説明

圧縮機

【課題】圧縮機構の吐出側に、圧縮された高圧ガス冷媒から潤滑油を分離する分離室を設けて、オイル循環率を低減した圧縮機において、スラスト隙間を確保することにより耐久性を向上させること。
【解決手段】後部側板7の高圧室15と貯油室17を仕切る高圧ケース14の区画壁18の根元部に分離室16に相対する位置に薄肉部24を設けることにより、高速高負荷運転時にロータ2と前部側板6及び後部側板7とのスラスト隙間が適度に拡大するので、圧縮機の耐久性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス冷媒の圧縮を行う圧縮機に関するもので、例えば、自動車用空調装置などの圧縮機等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の圧縮機においては、圧縮機構を潤滑する潤滑油が必要となる。この潤滑油は圧縮機内部で必要なものである。しかし、場合によっては圧縮された高圧ガス冷媒と共に圧縮機構を潤滑する潤滑油の一部を圧縮機から空調装置の冷凍サイクル中へ吐出してしまう。圧縮機より高圧ガス冷媒と共に吐出され循環する潤滑油の量が冷凍サイクル中に多くなればなるほど空調装置の冷房性能やシステム効率が低下する。
【0003】
このため、冷凍サイクル中への潤滑油の吐出量を抑制し空調装置のシステム効率を向上させることを目的として、圧縮機構の吐出側に、圧縮された高圧ガス冷媒から潤滑油を分離する分離室を設けて、潤滑油の分離効率を向上させ冷凍サイクル中の冷媒に含まれるオイル循環率を減らす圧縮機が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−30278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の圧縮機においては、図7に示すように圧縮機構により圧縮された高圧ガス冷媒が導かれる高圧ケース101に区画壁102を設けて、高圧室103と、潤滑油の一部が分離される分離室104と、潤滑油が貯えられる貯油室105とを仕切って区画している。その区画壁102が高圧ケース101をほぼ2分しているので高圧ケース101の剛性が大きくなり、区画壁102で後部側板106を強く押し付ける構成となっている。
【0006】
また、この種の圧縮機は高速高負荷運転時に圧縮機の吐出温度が上昇すると圧縮機構が膨張し、ロータ107と前部側板108及び後部側板106とのスラスト隙間を拡大することにより、耐久性を確保している。
【0007】
しかし図7に示す圧縮機では、高圧ケース101の区画壁102が後部側板106を強く押し付けているので、圧縮機構の後部側板106の膨張が抑制されて、スラスト隙間の拡大量が小さくなり、ロータ107と前部側板108或いは後部側板106とが局部的に接触することが懸念される。
【0008】
さらに、圧縮機の高速高負荷運転時は、圧縮機の吐出温度が上昇し潤滑油の粘度が小さくなり、ロータ107と前部側板108或いは後部側板106との間の潤滑油の油膜が薄くなる。このため、潤滑性が厳しい状態になるので、ロータ107と前部側板108或いは後部側板106とが局部的に接触して摩耗が進展し、圧縮機の耐久性が低下してしまう懸念もある。
【0009】
ここで、圧縮機の耐久性低下を補うために、高速高負荷運転時に適正なスラスト隙間を確保することが考えられる。すなわち、組立時のスラスト隙間設定を若干大きくするなどの方法が考えられる。しかしながら、そうするとスラスト隙間が大きくなるので、低速運転時に圧縮機構内のガス冷媒の漏れ量が大きくなり、性能が低下してしまうという課題が
あった。
【0010】
そこで本発明は上述の従来の課題に鑑み、高速高負荷運転時に温度が上昇して圧縮機構が膨張して後部側板を膨らませても高圧ケースの区画壁が突っ張らず、ロータと前部側板及び後部側板とのスラスト隙間を適度に拡大させることで耐久性が向上する圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明による圧縮機においては、圧縮機構により圧縮された高圧ガス冷媒が導かれる高圧室、高圧ガス冷媒に含まれる潤滑油の少なくとも一部が分離される分離手段、分離手段にて高圧ガス冷媒から分離された潤滑油が貯えられる貯油室を備えた高圧ケースと、前記高圧ケース内を高圧室と貯油室に仕切る区画壁とを備え、前記区画壁が接続される面であって前記圧縮機構の後部側板と相対する面の一部に薄肉部を設けた構成としている。
【0012】
このような構成によって、高速高負荷運転時に圧縮機の吐出温度が上昇して圧縮機構が膨張し、後部側板が高圧ケース側に膨らんでも、高圧ケース内の区画壁が接続される面であって前記圧縮機構の後部側板と相対する面の一部を薄肉化しているため、高圧室と分離手段若しくは貯油室との圧力差により区画壁が外側に変形するので、後部側板固定する力が抑制される。これにより、区画壁が突っ張らないためロータと前部側板及び後部側板とのスラスト隙間が確保でき、圧縮機の耐久性を確保することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明による圧縮機においては、ロータと前部側板及び後部側板とのスラスト隙間を適度に拡大することができ、ロータと前部側板或いは後部側板とが局部的に接触することがなくなるので、ロータと前部側板及び後部側板の摩耗も進展することなく、圧縮機の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態1における圧縮機の横断面図
【図2】同実施の形態1における圧縮機のA−A断面図
【図3】同実施の形態1における圧縮機の高圧室側から見たガスケットのB矢視図
【図4】同実施の形態1における圧縮機の高圧ケースのB矢視図
【図5】本発明の形態2における圧縮機の高圧ケースのB矢視図
【図6】(a)、(b)は本発明の実施の形態2及び3における圧縮機の薄肉部の拡大断面図
【図7】従来例の圧縮機の横断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、潤滑油を含むガス冷媒を圧縮する圧縮機構と、圧縮機構により圧縮された高圧ガス冷媒が導かれる高圧室、高圧ガス冷媒に含まれる潤滑油の少なくとも一部が分離される分離手段、分離手段にて高圧ガス冷媒から分離された潤滑油が貯えられる貯油室を備えた高圧ケースと、高圧ケース内を高圧室と貯油室に仕切る区画壁と、を備え、区画壁が接続される面であって圧縮機構の後部側板と相対する面の一部に薄肉部を設けた構成としている。
【0016】
このような構成によって、高速高負荷運転時に圧縮機の吐出温度が上昇して圧縮機構が膨張し、後部側板が高圧ケース側に膨らんでも、区画壁が接続される面に薄肉部を設けたため、上記面が変形するので区画壁が後部側板を固定する力が抑制される。これにより、ロータと前部側板及び後部側板とのスラスト隙間が確保できるため、圧縮機の耐久性を確
保することが可能となる。
【0017】
また、第2の発明は、特に第1の発明の薄肉部を、前記前記区画壁が接続される接続部近傍に設けたものであり、力を受ける部分を薄肉化して区画壁が突っ張ることを抑制することができる。
【0018】
また、第3の発明は、特に第1の発明の薄肉部を、高圧ケース内に設けられた分離手段を構成する壁面に設けたものである。これによって、高圧ケースの機密性を保ちつつ、区画壁の突っ張りを抑制することができる。
【0019】
また、第4の発明の圧縮機は、圧縮機構がシャフトに固定されたロータが回転することで圧縮室を形成してガス冷媒の圧縮を行うものであり、薄肉部を前記ロータの回転軌跡よりも内側に設けたものである。
【0020】
このような構成によって、高速高負荷運転時に圧縮機の吐出温度が上昇して圧縮機構が膨張し、後部側板が高圧ケース側に膨らんでも、区画壁が後部側板を突っ張ることを確実に防止できる。
【0021】
また、第5の発明は、前記圧縮機構と前記後部側板との間に介在して高圧ガス冷媒を封止するガスケットをさらに設け、第1の発明における薄肉部が、高圧時の変形量が前記ガスケットの効き代内となり高圧室と貯油室が連通しないように構成したものである。
【0022】
これによって、高圧ケースの分離室の少なくとも一部に相対する区画壁根元部に薄肉部を設けたため、区画壁がガスケットの効き代内で高圧ケース側に変形するだけで、後部側板を突っ張ることがない。そして、ロータと前部側板及び後部側板とのスラスト隙間が適度に拡大されて、圧縮機の耐久性を向上することができる。また、後部側板の高圧時の変形量がガスケットの効き代内となり高圧室と貯油室が連通しないように構成されるので、高圧室の吐出冷媒ガスの動圧が、貯油室に流入して、貯油室に溜まっている潤滑油を巻き上げて吐出口から冷凍サイクル中へ出難くなり、冷凍サイクル中の冷媒に含まれるオイル循環率が減るため、冷凍サイクルの性能や効率を向上することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は本発明の本発明の実施の形態1における圧縮機の横断面図、図2は同圧縮機のA−A断面図、図3は同圧縮機後部(貯油室側)から見たガスケットのB矢視図、図4は同圧縮機後部から見た高圧ケースのB矢視図である。
【0025】
図示したように、この圧縮機においては、円筒内壁を有するシリンダ1に略円柱状のロータ2がその外周の一部がシリンダ1の内壁と微少隙間を形成するように回転自在に収容されている。ロータ2には複数のベーンスロット3が等間隔に設けられており、ベーンスロット3内には、摺動自在にベーン4がそれぞれ挿入されている。
【0026】
ロータ2はこれと一体的に形成された駆動軸5が回転駆動されることにより回転する。シリンダ1の両端開口部はそれぞれ前部側板6及び後部側板7により閉塞され、シリンダ1内部に作動室8が形成される。
【0027】
作動室8には吸入口9及び吐出口10が連通している。吐出口10は高圧通路11に接続され、吐出口10と高圧通路11との間には吐出弁12が配設されている。後部側板7
にはガスケット13を介して高圧ケース14が取り付けられている。高圧ケース14内には高圧室15、分離室16及び貯油室17が形成されている。高圧ケース14には後部側板7側へ延出した区画壁18を設けて高圧室15と貯油室17を仕切り区画形成している。なお、図3の破線は、区画壁18がガスケット13に接触する範囲を示している。高圧室15は導入孔19を介して分離手段である分離室16と連通している。分離室16は、圧縮された高圧ガス冷媒に含まれる潤滑油を分離するために設けられている。分離室16は排油口20を介して貯油室17と連通している。
【0028】
貯油室17に貯められた潤滑油は、給油路入口13aから給油路21を介して、圧縮機構を構成するロータ2、ベーン4、シリンダ1内壁等に供給される。潤滑油は、各部を潤滑すると共に、ベーン背圧室22に供給され、その圧力によりベーン4をロータ2の外側へ押し出す働きをする。
【0029】
給油路21の途中には、ベーン背圧調整装置23が設けられている。ベーン背圧調整装置23は、圧縮機構へ供給する潤滑油の給油圧力や給油量を、圧縮機構周辺の冷媒圧力に応じて制御する。
【0030】
さらに、図1及び図4に示すように、区画壁18が接続される接続部である分離室16の側面の接続部近傍に、薄肉部24を設けた構成としている。
【0031】
エンジンなどの駆動源より動力伝達を受けて、駆動軸5及びロータ2が、図2において時計方向に回転すると、これに伴いガス冷媒が吸入口9より作動室8内に流入する。ロータ2の回転に伴い圧縮された高圧ガス冷媒は吐出口10より吐出弁12を押し上げて高圧通路11に吐出され、高圧室15内に流入する。さらに、高圧ガス冷媒は導入孔19から分離室16に流入し、分離室16で高圧ガス冷媒に含まれる潤滑油が分離される。
【0032】
ところで、分離室16は円筒状の空間が設けられている。この円筒空間に高圧ガス冷媒を導く導入孔19は、この円筒空間の接線方向に高圧ガス冷媒を導くように形成される。このため、高圧ガス冷媒はこの円筒空間を旋回する。高圧ガス冷媒に含まれる潤滑油は円筒空間を旋回中に、遠心力により、分離室16の円筒状部の内周面に接触しながら冷媒ガスから分離される。
【0033】
高圧ガス冷媒はガス排出口25より圧縮機外に吐出され、分離された潤滑油は分離室16の内周面に沿って下方に移動する。
【0034】
分離室16の下端部には、分離された潤滑油を貯油室17に導く導油路26が形成されている。導油路26は鉛直下方に向かって形成されており、導油路26の排油口20は貯油室17に貯まった潤滑油の油面より鉛直方向において下方の潤滑油中で開口している。
【0035】
ここで、圧縮機の高速高負荷運転時は圧縮機の吐出温度が上昇するので、熱膨張により、前部側板6、後部側板7が膨らむ傾向となる。しかし、上述のような構成により、後部側板7が圧縮機の後方(貯油室側)へ膨らんだとしても、分離室16の隔壁が外側に変形するので、高圧ケース14内に設けられた区画壁18が突っ張って後部側板7を固定することがない。圧縮機構部により圧縮された冷媒は、高圧室15、分離室16へと導かれる過程で圧力差が生じているので、分離室16の側面は分離室16側に変形する。
【0036】
すなわち、本実施の形態における圧縮機では、高圧ケース14内に構成された分離室16の一部であって、区画壁18が接続される接続部近傍を薄肉化しているため、区画壁18が後部側板7を固定する力が抑制される。このため、ロータ2と前部側板6及び後部側板7とのスラスト隙間が組立初期より若干拡大でき、圧縮機の耐久性を確保することがで
きる。
【0037】
また、分離室16に薄肉部24を設けているため、高速回転時に薄肉部24に力がかかっても分離室16の側面が変形するだけであるので、高圧ケース14の高い機密性が確保される。
【0038】
また、薄肉部24は高圧ケース14に鋳抜き形状で形成できるので、コストアップとはならず安価に製作できる。
【0039】
なお、本実施の形態では、薄肉部24を分離室16の側面に設ける構成について説明したが、高圧ケースの壁面に区画壁18が接続される場合は、当該高圧ケースの壁面に薄肉部を設けても良い。
【0040】
(実施の形態2)
本実施の形態における圧縮機では、区画壁18の接続部近傍に設けた薄肉部24の厚みを高圧時の変形量がガスケット13の効き代内となるよう構成している。さらに、薄肉部24の位置は、区画壁18の位置におけるロータの回転軌跡2a近傍としている。
【0041】
区画壁18が接続される接続部近傍に設けた薄肉部24について、図5を用いて詳しく説明する。図5に示すように、薄肉部24の位置は区画壁18の位置におけるロータの回転軌跡2aよりも内側に形成される。
【0042】
このような構成によって、高速高負荷運転時に圧縮機の吐出温度が上昇して圧縮機構が膨張し、後部側板7が高圧ケース14側に膨らんでも、高圧ケース14の区画壁18が突っ張ることがない。
【0043】
すなわち、通常分離室は圧縮機構の回転中心軸付近に配置されることより、圧縮機構の回転軌跡部に相対する範囲においては、区画壁18が高圧室15と分離室16の圧力差により分離室側に変形するだけで、後部側板7を突っ張ることがない。これにより、ロータ2と前部側板6及び後部側板7とのスラスト隙間を適度に拡大することができる。したがって、ロータ2と前部側板6或いは後部側板7とが局部的に接触することがなくなるのでロータ2、前部側板6及び後部側板7の摩耗も進展することなく、圧縮機の耐久性を向上することができる。
【0044】
また、区画壁18が接続される接続部に設けた薄肉部24の位置を、特に、高圧室15と分離室16との隔壁部に設定しているため、薄肉化により高圧ケース14の気密性が低下することを防止することが可能である。
【0045】
以上のように、本実施の形態の圧縮機は、高速高負荷運転時の耐久性の低下を懸念する必要がないため、組立時のスラスト隙間設定を狭くすることができる。これにより、低速運転時のスラスト隙間が小さくなるので、圧縮機構内のガス冷媒の漏れ量が少なくなり、圧縮機の性能を向上することが可能となる。
【0046】
(実施の形態3)
また、本発明の圧縮機では、実施の形態1又は2の区画壁18の接続される接続部に設けた薄肉部24の厚みが、高圧時の変形量がガスケット13の効き代範囲となるように設定される。これによって、区画壁18の根元部が変形してもガスケット13の効果が失われずに密閉され、高圧室15と貯油室17が連通しないよう構成している。
【0047】
図6を用いて、詳細の構成について説明する。図6(a)は低圧時、(b)は高圧時の
薄肉部の拡大断面図である。図6(a)、(b)に示すように、高圧ケース14の区画壁18が、高圧時の変形量がガスケット13の効き代範囲となるようガスケット13を押えている構成となっている。したがって、高圧室15と貯油室17は後部側板7とガスケット13と区画壁18とによって、高圧での区画壁18の変形時においても高圧室15側から貯油室17側へ高圧ガス冷媒が侵入しないように封止されているので、高圧ガス冷媒が貯油室17側へ漏れこむことがない。
【0048】
このような構成によって、高圧室15の吐出冷媒ガスの動圧が、高圧時の区画壁18の変形による隙間を介して貯油室17の油面にかかることを防止できる。このため、吐出高圧ガス冷媒が貯油室17に直接流入して、貯油室17に溜まっている潤滑油を巻き上げて吐出口25から冷凍サイクル中へ排出されることがなくなる。したがって、冷凍サイクル中の冷媒に含まれるオイル循環率が減るので冷凍サイクルの熱交換が良くなり、冷凍サイクルの性能や効率を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる圧縮機は、高圧ケースの分離室の少なくとも一部に相対する区画壁の根元部に薄肉部を設けたため、高速高負荷運転時にもロータと前部側板及び後部側板とのスラスト隙間が適度に拡大することができ、ロータ等の回転部材と前部側板及び後部側板の摩耗も進展することなく、圧縮機の耐久性を向上することができるので、各種の圧縮機にも適用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 シリンダ
2 ロータ
2a ロータの回転軌跡
3 ベーンスロット
4 ベーン
5 駆動軸
6 前部側板
7 後部側板
13 ガスケット
14 高圧ケース
15 高圧室
16 分離室(分離手段)
17 貯油室
18 区画壁
24 薄肉部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油を含むガス冷媒を圧縮する圧縮機構と、
前記圧縮機構により圧縮された高圧ガス冷媒が導かれる高圧室、高圧ガス冷媒に含まれる潤滑油の少なくとも一部が分離される分離手段、前記分離手段にて前記高圧ガス冷媒から分離された潤滑油が貯えられる貯油室を備えた高圧ケースと、
前記高圧ケース内で前記高圧室と前記貯油室とを区画する区画壁と、を備え、
前記区画壁が接続される面であって前記圧縮機構の後部側板と相対する面の一部に薄肉部を設けたことを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記薄肉部を、前記前記区画壁が接続される接続部近傍に設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記薄肉部が形成される面は、前記分離手段を構成する壁面であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記圧縮機構は、シャフトに固定されたロータが回転することで圧縮室を形成してガス冷媒の圧縮を行うものであり、前記薄肉部は、前記ロータの回転軌跡よりも内側であることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記圧縮機構と前記後部側板との間に介在して高圧ガス冷媒を封止するガスケットをさらに設け、前記薄肉部は、高圧時の変形量が前記ガスケットの効き代内となり高圧室と貯油室が連通しないように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−137403(P2011−137403A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297419(P2009−297419)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】