説明

図面配布先管理システム

【課題】図面データの管理及び配布先の管理を簡便にすると共に、セキュリティを高めて安全性を向上した図面配布先管理システムを提供する。
【解決手段】利用者の操作に応じて図面データ111を所定の端末10A〜10Cに提供する図面配布先管理サーバ100を具備し、前記図面配布先管理サーバ100は、利用者認証手段130によって識別された前記利用者に応じて、配布先管理手段140が前記図面データ111の正規図面、標題図面及び変更欄図面から選択される少なくとも一種が閲覧可能となるように閲覧許可を付与することによって、前記利用者が前記閲覧許可の付与された範囲で前記図面データ111を閲覧できるようにすると共に前記図面データ111の登録、更新及び削除から選択される少なくとも一種の作業が可能となるように作業許可を付与することによって、前記利用者が前記作業許可の付与された範囲で当該作業を行えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、図面をデータとして管理してネットワークを介して利用者に配布する図面配布先管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電力事業などのプラント設備の運転、保守、工事等の基本となる図面を管理するのは重要な業務である。このような業務を円滑に進めるためには、業務の引き継ぎ時などに的確且つ効率的に図面の管理を行う必要があった。
【0003】
このため、図書情報の内容を解析した上で解析結果に基づいて分類して記憶した情報センターと、情報センターにネットワークを介して接続された発電・電力会社、設備提供会社及び保守サービス会社とで構成された発電プラント図書情報管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、プラント自体と装置及び部品とに関する取扱説明書及び完成図面が相互にリンクされて完成図書データが蓄積されたデータベースを具備し、端末装置からのアクセスに応じてプラントを構成する設備群を系統的に示す系統図画面を表示して、系統図画面上の選択箇所に応じてデータベースにアクセスして選択箇所に応じた完成図書データを端末装置に与えるプラント管理システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、特許文献1の発電プラント図書情報管理システムでは、蓄積する図書情報を分析して分類しているに過ぎず、各利用者がデータベースに蓄積された同じ図書情報を閲覧できるため、各利用者に応じて閲覧可能なデータを管理することは行われておらず、セキュリティが低いという問題がある。
【0006】
また、特許文献2のプラント管理システムでは、完成図書データが取扱説明書と完成図面とに分割されており、また、利用者にID番号やパスワードを入力させることによって各個人又はグループの特定を行っているが、各個人又はグループが特定(認証)された利用者の完成図書データの閲覧範囲を制限しておらず、認証された全ての利用者が全ての完成図書データを閲覧できるため、セキュリティが低いという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−6290号公報(第3〜5頁、第1〜5図)
【特許文献2】特開2002−215658号公報(第4〜6頁、第1〜2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような課題に鑑み、図面データの管理及び配布先の管理を簡便にすると共に、セキュリティを高めて安全性を向上した図面配布先管理システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、ネットワークを介して配布する図面データを管理する図面配布先管理システムにおいて、利用者の操作に応じて前記図面データを所定の端末に提供する図面配布先管理サーバを具備し、前記図面配布先管理サーバは、少なくとも正規図面、標題図面及び変更欄図面で構成される前記図面データと当該図面データの利用者に関する利用者データとが蓄積されたデータベースと、前記端末を介してアクセスされた前記利用者を識別する利用者認証手段と、利用者に応じて前記図面データの閲覧、登録、更新及び削除を管理する配布先管理手段とを具備し、前記利用者認証手段によって識別された前記利用者に応じて、前記配布先管理手段が前記図面データの前記正規図面、前記標題図面及び前記変更欄図面から選択される少なくとも一種が閲覧可能となるように閲覧許可を付与することによって、前記利用者が前記閲覧許可の付与された範囲で前記図面データを閲覧できるようにすると共に前記図面データの登録、更新及び削除から選択される少なくとも一種の作業が可能となるように作業許可を付与することによって、前記利用者が前記作業許可の付与された範囲で当該作業を行えるようにすることを特徴とする図面配布先管理システムにある。
【0010】
かかる第1の態様では、利用者に応じて図面データの閲覧範囲を制限することができ、図面データの流出等の不正な利用を防止してセキュリティを向上することができると共に利用者に応じて図面データの登録、更新及び削除等の作業を制限して、図面の改ざん等を防止して図面の管理を容易に且つ正確に行うことができる。
【0011】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記図面配布先管理サーバには、図面を少なくとも正規図面、標題図面及び変更欄図面に分割して前記図面データとして前記データベースに登録すると共に当該図面データの更新及び削除を行う図面変更手段が設けられていることを特徴とする図面配布先管理システムにある。
【0012】
かかる第2の態様では、図面変更手段によって、図面を正規図面、標題図面及び変更欄図面に分割して図面データとして登録することができるため、作業を簡略化することができる。
【0013】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記図面データの登録、更新及び削除から選択される少なくとも一つの作業が行われる際に、管理者に対して前記図面データの更新を通知する図面更新通知手段をさらに具備することを特徴とする図面配布先管理システムにある。
【0014】
かかる第3の態様では、図面更新通知手段が、管理者に対して図面データの更新を通知することで、管理者が図面データを容易に且つ正確に管理することができる。
【0015】
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記図面更新通知手段によって通知された管理者が許可を付与した場合にのみ、前記利用者に前記作業の許可を与えることを特徴とする図面配布先管理システムにある。
【0016】
かかる第4の態様では、図面データの不正な改ざんを防止することができる。
【0017】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記端末は、前記利用者を識別する利用者認証デバイスを具備することを特徴とする図面配布先管理システムにある。
【0018】
かかる第5の態様では、利用者認証デバイスによって利用者を識別することで、端末の不正な利用を防止してセキュリティを向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、図面データを正規図面、標題図面及び変更欄図面に分割し、利用者に応じて図面データの閲覧範囲を制限すると共に、利用者に応じて図面データの登録、更新及び削除の作業を制限するようにしたため、図面データの流出等の不正利用や改ざんなどを防止してセキュリティを向上することができる。また、図面データ及び図面データの利用者である配布先の一元管理を行うことで、管理を簡便化することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0021】
(実施形態1)
図1は、図面配布先管理システムの概略を示す図である。図1に示すように、図面配布先管理システムは、図面配布先管理サーバ100と利用者の端末10A〜10Cとがネットワーク20を介して接続されて構成されている。
【0022】
図面配布先管理サーバ100は、図面データ111と利用者データ112と図面管理データ113とが蓄積されたデータベース110と、図面データ111をデータベース110に登録、更新、削除等を行う図面変更手段120と、利用者の認証を行う利用者認証手段130と、配布先管理手段140とを具備する。また、本実施形態では、図面データ111の登録、更新及び削除が行われた際に所定の端末に通知する図面更新通知手段150をさらに具備する。
【0023】
データベース110に蓄積された図面データ111は、本実施形態では、1つの図面から正規図面、標題図面、変更欄図面に分割されたものである。ここで正規図面は、図面の全ての内容であり、標題図面は事業場所、図面名称、図面番号、尺度等の図面があることが分かるが、図面の中身まで分からないものであり、変更欄図面は図面の修正年月日、修正事項、工事担当者、承認者等の変更履歴情報である。
【0024】
このような図面データ111は、図面変更手段120によって登録、更新及び削除が行われるようになっている。ここで、図面変更手段120は、図面データ111をデータベース110に登録する図面登録手段121と、図面データ111の更新を行う図面更新手段122と、図面データ111の削除を行う図面削除手段123とを具備する。そして、図面登録手段121が図面データ111を正規図面、標題図面、変更欄図面に分割してデータベース110に蓄積するようになっている。
【0025】
なお、図面登録手段121が登録する図面の元データは、例えば、図面がデジタルデータで作成された場合には、デジタルデータを解析することで分割し、分割した各図面データを関連付けて蓄積するようになっている。また、図面の元データが、紙等に描かれている場合、スキャナーで読み取ることでデジタル化し、デジタル化したデータをOCR(Optical Character Reader)等によって解析することで分割し、分割した各図面データを関連付けて蓄積するようになっている。
【0026】
また、図面更新手段122は、データベース110に蓄積された図面データ111を更新するものであり、図面更新通知手段150によって、例えば、管理者等が利用する所定の端末10Aに更新要求を通知し、管理者によって更新要求が許可された場合に、データベース110に蓄積された図面データ111を更新するようになっている。
【0027】
さらに、図面削除手段123は、データベース110に蓄積された図面データ111を削除するものであり、図面更新通知手段150によって、例えば、管理者等が利用する所定の端末10Aに削除要求を通知し、管理者によって削除要求が許可された場合に、データベース110に蓄積された図面データ111を削除するようになっている。
【0028】
また、図面更新通知手段150は、図面データ111の登録要求、更新要求及び削除要求を所定の利用者に通知するものであり、図面更新通知手段150は、本実施形態では、各種要求をシステム管理者の使用する端末10Aに通知するようになっている。なお、図面更新通知手段150は、例えば、電子メール(E−Mail)などによって管理者に通知することができる。
【0029】
ここでデータベース110の図面データ111は、図2に示すように、地理に関する図面、場所の接続を示す図面、配置・布設基礎の状況を示す図面、機器の接続を示す図面等の種類を設定する種類テーブルに基づいて分類されて蓄積されている。また、種類テーブルに基づいて分類された図面データは、図3に示すように副項目としてさらに細かく種類分けする詳細種類テーブルに基づいて分類されている。
【0030】
また、データベース110に蓄積された利用者データ112には、図4に示すように、図面管理者についての情報も蓄積されている。この図面管理者の情報は、本実施形態では、例えば、通知先コード、事業本部、メールアドレス、連絡先、氏名等である。
【0031】
そして、例えば、図3に示すように、図面データ111が配置・布設基礎の状況を示す種類で、さらにケーブル埋没経路図の場合、図面管理箇所の技術課のB3、電力センター運用担当のB3などの予め設定された通知先コードの管理者とリンクしており、このテーブルに基づいて、図面データ111が登録、更新及び削除された際に管理者に通知するようになっている。
【0032】
さらに、図面配布先管理サーバ100の利用者認証手段130は、利用者が図面配布先管理サーバ100の図面データ111を参照しようとすると、データベース110に蓄積された利用者データ112に照らし合わせて、利用者の認証を行うものである。例えば、利用者がIDとパスワードとを入力すると、利用者認証手段130が利用者のIDとパスワードとを受け取り、データベース110の利用者データ112を参照して受け取ったIDとパスワードとが利用者データ112のIDとパスワードとに一致するか検証することで認証することができる。なお、利用者認証手段130は、例えば、指紋、掌紋、手の甲の静脈パターンによる認証、目の虹彩や網膜による認証、顔や声紋による認証等の生体認証により利用者を認証するようにしてもよい。
【0033】
また、利用者認証手段130は、利用者が認証できなかった場合には、利用者による図面配布先管理サーバ100への接続及び操作を禁止するようになっている。勿論、利用者認証手段130は、利用者が認証できなかった場合には、利用者に対して認証不可の通知を行うようにすればよく、同じIDで所定の回数以上パスワードを間違えた場合には、同一IDでの一定時間以上のアクセスを禁止するようにしてもよい。このようにすることで、図面データ111を閲覧させる際のセキュリティを向上して、利用者のなりすまし等を防止することができる。
【0034】
なお、上述のような図面配布先管理サーバ100は、一般的なコンピュータの各種機能を備える情報通信機器であればよく、例えば、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバなどが挙げられる。
【0035】
また、図面配布先管理サーバ100には、ネットワーク20を介して各種端末10A〜10Cが接続されている。ここで端末10A〜10Cと図面配布先管理サーバ100とを接続するネットワーク20は、LANや専用線やインターネットを介しての接続手段をいう。
【0036】
図面配布先管理サーバ100にネットワーク20を介して接続された各端末10A〜10Cは、図面配布先管理システムの管理を行う管理者の端末10A、図面データ111を閲覧して利用する社内の図面関連部署の端末10B、工事等を請け負う外部会社の端末10Cなどである。なお、管理者の端末10A、図面関連部署の端末10B及び外部会社の端末10Cは、機能を一体化させて使用する利用者のアクセス制限によって機能を区別するようにしたものであってもよいが、本実施形態では説明の便宜上、別々に端末を設けた場合を示している。そして、各端末10A〜10Cは、図示しないCPU、メモリ、表示部、操作部及び通信部等を含み構成される情報通信機器であればよく、例えば、パーソナルコンピュータ、ノートパソコンなどが挙げられる。
【0037】
ここで、システム管理者の使用する端末10Aは、図面配布先管理サーバ100との間で認証処理を行う認証手段11と、図面データ111の利用者に対する閲覧範囲等を設定する図面配布情報設定手段12と、データベース110に登録された図面データ111の設定を行う図面設定手段13とを具備する。
【0038】
認証手段11としては、例えば、指紋、掌紋、手の甲の静脈パターンによる認証、目の虹彩や網膜による認証、顔や声紋による認証等の生体認証により利用者を認証する認証デバイスなどが挙げられる。
【0039】
また、図面配布情報設定手段12は、各利用者の登録や、各利用者に応じて分割された図面データ111の閲覧範囲及び図面データ111の登録、更新及び削除を許可するセキュリティレベル等の設定を行う。また、図面設定手段13は、分割された図面データ111の確認や、図面データ111の分割範囲の修正などを行う。
【0040】
また、社内の図面関連部署の端末10Bは、認証手段11と、図面データ111の閲覧を行う図面参照手段14と、図面データ111の登録や更新を行う図面登録・更新手段15とを具備する。
【0041】
図面参照手段14は、データベース110に蓄積された図面データ111を閲覧するためのものであり、閲覧専用アプリケーションや、WEBブラウザ、製図アプリケーションなどが挙げられる。
【0042】
また、図面登録・更新手段15は、データベース110に図面データ111を登録及び更新を行うものであり、例えば、図面登録・更新手段15が図面を作成する製図アプリケーションや、図面の描画された紙等を読み取るスキャナーなどが挙げられる。
【0043】
さらに、工事等を請け負う外部会社の端末10Cには、認証手段11と、図面参照手段14とを具備する。
【0044】
ここで、このような図面配布先管理システムの動作について説明する。なお、図5は、図面配布先管理システムによる図面データの取扱いを示すフローチャートである。まず、図面データの登録時の一連の流れについて説明する。
【0045】
図5に示すように、ステップS1で認証手段11及び利用者認証手段130により利用者認証を行うと、ステップS2で配布先管理手段140が利用者データ112から認証された利用者に登録権限があるか検証し、登録者権限がある場合(ステップS2;Yes)、ステップS3で利用者が図面データ111を登録する。このとき、登録される図面データ111は、上述のように、スキャナー等のデジタルデータである。そして、図面データ111が登録されると、ステップS4で図面登録手段121が図面のサイズ(A0〜A4等)を識別し、用紙の縦横方向を設定する。また、ステップS2で配布先管理手段140が利用者データ112から認証された利用者に登録権限がないと判断した場合(ステップS2;No)、終了する。次いで、ステップS5で図面登録手段121が図面右下の標題部分を認識し標題図面を作成する。この標題図面は、例えば、図面登録手段が図面の右下60mm×42mmの位置を複製することで作成することができる。次いで、ステップS6で図面登録手段121が図面右下の変更欄部分を認識し、変更欄図面を作成する。この変更欄図面は、例えば、図面登録手段が図面右下160mm×42mmを複製することで作成することができる。
【0046】
そして、図面登録手段121による図面データ111の登録が行われたら、ステップS7で利用者に図面データ111の確認を行わせる。そして、ステップS8で利用者が図面データ111に間違いがあるか確認し、利用者が図面データ111に間違いがあると判断した場合には(ステップS8;Yes)ステップS3〜ステップS7を繰り返し行う。また、利用者が図面データ111に間違いがないと判断した場合には(ステップS8;No)、ステップS9で図面登録手段121が正規図面、標題図面及び変更欄図面からなる図面データ111と共に、登録者情報、登録日付等をデータベース110に登録する。
【0047】
なお、データベース110に蓄積された図面データ111の更新や削除も、上述した一連の流れと同様の方法によって行われるようになっている。このため、図面データ111の更新及び削除についての説明は省略する。
【0048】
次に、利用者が図面データを利用する際の一連の流れについて説明する。なお、図6は、図面配布先管理システムの動作を示すフローチャートである。
【0049】
図6に示すように、ステップS1で利用者認証を行うと、ステップS10で配布先管理手段140が認証された利用者に標題図面の閲覧権限があるか検証し、利用者に標題図面の閲覧権限がある場合には(ステップS10;Yes)、ステップS11で配布先管理手段140が利用者に標題図面の閲覧許可を付与する。また、ステップS10で利用者に標題図面の閲覧権限が無い場合には(ステップS10;No)、終了する。
【0050】
そして、ステップS11で標題図面の閲覧許可を付与したら、ステップS12で配布先管理手段140が認証された利用者に変更欄図面の閲覧権限があるか検証し、利用者に変更欄図面の閲覧権限がある場合には(ステップS12;Yes)、ステップS13で利用者に変更欄図面の閲覧許可を付与する。また、ステップS12で利用者に変更欄図面の閲覧権限がない場合には(ステップS12;No)、ステップS16で、利用者に付与された許可範囲での図面の閲覧を行わせる。このときの許可範囲とは図面データの標題図面のみのことである。
【0051】
そして、ステップS13で変更欄図面の閲覧許可を付与したら、ステップS14で配布先管理手段140が認証された利用者に正規図面の閲覧権限があるか検証し、利用者に正規図面の閲覧権限がある場合には(ステップS14;Yes)、ステップS15で利用者に正規図面の閲覧許可を付与する。そして、ステップS16で利用者に付与された許可範囲での図面の閲覧を行わせる。このときの許可範囲とは、図面データの標題図面、変更欄図面及び正規図面の全ての範囲のことである。
【0052】
また、ステップS14で利用者に正規図面の閲覧権限がない場合には(ステップS14;No)、ステップS16で利用者に付与された許可範囲での図面の閲覧を行わせる。このときの許可範囲とは、図面データの標題図面及び変更欄図面のことである。
【0053】
このように、利用者によって、予め設定された許可範囲の図面データ111だけを閲覧可能とすることで、利用者による図面の不等な利用等を無くしてセキュリティを向上することができる。
【0054】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1を説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
【0055】
例えば、上述した実施形態1では、図面配布先管理システムを図面配布先管理サーバ100と、図面配布先管理サーバ100にネットワーク20を介して接続された端末10A〜10Cとで構成したが、特にこれに限定されず、例えば、図面配布先管理サーバに操作を行うキーボード等の入力デバイスと、モニタ等の出力デバイスとを接続し、これらを入出力手段として、図面配布先管理システムとしてもよい。すなわち、本発明の図面配布先管理システムをネットワークから独立したスタンドアローンとしてもよい。
【0056】
また、上述した実施形態1では、各利用者に図面データ111の閲覧範囲、図面データ111の登録、更新及び削除を許可するセキュリティレベルを設定するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、ファイル出力の可・不可や、印刷の可・不可などのセキュリティレベルをさらに詳細に設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施形態1に係る図面配布先管理システムの概略図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る図面データを種類分けする種類テーブルの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る図面データを副項目に種類分けする詳細種類テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る図面管理者についての情報の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る図面配布先管理システムの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態1に係る図面配布先管理システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10A〜10C 端末
11 認証手段
12 図面配布情報設定手段
13 図面設定手段
14 図面登録・更新手段
15 図面参照手段
100 図面配布先管理サーバ
110 データベース
111 図面データ
112 利用者データ
113 図面管理データ
120 図面変更手段
130 利用者認証手段
140 配布先管理手段
150 図面更新通知手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して配布する図面データを管理する図面配布先管理システムにおいて、
利用者の操作に応じて前記図面データを所定の端末に提供する図面配布先管理サーバを具備し、
前記図面配布先管理サーバは、少なくとも正規図面、標題図面及び変更欄図面で構成される前記図面データと当該図面データの利用者に関する利用者データとが蓄積されたデータベースと、前記端末を介してアクセスされた前記利用者を識別する利用者認証手段と、利用者に応じて前記図面データの閲覧、登録、更新及び削除を管理する配布先管理手段とを具備し、
前記利用者認証手段によって識別された前記利用者に応じて、前記配布先管理手段が前記図面データの前記正規図面、前記標題図面及び前記変更欄図面から選択される少なくとも一種が閲覧可能となるように閲覧許可を付与することによって、前記利用者が前記閲覧許可の付与された範囲で前記図面データを閲覧できるようにすると共に前記図面データの登録、更新及び削除から選択される少なくとも一種の作業が可能となるように作業許可を付与することによって、前記利用者が前記作業許可の付与された範囲で当該作業を行えるようにすることを特徴とする図面配布先管理システム。
【請求項2】
請求項1において、前記図面配布先管理サーバには、図面を少なくとも正規図面、標題図面及び変更欄図面に分割して前記図面データとして前記データベースに登録すると共に当該図面データの更新及び削除を行う図面変更手段が設けられていることを特徴とする図面配布先管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記図面データの登録、更新及び削除から選択される少なくとも一つの作業が行われる際に、管理者に対して前記図面データの更新を通知する図面更新通知手段をさらに具備することを特徴とする図面配布先管理システム。
【請求項4】
請求項3において、前記図面更新通知手段によって通知された管理者が許可を付与した場合にのみ、前記利用者に前記作業の許可を与えることを特徴とする図面配布先管理システム。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかにおいて、前記端末は、前記利用者を識別する利用者認証デバイスを具備することを特徴とする図面配布先管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−31533(P2006−31533A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−211579(P2004−211579)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】