説明

圧電性ポリマーフィルム素子、特にポリマー箔、およびその製造方法

本発明は、ポリマーマトリックス(2)を含んでなり、中空粒子(3)がポリマーマトリックス(2)中に配置されている、圧電性ポリマーフィルム素子(1)、特にポリマー箔、並びにA)中空粒子(3)を供給する工程、B)ポリマーマトリックス(2)に中空粒子(3)を導入する工程およびC)ポリマーマトリックス(2)をポリマーフィルムとして成形する工程を含む、圧電性ポリマーフィルム素子の製造方法に関する。本発明は更に、充填剤としての中空粒子(3)を含んでなる少なくとも1つの第一ポリマーフィルム(1)を含んでなる、電気機械変換器に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマーマトリックスを含んでなり、中空粒子がポリマーマトリックス中に配置されている、圧電性ポリマーフィルム素子、特にポリマー箔に関する。本発明は更に、そのようなポリマーフィルム素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーおよびポリマー複合材料は、多くの産業用途において既に使用されている。これに関して、センサー用途またはアクチュエーター用途における能動要素としての機能性ポリマーの重要性が増している。近年、新規な圧電性ポリマー、いわゆるフェロエレクトレットの研究に対してますます興味が持たれるようになってきた。フェロエレクトレットは、ピエゾエレクトレットとも称される。フェロエレクトレットは、長期にわたって電荷を蓄えることができるキャビティ構造を有するポリマー材料を含んでなる。既知のフェロエレクトレットの一部は、多孔質キャビティ構造を有し、発泡ポリマーフィルムとして、或いはポリマーフィルムまたはポリマー布地の多層系として形成されている。様々なキャビティ表面の極性に応じて電荷を分布させると、帯電した各キャビティは電気双極子を発現する。キャビティを変形させると、双極子寸法が変化し、外部電極間に電流が流れる。フェロエレクトレットは、他の圧電性物質に匹敵する圧電能を発揮することができる。
【0003】
US 4,654,546は、フェロエレクトレットフィルムの前駆体としてのポリプロピレン発泡フィルムの製造方法を記載している。同特許文献では、充填材粒子がポリマーフィルムに添加されている。例えば二酸化チタンが、充填材として使用されている。押出後、フィルム中の小さいキャビティが充填材粒子周辺に生じるように、ポリプロピレンフィルムを二軸延伸する。例えば、M. Wegener, M. Paajanen, O. Voronina, R. Schulze, W. WirgesおよびR. Gerhard-Multhaupt "Cavitied cyclo-olefin polymer films: Ferroelectrets with high thermal stability", Proceedings, 12th International Symposium on Electrets (IEEE Service Center, Piscataway, New Jersey, USA 2005), 47-50 (2005)、並びにEetta Saarimaeki, Mika Paajanen, Ann-Mari Savijaervi, Hannu Minkkinen, Michael Wegener, Olena Voronina, Robert Schulze, Werner WirgesおよびReimund Gerhard-Multhaupt "Novel Heat Durable Electromechanical Film: Processing for Electromechanical and Electret Applications", IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation 13, 963-972(2006年10月)には、シクロオレフィンコポリマー(COC)およびシクロオレフィンポリマー(COP)のフェロエレクトレットフィルムの製造方法が記載されている。発泡ポリマーフィルムは、広範な分布の気泡寸法を生じることがあるという欠点を有する。その結果、後の帯電工程の際に、全ての気泡が等しく良好に帯電されないことがある。
【0004】
発泡フェロエレクトレットポリマーフィルムの別の製造方法は、超臨界流体(例えば二酸化炭素)による均質なフィルムの直接的な物理発泡である。ポリエステル材料を用いたこの方法は、Advanced Functional Materials 17, 324-329 (2007), Werner Wirges, Michael Wegener, Olena Voronina, Larissa ZirkelおよびReimund Gerhard-Multhaupt "Optimized preparation of elastically soft, highly piezoelectric, cellular ferroelectrets from noncavitied poly(ethylene terephthalate) films"、並びにApplied Physics Letters 90, 192908 (2007), P. Fang, M. Wegener, W. WirgesおよびR. Gerhard L. Zirkel "Cellular polyethylene-naphthalate ferroelectrets: Foaming in supercritical carbon dioxide, structural and electrical preparation, and resulting piezoelectricity"に記載されており、フッ素重合体FEP(フッ素化エチレン/プロピレンコポリマー)については、Applied Physics A: Materials Science & Processing 90, 615-618 (2008), O. Voronina, M. Wegener, W. Wirges, R. Gerhard, L. ZirkelおよびH. Muenstedt "Physical foaming of fluorinated ethylene-propylene (FEP) copolymers in supercritical carbon dioxide: single film fluoropolymer piezoelectrets"に記載されている。
【0005】
X. Zhang, J. HillenbrandおよびG. M. Sessler, "Thermally stable fluorocarbon ferroelectrets with high piezoelectric coefficient" Applied Physics A, 第84巻、第139〜142頁、2006、並びに"Ferroelectrets with improved thermal stability made from fused fluorocarbon layers", Journal of Applied Physics, 第101巻、paper 054114, 2007、並びにXiaoqing Zhang, Jinfeng HuangおよびZhongfu Xia "Piezoelectric activity and thermal stability of cellular fluorocarbon films" PHYSICA SCRIPTA, 第T129巻、第274〜277頁、2007には、交互に重ねた少なくとも3つのFEP層およびPTFE層からなる積層ポリマー層上に金属格子をプレスすることによるポリマー層の構造化が記載されている。FEPの融点より高くPTFEの融点より低い温度で格子によって層を一緒にプレスすることによって、ポリマー層が格子構造に従って互いに結合し、方形底面領域を有するドーム状キャビティまたは気泡状キャビティが格子のバーの間に生じる。しかしながらこの方法では、特に層の数が増えると、均一なキャビティの形成を制御することが困難になるので、品質のばらついたフェロエレクトレットしか得られない。
【0006】
格子を用いた気泡状キャビティの別の製造方法は、R. A. C. Altafim, H. C. Basso, R. A. P. Altafim, L. Lima, C. V. De Aquino, L. Gonalves NetoおよびR. Gerhard-Multhaupt, "Piezoelectrets from thermo-formed bubble structures of fluoropolymer-electret films", IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 第13巻、第5号、第979〜985頁、2006に記載されている。この方法では、重ねた2つのテフロン(登録商標)−FEPフィルムを、金属格子と上部円筒形金属部品の間に配置する。この構造物を、真空を適用するための開口部を有する下部円筒形金属部品の上に前記金属格子と共にプレスする。上部金属部品を介してFEPフィルムを加熱し、下部金属部品に適用される真空によって、下部フィルムを格子開口部に吸引し、対応するキャビティを形成する。多層ポリマー複合材料においてキャビティを形成するために格子を使用する前記方法は複雑であり、大規模への移転が困難である。
【0007】
圧電性材料に対する関心は、更に、産業用途、例えば、センサーシステム、アクチュエーターシステムおよび発電システムのために高まってきている。これに関して、収益性のためには、工業規模で製造方法を使用できる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】US 4,654,546
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】M. Wegener, M. Paajanen, O. Voronina, R. Schulze, W. WirgesおよびR. Gerhard-Multhaupt "Cavitied cyclo-olefin polymer films: Ferroelectrets with high thermal stability", Proceedings, 12th International Symposium on Electrets (IEEE Service Center, Piscataway, New Jersey, USA 2005), 47-50 (2005)
【非特許文献2】Eetta Saarimaeki, Mika Paajanen, Ann-Mari Savijaervi, Hannu Minkkinen, Michael Wegener, Olena Voronina, Robert Schulze, Werner WirgesおよびReimund Gerhard-Multhaupt "Novel Heat Durable Electromechanical Film: Processing for Electromechanical and Electret Applications", IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation 13, 963-972(2006年10月)
【非特許文献3】Advanced Functional Materials 17, 324-329 (2007), Werner Wirges, Michael Wegener, Olena Voronina, Larissa ZirkelおよびReimund Gerhard-Multhaupt "Optimized preparation of elastically soft, highly piezoelectric, cellular ferroelectrets from noncavitied poly(ethylene terephthalate) films"
【非特許文献4】Applied Physics Letters 90, 192908 (2007), P. Fang, M. Wegener, W. WirgesおよびR. Gerhard L. Zirkel "Cellular polyethylene-naphthalate ferroelectrets: Foaming in supercritical carbon dioxide, structural and electrical preparation, and resulting piezoelectricity"
【非特許文献5】Applied Physics A: Materials Science & Processing 90, 615-618 (2008), O. Voronina, M. Wegener, W. Wirges, R. Gerhard, L. ZirkelおよびH. Muenstedt "Physical foaming of fluorinated ethylene-propylene (FEP) copolymers in supercritical carbon dioxide: single film fluoropolymer piezoelectrets"
【非特許文献6】X. Zhang, J. HillenbrandおよびG. M. Sessler, "Thermally stable fluorocarbon ferroelectrets with high piezoelectric coefficient" Applied Physics A, 第84巻、第139〜142頁、2006
【非特許文献7】"Ferroelectrets with improved thermal stability made from fused fluorocarbon layers", Journal of Applied Physics, 第101巻、paper 054114, 2007
【非特許文献8】Xiaoqing Zhang, Jinfeng HuangおよびZhongfu Xia "Piezoelectric activity and thermal stability of cellular fluorocarbon films" PHYSICA SCRIPTA, 第T129巻、第274〜277頁、2007
【非特許文献9】R. A. C. Altafim, H. C. Basso, R. A. P. Altafim, L. Lima, C. V. De Aquino, L. Gonalves NetoおよびR. Gerhard-Multhaupt, "Piezoelectrets from thermo-formed bubble structures of fluoropolymer-electret films", IEEE Transactions on Dielectrics and Electrical Insulation, 第13巻、第5号、第979〜985頁、2006
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明は、別の新規なエレクトレット材料、およびそのようなエレクトレット材料の別の製造方法を提供するという目的に基づく。本発明の製造方法を用いると、所定のピエゾエレクトレットキャビティ構造を製造することができるし、本発明の方法は、容易かつ安価に大きな工業規模で行うこともできる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ポリマーマトリックスを含んでなり、中空粒子がポリマーマトリックス中に配置されている、圧電性ポリマーフィルム素子、特にポリマー箔を提案する。換言すれば、本発明は、充填剤としての中空粒子を含有するポリマー材料のフィルムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明のポリマーフィルム素子の第一の態様の断面図である。
【図2】図2は、分極後の、本発明のポリマーフィルム素子の別の態様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
「中空粒子」とは、特に、ポリマーマトリックスへの導入前に所定の形状と粒子中に閉じ込められた所定のキャビティ体積とを有する粒子を意味すると理解される。本発明の圧電性ポリマーフィルム素子の製造が完了するまで、この形状が本質的に保持されることが好ましい。そうすれば、有利なことに、キャビティ構造、特にキャビティ自体の形状および寸法を、正確に予め決定することができる。中空粒子は例えば、球状または細長い形状であってよい。有利なことに、本発明のポリマーフィルム素子(特にポリマー箔)中のキャビティ体積は、中空粒子の寸法および密度(例えば、ポリマーフィルムの単位面積あたりの中空粒子数)によって正確に決定することができる。中空粒子の分布、すなわち中空粒子の互いの平均(最大)距離は、ポリマーフィルム素子の所望の特性に応じて適当に選択できる。
【0014】
本発明の1つの態様では、中空粒子は、中空球状および/または中空ストランド(管)状に構成してよい。中空粒子が可能な限り小さい粒度分布を有することが好ましい。特に中空粒子は、本質的に同じ高さを有するだけでなく、本質的に同じ寸法のキャビティ直径も有してもよい。本発明において、「中空粒子の高さ」とは、ポリマーフィルムの厚さ方向の(外側)高さを意味すると理解される。本発明において、「本質的に同じ高さ」および「本質的に同じ寸法の直径」とは、中空粒子が、例えば5%未満、特に1%未満の製造のばらつきで、同じ高さおよび/または同じ直径を有することを意味すると理解される。ポリマーフィルム素子中の中空粒子の形状が、その寸法および配置について可能な限り均一に作られているならば、有利なことに、圧電性ポリマーフィルム素子の別の条件および性質(例えば、分極プロセスまたは共鳴振動数調整)を、特に良好に最適化することができる。ポリマーマトリックスが中空粒子を完全に包囲するように、ポリマーマトリックスの厚さに応じて中空粒子の寸法(特に高さおよび/または直径)を調節することが好ましい。ポリマーフィルムとして構成されているポリマーマトリックスは特に、連続した平面を有してよい。
【0015】
本発明によれば、ポリマーマトリックスに対する中空粒子の体積含量は、10体積%以上、好ましくは15体積%以上、より好ましくは20体積%以上であってよい。しかしながら、本発明によれば、ポリマーマトリックスに対する中空粒子の、より高い体積含量、例えば50体積%以上、更には60体積%以上も可能である。本発明によれば、中空粒子の体積含量とポリマーマトリックスの体積含量の和は、いずれの場合も100体積%である。
【0016】
中空粒子の寸法、特に高さおよび/または直径は、本発明の圧電性ポリマーフィルム素子の製造後に、得られたキャビティ総体積が可能な限り大きくなるように選択することが好ましい。例えば、中空粒子は、1μm〜800μm、特に2μm〜300μm、とりわけ5μm〜100μmの高さ、および/または1μm〜500μm、特に2μm〜300μm、とりわけ5μm〜100μmの直径を有してよい。中空粒子を本質的に非導電性および/または電気的非分極性の材料で構成することが好ましい。
【0017】
中空粒子は、均一分布または不均一分布で、ポリマーマトリックス中に配置してよい。特に中空粒子は、均一分布で配置してよい。しかしながら、本発明の圧電性ポリマーフィルム素子の特定の使用分野、および適切な場合には本発明の圧電性ポリマーフィルム素子を用いて製造される電気機械変換器に応じて、中空粒子を、空間的に分離した不均一な分布で、特に目的に応じて、配置することが有利なこともある。
【0018】
それほど好ましい態様ではないが、ポリマーマトリックス中に配置された中空粒子はまた、同じ或いは異なった形状に構成してよい。特に、第一形状に構成された複数の中空粒子、および第二形状に構成した複数の中空粒子、および適切な場合には第三形状に構成した複数の中空粒子などを、ポリマーマトリックス中に配置してよい。本発明では、種々の形状に構成された中空粒子を、均一分布または不均一分布で配置してよい。特に、本発明に従って供給される圧電性ポリマーフィルム素子の電気機械的性質(特に圧電特性)は、中空粒子形状、中空粒子配置および/または中空粒子分布の選択によって調節してよい。
【0019】
基本的に、必要に応じて互いに独立して、キャビティにおける分極プロセスを可能にすることができ、帯電工程後に生じる電荷を分離して蓄えることができる材料で、中空粒子を構成してよい。
【0020】
本発明の圧電性ポリマーフィルム素子の別の態様では、中空粒子は、ガラスまたはポリマー、或いは本質的に非導電性の電気的非分極性のセラミック材料で構成してよい。例えば、中空粒子は、無機ガラス、特にシリカガラス(すなわち石英ガラス)で構成してよい。本発明の中空粒子を構成するポリマーは、ほぼ所望通りに選択することができる。電荷を良好に蓄え、良好な電気的性質を有するポリマー材料を、中空粒子のために選択することが好ましい。そのようなポリマー材料として、以下の例が挙げられる:ポリカーボネート、過フッ素化ポリマー、過フッ素化コポリマー、部分フッ素化ポリマーおよび部分フッ素化コポリマー、例えば、PTFE、フルオロエチレン−プロピレン(FEP)、パーフルオロアルコキシエチレン(PFA)、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー、ポリイミド、特にポリエーテルイミド、ポリエーテル、ポリメチルメタクリレートおよびポリプロピレン、またはそれらのポリマー混合物。これらの材料を用いることにより、良好または非常に良好な圧電能を達成することができる。本発明に従ってもたらされる材料の広範な選択は、有利なことに、特定の用途への適合も可能にできる。
【0021】
特に中空粒子は、ガラス球および/またはポリマー球および/またはガラスストランドおよび/またはポリマーストランドおよび/またはセラミック球および/またはセラミックストランドの形態に構成してよい。
【0022】
本発明の圧電性ポリマーフィルム素子の1つの態様では、ポリマーマトリックスは、非導電性ポリマーまたは非導電性ポリマー混合物、特にエラストマーで作ってよい。本発明において「非導電性」とは、適当な分極プロセスを可能にするのに十分高い電気抵抗をポリマーが有することを意味する。好ましい態様では、ポリマーマトリックスは、ポリウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、アクリレートエラストマー、ゴムまたはそれらの混合物で作ってよい。これらの比較的軟質の材料を用いることにより、本発明のポリマーフィルム素子の特に高い圧電定数を達成することができる。本発明によれば、有利なことに、ポリマーマトリックスの剛性によって、目的に応じて特定の要求および/または用途に適合させることができる。
【0023】
本発明によれば、ポリマーマトリックスは、分極プロセスを可能にすることができ、帯電工程後にキャビティ内に生じる電荷層を分離して蓄えることができる材料で構成してよい。例えば、ポリマーマトリックスは、特にバインダーとしての、好ましくはエラストマーのゴム誘導体、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アミド樹脂、ケトン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン、特に一液型または二液型のポリウレタン樹脂またはシリコーン樹脂、および前記ポリマーの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーで構成してよい。
【0024】
別の態様では、本発明の圧電性ポリマーフィルム素子(特にポリマー箔)のポリマーマトリックスは、5μm〜1000μm、好ましくは10μm〜500μm、例えば20μm〜250μmの厚さ(D)を有してよい。
【0025】
本発明はまた、
A)中空粒子を供給する工程、
B)ポリマーマトリックスに中空粒子を導入する工程、
C)ポリマーマトリックスを成形してポリマーフィルムを得る工程
を含む、圧電性ポリマーフィルム素子の製造方法に関する。
【0026】
適当なポリマー製中空粒子は、例えば、選択したポリマー材料で発泡剤(例えばイソブタンまたはイソプロパン)を包囲し、その後、温度制御しながら加熱することによって製造してよい。セラミック材料については、粒子中にキャビティを形成するために、例えば焼結処理において残留しないように除去できるいわゆる孔形成剤を使用する可能性が存在する。別の態様として、適当な中空粒子、例えばガラス製中空球は、3Mから市販されている。例えば、ガラス製中空球である3MTM Glass Bubbles K1、3MTM Glass Bubbles K15、3MTM Glass Bubbles S38または3MTM Glass Bubbles S60が、本発明では適している。
【0027】
ポリマーマトリックスへの中空粒子の導入は、例えば、ポリマー材料(例えば、後に溶融される熱可塑性材料顆粒、またはポリマーマトリックスを形成するための既に溶融されたポリマー材料)への混合によって実施してよい。次いで、ポリマーマトリックスのためのポリマー材料は、一体化、例えば乾燥および/または架橋および/または固化してよく、中空粒子がその中に分布する。一体化は、例えば、熱によって、紫外線照射によって、赤外線照射によっておよび/または乾燥によって実施してよい。
【0028】
例えば、供給した中空粒子を二液型シリコーン樹脂の第一成分と混合し、次いで、二液型シリコーン樹脂の第二成分を添加して、この混合物と混合してよい。続いて、中空粒子を混合したポリマー材料混合物を(例えばポリマーフィルムに)成形することにより、更に加工してよい。
【0029】
ポリマー材料溶液または溶媒によって十分に軟化したポリマー材料に、中空粒子が導入されるように、例えば溶解状態で、すなわち添加溶媒を伴って、ポリマー材料を供給してもよい。次いで、導入した中空粒子とポリマー材料との一体化を、乾燥(すなわち溶媒の除去)によって実施してよい。乾燥は、例えば、室温での溶媒の蒸発によって実施してよい。しかしながら、熱および/または空気流で補ったり促進したりして実施してもよい。
【0030】
本発明のポリマーフィルム素子の製造方法の工程C)では、ポリマー材料から、ポリマーマトリックスをポリマーフィルムとして形成および/または成形してよい。この工程から得られた生成物、すなわちポリマーフィルム素子は、充填剤としての中空粒子を含有するポリマー箔であってよい。
【0031】
1つの態様では、導入した中空粒子を含有するポリマー材料から、ポリマーフィルム素子を形成および/または成形する工程である工程C)は、押出または樹脂射出成形によって実施してよい。
【0032】
しかしながら、熱可塑性ポリマー材料の場合は、ポリマー材料を成形してポリマーフィルムを得る他の既知の熱可塑性物質加工方法、例えば射出成形も可能である。
【0033】
本発明のポリマー素子、特にポリマーフィルムの形成はまた、例えば基材上への、例えばラッカー塗布から知られているような、フィルム形成法、および必要に応じたその後の基材からのポリマーフィルムの分離によって実施してもよい。そのような方法の例は、ナイフ塗布、ラッカー回転塗布、浸漬被覆、吹付塗、流し塗、スロットダイ被覆、および/または(例えば、Hordo Maschinenbau GmbH(ドイツ国バートザルツウフレン)のホットメルト接着剤用ロール塗布機を用いた)ロール塗布法である。
【0034】
本発明では、ポリマーマトリックスを同様に、電極に直接、前記フィルム形成法(例えばラッカー回転塗布)によって適用するので、有利なことに、形成したポリマーフィルムのその後の分離を除外することができる。電極は例えば金属製小板であってよい。
【0035】
本発明によれば、方法の1つの態様では、ポリマーマトリックスを形成するためのポリマー材料は、ゴム、ゴム誘導体、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アミド樹脂、ケトン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン、およびこれらのポリマーの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリマー(好ましくは弾性ポリマー材料)を含んでよい。特に、ポリマーマトリックスのためのポリマー材料として、一液型または二液型シリコーン樹脂、或いは一液型または二液型ポリウレタンを使用してよい。
【0036】
本発明の方法の1つの態様では、工程D)において、ポリマーフィルム素子を反対電荷で帯電させてよい。特に、高電界を印加することにより、粒子のキャビティ内に双極子を発生させる。
【0037】
別の態様では、本発明の方法は、工程E)として、ポリマーフィルム素子(特にポリマー箔)表面に電極を適用する工程を含んでよい。
【0038】
本発明では、第一工程段階D)および続く工程段階E)、または第一工程段階E)および続く工程段階D)のいずれかを実施してよい。
【0039】
工程D)における帯電は、例えば、直接帯電、すなわち高電界の印加、電極への電圧の印加、またはコロナ放電によって実施してよい。特に、帯電は、二電極コロナ処理装置によって実施してよい。本発明では、ニードル電圧は、少なくとも10kV、例えば少なくとも25kV、特に少なくとも30kVであってよい。本発明における帯電時間は、少なくとも20秒、例えば少なくとも30秒、特に少なくとも1分である。
【0040】
電極は、工程E)において、当業者に既知の方法によってポリマーフィルム素子に適用してよい。このために可能な方法は、例えば、物理的気相成長法(PVD)、スパッタ蒸着および/または蒸着、化学蒸着(CVD)、印刷、ナイフ塗布、回転塗布のような方法である。既製の電極を接着してもよい。
【0041】
電極の材料は、当業者に既知の導電材料であってよい。電極のための可能な材料は、例えば、金属、金属合金、半導体、導電性オリゴマーまたはポリマー、例えば、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、導電性オキシドまたは混合オキシド、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、または導電性充填剤含有ポリマーである。導電性充填剤含有ポリマーのための可能な充填剤は、例えば、金属(例えば、銀、アルミニウムおよび/または銅)、導電性炭素系材料(例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン)、または導電性オリゴマーまたはポリマーである。本発明では、ポリマーの充填剤含量がパーコレーション閾値より大きいことが好ましく、このことは、導電性充填剤が連続した導電路を形成することを特徴とする。
【0042】
有利なことに、本発明の製造方法の工程段階の全ては、少なくとも部分的に自動化することができる。
【0043】
本発明では、電極を構造化してもよい。例えば、圧電性ポリマー素子が能動領域および受動領域を有するように、電極を構造化してよい。とりわけ、センサーの態様において特に信号が空間分解されて検出できるように、および/またはアクチュエーターの態様において特に能動領域が目的に応じて作動するように、電極を構造化してよい。このことは、例えば、能動領域が電極を備え、受動領域が電極を有さない場合に達成することができる。
【0044】
本発明はまた、充填剤としての中空粒子を含んでなる少なくとも1つの第一ポリマーフィルムを含んでなる、電気機械変換器に関する。
【0045】
好ましくは、本発明の電気機械変換器は、少なくとも1つの本発明の圧電性ポリマーフィルムを含んでなる。本発明の電気機械変換器は更に、少なくとも2つの電極(特に電極層)を含んでよい。一方の電極は、ポリマーフィルムの第一表面と接触し、もう一方の電極は、ポリマーフィルムの第二表面と接触する。
【0046】
本発明の電気機械変換器の他の特徴については、本発明の方法および本発明の使用に関する説明に明確に言及がなされている。
【0047】
本発明はまた、例えば、電気機械分野および/または電気音響分野における、特に、物理的振動からのエネルギー生産(環境発電)、音響学、超音波検査、医療診断、音波顕微鏡法、メカニカルセンサー技術、とりわけ、圧力センサー技術、力センサー技術および/または膨張センサー技術、ロボット工学および/または通信技術の分野における、特に、拡声器、振動変換器、光偏向器、膜、ガラス繊維光学機器用変調器、焦電検出器、コンデンサーおよび制御システムにおける、センサー、発電機および/またはアクチュエーターとしての、本発明の圧電性ポリマーフィルム素子または電気機械変換器の使用を提供する。
【0048】
本発明の使用の他の特徴については、本発明の方法、本発明のポリマー素子および本発明の電気機械変換器に関する説明に明確に言及がなされている。
【0049】
以下において、実施例および図を用いて本発明を説明する。本発明は、これらの態様に限定されない。
【0050】
図1は、本発明のポリマーフィルム素子の第一の態様の断面図である。
図2は、分極後の、本発明のポリマーフィルム素子の別の態様の断面図である。
【0051】
図1は、ポリマーマトリックス2と、ポリマーマトリックス中に配置した、キャビティ4が中に閉じ込められている中空粒子3とを含んでなる、本発明の圧電性ポリマーフィルム素子1の第一の態様の断面図である。明確にするために、1つの層に、9個の中空粒子3しか記載していない。本発明は、この態様に限定されない。本発明では、互いにおよび/または上下にずれた、複数の層におけるランダム分布で、中空粒子3を、ポリマーマトリックス2中に配置してもよい。中空粒子3は、中空球としての形状を作っており、本質的に同じ高さおよび本質的に同じ直径を有する。本発明において、「本質的」とは特に、製造に関する寸法差および/または高差が含まれることを意味する。本発明の圧電性ポリマーフィルム素子1について示した第一の態様では、ポリマーマトリックス2は、弾性ポリマー材料で構成してよい。これに関する中空粒子3は、好ましくは、非導電性非分極性材料(例えば、ガラス、ポリマー材料またはセラミック材料)で構成してよく、例えば選択したポリマー材料の押出による、ポリマーマトリックスのポリマーフィルムへの最終成形前に、ポリマー材料に混合してよい。
【0052】
図2は、図1の本発明のポリマーフィルム素子1の別の態様の断面図である。平面状電極5、5’が、ポリマーマトリックス2の表面に適用されている。電極5、5’は、例えば、物理的気相成長法、スパッタ蒸着および/または蒸着、化学蒸着、印刷、ナイフ塗布、回転塗布によって、或いは既製の電極を接着することによって適用してよい。この態様では、ポリマーフィルム素子1は既に分極している。すなわち、中空粒子3のキャビティ4は、反対電荷で帯電されている。分極は、例えばコロナ放電によって実施してよい。有利なことに、本発明の製造方法の工程段階の全ては、少なくとも部分的に自動化することができる。
【0053】
以下において、実施例によって本発明を更に説明する。本発明は、実施例に限定されない。
【実施例】
【0054】
実施例1
軟質弾性ポリマーマトリックス、およびその中に導入した充填剤としてのガラス製中空球からの、圧電性ポリマーフィルムの製造
ポリマーマトリックス材料として、Wacker Elastosil RV 625を使用した。Wacker Elastosil材料は、二液型シリコーン樹脂組成物である。使用したWacker Elastosilにおける成分Aと成分Bの混合比は、体積に基づいて、A:B=9:1であった。
【0055】
中空粒子として、ガラス製中空球、すなわち3Mの3MTM Glass Bubbles K1を使用した。Wacker Elastosilポリマーマトリックスのガラス製中空球に対する比は、83体積%〜17体積%であり、ポリマーマトリックス材料の体積含量とガラス製中空球の体積含量との和は、いずれの場合も常に100体積%であった。
【0056】
まず、Speed Mixerにおいて2700rpmの速度で、ガラス製中空球をElastosilの成分Aと混合した。次いで、そこにElastosilの成分Bを添加し、再びSpeed Mixerにおいて2700rpmの速度で1分間混合した。ポリマーマトリックス材料およびガラス製中空球の材料混合物を、青銅製基材上に回転塗布した。回転塗布中の速度は、30〜120秒間、600〜1000rpmに調節した。続いて、オーブン内で試料を80℃×24時間の条件に付した。格子を用いずに、−15kVのコロナニードル電圧で試料を分極させた。その後、ポリマーフィルムを基材からはがし、振動数2Hzでの動力学的方法を用いて圧電係数を測定した。分極直後の圧電係数は45pC/Nであった。
【0057】
製造した圧電性ポリマーフィルム素子のd33圧電定数の動的機械測定のための実験装置、および測定手順
測定装置には、以下の3つの主な要素が基本的に必要であった:エネルギー発生機、力センサーおよび電荷測定器。エネルギー発生機として、Brueel & Kjaer製の電動加振機4810型を選択した。加振機は、入力電圧に応じて所定の力を働かせることができる。この加振機を可動式の台に取り付け、その位置を垂直方向に手動で調節した。試料は固定されているので、加振機の高さ調節能が必要である。この方法により、測定に要する静的予備圧力を保つこともできる。加振機を制御するため、Brueel & Kjaer製の電力増幅器2718型と組み合わせて、Stanford Research Systems製の関数発生器DS 345を使用した。力センサーとして、Burster製の力センサー8435型を使用した。力センサーは、0〜200Nの範囲の圧力および牽引力が測定できるよう設計されている。しかしながら、横方向の分力またはトルクがセンサーに作用しないように、力は垂直方向のみに作用すべきである。このことを確実にするために、力センサーは、その中をほぼ摩擦なしでスライドする高品質鋼製ボルトを有する円筒形ブッシュトラックを備えていた。ボルトの自由端には、試料のための支持体表面として作用する2cm幅の研磨済み板が存在した。力センサーからの信号を、Burster製の増幅器モジュール9243型で記録し、GOULD 4094オシロスコープに送った。
【0058】
電荷測定器として、Brueel & Kjaer製の電荷増幅器2635型を選択した。電荷増幅器は、0.1pC単位まで電荷を記録することができる。表面電荷を測定するために、試料の2つの面を、電荷増幅器に電気的に接続しなければならない。試料の下面への電気的接続は支持体表面によって可能となり、その順に、構成全体に接続する。試料の上面は、真鍮製加圧スタンプによって、電荷増幅器に接続した。スタンプは、加振機へのプレキシグラス(登録商標)の取り付けにより、構成の残りの部分から電気的に絶縁されており、ケーブルによって電荷増幅器に接続されている。
【0059】
機械的応力、従って、測定結果の歪曲を回避するため、ケーブルは、可能な限り薄くて可撓性でなければならない。最終的に、測定した信号は、電荷増幅器からオシロスコープに送られる。3N(静的)の予備圧力を標準として設定し、1N(動的)の振幅で測定した。
【符号の説明】
【0060】
1 圧電性ポリマーフィルム素子
2 ポリマーマトリックス
3 中空粒子
4 キャビティ
5 電極
5’ 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーマトリックス(2)を含んでなり、中空粒子(3)がポリマーマトリックス(2)中に配置されていることを特徴とする、圧電性ポリマーフィルム素子(1)、特にポリマー箔。
【請求項2】
中空粒子(2)が球状および/またはストランド状に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電性ポリマーフィルム素子(1)。
【請求項3】
中空粒子(2)がガラス、ポリマーまたはセラミック材料で構成されている、請求項1に記載の圧電性ポリマーフィルム素子(1)。
【請求項4】
中空粒子(2)が1μm〜800μmの高さおよび/または1μm〜800μmの直径を有することを特徴とする、請求項1に記載の圧電性ポリマーフィルム素子(1)。
【請求項5】
ポリマーマトリックス(2)が非導電性ポリマーまたは非導電性ポリマー混合物で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電性ポリマーフィルム素子(1)。
【請求項6】
ポリマーマトリックス(2)がエラストマーで作られていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電性ポリマーフィルム素子(1)。
【請求項7】
ポリマーマトリックス(2)がポリウレタンエラストマー、シリコーンエラストマー、アクリレートエラストマーおよび/またはゴム或いはそれらの混合物で作られていることを特徴とする、請求項1に記載の圧電性ポリマーフィルム素子(1)。
【請求項8】
ポリマーマトリックスが10μm〜1000μmの厚さ(D)を有することを特徴とする、請求項1に記載の圧電性ポリマーフィルム素子(1)。
【請求項9】
A)中空粒子(3)を供給する工程、
B)ポリマー材料であるポリマーマトリックス(2)に中空粒子(3)を導入する工程、
C)ポリマーマトリックス(2)をポリマーフィルムとして成形する工程
を含む、圧電性ポリマーフィルム素子(1)、特にポリマー箔の製造方法。
【請求項10】
工程C)において、押出、樹脂射出成形、射出成形によって、或いは基材上への、ナイフ塗布、ラッカー回転塗布、浸漬被覆、吹付塗、流し塗またはスロットダイ被覆および必要に応じたその後の基材からのポリマーフィルムの分離によって、ポリマーフィルムを成形することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
ポリマー材料が、ゴム、ゴム誘導体、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、アミド樹脂、ケトン樹脂、キシレン−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、コポリエステル、ポリアミド、シリコーン樹脂、ポリウレタン、およびこれらのポリマーの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーを含んでなる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
D)ポリマーフィルム素子、特に中空粒子(3)中のキャビティ(4)を反対電荷で帯電させる工程
を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
E)ポリマーフィルム表面に電極(5、5’)を適用する工程
を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
充填剤としての中空粒子(3)を含んでなる少なくとも1つの第一ポリマーフィルム(1)を含んでなる、電気機械変換器。
【請求項15】
請求項1に記載のポリマーフィルム素子(1)または請求項14に記載の電気機械変換器の、センサー、発電機および/またはアクチュエーターとしての使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2013−513230(P2013−513230A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541430(P2012−541430)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/068369
【国際公開番号】WO2011/067194
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(512137348)バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (91)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Intellectual Property GmbH
【Fターム(参考)】