説明

垂直磁気記録媒体およびその製造方法

【課題】 AFCを熱に強い構造とすることで、垂直磁気記録ディスクの耐熱温度を上げ、AFCの機能を損なうことなくコロージョンの発生を抑制することを目的とする。
【解決手段】 本発明によるディスク基体10上に軟磁性層14、磁気記録層22、媒体保護層26をこの順に備える垂直磁気記録媒体100では、軟磁性層14は、Feを30〜70at%含有する反強磁性交換結合(AFC)構造で形成され、磁気記録層22は、少なくともCoを含有する結晶粒子の間に粒界部を形成する非磁性物質を含むグラニュラー構造の強磁性層であり、媒体保護層は、ラマンスペクトルのピーク比Dh/Ghが、0.60〜1.05であることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直磁気記録方式のHDD(ハードディスクドライブ)などに搭載される垂直磁気記録媒体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報処理の大容量化に伴い、各種の情報記録技術が開発されている。特に磁気記録技術を用いたHDDの面記録密度は年率100%程度の割合で増加し続けている。最近では、HDD等に用いられる2.5インチ径垂直磁気記録ディスクにして、1枚あたり100GBを超える情報記録容量が求められるようになってきており、このような要請にこたえるためには1平方インチあたり150Gビットを超える情報記録密度を実現することが求められる。
【0003】
HDD等に用いられる垂直磁気記録ディスクにおいて高記録密度を達成するためには、情報信号の記録を担う磁気記録層を構成する磁性結晶粒子を微細化すると共に、その層厚を低減していく必要があった。ところが、従来から商業化されている面内磁気記録方式(長手磁気記録方式、水平磁気記録方式とも呼称される)の磁気ディスクの場合、磁性結晶粒子の微細化が進展した結果、超常磁性現象により記録信号の熱的安定性が損なわれ、記録信号が消失してしまう、いわゆる熱揺らぎ現象が発生するようになり、磁気ディスクの高記録密度化への阻害要因となっていた。この阻害要因を解決するために、近年、垂直磁気記録方式の垂直磁気記録ディスクが提案されている。
【0004】
垂直磁気記録方式は、面内磁気記録方式の場合とは異なり、磁気記録層の磁化容易軸は基板面に対して垂直方向に配向するよう調整されている。垂直磁気記録方式は面内記録方式に比べて、熱揺らぎ現象を抑制することができるので、高記録密度化に対して好適である。
【0005】
かかる垂直磁気記録方式においては、単磁極型垂直ヘッドが用いられ磁気記録層に対して垂直方向の磁界が生じる。しかし、単に単磁極型垂直ヘッドを用いるのみでは、単磁極端部を出た磁束が直ぐに反対側のリターン磁極に戻ろうとするため十分な強度の磁界を磁気記録層に印加することができない。そこで、垂直磁気記録ディスクの磁気記録層の下に軟磁性層を設け、軟磁性層を磁束の通り道とすることで磁気記録層に垂直方向の強い磁界を印加することが可能となる。
【0006】
また、このような軟磁性層をスペーサ層を隔てて2層に分離させ、その磁化の方向を垂直磁気記録ディスク面に平行かつ互いに逆向きにする、いわゆるAFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)構造をとることで、軟磁性層における水平方向の巨大な磁区の発生を抑制し、その磁壁から生じる垂直方向の漏れ磁束によるスパイクノイズの発生を防止する技術も知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−358618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
また、上述したような情報記録密度の増加に伴い、円周方向の線記録密度(BPI:Bit Per Inch)、半径方向のトラック記録密度(TPI:Track Per Inch)のいずれも増加の一途を辿っている。さらに、垂直磁気記録ディスクの磁性層と、磁気ヘッドの記録再生素子との間隙(磁気的スペーシング)を狭くしてS/N比を向上させる技術も検討されている。近年望まれる磁気ヘッドの浮上量は、例えば10nm以下である。
【0008】
磁気的スペーシングを狭小化し、すなわち磁気ヘッドの浮上量を10nm以下にし、1平方インチあたり150Gビットを超える記録密度を達成するためには、磁気記録層の表面が傷つかないように保護する媒体保護層を3nm以下にする必要が生じる。しかし、単に媒体保護層を薄膜化すると、媒体保護層自体の耐摩耗性や耐衝撃性等の耐久性が劣化することとなる。
【0009】
ところで、磁気メディアに従来から存在していた問題の1つにコロージョンがある。コロージョンは、典型的にはコバルト(Co)などの金属が下層から析出し、媒体保護層の表面に酸化物を形成する現象である。コロージョンが発生すると、その位置に記録されたデータが消失してしまうほか、磁気ヘッドの低浮上量化もあいまってクラッシュ障害が発生し、ディスクドライブの故障に発展するおそれがある。
【0010】
上記媒体保護層は、カーボンオーバーコート(COC)、すなわちカーボン皮膜によって高硬度な皮膜を形成する。媒体保護層には、カーボンの硬いダイヤモンドライク結合と、柔らかいグラファイト結合とが混在している。本願発明者らは、媒体保護層を成膜する直前に磁性層を加熱する構成により、ダイヤモンドライク結合を増加させ、媒体保護層の耐摩耗性や耐衝撃性等の耐久性を向上させること、および、コロージョンの発生を抑制可能なことを見出した。
【0011】
しかし、上記の媒体保護層成膜前には、既に軟磁性層が形成されている。軟磁性層には上述したAFC構造が用いられている。このAFC構造は、熱に弱く、高温に加熱することで反平行に配された上下2層の反強磁性結合力が低下し、ついにはAFC構造としての機能を果たさなくなってしまう。軟磁性層のAFC構造が壊れると、軟磁性層からのノイズが増大し、高記録密度を達成することが困難になる。
【0012】
本発明は、コロージョン抑制技術の発案により生じた上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、AFCを熱に強い構造とすることで、垂直磁気記録媒体の耐熱温度を上げ、AFCの機能を損なうことなくコロージョンの発生を抑制することが可能な、垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基体上に軟磁性層、磁気記録層、媒体保護層をこの順に備える垂直磁気記録媒体であって、軟磁性層は、鉄(Fe)を30〜70at%含有する反強磁性交換結合(AFC)構造で形成され、磁気記録層は、少なくともコバルト(Co)を含有する柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部が形成されたグラニュラー構造の強磁性層であり、媒体保護層は、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザ光により媒体保護層を励起して得られる波数900cm−1〜波数1800cm−1におけるラマンスペクトルから蛍光を除いたスペクトルの1350cm−1付近に現れるDピークDh(Disordered-peaks-height)と1520cm−1付近に現れるGピークGh(Graphite-peaks-height)とをガウス関数により波形分離したときのピーク比Dh/Ghが、0.60〜1.05であることを特徴とする、垂直磁気記録媒体が提供される。
【0014】
軟磁性層は、スペーサ層を隔てて2層に分離され、その磁化の方向を垂直磁気記録媒体のディスク面に平行かつ互いに逆向きに構成する。このように構成されたAFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)構造は、所定温度以上の熱によって反平行に配された上下2層の反強磁性結合力が低下してしまう。本発明では、軟磁性層の成膜時に鉄を混合することで、熱に強いAFC構造を形成し、媒体保護層成膜直前の加熱を可能にした。従って、媒体保護層におけるラマンスペクトルのピーク比Dh/Ghを0.60〜1.05に設定することができ、AFCの機能を損なうことなくコロージョンの発生を抑制することが可能となる。
【0015】
上記の軟磁性層は、飽和磁化Msが1.3T以上であるとよい。飽和磁化Msは、記録媒体への書き込みやすさ、すなわちオーバーライト特性に影響を及ぼし、飽和磁化Msが大きいほどオーバーライト特性は向上する。したがって、かかる構成により、求められるオーバーライト特性を維持することができる。
【0016】
また、上記の軟磁性層は、交換結合磁界Hexが40Oe以上であるとよい。上記AFC構造の結合の強さは交換結合磁界Hexに基づいて決まる。したがって、Hexが大きいほどAFCのカップリングが強いこととなり、Hexが40Oe未満であると、AFC構造としての機能を維持できなくなってしまう。
【0017】
上記の磁気記録層はグラニュラー構造で形成され、磁気記録層の上に補助記録層を備えるとよい。かかる構成により、磁気記録層の磁性粒子の微細化と保磁力Hcの向上を図ることができる。したがって、磁気記録層の高密度記録性と低ノイズ性を向上することが可能である。また、磁気記録層の上に補助記録層を備えることにより、垂直磁気記録媒体に更に高熱ゆらぎ耐性を付加することができる。
【0018】
上記の補助記録層の組成は、CoCrPtBであるとよい。これにより、垂直磁気異方性を示す薄膜を形成し、垂直磁気記録媒体の高熱ゆらぎ耐性を向上することが可能である。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の他の観点によれば、基体上に軟磁性層、磁気記録層、媒体保護層をこの順に備える垂直磁気記録媒体の製造方法であって、軟磁性層を、鉄(Fe)を30〜70at%含有する反強磁性交換結合(AFC)構造で形成し、磁気記録層として、少なくともコバルト(Co)を含有する柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部が形成されたグラニュラー構造の強磁性層を形成し、後に形成される媒体保護層の、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザ光により媒体保護層を励起して得られる波数900cm−1〜波数1800cm−1におけるラマンスペクトルから蛍光を除いたスペクトルの1350cm−1付近に現れるDピークDhと1520cm−1付近に現れるGピークGhとをガウス関数により波形分離したときのピーク比Dh/Ghが、0.60〜1.05となるように当該垂直磁気記録媒体を加熱し、媒体保護層をCVD法により成膜することを特徴とする、垂直磁気記録媒体の製造方法が提供される。
【0020】
垂直磁気記録媒体同様、本発明では、鉄を30〜70at%含有する軟磁性層を形成することで、その後の加熱に耐え得るAFC構造を形成することができ、媒体保護層の耐摩耗性や耐衝撃性等の耐久性を向上させ、緻密に形成することでコロージョンの発生を抑制することが可能となる。
【0021】
加熱は、135〜220℃の温度で為されてもよい。媒体保護層成膜直前に加熱処理した場合、プラズマで分解された炭素原子が高エネルギーを維持したまま基板まで到達できる。この高エネルギーを維持した炭素原子が磁性膜上の基板に成膜されることから、緻密で耐久性のある媒体保護層が成膜できる。こうして、ラマンスペクトルのピーク比Dh/Ghを0.60〜1.05とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、本発明の垂直磁気記録媒体によれば、AFCを熱に強い構造にすることで、垂直磁気記録媒体の耐熱温度を上げ、AFCの機能を損なうことなくコロージョンの発生を抑制することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明にかかる垂直磁気記録媒体の実施形態について説明する。図1は本実施形態にかかる垂直磁気記録媒体の構成を説明する図である。なお、以下の実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。また、以下の説明では、垂直磁気記録媒体としてディスク形状の垂直磁気記録ディスク100を挙げているがかかる場合に限られず、他の形状の記録媒体も当然にして含まれる。
【0024】
図1は、本実施形態にかかる垂直磁気記録ディスク100の構成を説明する図である。図1に示す垂直磁気記録ディスク100は、ディスク基体10、付着層12、第一軟磁性層14a、スペーサ層14b、第二軟磁性層14c、配向制御層16、第一下地層18a、第二下地層18b、オンセット層20、第一磁気記録層22a、第二磁気記録層22b、補助記録層24、媒体保護層26、潤滑層28で構成されている。なお第一軟磁性層14a、スペーサ層14b、第二軟磁性層14cは、あわせて軟磁性層14を構成する。第一下地層18aと第二下地層18bはあわせて下地層18を構成する。第一磁気記録層22aと第二磁気記録層22bとはあわせて磁気記録層22を構成する。
【0025】
まず、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性のディスク基体10を得た。
【0026】
アルミノシリケートガラスは、平滑かつ高剛性が得られるので、磁気的スペーシング、特に、磁気ヘッドの浮上量をより安定して低減できる。また、アルミノシリケートガラスは化学強化により、高い剛性強度を得ることができる。
【0027】
得られたディスク基体10上に、真空引きを行った成膜装置を用いて、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリング法にて、付着層12から補助記録層24まで順次成膜を行い、媒体保護層26はCVD法により成膜した。この後、潤滑層28をディップコート法により形成した。なお、量産性が高いという点で、インライン型成膜方法を用いることも好ましい。以下、各層の構成および製造方法について詳述する。
【0028】
付着層12は、10nmのTi合金層となるように、Ti合金ターゲットを用いて成膜した。付着層12を形成することにより、ディスク基体10と軟磁性層14との間の付着性を向上させることができるので、軟磁性層14の剥離を防止することができる。付着層12の材料としては、例えばCrTi合金を用いることができる。実用上の観点からは付着層の膜厚は、1nm〜50nmとすることが好ましい。
【0029】
軟磁性層14は、第一軟磁性層14aと第二軟磁性層14cの間に非磁性のスペーサ層14bを介在させることによって、AFC(Antiferro-magnetic exchange coupling:反強磁性交換結合)を備えるように構成した。これにより軟磁性層14の磁化方向を高い精度で磁路(磁気回路)に沿って整列させることができ、磁化の垂直成分が極めて少なくなることで軟磁性層14から生じるノイズを低減することができる。
【0030】
図2は、AFC構造による磁化特性を説明するための説明図である。かかる磁化特性を参照すると、AFC構造をとらない軟磁性層が磁界Hを印加していないとき正負いずれかの磁化状態を維持するのに対して、AFC構造を有する軟磁性層は、磁界Hを印加していないときには、第一軟磁性層14aと第二軟磁性層14cの間で磁束が(b)に示すように閉路を構成し、磁化Mが0になる。そして、いずれかの方向に磁界Hを印加すると、両軟磁性層14a、14cの磁束が(a)、(c)のように同一方向に配向する。
【0031】
上記AFC構造の結合の強さは、図2に示した交換結合磁界Hexに基づいて決まり、Hexが大きいほどAFCのカップリングが強いこととなる。かかるHexは、対応する磁気記録層22の書き込みに対する磁界に対しては磁化され、隣接する磁気記録層22の書き込みに対する磁界に対しては反応しないように設定される。Hexは、膜厚を薄くすれば大きくすることができるが、単に膜厚を薄くすると磁気ヘッドからの磁束を全て吸収できなくなってしまうので、磁気ヘッドからの磁束に応じて薄膜化する必要がある。
【0032】
また、磁界Hを印加していくにつれ、AFC構造を有する軟磁性層の磁化Mは一定の値まで増大し、飽和状態となる。このように磁化Mが飽和状態となった値を飽和磁化Msと呼ぶ。飽和磁化Msが向上することにより、記録媒体への書き込みやすさ、すなわちオーバーライト特性が向上する。かかる飽和磁化Msは、1.3T以上であることが好ましい。これにより、求められるオーバーライト特性を維持することができるからである。
【0033】
なお磁性膜の磁石の強さを表す磁気モーメントは、飽和磁化Msと膜厚tの積であるMs・tで表される。従って所望の強さの磁気モーメントMs・tを得たいときに、飽和磁化Msが弱い場合には、膜厚を厚くする必要がある。しかし膜厚が厚くなるとAFCのカップリングが弱くなり、Hexが低下してしまう。このため同じ磁気モーメントMs・tを得るとしても、できるだけ高い飽和磁化Msと薄い膜厚tにすることが好ましい。
【0034】
このように構成されたAFC構造は、通常、所定温度以上の熱によって反平行に配された上下2層の磁化容易軸のカップリングがくずれ、S/N比が低下してしまう。本実施形態では、軟磁性層の成膜時に鉄を混合することで、熱に強いAFC構造を形成し、後述する媒体保護層成膜直前の加熱を可能にする。従って、第一軟磁性層14a、第二軟磁性層14cの組成を、Feを30〜70at%含有するCoCrFeBとし、スペーサ層14bの組成はRu(ルテニウム)とした。
【0035】
配向制御層16は、軟磁性層14を防護する作用と、下地層18の結晶粒の配向の整列を促進する作用を備える。配向制御層16としては、fcc構造を有するNiWもしくはNiCrの層とした。
【0036】
下地層18は、Ruからなる2層構造となっている。上層側の第二下地層18bを形成する際に、下層側の第一下地層18aを形成するときよりもArのガス圧を高くすることにより、結晶配向性を改善することができる。
【0037】
オンセット層20は、非磁性のグラニュラー層である。下地層18のhcp結晶構造の上に非磁性のグラニュラー層を形成し、この上に第一磁気記録層22aのグラニュラー層を成長させることにより、磁性のグラニュラー層を初期段階(立ち上がり)から分離させる作用を有している。オンセット層20の組成は非磁性のCoCr−SiOとした。
【0038】
磁気記録層22は、膜厚の薄い第一磁気記録層22aと、膜厚の厚い第二磁気記録層22bとから構成されている。
【0039】
第一磁気記録層22aは、非磁性物質の例としての酸化クロム(Cr)を含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いて、2nmのCoCrPt−Crのhcp結晶構造を形成した。非磁性物質は磁性物質の周囲に偏析して粒界を形成し、磁性粒(磁性グレイン)は柱状のグラニュラー構造を形成した。この磁性粒は、オンセット層のグラニュラー構造から継続してエピタキシャル成長した。
【0040】
第二磁気記録層22bは、非磁性物質の例としての酸化チタン(TiO)を含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いて、10nmのCoCrPt−TiOのhcp結晶構造を形成した。第二磁気記録層22bにおいても磁性粒はグラニュラー構造を形成した。
【0041】
補助記録層24は、グラニュラー磁性層の上に高い垂直磁気異方性を示す薄膜(連続層)を形成し、CGC構造(Coupled Granular Continuous)を構成するものである。これによりグラニュラー層の高密度記録性と低ノイズ性に加えて、連続膜の高熱ゆらぎ耐性を付け加えることができる。補助記録層24の組成は、CoCrPtBとした。
【0042】
媒体保護層26は、磁気ヘッドの衝撃から垂直磁気記録層を防護するための保護層である。
【0043】
かかる媒体保護層26では、コバルト(Co)などの金属が下層から析出し、媒体保護層の表面に酸化物を形成する、いわゆるコロージョンが生じる。コロージョンが発生すると、その位置に記録されたデータが消失してしまうほか、磁気ヘッドの低浮上量化もあいまってクラッシュ障害が発生し、ディスクドライブの故障に発展するおそれがある。
【0044】
本実施形態では、媒体保護層26を成膜する直前に磁性層を加熱する構成により、ダイヤモンドライク結合を増加させて、媒体保護層26の耐摩耗性や耐衝撃性等の耐久性を向上させ、コロージョンの発生を抑制する。従来では、媒体保護層26成膜前に既に形成されている軟磁性層のAFC構造が熱に弱く、磁性層を加熱することで、反平行に配された上下2層の磁化容易軸のカップリングがくずれ、ついにはAFC構造としての機能を果たさなくなってしまっていた。本実施形態では、上述したように、Feを含有する耐熱性に優れたAFC構造を構成することで、媒体保護層26成膜直前の磁性層の加熱が可能となった。
【0045】
媒体保護層26を成膜する直前に磁性層を加熱処理すると、直後の媒体保護層26の性質が変化する。本実施形態においては、特に、ラマンスペクトル(ダイヤモンドライク結合とグラファイトライク結合との比)が変化し、ダイヤモンドライク結合の増加に伴い媒体保護層26の耐性が向上する。かかる加熱処理は、後に形成される媒体保護層26のピーク比Dh/Ghが、0.60〜1.05となる範囲で為される。
【0046】
図3は、ラマンスペクトルのイメージを説明するための説明図である。ここでは、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザ光により媒体保護層を励起して得られる波数900cm−1〜波数1800cm−1におけるラマンスペクトルを測定し、蛍光によるバックグランドを直線近似で補正することで図3のようなスペクトル特性を得ることができる。そして、スペクトルの低波数側(1350cm−1)付近に現れるDピークDhと高波数側(1520cm−1)付近に現れるGピークGhとをガウス関数により波形分離したときのDhとGhとの比をピーク比Dh/Ghとして算出している。
【0047】
ここで、Dh/Ghを0.60〜1.05としたのは、Dh/Ghが0.60未満の場合、媒体保護膜の硬度が不充分であり、また、Dh/Ghが1.05以上の場合、媒体保護層の硬度が高くなりすぎることで脆くなり、逆に耐摩耗性が低下する場合があるからである。Dh/Ghを0.60〜1.05の範囲内とすることで、CVDを通して形成される媒体保護層の硬度が好適になり、十分な耐久性を得ることが可能となる。
【0048】
ピーク比Dh/Ghが、0.60〜1.05とするための具体的な加熱温度は、例えば、135〜220℃の温度範囲である。媒体保護層26成膜直前の磁性層成膜後の垂直磁気記録ディスク100の温度を135〜220℃としたのは、成膜温度が135℃未満の場合、炭素原子の運動エネルギーが低いため媒体保護層の緻密性が失われ、また、220℃を超える温度では、磁性層自身が拡散してしまい、磁気特性が劣化するからである。従って、135〜220℃で磁性層を加熱処理することで、緻密かつ、高硬度の媒体保護層を形成することができる。
【0049】
上記のように媒体保護層26を成膜する直前に加熱処理を施した場合、媒体保護層26成膜の際に、プラズマによって分解された炭素原子が高エネルギーを維持したまま垂直磁気記録ディスク100まで到達、成膜されるので、緻密で耐久性のある媒体保護層26を成膜することが可能となる。また、磁性層を高温で加熱することにより、磁性層と媒体保護層との密着性も併せて向上する。
【0050】
このような加熱処理が為された後、カーボンをプラズマCVD法により成膜し、媒体保護層26が形成される。プラズマCVDで炭化水素の媒体保護層を形成する場合、反応性ガスとして炭化水素ガスのみを用いてダイヤモンドライク結合を形成するのが望ましい。これは、他の不活性ガス(例えばAr等)や水素ガス等のキャリアガスを炭化水素ガスと混合させて用いた場合、媒体保護層中にこれらの不純ガスが取り込まれ、膜密度を低下させてしまうからである。
【0051】
そして、反応性ガスとしては、炭化水素(水素化炭素)、特に低級炭化水素を用いることが好ましく、さらに、直鎖低級飽和炭化水素、または直鎖低級不飽和炭化水素を用いることがより好ましい。直鎖低級飽和炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等を用いてもよい。また、直鎖低級不飽和炭化水素としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン等を用いてもよい。なお、ここで言う低級とは、1分子当たりの炭素数が1〜10の炭化水素のことである。
【0052】
上記直鎖低級炭化水素を用いることが好ましいとしたのは、炭素数が増大するに従って、炭化水素をガスとして気化させ、成膜装置に供給することが困難となるうえ、プラズマ放電時の分解が困難となるからである。
【0053】
また、炭素数が増大すると、形成した媒体保護層の成分に高分子の炭化水素が多く含有されやすくなり、媒体保護層の緻密性および硬度の低下を招くこととなる。さらに、環式炭化水素の場合、プラズマ放電時の分解が直鎖炭化水素に比べて困難となることも挙げられる。従って、炭化水素として、直鎖低級炭化水素を用いることが好適であり、特に、エチレンを用いることで、緻密かつ、高硬度の媒体保護層を形成することが可能となる。
【0054】
一般にCVD法によって成膜されたカーボンは、スパッタ法によって成膜したものと比べて膜硬度が向上するので、磁気ヘッドからの衝撃に対してより有効に垂直磁気記録層を防護することができる。
【0055】
潤滑層28は、PFPE(パーフロロポリエーテル)をディップコート法により成膜した。潤滑層28の膜厚は約1nmである。この潤滑層28の作用により、垂直磁気記録ディスク100の表面に磁気ヘッドが接触しても、媒体保護層26の損傷や欠損を防止することができる。
【0056】
なお、上記の潤滑層28を成膜する前に、媒体保護層26の表面にチッ化処理を施すことも可能である。かかるチッ化処理は、CVD法によってCN(炭化窒素)ガスを用いて行うことができる。また上述のようにCH(水素化炭素)ガスを用いて成膜したカーボン被膜を窒素曝露することにより表層に窒素(N原子)を滲入させてもよい。これにより、媒体保護層26表面にN原子が導入され、かかるN原子は、上記潤滑層28の長い鎖状の分子構造を有するPFPEと高い親和性をもって結合する。したがって、媒体保護層26と潤滑層28との密着性を向上することが可能である。
【0057】
以上の製造工程により、垂直磁気記録ディスク100が得られた。以下に、上述したパラメータの根拠となる実施例を示す。
【0058】
上述したように軟磁性層14におけるAFC構造は、通常、所定温度以上の熱によって反平行に配された上下2層の磁化容易軸がくずれ、S/N比が低下してしまう。しかし、軟磁性層の成膜時にFeを混合することで、熱に強いAFC構造を形成し、後述する媒体保護層成膜直前の加熱を可能にする。
【0059】
図4は、Feの濃度を変化させた場合の垂直磁気記録ディスク100の基板温度と、AFCによる交換結合磁界Hexの強さとの関係を示した説明図である。かかる図4を参照すると、基板温度が所定温度を超えるとHexの強さが急峻に低下し、AFC構造としての機能を果たさなくなることがわかる。このような境界点の温度(後述するブロッキング温度)は、Feの濃度に応じて変化し、Feの濃度が高ければ高いほどその境界温度も高くなる。
【0060】
例えば、その境界温度は、Feを含有しないCoTaZrの場合約177℃となり、Feを40at%含有するFeCoTaZrの場合約197℃となり、Feを65at%含有するFeCoBCrの場合約210℃となる。この境界温度は、Feと結合する材料の組成に拘わらずある程度の規則性を有する。
【0061】
図5は、Feの濃度とブロッキング温度(境界温度)との関係を示した説明図である。図5を参照すると上述したCoTaZr、FeCoTaZr、FeCoBCrのブロッキング温度は、線形近似でき、Feの濃度を高くすると、それにほぼ比例した温度まで、当該垂直磁気記録ディスク100を加熱できることが理解できる。ここで、ブロッキング温度(Blocking Temperature)は、Hexが低下し始める温度である。
【0062】
本実施形態では、軟磁性層14に30〜70at%のFeを含有することで、ブロッキング温度を約190〜215℃まで上昇させることができる。
【0063】
図6は、Feの濃度と飽和磁化Msとの関係を示した説明図である。かかる図6を参照すると、軟磁性層14にFeを30〜70at%含有した場合においても、軟磁性層14は1.3T以上の飽和磁化Msを有している。また、かかる軟磁性層14にFeを65%含有したとき、飽和磁化Msのピークは最大値1.60となる。このことから、30〜70at%のFeを含有した軟磁性層14は、十分なオーバーライト特性を備えていることがわかる。
【0064】
次に、媒体保護層26成膜直前の加熱処理と、加熱後のピーク比Dh/Ghとの関係を説明する。
【0065】
図7は、媒体保護層26成膜直前の基板温度と加熱後のピーク比Dh/Ghとの関係を示した説明図である。図7を参照して理解できるように、ピーク比Dh/Ghは基板温度に対して漸増関数となり、基板温度を上げると、ピーク比Dh/Ghが上がる、即ち、ダイヤモンドライク結合が増加し、媒体保護層26の耐性が向上する。
【0066】
本実施形態におけるピーク比Dh/Ghの好適な値は、上述したように0.60〜1.05であり、そのようなピーク比Dh/Ghを形成するための基板温度は、図7を参照すると、135〜220℃であることが理解できる。
【0067】
図8は、媒体保護層26成膜直前の基板温度および加熱後のピーク比Dh/Gh、信頼性との関係を示した説明図である。ここで、信頼性とは垂直磁気記録ディスク100の耐久性のことであり、かかる信頼性は、針による引っかき試験の結果によって判定した。上記の引っかき試験においては、垂直磁気記録ディスク100の磨耗痕深さが0.5nm未満だったときを◎、0.5nm以上1.0nm未満だったときを○、1.0nm以上3.0nm未満だったときを△、3.0nm以上だったときを×として4段階にて評価した。なお、引っかき試験には、媒体保護層26成膜直前のディスク基体10を各基板温度Tsによって加熱処理し、その後の製造工程を経て製造された、最終製品である垂直磁気記録ディスク100を用いた。
【0068】
かかる図8を参照すると、116℃で加熱処理したとき、ピーク比Dh/Ghは、0.55であり、かかる垂直磁気記録ディスク100の信頼性は「×」となる。これは、加熱処理温度が低いため、媒体保護層26におけるダイヤモンドライク結合の割合が低くなったと考えられる。その結果、媒体保護層26は十分な硬度を得られず、垂直磁気記録ディスク100は引っかき試験において深い傷が生じてしまう。
【0069】
そして、加熱処理温度が上がるにつれてピーク比Dh/Ghは上昇し、これに伴い垂直磁気記録ディスク100の信頼度も向上する。しかし、加熱処理温度が228℃のとき、ピーク比Dh/Ghは1.10となるが信頼性は低下し、評価が「×」となる。これは、媒体保護層26におけるダイヤモンドライク結合の割合が高くなりすぎたため、媒体保護層26の硬くなりすぎたと考えられる。その結果、媒体保護層26が脆くなり、媒体保護層26が破断したことで、傷が深くなったと考えられる。
【0070】
上記説明した如く、信頼性すなわち垂直磁気記録ディスク100の耐久性の観点からも、ピーク比Dh/Ghは0.60〜1.05の範囲内とすることにより媒体保護層26の硬度が好適となり、垂直磁気記録ディスク100が十分な耐久性を得ることを理解できる。また、基板温度135℃以上での加熱処理を施さなければ、十分な信頼性を得るための硬度、すなわちピーク比Dh/Gh0.60を得ることができないことがわかる。
【0071】
図9は、Feの濃度と加熱後のピーク比Dh/Ghとの関係を示した説明図である。図9を参照すると、軟磁性層14のFeの含有率が30at%未満のときは、軟磁性層14の飽和磁化Msが低く、飽和磁化Ms1.3Tという条件を満たすことができない。したがって、かかる軟磁性層14を有する垂直磁気記録ディスク100は求められるオーバーライト特性を維持することができない。また、Feの含有率が70%の以上の場合、コロージョン特性が著しく低下するため、垂直磁気記録ディスク100として使用できない。
【0072】
また、ピーク比Dh/Ghが0.60未満のときは、媒体保護層26の硬度が低すぎるため、傷が生じやすくなり、垂直磁気記録ディスク100の信頼性が低下する。同様に、ピーク比Dh/Ghが1.05超過のときは、媒体保護層26の硬度が高すぎるため、脆くなってしまい、垂直磁気記録ディスク100の信頼性が低下する。
【0073】
したがって、軟磁性層14のFeの含有率が30〜70at%であり、かつ媒体保護層26のピーク比Dh/Ghが0.60〜1.05の範囲内とすることにより、十分なオーバーライト特性を備え、かつ信頼性に優れる垂直磁気記録ディスク100を得ることができる。
【0074】
以上、説明したように、本実施形態による垂直磁気記録媒体(垂直磁気記録ディスク)およびその製造方法では、軟磁性層の成膜時に鉄を混合することで、熱に強いAFC構造を形成し、媒体保護層成膜直前の基板温度を高くすることができるようになった。従って、媒体保護層におけるラマンスペクトルのピーク比Dh/Ghを好適な値に設定することができ、AFCの機能を損なうことなくコロージョンの発生を抑制することが可能となった。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
垂直磁気記録方式のHDDなどに搭載される垂直磁気記録媒体およびその製造方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本実施形態にかかる垂直磁気記録ディスクの構成を説明する図である。
【図2】AFC構造による磁化特性を説明するための説明図である。
【図3】ラマンスペクトルのイメージを説明するための説明図である。
【図4】Feの濃度を変化させた場合の垂直磁気記録媒体の基板温度と、AFCによる交換結合磁界Hexの強さとの関係を示した説明図である。
【図5】Feの濃度とブロッキング温度との関係を示した説明図である。
【図6】Feの濃度と飽和磁化Msとの関係を示した説明図である。
【図7】媒体保護層成膜直前の基板温度と加熱後のピーク比Dh/Ghとの関係を示した説明図である。
【図8】媒体保護層成膜直前の基板温度および加熱後のピーク比Dh/Gh、信頼性との関係を示した説明図である。
【図9】Feの濃度と加熱後のピーク比Dh/Ghとの関係を示した説明図である。
【符号の説明】
【0078】
10 ディスク基体
12 付着層
14 軟磁性層
16 配向制御層
18 下地層
20 オンセット層
22 磁気記録層
24 補助記録層
26 媒体保護層
28 潤滑層
100 垂直磁気記録ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に軟磁性層、磁気記録層、媒体保護層をこの順に備える垂直磁気記録媒体であって、
前記軟磁性層は、鉄(Fe)を30〜70at%含有する反強磁性交換結合(AFC)構造で形成され、
前記磁気記録層は、少なくともコバルト(Co)を含有する柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部が形成されたグラニュラー構造の強磁性層であり、
前記媒体保護層は、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザ光により該媒体保護層を励起して得られる波数900cm−1〜波数1800cm−1におけるラマンスペクトルから蛍光を除いたスペクトルの1350cm−1付近に現れるDピークDhと1520cm−1付近に現れるGピークGhとをガウス関数により波形分離したときのピーク比Dh/Ghが、0.60〜1.05であることを特徴とする、垂直磁気記録媒体。
【請求項2】
前記軟磁性層は、飽和磁化Msが1.3T以上であることを特徴とする、請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項3】
前記軟磁性層は、交換結合磁界Hexが40Oe以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
前記磁気記録層はグラニュラー構造で形成され、該磁気記録層の上に補助記録層を備えることを特徴とする、請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項5】
前記補助記録層の組成は、CoCrPtBであることを特徴とする、請求項4に記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項6】
基体上に軟磁性層、磁気記録層、媒体保護層をこの順に備える垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
前記軟磁性層を、鉄(Fe)を30〜70at%含有する反強磁性交換結合(AFC)構造で形成し、
前記磁気記録層として、少なくともコバルト(Co)を含有する柱状に成長した結晶粒子の間に非磁性物質からなる粒界部が形成されたグラニュラー構造の強磁性層を形成し、
後に形成される媒体保護層の、波長514.5nmのアルゴンイオンレーザ光により該媒体保護層を励起して得られる波数900cm−1〜波数1800cm−1におけるラマンスペクトルから蛍光を除いたスペクトルの1350cm−1付近に現れるDピークDhと1520cm−1付近に現れるGピークGhとをガウス関数により波形分離したときのピーク比Dh/Ghが、0.60〜1.05となるように当該垂直磁気記録媒体を加熱し、
前記媒体保護層をCVD法により成膜することを特徴とする、垂直磁気記録媒体の製造方法。
【請求項7】
前記加熱は、135〜220℃の温度で為されることを特徴とする、請求項6に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2008−276913(P2008−276913A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88125(P2008−88125)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【出願人】(501259732)ホーヤ マグネティクス シンガポール プライベートリミテッド (124)
【Fターム(参考)】