説明

埋め込み可能なセンサデバイス及びそのようなセンサデバイスに連結可能な医薬送達デバイス

本発明は、糖尿病患者におけるグルコースをインビボでモニタリングするためのセンサデバイス(1)であって、センサデバイス(1)は、患者の皮下に埋め込まれる多数のセンサ(11、12、13、14)を有するマイクロアレイを含み、各センサはモニタリング目的のために別々に起動することができる、上記センサデバイス(1)に関する。好ましくは、該マイクロアレイ中のセンサ(11、12、13、14)は、金属膜(3a、3b)によって覆われたモールドに含まれ、更に好ましくは、該膜は電気的に開いて、マイクロアレイ中の各特定の起動したセンサをモニタリング目的のために露出させることができる。各特定の起動したセンサ(11、12、13、14)によって得られたモニタリング信号を外部の受信器に伝送するために、トランシーバを設けることができ、受信器は、特定の起動したセンサ(11、12、13、14)によって得られた信号を代表するデータを表示するための表示手段に連結することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、埋め込み可能なセンサデバイス、特に、糖尿病患者におけるグルコースのインビボ制御のための埋め込み可能なセンサ、及びそのようなセンサデバイスに連結可能な医薬送達デバイスを対象とする。
【背景技術】
【0002】
特許文献1により、インビボ酵素バイオセンサ、より具体的には、糖尿病患者におけるグルコースの頻繁な又は連続的なインビボモニタリングの必要性に応える、グルコースの皮下測定のための小型グルコースセンサ、特に、さまざまなインビボグルコース電極が知られている。これらの電極の所望する特性として、安全性、臨床的正確性及び信頼性、インビボ再較正の実行可能性、少なくとも8時間の1つの病院シフトにわたる安定性、小サイズ、挿入及び取り外しの容易さ、及びタイムリーな治療介入を可能にする十分迅速な応答が挙げられる。
【0003】
更に特許文献2により、患者の血中グルコースパラメーターをインビボでモニタリングするための埋め込み可能なグルコースセンサ手段を含むセンサ・ユニット、該センサ手段を患者の体内に支持して該センサ手段に経皮的に連結し、患者から該コネクタ取り付け具を除去することなしに除去及び移動することを可能にするための埋め込み可能なコネクタ取り付け具(connector fitting)、モニタリングした患者を代表する信号を発生するための該センサ手段に対する、該取り付け具に連結した制御手段を含むセンサ・ユニット;及びその中に貯えた薬剤を患者に投与するためのポンプ手段であって、該信号に応答してモニタリングした患者のパラメーターに従って投与する手段を含むポンプ手段;を含んでなる、患者に薬剤を送達するための注入ポンプ及びセンサ・アセンブリが知られている。センサ・ユニットは、該コネクタ取り付け具に連結して、一端が該取り付け具から一般に患者の体内の選択された検出部位に伸びるカテーテルを含み、ここで、該センサ手段は、センサチップ、及び該センサチップに連結した遠位端及び該コネクタ取り付け具内に取り外し可能に取り付けるための近位端を有するケーブル手段を含んでなり、該ケーブル手段は、該取り付け具からカテーテルを通って伸びている。
【0004】
特許文献3は、液体(例えば、液体試料)又はマトリックス中の検体濃度を感知するためのデバイス及び方法を開示している。検体は、グルコース又は問題にしている他の化学物質であってよい。液体又はマトリックスは、例えば、動物(例えば、ヒト)の体の体液若しくはマトリックス、又は検体濃度を知りたいいずれかの他の好適な液体若しくはマトリックスであってよい。1つの実施態様においては、そのシステム及び/又はデバイスは、複数の検体相当物及び検体相当物のための特異的な結合部位を有する移動性又は固定したレセプター分子、並びに分析中の検体(例えば、グルコース)を有する、1つ又はそれ以上の層を含む。レセプター分子は、検体(例えば、動物の体液に存在するような)に曝露された場合又は検体の存在下では、検体と結合する(又は検体に結合される)。そのようにして、ある層内のレセプター分子のいくつか又は全て(若しくは実質的に全て)は検体と結合することができ、その結果、1つ又はそれ以上の層の光学的特性に変化をもたらす。これらの層は、光学的な方法により検査又は取り調べをすることができ、それにより、層及び/又は、特に、層内の物質の光学的応答を測定、評価及び/又は分析することができる。
【0005】
そのようなインビボの酵素単一バイオセンサは、センサの感度が多かれ少なかれ急速に消耗する傾向にあり、従ってセンサの寿命は限られるので、頻繁に交換する必要がある。
そのような交換は、通常専門医による患者の診察を必要とするので、時間が掛かり、経費が掛かり、面倒であるという傾向がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願第0778897(B1)号
【特許文献2】カナダ特許第2165810号
【特許文献3】米国特許出願第7236812(B1)号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、そのようなセンサの交換のための努力が軽減される解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、独立請求項の特徴による発明に従って解決される。本発明の更なる実施例は、それらが言及される従属請求項に記載されている。
【0009】
本発明は、人体の皮下に埋め込まれるセンサデバイスを提供する。センサデバイスは、体内の物質、グルコース、ビタミン、毒物、代謝産物、及び体の他の成分、例えば、免疫応答を測定又はモニタリングすることができる医学的又は生物学的物質若しくは成分のような、1つ若しくはいくつかの生物学的物質、又は医学・健康に関連する標的などをインビボで測定又はモニタリングするためのマイクロセンサを含む。本発明の目的のための生物学的物質は、人体若しくは動物の体の構成要素部分である、又は人体若しくは動物の体に関連する粒子として定義するものとする。そのような生物学的物質の例としては、原子、小有機分子(例えば、糖類;コレステロール;脂肪酸;グルコース;薬学的活性物質)、イオン(例えば、Ca2+;Na+;荷電タンパク質;緩衝成分)、複合生体有機分子(例えば、ビタミン;補助因子;ホルモン)、複合高分子化合物(例えば、ポリヌクレオチド;タンパク質;レセプター、タンパクホルモン、インスリン;グルカゴン;抗体;複合炭水化物)、液体(例えば、組織構成要素、血液構成要素)、侵入生物学的粒子(ウイルス;細菌)、並びに毒物、代謝産物、又は、例えば、病気(例えば、癌;アルコール依存症;肝臓障害;心臓障害;腎臓障害)、健康、又は不具合状態を定義及び/又は同定することができる体の成分、などであり得る。そのような生物学的物質の測定又はモニタリングは、標準的な分析技術により、又は特別に適応した若しくは開発された技術により達成することができる。生物学的物質は、異なる物質の混合物であってもよい。
【0010】
このセンサデバイスを用いることにより、デバイスの埋め込み間の時間及び全てのマイクロセンサの機能停止によるデバイスの除去の必要性は、大幅に増大する。この解決策により、一定の寿命を有する比較的簡単なセンサを使用することができ、体から取り出す頻度を低減することができる。
【0011】
本発明に記載の人体の皮下に埋め込まれるセンサデバイスは、センサ、特にマイクロセンサの配置又は配列を含み、ここで、各センサは、モニタリングの目的のために別々に起動することができる。この点に関して、1つのマイクロセンサは、別のマイクロセンサが、寿命が尽きたために機能しない場合、起動される。センサデバイスは、1つのマイクロセンサが別のマイクロセンサの後に、制御デバイスによって有効にされる又は起動されるように設計される。制御デバイスは、体に埋め込むように提供されるセンサデバイスの部品であってよく、又は無線伝送によってマイクロセンサを制御する外部ユニットであってよい。
【0012】
対応する用途によって、センサデバイスは、例えば、数百のマイクロセンサのような大量のマイクロセンサ、又はたった数個のセンサを含むことができる。特に、マイクロセンサは、配列したセンサとして配列することができる。
【0013】
本発明の実施例によれば、配列したマイクロセンサは、複数のカバー部材を有するカバーを含むケースに配列され、ここで、各カバーは、1つのセンサの測定表面を覆っている。従って、センサデバイスが埋め込まれた場合、各センサの測定表面又は測定部分と周辺又は本体領域との間に、カバー部材は配列される。各カバー部材は、それぞれのカバー部材に隣接しているマイクロセンサを起動するために除去されるように設計される。
【0014】
本発明の実施例によれば、マイクロセンサの各カバー部材は、各カバー部材が所定の時間体内の物質と接触することにより少なくとも部分的に溶け、その結果、各カバー部材が、体内の物質に対してマイクロセンサの測定表面を開くように設計され、ここで、異なるマイクロセンサのカバー部材は、マイクロセンサの寿命に対応する時点に従って順次溶解する。
【0015】
本発明の別の実施例によれば、マイクロセンサの各カバー部材は、電気的な信号によって、それぞれのカバー部材が体内の物質に対してマイクロセンサの測定表面を開くように、制御デバイスによって電気的に制御することができる。
【0016】
本発明の実施例によれば、ケースは、カバー部材を含み、かつ、マイクロセンサを覆うように少なくともケースの片側の上に伸びるカバーを含み、ここで、カバーの少なくともカバー部材の物質は、所定の信号によって、それぞれのカバー部材が体内の物質に対してマイクロセンサの測定表面を開くように、電気的に応答性である。
【0017】
本発明の実施例によれば、センサデバイスは、カバー部材に送信される電気的信号に応答してこのカバー部材が溶け又は液体になり、それによって体内の物質又は体液に対して測定表面を開くように設計される。
【0018】
本発明の実施例によれば、マイクロセンサの構成のカバーは、膜、特に金属膜又はカーボンファイバー製の膜を含む。更に、金属膜は、電気的に開いて、マイクロアレイ中の各特定の起動されたセンサを別々に露出するように実現することができる。
【0019】
センサデバイスは、カバー部材に送信される電気的信号に応答して、このカバー部材がカバーから解放され、それによって体内の物質又は体液に対して測定表面を開くように設計することができる。
【0020】
本発明の実施例によれば、センサデバイスは、外部の受信器にセンサの信号を伝送するためのエミッタを含む。
【0021】
本発明の実施例によれば、センサデバイスは、ケースが取り付けることができる動力供給モジュールを含む。それによって、全てのマイクロセンサの寿命が尽きた後、ケースのみを交換する必要があり、動力供給を、人体又は動物の体内にとどめることができる。
【0022】
本発明の別の実施例によれば、本発明に記載のセンサデバイス及び外部モニタリングシステムを含む測定システムが提供され、ここで、外部モニタリングシステムは、特定の起動されたセンサによって得られた信号を代表するデータを表示するための表示手段に連結している、エミッタからの信号を受信するための外部受信器を含む。
【0023】
この点に関して、外部受信器は:
特定の起動したセンサにより得られた信号を所定の血中グルコース濃度の値と比較し、もし比較の結果、いくつかの血中グルコース濃度が超えていれば、糖尿病薬剤送達ユニットを通して糖尿病薬剤の投与を開始するための指令信号を発信する、マイクロプロセッサに基づく比較・意思決定ユニット;
糖尿病薬剤の投与を開始するための該指令信号を受信した際に、所定用量の糖尿病薬剤を放出する糖尿病薬剤送達ユニット;
に連結することができる。
【0024】
如何なる限定もすることなしに例示のみの目的で、本発明を、図面を参照しながら以下に非常に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】外部受信器へ信号を伝送するためのエミッタデバイスを伴う、本発明に記載のセンサ配列の1例の断面図である。
【図2】図1に示す直線2−2に沿った、センサ配列の1例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の1例に従う埋め込み可能なセンサデバイス1を示す。センサデバイス1は密閉することができ、その中に基質又は基本物質5が組み込まれた、ケース、ハウジング、又はモールド(mold)3を含む。この基本物質の中に、マイクロセンサ11、12、13、14の配列が配列され、又は組み込まれている。方位に関しては、座標システムKS−Aが座標軸X、Y、Zを記載した図1及び2に示され、ここで、センサ11、12、13、14は、XY面に位置する。
【0027】
センサデバイス1は、人体への埋め込みに適応するように小型センサデバイスとして実現される。密閉したハウジング3は、チタン、チタン合金、又はプラスチックのような生体適合性材料で作られる。しかしながら、他の材料も使用可能である。
【0028】
マイクロセンサ11、12、13、14の配列は、複数のカバー部材22、23(図2のみに示される)を備えたカバーを含む、ケース3又はハウジング内に配列される。カバー部材22、24の各々は、センサ11、12、13、14の1つの測定表面を覆っている。カバー部材は、各カバー部材がそれぞれのカバー部材に隣接しているマイクロセンサを起動するために除かれ得るように設計される。カバー部材の除去は、例えば、それぞれのカバー部材の厚みによって予め定められた時間の後に溶解する、カバー部材の材料によってもたらすことができる。或いはまた、若しくはこれに加えて、カバー部材は、制御デバイスによってカバー部材へ送られる電気的信号に対応して除去することができるように、設計することができる。
【0029】
1つのカバー部材が除去された場合、カバー部材に隣接して存在するセンサが起動される。センサは、センサデバイスが埋め込まれた生物体内の物質と接触するや否や、センサの信号を測定する又は提供するように設計することができる。或いは、また、これに加えて、センサは、それぞれのセンサが、制御デバイスからの信号又は電気的連結の起動によって起動することができるように、設計することができる。このように、それぞれのセンサは、制御デバイスからそれぞれのセンサへ対応する信号を送ることによって、起動することができる。
【0030】
本発明の実施例によれば、各カバー部材は、制御デバイスからそれぞれのカバー部材へ送られる電気的信号によって除去することができる。
【0031】
図2に示すように、センサは、センサデバイス1の仮想平面に、マトリックスの形態に配列される。しかしながら、他の形態のセンサの配列も可能である。センサの数は、それぞれの用途によって異なる。一般に、複数のセンサがハウジング3の中に組み込まれる。
【0032】
図2は、図1に示したセンサ配列の中に含まれるような単一の小型センサを通る断面図である。
【0033】
本発明に記載のマイクロアレイセンサデバイス1の構造は、個々に体系的に起動することができ、そして患者のグルコースレベルのインビボモニタリングのために使うことができる、多数のインビボセンサ11、12、13、14を提供するようなものである。従って、本発明は、埋め込まれたセンサの長期にわたる総合的な寿命を提供し、そして患者がセンサデバイス1の交換のために医師を訪問する時間的間隔を増大する。
【0034】
センサデバイス1は、対応する連結線21によってセンサに連結することができる、動力供給デバイス20を含む。
【0035】
センサ11、12、13、14は、連結線11a、12a、13a、14aを通じて、エミッタデバイスを含んでなる制御デバイス30に連結され、その連結線によって、各センサは、センサデバイスが埋め込まれた人体の液体の測定状態に対応した信号を制御デバイス30に送る。制御デバイスは、測定した信号を外部の受信デバイスに伝送するために、アンテナ33に連結される。更に、制御デバイスは、連結線35aを経由して、動力供給20に連結するスイッチ35に連結される。制御デバイス20は、動力供給20が1つのセンサ又はセンサ配列へ、及び/又はそれぞれのカバー部材に隣接して存在するセンサのセンサ部品又はセンサ表面を覆うカバー部材に、カバー部材を除去するために能動的に連結されるように、スイッチ35に命令することができる。ハウジング3は、下部膜又は壁3a及び上部膜又は壁3bを含み、両者は、XY面に沿って伸びている。更に、ハウジング3は、側面膜又は側壁3c、3dを含み、両者は、YZ面に沿って伸びている。センサが機能する場合又は動力供給20に能動的に連結された場合、ハウジングの少なくとも1区画は、人体の体液の接触を測定することを可能にするように設計される。例えば、下部及び/又は上部膜3a、3b、センサ及び動力供給30は、1つのセンサが動力供給に能動的に連結している場合、下部及び/又は上部膜3a、3bの少なくとも1区画が溶け、その結果それぞれのセンサは測定すべき液体と接触するようになる。このセンサは、制御デバイス30に信号を送り、制御デバイスは測定すべき液体の状態、例えば、グルコース濃度に対応する。
【0036】
特に、センサデバイス1は、それぞれのセンサに最も近く存在する下部及び/又は上部膜3a、3bのその区画が溶解するように設計することができる。
【0037】
更に、制御デバイス30は、同時に動力供給に能動的に連結しているそれぞれのセンサを無能化する機能を含む。制御デバイス30は、それぞれのセンサが無能化されるまでの時間が、センサ配列中の使用しているセンサのタイプの寿命に対応し、別のセンサが有効になるように構成される。前のセンサが無能化した後センサが有効になる順序は、制御デバイス30の中に所定の方法で保存することができる。
【0038】
特に、センサを覆う膜は、電気的に開いてマイクロアレイ中の各特定の起動されたセンサを別々に露出させる、金属膜であり得る。
【0039】
更なる実施例によれば、制御デバイス30はトランシーバを含み、それによって、制御デバイスは、センサデバイス1に配列されたセンサの1つを用いて測定を実施する指令のような、外部制御デバイス(図示されていない)からの信号を受信することができる。外部制御デバイスは、それによって人体の体液の測定状態の値が示され、それをモニタリングすることができる表示装置を有する、無線伝送デバイス又はテレメトリー(telemetry)を含むことができる。外部制御ユニット及びセンサデバイスは、使用者又は責任者が、表示装置に示される値に基づき、制御デバイスによって測定を開始することができるように構成することができる。
【0040】
更に、外部制御ユニットは、注射器具、注入ポンプ、埋め込まれた送達デバイス、及び/又はその他のような、薬剤送達デバイスに連結することができるように構成することができる。一般に、外部制御デバイスは、トランシーバ機能、受信機能のみ、又は受信機モジュールを含むことができる。両者の実施例において、外部制御ユニットは:
特定の起動したセンサによって得られた信号を所定の血中グルコース濃度の値と比較し、もし比較した結果、いくつかの血中グルコース濃度の値が超えている場合は、糖尿病薬剤送達ユニットを経由して糖尿病薬剤の投与を開始するための指令信号を発信する、マイクロプロセッサに基づく比較・意思決定ユニット;
糖尿病薬剤の投与を開始するための該指令信号を受信した際に、所定用量の糖尿病薬剤を放出する糖尿病薬剤送達ユニット;
を含むことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサデバイス(1)が、モニタリング目的のために別々に起動できるマイクロセンサ(11、12、13、14)の配置を含んでなり、人体中の生物学的物質をインビボでモニタリングするために人体の皮下に埋め込まれるセンサデバイス(1)であって、センサデバイスが、センサ配置のマイクロセンサを起動するように設計された制御機能を含んでなる制御デバイスを含んでなり、そして制御機能が1つのマイクロセンサが機能しないと判断した時点で制御機能が別のセンサを起動することを特徴とする、上記センサデバイス(1)。
【請求項2】
配置のマイクロセンサ(11、12、13、14)が、複数のカバー部材(22、24)を備えたカバーを含むケース(3)内に配列され、ここで、カバー部材の各々が、センサ(11、12、13、14)の1つの測定表面を覆っており、そして各カバー部材が、それぞれのカバー部材に隣接しているマイクロセンサを起動するために取り除かれ得るように設計されることを特徴とする、請求項1に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項3】
マイクロセンサ(11、12、13、14)の各カバー部材が、それぞれのカバー部材が体内の物質に対してマイクロセンサ(11、12、13、14)の測定表面を開くように、各カバー部材が所定の時間後体内の物質との接触により少なくとも部分的に溶解するように設計され、ここで、異なるマイクロセンサ(11、12、13、14)のカバー部材は、マイクロセンサ(11、12、13、14)の寿命に対応する時点に従って順次溶解されることを特徴とする、請求項2に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項4】
マイクロセンサ(11、12、13、14)の各カバー部材が、電気信号によってそれぞれのカバー部材が体内の物質に対してマイクロセンサの測定表面を開くように、電気的に制御可能であることを特徴とする、請求項2に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項5】
ケース(3)は、カバー部材を含んでなり、かつマイクロセンサ(11、12、13、14)を覆うようにケースの少なくとも片側の上に広がるフォイルを含んでなり、ここで、少なくともフォイルのカバー部材の材料が、所定の信号によってそれぞれのカバー部材が体内の物質に対してマイクロセンサ(11、12、13、14)の測定表面を開くように、電気的に応答性であることを特徴とする、請求項4に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項6】
カバー部材に送信される電気信号に応答してこのカバー部材が溶解又は液体になり、それによって体内の物質に対して測定表面を開くことを特徴とする、請求項5に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項7】
カバー部材に送信される電気信号に応答してこのカバー部材がカバーから解放され、それによって体内の物質に対して測定表面を開くことを特徴とする、請求項5に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項8】
センサデバイス(1)が、外部の受信器にセンサの信号を伝送するエミッタを含んでなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項9】
センサデバイスが、ケースが取り付けられ得る動力供給モジュールを含んでなることを特徴とする、請求項2〜8のいずれか1項に記載のセンサデバイス(1)。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のセンサデバイス(1)及び外部のモニタリングシステムを含んでなる測定システムであって、外部のモニタリングシステムが、特定の起動したセンサ(11、12、13、14)により得られた信号を表わすデータを表示するための表示手段に連結されるエミッタからの信号を受信するための、外部の受信器を含んでなることを特徴とする、上記システム。
【請求項11】
請求項10に記載のセンサデバイス(1)に連結可能な医薬送達デバイスであって、外部の受信器が:
特定の起動したセンサによって得られた信号を所定の血中グルコース濃度の値と比較し、比較した結果、一定の血中グルコース濃度の値が超えている場合は、糖尿病薬剤送達ユニットを経由して糖尿病薬剤の投与を開始するための指令信号を発信する、マイクロプロセッサに基づく比較・意思決定ユニット;
糖尿病薬剤の投与を開始するための該指令信号を受信した際に、所定用量の糖尿病薬剤を放出する糖尿病薬剤送達ユニット;
に連結される、上記医薬送達デバイス。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−501532(P2013−501532A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523338(P2012−523338)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061420
【国際公開番号】WO2011/018407
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】