説明

圧力容器用ライナ

【課題】 無駄なスペースを生じさせることなく設置することができ、圧力容器として用いた場合の軽量化を図ることができる圧力容器ライナを提供する。
【解決手段】 圧力容器用ライナ1は、筒状の胴2と、胴2の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなる。 圧力容器用ライナ1は、胴2を構成する第1ライナ構成部材4と、第1ライナ構成部材4の両端部に接合されかつ鏡板を構成する第2ライナ構成部材とを備えている。第1ライナ構成部材4は、両端が開口した筒状部6と、筒状部6内にその全長にわたって設けられ、かつ筒状部6内を両端が開口した複数の空間8に仕切る補強壁7とを有している。筒状部6の横断面の外形は左右方向に長いだ円形である。筒状部6内に、横断面形状が上下方向に長いだ円形である複数の空間8を、左右方向に間隔をおいて形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば自動車産業、住宅産業、軍事産業、航空宇宙産業、医療産業等において、発電のための燃料となる水素ガスや天然ガスを貯蔵する圧力容器、または酸素ガスを貯蔵する圧力容器に用いられる圧力容器用ライナに関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、図4〜図9の上下、左右をそれぞれ上下、左右というものとする。この明細書および特許請求の範囲において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。この明細書および特許請求の範囲において、「だ円形」という語には、数学で定義されるだ円の他に、だ円に近似した形状、すなわち一方向の長さがこれと直交する方向の長さよりも長く、かつ全体に丸みを帯びている形状も含むものとする。さらに、この明細書および特許請求の範囲において、「長円形」という語は、曲率半径の等しい半円が開口どうしが対向するように間隔をおきかつ曲率中心が同一直線上に位置するように配置され、両半円どうしが互いに平行な2つの直線により連結された形状を意味するものとする。
【背景技術】
【0003】
近年、自動車排気ガス等による大気汚染対策として、排気ガスのクリーンな天然ガス自動車や、燃料電池自動車の開発が進められている。これらの自動車は、燃料となる天然ガスや水素ガスを高圧で充填した圧力容器を搭載している。
【0004】
従来、このような圧力容器用ライナとして、円筒状の胴と胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなり、両端が開口した円筒状体からなりかつ胴を構成するアルミニウム押出形材製の第1ライナ構成部材と、略椀状でかつ第1ライナ構成部材の両端部に溶接されて鏡板を構成する2つのアルミニウムダイキャスト製第2ライナ構成部材とにより形成されたものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
この圧力容器用ライナは、補強繊維を両鏡板にかかるようにして胴の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けるとともにエポキシ樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻補強層と、補強繊維を胴の周りに周方向に巻き付けるとともにエポキシ樹脂を含浸硬化させたフープ巻補強層とが複数ずつ設けられて、圧力容器として用いられるようになっている。
【0006】
ところで、自動車においては、航続距離を延ばすことを目的として、圧力容器の大容量化が要求されている。特許文献1記載の圧力容器用ライナを用いた圧力容器において大容量化を図るためには、胴の直径を大きくするとともに長さを長くすればよいのであるが、自動車の車幅には制限があるので、胴の長さを長くすることにも限界があることから、胴の直径を大きくすることにより、圧力容器の大容量化に対応しなければならない。しかしながら、胴の直径を大きくすると、自動車に存在する空いているスペースを有効に利用することができず、車載状態において無駄なスペースが生じ、車室の居住性が低下するという問題がある。しかも、胴の直径を大きくすると、車高を高くする必要があってセダン型等の車高の低い自動車には用いることができないという問題がある。
【0007】
そこで、このような問題を解決した圧力容器用ライナとして、胴の横断面形状が左右方向に長い長円形となされたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
この圧力容器用ライナにおいても、補強繊維を両鏡板にかかるようにして胴の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けるとともに樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻補強層と、補強繊維を胴の周りに胴の長さ方向と直角をなすように巻き付けるとともに樹脂を含浸硬化させたフープ巻補強層とが複数ずつ設けられて、圧力容器として用いられるようになっている。
【0009】
しかしながら、特許文献2記載の圧力容器用ライナを用いた圧力容器においては、内圧が上昇した場合、胴は上下方向に膨らむとともに左右方向に縮んで横断面円形になろうとする変形挙動を示すことになる。この場合、胴の外周長は変化しないので、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用せず、補強繊維による耐圧性向上効果が十分に得られない。したがって、ヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層の数を多くしなければならず、その結果圧力容器全体の重量が増加するという問題がある。
【特許文献1】特開平9−42595号公報
【特許文献2】特開2002−340291号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明の目的は、上記問題を解決し、無駄なスペースを生じさせることなく設置することができ、圧力容器として用いた場合の軽量化を図ることができる圧力容器ライナを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0012】
1)筒状の胴と、胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなる圧力容器用ライナにおいて、
第1ライナ構成部材と、第1ライナ構成部材の少なくとも一端部に接合された第2ライナ構成部材とを備え、第1ライナ構成部材が、少なくとも一端が開口した筒状部と、筒状部内にその全長にわたって設けられ、かつ筒状部内を少なくとも一端が開口した複数の空間に仕切る補強壁とを有しており、第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が上下方向に比べて左右方向に長い偏平状であり、筒状部の左右方向外側部分が、横断面において上下方向の中央部が外方に突出するように丸みを帯びており、第1ライナ構成部材の筒状部内の空間の横断面形状が、内部圧力が上昇した際に筒状部の外周長を増加させるような形状となっている圧力容器用ライナ。
【0013】
2)胴を構成する第1ライナ構成部材と、両鏡板を構成する2つの第2ライナ構成部材とよりなり、第1ライナ構成部材の筒状部の両端が開口しており、筒状部内が補強壁により両端が開口した複数の空間に仕切られている上記1)記載の圧力容器用ライナ。
【0014】
3)胴および一方の鏡板を構成する第1ライナ構成部材と、他方の鏡板を構成する1つの第2ライナ構成部材とよりなり、第1ライナ構成部材の筒状部の一端が開口するとともに他端が閉鎖されており、筒状部内が補強壁により一端が開口した複数の空間に仕切られている請求項1記載の圧力容器用ライナ。
【0015】
4)第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長いだ円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が上下方向に長いだ円形である複数の空間が、左右方向に間隔をおいて形成されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0016】
5)第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長いだ円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が左右方向に長いだ円形である複数の空間が、上下方向に間隔をおいて形成されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0017】
6)第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長いだ円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長いだ円形である空間が形成され、同じく筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長いだ円形である空間が形成されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0018】
7)第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長いだ円形である複数の空間が左右方向に間隔をおいて形成されている上記6)記載の圧力容器用ライナ。
【0019】
8)第1ライナ構成部材の筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長いだ円形である複数の空間が上下方向に間隔をおいて形成されている上記6)または7)記載の圧力容器用ライナ。
【0020】
9)第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長い長円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が上下方向に長い長円形である複数の空間が、左右方向に間隔をおいて形成されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0021】
10)第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長い長円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が左右方向に長い長円形である複数の空間が、上下方向に間隔をおいて形成されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0022】
11)第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長い長円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長い長円形である空間が形成され、同じく筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長い長円形である空間が形成されている上記1)〜3)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0023】
12)第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長い長円形である複数の空間が左右方向に間隔をおいて形成されている上記11)記載の圧力容器用ライナ。
【0024】
13)第1ライナ構成部材の筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長い長円形である複数の空間が上下方向に間隔をおいて形成されている上記11)または12)記載の圧力容器用ライナ。
【0025】
14)第1ライナ構成部材および第2ライナ構成部材がアルミニウムよりなり、両ライナ構成部材が摩擦攪拌接合されている上記1)〜13)のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【0026】
15)上記1)〜14)のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【0027】
16)繊維強化樹脂層が、補強繊維を胴の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維を胴の周囲に巻き付けてなるフープ巻繊維層を備えている上記15)記載の圧力容器。
【0028】
17)繊維強化樹脂層が、さらに補強繊維を両鏡板にかかるようにして胴の長さ方向に平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層を備えている上記16)記載の圧力容器。
【0029】
18)燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が上記15)〜17)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【0030】
19)上記18)記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【0031】
20)上記18)記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【0032】
21)天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が上記15)〜17)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【0033】
22)上記21)記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【0034】
23)上記21)記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【0035】
24)酸素用圧力容器および酸素用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素用圧力容器が上記15)〜17)のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。
【発明の効果】
【0036】
上記1)〜3)の圧力容器用ライナの外周面が、上述したヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層を有する繊維強化樹脂層で覆われた圧力容器において、圧力容器用ライナの内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材の筒状部の外周長が増加するので、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになり、補強繊維による耐圧性向上効果が優れたものになる。したがって、ヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層の数を少なくすることができ、その結果圧力容器全体の軽量化を図ることができる。しかも、第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が上下方向に比べて左右方向に長い偏平状であるから、設置すべき装置、たとえば自動車に無駄なスペースを生じさせることなく設置することができる。
【0037】
上記4)の圧力容器用ライナの外周面が、上述したヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層を有する繊維強化樹脂層で覆われた圧力容器において、圧力容器用ライナの内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材の筒状部は、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになる。
【0038】
上記5)の圧力容器用ライナの外周面が、上述したヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層を有する繊維強化樹脂層で覆われた圧力容器において、圧力容器用ライナの内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材の筒状部は、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになる。
【0039】
上記6)〜8)の圧力容器用ライナの外周面が、上述したヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層を有する繊維強化樹脂層で覆われた圧力容器において、圧力容器用ライナの内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材の筒状部は、その左右両側部分においては、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示すとともに、左右方向の中間部においては、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになる。
【0040】
上記9)の圧力容器用ライナの外周面が、上述したヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層を有する繊維強化樹脂層で覆われた圧力容器において、圧力容器用ライナの内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材の筒状部は、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになる。
【0041】
上記10)の圧力容器用ライナの外周面が、上述したヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層を有する繊維強化樹脂層で覆われた圧力容器において、圧力容器用ライナの内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材における筒状部は、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになる。
【0042】
上記11)〜13)の圧力容器用ライナの外周面が、上述したヘリカル巻補強層およびフープ巻補強層を有する繊維強化樹脂層で覆われた圧力容器において、圧力容器用ライナの内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材の筒状部は、その左右両側部分においては、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示すとともに、左右方向の中間部においては、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになる。
【0043】
上記14)の圧力容器用ライナによれば、第1ライナ構成部材と第2ライナ構成部材との接合を強固に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、全図面を通じて同一部分および同一物には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0045】
実施形態1
この実施形態は図1〜図4に示すものである。
【0046】
図1は圧力容器用ライナを示し、図2は圧力容器用ライナを構成するライナ構成部材を示し、図3および図4は圧力容器用ライナを用いた圧力容器を示す。
【0047】
図1において、圧力容器用ライナ(1)は、胴(2)と胴(2)の両端開口を閉鎖する鏡板(3)とよりなり、両端が開口したアルミニウム製ポートホール押出管からなりかつ胴(2)を構成する第1ライナ構成部材(4)と、外方に膨出したドーム状でありかつ第1ライナ構成部材(4)の両端部に接合されて両鏡板(3)を構成する2つのアルミニウム製第2ライナ構成部材(5)とを備えている。
【0048】
図2に示すように、第1ライナ構成部材(4)は、両端が開口した筒状部(6)と、筒状部(6)内にその全長にわたって一体に形成された複数の補強壁(7)とよりなり、すべての補強壁(7)は、横断面において上下方向に伸びて上下両端で筒状部(6)の内周面に一体化されている。筒状部(6)内は、補強壁(7)により両端が開口した複数の空間(8)に仕切られている。
【0049】
第1ライナ構成部材(4)における筒状部(6)の横断面の外形は左右方向に長いだ円形であり、第1ライナ構成部材(4)の筒状部(6)内に、横断面形状が上下方向に長いだ円形である複数の空間(8)が、左右方向に間隔をおいて形成されている(図4参照)。
【0050】
第2ライナ構成部材(5)は、鍛造、ダイカストまたは切削により形成されたものであり、その開口端部は第1ライナ構成部材(4)の筒状部(6)の横断面の外形と同形同大の外形を有している。一方の第2ライナ構成部材(6)の閉鎖部には口金取付部(9)が一体に形成されている。口金取付部(9)には、その外端から貫通穴(9a)が形成されている。貫通穴(9a)の内周面にめねじ(11)が形成されている。
【0051】
第1ライナ構成部材(4)および第2ライナ構成部材(5)は、それぞれ、たとえばJIS A2000系合金、JIS A5000系合金、JIS A6000系合金およびJIS A7000系合金のうちのいずれかにより形成されている。これらのライナ構成部材(4)(5)は同じ材料で形成されていてもよいし、あるいは3つのうち少なくとも2つが異なる材料で形成されていてもよい。
【0052】
圧力容器用ライナ(1)においては、第1ライナ構成部材(4)の筒状部(6)の両端部と、第2ライナ構成部材(5)の開口端部とが全周にわたって摩擦攪拌接合されている。接合部のビードを(12)で示す(図1および図3参照)。なお、両ライナ構成部材(4)(5)をを接合する方法は、摩擦攪拌接合法に限定されるものではない。
【0053】
図3および図4に示すように、圧力容器用ライナ(1)は、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(13)で覆われ、高圧圧力容器(14)として用いられる。図示は省略したが、繊維強化樹脂層(13)は、補強繊維を胴(2)の長さ方向とほぼ直角をなすように巻き付けてなるフープ巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたフープ巻補強層と、補強繊維を胴(2)の長さ方向と平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたインプレーン巻補強層と、補強繊維を胴(2)の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層に樹脂を含浸硬化させたヘリカル巻補強層とよりなる。各補強層を構成する繊維としては、たとえばカーボン繊維、ガラス繊維、アラミド繊維などが用いられるが、カーボン繊維を用いることが好ましい。また、各補強層を構成する樹脂としては、たとえばエポキシ樹脂が用いられる。各補強層は、フィラメントワインディング法により樹脂を含浸させた補強繊維、あるいは樹脂を含浸させた補強繊維の束を巻き付けた後、樹脂を硬化させることにより形成される。なお、インプレーン巻補強層は必ずしも必要としない。
【0054】
圧力容器(14)において、圧力容器用ライナ(1)の内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材(4)の筒状部(6)は、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁(7)により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴(2)の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになって、補強繊維による耐圧性向上効果が優れたものになる。その結果、フープ巻補強層、インプレーン巻補強層およびヘリカル巻補強層の数を少なくすることができ、圧力容器(14)全体の軽量化を図ることができる。
【0055】
実施形態2
この実施形態は図5に示すものである。
【0056】
この実施形態の場合、圧力容器用ライナ(20)の第1ライナ構成部材(21)は、筒状部(6)と、筒状部(6)内にその全長にわたって一体に形成された補強壁(22)とよりなり、補強壁(22)は、横断面において左右方向に伸びて左右両端で筒状部(6)の内周面に一体化されている。筒状部(6)内は、補強壁(22)により両端が開口した複数の空間(23)に仕切られている。すなわち、筒状部(6)内には、横断面形状が左右方向に長いだ円形である複数の空間(23)が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0057】
その他の構成は実施形態1の圧力容器用ライナと同じである。
【0058】
この圧力容器用ライナ(20)の場合にも、実施形態1の圧力容器用ライナ(1)の場合と同様に、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(13)で覆われ、高圧圧力容器(14)として用いられる。
【0059】
圧力容器(14)において、圧力容器用ライナ(20)の内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材(21)の筒状部(6)は、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁(22)により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴(2)の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになって、補強繊維による耐圧性向上効果が優れたものになる。その結果、フープ巻補強層、インプレーン巻補強層およびヘリカル巻補強層の数を少なくすることができ、圧力容器全体の軽量化を図ることができる。
【0060】
実施形態3
この実施形態は図6に示すものである。
【0061】
この実施形態の場合、圧力容器用ライナ(25)の第1ライナ構成部材(26)は、筒状部(6)と、筒状部(6)内にその全長にわたって一体に形成された複数の補強壁(27A)(27B)とよりなる。筒状部(6)内は、補強壁(27A)(27B)により両端が開口した複数の空間(28A)(28B)に仕切られている。筒状部(6)内の左右両側部分の補強壁(27A)は、横断面において上下方向に伸びて上下両端で筒状部(6)の内周面に一体化されている。左右方向の中間部の補強壁(27B)は、横断面において左右方向に伸びて左右両端で上下方向に伸びる補強壁(27A)に一体化されている。筒状部(6)内における左右両側部分には、横断面形状が上下方向に長いだ円形である複数の空間(28A)が左右方向に間隔をおいて形成されている。また、筒状部(6)内における左右方向の中間部には、横断面形状が左右方向に長いだ円形である複数の空間(28B)が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0062】
その他の構成は実施形態1の圧力容器用ライナと同じである。
【0063】
この圧力容器用ライナ(25)の場合にも、実施形態1の圧力容器用ライナ(1)の場合と同様に、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(13)で覆われ、高圧圧力容器(14)として用いられる。
【0064】
圧力容器(14)において、圧力容器用ライナ(25)の内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材(26)の筒状部(6)は、その左右両側部分においては、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁(27A)により抑制されるような変形挙動を示すとともに、左右方向の中間部においては、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁(27B)により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴(2)の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになって、補強繊維による耐圧性向上効果が優れたものになる。その結果、フープ巻補強層、インプレーン巻補強層およびヘリカル巻補強層の数を少なくすることができ、圧力容器全体の軽量化を図ることができる。
【0065】
実施形態4
この実施形態は図7に示すものである。
【0066】
この実施形態の場合、圧力容器用ライナ(30)の第1ライナ構成部材(31)は、横断面形状の外形が左右方向に長い長円形である筒状部(32)と、筒状部(32)内にその全長にわたって一体に形成された複数の補強壁(33)とよりなり、すべての補強壁(33)は、横断面において上下方向に伸びて左右両端で筒状部(32)の内周面に一体化されている。筒状部(32)内は、補強壁(33)により両端が開口した複数の空間(34)に仕切られている。すなわち、筒状部(32)内には、横断面形状が上下方向に長い長円形である複数の空間(34)が左右方向に間隔をおいて形成されている。
【0067】
その他の構成は実施形態1の圧力容器用ライナと同じである。
【0068】
この圧力容器用ライナ(30)の場合にも、実施形態1の圧力容器用ライナ(1)の場合と同様に、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(13)で覆われ、高圧圧力容器(14)として用いられる。
【0069】
圧力容器(14)において、圧力容器用ライナ(30)の内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材(31)の筒状部(32)は、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁(33)により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴(2)の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになって、補強繊維による耐圧性向上効果が優れたものになる。その結果、フープ巻補強層、インプレーン巻補強層およびヘリカル巻補強層の数を少なくすることができ、圧力容器(14)全体の軽量化を図ることができる。
【0070】
実施形態5
この実施形態は図8に示すものである。
【0071】
この実施形態の場合、圧力容器用ライナ(35)の第1ライナ構成部材(36)は、筒状部(32)と、筒状部(32)内にその全長にわたって一体に形成された補強壁(37)とよりなる。補強壁(37)は、横断面において左右方向に伸びて左右両端で筒状部(32)の内周面に一体化されている。筒状部(32)内は、補強壁(37)により両端が開口した複数の空間(38)に仕切られている。すなわち、筒状部(32)内には、横断面形状が左右方向に長い長円形である複数の空間(38)が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0072】
その他の構成は実施形態4の圧力容器用ライナと同じである。
【0073】
この圧力容器用ライナ(35)の場合にも、実施形態1の圧力容器用ライナ(1)の場合と同様に、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(13)で覆われ、高圧圧力容器(14)として用いられる。
【0074】
圧力容器(14)において、圧力容器用ライナ(35)の内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材(36)の筒状部(32)は、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁(37)により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴(2)の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになって、補強繊維による耐圧性向上効果が優れたものになる。その結果、フープ巻補強層、インプレーン巻補強層およびヘリカル巻補強層の数を少なくすることができ、圧力容器全体の軽量化を図ることができる。
【0075】
実施形態6
この実施形態は図9に示すものである。
【0076】
この実施形態の場合、圧力容器用ライナ(40)の第1ライナ構成部材(41)は、筒状部(32)と、筒状部(32)内にその全長にわたって一体に形成された複数の補強壁(42A)(42B)とよりなる。筒状部(32)内は、補強壁(42A)(42B)により両端が開口した複数の空間(43A)(43B)に仕切られている。筒状部(32)内の左右両側部分の補強壁(42A)は、横断面において上下方向に伸びて上下両端で筒状部(32)の内周面に一体化されている。左右方向の中間部の補強壁(42B)は、横断面において左右方向に伸びて左右両端で上下方向に伸びる補強壁(42A)に一体化されている。筒状部(32)内における左右両側部分には、横断面形状が上下方向に長い長円形である複数の空間(43A)が左右方向に間隔をおいて形成されている。また、筒状部(32)内における左右方向の中間部には、横断面形状が左右方向に長い長円形である複数の空間(43B)が上下方向に間隔をおいて形成されている。
【0077】
その他の構成は実施形態4の圧力容器用ライナと同じである。
【0078】
この圧力容器用ライナ(40)の場合にも、実施形態1の圧力容器用ライナ(1)の場合と同様に、周囲の全体が、たとえばカーボン繊維強化樹脂などからなる繊維強化樹脂層(13)で覆われ、高圧圧力容器(14)として用いられる。
【0079】
圧力容器(14)において、圧力容器用ライナ(40)の内圧が上昇した場合、第1ライナ構成部材(41)の筒状部(32)は、その左右両側部分においては、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向に伸びるとともに、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向の伸びが補強壁(42A)により抑制されるような変形挙動を示すとともに、左右方向の中間部においては、その横断面の外形の幅方向、すなわち上下方向に伸びるとともに、その横断面の外形の長さ方向、すなわち左右方向の伸びが補強壁(42B)により抑制されるような変形挙動を示す。したがって、胴(2)の外周長が増加し、補強繊維、特にフープ巻補強層を形成する補強繊維に張力が作用することになって、補強繊維による耐圧性向上効果が優れたものになる。その結果、フープ巻補強層、インプレーン巻補強層およびヘリカル巻補強層の数を少なくすることができ、圧力容器全体の軽量化を図ることができる。
【0080】
実施形態1〜6においては、圧力容器用ライナは、1つの第1ライナ構成部材(4)(21)(26)(31)(36)(41)と、2つの第2ライナ構成部材(5)とにより形成されているが、これに限定されるものではなく、一方の鏡板は胴と一体に形成されていてもよい。すなわち、第1ライナ構成部材として、一端が開口するとともに他端が閉鎖された有底円筒状部を有しておりかつ胴と一方の鏡板を構成するものを用いてもよい。この場合、第1ライナ構成部材の開口端部に他方の鏡板を構成するいずれかの第2ライナ構成部材(5)を接合する。第2ライナ構成部材(5)として口金取付部の無いものを用いる場合には、第1ライナ構成部材の鏡板に口金取付部を一体に形成しておく。有底筒状の第1ライナ構成部材は、たとえば鍛造によりつくられる。さらに、第1ライナ構成部材を、その長さ方向に分断された複数のライナ構成部材により構成しておいてもよい。
【0081】
上記すべての実施形態の圧力容器用ライナ(1)(20)(25)(30)(35)(40)を有する圧力容器は、燃料水素ガス用圧力容器、燃料電池、および燃料水素ガス用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えた燃料電池システムにおける燃料水素ガス用圧力容器として用いられる。燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される。また、燃料電池システムはコージェネレーションシステムにも用いられる。
【0082】
また、圧力容器は、天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えた天然ガス供給システムにおける天然ガス用圧力容器として用いられる。天然ガス供給システムは、発電機および発電機駆動装置とともにコージェネレーションシステムに用いられる。また、天然ガス供給システムは、天然ガスを燃料とするエンジンを備えている天然ガス自動車に用いられる。
【0083】
さらに、圧力容器は、酸素ガス用圧力容器および酸素ガス用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えた酸素ガス供給システムにおける酸素ガス用圧力容器として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】この発明の実施形態1の圧力容器用ライナを示す斜視図である。
【図2】図1の圧力容器用ライナを構成するライナ構成部材を示す分解斜視図である。
【図3】図1の圧力容器用ライナを備えた圧力容器を示す水平断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】この発明の実施形態2の圧力容器用ライナを備えた圧力容器を示す図4相当の断面図である。
【図6】この発明の実施形態3の圧力容器用ライナを備えた圧力容器を示す図4相当の断面図である。
【図7】この発明の実施形態4の圧力容器用ライナを備えた圧力容器を示す図4相当の断面図である。
【図8】この発明の実施形態5の圧力容器用ライナを備えた圧力容器を示す図4相当の断面図である。
【図9】この発明の実施形態6の圧力容器用ライナを備えた圧力容器を示す図4相当の断面図である。
【符号の説明】
【0085】
(1)(20)(25)(30)(35)(40):圧力容器用ライナ
(2):胴
(3):鏡板
(4)(21)(26)(31)(36)(41):第1ライナ構成部材
(5):第2ライナ構成部材
(6)(32):筒状部
(7)(22)(27A)(27B)(33)(37)(42A)(42B):補強壁
(8)(23)(28A)(28B)(34)(38)(43A)(43B):空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の胴と、胴の両端開口を閉鎖する鏡板とよりなる圧力容器用ライナにおいて、
第1ライナ構成部材と、第1ライナ構成部材の少なくとも一端部に接合された第2ライナ構成部材とを備え、第1ライナ構成部材が、少なくとも一端が開口した筒状部と、筒状部内にその全長にわたって設けられ、かつ筒状部内を少なくとも一端が開口した複数の空間に仕切る補強壁とを有しており、第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が上下方向に比べて左右方向に長い偏平状であり、筒状部の左右方向外側部分が、横断面において上下方向の中央部が外方に突出するように丸みを帯びており、第1ライナ構成部材の筒状部内の空間の横断面形状が、内部圧力が上昇した際に筒状部の外周長を増加させるような形状となっている圧力容器用ライナ。
【請求項2】
胴を構成する第1ライナ構成部材と、両鏡板を構成する2つの第2ライナ構成部材とよりなり、第1ライナ構成部材の筒状部の両端が開口しており、筒状部内が補強壁により両端が開口した複数の空間に仕切られている請求項1記載の圧力容器用ライナ。
【請求項3】
胴および一方の鏡板を構成する第1ライナ構成部材と、他方の鏡板を構成する1つの第2ライナ構成部材とよりなり、第1ライナ構成部材の筒状部の一端が開口するとともに他端が閉鎖されており、筒状部内が補強壁により一端が開口した複数の空間に仕切られている請求項1記載の圧力容器用ライナ。
【請求項4】
第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長いだ円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が上下方向に長いだ円形である複数の空間が、左右方向に間隔をおいて形成されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項5】
第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長いだ円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が左右方向に長いだ円形である複数の空間が、上下方向に間隔をおいて形成されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項6】
第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長いだ円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長いだ円形である空間が形成され、同じく筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長いだ円形である空間が形成されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項7】
第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長いだ円形である複数の空間が左右方向に間隔をおいて形成されている請求項6記載の圧力容器用ライナ。
【請求項8】
第1ライナ構成部材の筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長いだ円形である複数の空間が上下方向に間隔をおいて形成されている請求項6または7記載の圧力容器用ライナ。
【請求項9】
第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長い長円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が上下方向に長い長円形である複数の空間が、左右方向に間隔をおいて形成されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項10】
第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長い長円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内に、横断面形状が左右方向に長い長円形である複数の空間が、上下方向に間隔をおいて形成されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項11】
第1ライナ構成部材における筒状部の横断面の外形が左右方向に長い長円形であり、第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長い長円形である空間が形成され、同じく筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長い長円形である空間が形成されている請求項1〜3のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項12】
第1ライナ構成部材の筒状部内における左右両側部分に、それぞれ横断面形状が上下方向に長い長円形である複数の空間が左右方向に間隔をおいて形成されている請求項11記載の圧力容器用ライナ。
【請求項13】
第1ライナ構成部材の筒状部内における左右方向の中間部に、横断面形状が左右方向に長い長円形である複数の空間が上下方向に間隔をおいて形成されている請求項11または12記載の圧力容器用ライナ。
【請求項14】
第1ライナ構成部材および第2ライナ構成部材がアルミニウムよりなり、両ライナ構成部材が摩擦攪拌接合されている請求項1〜13のうちのいずれかに記載の圧力容器用ライナ。
【請求項15】
請求項1〜14のうちのいずれかに記載された圧力容器用ライナの外周面が、補強繊維に樹脂が含浸硬化させられてなる繊維強化樹脂層で覆われている圧力容器。
【請求項16】
繊維強化樹脂層が、補強繊維を胴の長さ方向に対して傾斜するように巻き付けてなるヘリカル巻繊維層、および補強繊維を胴の周囲に巻き付けてなるフープ巻繊維層を備えている請求項15記載の圧力容器。
【請求項17】
繊維強化樹脂層が、さらに補強繊維を両鏡板にかかるようにして胴の長さ方向に平行に巻き付けてなるインプレーン巻繊維層を備えている請求項16記載の圧力容器。
【請求項18】
燃料水素用圧力容器、燃料電池、および燃料水素用圧力容器から燃料電池に燃料水素ガスを送る圧力配管を備えており、燃料水素用圧力容器が請求項15〜17のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる燃料電池システム。
【請求項19】
請求項18記載の燃料電池システムを搭載した燃料電池自動車。
【請求項20】
請求項18記載の燃料電池システムを備えたコージェネレーションシステム。
【請求項21】
天然ガス用圧力容器および天然ガス用圧力容器から天然ガスを送り出す圧力配管を備えており、天然ガス用圧力容器が請求項15〜17のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる天然ガス供給システム。
【請求項22】
請求項21記載の天然ガス供給システムと、発電機と、発電機駆動装置を備えているコージェネレーションシステム。
【請求項23】
請求項21記載の天然ガス供給システムと、天然ガスを燃料とするエンジンとを備えている天然ガス自動車。
【請求項24】
酸素用圧力容器および酸素用圧力容器から酸素ガスを送り出す圧力配管を備えており、酸素用圧力容器が請求項15〜17のうちのいずれかに記載の圧力容器からなる酸素ガス供給システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−153065(P2006−153065A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341529(P2004−341529)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】