説明

圧縮空気除湿装置のフレーム組立体

【課題】簡便に組み立てることができ、フレーム同士が強固に固定された圧縮空気除湿装置のフレーム組立体を提供する。
【解決手段】フレーム組立体は、上面フレーム1と、側面フレーム2あるいは前後面フレームと、底面フレームとを備えた圧縮空気除湿装置のフレーム組立体において、側面フレーム2あるいは前後面フレームが上側または/および下側に突出した断面く字型べろ板4を複数有し、上面フレーム1または/および底面フレームに前記く字型べろ板4の案内突起7および受け入れ孔5を有し、該案内突起7と該孔5は、組み上げ時に前記く字型べろ板4の表面と該案内突起7とが当接して前記く字型べろ板4が湾曲して該受け入れ孔5に導入され、はめ込まれた状態で前記く字型べろ板4の裏面が該受け入れ孔5に当たる位置関係に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気除湿装置の支柱と天板、底板を組上げるフレーム組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場などの現場では、エアコンプレッサ等から送出される高圧空気を清浄化し、また除湿するために圧縮空気除湿装置が用いられている。圧縮空気除湿装置は、装置内部の配管や配電盤等を支え、保護するためにフレーム組立体で覆われている。フレーム組立体は、天板、底板、脇板、前後板に支柱等のフレームが組み合わされて構成される。通常、組み合わされたフレームは、ビス等によって固定される。
【0003】
この場合、少しでもビスの挿入穴の位置がずれると、ビスが入りにくくなる。また、圧縮空気除湿装置は大型であるため、固定するビスの個数が多く、作業に手間と時間がかかる。さらに、長期間の使用によって、固定されたビスが緩む。
【0004】
【特許文献1】特開2002−89888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、簡便に組み立てることができ、フレーム同士が強固に固定された圧縮空気除湿装置のフレーム組立体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載されたフレーム組立体は、上面フレームと、側面フレームあるいは前後面フレームと、底面フレームとを備えた圧縮空気除湿装置のフレーム組立体において、側面フレームあるいは前後面フレームが上側または/および下側に突出した断面く字型べろ板を複数有し、上面フレームまたは/および底面フレームに前記く字型べろ板の案内突起および受け入れ孔を有し、該案内突起と該孔は、組み上げ時に前記く字型べろ板の表面と該案内突起とが当接して前記く字型べろ板が湾曲して該受け入れ孔に導入され、はめ込まれた状態で前記く字型べろ板の裏面が該受け入れ孔に当たる位置関係に配置されていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載されたフレーム組立体は、請求項1に記載されたもので、前記側面フレームあるいは前後面フレームの一つに、該断面く字型べろ板を複数有し、複数のうちの各断面く字型べろ板が、複数の上面フレームまたは/および底面フレームに夫々有する案内突起および受け入れ孔にはめ込まれ、前記側面フレームあるいは前後面フレームの一つが、複数の上面フレームまたは/および底面フレームをブリッジすることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載された圧縮空気除湿装置は、請求項1又は2に記載のフレーム組立体を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフレーム組立体は、フレーム同士をビス等によって固定する必要がないため、作業の時間と労力を短縮することができる。また、フレーム組立体は、側面フレームの断面く字型べろ板の先端が折曲しているので、接触する上面フレームの案内突起との位置決めをしやすい。したがって、簡便に組み立てられる。
【0010】
また、本発明のフレーム組立体は、側面フレームの断面く字型べろ板が、上面フレームの案内突起と当接するとともに、導入先の受け入れ孔と当接するので、上面フレームと側面フレームとが強固に固定される。
【0011】
本発明のフレーム組立体は、側面フレームに備えられた複数の断面く字型べろ板の各々が、複数の上面フレームの案内突起および受け入れ孔の各々にはめ込まれ、側面フレームが複数の上面フレームをブリッジできるので、上面フレームを分割して簡便に組み立てられる。
【発明を実施するための好ましい形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施形態に限定されるものではない。
【0013】
本発明を適用する圧縮空気除湿装置のフレーム組立体の一実施形態であって、組み立て前の斜視図が図1に示してある。図2はその要部を示すA−A断面図である。尚、図1において、構成自体は図示省略しているが、図5に示すように圧縮空気除湿装置の構成は組み込まれる。
【0014】
図1に示すように、このフレーム組立体は、天板が付く上面フレーム1、側面板が付く側面フレーム2及び底板が付く底面フレーム3からなる。側面フレーム2は、上端に複数の可撓性の断面く字型べろ板4を有している。また、図2に示すように、上面フレーム1は、下端に案内突起7と、それに近接する受け入れ孔5を有している。
【0015】
本発明を適用する圧縮空気除湿装置のフレーム組立体は以下のようにして組み立てられる。
【0016】
案内突起7と断面く字型べろ板4との位置を一致させ、上面フレーム1を側面フレーム2の上から押す。これにより、案内突起7の先端と断面く字型べろ板4の折曲箇所とが接触する。このとき、断面く字型べろ板4が折曲しているので、案内突起7と断面く字型べろ板4とが簡便に接触できる。
【0017】
案内突起7が断面く字型べろ板4に接触した状態で、上面フレーム1をさらに押す。これにより、案内突起7が断面く字型べろ板4を押動し、湾曲させる。そして、受け入れ孔5が湾曲した断面く字型べろ板4を通る。
【0018】
図3に、このフレーム組立体の組み立て後の状態のA−A断面図が示されている。受け入れ孔5は、湾曲力が働いた断面く字型べろ板4と当接する。また、案内突起7は、その先端において、湾曲による復帰力が働いた断面く字型べろ板4と当接する。したがって、上面フレーム1は、案内突起7と受け入れ孔5との二点で側面フレーム2と当接し、確りと固定される。
【0019】
図4には、本発明を適用する前記とは別な実施形態のフレーム組立体の組み立て前の要部側面図が示されている。上面フレーム1は、二枚に分割されている(図1参照)。側面フレーム2は、上端に隣り合った二枚の断面く字型べろ板4を備えている。
【0020】
上記と同様に、二枚の上面フレーム1を、夫々側面フレーム2の断面く字型べろ板4にはめ込む。これにより、夫々の上面フレーム1と側面フレーム2とが固定されるだけでなく、二枚の上面フレーム1同士が側面フレーム2によってブリッジされる。したがって、一枚では重い上面フレームを二枚に分割して軽くし、フレーム組立体を簡便に組み立てることができる。
【0021】
上面フレーム1は、さらに細かく分割されていてもよい。
【0022】
また、上記の上面フレーム1と側面フレーム2との組み立てと同様に、側面フレーム2の下端に断面く字型べろ板4を有し、底面フレーム3の上端に受け入れ孔5と案内突起7とを有することで、側面フレーム2と底面フレーム3とが組み立てられてもよい。
【0023】
図5には、上記本発明のフレーム組立体に圧縮空気除湿装置が組み込まれた状態の正面図が示されている。フレーム組立体には前面パネル9がはめ込まれて取り付けられる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明を適用する圧縮空気除湿装置のフレーム組立体は、フレーム同士を固定するためにビス等を必要としない。したがって、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明を適用する圧縮空気除湿装置のフレーム組立体の組み立て前を示す斜視図である。
【図2】図1の要部を示すA−A断面図である。
【図3】本発明を適用するフレーム組立体の組み立て後の状態を示すA−A断面図である。
【図4】本発明を適用するフレーム組立体の組み立て前を示す要部側面図である。
【図5】本発明を適用するフレーム組立体を備えた圧縮空気除湿装置を示す正面図である。
【符号の説明】
【0026】
1は上面フレーム、2は側面フレーム、3は底面フレーム、4は断面く字型べろ板、5は受け入れ孔、7は案内突起、9は前面パネルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面フレームと、側面フレームあるいは前後面フレームと、底面フレームとを備えた圧縮空気除湿装置のフレーム組立体において、側面フレームあるいは前後面フレームが上側または/および下側に突出した断面く字型べろ板を複数有し、上面フレームまたは/および底面フレームに前記く字型べろ板の案内突起および受け入れ孔を有し、該案内突起と該孔は、組み上げ時に前記く字型べろ板の表面と該案内突起とが当接して前記く字型べろ板が湾曲して該受け入れ孔に導入され、はめ込まれた状態で前記く字型べろ板の裏面が該受け入れ孔に当たる位置関係に配置されていることを特徴とするフレーム組立体。
【請求項2】
前記側面フレームあるいは前後面フレームの一つに、該断面く字型べろ板を複数有し、複数のうちの各断面く字型べろ板が、複数の上面フレームまたは/および底面フレームに夫々有する案内突起および受け入れ孔にはめ込まれ、前記側面フレームあるいは前後面フレームの一つが、複数の上面フレームまたは/および底面フレームをブリッジすることを特徴とする請求項1に記載のフレーム組立体。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフレーム組立体を備えていることを特徴とする圧縮空気除湿装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−168218(P2008−168218A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4580(P2007−4580)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】