説明

固定領域防犯カメラからのビデオセグメントを管理するためのメディア資産管理システムおよび関連する方法

【課題】セキュリティ機関などによるのちの検索および取得のために固定領域ビデオセグメントを収集および/または蓄積する効率を改善する。
【解決手段】メディア資産管理システム600を使って固定領域防犯カメラ601からの固定領域ビデオセグメントを管理するための方法は、固定領域防犯カメラから固定領域ビデオセグメントを収集し、各固定領域ビデオセグメントに対応する地理空間的データを関連付け、複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを生成することを含む。該検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子が各固定領域ビデオセグメントに関連付けられる。さらに各固定領域ビデオセグメント、その地理空間的データおよび検索記述子を、当該メディア資産管理システム600上に保存することを含む。検索記述子は階層的関係において相互参照が付けられている地理空間的検索記述子であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ここ二、三十年で生成・保存されるデジタル情報の量は飛躍的に増大した。この蓄積は爆発的な速さで進んできた。ワールド・ワイド・ウェブおよび企業ネットワーク上で得られる情報の量そのものが加速を続けている。放送機関、広告業者、消費者製品・サービス会社およびその他の企業は大変なメディア資産管理ニーズを抱えている。メディア資産はこうした組織にはきわめて決定的であるため、メディア資産を目録化、閲覧、検索および管理するための効率的な方法が必要とされている。
【0002】
特定の領域または業種の周辺でカスタマイズされたデジタル資産管理(DAM: digital asset management)システムは、組織が効率的かつ精確に保有する膨大なデータの蓄積についての情報を取得し、それを管理し、活用することを可能にする。デジタル資産管理はおおまかにはデジタル資産を生成、取得、管理、保存および検索することに関わる諸技術であると同定される。
【0003】
この技術の部分集合として、メディア資産管理(MAM: media asset management)はさらに、豊富なメディアを抱える(media-rich)組織が、オーディオおよびビデオといった時間ベースのコンテンツを、画像、事務文書およびテキストといったその他の価値のある項目に加えて管理する能力を可能にする進んだツール群として特徴付けられる。このクラスの技術に関連する2つの主要な恩恵は、資産および価値である。資産、すなわち蓄積されたデータは、適時にみつけられなかったり、全くみつけられなかったりすれば、固有の価値はほとんどない。資産の価値は、それが効率的かつ精密に同定され、蓄積され、検索され、再利用される場合に初めて現実のものとなりうるのである。
【0004】
メディア資産管理システムについての一つのアプローチが本発明の現在の被譲渡者によって提供されており、インヴェニオ(Invenio)(商標)メディア資産管理システムとして知られている。インヴェニオ(商標)メディア資産管理システムは、メディアを要求される書式にデジタル記録し、有意なメタデータを生成する取り込みプロセスを合理化する。メタデータとはカプセル化された「情報についての情報」のことで、将来の可用性のために本質的なものである。知的なアーカイブ化によって、デジタル記録されたメディアは検索エンジンに結び付けられ、後刻、位置特定して検索されることができるようになる。さらに、類似のコンテンツをより深い結びつきおよび関連付けのために結び付けるキーワードリストおよび類義語を使ってビデオセグメントをマークすることができる。
【0005】
もう一つのメディア資産管理システムがJain et al.に対する米国特許第6,567,980号で開示されている。ビデオセグメントは所定の、またはユーザー定義可能なメタデータに従ってカタログ化される。メタデータはエンコードされたビデオセグメントをインデックス付けし、次いで検索するために使われる。ビデオメタデータ・トラック・プロセッサはビデオ情報のメタデータ・トラックを変換して表示可能データ間のハイパーリンクを含む表示可能フレームを生成する。蓄積されているビデオ情報は閲覧でき、ハイパーリンクを付けられたメタデータ・トラック表現のフレームが選択のために表示される。
【0006】
地理空間的メディアのための、映像、オーディオ、テキストおよび地理空間的データが処理される統合情報処理システムが米国特許第6,681,231号Burnettにおいて開示されている。地理空間的メディアレコーダーは地理空間的データをビデオセグメントの各フレーム上に置く。収集された航空画像を管理および整理するための地理的情報システムがRhoads et al.に対する米国特許出願第2004/0008866号で開示されている。地理的画像を対応する画像位置と位置合わせまたは整列するために使われる情報がデジタル透かしによって伝達される。
【0007】
種々のタイプの利用可能なメディア資産管理システムがあるにもかかわらず、セキュリティ機関は特に、ビデオセグメントを管理する困難な問題を抱えている。たとえば空港や港をモニタリングするとき、いくつかの固定領域防犯カメラが使われ、各固定領域カメラは関心のある特定の領域に対して監視を提供する。この結果、大量の時間ベースおよび位置ベースのメディアが日々生成されることになり、問題が複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のような背景に鑑み、本発明の目的の一つは、セキュリティ機関などによるのちの検索および取得のために固定領域ビデオセグメントを収集および/または蓄積する効率を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に基づく、このことおよびその他の目的、特徴および効果は、メディア資産管理システムを使って少なくとも一つの固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを管理する方法によって提供される。本方法は、前記少なくとも一つの固定領域防犯カメラから固定領域ビデオセグメントを収集し、各固定領域ビデオセグメントに対応する地理空間的データを関連付け、複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを生成することを含む。本方法はさらに、各固定領域ビデオセグメントに前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子を関連付け、のちの検索および取得のために各固定領域ビデオセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの検索記述子を当該メディア資産管理システム上に保存することを含んでいてもよい。
【0010】
前記少なくとも一つの固定領域防犯カメラは複数の固定領域防犯カメラを有していてもよい。前記固定領域ビデオセグメントを収集し、前記対応する地理空間的データを関連付けることは、地理空間的ビデオレコーダーを使って実行されうる。地理空間的データは緯度と経度を含みうる。前記複数の検索記述子は複数の地理空間的検索記述子を含んでいてもよく、該複数の地理空間的検索記述子は階層的関係において相互参照されうる。
【0011】
本発明に基づいて地理空間的機能を与えられたメディア資産管理システムは、有利にはセキュリティ機関がより効率的に、固定領域防犯カメラによって提供される固定領域ビデオセグメントを管理することを可能にする。セキュリティ機関はこうして、各固定領域ビデオセグメントに地理空間的データを関連付け、当該メディア資産システムのために地理空間的シソーラスを生成することによって、固定領域ビデオセグメントをより効率的に管理できる。地理空間的シソーラスは世界的に一意的な位置およびその地理空間的座標の階層を含む。これらの位置は空間的にインデックス付けされ、ユーザーの検索クエリーは、ある地理的検索領域内、あるいはある検索点から指定された距離内の固定領域ビデオセグメントを返す。
【0012】
本方法はさらに、固定領域ビデオセグメントにコンテンツデータを関連付けることを含みうる。コンテンツデータは各固定領域ビデオセグメントが収集された日時を含みうる。さらに、コンテンツデータは、トピック、位置用語(location term)、陸標およびイベントのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。本方法はさらに、固定領域ビデオセグメントにテキストデータを関連付けることを含みうる。固定領域ビデオセグメントにテキストデータを関連付けることは、ビデオセグメントからの音声をテキストに起こすことを含みうる。
【0013】
本方法はさらに、少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成し、該少なくとも一つのユーザー検索クエリーを前記検索シソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを同定し、前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーおよび前記少なくとも一つの追加的な検索クエリーに基づいて固定領域ビデオセグメントを検索し、該検索に基づいて少なくとも一つの固定領域ビデオセグメントを取得することを含みうる。該少なくとも一つの取得された固定領域ビデオセグメントは、その地理空間的データに対応する地図を表示している間に再生されてもよい。本方法はさらに、前記少なくとも一つの取得された固定領域ビデオセグメントを場面検出アルゴリズムを使って解析することを含みうる。
【0014】
代替的には、本方法はさらに、関心のある地理的領域を地図表示上で選択し、少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成し、該少なくとも一つのユーザー検索クエリーと前記関心のある地理的領域とに基づいて固定領域ビデオセグメントを検索することを含みうる。前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーを前記検索シソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを同定してもよい。
【0015】
本発明のもう一つの側面は、メディア資産管理システム上に蓄積されている少なくとも一つの固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを検索および取得するための方法である。メディア資産管理システムはまた、複数の地理空間的検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ地理空間的検索シソーラスを保存している。各固定領域ビデオセグメントは関連付けられた対応する地理空間的データを有していており、また関連付けられた前記地理空間的検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の地理空間的検索記述子を有している。
【0016】
本方法は、地理空間的データを含む少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成し、該少なくとも一つのユーザー検索クエリーを前記地理空間的検索シソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを同定することを含みうる。前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーおよび前記少なくとも一つの追加的な検索クエリーに基づいてビデオセグメントが検索される。該検索に基づいて少なくとも一つのビデオセグメントが取得される。
【0017】
本発明のもう一つの側面は、それぞれに対応する地理空間的データが関連付けられている少なくとも一つの固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを収集するためのメディアインターフェースと、複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを保存するための記憶とを有するメディア資産管理システムに向けられる。プロセッサが各固定領域ビデオセグメントを前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子と関連付けうる。データベースが各固定領域ビデオセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの検索記述子を、のちのセキュリティ機関による検索および取得のために保存しうる。
【0018】
本メディア資産管理システムのもう一つの側面は、複数の地理空間的検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ地理空間的検索シソーラスと、少なくとも一つの固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを保存するためのデータベースとを保存するための記憶である。各固定領域ビデオセグメントは対応する地理空間的データが関連付けられており、また前記地理空間的検索シソーラスからの少なくとも一つの地理空間的検索記述子が関連付けられている。ユーザー入力インターフェースにより、ユーザーは、地理空間的データを含む少なくとも一つの検索クエリーを生成することができる。プロセッサが前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーを前記地理空間的検索シソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを同定し、前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーと前記少なくとも一つの追加的な検索クエリーとに基づいて固定領域ビデオセグメントを検索しうる。ディスプレイが前記少なくとも一つの取得された固定領域ビデオセグメントを表示しうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムの、複数層に分けたブロック図である。
【図2】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムのアーキテクチャ・レイアウトを図解するブロック図である。
【図3】従来技術に基づくインヴェニオ(商標)メディア資産管理システムの最上レベルのブロック図である。
【図4】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムによって取り込まれるビデオセグメントについてのメタデータ情報を提供するディスプレイ画面を示す図である。
【図5】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムにおいてメタデータ情報のオブジェクト検索を提供するディスプレイ画面を示す図である。
【図6】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムによって収集された、選択されたビデオフレームについてのメタデータ情報を提供するディスプレイ画面を示す図である。
【図7】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムによって収集されたビデオセグメントについての場面検出情報を提供するディスプレイ画面を示す図である。
【図8】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムによって収集されたビデオセグメントについてのインデックス付けおよびカタログ化情報を提供するディスプレイ画面を示す図である。
【図9】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムによって実行されるクエリー検索に基づく、クエリー結果ウィンドウを提供するディスプレイ画面を示す図である。
【図10】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムによってより複雑なクエリー検索を実行するためのクエリー管理ウィンドウを提供するディスプレイ画面を示す図である。
【図11】本発明に基づく、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システムの検索エンジンおよびIコンテンツ・コンポーネントを図解するブロック図である。
【図12】本発明に基づく、キャッシュデータベースに関連付けられたオブジェクト識別子を図解するブロック図である。
【図13】本発明に基づく、キャッシュデータベースに関連付けられたリストデータベースを図解するブロック図である。
【図14】本発明に基づく、インデックス付けプロセスのさまざまな構成要素を図解するブロック図である。
【図15】本発明に基づくインデックス付けツールについてのディスプレイ画面である。
【図16】本発明に基づくインデックス付けツールについてのディスプレイ画面である。
【図17】本発明に基づくインデックス付けツールについてのディスプレイ画面である。
【図18】本発明に基づく、検索のために利用可能な諸属性およびキャッシュデータベースのための諸属性を構成設定するためのメタデータマネージャを提供するディスプレイ画面である。
【図19】本発明に基づく、ニュース放送機関のためのメディア資産管理システムのブロック図である。
【図20】本発明に基づく、ニュース放送機関のためのメディア資産管理システムに付随する地図表示を示す図である。
【図21】本発明に基づく、ニュース放送機関のためのメディア資産管理システムに付随する地図表示を示す図である。
【図22】本発明に基づく、ニュース放送機関のためのメディア資産管理システムに付随する地図表示を示す図である。
【図23】図19に示されているメディア資産管理システムを使ってビデオニュースセグメントを管理する方法を示すフローチャートである。
【図24】本発明に基づく、航空センサー・プラットフォームからのビデオセグメントを管理するためのメディア資産管理システムのブロック図である。
【図25】図24に示されているメディア資産管理システムを使って、航空センサー・プラットフォームからのビデオセグメントを管理する方法を示すフローチャートである。
【図26】本発明に基づく、固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを管理するためのメディア資産管理システムのブロック図である。
【図27】図26に示されているメディア資産管理システムを使って固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを管理する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明について、これからより完全に、本発明の好ましい実施形態を示す付属の図面を参照しつつ説明する。ただし、本発明は数多くの異なる形態において具現されうるもので、ここに記載される実施形態に限定されると解釈してはならない。むしろ、これらの実施形態は本開示が十分で完全であり、当業者に対して本発明の範囲を十全に伝えるべく提供されるものである。全体を通じて同様の参照符号は同様の要素を表す。
地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100の構成の概観についてまず図1および図2を参照して議論する。地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100は、たとえばニュース放送機関のようなメディアの多い組織がより効率的にビデオニュースセグメントを管理することを可能にする。これは各ビデオニュースセグメントに地理空間的データを関連付け、システム100のための地理空間的シソーラスを生成することによって達成される。これについて以下でより詳細に議論する。
【0021】
地理空間的シソーラスは、世界的に一意的な位置およびその地理空間的座標を含む。これらの位置は空間的にインデックス付けされており、ユーザー検索クエリーはある地理的検索範囲内またはある検索点から指定された距離内のビデオニュースセグメントを返す。地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100は、3つの層102、104、106に分離されうる。第1層102はクライアント呈示層、第2層104はサーバーまたはアプリケーション層、第3層106はデータベース層である。
【0022】
ユーザーはシステム100とのインターフェースを第1層102を通じてもつ。ひとつまたは複数のワークステーションがこの地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100に構内ネットワーク(LAN)108を通じて、またはインターネット/イントラネットブラウザ110を通じてつながっている。ユーザー検索クエリーはこのレベルでシステム100のために定義され、結果もこのレベルで呈示される。
【0023】
当業者にはすぐ理解されるように、システム100を構成するさまざまな構成要素は、一つまたは複数のサーバーに存在しうる。第2層104の構成要素は持続性層112、インデックス付けサービス114、メタデータ検索エンジン116、該当リストマネージャ118、メタデータマネージャ120、シソーラスマネージャ122、クリップ解像器124、地理空間的シソーラスマネージャ126を含む。インターネット情報サービス(IIS: Internet Information Services)130は第2層104および第3層106にウェブへのアクセスを提供するためのウェブアプリケーションサーバーである。
【0024】
持続性層112はすべてのデータベースのインターフェースとなり、その他のシステム構成要素のインターフェースともなる。インデックス付けサービス114はインデックスデータベース140を構築し、新しいコンテンツが生成される際に、あるいは待ち行列中の新しいコンテンツの順番が回ってくる際にインデックス付けする。持続性層112は持続保存データベース142および地理空間的持続保存データベース144へのアクセスを提供し、種々のサービス構成要素からXMLベースの要求を受信し、該要求をその特定のデータベースに応じたデータベース固有SQL(Structured Query Language[構造化問い合わせ言語])要求に変換する。インデックス付けが行われるのは、新しいセグメントがシステム100に挿入された後である。インデックス付けの間に、セグメントデータがテキストインデックスデータベース146およびキャッシュデータベース148に挿入される。
【0025】
セグメント修正イベントはイベント・リスナーによってモニタリングされている。セグメントの挿入または更新イベントが生起するたびに、セグメントのオブジェクト識別子(OID: object identifier)がインデックス付け待ち行列に入れられる。待ち行列サービス128はインデックス付けされるべきセグメントのリストを構築し、管理する。テキストインデックスコネクタ132は、メタデータ検索エンジン116を使った全文検索を可能にする。
【0026】
メタデータ検索エンジン116はあらゆる検索プロセスの調整役である。メタデータ検索エンジン116は、全文インデックス、メタデータ属性、地理空間的属性およびシソーラスに対してユーザーの検索クエリーを実行し、組み合わされた結果を返す。検索要求はクライアント側、すなわち第1層102からこの構成要素にXML形式で到着する。
【0027】
該当リストマネージャ118は、シソーラス検索エンジンプラグインや地理空間的シソーラス検索エンジンプラグインのような複数の検索エンジンプラグインからの検索結果を相関させて、一つの統合されたリスト「ページ」にし、その検索結果を該当リストデータベース158に保存する。メタデータマネージャ120により、ユーザーは、どのメタデータフィールドをインデックス化し、キャッシングするかを定義できる。シソーラスマネージャ122により、ユーザーの検索クエリーは、追加的なユーザー検索クエリーを同定するためにシソーラスデータベース150と比較される。地理空間的シソーラスマネージャ126でも、ユーザー検索クエリーは、追加的なユーザー検索クエリーを同定するために地理空間的シソーラスデータベース152と比較される。クリップ解像器(Clip Resolver)124は、地理空間的ユーザー検索クエリーを満足するビデオニュースセグメントを地理空間的持続保存データベース144から取得する。
【0028】
ここで第3層106を参照すると、主たるデータベースは持続保存データベース142である。このデータベースはすべてのシステムオブジェクトおよびコンテンツ・メタデータを含んでいる。そこに保存される「コンテンツ」オブジェクトのためのメタデータには:コンテンツ型、制作時、バージョン、所有者、説明、出所、関連する文書へのリンク、シソーラス項目および地理空間的シソーラス項目へのリンクならびに、いつ、どこで、誰が、何をといったコンテンツ記述子が含まれる。
【0029】
コンテンツという語はシステム100内に保存されているビデオクリップのような「メディア資産」のことをいい、音声やテキストがついていることもついていないこともある。メタデータという語はコンテンツの属性を記述するデータのことをいい、制作時、メディア種別、ファイルサイズ、ビデオ解像度、オーディオサンプリングレート、出所、所有者、関連概念、キーワード、内容、文書、人および場所、任意の発話の文字起こし、著作権情報および当該地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100のユーザーによって有用と考えられるその他任意のデータがある。
【0030】
シソーラスデータベース150は、用語(term)および用語どうしの関係を保存する多言語辞書である。用語は他の用語に階層関係、連想関係または等価関係によって結び付けられうる。シソーラスデータベース150は、特定の分野または概念集合についての、類義語も含む記述子の書物である。さらに、シソーラスは主題記述子のリストを含み、参照および検索のために相互参照システムをもつ。
【0031】
階層関係では、用語はより一般的またはより特定的な概念を表す他の用語と関連付けられる。すなわち、広義の用語と狭義の用語が結び付けられるのである。たとえば、食品というような広義の用語は果物と結び付けられることができ、果物はミカンのようなより狭義の用語と結び付けられることができる。そのミカンもさらにネーブルに結び付けられることができる。
【0032】
連想関係では、用語は類似または関連する用語に結び付けられるが、両者の間の関係は階層的ではない。等価関係では、「好ましくない」用語が、「好ましい」用語のはたらきをする同義語または準同義語と結び付けられる。好ましくない用語はプレフィックスUF〔この代わりに別のものを使う〕によって指示されてもよい。一方、この関係の逆はプレフィックスUSE〔これを使う〕によって指示されてもよい。たとえば、次の用語はみな同じ種類のミカンである:Citrus reticulate、タンジェリン、マンダリン。
【0033】
地理空間的シソーラスデータベース152は世界的に一意的な位置およびその地理空間的座標の階層構造を保存する。たとえば、階層的関係は次のようなものがある:大陸、国、地域、区域、都市および陸標。陸標は特定の種類の陸標に分解されることもできる。地理空間的シソーラスデータベース152は、空間的にインデックス付けされ、それによりユーザー検索クエリーは、ある地理的検索領域内、あるいはある検索点から指定された距離内のビデオニュースセグメントを返すことができる。
【0034】
地理的持続保存データベース144は標準的な持続保存データベース142と地理空間的同期データベース154との組み合わせである。このデータベースは持続的な保存内容の地理空間的検索を可能にする。インデックスデータベース140は持続保存データベース142のためのデータベースインデックスを含んでおり、検索および取得においてシステム100を支援する。統計データベース156は検索統計を含んでいる。該当リストデータベース158は、さまざまな検索エンジンプラグインからの検索結果を保持する。システム100によって最近アクセスされた文書はキャッシュデータベース148に保存される。これによりユーザー検索クエリーを繰り返すときのアクセス時間が短縮される。テキストインデックスデータベース146は、テキスト検索エンジンプラグインで使うための全文インデックスを含んでいる。
【0035】
本発明の現在の被譲渡者は、現在、メディア資産管理システム180を提供している。その最上レベルのブロック図が図3に示されている。このメディア資産管理システム180は、インヴェニオ(商標)製品ラインのもとにはいる一連のソフトウェア・コンポーネントに基づいている。本発明はインヴェニオ(商標)のコンポーネントのいくつかを向上させて、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理(GMAM: geo-spatially enabled media asset management)システム100を提供するものである。まずインヴェニオ(商標)メディア資産管理システムについての全体的な情報を論じ、その後、地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100を提供するために修正されるインヴェニオ(商標)のコンポーネントについて論じることにする。
【0036】
インヴェニオ(商標)は単一ソースの全企業規模のメディア資産管理システムで、マルチメディアの取得、定義、編集、保存および検索を提供する。インヴェニオ(商標)システムのさまざまな構成要素としては、取り込み、カタログ化、シソーラスおよびアーカイブ化が含まれる。インヴェニオ(商標)により、メディアの多い組織は、i)ほとんど任意の種類のメディア資産を取り込んで保存し、ii)そのメディアデータベースを調査して問い合わせし、iii)取得のためにメディアを閲覧および選択し、iv)メディアを編集し、v)さまざまな自動化技術と一緒に使われる際、メディアを必要とされる時に必要とされる場所に要求される書式で転送することができる。
【0037】
インヴェニオ(商標)システムはさまざまな閲覧および世界規模メディア転送の技術に対応している。これらの技術は、インヴェニオ(商標)システムと一緒になって、メディアを必要とされる時に必要とされる場所に要求される書式で利用可能にするエンド・トゥ・エンドの、全企業規模の手法として放送顧客に提供される。
【0038】
インヴェニオ(商標)システムはいくつかのソフトウェア・コンポーネントに基づいている。主たるソフトウェア・コンポーネントはインヴェニオ(商標)メディア(Iメディア)、インヴェニオ(商標)コンテンツ(Iコンテンツ)、インヴェニオ(商標)ブラウズ(Iブラウズ)、インヴェニオ(商標)ブラウズXP(IブラウズXP)、インヴェニオ(商標)ウェブ(Iウェブ)およびインヴェニオ(商標)検索OCX(I検索OCX)である。
【0039】
図3の参照を続けると、メディア取り込みまたはカタログ化はブロック182で実行される。メディア184はデバイス制御システム186によって受信または収集される。メディア184からIメディア・コンポーネント190を使ってメタデータ188が抽出される。デバイス制御システム186は、たとえばビデオニュースカメラのような、メディア184を提供するデバイスを制御する。
【0040】
メタデータ188は、のちの検索および取得のためにシステムデータベース192に保存される。メタデータ188に対するインデックス付けはブロック194で実行され、Iコンテンツ・コンポーネント196により、ユーザー198はブラウズモードにおいてメタデータ188をテキストおよび内容に基づいて検索できる。やはりIコンテンツ・コンポーネント196により、ユーザー200はメディアの閲覧中に、編集モードにおいて新しいテキストおよび内容、すなわち新しいメタデータ188を入力できる。Iコンテンツ・コンポーネント196は、ユーザー198、200とシステムデータベース192やメディア資産管理システム180の他のコンポーネントとの間のインターフェースとなるので、アプリケーションサーバーとして機能していることになる。
【0041】
異なるユーザー198、200のそれぞれは、システムデータベース192とそれぞれのワークステーションを介してインターフェースをもつ。データの呈示はブロック202においてユーザーに提供される。カタログ化182、インデックス付け194、呈示202およびデータベース192は別個のブロックとして示されてはいるが、これらはみな単一のサーバーに統合されていてもよい。このことは当業者にはすぐ分かることであろう。
【0042】
本発明に基づく地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100を提供するための選択されたインヴェニオ(商標)コンポーネントの修正についてこれから論じる。地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100を生成するために、一連のステップが関わっている。これらのステップを次に列挙する。
【0043】
1)QDI独自のXMLツールを使って、いくつかの新しいクラスが定義され、デフォルトのIコンテンツの持続保存データベース・スキームに追加された。
【0044】
2)Iコンテンツの持続保存データベース内に保存されているビデオメタデータに関連付けられた地理空間的(geospatial)オブジェクトを管理および操作するために、gs_adminと呼ばれ、PLSQLコードに付随する新しいデータベース・スキームが生成された。
【0045】
3)Iコンテンツの持続性保存クラスおよびgs_adminスキームに選択されたビデオメタデータおよび地理空間的情報を同時に分布させるためにツールが生成された。
【0046】
4)地理空間的シソーラス(thesaurus)に関連付けられた位置データを管理および操作するために、ths_adminと呼ばれ、PLSQLコードに付随する新しいデータベース・スキームが生成された。
【0047】
5)ths_adminスキームに地理空間的位置データを分布させるためにツールが生成された。
【0048】
6)クライアント側のIコンテンツのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が修正され、新たなGISマップ/クエリー・インターフェース、地理空間的検索結果ウィンドウ/クリップ・ビューアーおよび地理空間的シソーラス・クエリー機能が含められた。
【0049】
7)Iコンテンツのサーバー側のCOM+検索エンジン・コンポーネントが修正されて、新たな地理空間的検索種別をサポートするようになった。
【0050】
8)gs_adminデータベース・スキームに問い合わせをして、地理空間的検索結果を主たるIコンテンツの検索エンジン・コンポーネントに返すため、新たなサーバー側のCOM+コンポーネントが生成された。
【0051】
9)地理空間的クリップ検索結果をIコンテンツのクライアント側GUIに返すため、クリップ解像器(Clip Resolver)と呼ばれる新たなサーバー側のCOM+コンポーネントが生成された。
【0052】
10)地理空間的シソーラス・スキームに問い合わせをして結果をIコンテンツのGUIに返すために、GSThesaurusと呼ばれる新たなサーバー側のCOM+コンポーネントが生成された。
【0053】
インヴェニオ(商標)システム180と同様のIメディア・コンポーネントについて、これから地理空間的な機能を与えられたメディア資産管理システム100についてより詳細に論じていく。Iメディア・コンポーネントは、地理空間的VTRを含むビデオテープレコーダー(VTR)、スキャナおよび多重解像度ビデオサーバーを制御し、コンテンツ取り込みプロセスの心臓部である。Iメディア・コンポーネントのタスクのいくつかは、メディア取り込み、バッチ・デジタル化、フィード記録およびカタログ化を含む。
【0054】
特に、このコンポーネントは、ビデオ、オーディオ、ウェブ・マルチメディア、スクリプト、文書、写真およびクリップについて、メディア取り込み、浅いメタデータ定義および品質チェックを管理する。Iメディア・コンポーネントは使用中のデバイスをデバイス制御システムへの接続を介して自動化システムによって制御するか、あるいはデバイスを直接制御する。その価値は、生および制作後の工程において助けとなる幅広いツールおよび機能を提供できることである。Iメディア・コンポーネントはまた、最良慣行語彙による制御方針(best practice vocabulary control conventions)を採用しており、それによりコンテンツ管理システムにとって理想的なポータルとなる。
【0055】
特徴とされる機能性には、高解像度および低解像度での同時取り込み、記録された素材のアーカイブの開始、記録された素材のトランスコードの開始が含まれる。Iメディア・コンポーネントは、ホットキーおよびキーワードリスト機能を用いてオンザフライで素材をインデックス化またはログ記録し、取り込みの間にサムネイルを生成し、編集データリスト(EDL: edit data list)を実行するか、および/またはサードパーティーNLEシステムにエクスポートすることができる。このコンポーネントは高度に設定が可能であり、クライアントは特定の取り込みおよびインデックス付け操作について250までのメタデータフィールドを構成設定できる。キーワードリストは語彙制御を支援する。これはどんな資産管理システムでも実効を上げるためには不可欠なものである。このコンポーネントはまた、メディアを、音声テキスト化、ビデオOCRおよび構造認識技術といったメディア処理技術に渡しもする。
【0056】
メディア取り込みタスクは、高解像度記憶装置への接続および同時閲覧解像度コンテンツ定義を含む。バッチ・デジタル化タスクでは、Iメディアは、はいってくるあらゆる素材を1フレームの精度で取り込むために、自己完結したマルチタスク制御の多重VTR/ビデオサーバーを提供する。フィード記録タスクでは、Iメディアは衛星またはネットワークからのフィードの時間を定めた記録のために、あるいはビデオサーバーまたはビデオテープ装置への即座の記録のために設定されうる。特に、対応する地理空間的データは、はいってくるあらゆる素材について収集される。
【0057】
カタログ化タスクのためには、Iメディアは、ユーザーが取り込まれるメディアを、インデックス付け方式のあらゆる選択肢をもって定義できるようにする。自動モードは自動的にサムネイルおよび低解像度ブラウズ代用画像を取得する。標準モードは各ショットにおいて無制限の数のサムネイル画像を有する。マークモードは、ハイライトおよびサブクリップ(ビデオサーバー依存)を用意するために、生の番組、スポーツまたはニュースにおいてイベントを識別する。連続モードは、あとで見直すためにMPEG1またはMPEG4でのオンボードの低解像度ブラウズ機能を用いて、ニュースインタビューまたは生のフィードを記録する。
【0058】
取り込まれるメディアを示しているユーザーワークステーションの例示的なディスプレイ画面が図4に与えられている。ビデオフレームのサムネイルがフィールド250に与えられており、該サムネイルに関連付けられた対応するメタデータがフィールド252で与えられている。メタデータには、ビデオニュースセグメントの名称、リール番号、開始/終了時刻および継続時間が含まれる。その他のメタデータ情報としては、経度と緯度のような、表示されているビデオニュースセグメントに対応する地理空間的データが含まれる。サムネイルによってユーザーは容易にビデオニュースセグメントの内容を判別できる。
【0059】
Iメディアはまた、メディアメタデータフィールドに分布させるためにサードパーティーのプラグインと統合することもできる。たとえば、音声テキスト化またはクローズドキャプション源がインデックス付けプロセスに追加されることができる。IメディアはいかなるODBCとも互換である。データベースはユーザーによる構成設定が可能で、無制限のサムネイル画像取得機能および階層的キーワードリストをもつ。
【0060】
システム100は柔軟かつ拡張可能である。どんなユーザーワークステーションも、さまざまなデータベースに接続されたメディアを低解像度または高解像度モードのいずれかで、いかなる場所からでもネットワーク接続により、検索および閲覧できる。検索はたとえばオブジェクト検索に基づいていてもよい。図5に示すように、クライアントに対してそのディスプレイ画面上のフィールド254において、メタデータのサムネイルが与えられてもよい。各サムネイルには、システムデータベース内の対応するビデオセグメントへのハイパーリンクが関連付けられている。ユーザーはまた、素材のメディア管理(media management)を実行し、品質管理(QC: quality control)ログ記録、編集データリスト(EDL)または素材ビンを非線形編集(nonlinear editing)システムと業界標準のファイル方式を使って交換することもできる。
【0061】
Iコンテンツ・コンポーネント・サービス112〜126は、深いインデックス付け機能、場面検出、シソーラスおよび地理空間的シソーラスツール、検索、ブラウズ、セグメントメディアおよび運営管理(administration)ユーティリティーを提供する。Iメディア・コンポーネントがメディアを浅いアーカイブ化のために準備するのに対し、Iコンテンツはメタデータ生成および粗いカタログ化プロセスのためであり、資産管理戦略の成功の鍵である。図6に、ユーザーにメタデータを提供するユーザーワークステーションのディスプレイ画面が示されている。特に、フィールド256は、ビデオセグメント中でユーザーがどこにいるかをサムネイルを介して示しており、フィールド258はビデオセグメントの残りに対するサムネイルを提供している。追加的な情報を提供するためにさまざまなテキストボックスも含められている。
【0062】
Iコンテンツは、素材保存のための、長期的な調査(research)およびアーカイブシステムを提供する。素材を取り込み、ビデオセグメントに限られたセットのメタデータを追加する機能はたいていのメディアおよびコンテンツ管理システムに内在的な機能である。しかし、それは初歩的なアプローチである。図書館学の最良慣行を利用することによってデジタル領域でのニュース放送者の資産の管理において引き出されうる恩恵が、今や広大なスケールで強化される。シソーラスベースのインデックス付け/地理空間的シソーラスベースのインデックス付けおよび検索はその方向に向けての一歩であり、本発明に基づくライブラリ管理のための方法論の一部である。
【0063】
シソーラスベースのインデックス付けにより、クライアントは、種々の関連付けをビデオセグメントに適用することができるようになる。これによりメディア記述子または識別子がキーワードとして挙げられているかどうかに関わりなく、主題事項に関連した素材をみつけることによって、検索結果を大幅に向上させることができる。ここでの価値は次のようなものである:みつけられなければ資産は存在しないのと同じで、「みつからない」メディアの価値は文字通りなくなっている。シソーラスライブラリ管理ツールは、素材をインデックス付けおよび位置特定できる効率を改善する。それはまた、クライアントが語彙を制御し、その特定の企業風土をライブラリ管理方式の一部にすることを可能にする。
【0064】
Iコンテンツ・コンポーネントの特徴とされる機能性には、Iメディア・コンポーネントによってあるいは自動工程によって取り込まれたメディアまたはビデオセグメントを位置特定およびブラウズすること、ならびにメタデータ・モデル、場面検出またはシソーラスツールを使ってのインデックス付けが含まれる。追加的な機能性としては、素材のセグメント分割、メディア(ミクロ)レベルでの関連付けの生成、データベース(マクロ)レベルでの関連付けの生成およびシソーラス/地理空間的シソーラスおよびハイブリッド検索の実行が含まれる。Iコンテンツはまた、検索結果を絞り込み、改良された検索機能の価値を実証することもする。シソーラス/地理空間的シソーラスおよび包括的な単語リストは、司書用管理ユーティリティーを使って構築され、幅広いシステムセキュリティー管理ユーティリティーが提供される。
【0065】
Iコンテンツのインデックス工程は、シソーラス/地理空間的シソーラスおよび/もしくは全文検索操作の両方によるハイブリッドベースのインデックス付けを適用することによってクエリー結果の精度と適合性を改善する。多言語にわたりさえする類義語や結び付けられた概念も使う。
【0066】
さらに、Iコンテンツ・コンポーネントは組み込みの場面変化の検出を利用する。これにより、操作者は、インデックス付けのためにコンテンツの絵コンテのような説明を生成することができる。サブクリップまたは抜粋を親クリップから作ることができるが、それは常に親を直接参照するようにされており、もとのコンテンツは簡単にみつけられる。
【0067】
図7には、場面検出情報を提供するユーザーワークステーションのディスプレイ画面が示されている。フィールド260はユーザーに、その画像がビデオセグメント中のどこであるかを告げる。ビデオセグメントが再生されるとき、バー262が画面上を動く。あるフレームから次のフレームにかけての場面変化はフィールド264と266に与えられている。場面検出モジュールの閾値または感度は所望のレベルに設定できる。たとえば、感度は、あるフレームのある画像から次にかけてのごくわずかな動きをも検出するよう設定されてもよい。あるいはまた、感度はあるフレームから次への著しい動きがあって初めて動きの変化を検出するように設定されてもよい。
【0068】
図8には、インデックス付けおよびカタログ化の情報を提供するユーザーワークステーションのディスプレイ画面が示されている。ビデオセグメントの手軽な表示がフィールド270に与えられている。場面検出モジュールからのサムネイルがフィールド272で与えられている。ビデオセグメントに付随している関連付けられた検索記述子もフィールド274および276で与えられている。コンテンツ記述子のツリー、すなわちビデオセグメントに関連付けられたシソーラスおよび地理空間的シソーラスの用語がフィールド274および276で与えられている。
【0069】
アーカイブ管理のためには、Iコンテンツ・コンポーネントは、メディア検索記述子ならびに高解像度および低解像度のファイルのための生成またはメディア位置特定のような技術データを集める。これらのメタデータフィールドから、Iコンテンツ・コンポーネントは、深いアーカイブおよびオフライン記憶装置に送られるべきメディアのリストを生成する。もちろん、このメディアはすばやくオンライン記憶に復元したり、他の用途のために修正/パッケージ化したりできる。Iコンテンツ・コンポーネントは、NDCPおよびVACPのようなデバイス制御プロトコルをサポートする階層的記憶管理装置とインターフェースをもつ。
【0070】
メディア取得のためには、Iコンテンツ・コンポーネントは3つの検索モードを提供する。全文検索はすべての記述子フィールドを検索し、比較検索は数値(特に日時)を含むフィールドを検索し、インデックス文書検索もある。ひとたび要素がアルバムに収集されたら、関連付けられたソフトウェアアプリケーションに関して、もとの文書を読み込むために必要なのはクリックだけである。図9に、問い合わせ結果ウィンドウを表示中のクライアントワークステーションのディスプレイ画面が示されている。クエリーまたは検索欄がフィールド280で入力される。入力された検索クエリーに基づいて、一致するサムネイルがフィールド282で与えられる。
【0071】
キーワード検索が十分でなければ、複合クエリーを使ってもよい。図10には、クエリー管理ウィンドウを表示中のクライアントワークステーションのディスプレイ画面が示されている。たとえば、ニュースアプリケーションにおいて、ジャーナリストがカットの選択をするためにIコンテンツ・アプリケーションを使うことがありうる。プロデューサーはフィールド286を使って素材を放送のために検証できる。アーカイブされたクリップは、記憶装置のどこにあろうと、効率的にみつけられ、転用されることができる。視聴率管理(Rating control)や競争モニタリングは管理され、調査され、カタログ化されることができる。
【0072】
図示した例では、データベースは、その高速で効率的な機能からマイクロソフト(登録商標)SQL2000リレーショナルデータベースとなっており、複数の同時ユーザーのために最適化されている。それはまた、標準的なプロトコルを通じてネイティブにイントラネットおよびインターネット接続をサポートしており、割り当て可能なユーザー特権レベルをもつ。
【0073】
オブジェクト指向インターフェースにより、辞書およびシソーラス/地理空間的シソーラスは直感的で使いやすくなっている。マルチウィンドウにより、各ユーザーは作業空間を個人的な嗜好に合わせて構成設定できる。こうした設定は保存し、個々のシステム・ログイン・プロファイルに関連付けることができる。これにより、クライアントがどこでログインしようとも、一貫して個人に合わされたユーザーインターフェースが呈される。
【0074】
システムおよびアクセス権限管理については、最大限の保護および管理の柔軟性が提供されるべきである。ユーザーグループ、属性および操作機能利用の包括的な制御が可能である。権限管理は、標準的なウィンドウズ(登録商標)2000ベースのファイル単位およびユーザー単位の粒度で利用可能である。
【0075】
コンサルティング会社からのもののようなサードパーティーのデジタル権利管理(digital rights management)アプリケーションをシステム100に統合することも、当該アプリケーション・スイートに組み込まれた、規格に基づいたメッセージ待ち行列化および分散処理サービスを使うことによってできる。
【0076】
バックアップコピーおよびデータベースメンテナンス操作は完全に構成設定可能で、通常の処理を中断することなくバックグラウンドで行われる。システム100は、XMLを使ってメディアクエリーまたは要求結果を保存することができる。Iコンテンツ・コンポーネントはその要求または結果情報をサードパーティーのアプリケーションまたは製作装置にOLE/ODBC接続を通じてエクスポートできる。
【0077】
シソーラスおよび地理空間的シソーラスは、Iコンテンツ・コンポーネントの一部である。各文書は、文書の内容を記述するシソーラスの用語と関連付けられることができる。シソーラスは選択された単語または概念を含んでいる。たとえば医学や音楽といった特定の分野の専門語彙などである。シソーラスは単語を含んでいるだけでなく、単語を階層的な書式で含んでいる。各単語からユーザーはその語群のより広義の用語に進んだり、もし存在すればより狭義の用語に進んだりすることができる。用語を保存する階層的なモデルにより、より効率的な検索が可能になる。
【0078】
シソーラスは多言語対応である。二つ以上の辞書をもつことが可能である。言語は英語ばかりでなく、たとえばフランス語およびスペイン語をも含みうる。すべての当該組織が同じデータベースを自分の母語で使用および検索できる。これは検索プロセスを容易にする。
【0079】
インデックス付けはある主題における重要なトピック、事実、名前および概念を見つけ出し、それを何らかの順序に整理して、ユーザー(読者、研究者、リポーターなど)が容易に必要とする情報を位置特定できるようにすることである。インデックス付けは特殊技能であって、機械的な機能ではない。コンピュータはインデックス生成において不可欠であるが、ソフトウェアだけでは真に有用なインデックスを編纂することはできない。発想をたどり、それをインデックスまたはデータベースにおいて簡潔かつ適正に呈示するには人間の知性が必要となる。
【0080】
自動インデックス付けプログラムはテキスト中で明示的に述べられていない概念を定式化する能力を持たない。たとえば、具体的な食材を論じているだけのところで栄養という語を与えることはできない。関連するトピック(ソネットと詩)を同定したり、類義語(ニューヨーク市とニューヨーク州の意味をもつニューヨーク)の区別をしたりすることもできない。
【0081】
良いインデックスはユーザーがさがしそうな情報を同定し、同じ概念を表す種々の仕方を集め、あるトピック内の特定の側面に調査者を直接案内するよう下位項目を与える。実質的な情報がたまたま言及されたものとは区別される。そして疲労困憊を防ぐために調査者のための情報はフィルタにかけられる。
【0082】
ユーザーが「ホッキョクギツネの睡眠習性」について情報を求めているとき、「キツネ」を検索するだけでは十分ではない。その情報を検索可能にするためには、司書はその対象により特定的な索引語を与えるべきである。前記キツネの場合、その対象はたとえば北極、キツネ、習性、睡眠習性、冬の習性といった語をインデックス付けされている必要がある。司書は各場合において主要な責任を有する。正しいシソーラスなしには、各司書は文書(オブジェクト、映画、写真など)を自分なりの仕方でインデックス付けするだろう。誰もが同じように考えるわけではないので、誰も同じ情報を見つけることはできないだろう。
【0083】
シソーラスおよび地理空間的シソーラスにおいては、司書の仕事を簡単にする機能がある。もちろん、これらの機能を使うことができるためには、当該企業または組織は完全でよく構造化されたシソーラスおよび地理空間的シソーラスで、あらゆる相互参照が整ったものを有している必要がある。こうした相互参照も検索プロセスを簡単にする。たとえば、主題見出しリストにおいて、フィデル・カストロとキューバとの間に関連付けがないであろう。シソーラスにおいて、司書はカストロの写った写真にカストロという語をインデックス付けし、のちの検索過程において、ユーザーがキューバを検索するとき、ユーザーはおそらくカストロの写真を該当として得ることになるだろう。地理空間的データについては、地理空間的シソーラスは世界的に一意的な位置およびその地理空間的座標の階層を含んでいる。たとえば、階層関係は、大陸、国、地域、区域、都市、陸標といったものでありうる。陸標はさらに特定の種類の陸標に分解されることもできる。これらの位置は空間的にインデックス付けされ、ユーザーの検索クエリーは、ある地理的検索領域内、あるいはある検索点から指定された距離内のビデオニュースセグメントを返す。
【0084】
Iブラウズ・コンポーネントは低解像度の素材を検索およびブラウズし、カットの一覧をまとめ、素材をフォルダにエクスポートするためのものである。それによりユーザーは、フォルダにカットされたメディアまたはメディア全体を分布させることによって、カットリストを作成することができる。IブラウズXPは、場面検出および音声テキスト化認識といった、クライアントがさがしている特定のメディアを検索するのを支援するナビゲーションツールを含んでいる。ひとたび所望のメディアが位置特定され、特定のカットが位置特定されたら、IブラウズXPはユーザーがEDLの収集、登録、吟味、インポートおよびエクスポートをできるようにする。
【0085】
データベース中をブラウズすることは、組織がそのコンテンツの利用可能性を改善するのを助けるという意味で、資産管理システムを強力にする。低解像度のブラウズはユーザーが自分のデスクトップから家庭ネットワークを介してメディアをみつけることを可能にする。これにより、運輸、人事、製作といったあらゆる部門の従業員がデスクトップ上で使用するためのメディアを位置特定することができるようになる。これは、従業員が標準的なオフィスのデスクトップで生産的になれるようにすることによって、仕事の流れおよび業務プロセスを改善し、業務遂行のコストを合理化するのを助ける。Iブラウズ・コンポーネントの特徴とされる機能性には、検索およびブラウズ、素材のセグメント分割およびフォルダにコンテンツを分布させることによるカットリストの生成が含まれる。
【0086】
IブラウズXPコンポーネントも場面検出および再生EDLのようなナビゲーションツールを使い、EDLをフォルダにエクスポートする。アクセスナビゲーションツール(すなわち場面検出、音声テキスト化認識)は特定のメディア/場面を位置特定すること、EDLを生成、登録、プレビュー、インポートおよびエクスポートすることを支援する。
【0087】
Iウェブ・コンポーネントは、検索およびブラウズならびにデスクトップ・ウェブ・ブラウザ・アプリケーションを使ってインターネットまたはイントラネット上のリモート位置からフォルダに分布させることのためである。Iブラウズ機能性が標準的なウェブブラウザーを使って利用可能である。ソフトウェア開発キット(SDK: software development kit)により、ユーザーは、ウェブサーバーのルックアンドフィールや機能性をパーソナル化することができる。
【0088】
ユーザーのワークステーション上でのブラウズユーティリティーを拡張することは、組織がそのコンテンツの利用可能性を改善するのを助けるという意味で、資産管理システムを強力にする。上記機能を中核施設を超えて、標準的なウェブブラウザを使ってイントラネットまたはインターネットを通じて利用可能性をもつ業務ユニットおよび消費者にまで拡張することは特に強力である。特徴とされる機能性には、よって、検索およびブラウズ、素材のセグメント分割、フォルダにコンテンツを分布させることによるカットリストの生成およびウェブサーバーのデザインおよび機能性をカスタマイズする機能のためのソフトウェア開発キットが含まれる。
【0089】
I検索OCXコンポーネントはサードパーティーのアプリケーションと統合された検索ユーティリティーである。標準的なIコンテンツ・アプリケーションに含まれている強力な検索ユーティリティーであるI検索はOCXバージョンで利用可能である。これは、ユーザーが、普通の検索ユーティリティーを、ニアラインエディティング(NLE)およびニュース制御システム(NCS: news control system)といったOCXアプリケーションをサポートするあらゆる組織アプリケーションにわたって統合することを許容する。
【0090】
コンテンツ持続層およびソフトウェア開発キット(SDK)についてこれからより詳細に論じる。アプリケーション層または業務論理は、それぞれがMTS(Microsoft Transaction Server, NT4)またはCOM+(Component Services, W2K)を走らせている、単一または複数のウィンドウズ(登録商標)NT4.0サーバー/ウィンドウズ(登録商標)2000サーバーである。システムの機能性を提供するものには、5つの主要なCOMオブジェクトがある。5つの主要なCOMオブジェクトは、i)持続層112、ii)検索116、iii)インデックス付け114、iv)シソーラス122、v)地理空間的シソーラス126である。持続層112はIコンテンツの文書を持続オブジェクトとして扱い、他のすべてのコンポーネントのためにデータベースへのインターフェースを提供する主要なコンポーネントである。また、持続層112はユーザーの権限を管理する。ウェブベースのクライアント110はウェブアプリケーションサーバー130を通じてインターフェースをもつ。収集されたメディアおよびその対応するメタデータは一つまたは複数のデータベースに保存される。
【0091】
検索はIコンテンツ文書について実行され、高度に構成設定可能なオプションを有している。文書モデルおよび検索構成設定についての情報は、メタデータ検索エンジン116を使って取得できる。インデックスのために、文書インデックス付けが実行される。やはりそれぞれの辞書を含んでいるシソーラスおよび地理空間的シソーラスのために、別個のデータベース(マイクロソフトサーバーデータベースエンジン2000)が保存されており、Iコンテンツ文書をインデックス付けするために使うことができる。
【0092】
データベース層は、ウィンドウズ(登録商標)4.0/2000、ソラリス、ユニックスまたはその他のOSを選択されたリレーショナルデータベース管理システムとともに走らせているコンピュータである。データベースは、Iコンテンツ・アプリケーション層104においてMTS/COMサーバーとの接続性をサポートする。現在のところ、Iコンテンツがサポートするデータベースは次のとおりである:マクロソフトSQLサーバー2000、オラクル8iファミリー、IBM DB2およびInformix。
【0093】
地理空間的な機能を与えられた資産管理システム100のためには、その空間的データ型と検索クエリー機能のためにオラクル9i R2が使われた。各コンポーネントは自らのタスクを実行する。アプリケーションサーバーの内部および外部のコンポーネント間のあらゆる関係はXML(extended markup language[拡張マークアップ言語])要求に基づいている。たとえば、クライアントからメタデータ検索エンジン116への内部XML要求は次のようなものでありうる。

<Query Version=“1.2.001” SearchSource=“1”>
<Atom NodeType=“FT” Stem= “0” Type=“0”
Case=“0” Visible=“1” Except=“0”>
<Class ID=“EF60587E-46F9-4730-80EC-F662062F5D71”/>
<Property ID=“00000000-0000-0000-0000-000000000000-
75929E3B-F61D-4B86-B6A9-9F9FDE8010EF-0”/>
<Operator OpID=“CONTAINS”/>
<Value Value=“sport”/>
</Atom>
</Query>

XML要求を通じてカーネルエンジンと対話することは、可能であるが必須ではない。SDKは標準的なコンポーネント、すなわち、アプリケーションサーバーコンポーネントに対するより単純なアクセスを有するGUI上で使われるべきクライアント・フレームワークを提供する。該クライアント・フレームワークはTH.CF――シソーラス・クライアント・フレームワーク(thesaurus client framework)――、GSTH.CF――地理空間的シソーラス・クライアント・フレームワーク(geospatial thesaurus client framework)――、PL.CF――持続層クライアント・フレームワーク(persistent layer client framework)――およびSE.CF――検索クライアント・フレームワーク(search client framework)――を含む。クライアント・フレームワークを使うもう一つの理由は、次のシステムバージョンは別の内部フォーマットを使うかもしれないということである。これらの諸方法を通じて、通常の基本クラスが生成でき、あらゆる活動が実行できる。
【0094】
上述したように、持続層112はIコンテンツにおける主要コンポーネントであり、二つの一般的な機能を提供する。一つの一般的機能は、主要データベースへのアクセスを提供することである。持続層112はXMLベースの要求を諸コンポーネントから受け取り、それをデータベース固有のSQL(structured query language[構造化問い合わせ言語])の要求に翻訳する。これはデータベースが異なれば異なることもある。もう一つの一般的機能は、ユーザー認可手続きを実行することである。認可のためには、Iコンテンツ・コンポーネントはハードウェアキーを使用する。このキーはUSBまたはLPTポートを介してアプリケーションサーバー・コンピュータに差し込む必要がある。
【0095】
持続層112への接続はセッション法に基づいている。何らかのクライアント要求が送られる前に、Iコンテンツ・コンポーネント(これは今の特定の場合にはクライアントとサーバー中の持続層である)がセッションを開いて持続層112からセッションIDを受け取る必要がある。この一意的な番号がセッション全体を通じて使用される。認可には3つの種類がある:内部(internal)、LDAPおよびNTである。内部認可では、持続層112にログインするためには、ユーザーは登録されている必要があり、NTアカウントは持たなくてもよい。LDAPは軽量ディレクトリ・アクセス・プロトコル(lightweight directory access protocol.)である。NT認可はOSによって実行されるが、ユーザーも持続層112に登録されているべきである。
【0096】
持続層112においては、いくつかの持続記憶が登録されていることができる。各持続記憶は、一意的なID、名称、対応するデータベース(このデータベースの設計は前述した)、セキュリティ種別、他のエンジンのためのアカウントについての情報、ログ記録オプションおよびイベントシンク情報を有する。
【0097】
登録、登録編集または登録解除を行うには、持続記憶が使われる。既存の持続記憶を調べるには、もう一つの強力なプログラム持続層ツールが使われる。持続層ツールアプリケーションを使えば、ユーザーはやはり持続記憶(PS: persistent stores)を登録、編集または登録解除できるが、既存の任意の持続記憶にログインしてそれを活用することもできる。クラス・エクスプローラがクラス(文書型)階層および既存の属性についての情報を示す。
【0098】
ほかに利用可能なのが、関連付け、単語リスト、パーミッション種別、ユーザーおよびグループについての情報である。ユーザーはいくつかの型のデータを集成できる。たとえば新しい単語リストを生成したり、既存の単語リストを修正したりすることができる。追加的な持続層ツール機能により、ユーザーは、クラスIDの宣言(定数)、属性IDおよび関連付け種別IDなどを含むビジュアルベーシックのソースコード*.basを生成できる。また、現在ログインしているすべてのユーザー(セッション情報)を調べたり、任意のセッションを打ち切ることも可能である(ウィンドウズ(登録商標)のタスクマネージャと同様)。
【0099】
持続層アーキテクチャおよび利用可能な機能について、サーバーコンポーネントについての以下の議論に関連してのちに述べる。クライアント・フレームワークについての議論は、標準的な提供されているコンポーネントを使っていかにして持続層の機能性を使うかを述べる。持続層サーバーコンポーネントはCOM+アプリケーションqipl2であり、これはアプリケーションサーバー上に登録されているべきである。すべてのクライアントは、このアプリケーションを、同一コンピュータ上にあれば直接呼び出し、別個のコンピュータ上にあればプロキシを使う。
【0100】
ここで図11を参照すると、メタデータ検索エンジン116およびIコンテンツ・コンポーネントがいくつかの部分を有している。アプリケーション論理層300(COM+)は検索機能性を実装および調整し、データベース層302は諸アプリケーション・コンポーネントおよび諸サブシステムによって使われる。運営管理ユーティリティーは検索エンジンの構成設定を助ける。
【0101】
メタデータ検索エンジン116は検索プロセスの調整役である。検索要求は、クライアント側からこのコンポーネントに、検索クエリー304を介してXML形式で到着する。検索の処理はプラグインに基づいている。プラグインの2つとして、内容〔コンテンツ〕検索プラグイン306および形式検索プラグイン308が含まれる。検索は3つの種類の値によって指定される。検索演算子、修飾子および値である。検索演算子は検索機能の厳密な機能性を指定し、修飾子はその検索をさまざまな仕方で広げる。値は検索式の内容にある。
【0102】
内容検索プラグイン306については、全文検索、シソーラス検索、地理空間的シソーラス検索、単語リストおよびブール式検索がこのプラグインによって実行される。これはテキストデータベース146へのテキストIRS層147を介したアクセス、シソーラスデータベース150へのシソーラスデータアクセス層149を介したアクセス、地理空間的シソーラスデータベース152への地理空間的シソーラスデータアクセス層151を介したアクセス、および持続保存データベース142への持続性記憶アクセス層153を介したアクセスを必要とする。
【0103】
全文検索はテキストサブシステムによって行われる。全文検索のためのさまざまな検索演算子を対応する修飾子とともに表1Aおよび表1Bに示す。
【0104】
【表1】

【0105】
【表2】

【0106】
シソーラス検索は用語展開(term expansion)によって検索式から導出されるある種のシソーラス用語を含む文書を検索する。用語展開は、検索式に一致する用語をみつけることによって、検索基準にいくつかのシソーラス用語を含める方法である。たとえば、指定された検索式が“car*”であったとすると、car、car company、car washなど“car”で始まる語を含む用語すべてが検索される。シソーラスのためのさまざまな検索演算子を対応する修飾子とともに表2Aおよび表2Bに示す。
【0107】
【表3】

【0108】
【表4】

【0109】
単語リスト検索・展開は、シソーラス検索・用語展開と同じようにはたらくが、展開の際に単語リスト要素はパターンから導出され、それからこれらの単語リスト要素が検索される。単語リスト検索のためのさまざまな検索演算子を対応する修飾子とともに表3Aおよび表3Bに示す。
【0110】
【表5】

【0111】
【表6】

【0112】
形式検索プラグイン308は文書の属性中の単純なデータ型を検索するために使われる。単純なデータ型とは日時、拡張日時、整数、浮動(float)および時間コードである。形式検索プラグイン308は持続保存データベース142にアクセスする。全文のためのさまざまな検索演算子を表4に示す。
【0113】
【表7】

【0114】
キャッシングは情報検索をより効率的にするために使われる。文書属性はキャッシュデータベース148に、メタデータマネージャ120において諸文書クラスについて定義されている諸検索スキームの構造を反映する構造で保存されている。検索要求はキャッシュデータベース148に見出されたデータを使ってサービスを受ける。図12がこのプロセスを図解している。検索要求320に基づいて、文書オブジェクトはオブジェクト識別子(OID)322を用いて一意的に同定される。
【0115】
該当リストマネージャ118および該当リストデータベース158は、実行された検索の見出された文書のオブジェクト識別子324を保存する。検索結果はページと呼ばれるデータ単位でクライアント側に渡される。すべての検索結果のうち、一ページはある指定された量の文書のみを含んでいる。クライアントには一時には一ページ分の文書が転送される必要があり、このためクライアント要求の場合にデータベースから完全に読む必要があるのは検索結果の一部のみである。それ以外では、サーバー側で検索結果を保存するためには、見出された文書のオブジェクト識別子だけを保存することが十分である。該当リストデータベース158の目的はこれらのオブジェクト識別子を諸ページにグループ化して保存することである。一つのページは一時にデータベースから完全に読まれ、クライアントに送られる文書のオブジェクト識別子を含んでいる。このことは図13に図解されている。
【0116】
全文検索システムであるテキストシステムは、基本的な全文検索プロセス、語幹処理や綴りチェックといった高度な機能を実装し、効率的な全文検索処理を可能にする特別な書式で文書を保存するためのテキストデータベース146を含んでいる。テキストIRS147は、Iコンテンツ・メタデータ検索エンジン116における全文検索サブシステムとして使われる。
【0117】
インデックス付け処理に参加するシステム構成要素が図14に示されている。インデックス付けは、新たな文書がシステムに挿入された直後に行われる。インデックス付けの間、文書データはテキストIRS147およびキャッシュデータベース148に挿入される。
【0118】
文書修正イベントはイベント・リスナー340によってモニタリングされている。文書の挿入または更新イベントが発生するたびに、文書オブジェクト識別子(OID)が待ち行列化コンポーネント342からインデックス付け待ち行列に入れられる。ウィンドウズ(登録商標)NTサービス(インデックス付けサービス344)が、新たに挿入される文書がないかどうか非同期的にインデックス付け待ち行列346を調べ続けていて、新たな文書がみつかると、適切な文書データをテキストIRS147およびキャッシュデータベース148に渡す。
【0119】
パフォーマンス上の理由のため、文書データをテキストIRS147およびキャッシュデータベース148に転送するためにはバッチプロセスが使われる。インデックス付けサービス344はインデックス付け待ち行列346から同時にいくつかの文書を取り、データファイルを一時フォルダに入れ、ある量の文書が集まったらデータをサブシステム(テキストIRS147、キャッシュデータベース148)に渡す。
【0120】
インデックス付けツールは、インデックス付け待ち行列346をモニタリングし、基本的な運営管理タスクを実行するために使うことのできるユーティリティーである。このツールのユーザーインターフェースは3つの主要部分に分けられる:図15に示すように履歴360、仕掛かり362および待ち行列364である。履歴部360では、処理済み(インデックス付けされた)文書のリストが与えられる。仕掛かり部362では、インデックス付けされるべく待機中の文書のリストが与えられる。
【0121】
履歴部360はすでにインデックス付けがされている文書をリストするために選択される。表示すべき最も最近インデックス付けされた文書の数は設定できる。うまく処理された文書のみが表示されるよう設定できる。注釈タブはこの時点では使われない。
【0122】
仕掛かり部362は、図16に示すように、現在、インデックス付け待ち行列346にある文書を表示するために選択される。インデックス付け待ち行列364では以下のオプションが利用可能である:フィールド370にある、待ち行列からすべての文書を削除、フィールド372にある、待ち行列中のすべての文書を現在時刻に再スケジュール、フィールド374にある、持続保存に接続、である。
【0123】
持続保存データベース142に接続されているとき、ある種の文書をインデックス付け待ち行列346にドロップすることができる。これは強制的にシステム100をして、これらの文書の再インデックス付けをさせる。再インデックス付けはたとえば、検索スキームが修正される際に必要となる。ドロップについても諸オプションが利用可能である。
【0124】
持続保存データベース142からのすべての文書を待ち行列にドロップすることはフィールド376で設けられている。持続保存内の特定のクラスの文書をインデックス付け待ち行列346にドロップすることはフィールド378に設けられている。特定のオブジェクト識別子(OID)をもつ文書をインデックス付け待ち行列346にドロップすることはフィールド380に設けられている。テキストファイル中で指定された文書をインデックス付け待ち行列346にドロップすることは、フィールド382に設けられている。テキストファイル中で指定された文書をドロップする際、フォーマットは次のようにあるべきである。ファイルはプレーンテキストファイルであり、各行は2つのGUIDすなわちクラス識別子およびオブジェクト識別子の連結を含んでおり、たとえば、{69CFA5A5-2B6F-4AF4-AAEF-81CB81007902} {7F9CE441-45BF-4403-8596-C2C53F27D2A8}である。
【0125】
インデックス付け処理のための構成設定はXMLファイルを編集することによって実行できる。このXMLファイルの項目の内容を変えることでインデックス付けの振る舞いを変更できる。表5は修正しうる項目の一覧である。
【0126】
【表8】

【0127】
メタデータマネージャ120はユーザーが、検索のために利用できる属性およびキャッシュデータベース148についての属性を構成設定できるようにする。これは図18のフィールド390および392に図示されている。ウィンドウは左側のフィールド390のクラスリストと、右側のフィールド392のクラス属性およびオプションとに分けられる。
【実施例】
【0128】
上記の議論に鑑み、本発明のある側面は、図19に示すような、ニュース放送機関のためのようなメディア資産管理システム400である。具体的には、システム400は、それぞれに対応する地理空間的データが付随しているビデオニュースセグメントを収集するためのメディアインターフェース402を有する。メディアインターフェース402は、当業者には容易に理解されるように、たとえば地理空間的ビデオレコーダーとのインターフェースをもっていてもよい。
【0129】
メモリ404は、複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを保存する。プロセッサ406が各ビデオニュースセグメントを前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子と関連付ける。データベース408が各ビデオニュースセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの検索記述子を、ニュース放送機関によるのちの検索および取得のために保存する。メモリ404とデータベース408は別個のものとして示されているが、一緒にパッケージ化されてもよい。
【0130】
検索および取得のため、ユーザー入力インターフェース410がユーザーに、地理空間的データを含むユーザー検索クエリーを生成することを許容する。プロセッサ406はまた、ユーザー検索クエリーをシソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを同定し、前記ユーザー検索クエリーと前記少なくとも一つの追加的な検索クエリーとに基づいてビデオニュースセグメントを検索する。ディスプレイ412が少なくとも一つの取得されたビデオニュースセグメントを表示する。ディスプレイ412は、前記少なくとも一つの取得されたビデオニュースセグメントを、その地理空間的データに対応する地図も表示しながら表示してもよい。
【0131】
たとえば、ディスプレイ412は最初は図20に示された世界地図を表示してもよい。ポップアップ画面413によりユーザーは全文検索またはシソーラス検索を実行することができる。次いで地理空間的検索クエリーを使って、図21に示すように関心のある領域が選択されうる。ポップアップ画面417によりユーザーは、関心のある特定の地理的領域に対する、より詳細な全文検索またはシソーラス検索を実行することができる。次いでディスプレイ412は、分割画面を表示しうる。この分割画面では、図22に示されるように、地理的領域の地図または概観がフィールド419において提供される。概観のうちの指定された領域421がさらに選択されることができ、この指定された領域に関するビデオニュースセグメントがフィールド423に表示される。
【0132】
ここで図23を参照すると、メディア資産管理システム400を使ってビデオニュースセグメントを管理するための方法側面は、開始(ブロック420)から、ブロック422でビデオニュースセグメントを収集し、ブロック424で各ビデオニュースセグメントに対応する地理空間的データを関連付け、ブロック426で複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを生成することを含む。本方法はさらに、ブロック428で各ビデオニュースセグメントに前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子を関連付け、ブロック430でのちの検索および取得のために各ビデオニュースセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの検索記述子を当該メディア資産管理システム400上に保存することを含んでいる。
【0133】
ビデオニュースセグメントの検索および取得のために、当該方法はさらに、ブロック432で関心のある地理的領域を地図表示上で選択し、ブロック434で少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成することを含む。ブロック436で前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーはシソーラスと比較され、少なくとも一つの追加的な検索クエリーが同定される。ブロック438で、ビデオニュースセグメントは、前記少なくとも一つのユーザー検索クエリー、関心のある地理的領域、および前記少なくとも一つの追加的検索クエリーに基づいて検索される。ブロック440で、少なくとも一つのビデオニュースセグメントが該検索に基づいて取得される。該少なくとも一つの取得されたビデオニュースセグメントは、たとえば図22に示すように、その地理的データに対応する地図を表示しながらブロック442で再生されてもよい。当該方法はブロック444で終了する。
【0134】
本発明のもう一つの側面は、図24に示すような、航空センサー・プラットフォーム501からのビデオセグメントを管理するためのメディア資産管理システム500である。航空センサー・プラットフォーム501はたとえば無人の航空機(aerial vehicle)であってもよい。当業者には容易に理解されるように、衛星、飛行船、さらには有人航空機といったその他のタイプのセンサー・プラットフォームも適用可能である。
【0135】
図示した例では、航空センサー・プラットフォーム501はある種の地理的領域をモニタリングしている。該地理的領域はたとえば100平方マイルほどの大きさであってもよい。モニタリングは典型的にはかなりの長さにわたる時間期間にわたってなされるため、監視機関によるのちの検索および取得のために当該メディア資産管理システム500のために大量の時間的および位置ベースのメディアが収集される。
【0136】
具体的には、システム500は航空センサー・プラットフォーム501から、それぞれに対応する地理空間的データが付随しているビデオセグメントを収集するためのメディアインターフェース502を有している。該メディアインターフェース502は、たとえば地理空間的ビデオレコーダーとのインターフェースをもちうる。
【0137】
メモリ504は、複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを保存する。プロセッサ506が各ビデオセグメントを前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子と関連付ける。データベース508が各ビデオセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの記述子を、監視機関によるのちの検索および取得のために保存する。
【0138】
検索および取得のため、ユーザー入力インターフェース510がユーザーに、地理空間的データを含むユーザー検索クエリーを生成することを許容する。上記のように、地理的データは、モニタリングされている地理的領域内にある特定の位置および陸標に対応する。プロセッサ506はまた、ユーザー検索クエリーをシソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを同定し、前記ユーザー検索クエリーと前記少なくとも一つの追加的な検索クエリーとに基づいてビデオセグメントを検索する。ディスプレイ512が少なくとも一つの取得されたビデオセグメントを表示する。
【0139】
ここで図25を参照すると、メディア資産管理システム500を使って航空センサー・プラットフォームからのビデオセグメントを管理するための方法側面は、開始(ブロック520)から、ブロック522で航空センサー・プラットフォーム501からのビデオセグメントを収集し、ブロック524で各ビデオセグメントに対応する地理空間的データを関連付け、ブロック526で複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを生成することを含む。本方法はさらに、ブロック528で各ビデオセグメントに前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子を関連付け、ブロック530でのちの監視機関による検索および取得のために各ビデオセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの検索記述子を当該メディア資産管理システム500上に保存することを含んでいる。
【0140】
ビデオセグメントの検索および取得のために、当該方法はさらに、ブロック532で関心のある地理的領域を地図表示上で選択し、ブロック534で少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成することを含む。ブロック536で前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーはシソーラスと比較され、少なくとも一つの追加的な検索クエリーが同定される。ブロック538で、ビデオセグメントは、前記少なくとも一つのユーザー検索クエリー、関心のある地理的領域、および前記少なくとも一つの追加的検索クエリーに基づいて検索される。ブロック540で、少なくとも一つのビデオセグメントが該検索に基づいて取得される。該少なくとも一つの取得されたビデオセグメントは、たとえば図22に示すように、その地理的データに対応する地図を表示しながらブロック542で再生されてもよい。当該方法はブロック544で終了する。
【0141】
本発明のもう一つの側面は、図26に示すような、防犯カメラ601からのビデオセグメントを管理するためのメディア資産管理システム600である。さまざまなセキュリティ機関がたとえば空港、港ならびに電力および水施設を監視する責任を有している。監視されるべき領域じゅうに配置された防犯カメラ601は、個々のカメラが関心のある特定の領域に対する監視を提供することによって、連続的モニタリングを可能にする。
【0142】
図示した例では、防犯カメラ601は空港に駐機されている航空機603をモニタリングしている。モニタリングは連続的なので、監視機関によるのちの検索および取得のために当該メディア資産管理システム600のために大量の時間的および位置ベースのメディアが収集される。各防犯カメラ601は固定領域をカバーし、該固定領域内の像に対してパン、チルトおよびズームができる。
【0143】
具体的には、システム600は防犯カメラ601から、それぞれに対応する地理空間的データが付随しているビデオセグメントを収集するためのメディアインターフェース602を有している。該メディアインターフェース602は、たとえば地理空間的ビデオレコーダーとのインターフェースをもちうる。
【0144】
メモリ604は、複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを保存する。プロセッサ606が各ビデオセグメントを前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の記述子と関連付ける。データベース608が各ビデオセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの記述子を、監視機関によるのちの検索および取得のために保存する。
【0145】
検索および取得のため、ユーザー入力インターフェース610がユーザーに、地理空間的データを含むユーザー検索クエリーを生成することを許容する。該地理的データは、たとえば特定のゲート位置、航空機ハンガーおよび建物の入口/出口を含みうる。プロセッサ606はまた、ユーザー検索クエリーをシソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを同定し、前記ユーザー検索クエリーと前記少なくとも一つの追加的な検索クエリーとに基づいてビデオセグメントを検索する。ディスプレイ612が少なくとも一つの取得されたビデオセグメントを表示する。
【0146】
ここで図27を参照すると、メディア資産管理システム600を使って防犯カメラ601からのビデオセグメントを管理するための方法側面は、開始(ブロック620)から、ブロック622で防犯カメラ601からのビデオセグメントを収集し、ブロック624で各ビデオセグメントに対応する地理空間的データを関連付け、ブロック626で複数の検索記述子を有し、記述子間の相互参照をもつ検索シソーラスを生成することを含む。本方法はさらに、ブロック628で各ビデオセグメントに前記検索シソーラスからの少なくとも一つの個別の検索記述子を関連付け、ブロック630でのちの検索および取得のために各ビデオセグメント、その地理空間的データおよびその少なくとも一つの検索記述子を当該メディア資産管理システム600上に保存することを含んでいる。
【0147】
ビデオセグメントの検索および取得のために、当該方法はさらに、ブロック632で関心のある地理的領域を地図表示上で選択し、ブロック634で少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成することを含む。前記のように、該地理的データは、防犯カメラの一つによってモニタリングされている関心のある特定の領域を含みうる。ブロック636で前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーはシソーラスと比較され、少なくとも一つの追加的な検索クエリーが同定される。ブロック638で、ビデオセグメントは、前記少なくとも一つのユーザー検索クエリー、関心のある地理的領域、および前記少なくとも一つの追加的検索クエリーに基づいて検索される。ブロック640で、少なくとも一つのビデオセグメントが該検索に基づいて取得される。該少なくとも一つの取得されたビデオセグメントは、たとえばその地理的データに対応する地図を表示しながらブロック642で再生されてもよい。当該方法はブロック644で終了する。
【0148】
加えて、本願と並行して出願され、本発明の被譲渡者に譲渡された同時係属の特許出願では、当該メディア資産管理システムに関係するその他の特徴が開示されている。該出願は、「ビデオニュースセグメントを管理するためのメディア資産管理システムおよび関連する方法」と題された代理人整理番号GCSD-1214(51364)の出願および「固定領域防犯カメラからのビデオセグメントを管理するためのメディア資産管理システムおよび関連する方法」と題された代理人整理番号GCSD-1564(51391)の出願である。両出願の開示全体はここに参照によってその全体において組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディア資産管理システム上に保存されている固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを検索および取得するための、前記メディア資産管理システムのプロセッサによって実行される方法であって、前記メディア資産管理システムはまた、互いに相互参照が付けられている複数の検索記述子を含む検索シソーラスであって前記検索記述子は階層的関係、連想関係および等価関係によって結び付けられている検索シソーラスを保存しており、各固定領域ビデオセグメントには対応する地理空間的データが関連付けられており、各固定領域ビデオセグメントはまた、前記検索記述子に関連付けられた、前記検索シソーラスに含まれる個別の検索記述子を有しており、当該方法が:
ユーザー入力インターフェースを介してユーザーに、地理空間的データを含む少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成することを許容し、
前記メディア資産管理システムによって、前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーを前記検索シソーラスと比較して少なくとも一つの追加的な検索クエリーを指定し、前記指定は前記複数の検索記述子に基づいており、前記階層関係は結び付けられたより広義の用語とより狭義の用語を含む検索記述子によって定義され、前記連想関係は類似したまたは関係した用語と結び付けられる用語を含む検索記述子によって定義されて用語間の関係は階層的ではなく、前記等価関係は同義語を含み、
前記少なくとも一つの生成されたユーザー検索クエリーおよび前記少なくとも一つの指定された追加的な検索クエリーに基づいて保存されている固定領域ビデオセグメントを検索し、
前記メディア資産管理システムによって、少なくとも一つの固定領域ビデオセグメントおよび少なくとも一つの地図を取得し、前記少なくとも一つの取得される固定領域ビデオセグメントは前記少なくとも一つの生成されたユーザー検索クエリーおよび前記少なくとも一つの指定された追加的検索クエリーに対応するものであり、前記少なくとも一つの取得される地図は前記少なくとも一つの取得される固定領域ビデオセグメントの関連付けられた地理空間的データに対応するものである、
ことを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記地理空間的データが緯度および経度を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記固定領域ビデオセグメントにコンテンツデータが関連付けられており、前記コンテンツデータが各固定領域ビデオセグメントが収集された日時を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記コンテンツデータが、トピック、位置用語、陸標およびイベントのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記固定領域ビデオセグメントが低解像度モードおよび高解像度モードの両方で保存されていることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一つの固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントのためのメディア資産管理システムであって:
互いに相互参照が付けられている複数の地理空間的検索記述子を含む検索シソーラスであって前記地理空間的検索記述子は階層的関係、連想関係および等価関係によって結び付けられている検索シソーラスを保存する記憶装置と、
少なくとも一つの固定領域防犯カメラからの固定領域ビデオセグメントを保存するデータベースであって、各固定領域ビデオセグメントには対応する地理空間的データが関連付けられており、各固定領域ビデオセグメントはまた、前記地理空間的検索記述子に関連付けられた、前記地理空間的検索シソーラスに含まれる少なくとも一つの地理空間的検索記述子を有している、データベースと、
ユーザーが地理空間的データを含む少なくとも一つのユーザー検索クエリーを生成できるようにするユーザー入力インターフェースと、
前記少なくとも一つの生成されたユーザー検索クエリーを前記検索シソーラスと比較するよう構成されているプロセッサであって、さらに:
前記階層関係、前記連想関係および前記等価関係によって結び付けられた検索記述子に基づいて少なくとも一つの追加的な検索クエリーを指定し、前記階層関係は結び付けられたより広い用語とより狭い用語を含む検索記述子によって定義され、前記連想関係は類似したまたは関係した用語と結び付けられる用語を含む検索記述子によって定義され用語間の関係は階層的ではなく、前記等価関係は同義語を含み、
前記少なくとも一つのユーザー検索クエリーおよび前記少なくとも一つの追加的な検索クエリーに基づいて固定領域ビデオセグメントを検索し、
少なくとも一つの保存されている固定領域ビデオセグメントおよび少なくとも一つの地図を取得し、前記少なくとも一つの取得される固定領域ビデオセグメントは前記少なくとも一つの生成されたユーザー検索クエリーおよび前記少なくとも一つの指定された追加的検索クエリーに対応するものであり、前記少なくとも一つの取得される地図は前記少なくとも一つの取得される固定領域ビデオセグメントの関連付けられた地理空間的データに対応するものである、
よう構成されているプロセッサと、
前記少なくとも一つの取得された固定領域ビデオセグメントおよび前記少なくとも一つの取得された地図を表示するためのディスプレイ、
とを有することを特徴とするシステム。
【請求項7】
前記ユーザー入力インターフェースがユーザーがコンテンツデータを生成することもできるようにすることを特徴とする、請求項6記載のメディア資産管理システム。
【請求項8】
前記コンテンツデータが各固定領域ビデオセグメントが収集された日時を含み、前記コンテンツデータがまた、トピック、位置用語、陸標およびイベントのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項6記載のメディア資産管理システム。
【請求項9】
前記ディスプレイが、前記少なくとも一つの取得された固定領域ビデオセグメントを、その地理空間的データに対応する前記少なくとも一つの取得された地図をも表示しながら表示することを特徴とする、請求項6記載のメディア資産管理システム。
【請求項10】
前記ディスプレイは地図ディスプレイを含み、前記ユーザー入力インターフェースはユーザーが前記地図ディスプレイ上で関心のある地理的領域を選択することもできるようにし、前記プロセッサは、前記少なくとも一つの生成されたユーザー検索クエリー、前記少なくとも一つの指定された追加的検索クエリーおよび前記選択された関心のある地理的領域に基づいて前記データベースを検索する、請求項6記載のメディア資産管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2010−257467(P2010−257467A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113795(P2010−113795)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【分割の表示】特願2007−509702(P2007−509702)の分割
【原出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(594071675)ハリス コーポレイション (287)
【氏名又は名称原語表記】Harris Corporation
【Fターム(参考)】