説明

図書管理システム

【課題】図書管理システムにおいて、システム構築に要する作業負担を軽減しながら、図書の無断持ち出しを防止するとともに利用者の混乱防止を図る。
【解決手段】図書の管理を行う図書管理システム1において、各図書(例えば図書A)に、図書識別情報を有するバーコードラベル2と、図書識別情報を含む図書管理情報を有するRFIDタグ3と、を設けるとともに、図書識別情報をバーコードラベル2から読み取る図書貸出・返却用バーコード読取装置4と、図書館の出入口付近で図書管理情報をRFIDタグ3から非接触方式で読み取るRFID読取装置5と、図書貸出・返却用バーコード読取装置4で読み取られた図書識別情報に基づいて図書の貸出・返却履歴情報を記録し、貸出・返却履歴情報とRFID読取装置5で読み取られた図書管理情報との比較に基づいて図書の持ち出しを管理する管理装置6と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図書管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、公共の図書館や学校の図書館において、コンピュータを用いた図書管理システムが採用されている。例えば、磁気ストライプを貼付した利用者識別のためのIDカードと、図書に貼付された図書識別のためのバーコードラベルと、図書貸出窓口に設置された端末装置と、を備えた図書管理システムが実用化されている。かかる図書管理システムにおいては、図書館係員が、IDカードのデータと図書のバーコードデータを読み込むことにより、図書の貸出又は返却を行っている。
【0003】
また、図書の貸出又は返却を行う図書館係員の作業を軽減する目的で、利用者自身により貸出又は返却を行うことができる自動図書貸出・返却システムが提案されている。例えば、利用者が直接キー操作できるデータ処理装置と、利用者が自己のIDカードを挿入できるIDカード読取装置と、利用者が図書をセットすると自動的に図書の搬送を開始する図書搬送装置と、搬送中の図書に貼付されたバーコードラベルを自動的に読み取るバーコード読取装置と、を備え自動図書貸出・返却システムが提案されている(特許文献1参照。)。
【0004】
また、近年においては、RFID(Radio Frequency IDentification)と呼ばれる無線認証技術を用いた図書館システムが提案されている。例えば、利用者を識別し利用履歴の記録・更新を非接触方式で行う非接触伝達機構を組み込んだ非接触IDカードと、非接触IDカードのデータの読取・書込を行う装置と、集積回路チップを有し図書に貼付されるRFID図書分類ラベルと、RFID図書分類ラベルのデータを非接触方式に読み取る装置と、図書の無断持ち出し等の予防目的で使用する入退出ゲート装置と、を備える図書館システムが提案されている(特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−149831号公報(第1頁、第2図)
【特許文献2】特開2002−211717号公報(第2頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前記した特許文献1に記載の自動図書貸出・返却システムを採用すると、図書を自動的に搬送するための大掛かりな図書搬送装置が必要となるので、システムを構築するためのコストが嵩んでしまう。また、図書貸出窓口が無人化するため、図書の無断持ち出しを防ぐことができないという問題がある。
【0007】
また、前記した特許文献2に記載の図書館システムのようにRFID図書分類ラベルによって図書識別を行おうとすると、図書館が保有する数十万冊から数100万冊もの図書から一斉にバーコードラベルを剥がした後、これらの図書に一斉にRFID図書分類ラベルを貼付する必要があるため、作業者に多大な負担を与えることとなる。また、公共施設である図書館は様々な人によって利用されるので、図書識別方式の変更を一斉に行うと、利用者が混乱するおそれがある。
【0008】
本発明の課題は、図書管理システムにおいて、システム構築に要する作業負担を軽減しながら、図書の無断持ち出しを防止するとともに利用者の混乱防止を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、図書の貸出又は返却に係る管理を行う図書管理システムにおいて、各図書は、図書識別情報を有するバーコードラベルと、前記図書識別情報を含む図書管理情報を有するRFIDタグと、を備え、前記図書識別情報を前記バーコードラベルから読み取る図書貸出・返却用バーコード読取装置と、図書館の出入口付近で前記図書管理情報を前記RFIDタグから非接触方式で読み取るRFID読取装置と、前記バーコード読取装置の読取動作及び前記RFID読取装置の読取動作を制御するとともに、前記図書貸出・返却用バーコード読取装置で読み取られた前記図書識別情報に基づいて前記図書の貸出・返却履歴情報を記録し、前記貸出・返却履歴情報と前記RFID読取装置で読み取られた前記図書管理情報との比較に基づいて図書の持ち出しを管理する管理装置と、を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、各図書には、図書識別情報を有するバーコードラベルが設けられており、図書貸出・返却用バーコード読取装置により、各図書のバーコードラベルの図書識別情報を読み取ることができる。また、各図書には、図書管理情報を有するRFIDタグが設けられており、RFID読取装置により、図書館の出入口付近で各図書のRFIDタグの図書管理情報を非接触方式で読み取ることができる。そして、図書貸出・返却用バーコード読取装置で読み取られた図書識別情報に基づいて記録された図書の貸出・返却履歴情報と、RFID読取装置で読み取られた図書管理情報とを比較して、管理装置により、図書の持ち出しを管理することができる。
【0011】
例えば、貸し出される図書のバーコードラベルの図書識別情報を読み取って図書の貸出・返却履歴情報を記録しておくとともに、持ち出される図書のRFIDタグの図書管理情報を読み取り、貸し出された図書の貸出・返却履歴情報と持ち出される図書の図書管理情報とを比較することにより、持ち出される図書が貸出処理されているか否かを確認することができる。従って、図書の無断持ち出しを防止することができる。
【0012】
また、請求項1に記載の発明によれば、既存のバーコードラベル及び図書貸出・返却用バーコード読取装置を有効に利用して図書の管理を行うことができるので、システム構築に要する作業負担を軽減することができ、かつ、利用者の混乱を防ぐことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の図書管理システムにおいて、前記図書識別情報は、図書整理番号情報であり、前記図書管理情報は、前記図書整理番号情報、前記貸出・返却履歴情報、図書保管場所情報、利用者番号情報から選ばれた一又は複数の情報であり、前記貸出・返却履歴情報は、貸出日情報、返却日情報、最新処理日情報から選ばれた一又は複数の情報から構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、図書貸出・返却用バーコード読取装置により、各図書のバーコードラベルの図書識別情報を読み取ることができ、RFID読取装置により、各図書のRFIDタグの図書管理情報を非接触方式で読み取ることができる。そして、図書貸出・返却用バーコード読取装置で読み取られた図書識別情報に基づいて記録された図書の貸出・返却履歴情報と、RFID読取装置で読み取られた図書管理情報とを比較して、管理装置により、図書の持ち出しを管理することができる。このため、図書の無断持ち出しを防止することができる。また、既存のバーコードラベル及びバーコード読取装置を有効に利用して図書の識別を行うことができるので、システム構築に要する作業負担を軽減することができ、かつ、利用者の混乱を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態に係る図書管理システムの全体構成を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した図書管理システムのHDDに記録された貸出・返却履歴情報の例を示す図である。
【図3】図1に示した図書管理システムの図書貸出時の盗難防止動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施の形態に係る情報記録システムの全体構成を説明するためのブロック図である。
【図5】図1に示した図書管理システムの貸出・返却用バーコードリーダを貸出・返却用リーダライタに変更した場合の構成を説明するためのブロック図である。
【図6】棚に収納された図書群の管理方法を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。本実施の形態においては、図書の貸出又は返却に係る管理を行う図書管理システム1と、既存のバーコードラベルに記録された情報を利用してRFIDタグに新規な情報を記録する情報記録システム10と、を中心に説明することとする。
【0017】
まず、本発明の実施の形態に係る図書管理システム1について、図1から図3を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る図書管理システム1の全体構成を説明するためのブロック図である。図書管理システム1は、各図書(例えば、図1に示した「図書A」)に貼付されたバーコードラベル2及びRFIDタグ3、貸出・返却用バーコードリーダ4、監視用リーダライタ5、管理用PC(Personal Computer)6、HDD(Hard Disk Drive)7、等を備えて構成されている。
【0018】
バーコードラベル2は、バーコード印刷が施されたラベルである。バーコードラベル2のバーコードには、図書Aの整理番号の情報(図書整理番号情報)が書き込まれている。本実施の形態においては、バーコードラベル3を図書Aの表紙に貼付している(図1参照)。
【0019】
RFIDタグ3は、半導体集積回路及びアンテナから構成された微小なタグであり、非接触方式での電子情報の読取及び書込を可能とするものである。本実施の形態においては、RFIDタグ3を図書Aの背表紙に貼付している(図1参照)。RFIDタグ3の半導体集積回路のメモリには、図書Aの図書管理情報が書き込まれている。
【0020】
ここで、本発明における「図書管理情報」とは、図書を識別したり、図書の利用者を識別したりするために用いられる情報である。本実施の形態においては、図書Aの整理番号の情報である「図書整理番号情報」、図書Aの保管場所の情報である「図書保管場所情報」、図書Aの貸出日時の履歴情報である「貸出日時情報」、図書Aの返却日時の履歴情報である「返却日時情報」、図書Aの利用者番号の情報である「利用者番号情報」、図書Aの最新の貸出日又は返却日の情報である「最新処理日情報」を、図書管理情報として採用している。なお、「図書整理番号情報」は、本発明における図書識別情報である。
【0021】
貸出・返却用バーコードリーダ4は、管理用PC6の制御の下で、バーコードラベル2に記録された図書整理番号情報を読み取る装置である。すなわち、貸出・返却用バーコードリーダ4は、本発明におけるバーコード読取装置である。貸出・返却用バーコードリーダ4は、ケーブルCによって管理用PC6に接続されている。貸出・返却用バーコードリーダ4によって、図書Aのバーコードラベル2に記録された図書整理番号情報を読み取り、読み取った図書整理番号情報を管理用PC6に伝送することにより、管理用PC6で図書を管理することができる。
【0022】
本実施の形態においては、貸出・返却用バーコードリーダ4を図書館の貸出窓口に設けている。そして、管理用PC6の制御の下で、貸し出される図書や返却される図書のバーコードラベル2の図書整理番号情報を貸出・返却用バーコードリーダ4によって読み取り、図書の貸出日時や返却日時をHDD7に記録するようにしている。
【0023】
監視用リーダライタ5は、管理用PC6の制御の下で、RFIDタグ3との間で無線通信を行うことにより、RFIDタグ3に記録された図書管理情報を非接触方式で読み取る装置である。すなわち、監視用リーダライタ5は、本発明におけるRFID読取装置である。監視用リーダライタ5は、ケーブルCによって管理用PC6に接続されている。監視用リーダライタ5によって、図書AのRFIDタグ3に記録された図書管理情報を読み取ることにより、管理用PC6で図書Aを管理することができる。
【0024】
監視用リーダライタ5は、RFIDタグ3に記録された図書管理情報を読み取るためのアンテナ5aを備えている。本実施の形態においては、リーダライタ5のアンテナ5aを図書館の出入口付近に設けている。そして、利用者が退館する際に、利用者が所持する図書のRFIDタグ3の図書整理番号情報を読み取り、その図書の貸出処理や返却処理がなされているか否かを監視して、図書の盗難(無断持ち出し)を防止するようにしている。
【0025】
管理用PC6は、貸出・返却用バーコードリーダ4の読取動作や監視用リーダライタ5の読取動作等を制御するとともに、読み取られた図書識別情報及び図書管理情報に基づいて図書の管理を行う装置である。すなわち、管理用PC6は、本発明における管理装置である。管理用PC6は、CPU(Central Processing Unit)6a、ROM(Read Only Memory)6b、RAM(Random Access Memory)6c、表示部6d、入力部6e、等を備えている。
【0026】
CPU6aは、ROM6b内に格納された各種制御プログラムに基づいて、管理用PC6自体を制御するとともに、貸出・返却用バーコードリーダ4及び監視用リーダライタ5を制御するものである。ROM6bは、管理用PC6、貸出・返却用バーコードリーダ4及び監視用リーダライタ5を制御するための制御プログラムや、図書の貸出・返却処理を自動的に処理する図書貸出・返却管理プログラム等を格納するメモリである。RAM6cは、各種プログラムの実行によって生成される各種データを一時的に格納する作業領域として機能するメモリである。
【0027】
表示部6dは、図書の貸出・返却に係る処理を行うための処理画面を表示するものである。表示部6dとしては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイを採用することができる。入力部6eは、利用者がCPU6aに指示を与えるための信号を入力するものである。入力部6eとしては、キーボード、マウス、表示部6dに組みこまれるタッチパネル等を採用することができる。
【0028】
HDD7は、管理用PC6のCPU6aに接続された外部記録装置であり、管理用PC6のROM6b内の図書貸出・返却管理プログラムによって生成した図書の貸出・返却に係る情報を記録するものである。本実施の形態においては、HDD7に、貸出・返却履歴情報(図書毎の貸出日時及び返却日時の履歴情報)を記録している。図2は、HDD7に記録された図書Aの貸出・返却履歴情報の一部を示す図である。
【0029】
次に、図書管理システム1の図書貸出時の盗難防止動作について、図3を用いて説明する。図3は、図書貸出時の盗難防止動作を説明するためのフローチャートである。
【0030】
まず、所定の図書を所持した利用者が、退館するために図書館の出入口に近付くと、管理用PC6の制御の下で、監視用リーダライタ5が、アンテナ5aを介して、その図書のRFIDタグ3に記録された図書管理情報を読み取る(タグ読取工程:S1)。管理用PC6は、監視用リーダライタ5によって読み取られた図書管理情報を参照し、ROM6b内の図書貸出・返却管理プログラムにより、その図書が貸出処理されているか否かを判定する(貸出処理判定工程:S2)。
【0031】
図書が貸出処理されているかは、以下のように判定する。管理用PC6は、監視用リーダライタ5を介して、RFIDタグ3に記録された図書整理番号情報を読み取り、この図書整理番号情報を有する図書が実際に貸し出されているか否かを、読み取った時の日付と、HDD7に記録された貸出履歴情報と、によって確認する。例えば、RFIDタグ3に記録された図書整理番号情報が「A1234567」であり、読み取った時の日付が「2002年12月18日」である場合には、図2に示した図書Aの貸出履歴情報と一致するため、図書Aが貸出処理されていると判定される。
【0032】
貸出処理判定工程S2において、利用者が所持した図書が貸出処理されていると判定された場合には、管理用PC6は、ROM6b内の図書貸出・返却管理プログラムにより、その図書の貸出期間が所定の期限を超過していないか否かを判定する(貸出期限判定工程:S3)。利用者が所持した図書の貸出期間が所定の期限を超過していないと判定された場合には、管理用PC6は特定の信号等を発生させることなく、そのまま利用者の退館を許容する。
【0033】
一方、貸出処理判定工程S2において、利用者が所持した図書が貸出処理されていないと判定された場合、又は、貸出期限判定工程S3において、利用者が所持した図書の貸出期間が所定の期限を超過していると判定された場合には、管理用PC6は、図書館の出入口に設けた(図示していない)スピーカから特定の音声を出力して、利用者及び周囲の者に報知する(信号発信工程:S4)。
【0034】
図書管理システム1は、以上の盗難防止動作により、利用者が貸出処理をすることなく無断で図書を持ち出そうとした場合、又は、図書の貸出期間が所定の期限を超過しているにも拘らず持ち出そうとした場合に、特定の音声の出力により、利用者に注意を促すとともに周囲の者に報知することができる。
【0035】
本実施の形態に係る図書管理システム1においては、各図書に、例えば図1に示した図書Aのようにバーコードラベル2が設けられており、貸出・返却用バーコードリーダ4により、図書Aのバーコードラベル2の図書整理番号情報を読み取ることができる。また、各図書に、例えば図1に示した図書Aのように、図書管理情報を有するRFIDタグ3が設けられており、監視用リーダライタ5により、図書AのRFIDタグ3の図書管理情報を非接触方式で読み取ることができる。そして、読み取った図書整理番号情報及び図書管理情報を参照して、管理用PC6により、図書の管理を行うことができる。
【0036】
具体的には、貸し出される図書Aのバーコードラベル2の図書整理番号情報を読み取って、図書Aの貸出履歴情報をHDD7に記録しておくとともに、持ち出される図書AのRFIDタグ3の図書管理情報を読み取り、貸し出された図書Aの貸出履歴情報と持ち出される図書Aの図書管理情報とを比較することにより、持ち出される図書Aが貸出処理されているか否か(及び図書Aの貸出期間が所定の期限を超過しているか否か)を確認することができる。従って、図書の無断持ち出しを防止することができる。
【0037】
また、本実施の形態に係る図書管理システム1においては、既存のバーコードラベル2及び貸出・返却用バーコードリーダ4を有効に利用して図書の管理を行うことができるので、システム構築に要する作業負担を軽減することができ、かつ、利用者の混乱を防ぐことができる。
【0038】
次に、本実施の形態に係る情報記録システム10について、図4を用いて説明する。本実施の形態に係る情報記録システム10は、既存のバーコードラベルに記録された情報を利用してRFIDタグに新規な情報を記録するものである。図4は、情報記録システム10の全体構成を説明するためのブロック図である。情報記録システム10は、登録用バーコードリーダ11、登録用リーダライタ12、制御用PC13、HDD14、等を備えて構成されている。
【0039】
登録用バーコードリーダ11は、制御用PC13の制御の下で、所定の図書(例えば、図4に示した「図書B」)に貼付されたバーコードラベル15から図書整理番号情報を読み取る装置である。すなわち、登録バーコードリーダ11は、本実施の形態における情報読取装置である。登録バーコードリーダ11は、ケーブルCによって制御用PC13に接続されている。
【0040】
登録用リーダライタ12は、制御用PC13の制御の下で、前記した図書(図書B)に貼付されるRFIDタグ16との間で無線通信を行うことにより、登録用バーコードリーダ11で読み取った図書整理番号情報を含む図書管理情報を、RFIDタグ16に非接触方式で書き込む装置である。すなわち、登録用リーダライタ12は、本実施の形態における情報書込装置である。登録用リーダライタ12は、ケーブルCによって制御用PC13に接続されている。
【0041】
制御用PC13は、登録用バーコードリーダ11の読取動作や登録用リーダライタ12の書込動作を制御する装置である。すなわち、制御用PC13は、本実施の形態における制御装置である。制御用PC13は、CPU13a、ROM13b、RAM13c、表示部13d、入力部13e、等を備えている。
【0042】
CPU13aは、ROM13b内に格納された各種制御プログラムに基づいて、制御用PC13自体を制御するとともに、登録用バーコードリーダ11及び登録用リーダライタ12を制御するものである。ROM13bは、制御用PC13、登録用バーコードリーダ11及び登録用リーダライタ12を制御するための制御プログラム等を格納するメモリである。RAM13cは、各種プログラムの実行によって生成される各種データを一時的に格納する作業領域として機能するメモリである。
【0043】
表示部13dは、図書の貸出・返却に係る処理を行うための処理画面を表示するものである。表示部13dとしては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイを採用することができる。入力部13eは、利用者がCPU13aに指示を与えるための信号を入力するものである。入力部13eとしては、キーボード、マウス、表示部13dに組みこまれるタッチパネル等を採用することができる。
【0044】
HDD14は、制御用PC13のCPU13aに接続された外部記録装置であり、第2バーコードリーダ11によって読み取られた図書整理番号情報を記録するものである。
【0045】
なお、情報記録システム10の制御用PC13と、図書管理システム1の管理用PC6と、を(図示されていない)ケーブルを介して接続し、相互に情報を共有させることもできる。
【0046】
本実施の形態に係る情報記録システム10においては、登録用バーコードリーダ11によってバーコードラベル(例えば、図書Bに貼付されたバーコードラベル15)から読み取った図書整理番号情報を、登録用リーダライタ12によってRFIDタグ(例えば、図書Bに貼付されるRFIDタグ16)に非接触方式で書き込むことができる。
【0047】
従って、本実施の形態に係る情報記録システム10を利用して、本実施の形態に係る図書管理システム1を構築することができる。すなわち、登録用バーコードリーダ11によって図書A(図1参照)のバーコードラベル2の図書整理番号情報を読み取り、この図書整理番号情報を登録用リーダライタ12によってRFIDタグ3に記録し、このRFIDタグ3を図書Aに貼付する。あるいは、予め貼付しておいたRFIDタグ3に登録用リーダライタ12によって記録する。そして、残りの図書について同一の手順を繰り返すことにより、図書管理システム1を構築することができる。この結果、図書管理システム1を構築する際に、RFIDタグに記録するための図書整理番号情報を新たに作成する必要がないので、システム構築に要する作業負担を格段に軽減することができる。
【0048】
なお、以上の実施の形態においては、貸出・返却用バーコードリーダ4及び監視用リーダライタ5を備えた図書管理システム1について説明したが、図5に示すように、貸出・返却用バーコードリーダ4の代わりに、貸出・返却用リーダライタ8を採用して図書Aの管理を行うこともできる。
【0049】
すなわち、貸出・返却用リーダライタ8によってRFIDタグ3の図書管理情報を読み取ることにより、図書Aの貸出日時や返却日時を、管理用PC6の制御の下にHDD7に記録して、図書Aの管理を行うことができる。また、RFIDタグ3には、利用者管理情報も記録されているため、貸出・返却用リーダライタ8によってRFIDタグ3の利用者管理情報を読み取ることにより、図書Aの利用者を、管理用PC6の制御の下にHDD7に記録することもできる。
【0050】
また、図1に示した図書AのようにRFIDタグ3を貼付した図書群は、返却されると、所定の棚(例えば、図6に示した棚T)に収納されるが、携帯型RFIDリーダ20と、携帯型バーコードリーダ21と、を用いて、図書群を棚毎に管理することもできる。
【0051】
例えば、棚T収納された図書群のRFIDタグの図書管理情報を、携帯型RFIDリーダ20により順次(又は一括して同時に)読み取る。また、RFIDタグのない図書群については、携帯型バーコードリーダ21により図書整理番号情報を読み取る。そして、読み取った図書群の情報を、送信装置22で、アンテナ9を設けた管理用PC1に無線通信によって伝送することにより、棚Tに収納された図書群の貸出状況・返却状況を把握して管理することができる。また、棚T、棚Tに収納された図書群の貸出状況・返却状況をも、同様に管理することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 図書管理システム
2 バーコードラベル
3 RFIDタグ
4 貸出・返却用バーコードリーダ(バーコード読取装置)
5 監視用リーダライタ(RFID読取装置)
6 管理用PC(管理装置)
A、B 図書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図書の貸出又は返却に係る管理を行う図書管理システムにおいて、
各図書は、
図書識別情報を有するバーコードラベルと、
前記図書識別情報を含む図書管理情報を有するRFIDタグと、を備え、
前記図書識別情報を前記バーコードラベルから読み取る図書貸出・返却用バーコード読取装置と、
図書館の出入口付近で前記図書管理情報を前記RFIDタグから非接触方式で読み取るRFID読取装置と、
前記バーコード読取装置の読取動作及び前記RFID読取装置の読取動作を制御するとともに、前記図書貸出・返却用バーコード読取装置で読み取られた前記図書識別情報に基づいて前記図書の貸出・返却履歴情報を記録し、前記貸出・返却履歴情報と前記RFID読取装置で読み取られた前記図書管理情報との比較に基づいて図書の持ち出しを管理する管理装置と、
を備えることを特徴とする図書管理システム。
【請求項2】
前記図書識別情報は、図書整理番号情報であり、
前記図書管理情報は、前記図書整理番号情報、前記貸出・返却履歴情報、図書保管場所情報、利用者番号情報、最新処理日情報から選ばれた一又は複数の情報であり、
前記貸出・返却履歴情報は、貸出日情報、返却日情報から選ばれた一又は複数の情報から構成されることを特徴とする請求項1に記載の図書管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−120403(P2009−120403A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−49121(P2009−49121)
【出願日】平成21年3月3日(2009.3.3)
【分割の表示】特願2002−380464(P2002−380464)の分割
【原出願日】平成14年12月27日(2002.12.27)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】