説明

土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法及びそのシステム

【課題】 現実に短時間で土壌・地下水の汚染物質を浄化処理できる実用的な浄化方法を提供する。
【解決手段】 土壌又は地下水が汚染物質で汚染されている原位置において行う方法であり、注入水が汚染領域を通過するように注入井1と揚水井2を設け、前記揚水井2から汚染物質を含む地下水を揚水する行程と、その原位置の土中微生物を含んだ微生物を増殖させる地上のバイオリアクター15に前記揚水を導いて汚染物質を分解する行程と、超微細気泡発生装置26を前記注入井1側に配置して、前記分解された揚水に超微細気泡を入れて前記注入井1から注入する行程とを含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土壌・地下水汚染物質を浄化する方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、土壌、地下水から汚染物質を取り除く浄化方法として、バイオレメディエーションの開発研究が盛んに行われている。バイオレメディエーションとは土壌の掘削を行わず、原位置で微生物を利用して汚染物質を除去する技術である。
従来のバイオレメディエーションによる浄化方法としては、地下汚染領域の近くに複数本の井を掘削し、揚水管から揚水した地下水に微生物の活性を高める各種の基質(酸素、栄養など)を加えて、上流側に掘削された注入管へ戻す処理を繰り返す方法が知られている(特許文献1参照)。
近年では、注入水に超微細気泡を入れることで土壌に酸素を供給する構成が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−216696
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術であっても揚水された汚染物質、例えば土壌等から剥離、分離された油などの汚染物質は最終的には産業廃棄処分をしなければならず、汚染が移動するだけであって環境汚染問題の根本的な解決にはならない。特に現実のバイオレメディエーションでは分離された油、例えばガソリン、軽油、重油などの処理に苦慮している。
また、現実の汚染土壌は多数の汚染物質が複雑に絡み合って汚染されており、単純に超微細気泡を注入するだけでは汚染土壌の個々の領域毎に汚染状況に応じた細やかで効果の高い浄化処理を行うことは難しい。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、土壌、地下水から分離された微生物のもつ発酵、分解機能を高めて、短期間で汚染物質に係わる産業廃棄物の発生を完全になくす、又は極めて低減できるシステムを提供することにある。
また、本発明の目的は、揚水によって回収される油などの汚染物質を微生物のもつ発酵、分解能力を活用したバイオリアクターシステムを開発することで、現実に短時間で浄化処理できる実用的なシステムを提供することである。
なお、上記に記載した以外の発明の課題、その解決手段及びその効果は、後述する明細書内の記載において詳しく説明する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は多面的に表現できるが、例えば、代表的なものを挙げると、次のように構成したものである。なお、下記各発明において、各符号は後述する実施形態との対応関係を分かりやすくするために一例として示したものであり、本発明の各構成要素は、実施形態に記載した符号に係る構成に限定されないことは言うまでもない。
本発明の土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法は、土壌又は地下水が汚染物質で汚染されている原位置において行う方法であり、
注入水が汚染領域を通過するように注入井1と揚水井2を設け、前記揚水井2から汚染物質を含む地下水を揚水する行程と、
その原位置の土中微生物を含んだ微生物を増殖させる地上のバイオリアクター15に前記揚水を導いて汚染物質を分解する行程と、
超微細気泡発生装置26を前記注入井1側に配置して、前記分解された揚水に超微細気泡を入れて前記注入井1から注入する行程と、
を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明であれば、少なくともその原位置の土中微生物を含んだ微生物を増殖させる地上のバイオリアクターに揚水を導くことにより、汚染物質を短時間でほぼ完全に分解することができる。従って汚染物質に係る産業廃棄物を著しく減らすことができる。また、嫌気性微生物、好気性微生物が働いている土中の状態であるか否かにかかわらず、超微細気泡発生装置を循環水経路の注入井側に配置して、超微細気泡を注入井から注入することで超微細気泡と微生物の相乗的な界面活性効果によって汚染物質の土壌構成物に対する剥離機能を高めて浄化速度を高めることができる。
【0008】
上記構成において、前記バイオリアクター15で増殖された微生物を超微細気泡とともに前記注入井1から注入することもできる。
この構成であれば、汚染土壌中に存在する微生物はその汚染物質を分解する機能の高い細菌が集まっているので、その土中微生物をバイオリアクターで増殖させて超微細気泡とともに注入井から注入することで土中での分解速度を高めることができる。
上記構成において、前記バイオリアクター15の分解行程において、原位置の土中微生物に加えて汚染物質の種類を考慮してオペレータが選択した微生物を働かせることもできる。
この構成であれば、オペレータの経験を基にして汚染物質の分解に適した微生物を調合することでバイオリアクターでの分解速度を高めることができる。
【0009】
上記構成において、前記注入井1の注入口側に注入側バッファ槽12を設け、前記注入側バッファ槽12に超微細気泡発生装置26を配設し、前記注入側バッファ槽12内で超微細気泡の含有量を調整することもできる。
この構成であれば、汚染物質の分布状況に応じて注入側バッファ槽を設けることで、同じ原位置での汚染土壌であっても狭い汚染領域毎に注入液の条件を変えて細やかな浄化処理を行うことができる。
【0010】
上記構成において、前記注入側バッファ槽12に高濃度の微生物供給装置27を設け、前記注入側バッファ槽12内にオペレータが選択した微生物を供給することもできる。
この構成であれば、微生物を新たに加えることで分解条件を高めて、短期間に分解することが可能になる。
【0011】
本発明の土壌・地下水汚染物質の分解浄化システムは、土壌又は地下水が汚染物質で汚染されている原位置において、その汚染領域を注入水が通過するように設けられた注入井1及び揚水井2と、
前記揚水井2によって得られた揚水が導かれ、少なくともその原位置の土中微生物を含む微生物を増殖させる地上のバイオリアクター15と、
前記汚染物質の分布状況に対応して前記注入井1に連設して設けられた注入側バッファ槽12と、
前記注入側バッファ槽12に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置26と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
上記構成において、前記注入側バッファ槽12にオペレータが選択した微生物を供給する微生物供給装置27を設けることもできる。
上記構成において、前記揚水井2に揚水側バッファ槽13を設け、前記バイオリアクター15又は前記揚水側バッファ槽13に取付けられた汚染物質検出装置24の検出情報に基づいて、前記超微細気泡発生装置26、前記微生物供給装置22・27の少なくとも一つに駆動情報を出力する制御装置25を設けることもできる。
【発明の効果】
【0013】
本発明であれば、土壌、地下水から分離された汚染物質の微生物のもつ発酵、分解機能を高めて、短期間で汚染油の産業廃棄物の発生を完全になくすことができる。
また、現実に短時間で土壌・地下水の汚染物質を浄化処理できる実用的なシステムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明に係る土壌・地下水汚染物質の分解浄化システムを示す概略構成図、図2は注入井と揚水井の平面配置の一例を示す図、図3は注入井と揚水井の断面図、図4は各井の作用部における注入,吸入の様子を示す図である。
この汚染物質分解浄化システムは、土壌又は地下水が汚染物質で汚染されている原位置において行われるものである。
図2に示すように、まず、汚染領域6を通過するように注入井1と揚水井2を例えば平面視において格子状に形成する。注入井1と揚水井2の配設間隔は汚染濃度が高いところは密度を高く設定し、汚染濃度が低いところは密度を低くするが図2においては等密度に設定した例が示してある。また、図4に示すように通常、各井1,2は管で構成され、各井1,2の作用部(主に先端部域)の周壁には孔3が多数設けられている。注入井1の孔3から放射状に放出された注入水4は土壌中を流れ、揚水井2の周壁の孔3から吸引される。
【0015】
図1及び図3に示すように、地中の構造は主に地下水が流れている地下水層7と、その上層の汚染土壌層8と地下水層7の下にある不透水層9とからなっている。汚染物質の多くは汚染土壌層8に存在し、特に各層の境界部分に多く存在している。例えば、油などの汚染物質は、粘土質や土壌中の有機物に吸着されやすく、汚染物質が徐々に地下水中に離脱していくので地下水層7にも汚染物質が含まれることになる。よって、注入井1と揚水井2は、地下の地下水層7にも十分達する深さに掘削される。また、浄化処理領域は遮水壁10によって周囲に拡散しないように区画する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る浄化システムは、注入井1及び揚水井2と、注入井1に連通される注入側バッファ槽12と、揚水井2に連通される揚水側バッファ槽13と、揚水側バッファ槽13からの揚水を一時的に溜める汚水槽14と、汚染物質を分解するバイオリアクター15と、水処理装置16と、水処理装置16で処理された水を溜める貯水槽17とを含んで構成してある。
この構成では揚水井2からの揚水の大部分は、揚水側バッファ槽13、汚水槽14、バイオリアクター15、水処理装置16、貯水槽17、注水側バッファ槽12を経て注入井1に再注入されるので循環管路18が形成されることになる。
【0017】
注入井1と注水側バッファ槽12の間には弁装置29と注水用ポンプ30を設けてある。揚水井2と揚水側バッファ槽13の間にも弁装置31と注水用ポンプ32を設けてある。
注入側バッファ槽12は各注入井1に注入される水の性質、状態を変えるために設けられたものであり、超微細気泡発生装置26と後述する駆動情報によって選択された微生物を注入する微生物供給装置27を備えている。微生物供給装置27は複数個設けられる場合が多い。一方、揚水側バッファ槽13は必要によって設けられるものである。揚水側バッファ槽13は各揚水井2の揚水量や汚染物質の汚染濃度を検出するために水位計又は流量計(図示せず)や汚染濃度、汚染物質の特定などを行う汚染物質検出装置24が設けてある。
【0018】
図1に示す構成では1本の注入井1に対して1個の注入側バッファ槽12が設けられている例が示してあるが、複数本の注入井1に対して1個の注入側バッファ槽12を連通させてもよい。この場合は複数本の注入井1の注入状態が単一の注入側バッファ槽12の状態で同じように変更されることになる。また、同様に複数本の揚水井2に対して1個の揚水側バッファ槽13を連通させてもよい。この場合は複数本の平均の揚水量や平均の汚染濃度が検出されることになる。前記複数本は2〜3本であることが好ましい。
水処理装置16は調整槽、浮上分離槽、沈殿槽、沈殿物滞在槽、フィルタープレス(全て図示せず)などで構成される。
【0019】
バイオリアクター15は少なくともその原位置の土中微生物を含む微生物を増殖させる装置であり、短時間で油などの汚染物質を微生物の作用でほぼ完全に分解する能力のあるものが構成してある。本実施形態のバイオリアクター15は微生物培養装置20と微生物発酵分解槽21と微生物供給装置22を含んで構成してある。なお、バイオリアクター15にも汚染物質検出装置34が取り付けてある。汚染物質検出装置34は汚染物質の種類や濃度などを検出する。
【0020】
このバイオリアクター15は、揚水井2から揚水された地下水に含まれる土中微生物を微生物培養装置20によって増殖させ、微生物発酵分解槽21において微生物によって発酵などによって分解するものである。このバイオリアクター15は汚染物質の種類に応じて適切なタイプを選択使用することができ、汚染物質分解菌の生育に必要な栄養源を添加したり、バイオリアクター15内の微生物培養装置20において温度、酸素濃度を分解細菌の生育に適する条件に維持してその細菌を増殖させる。
【0021】
バイオリアクター15は嫌気性バイオリアクターと好気性バイオリアクターの両方機能を備えている。例えば、好気性細菌と嫌気性細菌を用いる場合は超微細気泡を用いた分解槽を採用するとともに当該分解槽内又は別の分解槽において食物連鎖的な好気性細菌と嫌気性細菌の共同分解機能によって汚染物質を分解する。
【0022】
本実施形態において採用される汚染物質の分解能を有する微生物は、分解すべき汚染物質に応じて選択されるもので特に限定されない。
例えば、主な微生物を例示すると以下の通りである。
シュードモナス(Pseudomonas)属、バチルス(Bacillus)属、ニトロソモナス(Nitrosomonas)属、エシェリチア(Esherichia)属、バルクホルデリア(Burkholderia)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、モラセラ(Moraxella)属、ビブリオ(Vibrio)属、ノカルジア(Nocardia)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、メチロシナス(Methylosinus)属、メチロモナス(Methylomonas)属、ベルキア(Welchia)属、メチロシスチス(Methylocystis)属などである。なお、投与する微生物は3〜15種類の混合で用いることが多い。原位置の細菌を増殖する場合は100種類を超える細菌を増殖する場合もある。
微生物供給装置22・27に加える微生物に関して、汚染物質がトリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの有機塩素化合物である場合には好気性菌や、土壌中あるいは嫌気性汚泥などから分離される嫌気性菌、例えば、メタン生成細菌、フェノール資化性菌、トルエン資化性菌、アンモニア酸化細菌、硫酸還元細菌などの細菌を用いることができる。
【0023】
システムの制御については、揚水側バッファ槽13に設けられた汚染物質検出装置24の検出情報に基づいて、制御装置25がバイオリアクター15の微生物培養装置20、微生物発酵分解槽21及び微生物供給装置22に駆動情報(駆動信号を含む)を出力する。また、予め把握している汚染物質分布に基づいて、汚染物質領域に対応する注水側バッファ槽12に付設された超微細気泡発生装置26と微生物供給装置27にそれぞれ駆動情報を出力する。
【0024】
上記浄化システムの動作について簡単に説明する。
ボーリング調査から得られた3次元的な汚染物質分布情報に基づいて注入井1と揚水井1の差し込み形態が例えば、図2のように決定され、その汚染分布情報に基づいて注入井1に取り付けられる注入側バッファ槽12の注入井1に対する配設比率が決定される。例えば、図3に示す構成では2本の注入井1に対して1個の注入側バッファ槽12が設けてある。同様に揚水井1に対する揚水側バッフア槽13の配設比率も決定する。
【0025】
この設定状態において、注入井1から注入用ポンプ30によって水を土壌等に注入して、図4に示すように噴出させて、超微細気泡を含んだ微生物の界面活性機能によって、石,砂利、岩、砂シルトなどの土壌構成物から汚染物質を剥離させて揚水井2からその汚染物質とともに揚水する。そして、汚水槽14を経てバイオリアクター15においてその土壌に住む土中微生物を含んで微生物培養装置20によって増殖させるとともに必要によって選択微生物を使用して微生物発酵分解槽21において汚染物質の分解を集中的に行う。実験では汚染地域に住む土中微生物を増殖させるとともに、選択して加える微生物の種類を経験則に従って調整することで、バイオリアクター15内においてガソリン、軽油などをほぼ100%分解することが可能であった。
汚染物質が除去された揚水は下流の水処理装置16を介して貯水槽17に蓄えられ、注入側バッファ槽12に再供給される。
【0026】
一方、汚染領域の揚水側の要所に設けられた揚水側バッファ槽13の汚染物質検出装置24からは一定時間又は一定期間毎に揚水の揚水情報(揚水量、汚染物質の濃度等)が送られてくるので、その揚水情報に基づいて制御装置25は、バイオリアクター15の各槽の運転条件を所定のプログラム(動作テーブル等)に基づいて調整する。また、バイオリアクター15の運転条件を変えつつ、注入側バッファ槽12に供給する微生物の種類や、超微細気泡の有無及び量を変更するために、微生物供給装置27や超微細気泡発生装置26に駆動情報を送る。
このように一定時間又は一定期間毎に自動的にバイオリアクター15の運転条件と注入側バッファ槽12の条件を最適なものに変えることによって、従来の原位置での浄化所要時間を著しく短縮して1ヶ月〜3ヶ月程度で汚染土壌、汚染地下水を浄化することが可能になる。また、汚染物質であるをほぼ完全に分解できるので、産業廃棄物として処分する費用が不要になり、大きなコスト削減を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は実施形態に係る土壌・地下水汚染物質の分解浄化システムを示す概略構成図。
【図2】図2は注入井と揚水井の平面配置の一例を示す図。
【図3】図3は注入井と揚水井の断面配置の一例を示す図。
【図4】図4は井の作用部における注入、吸入の様子を示す図。
【符号の説明】
【0028】
1…注入井、2…揚水井、15…バイオリアクター、12…注入側バッファ槽、22・27…微生物供給装置、24・34…汚染物質検出装置、25…制御装置、26…超微細気泡発生装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌又は地下水が汚染物質で汚染されている原位置において行う方法であり、
注入水が汚染領域を通過するように注入井(1)と揚水井(2)を設け、前記揚水井(2)から汚染物質を含む地下水を揚水する行程と、
その原位置の土中微生物を含んだ微生物を増殖させる地上のバイオリアクター(15)に前記揚水を導いて汚染物質を分解する行程と、
超微細気泡発生装置(26)を前記注入井(1)側に配置して、前記分解された揚水に超微細気泡を入れて前記注入井(1)から注入する行程と、
を含むことを特徴とする、土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法。
【請求項2】
請求項1に記載の土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法において、前記バイオリアクター(15)で増殖された微生物を超微細気泡とともに前記注入井(1)から注入する、土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法。
【請求項3】
請求項1に記載の土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法において、前記バイオリアクター(15)の分解行程において、原位置の土中微生物に加えて汚染物質の種類を考慮してオペレータが選択した微生物を働かせる、土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法において、前記注入井(1)の注入口側に注入側バッファ槽(12)を設け、前記注入側バッファ槽(12)に超微細気泡発生装置(26)を配設し、前記注入側バッファ槽(12)内で超微細気泡の含有量を調整する、土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法。
【請求項5】
請求項4に記載の土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法において、前記注入側バッファ槽(12)に高濃度の微生物供給装置(27)を設け、前記注入側バッファ槽(12)内にオペレータが選択した微生物を供給する、土壌・地下水汚染物質の分解浄化方法。
【請求項6】
土壌又は地下水が汚染物質で汚染されている原位置において、その汚染領域を注入水が通過するように設けられた注入井(1)及び揚水井(2)と、
前記揚水井(2)によって得られた揚水が導かれ、少なくともその原位置の土中微生物を含む微生物を増殖させる地上のバイオリアクター(15)と、
前記汚染物質の分布状況に対応して前記注入井1に連設して設けられた注入側バッファ槽(12)と、
前記注入側バッファ槽(12)に超微細気泡を供給する超微細気泡発生装置(26)と、
を備えたことを特徴とする、土壌・地下水汚染物質の分解浄化システム。
【請求項7】
請求項6に記載の土壌・地下水汚染物質の分解浄化システムにおいて、前記注入側バッファ槽(12)にオペレータが選択した微生物を供給する微生物供給装置(27)を設ける、土壌・地下水汚染物質の分解浄化システム。
【請求項8】
請求項6に記載の土壌・地下水汚染物質の分解浄化システムにおいて、前記揚水井(2)に揚水側バッファ槽(13)を設け、前記バイオリアクター(15)又は前記揚水側バッファ槽(13)に取付けられた汚染物質検出装置(24)の検出情報に基づいて、前記超微細気泡発生装置(26)、前記微生物供給装置(22・27)の少なくとも一つに駆動情報を出力する制御装置(25)を設ける、土壌・地下水汚染物質の分解浄化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−567(P2011−567A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147704(P2009−147704)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(599004070)株式会社アーサー (4)
【Fターム(参考)】