説明

固体撮像セルおよび光起電力装置および機器

【課題】本発明は、撮像センサーとして機能できると共に、たとえば既存の赤外線リモコンからの信号も正確に検出できる固体撮像セルを提供する。
【解決手段】本発明に係る固体撮像セルScは、光電変換素子(たとえばフォトダイオード)PD1と、撮像素子構成回路部Maと、選択ゲート(スイッチ部)G15を備えている。撮像素子構成回路部Maは、光電変換素子PD1と共に固体撮像素子を構成している。さらに、撮像素子構成回路部Maは、光電変換素子PD1の一方の出力部とジェスチャー信号伝送ライン(第一の信号線)L1との間に配設されている。選択ゲートG15は、光電変換素子PD1の出力部から出力される電荷を、ジェスチャー信号伝送ラインL1側に出力するか、光電変換素子PD1の他方の出力部と接続される赤外線信号伝送ラインL2側に出力するかの切替を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、固体撮像セルおよび光起電力装置および機器に係る発明であり、たとえば、赤外線リモコンによる制御およびユーザの動きに基づく制御が可能な機器に適用することができる。
【背景技術】
【0002】
家電機器を操作するリモコンとしては、赤外線リモコンが一般的である。近年、赤外線リモコンによる家電機器の操作でなく、撮像素子と画像認識機能とにより家電機器の操作を行う方法が研究されている(たとえば、非特許文献1)。当該非特許文献1では、人のジェスチャーを認識させることで、家電機器の操作を行う。
【0003】
また、人のジェスチャーの認識率の問題、コスト面等の問題を考慮して、赤外線リモコンおよび人のジェスチャーの両方による操作が可能(便宜上、当該技術を両操作可能技術と称する)な、家電機器も開発されている。前記両操作可能技術の場合には、たとえば、最も操作の多い機能(テレビのチャンネル切り替えなど)のみをジェスチャー操作に対応させ、その他の操作は赤外線リモコンにより行う。
【0004】
また、上記両操作可能技術においては、赤外線リモコンの赤外光信号を撮像素子で受光する技術を要する。当該技術としては、たとえば、特許文献1ないし特許文献6が存在する。
【0005】
【非特許文献1】http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071002/140058/
【特許文献1】特開平5−344401号公報
【特許文献2】特開平6−22194号公報
【特許文献3】特開2004−222242号公報
【特許文献4】特開2006−238193号公報
【特許文献5】特開2006−279823号公報
【特許文献6】特開2006−303867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記両操作可能技術を普及させるためには、当該両操作可能技術が既存の赤外線リモコンフォーマットにも対応できることが重要である。つまり、両操作可能技術が適用された家電機器が、キャリア周波数の最大値が40KHzである一般的な赤外線リモコンによって操作可能であることを要する。
【0007】
しかしながら、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー素子自身に赤外線リモコンからの信号受光機能を持たせている場合には、上記40KHzのキャリア周波数を正確に検出するためには、当該CMOSセンサーによる撮像フレームレートは、かなり大きな値(少なくとも80KHz以上)とする必要がある。当該かなり大きな値のフレームレートでの撮像も可能であるが、その場合には撮像画像において輝度が減少し、感度等において問題が生じる。つまり、前記CMOSセンサーに関する技術の場合には、上記フレームレートの制約で、従来のリモコンフォーマットのキャリア周波数に対応できない。
【0008】
また、通常、赤外線リモコンの1ビットの周期(5KHz)を上記40KHzのキャリア周波数に載せて送信している。ここで、赤外線リモコンによる制御の観点からは、キャリア周波数40KHzまで認識する必要がなく、上記1ビットの情報(5KHz)をCMOSセンサー側で検出できれば十分である。そこで、赤外線リモコンからの信号を受信する側において通常配置されている40KHzの周波数のみを透過させるフィルタを取り除き、CMOSセンサーによる撮像フレームレートを5KHzを超える程度とする構成を、想起することができる。
【0009】
しかしながら、当該構成の場合には、上記フィルタの除去により、CMOSセンサーは赤外線リモコンからの信号以外の光学ノイズをも検出してしまい、ノイズの影響が深刻化する。
【0010】
このように、CMOSセンサー素子自身に赤外線信号受光機能を持たせ、当該CMOSセンサーを上記両操作可能技術に適用した場合には、既存の赤外線リモコンとの互換性が保たれない、という問題が生じる。
【0011】
そこで、本発明は、撮像センサーとして機能できると共に、たとえば既存の赤外線リモコンからの信号も正確に検出できる、固体撮像セルおよび光起電力装置を提供することを目的とする。また、たとえば既存の赤外線リモコン操作による制御および人によるジェスチャーによる制御の両方に対応可能な、機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の固体撮像セルは、光電変換素子と、前記光電変換素子と共に固体撮像素子を構成しており、前記光電変換素子の一方の出力部と第一の信号線との間に配設される撮像素子構成回路部と、前記光電変換素子の出力部から出力される電荷を、前記第一の信号線側に出力するか、前記光電変換素子の他方の出力部と接続される第二の信号線側に出力するかの切替を行うことができる、スイッチ部とを、備えている。
【0013】
また、本発明に係る請求項2に記載の光起電力装置は、光電変換素子と、前記光電変換素子と共に固体撮像素子を構成しており、前記光電変換素子の一方の出力部と第一の信号線との間に配設される撮像素子構成回路部と、前記光電変換素子から出力される電荷を、前記第一の信号線側に伝送するか、前記光電変換素子の他方の出力部と接続される第二の信号線側に伝送するかの切替を行うことができる、スイッチ部とを、有する、固体撮像セルを、複数備えている。
【0014】
また、本発明に係る請求項3に記載の光起電力装置は、本発明に係る請求項2に記載の光起電力装置であって、前記撮像素子構成回路部は、前記光電変換素子と共に、CMOSセンサーを構成している。
【0015】
また、本発明に係る請求項4に記載の光起電力装置は、本発明に係る請求項2または請求項3に記載の光起電力装置であって、前記複数の固体撮像セルの内の幾つかで構成される第一のセル群と、前記複数の固体撮像セルの内のその他で構成される第二のセル群とが混在する、第一のモードを有しており、前記第一のセル群に属する各前記固体撮像セルでは、前記スイッチ部の切替により、前記光電変換素子から出力される電荷が、前記第一の信号線側に伝送され、前記第二のセル群に属する各前記固体撮像セルでは、前記スイッチ部の切替により、前記光電変換素子から出力される電荷が、前記第二の信号線側に伝送される。
【0016】
また、本発明に係る請求項5に記載の光起電力装置は、本発明に係る請求項4に記載の光起電力装置であって、前記光起電力装置が、所定の条件を満たすと判断したとき、前記第一のモードから、全ての前記固体撮像セルが、前記スイッチ部の切替により、前記光電変換素子から出力される電荷が前記第一の信号線に伝送される、第二のモードへと移行する。
【0017】
また、本発明に係る請求項6に記載の光起電力装置は、本発明に係る請求項4に記載の光起電力装置であって、前記複数の固体撮像セルは、マトリクス状に配設されており、前記第一のモードにおいて、前記第一のセル群に属する各前記固体撮像セルと、前記第二のセル群に属する各前記固体撮像セルとは、市松模様状に配設されている。
【0018】
また、本発明に係る請求項7に記載の光起電力装置は、本発明に係る請求項5に記載の光起電力装置であって、前記所定の条件を満たすと判断したときとは、前記第一のセル群に属する各前記固体撮像セルによる撮像結果から得られる撮像データにおける、輝度の周期的変化があると判断したときである。
【0019】
また、本発明に係る請求項8に記載の光起電力装置は、本発明に係る請求項2または請求項3に記載の光起電力装置であって、全ての前記固体撮像セルにおいて、前記光電変換素子の前記他方の出力部同士は、前記第二の信号線により、共通に、電気的に接続されている。
【0020】
また、本発明に係る請求項9に記載の光起電力装置は、本発明に係る請求項2に記載の光起電力装置であって、800nmから980nmまでの赤外線信号および4μmから20μmまで赤外線信号を透過させることができる赤外線透過フィルタを、さらに備えている。
【0021】
また、本発明に係る請求項10に記載の機器は、赤外線リモコンによる遠隔操作が可能な機器であって、請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の光起電力装置と、前記光起電力装置からの制御信号に基づいた、動作制御を行う制御部とを、備えている。
【発明の効果】
【0022】
本発明の請求項1に記載の固体撮像セルは、光電変換素子と、光電変換素子と共に固体撮像素子を構成しており、光電変換素子の一方の出力部と第一の信号線との間に配設される撮像素子構成回路部と、光電変換素子の出力部から出力される電荷を、第一の信号線側に出力するか、光電変換素子の他方の出力部と接続される第二の信号線側に出力するかの切替を行うことができる、スイッチ部とを、備えている。そして、請求項2に記載の光起電力装置は、当該固体撮像セルを複数備えている。
【0023】
したがって、たとえば、撮像機能に特化した素子とその他の機能に特化した素子とを、一つの固体撮像セル内に設けることができる。よって、当該固体撮像セル(光起電力装置)は、撮像センサーとして機能できると共に、たとえば既存の赤外線リモコンからの信号も正確に検出できるセンサーとしても機能できる。
【0024】
また、本発明に係る請求項3に記載の光起電力装置では、撮像素子構成回路部は、光電変換素子と共に、CMOSセンサーを構成している。
【0025】
したがって、実用性に優れた光起電力装置を提供することができる。
【0026】
また、本発明に係る請求項4に記載の光起電力装置は、複数の固体撮像セルの内の幾つかで構成される第一のセル群と、複数の固体撮像セルの内のその他で構成される第二のセル群とが混在する、第一のモードを有しており、第一のセル群に属する各固体撮像セルでは、スイッチ部の切替により、光電変換素子から出力される電荷が、第一の信号線側に伝送され、第二のセル群に属する各固体撮像セルでは、スイッチ部の切替により、光電変換素子から出力される電荷が、第二の信号線側に伝送される。
【0027】
したがって、簡単なスイッチ操作により実現可能な第一のモード時には、光起電力装置は、たとえば人のジェスチャーを検知する検出部およびたとえば赤外線リモコンからの信号を検知する検出部としても機能させることができる。
【0028】
また、本発明に係る請求項5に記載の光起電力装置では、光起電力装置が、所定の条件を満たすと判断したとき、第一のモードから、全ての固体撮像セルが、スイッチ部の切替により、光電変換素子から出力される電荷が第一の信号線に伝送される、第二のモードへと移行する。
【0029】
したがって、簡単なスイッチ動作により、全ての固体撮像セルを撮像センサーに特化したセルとすることができる。よって、所定の条件を満たすときには、第一のモードよりも高解像度の撮像が可能となる第二のモードへと移行できる。
【0030】
また、本発明に係る請求項6に記載の光起電力装置では、複数の固体撮像セルは、マトリクス状に配設されており、第一のモードにおいて、第一のセル群に属する各固体撮像セルと、第二のセル群に属する各固体撮像セルとは、市松模様状に配設されている。
【0031】
したがって、光起電力装置の何れの領域にたとえば赤外線信号が入射されたとしても、赤外線信号を所定の領域に導く特別な部材を要する事無く、確実に当該信号を検出できることができる。
【0032】
また、本発明に係る請求項7に記載の光起電力装置では、所定の条件を満たすと判断したときとは、第一のセル群に属する各固体撮像セルによる撮像結果から得られる撮像データにおける、輝度の周期的変化があると判断したときである。
【0033】
撮像データにおける輝度の周期的変化は、主に人のジェスチャー操作の際に発生する。したがって、人のジェスチャーを感知したときに、光起動電力装置は、より高解像度の第二のモードへと移行することができる。
【0034】
また、本発明に係る請求項8に記載の光起電力装置は、全ての固体撮像セルにおいて、光電変換素子の他方の出力部同士は、第二の信号線により、共通に、電気的に接続されている。
【0035】
したがって、たとえば幾つかの固体撮像セルを赤外線検知用として機能させる場合、当該幾つかの固体撮像セルは各々、枝分かれしている一の第二の信号線により電気的に接続されることになる。よって、たとえば、当該第二の信号線には、一の赤外線受光モジュール(ゲイン調整やキャリア(40KHz)のバンドパスフィルタ等)を設けるのみで済む。これにより、余分な赤外線受光モジュールが不要となり、コスト削減に繋がる。
【0036】
また、本発明に係る請求項9に記載の光起電力装置は、800nmから980nmまでの赤外線信号および4μmから20μmまで赤外線信号を透過させることができる赤外線透過フィルタを、さらに備えている。
【0037】
したがって、赤外線リモコンの信号および人の体温からの赤外線信号のみを検出でき、余分なノイズ信号を除去することができる。これにより、各種信号の検出感度を向上できる。
【0038】
また、本発明に係る請求項10に記載の機器は、赤外線リモコンによる遠隔操作が可能な機器であって、請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の光起電力装置と、光起電力装置からの制御信号に基づいた、動作制御を行う制御部とを備えている。
【0039】
したがって、たとえば、赤外線リモコンによる制御および人のジェスチャーによる制御の両方が、精度良く実行される機器を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
【0041】
<実施の形態>
図1に、本実施の形態に係る赤外線リモコンによる遠隔制御が可能な機器の一例である、表示装置100を示す。
【0042】
表示装置100は、赤外線リモコン10の操作による制御、および人のジェスチャーによる制御が可能である。表示装置100は、光起電力装置20および表示部30を備えている。
【0043】
赤外線リモコン10は、たとえば既存の赤外線リモコンと同様に、当該リモコン10からの制御信号を、40KHzのキャリア周波数に変調して送信する。光起電力装置20は、赤外線リモコン10からの信号を検出できると共に、撮像センサーとしての機能(ジェスチャー認識機能)も有している。表示部30には、所定のチャンネルに応じた放送番組等の画像を表示することができる。
【0044】
図2は、光起電力装置20の構成を機能ブロック的に示した図である。
【0045】
図2に示すように、光起電力装置20は、センサー部21、赤外線信号処理部22、ジェスチャー信号処理部23、インターフェース24から構成されている。
【0046】
センサー部21は、外部環境を撮像(より具体的に、人のジェスチャーを検出)することができると共に、赤外線リモコン10からの信号も検出することができる。
【0047】
赤外線信号処理部22は、センサー部21で検出した赤外線リモコン10からの赤外線信号に対して、所定の周波数(たとえば40KHz)のみ透過させるフィルタリング処理、信号増幅処理、信号整形処理等を施す。そして、前記各処理後の信号を、制御信号として、インターフェース24に転送する。
【0048】
ジェスチャー信号処理部23は、センサー部21で検出したジェスチャー信号に基づき、当該検出したジェスチャー信号に対応する制御信号を生成する。たとえば、センサー部21で撮像された撮像画像信号において、輝度の変化より、周期的な動きを検出したとする。このとき、ジェスチャー信号処理部23は、当該検出結果を示す信号に基づいて、チャンネル局をアップまたはダウンさせる方向に変化させる制御信号を生成する。また、ジェスチャー信号処理部23では、受信したジェスチャー信号に基づいて、後述するモード変更制御信号を生成することもできる。なお、前述した各制御信号は、インターフェース24へと転送される。
【0049】
インターフェース24は、赤外線信号処理部22で生成された制御信号およびジェスチャー信号処理部23で生成された制御信号を、表示装置100側の制御部(図示せず)へと伝送する。また、インターフェース24は、ジェスチャーによる制御を表示装置側で行わないようにするための制御信号なども、上記制御部へと伝送する。ここで、当該制御部では、受信した前記制御信号に基づいて、チャンネルの変更、電源のオン、オフまたは後述するモード変更、ジェスチャー制御のオン・オフ等の制御を実施する。
【0050】
図3は、図2のセンサー部21の詳細構成を示す回路図である。
【0051】
図3に示すように、センサー部21は、マトリクス状に配列された複数の固体撮像セルScにより構成されている。また、各固体撮像セルScは、ジェスチャー信号が伝達するジェスチャー信号伝送ライン(第一の信号線と把握できる)L1、および赤外線信号が伝達される赤外線信号伝送ライン(第二の信号線と把握できる)L2と、電気的に接続されている。具体的に、各固体撮像セルScにおいて、固体撮像セルScの一方の出力部は、ジェスチャー信号伝送ラインL1に接続されている。他方、固体撮像セルScの他方の出力部は、赤外線信号伝送ラインL2に接続されている。
【0052】
また、各列毎に、ジェスチャー信号伝送ラインL1上には、列選択ゲートG1が配設されている。また、図3に示されているように、各赤外線信号伝送ラインL2上には、前記列選択ゲートG1に相当するトランジスタが配設されておらず、赤外線信号伝送ラインL2は、全て、電気的に接続されている。なお、ジェスチャー信号伝送ラインL1を伝送するジェスチャー信号は、図2に示したジェスチャー信号処理部23へと出力される。他方、赤外線信号伝送ラインL2を伝送する赤外線信号は、図2に示した赤外線信号処理部22へと出力される。
【0053】
図4は、図3に示した固体撮像セルScの内部構成を示す回路図である。
【0054】
図4に示すように、各固体撮像セルScは、光電変換素子PD1、撮像素子構成回路部Ma、および選択ゲート(スイッチ部と把握できる)G15により、構成されている。ここで、光電変換素子PD1は、光を電気エネルギーに変換する素子であり、たとえば埋め込みフォトダイオード等が存在する。なお、以下では、光電変換素子PD1をフォトダイオードPD1として話を進める。
【0055】
フォトダイオードPD1は、光起電力効果を利用した(換言すれば、光を電荷に変換する)半導体素子である。具体的に、フォトダイオードPD1のPN接合に光が入射すると、P領域に正孔・N領域に電子が集まり、電圧(または電流)が生じる。当該電圧(または電流)を利用して、フォトダイオードPD1は光センサーとして利用される。なお、フォトダイオードPD1では、逆方向バイアスを印加して、光電流を取り出している。
【0056】
また、図4に示すように、フォトダイオードPD1の出力は、ノードN1で分岐されている。以降、撮像素子回路部Ma(または、ジェスチャー信号伝送ラインL1)側に位置するフォトダイオードPD1の出力部を、一方の出力部と称する。これに対して、選択ゲートG15(または、赤外線信号伝送ラインL2)側に位置するフォトダイオードPD1の出力部を、他方の出力部と称する。
【0057】
撮像素子構成回路部Maは、前記フォトダイオードPD1と共に、固体撮像素子を構成する回路部である。たとえば、図4に示すように、フォトダイオードPD1と撮像素子構成回路部Maとにより、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサーが構成される。なお、図4と異なるが、フォトダイオードPD1と撮像素子構成回路部Maとにより、CCD(Charge Coupled Device)センサーが構成されても良い。
【0058】
また、図4に示すように、撮像素子構成回路部Maは、フォトダイオードPD1の一方の出力部とジェスチャー信号伝送ラインL1との間に配設されている。
【0059】
CMOSセンサーを構成する撮像素子構成回路部Maは、転送ゲートG11、リセットゲートG12、フローティングディフュージョンゲートG13、および選択ゲートG14により構成されている。
【0060】
フォトダイオードPD1に対する光(赤外線も含む)の露光量に応じて光電変換された電荷を、当該フォトダイオードPD1は蓄積する。転送ゲートG11は、フォトダイオードPD1に蓄積された電荷を、フローティングディフュージョンゲートG13に転送することができる。フローティングディフュージョンゲートG13は、フォトダイオードPD1で光電変換され、転送ゲートG11を介して転送されてきた電荷を、固定電位VDDに基づき電圧に変換することができる。選択ゲートG14は、フローティングディフュージョンゲートG13で変換された電圧を、ジェスチャー信号伝送ラインL1へ転送することができる。リセットゲートG12は、固定電位VDDを利用して、フローティングディフュージョンゲートG13およびフォトダイオードPD1の電荷をリセットすることができる。
【0061】
CMOSセンサーの動作の概略について説明する。
【0062】
まず、リセットゲートG12および転送ゲートG11を共にオン状態にする。これにより、フォトダイオードPD1に蓄積された電荷およびフローティングディフュージョンゲートG13に転送された電荷をリセットすることができる。次に、リセットゲートG12および転送ゲートG11を共にオフ状態にする。これにより、光が照射されたフォトダイオードPD1には、電荷が蓄積され始める。
【0063】
フォトダイオードPD1の電荷蓄積開始から所定の時間が経過したとき、転送ゲートG11をオンにする。これにより、フォトダイオードPD1に蓄えられている電荷が、全て転送ゲートG11を介して、フローティングディフュージョンゲートG13に完全転送される。そして、読み出しまでの待機時間経過後に、選択ゲートG14をオンにする。これにより、フローティングディフュージョンゲートG13に転送された電荷に応じた、電圧信号がジェスチャー信号伝送ラインL1へ出力される。
【0064】
次に、選択ゲートG15について説明する。
【0065】
選択ゲートG15は、図4に示すように、上述したフォトダイオードPD1の他方の出力部と赤外線信号伝送ラインL2との間に、配設されている。選択ゲートG15のスイッチング状態に応じて、フォトダイオードPD1で発生した電荷を、撮像素子構成回路部Maを介してジェスチャー信号伝送ラインL1側(上記フォトダイオードPD1の一方の出力部側)に出力するか、上記赤外線信号伝送ラインL2側(上記フォトダイオードPD1の他方の出力部側)に出力されるかを切り替えることができる。
【0066】
選択ゲートG15がオフ状態であるときには、フォトダイオードPD1の出力部から出力される電荷(フォトダイオードPD1で蓄積された電荷)は、撮像素子構成回路部Maを介して、ジェスチャー信号伝送ラインL1側に出力される。
【0067】
これに対して、選択ゲートG15がオン状態であるときには、フォトダイオードPD1の出力部から出力される電荷(フォトダイオードPD1で発生した電荷)は、赤外線信号伝送ラインL2側に出力される。つまり、選択ゲートG15がオン状態であるときには、フォトダイオードPD1で発生した電荷は、赤外線信号伝送ラインL2へと転送される。
【0068】
なお、選択ゲートG15がオン状態であるときには、転送ゲートG11はオフ状態である。
【0069】
よって、選択ゲートG15がオフ状態であるときには、固体撮像セルScは、図5に示す回路と等価となる。図5に示す等価回路構成となるときの固体撮像セルScを、便宜上、撮像用フォトダイオードと称する。また、選択ゲートG15がオン状態であるときには、固体撮像セルScは、図6に示す回路と等価となる。図6に示す等価回路構成となるときの固体撮像セルScを、便宜上、リモコン用フォトダイオードと称する。
【0070】
ところで、光起電力装置20は、アイドリングモード(第一のモードと把握できる)および詳細検出モード(第二のモードと把握できる)を有しており、光起電力装置20は、上記各モードへの切替を行うことができる。
【0071】
アイドリングモードとは、センサー部21において、第一のセル群と第二のセル群とが混在しているモードである。
【0072】
ここで、第一のセル群は、マトリクス状に配設されている複数の固体撮像セルScの内の幾つかで構成されており、当該第一のセル群に属する各固体撮像セルScは、図5に示す等価回路構成を有している。つまり、当該第一のセル群に属する各固体撮像セルScでは、選択ゲートG15がオフ状態であり、フォトダイオードPD1から出力される電荷が、撮像素子構成回路部側(ジェスチャー信号伝送ラインL1側)に伝送される。
【0073】
また、第二のセル群は、上記第一のセル群に属する固体撮像セルSc以外で構成される。したがって、第二のセル群に属する各固体撮像セルScは、図6に示す等価回路構成を有している。つまり、当該第二のセル群に属する各固体撮像セルScでは、選択ゲートG15はオン状態であり、フォトダイオードPD1から出力される電荷が、赤外線信号伝送ラインL2側に伝送される。
【0074】
センサー部21において第一のセル群と第二のセル群とが混在する、アイドリングモード時の構成の一例を図7に示す。図7において、斜線の固体撮像セルSc(図5の等価回路構成を有するセル)が、第一のセル群に属するセルである。また、図7において、砂地の固体撮像セルSc(図6の等価回路構成を有するセル)が、第二のセル群に属するセルである。図7の例では、アイドリングモードにおいて、第一のセル群に属する各固体撮像セルSc(図5の等価回路構成を有するセル)と、第二のセル群に属する各固体撮像セルSc(図6の等価回路構成を有するセル)とは、市松模様状に配設されている。
【0075】
なお、図7の回路構成と等価の回路構成を図8に示す。図8において、斜線の固体撮像セルSc)が、第一のセル群に属するセルであり、砂地の固体撮像セルScが、第二のセル群に属するセルである。図7、8に示すように、また上述したように、全ての固体撮像セルScにおいて、フォトダイオードPD1の他方の出力部同士は、赤外線信号伝送ラインL2により、共通に、電気的に接続されている。
【0076】
光起電力装置20が、所定の条件を満たすと判断したとき、上記アイドリングモードから、詳細検出モードへと移行する。
【0077】
詳細検出モードとは、センサー部21において、全ての固体撮像セルScが上記第一のセル群に属する場合である。つまり、詳細検出モードでは、全ての固体撮像セルScが図5に示す等価回路構成を有する。よって、詳細検出モードでは、全ての固体撮像セルScでは、選択ゲートG15がオフ状態であり、フォトダイオードPD1から出力される電荷が、撮像素子構成回路部側(ジェスチャー信号伝送ラインL1側)に伝送される。
【0078】
センサー部21において、全ての固体撮像セルScが第一のセル群に属する、詳細検出モード時の構成を図9に示す。図9において、斜線の固体撮像セルSc(図5の等価回路構成を有するセル)が、第一のセル群に属するセルである。
【0079】
なお、図9の回路構成と等価の回路構成を図10に示す。図10において、斜線の固体撮像セルScが、第一のセル群に属するセルである。
【0080】
また、所定の条件として、たとえば、アイドリングモード時において、第一のセル群に属する各固体撮像セルScによる撮像結果から得られる撮像データにおける、輝度の周期的変化を採用できる。なお、アイドリングモードから詳細検出モードへは手動により移行するように、表示装置100を構成しても良い。
【0081】
次に、図11に示すフローチャートに基づいて、アイドリングモードから詳細検出モードへの移行動作について説明する。
【0082】
表示装置100は、アイドリングモードである(ステップS1)。当該アイドリングモードのときには、図7,8に示す回路構成となる。つまり、第一のセル群に属する固体撮像セルScは、ユーザのジェスチャーを検出し、第二のセル群に属する固体撮像セルScは、赤外線リモコン10からの赤外線信号を検出する。また、第一のセル群に属する固体撮像セルScが検出したジェスチャー信号は、ジェスチャー信号伝送ラインL1を介して、ジェスチャー信号処理部23へと伝送され、第二のセル群に属する固体撮像セルScが検出した赤外線信号は、赤外線信号伝送ラインL2を介して、赤外線信号処理部22へと伝送される。各処理部22,23において、各信号は所定の処理が実施された後、インターフェース24から各信号に対応する制御信号が表示装置100の制御部へと伝送される。したがって、アイドリングモードのときには、表示装置100は、ユーザのジェスチャーの検出、および赤外線リモコン10から赤外線信号の検出(赤外線信号に基づく制御とも把握できる)が実施される。
【0083】
次に、表示装置100が所定の条件を検出したか否かを判断する(ステップS2)。たとえば、第一のセル群に属する固体撮像セルScにより撮像された撮像画像(撮像データ)において、ユーザのジェスチャーにより、周期的に輝度の変化を検出したか否かを判断する(ステップS2)。当該ステップS2の判断は、たとえばジェスチャー信号処理部23において実施される。
【0084】
表示装置100が所定の条件を検出しなかったときには(ステップS2で「No」)、ステップS2の判断を繰り返し実行する。これに対して、表示装置100が所定の条件を検出したときには(ステップS2で「Yes」)、アイドリングモードから詳細検出モードへと移行する(ステップS3)。たとえば、上記所定の条件を検出したジェスチャー信号処理部23は、モード変更命令である制御信号を生成し、インターフェース24を介して、表示装置100側の制御部へと伝送する。当該制御信号を受信した制御部は、センサー部21を構成する全ての固体撮像セルScにおいて、選択ゲートG15をオフにする制御を実施する。つまり、当該制御部の制御の下、センサー部21は、図7,8に示した構成から、図9,10に示した構成へと移行される。
【0085】
図8と図10との比較からも分かるように、詳細検出モードでは全ての固体撮像セルScが撮像用フォトダイオードとなるので、当該詳細検出モードにおける撮像の解像度は、アイドリングモードにおける撮像の解像度よりも高くなる。たとえば、図8,10を比較すると、第一のモードから第二のモードへと切り替わることにより、センサー部21のダイサイズを大きくすること無く、画像認識に必要な解像度を約2倍程度向上させることができる。したがって、当該詳細検出モードのときには、センサー部21は、ユーザのより詳細なジェスチャーをも検出することができる。
【0086】
次に、詳細検出モード状態のセンサー部21で検出されたジェスチャーに基づき、表示装置100は所定の操作が制御される(ステップS4)。
【0087】
たとえば、詳細検出モードにおいて、センサー部21で撮像された撮像画像信号(撮像データ)における輝度の変化より、周期的な動きを、ジェスチャー信号処理部23が検出したとする。このとき、ジェスチャー信号処理部23は、当該検出結果に基づいて、チャンネル局をアップまたはダウンさせる方向に変化させる制御信号を生成する。
【0088】
その後、前述した各制御信号は、インターフェース24を介して、表示装置100の制御部へと転送される。制御信号を受信した当該制御部では、受信した制御信号に基づいて、表示装置100のチャンネルを変更する制御を実施する。
【0089】
次に、ジェスチャー信号処理部23は、詳細検出モード時にセンサー部21で撮像された撮像画像信号(撮像データ)における輝度の変化より、ジェスチャーが終了したか否かを判定する(ステップS5)。
【0090】
ジェスチャーが終了していないと判断した場合には(ステップS5で「No」)、表示装置100はステップS4の処理を継続する。
【0091】
これに対して、ジェスチャーが終了したと判断した場合には(ステップS5で「Yes」)、詳細検出モードからアイドリングモードへと戻る(ステップS6)。たとえば、上記ジェスチャーの終了を検出したジェスチャー信号処理部23は、モード変更命令である制御信号を生成し、インターフェース24を介して、表示装置100側の制御部へと伝送する。当該制御信号を受信した制御部は、センサー部21を構成する固体撮像セルScの内、所定の固体撮像セルに対して、選択ゲートG15をオンに切り替える制御を実施する。つまり、当該制御部の制御の下、センサー部21は、図9,10に示した構成から、たとえば図7,8に示した構成へと移行される。当該アイドリングモード時の表示装置100は、上記の通り、人のジェスチャーを検出することも赤外線リモコン10からの赤外線信号を検出することもできる。なおアイドリングモード時には、上記の通り、表示装置100は、赤外線リモコン10の操作に基づく制御が可能となる。
【0092】
以上のように、本実施の形態に係る固体撮像セルScでは、図4に示すように、撮像素子構成回路部Maと、スイッチ部と把握できる選択ゲートG15とを備えている。ここで、選択ゲートG15は、フォトダイオードPD1の出力部から出力される電荷を、ジェスチャー信号伝送ラインL1側に出力するか、赤外線信号伝送ラインL2側に出力するかの切替を行うことができる。そして、当該固体撮像セルScを複数備えてることにより、光起電力装置20は構成されている。
【0093】
したがって、撮像機能に特化した素子とその他の機能(赤外線検出機能)に特化した素子とを、一つの固体撮像セルSc内に設けることができる。よって、当該固体撮像セルSc(光起電力装置20)は、撮像センサーとして機能できると共に、既存の赤外線リモコン10からの赤外線信号も正確に検出できるセンサーとしても機能できる。
【0094】
また、撮像素子構成回路部Maは、フォトダイオードPD1と共に、CMOSセンサーを構成している(図4参照)。したがって、簡便な回路構成でありおよび低コストである、実用性に優れた光起電力装置を提供することができる。
【0095】
また、光起電力装置20は、第一のモードを有している。そして、第一のセル群に属する各固体撮像セルScでは、フォトダイオードPD1から出力される電荷が、ジェスチャー信号伝送ラインL1側に伝送され、第二のセル群に属する各固体撮像セルScでは、フォトダイオードPD1から出力される電荷が、赤外線信号伝送ラインL2側に伝送される。
【0096】
したがって、選択ゲートG15の簡単なスイッチ操作により実現可能な第一のモード時には、光起電力装置20は、たとえば人のジェスチャーを検知する検出部およびたとえば赤外線リモコン10からの信号を検知する検出部としても機能させることができる。
【0097】
また、光起電力装置20が所定の条件を満たすと判断したとき、第二のモードへと移行する。したがって、簡単な選択ゲートG15のスイッチ動作により、全ての固体撮像セルScを撮像センサーに特化したセルとして機能させることができる。よって、所定の条件を満たすときには、第一のモードよりも高解像度の撮像が可能となる第二のモードへと移行できる。
【0098】
また、光起電力装置20において、複数の固体撮像セルScは、マトリクス状に配設されており、第一のモードにおいて、第一のセル群に属する各固体撮像セルScと、第二のセル群に属する各固体撮像セルScとは、市松模様状に配設されている(図7,8参照)。
【0099】
したがって、光起電力装置20(具体的には、センサー部20)の何れの領域に赤外線信号が入射されたとしても、赤外線信号を所定の領域に導く特別な部材を要する事無く、確実に当該赤外線信号を検出できることができる。
【0100】
また、上述した、光起電力装置20が所定の条件を満たすと判断したときというのは、第一のセル群に属する各固体撮像セルScによる撮像結果から得られる撮像データにおける、輝度の周期的変化があると判断したときである。
【0101】
撮像データにおける輝度の周期的変化は、主に人のジェスチャー操作の際に発生する。したがって、所定の条件を上記のように設定することにより、人のジェスチャーを感知したときに、光起動電力装置20は、より高解像度の第二のモードへと移行することができる。
【0102】
また、図3等に示すように、光起電力装置20は、全ての固体撮像セルScにおいて、フォトダイオードPD1の他方の出力部同士は、赤外線信号伝送ラインL2により、共通に、電気的に接続されている。
【0103】
したがって、たとえば幾つかの固体撮像セルScを赤外線信号検知用として機能させる場合、当該第一のモードにおける赤外線信号伝送ラインL2に、たとえば図12に示すような、一組の赤外線受光信号前処理回路(ゲイン調整アンプApやキャリア(40KHz)のバンドパスフィルタFt等)を設けることで行える。なお、図12の構成において、ゲイン調整アンプApから出力される赤外線リモコン10からの信号は、その後デコードされる。
【0104】
また、赤外線リモコン10からの信号に対する可視光によるノイズの影響を低減するために、一般的な赤外線リモコンで使用されている赤外線波長800nmから980nmを透過させることができる近赤外線透過フィルタを、前記第二のセル群前面にのみ、配設しても良い。
【0105】
また、図示は省略するが、一般的な赤外線リモコンで使用されている赤外線波長800nmから980nmと、人の体温より生じる赤外線波長4μmから20μmに感度を有する光電変換素子であれば、800nmから980nmまでの赤外線信号および4μmから20μmまで赤外線信号を透過させることができる赤外線透過フィルタを、上述した光起電力装置20の前面の全面に配設しても良い。
【0106】
当該赤外線透過フィルタを設けることにより、信号のデコード処理前に、赤外線リモコン10の信号および人の体温からの赤外線信号のみを抽出でき、余分なノイズ信号を除去することができる。これにより、各種信号の検出感度を向上できる。
【0107】
なお、上述した光起電力装置20と、光起電力装置20からインターフェース24を通して送信される各種制御信号に基づいた制御を実施する制御部と、画像の表示を行う表示部30とを、備える表示装置100を構成する。
【0108】
これにより、赤外線リモコン10による制御および人のジェスチャーによる制御の両方が、精度良く実行される表示装置100を提供できる。
【0109】
つまり、表示装置100に組み込まれるセンサー部21を構成する各固体撮像セルScは、選択ゲートG15のスイッチングに応じて、撮像用フォトダイオードとして機能できると共に、リモコン用フォトダイオードとしても機能できる。したがって、既存システムの上位互換(upper compatibility)の形態をとることで、表示装置100全体の構成の単純化とコストの抑制を図ることができる。
【0110】
なお、第一のモード時において、上記リモコン用フォトダイオードとして機能する固体撮像セルScを、幾つかのグループにグループ分けしても良い。そして、たとえば、第一のグループに属する固体撮像セルScをジェスチャー認識の補助のために活用し、第二のグループに属する固体撮像セルScを赤外線リモコン10から送信される信号の方向を検出するために活用する形態も採用できる。
【0111】
たとえば、各グループ毎に、バックエンド処理を行う各種検出器等を配設する構成をとることができる。なお、一の高速読み出し可能なシリアル変換処理を行う時分割処理装置を、各グループ共通に配設しても良い。
【0112】
なお、上記リモコン用フォトダイオードとして機能する固体撮像セルScにおいて検出した信号の読み出し速度は、撮像用フォトダイオードとして機能する固体撮像セルScにおいて検出した信号の読み出し速度よりも、高速または低速にすることも可能である。このため、上記グループ分けした各グループを、動き検出アルゴリズムや感度補償アルゴリズムなど、必要に応じて使い分けすることができる。
【0113】
また、赤外線リモコン10からの信号に対する感度・精度を高めるために、前記第一のセル群からの情報と、前記第二のセル群からの情報とを複合的に処理し、赤外線リモコンの検出精度を高めても良い。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明に係る表示装置100の全体構成を示す図である。
【図2】光起電力装置の構成を示すブロック図である。
【図3】センサー部の構成を示す図である。
【図4】固体撮像セルの構成を示すブロック図である。
【図5】固体撮像セルScが撮像用フォトダイオードとして機能する場合の構成示す回路図である。
【図6】固体撮像セルScがリモコン用フォトダイオードとして機能する場合の構成示す回路図である。
【図7】第一のモード時におけるセンサー部の構成を示す図である。
【図8】第一のモード時におけるセンサー部の構成の等価図である。
【図9】第二のモード時におけるセンサー部の構成を示す図である。
【図10】第二のモード時におけるセンサー部の構成の等価図である。
【図11】モード移行の流れを示すフロー図である。
【図12】ジェスチャー信号伝送ラインにフィルタおよびアンプが配設される様子を示す図である。
【符号の説明】
【0115】
10 赤外線リモコン
20 光起電力装置
21 センサー部
22 赤外線信号処理部
23 ジェスチャー信号処理部
24 インターフェース
30 表示部
100 表示装置
Sc 固体撮像セル
L1 ジェスチャー信号伝送ライン
L2 赤外線信号伝送ライン
PD1 光電変換素子(フォトダイオード)
Ma 撮像素子構成回路部
G15 選択ゲート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子と、
前記光電変換素子と共に固体撮像素子を構成しており、前記光電変換素子の一方の出力部と第一の信号線との間に配設される撮像素子構成回路部と、
前記光電変換素子の出力部から出力される電荷を、前記第一の信号線側に出力するか、前記光電変換素子の他方の出力部と接続される第二の信号線側に出力するかの切替を行うことができる、スイッチ部とを、備えている、
ことを特徴とする固体撮像セル。
【請求項2】
光電変換素子と、
前記光電変換素子と共に固体撮像素子を構成しており、前記光電変換素子の一方の出力部と第一の信号線との間に配設される撮像素子構成回路部と、
前記光電変換素子から出力される電荷を、前記第一の信号線側に伝送するか、前記光電変換素子の他方の出力部と接続される第二の信号線側に伝送するかの切替を行うことができる、スイッチ部とを、有する、
固体撮像セルを、複数備えている、
ことを特徴とする光起電力装置。
【請求項3】
前記撮像素子構成回路部は、
前記光電変換素子と共に、CMOSセンサーを構成している、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力装置。
【請求項4】
前記複数の固体撮像セルの内の幾つかで構成される第一のセル群と、前記複数の固体撮像セルの内のその他で構成される第二のセル群とが混在する、第一のモードを有しており、
前記第一のセル群に属する各前記固体撮像セルでは、
前記スイッチ部の切替により、前記光電変換素子から出力される電荷が、前記第一の信号線側に伝送され、
前記第二のセル群に属する各前記固体撮像セルでは、
前記スイッチ部の切替により、前記光電変換素子から出力される電荷が、前記第二の信号線側に伝送される、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光起電力装置。
【請求項5】
前記光起電力装置が、所定の条件を満たすと判断したとき、
前記第一のモードから、
全ての前記固体撮像セルにおいて、前記スイッチ部の切替により、前記光電変換素子から出力される電荷が前記第一の信号線に伝送される、第二のモードへと移行する、
ことを特徴とする請求項4に記載の光起電力装置。
【請求項6】
前記複数の固体撮像セルは、
マトリクス状に配設されており、
前記第一のモードにおいて、
前記第一のセル群に属する各前記固体撮像セルと、前記第二のセル群に属する各前記固体撮像セルとは、市松模様状に配設されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の光起電力装置。
【請求項7】
前記所定の条件を満たすと判断したときとは、
前記第一のセル群に属する各前記固体撮像セルによる撮像結果から得られる撮像データにおける、輝度の周期的変化があると判断したときである、
ことを特徴とする請求項5に記載の光起電力装置。
【請求項8】
全ての前記固体撮像セルにおいて、前記光電変換素子の前記他方の出力部同士は、
前記第二の信号線により、共通に、電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光起電力装置。
【請求項9】
800nmから980nmまでの赤外線信号および4μmから20μmまで赤外線信号を透過させることができる赤外線透過フィルタを、さらに備えている、
ことを特徴とする請求項2に記載の光起電力装置。
【請求項10】
赤外線リモコンによる遠隔操作が可能な機器であって、
請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の光起電力装置と、
前記光起電力装置からの制御信号に基づいた、動作制御を行う制御部とを、備えている、
ことを特徴とする機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−194633(P2009−194633A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−33107(P2008−33107)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】