説明

固体形態および調製のためのプロセス

本発明は、式Iの化合物のアモルファス固体形態、ならびにこの式Iの化合物を沈殿により調製する方法を提供する。別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物のアモルファス固体形態を調製する方法を提供する。1つの工程において、上記方法は、上記式Iの化合物をアセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、または2−メトキシエタノールの溶媒に溶解して、第一の溶液を調製する工程を包含する。別の工程において、上記方法は、上記第一の溶液を水と接触させ、それにより、上記式Iの化合物を沈殿させる工程を包含する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、2009年5月13日に出願された米国仮特許出願第61/177,483号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(R)−4a−エトキシメチル−1−(4−フルオロ−フェニル)−6−(4−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−4,4a,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H,1,2,6−トリアザ−シクロペンタ[b]ナフタレン(本明細書において化合物1)は、非特許文献1において、以前に公開されており、以下の構造を有する:
【0003】
【化1】


化合物1は、グルココルチコイドレセプター(GR)アンタゴニストによるコルチゾールの調整に有用である化合物のクラスの一員である。そのように公知のGRアンタゴニストの1つであるミフェプリストンは、ヒトにおいて有効な抗グルココルチコイド剤であることが見出されている(非特許文献2)。ミフェプリストンは、高い親和性でGRに結合し、10−9Mの解離定数(K)を有する(非特許文献3)。
【0004】
コルチゾールの増加したレベルは、精神疾患のいくつかの形態を有する患者において見出されてきた(非特許文献4)。例えば、幾人かの鬱病の個人は、GRアンタゴニストを投与することによるような、コルチゾールの作用を遮断する処置に対して好反応を示し得る(非特許文献5)。1つの研究では、クッシング症候群(副腎皮質細胞増殖)に付随する鬱病を有する患者は、1日当たり1400mgまでの、高用量のGRアンタゴニストミフェプリストンに対して好反応を示した(非特許文献6)。クッシング症候群を処置するためにミフェプリストンを使用した別の研究は、それが患者のコンディション(彼らの精神状態が挙げられる)を改善したことを見出した(非特許文献7、非特許文献8)。
【0005】
精神病もまた、クッシング症候群に関連している(非特許文献9)。ミフェプリストンは、クッシング症候群に付随する急性精神障害を処置するために使用されてきた。1つの研究は、比較的高用量のミフェプリストン(1日当たり400mg〜800mg)が、副腎がん、および肺がんからのACTHの異所性分泌に起因する重度のクッシング症候群を有する患者における急性精神病を迅速に逆転させることにおいて有用であることを示した(非特許文献10;非特許文献11;非特許文献8)。
【0006】
化合物1を用いた、精神病性の大鬱病ならびに他のコンディションおよび疾病の処置は、化合物1が固体形態で投与され得る場合に、より容易になった。固体形態は、化合物の油状形態およびゴム形態に対して数個の利点(例えば、とりわけ、取り扱いの容易さ、溶解度、薬学的賦形剤による固体投与量形態への調合)を提供する。しかしながら、化合物1の以前の調製物、およびその誘導体は、化合物1の固体形態を生成することができなかった。非特許文献12、および米国特許出願第10/591,884号(2007年5月7日に出願され、2007年12月6日に特許文献1として公開された)を参照のこと。
【0007】
必要とされるのは、化合物1の固体形態であり、そしてその固体形態を調製する方法である。驚くことに、本発明は、このこと、および他の必要性を満たす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0281928号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Clark et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 2008,18,1312−1317
【非特許文献2】Bertagna(1984)J.Clin.Endocrinol.Metab 59:25
【非特許文献3】Cadepond(1997)Annu.Rev.Med.48:129
【非特許文献4】Krishnan(1992)Prog.Neuro−Psychophannacol.&Biol.Psychiat.16:913−920
【非特許文献5】Van Look(1995)Human Reproduction Update 1:19−34
【非特許文献6】Nieman(1985)J.Clin Endocrinol.Metab.61:536
【非特許文献7】Chrousos,pp 273−284,In:Baulieu,ed.The Antiprogestin Steroid RU 486 and Human Fertility Control.Plenum Press,New York(1989)
【非特許文献8】Sartor(1996)Clin.Obstetrics and Gynecol.39:506−510
【非特許文献9】Gerson(1985)Can.J.Psychiatry 30:223−224;Saad(1984)Am.J.Med.76:759−766
【非特許文献10】Van der LeIy(1991)Ann.Intern.Med.114:143
【非特許文献11】Van der LeIy(1993)Pharmacy World & Science 15:89−90
【非特許文献12】Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 2008,18,1312−1317
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの実施形態において、本発明は、式Iの化合物のアモルファス固体形態を提供する。
【0011】
【化2】

別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物のアモルファス固体形態を調製する方法を提供する。1つの工程において、上記方法は、上記式Iの化合物をアセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、または2−メトキシエタノールの溶媒に溶解して、第一の溶液を調製する工程を包含する。別の工程において、上記方法は、上記第一の溶液を水と接触させ、それにより、上記式Iの化合物を沈殿させる工程を包含する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、式Iの化合物のX線回折パターンを示し、式Iの化合物がアモルファスであることを実証する。
【図2】図2は、式Iの化合物の熱重量分析(TGA:thermal gravimetric analysis)を示す。
【図3】図3は、式Iの化合物の示差走査熱量測定(DSC)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、式Iの化合物のアモルファス固体形態、およびそのアモルファス固体形態を調製する方法を提供する。式Iの化合物は、先行技術において公知であるが、固体形態においてではない。化合物の固体形態は、一般的であり、当業者に公知の一元または二元溶媒系を用いた沈殿または結晶化方法により調製され得る。多様な溶媒系は、化合物のアモルファス形態または結晶形態を調製するために使用され得る。上記式Iの化合物についてのような、いくつかの場合において、化合物はアモルファスまたは結晶形態を容易に形成せず、そのアモルファスまたは結晶形態を調製するための溶媒系および条件を同定するための広範囲な実験を必要とし得る。
【0014】
上記式Iの化合物は、容易にアモルファスまたは結晶形態を形成しないので、多様な方法および溶媒系を用いる広範囲な実験を始めて、上記式Iの化合物の固体形態を調製した。試験された方法のいくつかは、ジクロロメタン、クロロベンゼン、トルエン、アニソール、ヘプタン、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、メタノール、2−ブタノール、1−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、水、およびニトロメタンの一元溶媒系を使用した。各溶媒系に2つの異なる濃度を用いて、上記式Iの化合物を溶媒に溶解し、室温と50℃との間(8時間サイクル)の加熱/冷却サイクルに24時間供し、その後、4℃で24時間冷却し、そして−20℃でさらに24時間冷却した。どの一元溶媒系も上記式Iの化合物の固体形態を産出しなかった。
【0015】
二元溶媒系もまた、上記式Iの化合物の固体形態の調製のために試験した。水およびヘプタン以外に上に列挙した溶媒を用いて、上記式Iの化合物を溶解して、水、ヘプタン、またはシクロヘキサンを貧溶媒(antisolvent)として加え、溶媒混合物における上記式Iの化合物の溶解度を低減した。固体形態を産出する数個の二元溶媒系が同定された:メタノール/水、エタノール/水、2−プロパノール/水および2−メトキシエタノール/水。試験された多くの溶媒系は、上記式Iの化合物のアモルファス固体形態を提供しなかった。驚くことに、2−プロパノール/水は上記式Iの化合物のアモルファス固体形態を産出したが、1−プロパノール/水は産出しなかった。さらに、1−ブタノール/水および2−ブタノール/水は、上記式Iの化合物のアモルファス固体形態を産出しなかった。溶媒の組み合わせはまた、0.1℃/分で室温から−10℃への冷却、および−10℃または−20℃での保持に供され得る。例えば、tert−ブチルメチルエーテル/ヘプタンの二元溶媒系は、−20℃への冷却に伴い上記式Iの化合物のアモルファス固体形態を提供した。
【0016】
従って、本発明は、式I:
【0017】
【化3】

の化合物のアモルファス固体形態を提供する。他の実施形態において、上記式Iの化合物は、実質的に、図1において示される通りのX線回折パターンにより特徴付けられる。熱重量分析(TGA)による分析は、40℃〜45℃への加熱の際に約10%の上記式Iの化合物についての重量損失を実証し、約150℃までさらなる重量損失を伴わない(図2を参照のこと)。示差走査熱量測定(DSC)による分析は、上記式Iの化合物のアモルファス固体形態に対して、約66℃で吸熱ピークを示した(図3を参照のこと)。
【0018】
上記式Iの化合物のアモルファス固体形態は、多様な方法により調製され得る。いくつかの実施形態において、アモルファス固体形態は、上記式Iの化合物を良溶媒に高温で溶解して、飽和溶液を作り、次にその溶液を冷却し、その結果、上記式Iの化合物が溶液から現れて沈殿物を形成することにより調製され得る。
【0019】
代替的に、上記式Iの化合物のアモルファス固体形態は、上記式Iの化合物を良溶媒に溶解して、次に貧溶媒を良溶媒に加えることにより調製され得る。上記貧溶媒は、上記式Iの化合物が溶けないか、またはあまり溶けない溶媒であって、その結果、上記良溶媒と貧溶媒との混合物中の上記式Iの化合物の溶解度が、上記式Iの化合物が溶液から現れる点まで低減される。上記式Iの化合物を溶解するのに有用な溶媒としては、ジクロロメタン、クロロベンゼン、トルエン、アニソール、1,4−ジオキサン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、メタノール、2−ブタノール、1−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ニトロメタン、酢酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびN−メチルピロリジノンが挙げられるが、これらに限定されない。他の良溶媒は、本発明において有用である。
【0020】
本発明の方法において有用である貧溶媒としては、極性プロトン性溶媒、C〜C10アルキル、およびC〜C10シクロアルキルが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において貧溶媒として有用である極性プロトン性溶媒としては、水が挙げられるが、これに限定されない。本発明において貧溶媒として有用であるC〜C10アルキルとしては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、およびそれらの異性体が挙げられるが、これらに限定されない。C〜C10アルキルは、直鎖または分枝、飽和または不飽和であり得る。貧溶媒はまた、C〜C10シクロアルキル(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、およびシクロデカン)であり得る。C〜C10シクロアルキルは、部分的または完全に、飽和または不飽和であり得る。他の溶媒は、本発明の貧溶媒として有用である。
【0021】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物のアモルファス固体形態を調製する方法を提供する。1つの工程において、上記方法は、上記式Iの化合物をアセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、または2−メトキシエタノールの溶媒に溶解して、第一の溶液を調製する工程を包含する。別の工程において、上記方法は、上記第一の溶液を水と接触させ、それにより、上記式Iの化合物を沈殿させる工程を包含する。他の実施形態において、上記溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、または2−メトキシエタノールである。いくつかの他の実施形態において、上記溶媒は、メタノール、エタノール、または2−プロパノールである。さらに他の実施形態において、上記溶媒は、エタノールである。
【0022】
溶媒 対 貧溶媒の比は、任意の有用な比であり得る。いくつかの実施形態において、溶媒 対 貧溶媒の比は、約5:1〜約1:10(体積/体積)。他の実施形態において、溶媒 対 貧溶媒の比は、約2:1〜約1:2(体積/体積)である。いくつかの他の実施形態において、溶媒 対 貧溶媒の比は、約1:1(体積/体積)である。さらに他の実施形態において、溶媒 対 貧溶媒の比は、約1:1〜約1:5(体積/体積)である。さらに他の実施形態において、溶媒 対 貧溶媒の比は、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、または約1:10(体積/体積)である。他の溶媒 対 貧溶媒の比は、本発明において有用である。
【0023】
いくつかの実施形態において、上記貧溶媒は、上記第一の溶液に加えられる。他の実施形態において、上記第一の溶液は、上記貧溶媒に加えられる。上記第一の溶液が上記貧溶媒に加えられるとき、この貧溶媒は、激しく撹拌され得て、この第一の溶液が、上記式Iの化合物を沈殿させるために滴下して加えられ得る。例えば、上記貧溶媒が水のとき、上記第一の溶液が、この水に加えられ得る。
【0024】
他の実施形態において、本発明は、式Iの化合物のアモルファス固体形態を調製する方法を提供する。1つの工程において、上記方法は、上記式Iの化合物を1,4−ジオキサンに溶解して、第一の溶液を調製する工程を包含する。別の工程において、上記方法は、上記第一の溶液をヘプタンと接触させ、それにより、上記式Iの化合物を沈殿させる工程を包含する。
【0025】
いくつかの他の実施形態において、本発明は、tert−ブチルメチルエーテルおよびヘプタンの二元溶媒系を用いて式Iの化合物のアモルファス固体形態を調製する方法を提供する。1つの工程において、上記方法は、上記式Iの化合物をtert−ブチルメチルエーテルに溶解して、第一の溶液を調製する工程を包含する。別の工程において、上記方法は、上記第一の溶液をヘプタンと接触させて、第二の溶液を調製する工程を包含する。上記方法はまた、上記第二の溶液を約0℃未満へと冷却し、それにより、上記式Iの化合物を沈殿させる工程を包含する。いくつかの実施形態において、上記第二の溶液は、約−20℃へと冷却される。他の温度は、上記式Iの化合物のアモルファス固体形態を調製するのに有用である。上記第二の溶液は、任意の適切な期間、冷却され得る。いくつかの実施形態において、上記冷却は、数分間または1時間であり得る。他の実施形態において、上記冷却は、数時間、または1日間まで、であり得る。さらに他の実施形態において、上記冷却は、数日間(例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、またはそれより多くの日数)であり得る。
【0026】
沈殿に続いて、上記式Iの化合物のアモルファス固体形態が濾過により単離され、乾燥される。
【実施例】
【0027】
(実施例1:一元溶媒混合物からの式Iの沈殿)
式Iの化合物を溶媒に溶解し、室温と50℃との間(8時間サイクル)の加熱/冷却サイクルに24時間供し、その後、4℃で24時間冷却し、そして−20℃でさらに24時間冷却した。
【0028】
表1.一元溶媒混合物からの沈殿物
【0029】
【表1】

濃度は、25〜30mg/0.5mLである。濃度は、25〜30mg/0.1mLである。プロセスはまた、室温で10分間の超音波処理、および溶媒の蒸発を包含した。
【0030】
(実施例2:溶媒:貧溶媒混合物からの式Iの沈殿)
式Iを適切な溶媒に室温で溶解した。貧溶媒を適切な比で加え、スラリーを室温で撹拌した(他に提供されない限り)。形成された任意の固体を濾過により単離し、乾燥させた。
【0031】
表2.アルコール:貧溶媒混合物からの沈殿物
【0032】
【表2】

形成された任意の沈殿物は、アモルファス沈殿物である。0.1℃/分で室温から−10℃への冷却、および−10℃で4日間の保持。
【0033】
表3.溶媒:貧溶媒混合物からの沈殿物
【0034】
【表3】

形成された任意の沈殿物は、アモルファス沈殿物である。−20℃まで5日間冷却後、アモルファス沈殿物が形成された。
【0035】
(実施例3:エタノール/水からの式Iの沈殿物)
沈殿を窒素の下で行った。オーバーヘッドスターラー、熱電対、滴下漏斗(addition funnel)、およびJulabo HTUを装着したA 22−Lバッフル付き、ジャケット付き反応フラスコを使用前に1Lの水と0.25Lのエタノールとの混合物ですすいだ。Julabo設定値20.0℃で、水をフラスコに満たし、撹拌した。ロトバップ(rotovap)バルブからの式Iの精製した化合物(381.1g)をエタノール(4.0L)に溶解し、その溶液をガラスウール製のすすいだプラグを通して、すすいだPyrex(登録商標)ボトルへと濾過した。ロトバップバルブおよび漏斗をエタノール(0.3L)ですすいだ。その溶液を混合し、次に滴下漏斗に(500mLずつ)移動した。上記溶液を細く流して、1時間48分間にわたって、激しく撹拌される水へと加え、白い沈殿物を生成した。上記式Iの化合物を加える間、温度を21℃と25℃との間で保持した。空のPyrex(登録商標)ボトルをエタノール(50mL)ですすぎ、そのすすぎ液を滴下漏斗に加え、次にフラスコに加えた。白い懸濁物を20℃〜25℃で78分間撹拌した。固体を、中くらいのフリットガラス漏斗で減圧濾過により単離した;ケークは亀裂がはいり、縮んだ。フラスコを4:1の水/エタノール(1900mL)ですすぎ、そのすすぎ液を漏斗に加えた。そのケークを脱液(deliquored)し、次にPyrex(登録商標)乾燥トレイに移動し、かたまりをばらばらにした。そのトレイを、窒素スイープの下で一定の重量まで、40℃〜50℃に保持された減圧乾燥オーブンに置いた。364gの式Iの化合物を単離した。
【0036】
前述の発明は、理解を明瞭にする目的のために例示および実施例の様式によって、いくらかの詳細に記載されてきたが、当業者は、添付の特許請求の範囲の範囲内で特定の変更および改変が実施され得ることを正しく理解する。さらに、本明細書において提供された各参考文献は、あたかも各参考文献が、個々に参考として援用されるのと同じ程度まで、その全体が参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化4】

の化合物のアモルファス固体形態。
【請求項2】
実質的に、図1において示される通りのX線回折パターンにより特徴付けられる、請求項1に記載のアモルファス固体形態。
【請求項3】
式I:
【化5】

の化合物のアモルファス固体形態を調製する方法であって、
該方法は、以下:
該式Iの化合物をアセトン、メタノール、エタノール、2−プロパノール、および2−メトキシエタノールからなる群より選択される溶媒に溶解して、第一の溶液を調製する工程;および
該第一の溶液を水と接触させ、それにより、該式Iの化合物を沈殿させる工程
を含む、方法。
【請求項4】
前記溶媒が、メタノール、エタノール、2−プロパノール、および2−メトキシエタノールからなる群より選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記溶媒が、メタノール、エタノール、および2−プロパノールからなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒がエタノールである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の溶液が前記水に加えられる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
溶媒 対 水の比が、約5:1〜約1:10(体積/体積)である、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
溶媒 対 水の比が、約2:1〜約1:2(体積/体積)である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
溶媒 対 水の比が、約1:1(体積/体積)である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
溶媒 対 水の比が、約1:1〜約1:5(体積/体積)である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
式I:
【化6】

の化合物のアモルファス固体形態を調製する方法であって、
該方法は、以下:
該式Iの化合物を1,4−ジオキサンに溶解して、第一の溶液を調製する工程;および
該第一の溶液をヘプタンと接触させ、それにより、該式Iの化合物を沈殿させる工程
を含む、方法。
【請求項13】
式I:
【化7】

の化合物のアモルファス固体形態を調製する方法であって、
該方法は、以下:
該式Iの化合物をtert−ブチルメチルエーテルに溶解して、第一の溶液を調製する工程;および
該第一の溶液をヘプタンと接触させて、第二の溶液を調製する工程;および
該第二の溶液を約0℃未満へと冷却し、それにより、該式Iの化合物を沈殿させる工程
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−526826(P2012−526826A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510935(P2012−510935)
【出願日】平成22年5月11日(2010.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/034382
【国際公開番号】WO2010/132445
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(503345477)コーセプト セラピューティクス, インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】