固体酸化物燃料電池
カソード、少なくとも一つの電解質膜及びコバルト及び鉄の少なくとも一つを含むセラミックを含有するアノードを含む固体燃料電池であって、前記セラミックがドープしたセリアと混合されている固体酸化物燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は固体酸化物燃料電池及び固体酸化物燃料電池によりエネルギーを産出する方法に関する。
固体酸化物燃料電池(SOFC)は高効率及び低汚染物質放出で化学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する。“生エネルギー(green energy)”の導入は魅力的なシナリオであるかのように見えるかもしれないがその実施は技術的及び経済的な困難が付きまとう。
【0002】
固体酸化物燃料電池用の通常のアノード材料はニッケル(Ni)サーメット(cermets、セラミックと金属の複合材料)をイットリアで安定化したジルコニア(YSZ)またはガドリニアでドープしたセリア(CGO)等のセラミック粉末と共に含有する。ニッケルサーメットは水素燃料で役割を果たし、十分な水がカソードへ供給される場合、炭化水素の内部水蒸気改質を可能とする。国際公開WO 00/52780(Gas Research Instituteの名義)で示されているように、ニッケルが乾燥メタン中で黒鉛繊維の形成を触媒するので、3を超える水蒸気対メタンの比率でアノードを操作する必要がある。
【0003】
サーメットアノードの金属成分としてニッケルを用いると有利であるがその性能は、特に乾燥炭化水素を燃料とする場合、黒鉛の形成のために短時間で低下する。
更に、ニッケルサーメットはレドックス耐性が乏しいために多くの中及び小規模の応用が妨げられている。このように、S.Tao及びJ.T.S Irvineの、Natural Materials、2、320-323、2003により報告されているように代替のアノード系を見出すことにかなりの関心がある。
【0004】
この論文は、固体酸化物燃料電池用のレドックス安定で効率のよいアノードに関するもので、クロムとバナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅等の1種以上の他の遷移元素(M)に基づき組成物(La、Sr)2M1-xCr1+xO6-δを形成する複合ペロブスカイト類を研究するものである。約50%のコバルト、ニッケルまたは銅を含む試料は金属の大変際立った離溶を伴い燃料条件下では不安定であった。これらの酸化物が燃料条件下で金属へ還元するために不安定であることは驚くべきことではない。酸化鉄(II)(FeO)の安定限界は燃料条件に非常に近接しているが酸化マンガン(MnO)は燃料条件下で明らかに安定である。LSCM(La0.75Sr0.25Cr0.5Mn0.5O3)がニッケル-イットリア安定化ジルコニア(YSZ)サーメットに匹敵する水素中の性能を有するニッケルを含まない単相アノードとして示されている。このサーメットと対照的に、該電極は過剰の水蒸気(CH4+3%H2O)の不存在下高温でメタンの電気酸化(electro-oxidation)に対して活性である。
【0005】
ペロブスカイト型材料は固体酸化物燃料電池用のカソード材料として有効であることは当技術分野では知られている。例えば、V.V.Khartonら、Journal of Materials Science、36 (2001)、1105-1117はペロブスカイト型La0.8Sr0.2Fe0.8Co0.2O3-δのカソードと接触するCGO20(20モル%のガドリニアでドープしたセリア)電解質膜の電気化学的活性を開示している。
【0006】
本出願人は、種々の燃料、特にメタンを含む実質的に乾燥した炭化水素で操作する固体酸化物燃料電池を提供する問題に直面した。このような固体酸化物燃料電池は900℃乃至1,000℃で操作するために要求される材料よりも安価な材料の使用を可能とするために低温、例えば600℃乃至800℃で操作されるべきである。最後に大事なことを1つ言えば、任意の規模の用途のための長期性能(レドックス安定性)が望ましい。
【0007】
本出願人は、アノード材料として鉄/コバルトセラミックがドープしたセリアと混合されて用いられるとき、耐久効率と乾燥炭化水素を含有する異なる燃料で産出されるエネルギーとの望ましい特質を有する固体酸化物燃料電池が提供されることを見出した。
【0008】
このように、本発明はカソード、アノード及び前記カソード及び前記アノードの間に配置された少なくとも一つの電解質膜を含む固体酸化物燃料電池であって、前記アノードがコバルト及び鉄の少なくとも一つを含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されている固体酸化物燃料電池に関するものである。
【0009】
好ましくは、前記セラミックはペロブスカイト型構造またはペロブスカイト型関連構造を有する。
好ましくは、本発明のアノードはコバルト及び鉄を含むセラミックを含有する。
【0010】
本発明のアノードに有用なセラミックの例は、式
M2-xSrxFe2-yCoyO5±δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至2の間で0及び2を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である);または
MxSr1-xFe1.5-yCoyO3+δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至0.7の間で0及び0.7を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有することができる。
【0011】
本発明のアノード用のセラミックはLa0.8Sr0.2FeO3であり得る。
また、本発明によるセラミックは、例えば一般式:La1-xSrxCo1-yFeyO3-δ(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で0及び1を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有するランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物であり得る。
【0012】
式:La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3-δ(以下LSCF-80として言及される)のランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物が好ましい。
好ましくは、本発明のアノードは金属を含まない。金属を含まないとは、アノードに存在する元素はいずれも金属形態でないことを意図する。
【0013】
好ましくは、該アノード中のセラミック対ドープしたセリアの比率は約50:50乃至約95:5の範囲、より好ましくは約60:40乃至約80:20の範囲にある。
本発明において有用なドープしたセリアの例は、ガドリニアでドープしたセリア及びサマリアでドープしたセリアである。また、セリアはランタン、イッテルビウム、イットリウム、カルシウム、テルビウム、ネオジム及びジスプロシウムから選択された陽イオンでドープすることができる。
【0014】
該ドープしたセリアは好ましくは約20モル%の量でドープされる。これに関連して好ましいものはCe0.8Gd0.2O1.90(以下CGO-20として言及される)である。
好ましくは、本発明のドープしたセリアはサブミクロンの粒子サイズを有する。より具体的には前記粒子サイズは100nm未満である。
【0015】
本発明の固体酸化物燃料電池用のカソードは、例えば、La1-xSrxMnO3-δ(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で0及び1を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である) 例えば、La0.6Sr0.4MnO3或いは上に開示したごときLa1-xSrxCo1-yFeyO3-δ等のセラミックを、随意的にドープしたセリアと組合わせて含有することが出来る。好ましくは、該カソード用のこのようなセラミックはペロブスカイト型構造またはペロブスカイト型関連構造である。
【0016】
本発明の電解質膜はアノードに関連して列挙したものから選択したドープしたセリアを含有することが出来る。
該電解質が支持しない、すなわち電極で支持された、固体酸化物燃料電池の固体酸化物燃料電池配置において、該電解質膜は任意の好ましいセラミック材料、例えば上で述べたドーブしたセリアまたはイットリアで安定化したジルコニア(YSZ)を含有することができる。
【0017】
別の側面において、本発明は、
少なくとも1種の燃料をコバルト及び鉄の少なくとも1種を含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されているアノード、カソード及び前記アノード及び前記カソードの間に配置された少なくとも1種の電解質膜を含有する固体酸化物燃料電池のアノード側へ供給し;
酸化剤を前記固体酸化物燃料電池のカソード側へ供給し;そして
前記少なくとも1種の燃料を前記固体酸化物燃料電池中で酸化してエネルギーを産出する
工程を含有するエネルギーの産出方法に関する。
【0018】
好ましくは、該少なくとも1種の燃料は水素;酸化炭素;アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール;ガス状炭化水素、例えば水の存在下のまたは実質的に乾燥したメタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、改質ガス、バイオガス、合成ガス及びそれらの混合物;液状炭化水素、例えばディーゼル、トルエン、ケロシン、ジェット燃料(JP-4、JP-5、JP-8等)から選択される。本発明に好ましいものは実質的に乾燥したメタンである。
【0019】
“実質的に乾燥した”とは、該水分含量が100ppm未満を意図する。
本発明の方法は適切量の水が水素以外の燃料と組合わせて用いられた場合、アノード側で内部改質相を提供することができる。
【0020】
以下で本発明を次の実施例及び図により更に説明する。
図1は模式的にアノード1、カソード2及び電解質膜3を含有する固体酸化物燃料電池を示す。矢印は操作中のアノードからカソードへの電子の流れを示す。
【0021】
実施例1
LSCF-CGO-LSCF/CGO
次の構造及び組成を有する固体酸化物電池を作製して試験した。
カソード:組成:LSCF-80
厚さ:〜20μm
電解質膜:組成:CGO-20
厚さ:300μm
アノード:組成:30重量%のCGO-20 + 70重量%のLSCF-80
厚さ:〜20μm
1. 電解質の調製
(a) CGO-20粉末合成
250mlの水中の12.6gのシュウ酸 (Aldrich、99.999%)溶液を水酸化ナトリウム(0.1M)(Aldrich)でpHを6.5とした。8.0gのCe(NO3)3・6H2O(Aldrich、99.99%)及び2.078gのGd(NO3)3・6H2O(Aldrich、99.99%)を50mlの水に添加し、完全に溶解するまで攪拌した。この陽イオン溶液を該シュウ酸溶液へ滴下して、比が1モルCe3+:〜6モルのH2C2O4及び1モルGd3+:〜6モルのH2C2O4を与えた。生成した沈殿物をろ過し、水で3回洗浄し、そして100℃で4時間乾燥した。洗浄に用いた水のpHは6.5までであった。乾燥した粉末を粉砕し、700℃で4時間結晶化した。CGO-20ナノ粉末(4g)が得られた。このナノ粉末は、Scherrerの式:
t = K×λ/(βcosθ)
[式中、Kは平均クリスタリットの形状係数;λは波長;β(rad)は個々の
ピークの半値全幅;そしてθ(rad)はピーク位置(2θ/2)である]
を使用する線の拡がりの測定によるX線回折図(図2)から測定された26nmの粒子サイズを有する。
(b) CGO-20電解質膜の作製
(a)のCGO-20粉末を1,050℃で1時間熱的に処理し、次いで300MPaで一軸的にプレスし、そして得られたペレットを1,450℃で6時間熱的に処理して95%を超える相対密度(実験上の密度/理論上の密度)を有する約300μmの厚さの膜を与えた。
【0022】
2. カソードの作製
LSFC-80粉末(10g;単ペロブスカイト相、一次粒子平均サイズ9nm、BET表面積:4.12m2/g、Praxair)をボールミルで10mlのエタノール中14時間均一化した。次いで、1gのスラリーをとり、15mlのエタノールを添加してそのスラリーを希釈し、超音波浴中で4時間よく分散させた。得られた溶液を400℃に保たれた該電解質膜上にエアログラフ装置で3分間噴霧した。次いで該カソード及び電極/電解質膜界面を1,100℃で2時間5℃/分の加熱及び冷却ランプ(ramp)の空気条件下で焼結した。
【0023】
3. アノードの作製
LSFC-80粉末(10g;単ペロブスカイト相、一次粒子平均サイズ9nm、BET表面積:4.12m2/g、Praxair)をめのう乳鉢中でCGO-20[1. (a)-(b)で調製した3g]と均一化した。次いで、該混合物を10mlのエタノール中で14時間ボールミルで摩砕した。 次に1gのスラリーをとり、15mlのエタノールを添加してそのスラリーを希釈し、超音波浴中で4時間よく分散させた。得られた溶液を400℃に保たれた該電解質膜上にエアログラフ装置で3分間噴霧した。次いで該電極及び電極/電解質膜界面を800℃で1時間、そしてそれから1,100℃で2時間5℃/分の加熱及び冷却ランプの空気条件下で焼結した。
【0024】
4. 分極測定
電池評価は実質的に乾燥したメタンで以って800℃の温度で操作して行った。その結果を図3に示す。図3において黒及び白抜きの四角はそれぞれ分極曲線及び出力密度曲線を示す。0.6Vで0.3A/cm2に近い電流密度を示した。到達した最大出力密度は170mW/cm2であった。
【0025】
最後に定電位電解分析測定、すなわち電池の電流密度の経時変化を800℃、0.6Vで行った。該電池は乾燥メタン及び静的空気中で140時間作動させた。出力密度ピーク140mW/cm2に達する数回の実験を行った。
【0026】
該電気化学電池を冷却した後、該アノードをその組成及び炭素の存在を確証するために分析した。X線回折分析により作動時間140時間後の該LSCF/CGO電極の有意な劣化がないことが明らかになった。図5において、図a)及びb)はそれぞれ純粋なCGO及びLSCFOの最初の粉末のX線回折を参考として示す。図5、図c)は140時間作動後のアノード材料のX線回折である。三つのX線回折図は全てグレージング角モード(0.5°入射角)を用いて分析した。このグレージング角モードは分析される材料の表面組成(劣化)に対してより敏感であり、いかなる微量の炭素の析出をもより正確に明らかにすることができる。このX線回折分析から作動時間140時間後の該アノードのLSCFO及びCGOは有意な劣化を示していないことが観察される。更に、通常2θ=26.7°に現れる炭素の析出の存在がない。更に、炭素の可能な存在を元素CHSN-O分析計(Carlo Erba)により検討した。この分析から炭素の析出は検知されなかった。これは技術の現状から見て非常重要な点である。上記S.Tao及びJ.T.S Irvineは湿潤メタン中900℃で7時間該燃料電池を作動させそして冷却した後に微量の炭素が検知されると記載している。
【0027】
従って、LSCFOの良好な混合伝導性と該CGOのイオン伝導性を組合わせるとこの複合物をT≦800℃での乾燥メタンの直接酸化用のアノードとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は固体酸化物燃料電池の模式図を示す。
【図2】図2は異なる温度で処理された実施例1で作製されたCGO-20粉末のX線回折(XRD)図を示す。
【図3】図3は本発明による電池の分極および出力密度の測定を示す。
【図4】図4は本発明による電池の定電位電解分析評価を示す。
【図5】図a)及びb)はそれぞれ純粋なCGO及びLSCFOの最初の粉末のX線回折を参考として示す。図c)は140時間作動後のアノード材料のX線回折である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は固体酸化物燃料電池及び固体酸化物燃料電池によりエネルギーを産出する方法に関する。
固体酸化物燃料電池(SOFC)は高効率及び低汚染物質放出で化学的エネルギーを電気的エネルギーに変換する。“生エネルギー(green energy)”の導入は魅力的なシナリオであるかのように見えるかもしれないがその実施は技術的及び経済的な困難が付きまとう。
【0002】
固体酸化物燃料電池用の通常のアノード材料はニッケル(Ni)サーメット(cermets、セラミックと金属の複合材料)をイットリアで安定化したジルコニア(YSZ)またはガドリニアでドープしたセリア(CGO)等のセラミック粉末と共に含有する。ニッケルサーメットは水素燃料で役割を果たし、十分な水がカソードへ供給される場合、炭化水素の内部水蒸気改質を可能とする。国際公開WO 00/52780(Gas Research Instituteの名義)で示されているように、ニッケルが乾燥メタン中で黒鉛繊維の形成を触媒するので、3を超える水蒸気対メタンの比率でアノードを操作する必要がある。
【0003】
サーメットアノードの金属成分としてニッケルを用いると有利であるがその性能は、特に乾燥炭化水素を燃料とする場合、黒鉛の形成のために短時間で低下する。
更に、ニッケルサーメットはレドックス耐性が乏しいために多くの中及び小規模の応用が妨げられている。このように、S.Tao及びJ.T.S Irvineの、Natural Materials、2、320-323、2003により報告されているように代替のアノード系を見出すことにかなりの関心がある。
【0004】
この論文は、固体酸化物燃料電池用のレドックス安定で効率のよいアノードに関するもので、クロムとバナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅等の1種以上の他の遷移元素(M)に基づき組成物(La、Sr)2M1-xCr1+xO6-δを形成する複合ペロブスカイト類を研究するものである。約50%のコバルト、ニッケルまたは銅を含む試料は金属の大変際立った離溶を伴い燃料条件下では不安定であった。これらの酸化物が燃料条件下で金属へ還元するために不安定であることは驚くべきことではない。酸化鉄(II)(FeO)の安定限界は燃料条件に非常に近接しているが酸化マンガン(MnO)は燃料条件下で明らかに安定である。LSCM(La0.75Sr0.25Cr0.5Mn0.5O3)がニッケル-イットリア安定化ジルコニア(YSZ)サーメットに匹敵する水素中の性能を有するニッケルを含まない単相アノードとして示されている。このサーメットと対照的に、該電極は過剰の水蒸気(CH4+3%H2O)の不存在下高温でメタンの電気酸化(electro-oxidation)に対して活性である。
【0005】
ペロブスカイト型材料は固体酸化物燃料電池用のカソード材料として有効であることは当技術分野では知られている。例えば、V.V.Khartonら、Journal of Materials Science、36 (2001)、1105-1117はペロブスカイト型La0.8Sr0.2Fe0.8Co0.2O3-δのカソードと接触するCGO20(20モル%のガドリニアでドープしたセリア)電解質膜の電気化学的活性を開示している。
【0006】
本出願人は、種々の燃料、特にメタンを含む実質的に乾燥した炭化水素で操作する固体酸化物燃料電池を提供する問題に直面した。このような固体酸化物燃料電池は900℃乃至1,000℃で操作するために要求される材料よりも安価な材料の使用を可能とするために低温、例えば600℃乃至800℃で操作されるべきである。最後に大事なことを1つ言えば、任意の規模の用途のための長期性能(レドックス安定性)が望ましい。
【0007】
本出願人は、アノード材料として鉄/コバルトセラミックがドープしたセリアと混合されて用いられるとき、耐久効率と乾燥炭化水素を含有する異なる燃料で産出されるエネルギーとの望ましい特質を有する固体酸化物燃料電池が提供されることを見出した。
【0008】
このように、本発明はカソード、アノード及び前記カソード及び前記アノードの間に配置された少なくとも一つの電解質膜を含む固体酸化物燃料電池であって、前記アノードがコバルト及び鉄の少なくとも一つを含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されている固体酸化物燃料電池に関するものである。
【0009】
好ましくは、前記セラミックはペロブスカイト型構造またはペロブスカイト型関連構造を有する。
好ましくは、本発明のアノードはコバルト及び鉄を含むセラミックを含有する。
【0010】
本発明のアノードに有用なセラミックの例は、式
M2-xSrxFe2-yCoyO5±δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至2の間で0及び2を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である);または
MxSr1-xFe1.5-yCoyO3+δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至0.7の間で0及び0.7を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有することができる。
【0011】
本発明のアノード用のセラミックはLa0.8Sr0.2FeO3であり得る。
また、本発明によるセラミックは、例えば一般式:La1-xSrxCo1-yFeyO3-δ(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で0及び1を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有するランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物であり得る。
【0012】
式:La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3-δ(以下LSCF-80として言及される)のランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物が好ましい。
好ましくは、本発明のアノードは金属を含まない。金属を含まないとは、アノードに存在する元素はいずれも金属形態でないことを意図する。
【0013】
好ましくは、該アノード中のセラミック対ドープしたセリアの比率は約50:50乃至約95:5の範囲、より好ましくは約60:40乃至約80:20の範囲にある。
本発明において有用なドープしたセリアの例は、ガドリニアでドープしたセリア及びサマリアでドープしたセリアである。また、セリアはランタン、イッテルビウム、イットリウム、カルシウム、テルビウム、ネオジム及びジスプロシウムから選択された陽イオンでドープすることができる。
【0014】
該ドープしたセリアは好ましくは約20モル%の量でドープされる。これに関連して好ましいものはCe0.8Gd0.2O1.90(以下CGO-20として言及される)である。
好ましくは、本発明のドープしたセリアはサブミクロンの粒子サイズを有する。より具体的には前記粒子サイズは100nm未満である。
【0015】
本発明の固体酸化物燃料電池用のカソードは、例えば、La1-xSrxMnO3-δ(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で0及び1を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である) 例えば、La0.6Sr0.4MnO3或いは上に開示したごときLa1-xSrxCo1-yFeyO3-δ等のセラミックを、随意的にドープしたセリアと組合わせて含有することが出来る。好ましくは、該カソード用のこのようなセラミックはペロブスカイト型構造またはペロブスカイト型関連構造である。
【0016】
本発明の電解質膜はアノードに関連して列挙したものから選択したドープしたセリアを含有することが出来る。
該電解質が支持しない、すなわち電極で支持された、固体酸化物燃料電池の固体酸化物燃料電池配置において、該電解質膜は任意の好ましいセラミック材料、例えば上で述べたドーブしたセリアまたはイットリアで安定化したジルコニア(YSZ)を含有することができる。
【0017】
別の側面において、本発明は、
少なくとも1種の燃料をコバルト及び鉄の少なくとも1種を含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されているアノード、カソード及び前記アノード及び前記カソードの間に配置された少なくとも1種の電解質膜を含有する固体酸化物燃料電池のアノード側へ供給し;
酸化剤を前記固体酸化物燃料電池のカソード側へ供給し;そして
前記少なくとも1種の燃料を前記固体酸化物燃料電池中で酸化してエネルギーを産出する
工程を含有するエネルギーの産出方法に関する。
【0018】
好ましくは、該少なくとも1種の燃料は水素;酸化炭素;アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール;ガス状炭化水素、例えば水の存在下のまたは実質的に乾燥したメタン、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、改質ガス、バイオガス、合成ガス及びそれらの混合物;液状炭化水素、例えばディーゼル、トルエン、ケロシン、ジェット燃料(JP-4、JP-5、JP-8等)から選択される。本発明に好ましいものは実質的に乾燥したメタンである。
【0019】
“実質的に乾燥した”とは、該水分含量が100ppm未満を意図する。
本発明の方法は適切量の水が水素以外の燃料と組合わせて用いられた場合、アノード側で内部改質相を提供することができる。
【0020】
以下で本発明を次の実施例及び図により更に説明する。
図1は模式的にアノード1、カソード2及び電解質膜3を含有する固体酸化物燃料電池を示す。矢印は操作中のアノードからカソードへの電子の流れを示す。
【0021】
実施例1
LSCF-CGO-LSCF/CGO
次の構造及び組成を有する固体酸化物電池を作製して試験した。
カソード:組成:LSCF-80
厚さ:〜20μm
電解質膜:組成:CGO-20
厚さ:300μm
アノード:組成:30重量%のCGO-20 + 70重量%のLSCF-80
厚さ:〜20μm
1. 電解質の調製
(a) CGO-20粉末合成
250mlの水中の12.6gのシュウ酸 (Aldrich、99.999%)溶液を水酸化ナトリウム(0.1M)(Aldrich)でpHを6.5とした。8.0gのCe(NO3)3・6H2O(Aldrich、99.99%)及び2.078gのGd(NO3)3・6H2O(Aldrich、99.99%)を50mlの水に添加し、完全に溶解するまで攪拌した。この陽イオン溶液を該シュウ酸溶液へ滴下して、比が1モルCe3+:〜6モルのH2C2O4及び1モルGd3+:〜6モルのH2C2O4を与えた。生成した沈殿物をろ過し、水で3回洗浄し、そして100℃で4時間乾燥した。洗浄に用いた水のpHは6.5までであった。乾燥した粉末を粉砕し、700℃で4時間結晶化した。CGO-20ナノ粉末(4g)が得られた。このナノ粉末は、Scherrerの式:
t = K×λ/(βcosθ)
[式中、Kは平均クリスタリットの形状係数;λは波長;β(rad)は個々の
ピークの半値全幅;そしてθ(rad)はピーク位置(2θ/2)である]
を使用する線の拡がりの測定によるX線回折図(図2)から測定された26nmの粒子サイズを有する。
(b) CGO-20電解質膜の作製
(a)のCGO-20粉末を1,050℃で1時間熱的に処理し、次いで300MPaで一軸的にプレスし、そして得られたペレットを1,450℃で6時間熱的に処理して95%を超える相対密度(実験上の密度/理論上の密度)を有する約300μmの厚さの膜を与えた。
【0022】
2. カソードの作製
LSFC-80粉末(10g;単ペロブスカイト相、一次粒子平均サイズ9nm、BET表面積:4.12m2/g、Praxair)をボールミルで10mlのエタノール中14時間均一化した。次いで、1gのスラリーをとり、15mlのエタノールを添加してそのスラリーを希釈し、超音波浴中で4時間よく分散させた。得られた溶液を400℃に保たれた該電解質膜上にエアログラフ装置で3分間噴霧した。次いで該カソード及び電極/電解質膜界面を1,100℃で2時間5℃/分の加熱及び冷却ランプ(ramp)の空気条件下で焼結した。
【0023】
3. アノードの作製
LSFC-80粉末(10g;単ペロブスカイト相、一次粒子平均サイズ9nm、BET表面積:4.12m2/g、Praxair)をめのう乳鉢中でCGO-20[1. (a)-(b)で調製した3g]と均一化した。次いで、該混合物を10mlのエタノール中で14時間ボールミルで摩砕した。 次に1gのスラリーをとり、15mlのエタノールを添加してそのスラリーを希釈し、超音波浴中で4時間よく分散させた。得られた溶液を400℃に保たれた該電解質膜上にエアログラフ装置で3分間噴霧した。次いで該電極及び電極/電解質膜界面を800℃で1時間、そしてそれから1,100℃で2時間5℃/分の加熱及び冷却ランプの空気条件下で焼結した。
【0024】
4. 分極測定
電池評価は実質的に乾燥したメタンで以って800℃の温度で操作して行った。その結果を図3に示す。図3において黒及び白抜きの四角はそれぞれ分極曲線及び出力密度曲線を示す。0.6Vで0.3A/cm2に近い電流密度を示した。到達した最大出力密度は170mW/cm2であった。
【0025】
最後に定電位電解分析測定、すなわち電池の電流密度の経時変化を800℃、0.6Vで行った。該電池は乾燥メタン及び静的空気中で140時間作動させた。出力密度ピーク140mW/cm2に達する数回の実験を行った。
【0026】
該電気化学電池を冷却した後、該アノードをその組成及び炭素の存在を確証するために分析した。X線回折分析により作動時間140時間後の該LSCF/CGO電極の有意な劣化がないことが明らかになった。図5において、図a)及びb)はそれぞれ純粋なCGO及びLSCFOの最初の粉末のX線回折を参考として示す。図5、図c)は140時間作動後のアノード材料のX線回折である。三つのX線回折図は全てグレージング角モード(0.5°入射角)を用いて分析した。このグレージング角モードは分析される材料の表面組成(劣化)に対してより敏感であり、いかなる微量の炭素の析出をもより正確に明らかにすることができる。このX線回折分析から作動時間140時間後の該アノードのLSCFO及びCGOは有意な劣化を示していないことが観察される。更に、通常2θ=26.7°に現れる炭素の析出の存在がない。更に、炭素の可能な存在を元素CHSN-O分析計(Carlo Erba)により検討した。この分析から炭素の析出は検知されなかった。これは技術の現状から見て非常重要な点である。上記S.Tao及びJ.T.S Irvineは湿潤メタン中900℃で7時間該燃料電池を作動させそして冷却した後に微量の炭素が検知されると記載している。
【0027】
従って、LSCFOの良好な混合伝導性と該CGOのイオン伝導性を組合わせるとこの複合物をT≦800℃での乾燥メタンの直接酸化用のアノードとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は固体酸化物燃料電池の模式図を示す。
【図2】図2は異なる温度で処理された実施例1で作製されたCGO-20粉末のX線回折(XRD)図を示す。
【図3】図3は本発明による電池の分極および出力密度の測定を示す。
【図4】図4は本発明による電池の定電位電解分析評価を示す。
【図5】図a)及びb)はそれぞれ純粋なCGO及びLSCFOの最初の粉末のX線回折を参考として示す。図c)は140時間作動後のアノード材料のX線回折である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード、アノード及び前記カソード及び前記アノードの間に配置された少なくとも一つの電解質膜を含む固体酸化物燃料電池であって、前記アノードがコバルト及び鉄の少なくとも一つを含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されている固体酸化物燃料電池。
【請求項2】
該セラミックがペロブスカイト型構造またはペロブスカイト型関連構造である、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項3】
該セラミックがコバルト及び鉄を含む、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項4】
該セラミックが式:
M2-xSrxFe2-yCoyO5±δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至2の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項5】
該セラミックが式:
MxSr1-xFe1.5-yCoyO3+δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至0.7の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項6】
該セラミックがLa0.8Sr0.2FeO3である、請求項5の固体酸化物燃料電池。
【請求項7】
該セラミックがランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物である、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項8】
該ランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物が一般式:
La1-xSrxCo1-yFeyO3-δ
(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有する、請求項7の固体酸化物燃料電池。
【請求項9】
該ランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物が式:
La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3-δ
を有する、請求項8の固体酸化物燃料電池。
【請求項10】
該アノードが金属を含まない、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項11】
該セラミックと該ドープしたセリアとがセラミック対ドープしたセリアの比率が50:50乃至95:5の範囲で混合される、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項12】
該比率が60:40乃至80:20範囲にある、請求項11の固体酸化物燃料電池。
【請求項13】
該ドープしたセリアがガドリニアでドープしたセリア及びサマリアでドープしたセリアから選択される、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項14】
セリアがランタン、イッテルビウム、イットリウム、カルシウム、テルビウム、ネオジム及びジスプロシウムから選択される陽イオンでドープされた、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項15】
該ドープしたセリアが約20モル%の量でドープされた、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項16】
該ドープしたセリアがCe0.8Gd0.2O1.90である、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項17】
該ドープしたセリアがサブミクロンの粒子サイズを有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項18】
該ドープしたセリアが100nm未満の粒子サイズを有する、請求項17の固体酸化物燃料電池。
【請求項19】
該カソードが、
La1-xSrxMnO3-δ
(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)及び
La1-xSrxCo1-yFeyO3-δ
(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)からなる群より選択されたセラミックを含有する、
請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項20】
該カソードがドープしたセリアを含有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項21】
該電解質膜がドープしたセリアを含有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項22】
該電解質膜が支持しない、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項23】
少なくとも1種の燃料をコバルト及び鉄の少なくとも一つを含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されているアノード、カソード及び前記アノード及び前記カソードの間に配置された少なくとも一つの電解質膜を含有する固体酸化物燃料電池のアノード側へ供給し;
酸化剤を前記固体酸化物燃料電池のカソード側へ供給し;そして
前記少なくとも1種の燃料を前記固体酸化物燃料電池中で酸化してエネルギーを産出する、
工程を含有するエネルギーの産出方法。
【請求項24】
該少なくとも1種の燃料が水素である、請求項23の方法。
【請求項25】
該少なくとも1種の燃料がアルコールである、請求項23の方法。
【請求項26】
該少なくとも1種の燃料が気体状炭化水素である、請求項23の方法。
【請求項27】
該炭化水素が実質的に乾燥している、請求項26の方法。
【請求項28】
該少なくとも1種の燃料が液体状炭化水素である、請求項23の方法。
【請求項29】
該少なくとも1種の燃料が実質的に乾燥メタンである、請求項23の方法。
【請求項30】
該燃料が該アノード側で内的に改質される、請求項23の方法。
【請求項1】
カソード、アノード及び前記カソード及び前記アノードの間に配置された少なくとも一つの電解質膜を含む固体酸化物燃料電池であって、前記アノードがコバルト及び鉄の少なくとも一つを含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されている固体酸化物燃料電池。
【請求項2】
該セラミックがペロブスカイト型構造またはペロブスカイト型関連構造である、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項3】
該セラミックがコバルト及び鉄を含む、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項4】
該セラミックが式:
M2-xSrxFe2-yCoyO5±δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至2の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項5】
該セラミックが式:
MxSr1-xFe1.5-yCoyO3+δ
(式中、MはCaまたは希土類元素であり;x及びyは独立して0乃至0.7の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項6】
該セラミックがLa0.8Sr0.2FeO3である、請求項5の固体酸化物燃料電池。
【請求項7】
該セラミックがランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物である、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項8】
該ランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物が一般式:
La1-xSrxCo1-yFeyO3-δ
(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)を有する、請求項7の固体酸化物燃料電池。
【請求項9】
該ランタン ストロンチウム コバルト 鉄酸化物が式:
La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.8O3-δ
を有する、請求項8の固体酸化物燃料電池。
【請求項10】
該アノードが金属を含まない、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項11】
該セラミックと該ドープしたセリアとがセラミック対ドープしたセリアの比率が50:50乃至95:5の範囲で混合される、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項12】
該比率が60:40乃至80:20範囲にある、請求項11の固体酸化物燃料電池。
【請求項13】
該ドープしたセリアがガドリニアでドープしたセリア及びサマリアでドープしたセリアから選択される、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項14】
セリアがランタン、イッテルビウム、イットリウム、カルシウム、テルビウム、ネオジム及びジスプロシウムから選択される陽イオンでドープされた、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項15】
該ドープしたセリアが約20モル%の量でドープされた、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項16】
該ドープしたセリアがCe0.8Gd0.2O1.90である、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項17】
該ドープしたセリアがサブミクロンの粒子サイズを有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項18】
該ドープしたセリアが100nm未満の粒子サイズを有する、請求項17の固体酸化物燃料電池。
【請求項19】
該カソードが、
La1-xSrxMnO3-δ
(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)及び
La1-xSrxCo1-yFeyO3-δ
(式中、x及びyは独立して0乃至1の間で両端を含んでなる値に等しく;そしてδは化学量論からの値である)からなる群より選択されたセラミックを含有する、
請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項20】
該カソードがドープしたセリアを含有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項21】
該電解質膜がドープしたセリアを含有する、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項22】
該電解質膜が支持しない、請求項1の固体酸化物燃料電池。
【請求項23】
少なくとも1種の燃料をコバルト及び鉄の少なくとも一つを含むセラミックを含有し、前記セラミックがドープしたセリアと混合されているアノード、カソード及び前記アノード及び前記カソードの間に配置された少なくとも一つの電解質膜を含有する固体酸化物燃料電池のアノード側へ供給し;
酸化剤を前記固体酸化物燃料電池のカソード側へ供給し;そして
前記少なくとも1種の燃料を前記固体酸化物燃料電池中で酸化してエネルギーを産出する、
工程を含有するエネルギーの産出方法。
【請求項24】
該少なくとも1種の燃料が水素である、請求項23の方法。
【請求項25】
該少なくとも1種の燃料がアルコールである、請求項23の方法。
【請求項26】
該少なくとも1種の燃料が気体状炭化水素である、請求項23の方法。
【請求項27】
該炭化水素が実質的に乾燥している、請求項26の方法。
【請求項28】
該少なくとも1種の燃料が液体状炭化水素である、請求項23の方法。
【請求項29】
該少なくとも1種の燃料が実質的に乾燥メタンである、請求項23の方法。
【請求項30】
該燃料が該アノード側で内的に改質される、請求項23の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公表番号】特表2007−515745(P2007−515745A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509790(P2005−509790)
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010821
【国際公開番号】WO2005/041329
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(503437727)ピレリ・アンド・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (35)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年9月30日(2003.9.30)
【国際出願番号】PCT/EP2003/010821
【国際公開番号】WO2005/041329
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(503437727)ピレリ・アンド・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ (35)
【Fターム(参考)】
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