説明

固体の回収方法

【課題】固体分散液から、固体を簡単な操作でかつ極めて効率よく回収できる方法を提供する。
【解決手段】固体の回収方法は、固体分散液に超微細気泡を含有させて得られる超微細気泡含有固体分散液を、原液供給ポンプ6により、濾過フィルター14又は分離膜、原液供給口10、濾過液流出口13及び濃縮液排出口12を備えた濾過装置11に供給して固体を濾過する濾過運転状態から、濾過液流出口側バルブ8を閉止して、原液供給ポンプ吐出側から濾過液流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原液側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜表面に堆積した固体を原液側に剥離させ、濃縮液排出口から回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体分散液からの固体の回収方法、より詳しくは、超微細気泡と、濾過フィルター又は分離膜を備えた濾過装置とを用いて、固体分散液から固体を回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
固体が液体に分散した固体分散液から固体を回収する方法としては、フィルターを用いて濾過する方法、遠心分離機による方法などが知られている。しかし、フィルターを用いて濾過する方法は、固体粒子が極めて小さい場合には、フィルターが目詰まりして効率よく回収できないという問題がある。また、遠心分離機による方法は、大量処理、連続処理が困難という問題がある。
【0003】
特開2010−75844号公報には、触媒を含む反応液に、pH調整剤や界面活性剤を添加して触媒粒子を成長させた後、濾過等により回収する方法が開示されている。しかし、この方法では、触媒粒子を成長させるための薬剤が必要であり、作業性、コストの点で不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−75844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、固体が液体に分散した固体分散液から、該固体を簡単な操作でかつ極めて効率よく回収できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、固体分散液に超微細気泡を含有させて得られる超微細気泡含有固体分散液を特定の濾過装置に供給し、特定の操作を行うことで、効率よく固体を回収できることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明は、固体が液体に分散した固体分散液から固体を回収する方法であって、前記固体分散液に超微細気泡を含有させて得られる超微細気泡含有固体分散液を、原液供給ポンプにより、濾過フィルター又は分離膜、原液供給口、濾過液流出口及び濃縮液排出口を備えた濾過装置に供給して固体を濾過する濾過運転状態から、濾過液流出口側バルブを閉止して、原液供給ポンプ吐出側から濾過液流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原液側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜表面に堆積した固体を原液側に剥離させ、濃縮液排出口から回収することを特徴とする固体分散液からの固体の回収方法を提供する。
【0008】
この回収方法において、超微細気泡含有固体分散液は、固体分散液中に気体を混合して得られる気液混合流体を、原液供給ポンプによる高圧により縮小部・最挟部・拡大部を有する流路を流通させ、流路内で形成される気液混合流体の高速せん断流の流速と圧力を変化させて超微細気泡を発生させることにより得られる超微細気泡含有固体分散液であることが好ましい。
【0009】
なお、本明細書では、濾過フィルターを通過した濾過液及び分離膜を通過した透過液を「濾過液」と総称する。また、濾過フィルター及び分離膜を「膜」、濾過フィルターによる濾過及び分離膜による濾過を「膜濾過」と総称する場合がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明の固体分散液からの固体の回収方法によれば、固体分散液中の固体、例えば触媒等を簡単な操作でかつ極めて効率よく回収することができる。特に、平均粒子径が10μm程度以下の微細な固体粒子であっても濾過フィルター等の目詰まりを起こすことなく高い回収率で回収することができる。また、連続的に濾過運転が可能であり、固体を高濃度分散液として濃縮液排出口から簡易に得られるだけでなく、濾過フィルター等の目詰まりを抑制できるので、フィルタ交換等の定期的なメンテナンスがほとんど不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の固体の回収方法の一例を示す概略説明図(概略フロー図)である。
【図2】本発明の方法で使用される送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)の一例を示す部分断面図(送液分散部の断面図)である。
【図3】図2の超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプの収納室の部分拡大図(断面図)である。
【図4】本発明の方法で使用される送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)の他の例を示す断面図である。
【図5】図4の超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプの部分拡大図(断面図)である。
【図6】本発明の方法で使用される送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)のさらに他の例を示す断面図である。
【図7】本発明の方法で使用される超微細気泡発生装置の一例を示す断面図である。
【図8】実施例1におけるカオリンの排出量を示すグラフである。
【図9】比較例1におけるカオリンの排出量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明において、固体分散液(「原液」と称する場合がある)としては、固体が液体に分散した液であれば特に限定されないが、通常、有価物質である固体粒子(例えば、使用済の触媒等)が液体に分散した分散液が用いられる。前記固体粒子は、必ずしも球状である必要はなく、鱗片状、繊維状等のいずれの形状であってもよい。固体には、無機粒子、有機粒子、これらの混合物などが含まれる。無機粒子としては、例えば、金属粒子、金属酸化物等の金属化合物からなる粒子、非金属化合物からなる粒子、これらの粒子が担体に担持された固体粒子などが挙げられる。有機粒子としては、ポリマー粒子などが挙げられる。固体粒子の平均粒子径は、例えば、1000μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。固体粒子の平均粒子径の下限は、濾過フィルター又は分離膜の孔径によって定まる。
【0013】
前記固体の分散媒である液体としては、水、有機溶媒、これらの混合液が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール(一価アルコール、多価アルコール);酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル;ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素;塩化メチレン、四塩化炭素、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;N−ビニルピロリドンなどのラクタム;γ−ブチロラクトンなどのラクトン;エチレンカーボネートなどのカーボネート;スルホン;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;これらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、水、又は水と有機溶媒の混合液が好ましい。
【0014】
固体分散液中の固体の含有量は、濾過運転が可能な濃度であれば特に限定されないが、例えば、10重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。該固体含有量の下限は、例えば、1重量ppm、好ましくは10重量ppm、さらに好ましくは50重量ppmである。
【0015】
本発明の固体の回収方法では、濾過フィルター又は分離膜、原液供給口、濾過液流出口及び濃縮液排出口を備えた濾過装置を用いる。濾過フィルターとしては、特に限定されず、例えば孔径1μm以上25μm未満程度の種々の材質、形状の濾過フィルターを使用できる。濾過フィルターの材質としては、例えば、金属(金網)、プラスチック、紙などが挙げられる。濾過フィルター(エレメント)の形状としては、例えば、円筒型、プレート&フレームタイプエレメントなどが挙げられる。濾過フィルター(濾材エレメント)の内容積としては、例えば、50〜5000mL、好ましくは100〜2000mL程度である。また、濾過フィルター(濾材エレメント)の濾過面積は、例えば0.001〜1m2、好ましくは0.005〜0.5m2程度である。
【0016】
分離膜としては、特に限定されず、限外濾過膜、精密濾過膜、ナノ濾過膜、逆浸透膜などが挙げられる。限外濾過(UF)膜とは分子量500〜30万の物質(分子サイズとして0.001〜0.03μm程度)を分離対象とする分離膜であり、通常のナノ濾過膜の範疇も含む。精密濾過(MF)膜は粒径0.02〜2μmの粒子を分離対象とする分離膜である。従って、限外又は精密濾過膜の孔径は0.001〜2μmであるが、より好ましくは、0.01〜1μmである。また、逆浸透(RO)膜は塩類や分子量500程度までの物質を分離対象とする分離膜(分子サイズとして1Å〜0.001μm程度)である。
【0017】
分離膜の材質としては、一般的なもの、例えば、酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、芳香族ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、セラミックなどを使用できる。これらの中でも、限外濾過膜の材質としては酢酸セルロース、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリロニトリル、芳香族ポリアミドが好ましく、精密濾過膜の材質としてはポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスルホン、セラミックが好ましい。逆浸透膜の材質としては、酢酸セルロース、芳香族ポリアミドなどが好ましい。
【0018】
分離膜を備えた濾過装置として、膜モジュールが挙げられる。膜モジュールとしては、中空糸型濾過膜モジュール、平板モジュール、チューブラーモジュール、スパイラルモジュール等の何れであってもよいが、分離膜表面に堆積した固体の分離が比較的容易に行える点から、中空糸型濾過膜モジュールが好ましい。中空糸型濾過膜モジュールにおける中空糸膜の内径は、中空糸膜の内側に気泡径50μm以下の微細気泡を効果的に通過させるとともに、汚染物質の閉塞の防止、中空糸充填率の向上という観点から、0.1〜2.0mm程度の範囲が好ましく、0.5〜1.0mmの範囲がさらに好ましい。
【0019】
中空糸膜としては、酢酸セルロース系中空糸膜、ポリスルホン系中空糸膜、ポリアクリロニトリル系中空糸膜、ポリフッ化ビニリデン中空糸膜等を挙げることができるが、これらの中でも、低い膜間圧力で運転することができ、膜のファウリングも抑制しやすいことから、酢酸セルロース系中空糸膜が好ましい。また、外表面側の細孔より内表面側の細孔の方が小さい孔径のものが内圧式としては好適である。
【0020】
本発明では、濾過装置の濾過液側に、気体を満たすエアチャンバー(エアホールドタンク)を設けてもよい。エアチャンバーを設ける場合には、原液供給ポンプ(「送液ポンプ」と称する場合がある)により超微細気泡含有固体分散液を濾過装置に供給して固体を濾過する濾過運転状態から、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原液側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜表面に堆積した固体を原液側に剥離させる際、該固体を効率よく且つ確実に膜表面から剥離させることができる。
【0021】
エアチャンバーの形状、材質、大きさとしては、特に限定されず、濾過装置の大きさ、洗浄操作の操作性、安全性等を考慮して適宜選択できる。エアチャンバーの形状としては、例えば、円筒状、バルーン状(内部が空洞の球状、楕球状等)等の何れであってもよい。エアチャンバーの材質としては、例えば、金属(ステンレス、チタン等)、ガラス、プラスチック等の何れであってもよい。エアチャンバーの大きさとしては、円筒状の場合、直径は、例えば5mm〜200mm、好ましくは10mm〜100mm程度、内部空間の高さ(長さ)は、例えば10mm〜1000mm、好ましくは20mm〜500mm程度である。
【0022】
エアチャンバーの内容積は、例えば20mL〜30L、好ましくは25mL〜1L、さらに好ましくは25mL〜500mL程度である。エアチャンバーの内容積が小さすぎると、フィルター又は分離膜の表面の堆積物の剥離性が低下しやすくなり、大きすぎると、コスト面等で無駄が増大する。
【0023】
エアチャンバーの取付け位置としては、濾過装置の濾過液側であって、エアを貯留できる箇所であればよいが、濾過運転時において濾過液の水面より上方に取り付けるのが好ましい。
【0024】
エアチャンバーに満たす気体としては、空気、窒素、アルゴンなどが挙げられるがこれらに限定されない。濾過装置の濾過液側にエアチャンバーを設ける場合には、固体回収時、濾過装置内の圧力を急激に降下させる際、濾過フィルター又は分離膜に強い衝撃を与えるとともに、圧力降下時の気体の膨張は水に比して著しく大きいため、二次側(濾過液側)の水を一次側(原液側、濃縮液側)に押し出すキャパシティアップの効果が得られる。
【0025】
次に、超微細気泡含有固体分散液(超微細気泡含有原液)について説明する。
【0026】
本明細書において、超微細気泡とは、発生時において気泡径50μm以下の気泡をいう。気泡径は、発生時において50μm以下が好ましく、更に好ましくは発生時において気泡径10μm以下である。超微細気泡は、発生時において例えば10μm程度であっても時間とともに徐々に小さくなる現象がある。本発明においては、濾過装置に流入させる超微細気泡含有原液中に含まれる気泡径2〜50μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)は、20〜30℃において、例えば100個/mL以上、好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上であり、特に2000個/mL以上が好ましい。なお、膜モジュールに流入させる超微細気泡含有原液には、気泡径50μm以上の気泡が含有されていてもよい。
【0027】
本発明では、超微細気泡含有原液を用いるため、固体回収時に濾過装置内の圧力を急激に降下させる際、濾過面の堆積物にしみ込んだ原液中の超微細気泡が急激に膨張して、堆積物を細かく粉砕する。このため、濾過フィルター又は分離膜の濾過面から固体を極めて効率よく剥離できる。なお、超微細気泡は、濾過面の堆積物をはぎ取り且つ粉砕するだけでなく、静電気的な作用によるためか、一旦剥離した固体粒子を再び膜表面に付着させない働きをする。
【0028】
超微細気泡含有原液は、超微細気泡源としての気体を原液中に混入させた気液混合流体に高速せん断を与えたり、或いは該気液混合流体を間隙の変化する流路を流通させ、流路間隙の変化によって該気液混合流体の流速と圧力を変化させて、主に50μm以下のサイズの気泡を発生させる超微細気泡発生装置(例えば、発生する全気泡の70%以上が気泡径50μm以下の気泡である超微細気泡発生装置)により調製することができる。超微細気泡発生方法としては、一般に、薬品を用いる方法、気体を過飽和に溶解させてから圧力低下させて発生させる方法、流体に気体を混合させて高速せん断を与える方法、気液混合流体の流路間隙を変化させて該気液混合流体の流速と圧力を変化させる方法などがある。超微細気泡の発生方法が異なると、発生した超微細気泡の性質は大きく異なることが一般に知られている(大成博文:マイクロバブルのすべて、日本実業出版 p1−285、2006)。
【0029】
超微細気泡の発生方法としては、原液中に気体を混入させて高速せん断を与える方法や、気液混合流体の流路間隙を変化させて該気液混合流体の流速と圧力を変化させる方法が好ましい。高速せん断を与える方法としては、液体と気体を円筒形状の中で超高速旋回させることによって気泡を発生させる方法、気液混合流体を高速で環状スリットに通過させて気泡を発生させる方法などがある。特に、気液混合流体を環状スリットに通過させて噴出させることにより、液中に超微細気泡を発生させる環状スリットを備えた装置が好適である。この環状スリットは、内径側から外径側に向かって間隙最小部から拡大するように設けられた流路拡大部を備えているのが好ましい(この場合、気液混合流体は内径側から外径側に向かって流れる)。なお、環状スリットは、外径側から内径側に向かって間隙最小部から拡大するように設けられた流路拡大部を備えているものであってもよい(この場合、気液混合流体は外径側から内径側に向かって流れる)。気液混合流体を環状スリットに通過させて噴出させる際、遠心翼を備えた回転体の高速回転で発生する高圧を利用して環状スリットを通過させてもよい。また、気液混合流体の流路間隙を変化させることにより該気液混合流体の流速と圧力を変化させる方法としては、例えば、気液混合流体を高圧により縮小部・最挟部・拡大部を有する流路(例えば、環状スリット)を流通させる方法などが挙げられる。
【0030】
本発明では、原液供給ポンプでの加圧後(より具体的には原液供給ポンプのポンプインペラの回転による加圧後)において、超微細気泡を発生させつつ、前記原液供給ポンプによる加圧膜濾過を行ってもよい。原液供給ポンプにより圧力が高められた状態で発生した超微細気泡は、膜を通過する際の圧力降下により膨張するとともに、高圧下で溶解した気体が膜(ならびに膜孔)を流通する際の圧力降下により極めて多数の超微細気泡が発生する。濾過フィルターを用いる場合、原液供給ポンプの吐出側の圧力(すなわち、膜濾過時の濾過圧力)は、例えば0.01MPa(ゲージ圧)以上[例えば、0.01〜0.5MPa(ゲージ圧)]である。限外又は精密濾過膜モジュールを用いる場合、原液供給ポンプの吐出側の圧力(すなわち、膜濾過時の濾過圧力)は、例えば0.01MPa(ゲージ圧)以上[例えば、0.01〜0.1MPa(ゲージ圧)]、好ましくは0.02MPa(ゲージ圧)以上[例えば、0.02〜0.08MPa(ゲージ圧)]である。膜モジュールとして逆浸透膜モジュールを用いる場合には、液供給ポンプの吐出側圧力は、限外又は精密濾過膜モジュールの場合の100倍程度高いため、液供給ポンプの吐出側の圧力は、例えば1MPa以上[例えば、1〜7MPa(ゲージ圧)]であり、高圧ポンプが必要である。
【0031】
超微細気泡源となる気体(空気等)の導入位置(気体供給手段の設置箇所)は、濾過装置及び超微細気泡を発生させる装置(超微細気泡発生装置)の上流側であれば特に制限はないが、導入された気体と原液とを原液供給ポンプの回転羽根などで効率よく混合できる点で、前記原液供給ポンプの上流側(ポンプインペラの回転による加圧前)であるのが好ましく、特に、前記原液供給ポンプの直前(ポンプインペラの回転による加圧直前)であるのが好ましい。気体の供給量は、原液供給ポンプの吐出流量1m3/hあたり、例えば0.005〜0.50L/min(標準状態)、好ましくは0.03〜0.30L/min(標準状態)、さらに好ましくは0.05〜0.30L/min(標準状態)である。気体の供給量は、少なすぎれば超微細気泡の数が少なくなり、多すぎれば超微細気泡の大きさが50μm以上のものの割合が多くなり、いずれも濾過装置の汚れや目詰まりを効果的に防止できなくなる。なお、気体の供給量が少なくても、超微細気泡が発生すれば、ある程度の効果が得られる。
【0032】
また、超微細気泡の発生を原液タンク内で行ってもよい。この場合は、原液タンク内に超微細気泡発生装置を備え付けることにより、超微細気泡を含有する原液を調製することができる。
【0033】
本発明では、超微細気泡含有固体分散液を、原液供給ポンプにより、濾過フィルター又は分離膜、原液供給口、濾過液流出口及び濃縮液排出口を備えた濾過装置に供給して固体を濾過する濾過運転状態から、濾過液流出口側バルブを閉止して、原液供給ポンプ吐出側から濾過液流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原液側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜表面に堆積した固体を原液側に剥離させ、濃縮液排出口から回収する。この操作を繰り返すことで、連続的に固体分散液からの固体回収を行うことができる。
【0034】
濾過運転において、膜濾過方式は、濾過装置の構造等に応じて適宜選択でき、全量濾過方式、クロスフロー濾過方式の何れであってもよい。固体が高濃度化された濃縮液を効率よく得るため、濾過運転時は全量濾過方式が好ましい。
【0035】
濾過運転を一定時間継続すると、濾過フィルター又は分離膜の膜表面に固体分散液中の固体が堆積する。固体が膜表面に適当量堆積したところで間欠的にあるいは定期的に堆積した固体の分離(剥離)、回収を行う。
【0036】
本発明の固体の回収方法について、以下、図面を参照しつつ、より詳細に説明する。図1は本発明の固体の回収方法の一例を示す概略説明図(概略フロー図)である。なお、図中、8はバルブ、9は流量調整バルブ、19は圧力計、20は流量計を示す。
【0037】
原液供給ライン(原液補充ライン)1から原液タンク3に送液貯留された原液(固体分散液)は、原液供給ライン4から超微細気泡発生ポンプ(送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置)6により濾過装置11に供給される。超微細気泡発生ポンプ6には空気を原液中に導入するエア吸引口(気体供給手段;空気供給口)5が設けられている。エア吸引口5はポンプインペラによる加圧前、加圧後の何れに設けられていてもよいが、自吸できる点からは、ポンプインペラによる加圧前に設けられているのが好ましい。原液供給ライン4は複数設けてもよい。超微細気泡発生ポンプ6としては、後述のものを使用できる。
【0038】
超微細気泡発生ポンプ6により原液中に超微細気泡が多数生成する。超微細気泡発生ポンプ6で調製された超微細気泡含有原液は、バルブV−3(原液入口バルブ)及び流量調整バルブFCVを経て、縦置きに設置された濾過装置11の側部に設けられた超微細気泡含有原液供給口10から濾過装置11に供給される。
【0039】
濾過装置11は、円筒状のハウジング内に円筒状の濾過フィルター14が収容されたものであり、超微細気泡含有原液供給口10、濾過液流出口13、濃縮液排出口12を有している。超微細気泡含有原液供給口、濾過液流出口は少なくとも1つ備えていればよい。なお、超微細気泡眼油原液供給口は濃縮液排出口を兼ねていてもよい。濾過フィルター14には焼結金網製円筒型エレメント等の濾材エレメントが収容されている。
【0040】
濾過装置11において、所定条件下で膜濾過された濾過液は、濾過液流出口13、バルブV−5(濾過液流出口バルブ)を経て、濾過液排液ライン16より排出される。
【0041】
濾過運転をある一定時間行った後、膜表面に堆積した固体(堆積物)を膜から剥離して回収する。固体(堆積物)の膜からの剥離、回収操作は、間欠的あるいは定期的に行うことができる。固体分散液の種類、膜の種類等によっても異なるが、例えば、1分〜10時間(好ましくは、2分〜5時間)連続濾過運転を行った後、膜からの固体の剥離、回収操作を行うという操作を繰り返す。固体の剥離、回収操作は、10秒〜1分程度で実施できる。濾過運転の際には、通常、バルブV−1(原液タンク出口バルブ)、V−2(原液供給ポンプ吐出側バルブ)、V−3(濾過装置入口バルブ)、V−5(濾過液排出バルブ)は開、バルブV−4(バイパスラインバルブ)、V−6(濃縮液排出バルブ)、V−7(バグフィルター濾液排出バルブ)は閉とする。なお、必要に応じて、V−6、V−7を開としてもよい。
【0042】
固体(堆積物)の膜からの剥離、回収操作は、次のようにして行う。すなわち、濾過装置11の濾過液側に設けたエアチャンバー18に気体を満たしておき、超微細気泡発生ポンプ(原液供給ポンプ)6により超微細気泡を含有する原液を濾過装置11に供給して濾過する濾過運転状態から、V−5を閉止して、原液供給ポンプ吐出側からV−5までの流路をポンプ吐出圧[例えば0.01MPa(ゲージ圧)以上(例えば、0.01〜0.5MPa(ゲージ圧))、好ましくは0.05MPa(ゲージ圧)以上(例えば、0.05〜0.5MPa(ゲージ圧))]まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、V−6を開にして原液側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜の堆積物(固体)を原液側に剥離させ、濃縮液とともに濃縮液排出口12から排出する。なお、エアチャンバー18は、必ずしも設けなくてもよい。
【0043】
濃縮液排出口から濃縮液ととともに排出された固体(通常、高濃度固体分散液として排出される)は、バグフィルター15で濾過し、濾さいとして回収され、必要に応じて乾燥後、使用に供される。バグフィルター15の濾液はバグフィルター濾液ライン17より排出される。濃縮液排出口から濃縮液ととともに排出された固体は、濾過することなく、そのまま所望する用途における使用に供してもよい。また、濃縮液ととともに排出された固体の濾過には、必ずしもバグフィルター15を用いる必要はなく、適宜の濾過手段を用いることができる。
【0044】
本発明の方法では、濾過装置内が加圧密閉された状態から、濃縮液排出側バルブを開くことで、濾過装置内圧力が一気に降下する。この急激な圧力降下が起こる際に、濾過装置内部(特に、濾過フィルターの濾材エレメントや分離膜に蓄積した堆積物の内部)にしみ込んだ原液中に存在する超微細気泡が膨張し、堆積物が破砕する。これに加えて、原液側(一次側)より圧力降下が生じるため、濾過液側(二次側)の圧力も一次側へ逃げることから、濾過液の逆流が生じ、破砕された堆積物は濾材又は分離膜表面から流れに沿って引き離される。このため、膜表面に堆積した固体が膜表面から効率よく且つ確実に分離されることになる。この方法によれば、全自動運転(タイマー制御)での連続運転が可能である。
【0045】
次に、超微細気泡発生ポンプについて詳しく説明する。
【0046】
図2は、送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ或いは超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)の一例を示す部分断面図(送液分散部の断面図)である。図3は、図2の送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置の収納室の部分拡大図(断面図)である。
【0047】
この超微細気泡発生ポンプは、固体分散液(以下、単に「液体」と称することがある)中に供給された気体を超微細気泡として分散させるものであり、キャンドモータと送液分散部とを備えている。図2ではキャンドモータ部は省略されている。30はキャンドモータの回転軸であり、31は前部軸受箱(前部の軸受収納固定部位)である。
【0048】
筐体34は、前部軸受箱31にボルト42にて液密に締結固定されている。筐体34と前部軸受箱31は、収納室35を画定する。筐体34には、液体供給口39及び液体流出口38が設けられてる。液体供給口39は、キャンドモータの回転子の回転軸30の延在位置に設けられ、液体流出口38は、筐体34の回転軸30に対し交差する方向に位置する面に設けられている。
【0049】
収納室35内には、インペラ(ポンプインペラ)43が収納される。インペラ43は、キャンドモータの回転軸30の先端にボルト44により締結される。図2に示すように、インペラ43は、クローズタイプの遠心インペラで構成され、インペラ本体部45内部に、インペラ本体部の一部を構成する円板の表面に送液用の遠心羽根46を備えた構成となっている。また、インペラ本体部45の裏面側には、循環羽根47が設けられている。循環羽根47は、遠心羽根46に比較して大径に構成されている。
【0050】
インペラ43は、収納室35内において、前部軸受箱31のインペラ本体部45の対向面32とインペラ43との間に隙間が生じるように構成されている。インペラ本体部45によって、収納室35内は、送液空間36と循環空間37に区画される。送液空間36は、インペラ43の遠心羽根46によって、収納室35内の流体を液体流出口38側に搬送し、循環空間37では、供給された液体が、インペラ43の遠心羽根46及び循環羽根47によって生じた圧力差によって、インペラ本体部45の遠心方向及び求心方向に循環する。
【0051】
前部軸受箱31のインペラ本体部45の対向面32とインペラ43との間の隙間には、分散部48が設けられる。分散部48は、前部軸受箱31の対向面32に当接して配置される。分散部48は、図3に示すように、2枚の円盤49,50で構成された分散部本体を備え、これら円盤49,50間には、円盤49,50の(ほぼ)全周にわたって分散流路51(環状スリット)が形成されている。
【0052】
2枚の円盤49,50がそれぞれ対向する側の対向面には、図3に示すように、内径側から外径側に向かって拡開するようにテーパー部が対向して形成されており、流路51には、外径側から内径側に向かうに従って流路51の間隙が縮小していく流路縮小部51aが設けられる。また、この流路縮小部51aの内径側で流路51の隙間が外径側から内径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部51bが形成され、これら流路縮小部51aと流路拡大部51bとの間に流路51の間隙が最も小さくなる間隙最小部51cが設けられている。このように、環状スリットは、外径側から内径側に向かって間隙最小部から拡大するように設けられた流路拡大部を備えているのも好ましい。
【0053】
前部軸受箱31を貫通する管路として設けられた気体供給流路40は、循環空間37の回転軸30の近接位置に開口する。
【0054】
次に、図2、図3を用いて超微細気泡発生ポンプの動作を説明する。
【0055】
キャンドモータの回転軸30が回転すると、インペラ43も一体に回転し、液体を液体供給口39より取り入れる。インペラ43が回転することにより、液体が回転軸から遠心方向に送られ、一部が液体流出口38から流出する。
【0056】
インペラ43の回転により収納室35内において圧力分布が生じる。圧力分布は、回転軸30から離れるにつれて圧力が高くなり、図3に示すように、回転軸30から遠い側の領域A2の方が、回転軸30に近い側の領域A1よりも高圧になる。
【0057】
液体流出口38から流出しなかった液体は、インペラ43の循環空間37へ移動する。循環空間37では、気体供給流路40から取り込まれた空気と液体とが存在している。循環空間37の圧力は、回転軸30近傍の流体の領域A3の圧力よりも高いため流体は回転軸に近づくように移動する。このとき、気液混合物は、分散部48の分散流路51に設けられた流路縮小部51aおよび流路拡大部51bを順に通過して回転軸30に近づく方向に移動する。そして、気液混合物が流路縮小部51aを経て流路拡大部51bを通るとき、流路隙間の変化により気液混合物は流速が変化して圧力が変化し、気体が微細化され、超微細気泡が発生する。すなわち、ポンプのインペラ43での加圧後において、超微細気泡が発生する。
【0058】
この気体微細化は、主として、液体の流速、気体の量、間隙最小部51cおよび流路拡大部51bの隙間寸法などによって決定される。例えば、気体の流速がある閾値以下であると、気泡の径が小さくならず十分な微細化が行われない。この場合、微細化される気泡の径は、主として、間隙最小部51cおよび流路拡大部51bの隙間寸法によって調整することができる。一方、液体の流速が閾値以上になると、気泡の径は小さくなって十分な微細化が行われる。分散流路51に設けられた流路拡大部51bがベンチュリ管と同様の効果を呈し、気体を伴った液体が分散部48の流路51内を通過することにより、気体を微細化することができる。分散流路(環状スリット)51の流路拡大部51bにおける拡がり角度(断面での拡がり角度)は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部51aにおける縮小角度(断面での縮小角度)より小さくすることが多いが、前記拡がり角度は前記縮小角度と同じか又はそれより大きくてもよい。
【0059】
インペラ本体部45の裏面側に設けられた循環羽根47は、放射流を発生させ、循環空間37内の気液分散流体を回転軸30側から遠心方向に移動させる。上記の通り、循環空間37内の回転軸近傍には、分散部48を通過して微細化された気液分散流体が存在しているため、この流体が回転軸30側から遠心方向に移動する。
【0060】
また、循環羽根47の回転により、回転軸30に近傍の領域A3と循環羽根47の外側領域A4における流体の圧力が高くなるため、インペラ本体部45の循環空間37内の流体が遠心方向及び求心方向へ循環流動する。また、循環羽根の回転による遠心圧力場の形成により、気体供給流路40の出口は負圧になり、空気の自吸が促進される。
【0061】
なお、本実施形態では、循環空間37内の流体の循環を促進するため、分散部48のインペラに近い側に設けられている円盤50には、回転軸側へ伸びる仕切り部50aが設けられている。円盤50によって、循環空間37内を仕切ることにより(37a、37b)、仕切り部50aを含む円盤50とインペラの本体部に対する対向面との空間、すなわち、分散流路51では、流体は求心方向へ移動しやすくなり、また、循環羽根47が位置するインペラの本体部45と円盤50との空間では、流体が遠心方向へ移動しやすくなる。このような構成を採用することにより、循環空間37内の流体の循環が促進され、また、流体が分散部48をより効率よく通過することとなるため、超微細気泡の発生を促進することができる。
【0062】
本実施形態にかかる超微細気泡発生ポンプは、収納室35内で遠心羽根46によって加圧された流体の一部が遠心羽根46の背後で循環流を起こす機構を有している。また、循環流路に空気を自吸させることができ、その自給させた空気を遠心羽根46の流れに合流させて、液体流出口38から流出させることができる。また、循環流の途中に分散部を備え、気泡の微細化を行うことができるため、液体の搬送と微細気泡の生成とを1つの装置で行うことができる。また、収納室35内に循環羽根47を備えることで、加圧条件下での使用であっても、差圧を発生させることができ、気泡の微細化を行うことができる。
【0063】
なお、上記の例では、循環羽根47が2つの円盤49,50で区画された領域の外側に設けられているが、循環羽根47を2つの円盤49,50で区画された領域の内側に設けるとともに、2つの円盤49,50で区画された領域内に流体が流入する流路を設けることもできる。このような実施形態では、上記の例とは逆に、2つの円盤49,50で区画された領域内に流入した流体(ポンプのインペラ43で加圧された流体)が分散流路(環状スリット)を、流路縮小部、間隙最小部、流路拡大部の順に通過して、前記領域の外側に(遠心方向に)噴出し、超微細気泡が発生する。
【0064】
また、上記の例では、分散部48がインペラ43の近傍に設けられているが、インペラ43で加圧された後に気液混合物中に超微細気泡を発生させる(例えば、環状スリットを通過させることにより)機構を有する限り、分散部48はインペラ43から離隔した位置に設けられていてもよい。
【0065】
図4は本発明の方法で使用される送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ;超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)の他の例を示す断面図である。図5は、図4の超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプのポンプ部及び分散部(超微細気泡発生部)の部分拡大図(断面図)である。図4、図5において、矢印は液体、気液混合物の流れ方向を示す。図4において、「MB発生部」とは分散部(超微細気泡発生部)を意味する。
【0066】
この超微細気泡発生ポンプは、液体中に供給された気体を超微細気泡として分散させるものであり、モータ部(キャンドモータ部)とポンプ部と超微細気泡発生部とからなっている。230はキャンドモータの回転軸である。
【0067】
ポンプ部には、液体供給口239、気体供給流路240及びエア抜きバルブ260が設けられてる。液体供給口239は、キャンドモータの回転子の回転軸230の延在位置に設けられ、エア抜きバルブ260は、回転軸230に対し交差する方向に位置する面に設けられている。259はバルブである。
【0068】
ポンプ部内には、インペラ(ポンプインペラ)243が収納される。インペラ243は、キャンドモータの回転軸230の先端に取り付けられている。図4、図5に示すように、インペラ243は、クローズタイプの遠心インペラで構成され、インペラ本体部内部に、インペラ本体部の一部を構成する円板の表面に送液用の遠心羽根246を備えた構成となっている。インペラ243の高速回転により、液体供給口239付近は負圧となり、空気が気体供給流路240から自吸される。
【0069】
液体供給口239及び気体供給流路240からポンプ部内に流入した液体と気体(空気)は遠心羽根246により混合され、遠心方向に移行した後、ポンプ部とモータ部の間に設けられた超微細気泡発生部に流入する。超微細気泡発生部は、図5に示すように、2枚の円盤249,250で構成された分散部本体を備え、これら円盤249,250間には、その周縁部において、円盤249,250の(ほぼ)全周にわたって分散流路251(環状スリット)が形成されている。また、2枚の円盤249,250で区画された領域内において、回転軸230に回転体252が設けられており、回転体252は円盤252aと複数の遠心翼252bにより構成されている。
【0070】
2枚の円盤249,250がそれぞれ対向する側の対向面には、図5に示すように、内径側から外径側に向かって拡開するようにテーパー部が対向して形成されており、流路251には、内径側から外径側に向かうに従って流路251の間隙が縮小していく流路縮小部251aが設けられる。また、この流路縮小部251aの外径側で流路251の隙間が内径側から外径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部251bが形成され、これら流路縮小部251aと流路拡大部251bとの間に流路251の間隙が最も小さくなる間隙最小部251cが設けられている。
【0071】
次に、図4、図5を用いて超微細気泡発生ポンプの動作を説明する。
【0072】
キャンドモータの回転軸230が回転すると、インペラ243も一体に回転し、液体を液体供給口239から、気体(空気)を気体供給流路240から取り入れる。インペラ243が回転することにより、気液混合物が回転軸から遠心方向に送られ、さらに超微細気泡発生部に移動する。
【0073】
超微細気泡発生部では、回転軸230の高速回転により、気液混合物は2枚の円盤249,250で区画された領域内に流入し、回転体252の遠心翼252bの回転により、分散部248の分散流路251に設けられた流路縮小部251aおよび流路拡大部251bを順に通過する。そして、気液混合物が流路縮小部251aを経て流路拡大部251bを通るとき、流路隙間の変化により気液混合物は流速が変化して圧力が変化し、気体が微細化され、超微細気泡が発生する。すなわち、ポンプのインペラ243での加圧後において、超微細気泡が発生する。
【0074】
この気体微細化は、前述したように、主として、液体の流速、気体の量、間隙最小部251cおよび流路拡大部251bの隙間寸法などによって決定される。分散流路(環状スリット)251の流路拡大部251bにおける拡がり角度(断面での拡がり角度)は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部251aにおける縮小角度(断面での縮小角度)より小さくすることが多いが、前記拡がり角度は前記縮小角度と同じか又はそれより大きくてもよい。
【0075】
図6は本発明の方法で使用される送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ;超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)のさらに他の例を示す断面図である。図6において、矢印は液体、気液混合物の流れ方向を示す。また、「MB発生部」とは分散部(超微細気泡発生部)を意味する。
【0076】
この超微細気泡発生ポンプは、液体中に供給された気体を超微細気泡として分散させるものであり、モータ部(キャンドモータ部)とポンプ部と超微細気泡発生部とからなっている。330はキャンドモータの回転軸である。ポンプ部と超微細気泡発生部はモータ部を挟んでその両側に設けられている。
【0077】
ポンプ部には、液体供給口339、気体供給流路340が設けられてる。液体供給口339は、キャンドモータの回転子の回転軸330の延在位置に設けられいる。359はバルブである。
【0078】
ポンプ部内には、インペラ(ポンプインペラ)343が収納される。インペラ343は、キャンドモータの回転軸330の先端に取り付けられている。図6に示すように、インペラ343は、クローズタイプの遠心インペラで構成され、インペラ本体部内部に、インペラ本体部の一部を構成する円板の表面に送液用の遠心羽根346を備えた構成となっている。インペラ343の高速回転により、液体供給口339付近は負圧となり、空気が気体供給流路340から自吸される。
【0079】
液体供給口339及び気体供給流路340からポンプ部内に流入した液体と気体(空気)は遠心羽根346により混合され、その一部はキャンドモータの冷却用として用いられ(冷却ラインを循環した後、ポンプ部に戻る)、残りは遠心方向に移行した後、中間配管370を通って超微細気泡発生部に流入する。超微細気泡発生部は、図6に示すように、2枚の円盤349,350で構成された分散部本体を備え、これら円盤349,350間には、その周縁部において、円盤349,350の(ほぼ)全周にわたって分散流路351(環状スリット)が形成されている。また、2枚の円盤349,350で区画された領域内において、回転軸330に回転体352が設けられており、回転体352は円盤352aと複数の遠心翼352bにより構成されている。
【0080】
2枚の円盤349,350がそれぞれ対向する側の対向面には、図6に示すように、内径側から外径側に向かって拡開するようにテーパー部が対向して形成されており、流路351には、内径側から外径側に向かうに従って流路351の間隙が縮小していく流路縮小部351aが設けられる。また、この流路縮小部351aの外径側で流路351の隙間が内径側から外径側に向かうに従って拡大していく流路拡大部351bが形成され、これら流路縮小部351aと流路拡大部351bとの間に流路351の間隙が最も小さくなる間隙最小部351cが設けられている。なお、超微細気泡発生部には、エア抜きバルブ360が、回転軸330に対し交差する方向に位置する面に設けられている。
【0081】
次に、図6を用いて超微細気泡発生ポンプの動作を説明する。
【0082】
キャンドモータの回転軸330が回転すると、インペラ343も一体に回転し、液体を液体供給口339から、気体(空気)を気体供給流路340から取り入れる。インペラ343が回転することにより、気液混合物が回転軸から遠心方向に送られ、中間配管370を通ってMB発生部に移動する。
【0083】
MB発生部では、回転軸330の高速回転により、気液混合物は2枚の円盤349,350で区画された領域内に流入し、回転体352の遠心翼352bの回転により、分散部348の分散流路351に設けられた流路縮小部351aおよび流路拡大部351bを順に通過する。そして、気液混合物が流路縮小部351aを経て流路拡大部351bを通るとき、流路隙間の変化により気液混合物は流速が変化して圧力が変化し、気体が微細化され、超微細気泡が発生する。すなわち、ポンプのインペラ343での加圧後において、超微細気泡が発生する。
【0084】
この気体微細化は、前述したように、主として、液体の流速、気体の量、間隙最小部351cおよび流路拡大部351bの隙間寸法などによって決定される。分散流路(環状スリット)351の流路拡大部351bにおける拡がり角度(断面での拡がり角度)は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部351aにおける縮小角度(断面での縮小角度)より小さいのが好ましい。
【0085】
図2〜図6で示される送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置を用いた場合、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡含有原液を得ることができ、気泡径2〜5μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)が、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡混合液を得ることができる。
【0086】
上記の例では、送液ポンプと超微細気泡発生装置とが一体化した装置(超微細気泡発生ポンプ;超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)を用いているが、送液ポンプと超微細気泡発生装置とを別々の機器、装置として用いることもできる。例えば、通常の送液ポンプ(送水ポンプ等)の下流側(吐出側)に超微細気泡発生装置7を設けてもよい。この場合、気体(空気)を原水中に導入するエア吸引口(気体供給手段;空気供給口)を、適宜な箇所、例えば、送液ポンプの上流側に設ける。
【0087】
超微細気泡発生装置7について、以下に詳しく説明する。
【0088】
図7は超微細気泡発生装置7の一例を示す断面図である。この例では、超微細気泡発生装置7は、直径と比較して高さの低い円筒状の筐体71と、該筐体71の内部に水平に設置されている上下2つの円盤74,75とで構成されている。筐体71の下部には気液混合物流入口72が設けられており、上部には気液混合物流出口73が設けられている。2つの円盤のうち下に位置する円盤74はドーナッツ状であり、筐体71の内部の底面に設置されている。2つの円盤のうち上に位置する円盤75は円盤74とほぼ同径の円板状であり、円盤74を覆うように設置されている。円盤74と円盤75の対向面周縁部の周方向には、送水ポンプ6により圧力がかけられた気液混合物を通過させて外方向に噴出させる環状スリットが形成されている。気液混合物の噴出方向は、気液混合物流入口から円盤74と円盤75とで区画される領域に流入する気液混合物の流入方向に対して直交する方向である。圧力がかけられた気液混合物が環状スリットを通過する際、超微細気泡が多数生成し、この超微細気泡を含んだ気液混合物(超微細気泡混合液)が気液混合物流出口73から流出し、膜モジュール11に供給される。図7中の矢印は気液混合物の流れを示す。気液混合物流出口73が筐体71の上部に設けられているため、気体が滞留せず、超微細気泡混合液がスムーズに膜モジュール6に供給される。
【0089】
超微細気泡発生装置7では、例えば環状スリットの構造、気液混合物の環状スリットにおける通過速度、気体と液体の供給割合等を調整することにより、超微細気泡混合液中の(超)微細気泡の気泡径、気泡径分布、及び気泡の個数を制御することができる。気泡の個数、気泡径、気泡径の分布等は、前記のように、パーティクルカウンターを用いて測定することができる。
【0090】
環状スリットは、内径側から外径側に向かって間隙最小部77から拡大するように設けられた流路拡大部78を備えているのが好ましい。環状スリットがこのような構造を有すると、気液混合物が高速で通過して噴出することにより、流路間隙の変化によって、気液混合物中に超微細気泡が発生する。これは、気液混合物が内径側から外径側に向かって間隙最小部77から連続的に拡大する流路(流路拡大部78)を通過する際に、気液混合物の流速が変化して圧力が変化するためである。
【0091】
上記好ましい環状スリットの構造においては、少なくとも内径側から外径側に向かって間隙最小部77から拡大するように設けられた流路拡大部78を備えている限り特に限定されず、例えば、間隙最小部77の内径側に、間隙最小部に向かって連続的に流路が縮小する流路縮小部76を有していてもよい。また、環状スリットは、内径側から外径側に向かって段階的に流路断面積が増える構造、内径側から外径側に向かって段階的に流路断面積が減少する構造、内径側から外径側に向かって連続的に流路断面積が増える構造、内径側から外径側に向かって連続的に流路断面積が減少する構造を有していてもよい。本発明では、超微細気泡を効率よく発生させる観点から、環状スリットは、内径側から外径側に向かって間隙最小部から連続的に流路断面積が増える流路拡大部を備えることが好ましい。
【0092】
環状スリットの流路拡大部78における拡がり角度(断面での拡がり角度)θ2は、超微細気泡発生効率の点から、流路縮小部76における縮小角度(断面での縮小角度)θ1より小さくする場合が多いが、θ2はθ1と等しいか又はそれより大きくてもよい。
【0093】
上記のような構造を有する超微細気泡発生装置7を用いることにより、気泡径2〜50μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)が、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡含有原液を得ることができる。また、上記のような構造を有する超微細気泡発生装置7を用いた場合、気泡径2〜5μmの気泡の個数(パーティクルカウンタで測定される個数)が、20〜30℃において、例えば100個/mL以上(好ましくは300個/mL以上、さらに好ましくは1000個/mL以上、特に2000個/mL以上)である超微細気泡混合液(超微細気泡含有固体分散液)を得ることができる。
【実施例】
【0094】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0095】
実施例1
図1に示す固体の回収方法(回収設備)により、固体分散液から固体を回収した。なお、エアチャンバー18及びバグフィルター15は設けていない。濾過装置11内の濾過フィルター14として、SUS特殊焼結金網製円筒型エレメント(セントラルフィルター工業社製、商品名「PM−A−C65*40*250−GL」、濾材寸法Φ65/Φ40×250L、濾過面積0.05m2、エレメント内容積829cc)を円筒状のハウジング内に充填したものを用いた。超微細気泡発生ポンプ6として図6に示すポンプ(超微細気泡発生装置内蔵送液ポンプ)を用いた。また、原液(固体分散液)として、水に生化学用カオリン(和光純薬工業社製)(固体;平均粒子径約2μm)を300重量ppm添加した分散液を用いた。濾過圧力は0.2MPa(ゲージ圧)である。固体分散液中の固体の回収手順は以下の通りである。なお、濾過運転前においては、濾過装置内は水で満たされた状態となっている。
(1)超微細気泡発生ポンプ6により超微細気泡を含有させた原液を、バルブV−3(濾過装置入口バルブ)側から濾過フィルター14内の特殊エレメントで濾過し、バルブV−5(濾過液排出バルブ)より濾過液を排出する(バルブV−4、V−6は閉)[濾過運転]。この濾過運転を所定時間(3分)行った。濾過流量は5L/minに設定した。
(2)濾過運転の状態で、バルブV−5を閉止することで、濾過フィルター14内部をポンプ吐出圧まで昇圧する[加圧工程]。
(3)昇圧完了後、バルブV−3(濾過装置入口バルブ)を閉止し、濾過フィルター14を加圧状態のまま、密閉する[圧力保持工程]。
(4)バルブV−6(濃縮液排出バルブ)を一気に開け、濾過フィルター14内部の圧力を一次側(濃縮液排液側)方向へ脱圧し、特殊エレメントに堆積した固体(カオリン)を剥離させ、該固体を高濃度で含む濃縮液を回収する[脱圧工程]。
この一連の操作を15回行った。1回ごとに排出される固体を含む濃縮液中に含まれる固体の量[カオリン排出量(g)]を測定した。その結果を表1及び図8に示す。表中の数字はカオリンの排出量(g)を示す。
【0096】
比較例1
原液供給ポンプとして超微細気泡発生ポンプの代わりに通常の送液ポンプを用いた(超微細気泡を含有しない原液を供給した)こと以外は、実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1及び図9に示す。
【0097】
【表1】

【0098】
運転開始時(初期)は、フィルター内部に存在した清水と原液(固体分散液)の置換が行われている状態であるため、実施例1及び比較例1のいずれにおいてもカオリンの取得量は少ないが、置換完了後のカオリン排出量は、超微細気泡(マイクロバブル)を使用した方(実施例1)は、終始安定した状況を示した。実施例1において排出される排液量は、1回につきほぼ150ccで安定しており、カオリンの排出量は平均で4g/回となった。一方、超微細気泡(マイクロバブル)を添加しなかった方(比較例1)では、カオリン排出量は回ごとにばらつきが大きく不安定な値となった。カオリンの平均排出量は1.3g/回であった。
【0099】
原液におけるカオリン濃度は300ppmであることから、原液中のカオリンの量は0.3g/Lであり、原液150cc中には約0.045gのカオリンが存在することになる。濾過を行った状況で、カオリンを100%濾材が阻止したと仮定した場合、濾過フィルターのエレメントに付着する連続濾過1回当たりのカオリンの量を算出すると、0.3g×5L/min×3分間=4.5gとなる。仮にカオリンが1回ごとの上記操作で100%回収された場合、1回当たり4.5g回収されることになる。この計算上の数値と実運転での数値を比較した場合、カオリンの回収率は、実施例1では88%、比較例1では29%であった。
【0100】
また、濃縮力で考えると、実施例1では、49.5g(15回の総カオリン排出量)/2250cc(15回の総排液量)×100=約2.2重量%、比較例1では、15.5g(15回の総カオリン排出量)/2250cc(15回の総排液量)×100=約0.7重量%となり、実施例1では73倍に濃縮され、比較例1では23倍濃縮されたことになる。
【符号の説明】
【0101】
1 原液供給ライン(原液補充ライン)
2 循環ライン(原液戻りライン)
3 原液タンク
4 原液供給ライン
5 エア吸引口
6 超微細気泡発生ポンプ(原液供給ポンプ)
7 超微細気泡発生装置
8 バルブ
9 流量調整バルブ
10 原液流入口(超微細気泡含有原液供給口)
11 濾過装置
12 濃縮液排出口
13 濾過液流出口
14 濾過フィルター(又は分離膜)
15 バグフィルター
16 濾過液排液ライン
17 バグフィルター濾液ライン
18 エアチャンバー
19 圧力計
20 流量計
30,230,330 キャンドモータの回転軸
31 前部軸受箱
32 前部軸受箱のインペラ本体部45の対向面
33 潤滑液排出口
34 筐体
35 収納室
36 送液空間
37 循環空間
38,238,338 液体流出口
39,239,339 液体供給口
40,240,340 気体供給流路
41 潤滑液管路
42 ボルト
43,243,343 インペラ
44 ボルト
45 インペラ本体部
46,246,346 遠心羽根
47 循環羽根
48,248,348 分散部
49,249,349 円盤
50,250,350 円盤
50a 仕切り部
51,251,351 分散流路
51a,251a,351a 流路縮小部
51b,251b,351b 流路拡大部
51c,251c,351c 間隙最小部
259,359 バルブ
260,360 エア抜きバルブ
370 中間配管
71 筐体
72 気液混合物流入口
73 気液混合物流出口
74 円盤
75 円盤
76 流路縮小部
77 間隙最小部
78 流路拡大部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体が液体に分散した固体分散液から固体を回収する方法であって、前記固体分散液に超微細気泡を含有させて得られる超微細気泡含有固体分散液を、原液供給ポンプにより、濾過フィルター又は分離膜、原液供給口、濾過液流出口及び濃縮液排出口を備えた濾過装置に供給して固体を濾過する濾過運転状態から、濾過液流出口側バルブを閉止して、原液供給ポンプ吐出側から濾過液流出口側バルブまでの流路をポンプ吐出圧まで昇圧し、一旦濾過装置内を加圧密閉状態とした後、濃縮液排出口側バルブを開にして原液側圧力を急激に降下させ、濾過フィルター又は分離膜表面に堆積した固体を原液側に剥離させ、濃縮液排出口から回収することを特徴とする固体分散液からの固体の回収方法。
【請求項2】
超微細気泡含有固体分散液が、固体分散液中に気体を混合して得られる気液混合流体を、原液供給ポンプによる高圧により縮小部・最挟部・拡大部を有する流路を流通させ、流路内で形成される気液混合流体の高速せん断流の流速と圧力を変化させて超微細気泡を発生させることにより得られる超微細気泡含有固体分散液である請求項1記載の固体分散液からの固体の回収方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−554(P2012−554A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136493(P2010−136493)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(595140114)セントラルフィルター工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】