説明

土砂スラリーの処理装置

【課題】開水路方式による砂分の分級、回収を、回収率の低下や分級精度の悪化を招くことなく長期的に連続して行うことができる土砂スラリーの処理装置を提供する。
【解決手段】一端側の流入部11から他端側の流出部12へ浚渫スラリー(土砂スラリー)25を流す開水路13の底に、流入部11に隣接する部位から流出部12に隣接する部位にわたって、砂の安息角度を超える角度で陥没する複数のV字断面の砂溜り17を連設し、各砂溜り17の底部には、該砂溜り17内に堆積した砂26を排出するための砂排出口19と該砂排出口19を開閉するバルブ20とを設ける。ポンプ浚渫船からポンプ圧送された浚渫スラリー25を流入部11に下向きに供給して、開水路13内を一定流速で流し、砂26を砂溜り17内に沈降、堆積させて分級し、レベルセンサ21A,21Bによりその堆積量を監視して、バルブ20の操作により堆積した砂26を排出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ浚渫された浚渫スラリー等、土砂を含む土砂スラリーから砂分を分級、回収するための土砂スラリーの処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポンプ浚渫された浚渫スラリーの処理は、一般には排砂管により沈砂池へ搬送し、沈砂池内で砂分を沈降および堆積(分級)させた後、バックホウ、クラムシェル等で回収する方法で行われていた。しかし、このような処理方法では、砂分が所定量堆積するごとに、バックホウ等による回収作業を行わなければならないため(並行作業ができないため)、大量に発生する浚渫スラリーを処理するには、大型の沈砂池を複数設置しなければならず、用地確保が困難な状況にある最近の事情から、これに代わる新たな処理方法、装置が望まれていた。
【0003】
そこで、特許文献1には、図7に示すように、一端側の流入口1から他端側の流出口2へ浚渫スラリー(土砂スラリー)を流す水路(開水路)3を備え、開水路3の底3aを流入口1側から流出口2側へ次第に深くすると共に、流出口2に隣接して、砂排出口4aを底部に有する砂溜り4を設け、砂溜り4に砂5が適当量堆積するごとに、砂排出口4aに設けた開閉バルブ6を開いて砂5を適当量排出する浚渫スラリー処理装置が記載されている。この処理装置によれば、砂分の分級と砂の回収とを並行して行うことができるので、上記した沈砂池における問題点を解決できることになる。
【特許文献1】特開2001−73402号公報(図5、図6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の浚渫スラリー処理装置によれば、開水路3の底3aが緩傾斜となって、砂の安息角度(30度)よりも小さくなっているため、開水路3の途中で沈降、堆積した砂5の、下流側(砂溜り4側)へ流動が困難となる。そして、砂の下流側への流動が困難となる結果、同じく図7に示すように、長期的に開水路3の底3aに堆積する砂5の量が増し、この堆積した砂5を除去するためのメンテナンスが必要になって、連続処理(並行作業)が不可能になる。また、開水路3の途中に堆積した砂5によって水路断面が変化して水路内流速が(低速から高速へ)変化し、分級しきれない砂が流出口2から多量に流出し、砂分の回収率が低下してしまう。なお、この回収率の低下に対処するには、砂の堆積量を考慮して、予め開水路3の深さを深くする考え方もあるが、この場合は、初期段階での水路内流速が小さくなるため、粘土やシルトなどの細粒分の分級(沈降、堆積)も進み、砂分の分級精度が悪化してしまう。
【0005】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、開水路方式による砂分の分級、回収を、回収率の低下や分級精度の悪化を招くことなく長期的に連続して行うことができる土砂スラリーの処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は、一端側の流入部から他端側の流出部へ土砂スラリーを流す開水路を有する水路構造物を備え、前記開水路の底には、前記流入部に隣接する部位から前記流出部に隣接する部位にわたって、砂の安息角度を超える角度で陥没する複数の砂溜りを連設し、前記各砂溜りの底部には、該砂溜り内に堆積した砂を排出するための砂排出口と該砂排出口を開閉するバルブとを設けたことを特徴とする。
【0007】
このように構成した土砂スラリーの処理装置においては、開水路の底にその流れ方向に沿って複数の砂溜りが連設されているので、砂溜りの上方域が水路断面となり、したがって、水路内流速は砂溜りの影響を受けることなく安定する。また、砂溜りは、砂の安息角度を超える角度で陥没すると共に、流れ方向に連接して設置されているので、土砂スラリー中の砂分が砂溜り内に確実に沈降および堆積し、したがって、開水路の底に堆積する砂によって水路断面が変化することはなくなり、水路内流速は長期的にも安定する。そして、水路内流速が安定する結果、砂の分級が促進されて回収率が増大すると共に、分級精度も高まる。しかも、開水路の底に砂が堆積することがなくなるので、水路底に堆積した砂を除去するためのメンテナンスも不要になり、長期的に連続処理が可能になる。さらに、砂粒子の沈降速度は粒径の2乗に比例するので、上流側の砂溜りほど粒径の大きい砂が堆積し、したがって砂溜り単位で異なった粒径分布の砂を回収できる。
【0008】
本発明において、上記砂溜りの断面形状は任意であるが、開水路の流れ方向に沿ってV字断面とするのが望ましい。このようにV字断面とする場合は、V字断面の最深部に集中的に砂が集まるので、該最深部に砂排出口を設けることで、砂排出口からの砂の排出を円滑に行うことができる。
【0009】
また、本発明は、土砂スラリーが、開水路の流入部に対して下向きに供給されるようにするのが望ましい。この場合は、開水路に供給される土砂スラリーの勢いが流入部で減勢されるので、流入部より下流側の水路内流速に対する影響が小さくなり、水路内流速は安定する。
【0010】
また、本発明は、開水路が幅広に形成されており、土砂スラリーが、前記開水路の流入部に対し、該開水路の幅方向に分配して供給される構成としてもよい。このように構成した場合は、処理能力を高めるべく開水路を幅広としても、開水路内の流速分布は一様となり、安定して砂分の分級を行うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る土砂スラリーの処理装置によれば、開水路方式による砂分の分級、回収を、回収率の低下や分級精度の悪化を招くことなく長期的に連続して行うことができ、大量に発生する浚渫スラリーの処理に向けて好適となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1、2は、本発明に係る土砂スラリーの処理装置の一つの実施形態を示したものである。本実施形態としての処理装置10は、ポンプ浚渫された浚渫スラリーから砂分を分級、回収するもので、一端側の流入部11から他端側の流出部12へ浚渫スラリー(土砂スラリー)を流す開水路13を有する水路構造物14を備えている。水路構造物14の一端側には、後述のポンプ浚渫船30(図3)から延ばした排砂管31に一端を接続したスラリー管32が取回されており、開水路13の一端側の流入部11には、該スラリー管32から下向きに浚渫スラリーが供給されるようになっている。本実施形態において、開水路13は幅広に形成されており、スラリー管32は、前記排砂管31から分岐する形態で複数本(ここでは、4本)設けられ、それぞれは、開水路13の幅方向に等間隔に配列されている。また、排砂管31の先端部には流量調整弁33が設けられており、開水路13には、この流量調整弁33で調整された所定流量の浚渫スラリーが供給される。
【0014】
開水路13の流出部12は、堰(角落とし)15を有する堰構造となっており、開水路13内の浚渫スラリーはこの堰15をオーバーフローして外部へ流出するようになっている。堰15の高さは、開水路13の幅方向に一定高さとなっており、これにより流入部11に供給された浚渫スラリーは、開水路13内を幅方向に一定した流速分布を保って流出部12へ向けて流れる。なお、流出部12の外側には、堰15をオーバーフローした浚渫スラリーを受ける受樋16が配設されている。
【0015】
上記開水路13の底13aには、流入部11に隣接する部位から流出部12に隣接する部位にわたって、流れ方向にV字断面をなす複数(ここでは、3つ)の砂溜り17が連設されている。各砂溜り17は、砂の安息角度(30度)よりも大きい角度で壁面17aが傾斜するようにそのV字角度が設定されており、開水路13内を流入部11から流出部12へ浚渫スラリーが流れる間に、該浚渫スラリー中の砂分がこの砂溜り17内に沈降および堆積するようになっている。各砂溜り17は、開水路13の底13aから直接陥没する形態で設けられており、砂溜り17の相互間の連接部(天端)18は開水路13の底13aと同じ高さレベルとなっている。これにより開水路13の断面(水路断面)は砂溜り17の存在によらず一定となり、この結果、開水路13内を流れる浚渫スラリーの流速(水路内流速)は、砂溜り17の影響を受けることなく一定となる。
【0016】
本実施形態において、各砂溜り17のV字断面の最深部(頂部)には複数(ここでは、5つ)の砂排出口19が設けられている。各砂排出口19には開閉バルブ20が取付けられており、この開閉バルブ20の開弁に応じて砂溜り17内に堆積した砂が外部へ排出される。また、各砂溜り17の壁面17aには、砂溜り17内に堆積した砂の量を検知する一対のレベルセンサ21A、21Bが上下方向に離間して設置されている。この一対のレベルセンサのうち、上側のレベルセンサ21Aは砂の堆積量の上限を検知する上限センサ、下側のレベルセンサ21Bは砂の堆積量の下限を検知する下限センサとしてそれぞれ機能し、これらレベルセンサ21A、21Bの信号に応じて開閉バルブ20を開閉することで、砂溜り17内における砂の堆積量が調整される。一方、各砂溜り17の下方には、前記砂排出口19から落下する砂を受けるコンベヤ22が配設されている。コンベヤ22は、ベルトコンベヤからなっており、その上に受けた砂を本処理装置10の側方へ搬送する。さらに、開水路13の上方には、該開水路13内を流れる浚渫スラリーの液面高さを検知する液位センサ23が設置されている。本実施形態においては、該液位センサ23の検出結果に基づいて、一定の液位となるように前記排砂管31内の流量調整弁33をフィードバック制御する。
【0017】
本処理装置10は、一例として図3に示すように、陸上の沈殿池34に隣接して受泥槽35と一緒に設置される。ポンプ浚渫船30は、ラダー36の先端から浚渫スラリー(浚渫土砂)を船上に吸引する吸引ポンプ37と浚渫スラリーを前記排砂管31内に圧送する圧送ポンプ38とを備えており、浚渫スラリーは本処理装置10へ連続供給される。一方、受泥槽35は本処理装置10に付設した前記受樋16と配管39により接続され、また、受泥槽35と沈殿地34との間はポンプ40を有する配管41により接続されている。これにより開水路13をオーバーフローした浚渫スラリーは、一旦受泥槽35に蓄えられた後、沈殿池34へポンプ圧送される。
【0018】
ここで、本処理装置10内の開水路13内の流速(水路内流速)をU、砂粒子の沈降速度をU1、流入部11に隣接する部位から流出部12に到る開水路13の長さ(水路長)をLとすると、砂粒子が流出部12に到達する時間t1は下記(1)式により、砂粒子が流出部12に到達するまでに沈降する量h1は下記(2)式によってそれぞれ決まる。
t1=L/U (1)
h1=U1×t1=U1×L/U (2)
これより、砂粒子の沈降量h1が開水路13の端部の落差(水深)Hより大きければ(h1>H)、砂分は開水路13内で沈降し、砂溜り17内に堆積することになる。この場合、砂粒子の沈降速度h1は粒径の2乗に比例するので、粒径の大きい砂分ほど流入部11に近い側の砂溜り17内に、粒径の小さい砂分ほど流出部12に近い側の砂溜り17内に沈降する。
【0019】
一方、水路内流速Uは、浚渫スラリーの流入量Qと水路断面(水路幅×水深)Sとの関係で、下記(3)式によって決まる。
U=Q/S (3)
この場合、ポンプ浚渫船30から圧送される浚渫スラリーの量、すなわち開水路13内への浚渫スラリーの流入量Qは、ポンプ浚渫船30の能力によって決まり、また、水路断面Sは、前記流入量Qを処理可能な大きさとなる。本実施形態においては、開水路13内が一定の液位となるように排砂管31内の流量調整弁33を制御するので、前記流入量Qおよび水路断面Sは自ら決まり、したがって、これら流入量Qおよび水路断面Sに基づいて(3)式から水路内流速Uが求まり、これを上記(2)に代入すれば、砂分の分級に必要な水路長Lが分かる。
【0020】
本処理装置10は、上記のようにして求められる水路長Lに対して、その流れ方向に連接して必要数の砂溜り17を設置する。この場合、砂の安息角度(30度)よりも大きい角度で陥没すること、水路断面Sに影響を与えない開口面積を有することが前提となるので、これらの点を考慮して砂溜り17として必要な寸法、形状並びに設置数を決定する。
【0021】
以下、上記のように構成した処理装置10による浚渫スラリーの処理方法を、図4も参照しながら説明する。
【0022】
浚渫スラリーの処理に際しては、排砂管31の先端部に設けた流量調整弁33を操作して、開水路13に供給される浚渫スラリーの量を一定とする。ポンプ浚渫船30からポンプ圧送された浚渫スラリー25は、図4に示されるように、複数のスラリー管32から開水路13の一端側の流入部11に下向きに供給され、開水路13内を所定の流速で他端側の流出部12へ向けて流れ、堰15をオーバーフローする。このとき、流入部11に対しスラリー管32から下向きに浚渫スラリー25が供給されるので、スラリー管32からの吐出流の勢いが該流入部11で減勢され、これにより流入部11より下流側の流速に対する吐出流の影響が小さくなり、水路内流速は安定する。また、開水路13の幅方向に所定の間隔で配列した複数のスラリー管32から浚渫スラリー25が供給されるので、幅広の開水路13内での流速分布は一様となる。
【0023】
浚渫スラリー25が開水路13内を流入部11から流出部12へ流れる間、該浚渫スラリー25中の砂(砂分)26が砂溜り17内に沈降および堆積する。開水路13の長さ(水路長)は、上記したように水路内流速との関係で、砂分の分級に必要な長さに設定されているので、浚渫スラリー25中に含まれる砂26の大部分が砂溜り17内に沈降、堆積する。このとき、粒径の差により、上流側の砂溜り17ほど粒径の大きい砂26が、下流側の砂溜り17ほど粒径の小さい砂26が堆積する。
【0024】
そして、時間の経過とともに、砂溜り17内における砂26の堆積量が増加し、遂には図4(b)に示すように、一部の砂溜り17内の砂26の高さが上限センサ(レベルセンサ)21Aの位置に達する。すると、上限センサ21Aが作動するので、その信号に応じて開閉バルブ20が開かれ、これにより砂溜り17内に堆積していた砂26が、砂排出口19を通過して下方のコンベヤ22上に落下し、次第にその高さを減じる。砂溜り17内の砂26の高さが下限センサ(レベルセンサ)21Bの位置まで下がると、該下限センサ21Bが作動し、その信号に応じて開閉バルブ20が閉じられる。上限センサ21Aは開水路13の底13aより低いレベルに設置されており、したがって、開水路13の底13aのレベルを超えて砂26が堆積することはない。この結果、水路断面は一定に維持され、浚渫スラリー25からの砂分の分級も円滑に進む。一方、下限センサ21Bの位置は、砂排出口19よりもかなり高位にあり、したがって、開閉バルブ20を閉じた段階では砂溜り17内にかなりの砂26が滞留する。この結果、浚渫スラリー25が不用意に砂排出口19から流出することはなく、本処理装置による処理は安定する。なお、開閉バルブ20の操作は、手動で行っても自動で行ってもよい。
【0025】
このようにして各砂溜り17内に砂26が所定量堆積するごとに、各砂溜り17から適当量の砂26が排出され、この排出された砂26は、コンベヤ22により本処理装置10の外へ搬送され、砂溜り17別に回収される。上記したように上流側の砂溜り17から回収された砂26と下流側の砂溜り17から回収された砂26とでは粒径分布が異なっているので、砂溜り17別に砂26を回収することで、要求される品質に適した用途に回収砂を向けることができる。なお、回収砂の用途は任意であり、覆砂、干潟造成、藻場造成等の材料として利用しても、埋立材や盛土材として利用しても、あるいはサンドコンパクション、サンドドレーン等の地盤改良材として利用してもよい。
【0026】
一方、流出部12から流出する浚渫スラリー(泥水)は、シルトや粘土等の細粒分を多く含んでいるが、ここでは、前記受泥槽35に一旦貯留された後、沈殿池34へ送られ、沈殿処理される。ただし、この砂分を分級した後の泥水の処理は任意であり、周知の機械脱水処理を行ってもよいことはもちろんである。
【0027】
上記したように本処理装置10によれば、開水路13の底13aに砂が堆積することがないので、水路底に堆積した砂を除去するためのメンテナンスが不要になり、長期的に連続処理が可能になって、ポンプ浚渫された浚渫スラリーのように大量に発生する土砂スラリーの処理に向けて好適となる。
【実施例1】
【0028】
表1に示すように砂とシルト・粘土とを所定の配合比で配合して含泥率10%(体積比)の泥水を調泥し、これを図5に示す模型水路構造物50に供給して分級実験を行った。模型水路構造物50は、上記実施形態における水路構造物14と同じく、一端側の流入部51から他端側の流出部52へ泥水を流す開水路53を備えているが、ここでは、開水路53の底53aに流れ方向にV字断面をなす砂溜り54を2つ連設した構造とした。なお、各部の寸法については図に併記している。実験は、サンドポンプを用いて泥水を下向きに流入部51に供給し、流量を0.2m3/minに設定して、表1に示す所定の泥水量を流す方法で行い、処理後、砂溜り54に堆積した堆積土を回収し、該堆積土(分離砂)に含まれる砂分およびシルト分を計測した。
【0029】
【表1】

【0030】
表2は、上記した堆積土についての計測結果を示したものである。これより、試料泥水中における砂分の配合量によらず、90%以上の砂分を回収でき、本処理装置は、砂分の回収能力が著しく高いことが分った。また、回収した堆積土に含まれるシルト分は、試料泥水中におけるシルト分の配合量によらず、2%以下と極めてわずかであり、本処理装置は、砂分の分級精度に著しく優れていることが分った。なお、図6は、砂分を50%含む試料泥水(試料)を用いて行った実験ケースBについての粒径加積曲線であり、この粒径加積曲線からも、砂分の分級精度に著しく優れていることが分る。
【0031】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る土砂スラリーの処理装置の一つの実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した処理装置の平面図である。
【図3】本処理装置をポンプ浚渫された浚渫スラリーの処理に適用した場合の実施形態を模式的に示す系統図である。
【図4】本処理装置による浚渫スラリーの処理過程を順を追って示す断面図である。
【図5】本発明の実施例で用いた模型水路構造物を模式的に示したもので、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【図6】本発明の実施例で用いた試料と回収後の分離砂との粒径加積曲線を示すグラフである。
【図7】従来周知の浚渫スラリーの処理装置を示す模式図である。
【符号の説明】
【0033】
10 処理装置
11 流入部、 12 流出部
13 開水路、 14 水路構造物
15 堰、 17 砂溜り
19 砂排出口、 20 開閉バルブ
21A,21B レベルセンサ
30 ポンプ浚渫船、 31 排砂管
32 スラリー管、 33 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側の流入部から他端側の流出部へ土砂スラリーを流す開水路を有する水路構造物を備え、前記開水路の底には、前記流入部に隣接する部位から前記流出部に隣接する部位にわたって、砂の安息角度を超える角度で陥没する複数の砂溜りを連設し、前記各砂溜りの底部には、該砂溜り内に堆積した砂を排出するための砂排出口と該砂排出口を開閉するバルブとを設けたことを特徴とする土砂スラリーの処理装置。
【請求項2】
砂溜りが、開水路の流れ方向に沿ってV字断面をなし、砂排出口が前記V字断面の最深部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の土砂スラリーの処理装置。
【請求項3】
土砂スラリーが、開水路の流入部に対して下向きに供給されることを特徴とする請求項1または2に記載の土砂スラリーの処理装置。
【請求項4】
開水路が幅広に形成されており、土砂スラリーが、前記開水路の流入部に対し、該開水路の幅方向に分配して供給されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の土砂スラリーの処理装置。
【請求項5】
土砂スラリーが、ポンプ浚渫された浚渫スラリーであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の土砂スラリーの処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−259943(P2008−259943A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103823(P2007−103823)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【出願人】(000222668)東洋建設株式会社 (131)
【Fターム(参考)】