説明

圧力調整バルブシール、圧力調整システムとその方法

圧力調整バルブは、流体通路とその流体通路の開口部周辺に配置される平坦なシート(107)とを区画形成するハウジング(105)と吐出口とを備える。バルブが閉じたときにシート(107)に接触する立ち上がったエラストマーのエンボス(101)を備えたピン(110)は、ハウジング内において軸方向に配置される。ピン(110)は、エラストマーのエンボス(101)がそのシートに接触した状態を維持してバルブを閉じた状態を維持するとともにバルブの開弁圧を制御するように付勢される。圧力調整バルブのハウジング(105)を通過して外部へ流れる流体は、この付勢力のレベルを調節して制御される。このような方法で、流れが概して層状の流れとなり、流れの開始時にバルブが圧力ゲインを最小にとどめることで、バルブが開くときに流体の流れはシートを越えて平坦なシートとエンボスの間とを流れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的に圧力リリーフおよび圧力調整のバルブに関し、特に圧力調整バルブ等において、流量増加に伴う圧力ゲインを最小限に抑えるバルブシールであり、具体的には、流量増加に伴う圧力の増加を最小にすることが、システムの性能の向上に望ましく、燃料噴射や他のシステムに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の燃料噴射システムは、一般的に圧力制御装置の形態を必要とし、これらは燃料噴射器における適切な燃料圧を維持するための、圧力調整もしくは圧力リリーフバルブのどちらかである。従来の燃料圧開放バルブと圧力調整装置は、圧力リリーフバルブにおいて、金属同士のシールを利用している。金属同士のシール要素は、近接するシール面の凹みに対して抵抗があり、結果として最小限の圧力降下で直接的な流路ができる。しかしながら、金属同士のシールは、2つのシール面が硬く、適合しておらず、不純物の混入による影響に対して非常に敏感で、高い漏出率になりやすい。この問題に対する1つの解決方法は、ゴムシールの圧力調整バルブを採用することである。このような燃料圧調整バルブはゴムのシール要素を備える。ゴムのシール要素は、立ち上がったボス部を有する金属シートと密に接触して保持され、立ち上がったボス部は、平面のゴム要素の表面に接触して押し下げる。そのような従来のバルブ設計では、環状の金属シール面は、相対的に厚く平坦なゴムパッドと接触してバルブシールに作用する。ゴムには相対的な軟質性と粘弾性という特性があるため、金属リングはゴム表面に永続的なくぼみを生じさせる。この表面の押し下げが、ゴムにおいて特有に「圧縮永久ひずみ」が起きる。バルブが開き始めると、流体の流れはゴムの表面変形によって形成された複雑な溝に沿うように形成させられ、その結果として圧力調整バルブが開き始めると入り組んだ流路が生じる。長く回旋状の流路は、初期のバルブ開放時における顕著な圧力降下を起こす。
【0003】
金属同士でシールされた装置は、ゴムシールの圧力調整バルブよりも高価で、かつ高い漏出率を有する。漏出は、典型的に関連した車両を始動させる困難さが高まることに関係する。しかしながら、従来のゴムシールの圧力リリーフバルブと圧力調整装置は、大きな圧力降下と小さい直線的流量特性を有する。これらの傾向が、ゴムシールの圧力調整バルブの適用を制限している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、圧力調整バルブにおける低い流量条件下での圧力降下を最小限にするシステムと方法に向けられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ゴムシールの圧力調整バルブにおけるシール要素の配置を逆にし、平坦な金属シートに接触するゴム部品に立ち上がったボス部を設けている。「圧縮永久ひずみ」に抵抗力がある金属シートは、平坦な表面を維持し、流動燃料の圧力降下を最小限にして直進する流路形成を可能にする。
【0006】
本発明は、従来の金属同士の圧力調整バルブのシールと比較して圧力調整バルブが閉じるときの燃料漏出を減少させる。この漏出の減少は、車両がエンジンを止めている間に燃料圧を保持する燃料噴射システムの性能について有利である。
【0007】
このように、本発明の種々の実施形態に従って、燃料圧調整バルブのような圧力調整バルブは、流体通路を区画形成したハウジングと、流体通路の開口部の周囲に配置される平坦なシートとを備える。そのハウジングはまた、好ましくは吐出口を備える。ピンは、好ましくは、ハウジング内に軸方向に配置される。このピンは、好ましくは、バルブが閉じるときにシートに接触する立ち上がったエラストマーのエンボスを備える。例えば、そのピンには立ち上がった環状部を備え、その環状部を覆ってエラストマーのエンボスが形成されてもよい。このオーバーモールド成形されたエラストマーは、約0.002インチ厚から約0.020インチ厚の範囲でもよく、好ましくは約0.007インチ厚である。そのエラストマーは、システムにおいて用いられる流体に曝された際の化学的安定性に応じて選択されたフッ素エラストマー、ニトリル等でもよい。そのピンは、好ましくは、圧縮ばね力を付与することにより付勢され、エラストマーのエンボスをシートに接触した状態を維持して、バルブを閉じた状態を維持するとともにバルブの開弁圧を制御する。この付勢力は、好ましくは調節可能で、ハウジング内に配置されてピンに接触するばねと、ハウジング内に配置されてばねの付勢力を接触して調節する調節ねじにより与えられてもよい。そのばねは、コイルばねであってもよいし、エラストマーばね、片持ちばね構造、円錐コイルばね等の他の類似の付勢部材であってもよい。
【0008】
操作時において、圧力調整バルブのこのような実施形態では、流路の周囲に形成された平坦なシートで1つの流路を形成する。例えば、ピンによって区画形成された環状部をエラストマー材料でオーバーモールド成形することによって、ピンに形成された立ち上がったエラストマーのエンボスは、ハウジング内の軸方向に収容される。ピンは、好ましくは、バルブが閉じるときにエンボスがシートに接触して付勢され、圧力調整バルブハウジングを通りハウジング外へ流れる流体の流れは、付勢力のレベルを通じて制御される。バルブが開くと、流体の流れは平坦なシートを越えてシートとエンボスとの間を流れ、流れが流量特性に対してほぼ直線状となる。
【0009】
本発明の圧力調整バルブの実施形態に従って、油圧式機構または電気的作動機構が、自動的またはプログラムされたロジックによって管理されたレベルの付勢力を付与するために使用されてもよい。同様に、幾つかの実施形態に従って、油圧式または電気的作動機構が、自動的またはプログラムされたロジックによって付勢ばね等の張力を変化させるために採用されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
流れの圧力降下に関して、本発明は、配置された燃料噴射システム等に対して、圧力調整バルブが動作するときに圧力降下の減少と、圧力調整バルブが動作しているときの流体の流量の範囲におけるより直線的な流量対圧力降下の関係とをもたらす。圧力降下の減少により、燃料噴射装置がより低い圧力の変化にさらされたときに、燃料噴射装置の性能の確実さが向上する。この直線的関係は、圧力降下の予測可能性を高めることにより、燃料噴射制御システムの効率を改善する。
【0011】
本発明のバルブによる圧力降下の減少は、幾つかの利点をもたらす。第一に、圧力降下そのものが利点である。第二に、流量が増加したときに流路は基本的に変化しないので、流体の圧力降下の変化率が一定になり、流量対圧力降下の関係の直線性を改善する。そして最後に、この圧力降下は、バルブの経年による長時間経過や個々のバルブ間のいずれかによってゴムの性質が変わるときにも変化しない。
【0012】
前述の事項は、後述する発明の詳細な説明がよりよく理解されるために、本発明の特徴と技術的な利点について概略的に述べた。本発明の特徴と利点は下に記述され、それらは本発明の特許請求の範囲の主題を構成する。本発明と同じ目的を達成するために、他の構造を設計するか、あるいは変更するための基礎として、開示された着想と特定の実施形態が、容易に使用されることは当業者によって理解されるべきである。また、このような均等の構造が添付の特許請求の範囲に記載された発明の意図や範囲から逸脱しないことは、当業者によって理解されるべきである。その構成と操作方法の双方について、本発明の特徴であると信じられる新規な特徴が、さらなる目的および利点とともに、添付の図面と関連させて考慮に入れたときに下記の説明からより理解されるであろう。各図面は、例示および説明の目的にのみ提供されており、本発明の限定した解釈を意図するものではないことを、明らかに理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
この明細書に組み込まれ、その部分を構成する添付の図面は、同じ番号は同じ部品を示しており、詳細な説明とともに本発明の実施形態を図示し、発明の本質を説明するために役立つ。図面において、
【0014】
【図1】本発明に従ったシールを採用した圧力調整バルブの一実施形態の一部破断概略断面図である。
【0015】
【図2】本発明に従ったピンの一実施形態の、拡大されたより詳細な、一部破断概略断面図である。
【0016】
【図3】バルブが開いて直線形の流れが生じている図1の圧力調整バルブの実施形態の一部破断概略断面図である。
【0017】
【図4】油圧式付勢機構の一例を用いた本発明の調整バルブの実施形態の一部破断概略断面図である。
【0018】
【図5】電子的に作動する付勢力調節機構の一例を用いた本発明の調整バルブの実施形態の部分的に破断された概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、本願発明に従ったシール101を採用した圧力調整バルブ100の一実施形態の部分的に破断された概略断面図である。燃料圧力調整バルブ100は、主として、燃料通路106とシート107を区画形成しているハウジング105から構成される。ピン110は、ハウジング105内に配置される。ピン110は、バルブ100が閉じたときにシート107に接触するシールとして機能する立ち上がったエラストマーのエンボス101を備える。ハウジング内に配置されたばね112は、ピン110を付勢してゴムのエンボス101をシート107に接触させた状態を維持し、流体通路106のようなピン110と反対側の燃料圧がばね112の張力に打ち勝つまでバルブ100を閉じた状態に維持する。ハウジング105内に配置された調節ねじ115あるいは同様の機構が、ばね112によって供される付勢力を調節するために使用される。図1に示される実施形態はまた、入口フィルタ118を採用し、フィルタ118は、バルブハウジング105にスナップ止めされたナイロン樹脂製のハウジング内に保持されたナイロンメッシュのスクリーン119であってもよい。このようなフィルタスクリーンは、一般的に20〜50ミクロンのメッシュの穴を有する。Oリング120が、バルブとその取付け部との間のシールとなるためにハウジング105に外嵌されてもよく、バルブとその取付け部は、燃料タンクもしくは燃料システム内の他の場所のいずれかにおいて、燃料ポンプ本体、または他の燃料システムの機構であってもよい。そのOリングは、一般的には、フッ素エラストマー(FKM)ゴム製でありうるが、取り扱われている燃料に適合したいかなるゴムでも使用されうる。
【0020】
ハウジング本体105は、好ましくは、燃料通路106のような、フィルタ118とシール101との間およびシール101から吐出口122を通る流路を備える。シール101より上のハウジングのボア124は、バルブピン110を作用的に収容し、バルブばね112の長さを制限する。好ましくは、ピン100は、本体105のボア124の中に軸方向に収容される。ハウジング105は、ピン110のシール101に協働的に接触するシールシート107を区画形成する。ハウジング105は真鍮製であってもよいし、選択的にニッケル等によりメッキされてもよい。他方において、ほとんどのいかなる非腐食性の金属あるいは腐食防止コーティングされた他の金属がハウジング105に採用可能である。代替的に、湿気や燃料に耐性のあるプラスチックを用いたプラスチック構造が用いられてもよい。
【0021】
図2は、シーリング環状部230の上にオーバーモールド成形されたゴムシール101を表す概略円筒形のピン110の一実施形態の、拡大されたより詳細な部分的に破断された概略断面図である。オーバーモールド成形されたシール101は、環状部230を越えて、フランジ235の底部の上まで拡張してもよい。フランジ235は、ボア124内にピン110を整列させる。ピン110はまた、好ましくはばね112に係合し、また、ばね112とともにピン110を整列させるために概略円形状の凹部237を区画形成する。代替的に、ピン110は、ばね112と係合しピン110とともにばね112を整列させるためにピン110から突出したボス部あるいは他の構造を形成してもよい。シーリング環状部230を覆うオーバーモールド成形されたゴムシール101の相対的な薄さは、本バルブに反復性と耐久性を与える。環状部230の相対的に浅い深さのために、この性能の反復性と耐久性をより助長することができる。好ましくは、環状部230のシール101の厚さは、シール101の形状およびゴムの膨潤による膨張を制限できる程度まで充分に薄い。好ましくは、シール101の形状は環状部230の補強金属によって維持される。
【0022】
ピン110はニッケルメッキした真鍮製でもよく、耐腐食性のあるいかなる金属から製造されてもよいし、コーティングされてもよい。代替的に、ピン110は、プラスチックから製造されてもよい。シール101は、FKMより製造されるが、取り扱われている燃料に適した他の配合ゴムが使用されもよい。
【0023】
図1を参照すると、ばね112は、ピン110上部と調節ねじ115の間に圧縮した状態に保たれる。ばねはステンレス鋼であってもよいし、取り扱われている燃料に関して適当な耐腐食性のある他の材料を使用してもよい。さらに、ばねは図1に図示するようなコイルばねであってもよいが、ある種の弾性構造、あるいは片持ちもしくは円錐ばねであってもよい。バルブ開弁圧は、正確なバルブ100の開弁圧を提供するため、正確なばね力がピン110に付与されてシール101より下において所望の流体圧に釣り合うまで、本体105内で区画形成されたねじ山137におけるねじ115の軸方向位置を調節することによって較正され、その後ねじ115はその位置で固定される。図1の実施形態に示されるように、ハウジング105と調節ねじ115の間においてねじ山をロックするためにアプセッタ型等が使用されてもよい。他方で、機械的なロックもしくは調節ピンのような他の部品が使われてもよい。調節ねじはニッケルコーティングされた真鍮製であってもよい。他方で、耐腐食コーティングあるいはメッキされた、ほとんどのいかなる非腐食性の金属もしくは他の金属がねじ115を製造する際に使用されうる。湿度と燃料に耐性のあるプラスチックを用いたプラスチック構造もまた、使用されてもよい。ねじ山とは別の調節手段もまた、製造や組み立て工程の材料に合うものが使用されてもよい。
【0024】
図3に注目すると、本発明のバルブ内の構成要素の配置は、先行技術とは対照的に実質的に異なる流路を形成する。図3は、バルブ100が開いた状態を示し、その結果として矢印で表示するような直線形の流線型の流れが生じる。本発明の構成では、ハウジングによって区画形成されたシート107の金属表面は平坦であり、上部に立ち上がった環状のリングは、好ましくは金属補強されたエンボス230に成型されたゴム101の薄い層により形成される。このような実施形態においては、長時間経過によりゴムに起こる変位や膨潤によって、バルブ内の流路が変化することがない。好ましくは、ゴムのエンボスの薄い部分の厚さは、形状の膨張を制限し、これは補強金具によって維持される。バルブが開き始めると、流体の流れは方向が変わったり、回旋状の通路によって拘束されることなく、ハウジングシートの金属表面と平行に直線状になる。この結果は、流れの開始時における圧力降下の減少である。
【0025】
流れに対する圧力降下に関して、本発明は、圧力調整バルブが動作するときに圧力降下の減少と、圧力調整バルブが動作しているときの流体の流量の範囲におけるより直線的な流量対圧力降下の関係とを、燃料噴射装置に与える。圧力降下の減少により、燃料噴射装置が、より低い圧力の変化にさらされたときに、燃料噴射装置の性能の確実さが向上する。この直線的関係は、圧力降下の予測可能性を高めることより、燃料噴射制御システムの効率を改善する。
【0026】
圧力調整バルブの幾つかの実施形態では、図4に図示されるように、付勢力は、ばね等以外の機構(412)によって付与されてもよいし、および/また、図5に図示されるように、手動調節ねじ以外の機構(514)によって調節されてもよい。
【0027】
例えば、図4は、油圧式付勢機構の実施例412を採用した本発明の調整バルブの実施形態400の部分破断図を示す。図示された油圧式付勢機構412は、近くに(あるいは離れた所に)設置された機構412に流体圧を与える油圧(あるいは空気圧の)バルブのようなものによって、その場所で制御されてもよい。この制御バルブは、また燃料噴射システムにおける車両エンジン制御モジュール(ECM)等によって制御されてもよいし、あるいは、バルブ400を採用する他のシステムにおける同様の制御機構によって制御されてもよい。油圧(補助)シリンダ等の形態をとる機構412は、プッシュロッド415を介してピン110を付勢してゴムのエンボス101をシート107に接触させた状態を維持し、ピン110と反対側の燃料圧がシリンダ412によって付与される圧力に打ち勝つまでバルブ400を閉じた状態に維持する。代替的に、機構412と同様の油圧または空気圧の機構が、圧力調整バルブの実施形態において、ばね(112)の張力を調節するために使用されてもよい(置き換えるのではなく)。
【0028】
他の例として、図5は、電子的に作動する付勢調節機構の実施例515を採用した本発明の調整バルブの実施形態500の部分破断図を示す。バルブ500において、ばね112によって及ぼされる付勢力は、図5において517として概略的に示された電動ステッピングモータ等によって調節あるいは調整される。図示された実施例では、ステッピングモータ517は、螺旋軸515を回転させ、ばね112の張力を調節し、そして延いては付勢ばね112がピン110に力を付与し、ピン110と反対側の燃料圧がばね112に付与された張力に打ち勝つまでゴムのエンボス101をシート107に接触させた状態を維持し、バルブ100を閉じた状態に維持する。代替的に、図示されているようなステッピングモータと螺旋軸ではなく、ソレノイド等がばね112における付勢を調節するために使用されてもよい。
【0029】
油圧を付与するためのこれらあるいは他の機構が、ピン110を付勢するため、および/または、これらあるいは他の電子機構で、ピン110に付勢された付勢力を調節するために、相互に交換できるように使用してもよい。とにかく、このような実施形態は、例えば、環境上の、排気ガスの、もしくは出力の最適化のための付加された高度なエンジン制御機能をもたらすために燃料噴射装置に使われているように自動的もしくはプログラムされたロジックに従って付勢力を変化させることができる。
【0030】
本発明およびその利点を説明してきたが、それは種々の変更、置換および改変が、添付の特許請求の範囲によって定義されているような、本発明の意図や範囲から逸脱することなく、ここに可能であることを理解すべきである。さらに本出願の範囲は、明細書中に記載されているプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法そして手順の特定の実施形態に限定されることを意図するものでない。当業者は、本発明の開示から容易に理解するであろうから、ここに記載された対応する実施形態と実質的に同一の機能を実現する、もしくは実質的に同じ結果を達成する現存のもしくは後に開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法そして手順は、本発明によって利用できるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、それらの範囲内でそのようなプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法そして手順を含むことを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体通路と前記流体通路の開口部の周囲に配置された平坦なシートとを内部において区画形成するハウジングと、
前記ハウジング内において軸方向に配置されたピンとを備え、前記ピンはバルブが閉じたときに前記シートに接触する立ち上がったエラストマーのエンボスを有し、
前記ピンに付勢力を与え、前記エラストマーのエンボスを前記シートに接触させた状態を維持して、前記バルブを閉じた状態に維持するとともに前記バルブの開弁圧を制御するための付勢手段と、
前記付勢力を調節する手段と
を備えた圧力調整バルブ。
【請求項2】
前記ピンが、立ち上がった環状部を備え、この環状部を覆って前記エラストマーのエンボスが形成された請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項3】
前記環状部を覆って配置された前記エラストマー材料が、約0.002インチ厚から約0.020インチ厚の範囲である請求項2に記載の圧力調整バルブ。
【請求項4】
前記環状部を覆って配置された前記エラストマー材料が、約0.007インチ厚である請求項2に記載の圧力調整バルブ。
【請求項5】
前記エラストマーが、フッ素エラストマーである請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項6】
前記エラストマーが、ニトリルである請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項7】
前記ハウジングが、さらに吐出口を備える請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項8】
前記付勢手段が、前記ハウジング内に配置されたばねを備える請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項9】
前記ばねがコイルばねである請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項10】
前記付勢手段が、自動的またはプログラムされたロジックに従って付勢力を変化させる油圧式手段を備える請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項11】
前記付勢手段が、自動的またはプログラムされたロジックに従って付勢力を変化させる電子的作動手段を備える請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項12】
前記調節手段が、ハウジングに内に配置され、接触させて前記付勢手段の付勢力を調節する調節ねじである請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項13】
前記調節手段が、自動的またはプログラムされたロジックに従って前記付勢力を変化させる油圧式手段を備える請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項14】
前記調節手段が、自動的またはプログラムされたロジックに従って前記付勢力を変化させる電子的作動手段を備えた請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項15】
前記圧力調整バルブが、燃料圧調整バルブである請求項1に記載の圧力調整バルブ。
【請求項16】
圧力調整バルブのハウジング内に流路を定め、
前記ハウジング内において前記流路の周囲に平坦なシートを区画形成し、
ピンに立ち上がったエラストマーのエンボスを区画形成し、
前記ハウジング内に前記ピンを軸方向に収容し、
前記バルブが閉じるときに前記エンボスが前記シートに接触するように前記ピンに付勢力を与え、
前記付勢力のレベルに基づいて前記圧力調整バルブのハウジングを通過して外部へ流れる流体の流れを制御し、前記バルブが開くときには前記流体が前記平坦なシートを越えて前記平坦なシートと前記エンボスの間とを流れる方法。
【請求項17】
前記ピンに前記立ち上がったエラストマーのエンボスを区画形成することが、エラストマー材料とともに前記ピンによって区画形成された環状部をオーバーモールド成形することである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記エラストマー材料が、0.002インチ厚から約0.020厚の範囲である請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記エラストマー材料が、約0.007インチ厚である請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記エラストマーがフッ素エラストマーである請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記エラストマーがニトリルである請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記制御が、自動的またはプログラムされたロジックに従って前記付勢力のレベルを変化させることである請求項16に記載の方法。
【請求項23】
流体通路を定めているハウジング内に縦方向に配置される圧力調整バルブピンにより成型され、前記シールを前記流体通路の開口部の周囲に配置される平坦なシートに接触した状態を維持するために付勢されるエラストマーである圧力調整バルブシール。
【請求項24】
前記ピンが、立ち上がった環状部を備え、この環状部を覆って前記エラストマーのエンボスが形成されたピンである請求項23に記載のシール。
【請求項25】
前記エラストマーが、約0.002インチ厚から約0.020インチの厚の範囲にある請求項23に記載のシール。
【請求項26】
前記エラストマーが、約0.007インチの厚さである請求項23に記載のシール。
【請求項27】
前記エラストマーが、フッ素エラストマーである請求項23に記載のシール。
【請求項28】
前記エラストマーが、ニトリルである請求項23に記載のシール。
【請求項29】
前記圧力調整バルブが燃料圧調整バルブである請求項23に記載のシール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−511008(P2013−511008A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538864(P2012−538864)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/055633
【国際公開番号】WO2011/059893
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(506249336)シュレイダー ブリッジポート インターナショナル インコーポレイテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】SCHRADER BRIDGEPORT INTERNATIONAL, INC.
【住所又は居所原語表記】205 Frazier Road, Altavista,VA 24517, U.S.A.
【Fターム(参考)】