説明

埋込形照明灯

【課題】設置体内に浸入した水が凝固して設置体を破壊することが抑制される埋込形照明灯を提供する。
【解決手段】埋込形照明灯1は、開口部31を有する有底の箱状に形成され、地面に埋め込まれた設置体4と、内部空間12に配設された光源18、上面8a側に光源18の放射光が出射される出射口14および下面9a側に最下面9bの表面積の少なくとも50%の電気部品の非配設面15bを有し、設置体4の開口部31に取り付けられ、非配設面15bが最下面9bの非配設面15bを除く部位よりも薄肉に形成された灯体2とを具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、地面に埋め込み設置される埋込形照明灯に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の埋込形照明灯としては、例えば空港の滑走路や誘導路に設置され、航空機を誘導する埋込形航空標識灯が知られている。この埋込形航空標識灯は、灯体を備え、この灯体の上部が路面から少し突出した状態で路面に埋め込み設置されており、その灯体の上部に側方へ向けて設けられている窓部から出射溝を経由して光を出射し、航空機の操縦者から視認できるようにしている。
【0003】
そして、灯体は、路面に埋設された基台、間座および調整リングを有してなる設置体に設置されている。基台は、ゴムトランスを配設しているハンドホールに配管により接続され、基台内には、ハンドホールから配管を通して電源ケーブルが引き込まれている。この電源ケーブルは、レセプタクルなどを介して灯体に接続されている(例えば特許文献1参照。)。また、灯体は、防水用パッキンを介して設置体に液密に取り付けられており、設置体内に雨水などの水分が浸入しないようにしている。
【0004】
しかしながら、設置体内には、ハンドホール側から配管を介して水が浸入している。これは、埋込形航空標識灯を設置する業者が配管に防水用パッキンなどを介在させずに電源ケーブルを配線していることによる。設置体内は、浸入した水が相応に溜まり、灯体に達するまで溜まっていることがある。
【0005】
近年、灯体に配設される光源は、発熱量が比較的小さい発光ダイオードが用いられている。そして、寒冷地の空港においては、地面が凍結することがある。灯体が水に浸った状態で地面が凍結すると、発光ダイオードの発熱によっては水の温度低下を阻止することができず、水が凝固して体積が膨張する。そして、この凝固によって形成された氷から膨張に伴う圧力が設置体や灯体に加わってこれらを破壊することがあった。
【0006】
設置体や灯体は、それらの破壊が定期点検時又は光源の不点に伴う事故点検時に発見されると、破壊箇所の修復又は設置体や灯体の交換作業が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−223253号公報(第7頁、第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
設置体は、地面に埋め込まれて、灯体を埋め込み設置するとともに航空機の荷重を支える部材であるので、交換をすることになると、交換品および設置作業に多大の費用が発生するという問題があった。
【0009】
本発明の実施形態は、設置体内に浸入した水が凝固して設置体を破壊することが抑制される埋込形照明灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態の埋込形照明灯は、設置体および灯体を備える。
【0011】
設置体は、開口部を有する有底の箱状に形成されている。そして、地面に埋め込まれて、灯体を開口部に取り付ける。
【0012】
灯体は、内部空間に配設された光源と、上面側に光源の放射光が出射される出射口と、下面側に最下面の表面積の少なくとも50%の電気部品の非配設面とを有してなる。そして、非配設面は、灯体の最下面の非配設面を除く部位よりも薄肉に形成されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、灯体の電気部品の非配設面は、灯体の最下面の非配設面を除く部位よりも薄肉に形成されているので、設置体内に浸入した水が凝固して形成された氷が設置体および灯体に圧力を加えると、設置体よりも灯体の非配設面側が破壊されて氷からの圧力が灯体の内部空間側に拡散されるように作用し、これにより、設置体の破壊が抑制されることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示す埋込形照明灯の概略上面図である。
【図2】同じく、埋込形照明灯の概略縦断面図である。
【図3】同じく、埋込形照明灯への配線を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施形態の埋込形照明灯は、空港の滑走路や誘導路などの地面(路面)に埋め込み設置される埋込形航空標識灯1であり、図1ないし図3に示すように構成される。
【0017】
図3において、埋込形航空標識灯1は、灯体2およびこの灯体2を取り付けて地面(路面)3に埋め込まれて設置されている設置体4を備えている。そして、設置体4は、有底で略円筒状の基台5、この基台5上に取り付けられた埋め込み深さ調整用の略円筒状の間座6およびこの間座6上に取り付けられた水平軸調整のための円環状の調整リング7を備えている。そして、設置体4は、調整リング7の上面7a周辺部が地面3と略同一高さとなるように埋め込み設置されている。
【0018】
図2において、灯体2は、略円盤状の上部灯体8および略皿状の下部灯体9による2つ割り構造に形成されている。そして、上部灯体8および下部灯体9は、Oリング10を介して覆合され、ビス11により固着されている。これにより、内部空間12が液密に形成されている。上部灯体8は、高強度金属例えばアルミニウム合金を鋳造して形成され、下部灯体9は、例えばアルミダイキャストにより形成されている。
【0019】
上部灯体8の上面8aは、平坦状の頂面13を有するように膨出されているとともに、図1に示すように、頂面13の両端側が切り欠きされている。さらに頂面13の一端側が切り欠きされて、出射口としての光導出溝14が形成されている。光導出溝14は、図2に示すように、内部空間12に連通し、平坦状の頂面13に対して斜め上方に向かうように形成されている。
【0020】
そして、下部灯体9は、その下面9a側が底面部15や符号を付さない環状座などに形成されている。そして、最下面9bには、電気部品の非配設面15bが設けられている。この非配設面15bは、底面部15の下面でもあり、後述する設置体4内に浸入した水が凝固して形成される氷からの圧力に対して設置体4よりも早く破壊されるように、非配設面15bを除く最下面9b(下面9a)の部位および下部灯体9の側面9c側の部位よりも薄肉に形成されている。例えば、非配設面15bの部位は、2〜3mmの肉厚に形成され、下面9aおよび最下面9bのそれぞれの部位は、非配設面15bの1.5〜3倍の肉厚例えば3〜9mmの肉厚に形成されている。なお、側面9cの部位は、6mm部分や20〜30mm部分などに形成されている。
【0021】
また、非配設面15bは、最下面9bの表面積の少なくとも50%となるように形成されている。非配設面15bが前記50%以上の表面積を有していれば、前記氷からの圧力により非配設面15bが破壊されたときに、最下面9b側での破壊面積が大きくなることが期待でき、これにより、氷が灯体2の内部空間12側に侵入しやすくなり、侵入する容積が大きくなる。
【0022】
非配設面15bが最下面9bの表面積の50%未満であると、前記氷からの圧力により非配設面15bが破壊されたときの最下面9b側での破壊面積(破壊部分)が小さくなる。前記氷は、破壊部分が小さいと、当該破壊部分から灯体2の内部空間12側に侵入しにくくなり、侵入する容積が小さくなる。したがって、非配設面15bは、最下面9bの表面積の50%以上の表面積を有するように形成されている。
【0023】
ここで、非配設面15bは、最下面9bの表面積の50〜80%とするのが好ましい。前記80%を超えると、下部灯体9の下面9a側全体の強度が低下し、後述の受電端子22などの電気部品等の配設や固定に支障を来たすおそれがある。
【0024】
また、非配設面15bは、灯体2の内部空間12側に凹むように形成されている。すなわち、灯体2の底面部15は、最下面9bよりも内部空間12側に幾分突出形成されている。これは、非配設面15bが氷からの圧力に対して設置体4よりも早く破壊されて氷を内部空間12側に侵入させやすくするものである。
【0025】
そして、下部灯体9は、内部空間12に平面状の取付け板16を配設している。この取付け板16には、上部灯体8側に取付け部材17を介して光源18が取り付けられている。光源18は、基板19に実装された発光ダイオード20などを有して形成されている。
【0026】
また、取付け板16には、下部灯体9の底面部15側に電源装置21を取り付けている。電源装置21は、それぞれ図示しないリード線により、光源18および下部灯体9の下面9a側に配設された受電端子22に接続されている。
【0027】
そして、上部灯体8には、プリズム23を収容しているプリズム収容部24が形成されている。このプリズム収容部24は、光導出溝14に連通されている。プリズム23は、例えば強化ガラスからなり、シリコーンゴム製の枠状をなすパッキング25を配設している。プリズム23は、光導出溝14および内部空間12に液密に配設されている。
【0028】
プリズム23は、光源18からの光が入射され、この光が光導出溝14から斜め上方に出射されるように光路規制を行うものである。そして、光源18は、その放射光がプリズム23に入射するように、プリズム23の入射面に対向して内部空間12に配設されている。
【0029】
そして、灯体2は、図1に示すように、その上部灯体8の上面8aの周縁側に凹部26が形成されている。この凹部26に形成された図示しない通孔に、調整リング7からスタットボルト27が挿通されて、上部灯体8の上面8a側においてナット28が締め付けられている。灯体2は、スタットボルト27およびナット28により、設置体4の調整リング7に収容されて取り付けられている。
【0030】
図2において、調整リング7は、それぞれ高強度からなるアルミニウム合金製の第1および第2の部材29、30からなっている。すなわち、第1および第2の部材29,30は、下部灯体9の非配設面15b(底面部15)よりも高強度を有するように形成されている。第1の部材29は、リング状に形成され、第2の部材30は、環状座に形成されている。第2の部材30の内側は、調整リング7(設置体4)の開口部31となっている。
【0031】
第1および第2の部材29、30は、4個のボルト32により一体化されている。すなわち、第1の部材29の周縁部側には、図1に示すように、周方向に90°回転間隔で4個の凹所33が形成されている。そして、図2に示すように、凹所33には、ボルト32の図示しない挿通孔が形成され、第2の部材30には、ボルト32のねじ孔34が形成されている。
【0032】
そして、第2の部材30は、上述したように、スタットボルト27およびナット28により、灯体2に固定されている。こうして、灯体2は、調整リング7(設置体4)の開口部31に取り付けられている。そして、調整リング7は、間座6に固定されている。
【0033】
間座6は、例えば高強度のアルミニウム合金からなり、下部灯体9の非配設面15b(底面部15)よりも高強度を有し、リング体35およびリング体36に2分割されている。リング体35は、基台5に跨座している。リング体36は、リング体35に上側から嵌合して、図示しないねじによりリング体35に固定されている。
【0034】
そして、リング体36は、調整リング7の第2の部材30にボルト37により固定されている。すなわち、第2の部材30の周縁部側には、図1に示すように、第1の部材29によって、第1の部材29の凹所33の中間であって周方向に90°回転間隔で4個の凹所38が設けられている。この凹所38には、ボルト37が上下方向に貫通される長孔39が形成されている。そして、図2に示すように、リング体36には、ボルト37のねじ孔40が形成されている。ボルト37がねじ孔40に完全にねじ込まれることにより、調整リング7および灯体2は、間座6に取り付けられ、灯体2の下部灯体9は、間座6内に収容されている。このとき、調整リング7の上面7aが地面3にほぼ位置するように、間座6の大きさが設定されている。
【0035】
基台5は、例えば高強度のアルミニウム合金からなり、例えば鋳造により、上端側5aに開口部41、側面5bに接続部42および内部に内部空間43を有する有底の箱状(略円筒状)に形成されている。接続部42は、互いに反対側の側面5bに一対形成されている。そして、基台5は、間座6および調整リング7と同様に、下部灯体9の非配設面15b(底面部15)よりも高強度に形成されている。すなわち、設置体4は、灯体2の非配設面15b(底面部15)よりも高強度を有している。
【0036】
そして、基台5は、図示しないねじにより、間座6のリング体35を固定している。すなわち、リング体35の凹部44には、ねじが貫通される図示しない貫通孔が形成され、基台5の上端側5aには、当該貫通孔に対応する図示しないねじ孔が形成されている。基台5に間座6が固定されることにより、基台5は、調整リング7および灯体2を取り付けている。すなわち、基台5は、その開口部41に間座6および調整リング7を介して灯体2を取り付けている。
【0037】
基台5の側面5bに形成された一対の接続部42,42は、配管45が嵌入される貫通口であり、それぞれ配管45が接続されている。一方の配管45を介して後述のハンドホール59から電源ケーブル46が引き込まれている。この電源ケーブル46の先端には、防水性のレセプタクル47が取り付けられている。レセプタクル47には、2分岐され、それぞれ防水性のレセプタクル48,49を有する電源ケーブル50,50のプラグ51が接続されている。そして、一方のレセプタクル48には、電源ケーブル52のプラグ53が接続されている。電源ケーブル52は、他方の配管45を介して隣接する図示しない埋込形航空標識灯1に接続されている。
【0038】
灯体2の下部灯体9の下面9a側には、受電端子22を配設している防水コネクタ54が設けられている。この防水コネクタ54に装着されるコネクタ55を有するプラグ56付き電源ケーブル57が基台5内に収納されている。コネクタ55が防水コネクタ54に接続され、プラグ56がレセプタクル49に接続されて、基台5内に引き込まれた電気ケーブル46と、防水コネクタ54(受電端子22)が電気接続されている。受電端子22は、防水兼絶縁ブッシング58を介して下部灯体9内に突出されている。なお、レセプタクル47の他、コネクタ55、レセプタクル48,49およびプラグ51,53,56なども防水性を有するように形成されている。また、電源ケーブル52により、連なる埋込形航空標識灯1が順次、電気ケーブル46に電気接続されている。
【0039】
配管45は、図3に示すように、地面3に埋め込み設置されたハンドホール59に接続されている。ハンドホール59内には、外部電源としてのゴムトランス(ゴム被覆絶縁変圧器)60が配設されている。ゴムトランス60は、定電流電源装置(CCR)61から出力された交流定電流が一次ケーブル62,63を通じて入力され、変換した交流定電流を電源ケーブル(二次ケーブル)46を通じて埋込形航空標識灯1に供給する。ゴムトランス60は、上述した2分岐された電源ケーブル50,50などを介して連なる複数の埋込形航空標識灯1に交流定電流を供給している。
【0040】
そして、ハンドホール59は、大気に開放され又は雨水などに対する防水対策が施されていないので、その内部に雨水などの水64が浸入し、ハンドホール59内に溜まる。ハンドホール59内に溜まった水64は、その水位(水面)が配管45の配設位置まで上昇すると、配管45を通じて埋込形航空標識灯1の設置体4の基台5内に浸入する。
【0041】
次に、本発明の実施形態の作用について述べる。
【0042】
ハンドホール59側から基台5内に水64が浸入すると、設置体4内には、ハンドホール59内の地面3表面からの水位と略同等の水位となるように水64が溜まる。そして、ハンドホール59内の水位が上昇するにしたがい、設置体4内の水位が上昇する。
【0043】
設置体4内に水64が溜まっている状態で、地面3の温度が氷点下以下に低下すると、設置体4内の温度も次第に低下していき、氷点下となる。設置体4内の水64は、凝固点以下となり、氷に形成されていく。氷は、水64の体積の約1.1倍となり、設置体4内における占有率が水64のときよりも大きくなる。
【0044】
設置体4内の水位が灯体2の下部灯体9の最下面9b近傍に達していない状態で、水64が氷になると、氷の表面は、下部灯体9の最下面9bに当接することがなく、例え氷が下部灯体9に当接するような水64の水位であっても水64が凍るときには設置体4の間座6内の空間に氷となっていく水64の逃げ場があり、下部灯体9や設置体4への氷の圧力は小さいものである。したがって、下部灯体9の非配設面15bは、上述の薄肉に形成されていても、破損や破壊することが極力ないものである。
【0045】
そして、設置体4内の水位が灯体2の下部灯体9の最下面9b近傍に上昇していて水64が次第に氷になると、基台5の内部空間41および間座6内の空間は、氷によりほぼ満たされ、膨張していく氷の逃げ場がなくなっていく。灯体2の下部灯体9は、氷により包囲されて氷から圧力を強く受けるとともに、少なくとも基台5および間座6も氷からの圧力を強く受けるようになる。
【0046】
また、設置体4が水64によりほぼ満たされているときに、水64が氷となっていくと、膨張する氷の逃げ場がなくなり、灯体2、設置体4の基台5、間座6および調整リング7は、氷からの圧力をさらに強く受けるようになる。
【0047】
下部灯体9は、設置体4よりも低強度の例えばアルミニウム(Al)により形成され、また、その非配設面15bは、灯体2の下面9a、非配設面15bを除く最下面9bおよび側面9c側のそれぞれの部位よりも薄肉に形成されているので、灯体2の他の前記部位や設置体4よりも氷からの圧力に対して弱く、灯体2の他の前記部位や設置体4が破壊に至る前に破壊される。
【0048】
特に、非配設面15bは、灯体2の内部空間12側に凹むように形成されているので、非配設面15bに加わる氷からの圧力が内部空間12の方向に集中するようになり、これにより、破壊されやすくなる。
【0049】
非配設面15bが破壊されると、灯体2の内部空間12が氷の逃げ場となっていき、氷からの圧力が内部空間12側に拡散していく。特に、非配設面15bは、下部灯体9の最下面9bの表面積の少なくとも50%、好ましくは50〜80%を有するように形成されているので、最下面9bでの破壊面積が大きくなり、氷が内部空間12側に侵入する容積が大きくなりやすい。また、非配設面15bが灯体2の内部空間12側に凹むように形成されていることにより、氷は、内部空間12側に侵入しやすくなる。こうして、氷からの圧力が内部空間12側に拡散していき、設置体4に加わる氷からの圧力が相応に低下し、氷からの圧力によって設置体4が破壊されることが抑制される。
【0050】
また、下部灯体9の非配設面15bが破壊されると、灯体2の内部空間12に侵入する氷等によって、例えば受電端子22において漏電が発生したり、電源装置21が破壊されるなどして、光源18が消灯することがある。この光源18の消灯が確認されると、事故点検作業が行われることがあり、このとき、灯体2の破壊が確認され、氷や水64等が除去されて、破壊された灯体2または下部灯体9の交換が行われる。また、光源18が消灯しないときには、定期点検において、灯体2の破壊が確認され、破壊された灯体2または下部灯体9の交換が行われる。
【0051】
灯体2は、スタットボルト27およびナット28により、設置体4の調整リング7に取り付けられるので、設置体4への取付けや取外しが容易であり、交換が容易である。これに対し、設置体4は、地面3に埋設されているので、破壊により交換することになると、交換作業に手間や時間を要する。特に、基台5の交換は、地面3の掘り起こしや配管45の接続作業などを行う必要があり、交換作業に多大の手間や時間を要するという問題がある。また、設置体4は、高価であり、交換費用が高くなるという問題がある。
【0052】
本実施形態によれば、灯体2の下部灯体9の非配設面15bは、灯体2の下面9a、非配設面15bを除く最下面9bおよび側面9c側のそれぞれの部位よりも薄肉に形成されているので、設置体4内に浸入した水64が凝固して形成される氷が設置体4および灯体2に圧力を加えると、設置体4よりも灯体2の非配設面15b側が破壊されて氷の圧力が灯体2の内部空間12側に拡散されるように作用し、これにより、高価である設置体4の破壊を抑制することができるという効果を有する。
【0053】
また、灯体2の非配設面15bは、灯体2の内部空間12側に凹むように形成されているので、灯体2の非配設面15bに加わる氷からの圧力が内部空間12の方向に集中するようになり、これにより、高価である設置体4を破壊させるよりは、灯体2の下部灯体9をより破壊させることができるという効果を有する。
【0054】
なお、灯体2の非配設面15b側である底面部15は、平坦状に形成されていてもよい。また、非配設面15bは、上述の薄肉に形成されるに加え、例えば切り込みし、この切り込みを溶接するなどして脆弱性を有するようにしてもよい。
【0055】
また、本実施形態は、埋込形照明灯として埋込形航空標識灯1で説明したが、これに限らず、例えば道路や広場などの地面3に設置される案内灯、看板や標識などを照明する標識灯、あるいは周囲を照明するための設置灯などに適用してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…埋込形照明灯としての埋込形航空標識灯、 2…灯体、 4…設置体、 12…内部空間、 14…出射口としての光導光溝、 15b…非配設面、 18…光源、 31…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有する有底の箱状に形成され、地面に埋め込まれた設置体と;
内部空間に配設された光源、上面側に前記光源の放射光が出射される出射口および下面側に最下面の表面積の少なくとも50%の電気部品の非配設面を有し、前記設置体の開口部に取り付けられ、前記非配設面が最下面の前記非配設面を除く部位よりも薄肉に形成された灯体と;
を具備していることを特徴とする埋込形照明灯。
【請求項2】
前記灯体の非配設面は、前記設置体内に浸入した水が凝固して形成される氷からの圧力に対して前記設置体よりも早く破壊されて前記氷を前記内部空間側に侵入させるように前記内部空間側に凹むように形成されていることを特徴とする請求項1記載の埋込形照明灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−237167(P2012−237167A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108028(P2011−108028)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000003757)東芝ライテック株式会社 (2,710)
【Fターム(参考)】