29とから構成されている。また、図書点検除外手段及びコンテナ点検除外手段は、タッチパネル20と記憶部28と制御部29とから構成されている。
【0075】
次に、蔵書点検作業について、図9と図10を参照して説明する。本実施例における図書保管管理システム1においては、図書情報テーブルの登録内容と実際の図書4の配置に差異が生じていないかを点検する蔵書点検作業を行うことができるようになっている。また、この蔵書点検作業は、予め所定の設定をしておくことで、図書館の休館日や夜間等の図書館の利用者が居ない時期に自動的に行うことができる。更に、蔵書点検作業時にコンテナ6が収容される閉架書庫3のロケーションの範囲やコンテナ6の入出庫日付の範囲を指定しておくことができる。
【0076】
先ず、ステーション13において、司書が所有するICカード26をカードリーダ27にかざすと、制御部29は、利用者情報テーブルのアクセス権限を参照し、前述のコンテナ入庫処理の際と同様にタッチパネル20に管理者メニュー画面を表示する。管理者メニュー画面には蔵書点検メニューへ進むボタンが表示されるようになっており、司書がそのボタンを押すと、制御部29は、蔵書点検メニュー画面を表示し、更にロケーション範囲指定または入出庫日付範囲指定のいずれかの範囲指定で蔵書点検を行うか選択させる。
【0077】
司書がロケーション範囲指定を選択すると、制御部29は、図9に示す蔵書点検メニュー画面をタッチパネル20に表示する。図9に示すように、蔵書点検メニュー画面には、コンテナ6が収容されている閉架書庫3の場所を示すロケーションを入力するロケーション入力部56が設けられており、コンテナ6のロケーションを範囲指定して蔵書点検ボタン57を押すと蔵書点検を行うことができるようになっている。
【0078】
司書がロケーション入力部56に蔵書点検を行いたい閉架書庫3におけるコンテナ6のロケーションを入力して検索ボタン58を押すと、制御部29は、ロケーション入力部56に入力されたロケーションの範囲を基に、コンテナ情報テーブルを参照し、入力されたロケーションの範囲内にあり、かつチェック要否が「要」であるコンテナ6の正コンテナIDを特定し、コンテナ関連情報を取得し、画面右部側にコンテナIDとロケーションとをリスト表示する。
【0079】
蔵書点検メニュー画面には、詳細ボタンが表示されており、司書がこの詳細ボタンを押すと、制御部29は、図10に示すコンテナ内図書一覧画面を表示する。図10に示すように、制御部29は、コンテナID、アサイン方式、前後方向を判断した前後情報等のコンテナ関連情報をコンテナ内図書一覧画面の画面上部に表示するとともに、画面中央から下部には、そのコンテナ6に収容されている図書4のタイトル、巻号、年月次、厚さ等の情報をリスト表示する。
【0080】
コンテナ内図書一覧画面には、その図書4に対して蔵書点検作業を行うか否かを設定する図書単位チェック対象のチェックボックス59が表示され、「チェックする」と「チェックしない」とが選択可能になっている。司書が「チェックする」または「チェックしない」のいずれかを選択して更新ボタン60を押すと、制御部29は、その図書4の図書情報テーブルのチェック要否を更新するようになっている。
【0081】
例えば、図書4の厚さが薄い図書4に図書4に貼り付けられたRFIDタグ7は、図書用タグリーダ8によって読み取れないことがあり、蔵書点検作業の度に照合不良となっては効率が悪いため、予め「チェックしない」として図書情報テーブルのチェック要否を「不要」にして蔵書点検作業の対象から除外することにより、蔵書点検作業の邪魔になる図書4の蔵書点検作業を行わないように設定することができ、蔵書点検作業の効率を向上させることができる。
【0082】
また、コンテナ内図書一覧画面には、そのコンテナ6に対して蔵書点検作業を行うか否かを設定するコンテナ単位チェック対象のチェックボックス61が表示され、「チェックする」と「チェックしない」とが選択可能になっている。現在表示されているコンテナ6が蔵書点検作業を必要としない場合には、司書が「チェックしない」を選択して更新ボタン60を押すと、制御部29は、そのコンテナ6のコンテナ情報テーブルのチェック要否を「不要」に更新する処理を行う。
【0083】
これにより、コンテナ6を蔵書点検作業の対象から除外することができ、蔵書点検作業の必要のないコンテナ6の蔵書点検作業が行われずに済み、蔵書点検作業の効率を向上させることができるようになっている。
【0084】
そして、コンテナ内図書一覧画面の右上部に表示されている戻るボタン62を押すと、制御部29によって、図9に示す蔵書点検メニュー画面に切り替わる。司書が蔵書点検ボタン57を押すと、制御部29は、コンテナ6をステーション13に搬送し、蔵書点検処理を行う。尚、制御部29は、蔵書点検作業を行うコンテナIDを基に図書情報テーブルを参照し、照合結果を予め初期値に更新する処理を行う。
【0085】
制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12と、搬送エレベータ11と、コンベア15と、によってステーション13に搬送させる。そして、ステーション13におけるバーコードリーダ23によって、コンテナ6に貼り付けられたバーコード部22を読み取り、制御部29は、バーコード部22に含まれるコンテナIDを取得する。
【0086】
尚、呼び出されたコンテナ6が複数ある場合には、前述したロータリーラック14に一時保管され、先にステーション13に搬送されたコンテナ6の蔵書点検作業が終了すると、順次ステーション13に搬送されるようになっている。
【0087】
尚、前述したように、コンテナ6のバーコード部22には、A側であるかB側であるかを示す前後情報が含まれており、制御部29は、ステーション13に搬送されたコンテナ6のバーコード部22の情報からコンテナ6の前後方向を判断し、ステーション13内で正面側となっている側がA側かB側であるかを判定できるようになっている。
【0088】
そして、図書用タグリーダ8によって、コンテナ6内に収容されている図書4のRFIDタグ7を読み取り、制御部29は、コンテナ6内の図書4の図書IDを基に図書情報テーブルに登録されている情報を照合する図書チェック処理を行う。
【0089】
尚、図書チェック処理の結果、図書4のRFIDタグ7が読み取れなかったり照合不良となったりした場合には、制御部29は、コンベア15を制御し、コンテナ6を通常の搬送方向と逆方向に搬送して上流側の図書用タグリーダ8の手前まで戻す処理を行う。そして、制御部29は、図書用タグリーダ8によってコンテナ6内の図書4のRFIDタグ7を読み取らせ、再び照合する処理を行う。このように、RFIDタグ7の再読取作業を行うことによって、図書チェック処理における読取精度を向上させることができる。更に尚、この再読取作業の回数は任意に設定できるようになっている。所定回数再読取作業を行っても照合不良が解消されない場合には後述の処理を行う。
【0090】
具体的には、制御部29は、図書用タグリーダ8によって読み取った図書4のRFIDタグ7に含まれる図書IDを基に図書情報テーブルを参照し、図書IDに対応付けて登録されているコンテナIDと、バーコード部22から取得したコンテナIDとを比較し、異なる場合には、その図書4の図書IDに対応する図書情報テーブルの照合結果を「NG」に更新し、照合不良情報を「過剰」に更新するとともに、現コンテナIDにバーコード部22から取得したコンテナIDを設定する処理を行う。尚、蔵書点検作業において照合不良となった図書4が1冊でもあった場合には、制御部29は、コンテナ情報テーブルの照合結果を「NG」に更新する処理を行う。
【0091】
また、制御部29は、図書用タグリーダ8によって読み取った図書4がA側またはB側のいずれの配置位置であるかを判断し、その図書IDを基に図書情報テーブルを参照し、図書IDに対応付けて登録されている配置位置が正しいかを判定する処理を行う。図書情報テーブルに登録されているコンテナIDが正しい場合に、例えば、図書情報テーブルの配置位置がA側であるが、実際にはコンテナ6のB側に図書4が配置されていると判定した場合には、制御部29は、その図書4の図書IDに対応する図書情報テーブルの照合結果を「NG」に更新するとともに、照合不良情報を「前後違い」に更新する処理を行う。
【0092】
また、図書用タグリーダ8で読み取った図書IDが図書情報テーブルに存在しない場合には、コンテナ情報テーブルの照合不良情報を「該当外」に更新する処理を行う。図書チェック処理の結果、正常であった場合には、その図書4の図書IDに対応する図書情報テーブルの照合結果を「OK」に更新する。
【0093】
また、コンテナ6に収容されている全ての図書4の図書IDを読み取り、照合処理が終わると、制御部29は、バーコード部22から取得したコンテナIDを基に図書情報テーブルを参照し、図書情報テーブルのチェック要否が要で、かつ照合結果が初期値である図書IDの照合結果を「NG」に更新するとともに、照合不良情報を「不足」に更新する。
【0094】
そして、図書チェック処理が完了すると、制御部29は、コンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送する処理を行う。具体的には、制御部29は、スタッカクレーン10によってコンテナ6を取り出し、取り出したコンテナ6をコンベア12,15や搬送エレベータ11によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行う。
【0095】
続いて、蔵書点検メニュー画面で指定されて蔵書点検作業の対象となったコンテナ6がまだほかにある場合には、ロータリーラック14から順次ステーション13に搬送され、コンテナ6内の図書4のチェック処理が行われる。蔵書点検作業の対象の全てのコンテナ6の点検作業が終了すると、蔵書点検作業が完了する。
【0096】
尚、ロケーションの範囲を指定するほかに、コンテナ6が貸し出しまたは返却によって入出庫が行われた最新の日付を示す入出庫日付の範囲を指定して蔵書点検を行うこともできる。その際には、司書は前述の蔵書点検メニュー画面において入出庫日付範囲指定を選択することにより、制御部29によって入出庫日付を範囲指定できる画面に切り替わる。司書が入出庫日付の範囲を入力すると、制御部29は、コンテナ情報テーブルを参照してその範囲内にあるコンテナ6のコンテナIDを特定し、蔵書点検作業を行う。
【0097】
更に尚、蔵書点検作業を図書館の休館日や夜間等の時期に行う条件を適宜指定可能にすることで、その点検時期に蔵書点検作業が終了する範囲内で蔵書点検作業を行うことができるようになる。尚、本発明における点検条件指定手段は、タッチパネル20と記憶部28と制御部29とから構成されている。
【0098】
次に、蔵書点検作業によって照合不良が発見された図書を確認する蔵書点検漏れ確認作業について、図11と図12を参照して説明する。司書は、予め前述した蔵書点検作業が行われて照合不良となっているコンテナ6をステーション13に呼び出して手作業または目視で確認作業を行うことができるようになっている。
【0099】
先ず、ステーション13において、司書が所有するICカード26をカードリーダ27にかざすと、制御部29は、利用者情報テーブルのアクセス権限を参照し、前述のコンテナ入庫処理の際と同様にタッチパネル20に管理者メニュー画面を表示する。管理者メニュー画面には蔵書点検メニューへ進むボタンが表示されるようになっており、司書がそのボタンを押すと、制御部29は、図示しない蔵書点検メニュー画面を表示し、更に点検漏れ確認ボタンを表示する。司書がそのボタンを押すと、制御部29は、図11に示す蔵書点検漏れコンテナ呼出画面を表示する。
【0100】
図11に示すように、蔵書点検漏れコンテナ呼出画面には、前回蔵書点検作業を行った条件が表示されるようになっており、本実施例ではロケーション範囲が表示されている。司書が検索ボタン63を押すと、制御部29は、コンテナ情報テーブルを参照し、照合結果に「NG」が登録されているコンテナIDを特定し、コンテナIDとそのコンテナ6と対応する照合不良となった図書4の冊数を画面右部にリスト表示する。
【0101】
司書が画面左下に表示されているコンテナ呼出ボタン64を押すと、制御部29は、リスト表示されたコンテナ6を閉架書庫3からステーション13に搬送する処理を行う。そして、ステーション13に設けられたバーコードリーダ23によってコンテナ6のバーコード部22が読み取られ、コンテナ6がステーション13に到着すると、制御部29によって、図12に示す蔵書点検漏れコンテナ作業画面に切り替えられる。
【0102】
尚、呼び出されたコンテナ6が複数ある場合には、前述したロータリーラック14に一時保管され、先にステーション13に搬送されたコンテナ6の作業が終了すると、順次ステーション13に搬送されるようになっている。
【0103】
図12に示すように、制御部29は、ステーション13に到着したコンテナ6のコンテナID、アサイン方式、前後方向を判断した前後情報等のコンテナ関連情報を蔵書点検漏れコンテナ作業画面の画面上部に表示するとともに、画面右部にはコンテナ回転ボタン65を表示し、画面中央部にはコンテナ戻しボタン66を表示する。
【0104】
また、制御部29は、画面中央から下部には、そのコンテナ6の蔵書点検作業によって照合不良となった図書4のタイトル、巻号、年月次、書籍の位置をリスト表示するとともに、照合不良の理由を表示する。
【0105】
具体的には、制御部29は、ステーション13内のバーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基に図書情報テーブルを参照し、照合不良情報が「不足」と登録されている図書IDの情報がある場合には、その図書4の情報をリスト表示させ、照合不良の理由には「不足」と表示する。
【0106】
また、制御部29は、ステーション13内のバーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基に図書情報テーブルを参照し、照合不良情報が「前後違い」と登録されている図書IDの情報がある場合には、その図書4の情報をリスト表示させ、照合不良の理由には「前後違い」と表示する。
【0107】
また、制御部29は、ステーション13内のバーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDが現コンテナIDに設定されている図書情報テーブルを参照し、照合不良情報が「過剰」と登録されている図書IDの情報がある場合には、その図書4の情報をリスト表示させ、照合不良の理由には「過剰」と表示する。
【0108】
また、制御部29は、ステーション13内のバーコードリーダ23が読み取ったコンテナIDを基にコンテナ情報テーブルの正コンテナIDに対応する登録情報を参照し、照合不良情報が「該当外」と登録されている場合には、照合不良の理由に「該当外」と表示し、タイトル、巻号、年月次にはハイフンを表示し、図書保管管理システム1で管理していない図書4が収容されていることを示す。
【0109】
尚、コンテナ6がステーション13に搬送される際に、ステーション13内の図書用タグリーダ8によって図書4のRFIDタグ7が読み取られ、制御部29は、照合不良の図書4の配置位置がコンテナ6の正面側または背面側のいずれになっているかを把握する。そして、タッチパネル20の書籍の位置に、コンテナ6内の図書4の位置を概略的に示す位置画像67を表示させるようになっている。
【0110】
例えば、不足している図書4の配置位置がコンテナ6の背面側になっている場合には、位置画像67の背面側が塗り潰されており、タッチパネル20に表示されているコンテナ回転ボタン65を押すと、制御部29によって、ターンテーブル19が回転し、コンテナ6の向きが180度回転される。ターンテーブル19の回転が完了すると、制御部29は、正面側が塗り潰された位置画像67を表示する。
【0111】
そして、司書は不足している図書4をコンテナ6の収容すべき配置位置に収容し、コンテナ戻しボタン66を押すと、制御部29は、ステーション13の下流側に設けられた図書用タグリーダ8によってコンテナ6内の図書4のRFIDタグ7を読み取ってその図書4が図書情報テーブルに登録されている情報の通りに配置されたかをチェックする処理を行う。
【0112】
チェックの結果エラーがない場合には、制御部29は、コンテナ6をステーション13からコンベア12,15や搬送エレベータ11やスタッカクレーン10によって閉架書庫3の書棚5に戻す処理を行うとともに、図書情報テーブル及びコンテナ情報テーブルの照合不良情報を初期値に更新する処理を行い、蔵書点検漏れ確認作業が完了する。
【0113】
尚、蔵書点検漏れ確認作業の対象となっているコンテナ6がまだほかにある場合には、ロータリーラック14から順次ステーション13に搬送され、同様に確認作業を行う。蔵書点検漏れ確認作業の対象の全てのコンテナ6の確認作業が終わると、蔵書点検漏れ確認作業が完了する。
【0114】
以上、本実施例における図書保管管理システム1にあっては、管理装置24は、複数のコンテナIDを記憶するとともに少なくとも一部のコンテナIDと図書IDとを対応付けて記憶する記憶部28と、目的の図書4の図書IDを受付ける図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダ9と、搬送対象のコンテナ6のコンテナIDを受付けるバーコード部23と、を備えるとともに、管理装置24は、図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダ9にて受付けた図書IDに対応付けて記憶部28に記憶されるコンテナIDが付与されたコンテナ6を搬送する固定ロケーション方式及びフリーロケーション方式と、バーコード部23にて受付けたコンテナIDが付与されたコンテナを搬送する保管箱方式と、の少なくとも2つのアサイン方式を選択するタッチパネル20,記憶部28,制御部29をさらに備えることで、利用者はタッチパネル20,記憶部28,制御部29によって各アサイン方式を適宜選択可能となり、固定ロケーション方式及びフリーロケーション方式における図書IDの受付によって目的の図書4を収容するコンテナ6の搬送を行うことができるとともに、保管箱方式におけるコンテナIDの受付によってもコンテナ6の搬送を行うことができ、利用者は保管箱方式を選択することで、図書IDが付与されていない新聞や雑誌や、利用者が用いるメンテナンス用品や私物等の物品を、保管箱方式の搬送対象となっている保管箱方式のコンテナ6に収容して閉架書庫3に保管しておくことができるようになり、図書保管管理システム1の使い勝手を向上させることができる。
【0115】
また、記憶部28は、コンテナIDに対応付けてコンテナ6に関連するコンテナ関連情報を記憶するようになっており、管理装置24は、コンテナ関連情報を入力するキーボード68をさらに備えることで、利用者はキーボード68を用いて、コンテナ6に収容する物品に関連する情報等のコンテナ関連情報を記憶部28に対して追加的に入力することができ、利用者がコンテナ関連情報を参照することで、保管箱方式のコンテナ6を閉架書庫3から呼び出す際の使い勝手を向上させることができる。
【0116】
また、管理装置24は、図書4における図書IDが記録されたRFIDタグ7を読み取る図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダ9と、コンテナ6におけるコンテナIDが記録されたバーコード部22を読み取るバーコードリーダ23と、図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダ9にて読み取られた図書ID及びバーコードリーダ23にて読み取られたコンテナIDに基づいて記憶部28に記憶される図書ID及びコンテナIDの対応付けの点検作業を行う記憶部28と制御部29と、保管箱方式の搬送対象のコンテナを点検作業の対象から除外するタッチパネル20と記憶部28と制御部29と、をさらに備えることで、図書用タグリーダ8及び貸出返却用タグリーダ9及びバーコードリーダ23によって記憶部28に記憶される図書ID及びコンテナIDの対応付けの点検作業を自動的に行うことができるとともに、タッチパネル20と記憶部28と制御部29により保管箱方式の搬送対象の保管箱方式のコンテナ6を点検作業の対象から除外することができ、図書4を収容しない保管箱方式のコンテナ6の点検作業が行われずに済むようになり、点検作業の効率を向上させることができる。
【0117】
また、管理装置24は、搬送対象のコンテナ6を、コンテナ6とコンテナ6に収容される図書4との対応関係をフリーロケーション方式と、コンテナ6とコンテナ6に収容される図書4との対応関係を固定ロケーション方式と、の各種アサイン方式に対応させて搬送するとともに、タッチパネル20,記憶部28,制御部29は、フリーロケーション方式と、固定ロケーション方式固定ロケーション方式と、保管箱方式と、の少なくとも3つのアサイン方式を選択するようになっていることで、利用者はタッチパネル20,記憶部28,制御部29によって、フリーロケーション方式のコンテナ6、固定ロケーション方式のコンテナ6、保管箱方式のコンテナ6の各種コンテナ6を選択して閉架書庫3から呼び出すことができるようになり、図書保管管理システム1の使い勝手を向上させることができる。
【0118】
また、管理装置24は、各利用者を識別可能な利用者IDを受付けるカードリーダ27をさらに備え、管理装置24は、カードリーダ27にて受付けた利用者IDに基づいて、保管箱方式のコンテナ6を搬送させる権限の与えられた管理者や司書などの特定利用者と、特定利用者以外の学生などの一般利用者と、を識別可能となっていることで、管理装置24が、保管箱方式のコンテナ6を利用できる管理者等の特定利用者を識別できるようになり、この管理装置24によって、特定利用者以外の一般利用者が保管箱方式のコンテナ6に不用意にアクセスできないように制限することができる。
【0119】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0120】
例えば、前記実施例では、蔵書点検作業の照合結果を図書情報テーブル及びコンテナ情報テーブルの情報として更新するようにしているが、別途記憶部28に照合結果テーブルなどのデータベースを設けて記憶するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
1 図書保管管理システム
4 図書
5 書棚
6 コンテナ
7 RFIDタグ(図書識別情報記録部)
8 図書用タグリーダ(図書識別情報受付手段)
9 貸出返却用タグリーダ(図書識別情報受付手段)
10 スタッカクレーン(点検搬送手段)
11 搬送エレベータ(点検搬送手段)
12 コンベア(点検搬送手段)
13 ステーション
15 コンベア(点検搬送手段)
20 タッチパネル(表示手段)
22 バーコード部(コンテナ識別情報記録部)
23 バーコードリーダ(コンテナ識別情報受付手段,コンテナ読取手段)24 管理装置
27 カードリーダ(利用者識別情報受付手段)
28 記憶部(記憶手段)
29 制御部(コンテナ識別情報受付手段,搬送形態選択手段,点検制御手段,点検搬送手段,図書点検除外手段,コンテナ点検除外手段,点検条件指定手段)
68 キーボード(入力手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の図書を収容した複数のコンテナが書庫に保管され、該複数の図書には、各図書を識別可能な図書識別情報が付与されるとともに、該複数のコンテナには、各コンテナを識別可能なコンテナ識別情報が付与されており、管理装置の指令に基づき、前記書庫に保管されている前記複数のコンテナの中から、貸し出しまたは返却作業の対象となる目的の図書を収容するコンテナを取り出してステーションに搬送するとともに、該コンテナを図書の貸し出しまたは返却作業後に前記ステーションから前記書庫に搬送する図書保管管理システムであって、
前記管理装置は、複数のコンテナ識別情報を記憶するとともに少なくとも一部のコンテナ識別情報と図書識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記目的の図書の図書識別情報を受付ける図書識別情報受付手段と、搬送対象のコンテナのコンテナ識別情報を受付けるコンテナ識別情報受付手段と、を備えるとともに、
該管理装置は、前記図書識別情報受付手段にて受付けた図書識別情報に対応付けて前記記憶手段に記憶されるコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送する第1搬送形態と、前記コンテナ識別情報受付手段にて受付けたコンテナ識別情報が付与されたコンテナを搬送する第2搬送形態と、の少なくとも2つの搬送形態を選択する搬送形態選択手段をさらに備えることを特徴とする図書保管管理システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記コンテナ識別情報に対応付けてコンテナに関連するコンテナ関連情報を記憶するようになっており、前記管理装置は、前記コンテナ関連情報を入力する入力手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の図書保管管理システム。
【請求項3】
前記管理装置は、前記図書における前記図書識別情報が記録された図書識別情報記録部を読み取る図書読取手段と、前記コンテナにおける前記コンテナ識別情報が記録されたコンテナ識別情報記録部を読み取るコンテナ読取手段と、前記図書読取手段にて読み取られた図書識別情報及び前記コンテナ読取手段にて読み取られたコンテナ識別情報に基づいて前記記憶手段に記憶される前記図書識別情報及び前記コンテナ識別情報の対応付けの点検作業を行う点検制御手段と、前記第2搬送形態の搬送対象のコンテナを前記点検作業の対象から除外するコンテナ点検除外手段と、をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の図書保管管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記第1搬送形態の搬送対象のコンテナを、コンテナと該コンテナに収容される図書との対応関係をフリーロケーションとした保管方式と、コンテナと該コンテナに収容される図書との対応関係を固定ロケーションとした保管方式と、の各種保管方式に対応させて搬送するとともに、前記搬送形態選択手段は、前記フリーロケーション用の搬送形態と、前記固定ロケーション用の搬送形態と、前記第2搬送形態と、の少なくとも3つの搬送形態を選択するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の図書保管管理システム。
【請求項5】
前記管理装置は、各利用者を識別可能な利用者識別情報を受付ける利用者識別情報受付手段をさらに備え、該管理装置は、前記利用者識別情報受付手段にて受付けた利用者識別情報に基づいて、前記第2搬送形態の搬送対象のコンテナを搬送させる権限の与えられた特定利用者と、該特定利用者以外の一般利用者と、を識別可能となっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の図書保管管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−36000(P2012−36000A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180517(P2010−180517)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】