説明

基地局、移動局、制御信号送信方法及び制御信号受信方法

【課題】キャリアアグリゲーションが通信に適用される場合にも、制御チャネルの受信品質を向上させることを目的とする。
【解決手段】キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局は、前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する管理部と、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースとは異なる無線リソースに、前記移動局用の所定の制御チャネルをマッピングするマッピング部と、所定の制御チャネルの制御信号を送信する制御信号送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局、移動局、制御信号送信方法及び制御信号受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式は、信号を複数のサブキャリアに乗せて伝送する技術である。一般的に、OFDM方式では、キャリアの中心に追加のサブキャリア(DCサブキャリア)が設定され、このサブキャリアは、信号送信に用いられない(非特許文献1参照)。
【0003】
この理由は、移動局等の受信機において、中心に追加されたサブキャリア(DCサブキャリア)は、ベースバンド信号へのダウンコンバージョン後の直流成分に位置するため、そのDCサブキャリア上の信号は復号できないためである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP TS 36.101 V9.3.0 (2010-03)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
次世代の無線アクセスでは、複数のコンポーネントキャリアと呼ばれる周波数領域を一体化して広帯域化するキャリアアグリゲーションの適用が検討されている。コンポーネントキャリアとは、所定の単位の連続する周波数領域のことを言う。例えば、10MHzのコンポーネントキャリアと20MHzのコンポーネントキャリアとを一体化して、システム帯域の広帯域化を図ることができる。コンポーネントキャリア間には、他システムの周波数領域が存在してもよい。
【0006】
キャリアアグリゲーションが通信に適用される場合においても、移動局は、ベースバンド信号へのダウンコンバージョン後の直流成分の位置では信号を復号できない。例えば、ベースバンド信号へのダウンコンバージョン後の直流成分に位置するサブキャリアがデータチャネルまたは制御チャネルに用いられる場合、移動局は、前記サブキャリアを復号できないため、そのデータチャネル(すなわち、そのデータチャネルに含まれるデータ信号)、または、制御チャネル(すなわち、その制御チャネルに含まれる制御信号)の受信品質が劣化するという問題が生じる。特に、その物理チャネルのシンボル数が少なく、前記サブキャリアを復号できないことによる劣化を、冗長ビットや符号化ビットにより補償できない可能性が高い制御チャネルにおいて、本問題が顕著になる。より具体的には、制御チャネルに用いられるサブキャリア数が少ない場合には、問題が顕著になる。
【0007】
本発明は、キャリアアグリゲーションが通信に適用される場合にも、制御チャネルの受信品質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基地局は、
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する管理部と、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースとは異なる無線リソースに、前記移動局用の所定の制御チャネルをマッピングするマッピング部と、
所定の制御チャネルの制御信号を送信する制御信号送信部と、
を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の制御信号送信方法は、
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局における制御信号送信方法であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理するステップと、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースとは異なる無線リソースに、前記移動局用の所定の制御チャネルをマッピングするステップと、
所定の制御チャネルの制御信号を送信するステップと、
を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の移動局は、
キャリアアグリゲーションを適用して基地局と通信する移動局であって、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースの代わりに用いる無線リソースのマッピング情報を保持するマッピング情報保持部と、
前記マッピング情報保持部に保持されたマッピング情報に基づいて、所定の制御チャネルの制御信号を受信する制御信号受信部と、
を有することを特徴とする。
【0011】
本発明の制御信号受信方法は、
キャリアアグリゲーションを適用して基地局と通信する移動局における制御信号受信方法であって、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースの代わりに用いる無線リソースのマッピング情報を保持するステップと、
前記マッピング情報保持部に保持されたマッピング情報に基づいて、所定の制御チャネルの制御信号を受信するステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
本発明の基地局は、
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する管理部と、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの送信電力を減少させ、所定の制御チャネルの残りのサブキャリアの送信電力を増加させる送信電力制御部と、
所定の制御チャネルの制御信号を送信する制御信号送信部と、
を有することを特徴とする。
【0013】
本発明の制御信号送信方法は、
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局における制御信号送信方法であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理するステップと、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの送信電力を減少させ、所定の制御チャネルの残りのサブキャリアの送信電力を増加させるステップと、
所定の制御チャネルの制御信号を送信するステップと、
を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の基地局は、
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する管理部と、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、所定の制御チャネルの制御信号を前記移動局宛のメッセージ又は報知情報として生成する生成部と、
前記移動局宛のメッセージ又は報知情報を送信する送信部と、
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の制御信号送信方法は、
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局における制御信号送信方法であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理するステップと、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、所定の制御チャネルの制御信号を前記移動局宛のメッセージ又は報知情報として生成するステップと、
前記移動局宛のメッセージ又は報知情報を送信するステップと、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の実施例によれば、キャリアアグリゲーションが通信に適用される場合にも、制御チャネルの受信品質を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】キャリアアグリゲーションが通信に適用される場合の移動局でのベースバンド信号の直流成分の位置を示す図
【図2】リソースエレメントグループの概念図
【図3】下りリンクチャネルのフレーム構造を示す図
【図4】本発明の実施例に係る基地局のブロック図
【図5】ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられている例
【図6】本発明の実施例に係る基地局における制御信号送信方法のフローチャート
【図7】本発明の実施例に係る移動局のブロック図
【図8】本発明の実施例に係る移動局における制御信号受信方法のフローチャート
【図9】本発明の第1変形例に係る基地局のブロック図
【図10】本発明の第1変形例に係る基地局での送信電力制御を示す概念図
【図11】本発明の第1変形例に係る基地局における制御信号送信方法のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例では、キャリアアグリゲーションが移動局と基地局との間の通信に適用される。移動局は、ベースバンド信号へのダウンコンバージョン後の直流成分に位置するサブキャリアの信号を復号できない。このようなサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、移動局での制御チャネルの受信品質が劣化する。例えば、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)やPHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)のような制御チャネルは、帯域全体にマッピングされるものの、マッピングされるサブキャリア数は少ない。すなわち、このような制御チャネルは、所定数以下のサブキャリアにマッピングされるため、受信品質の劣化が顕著になる。このような受信品質の劣化を回避するため、基地局は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する。そして、基地局は、そのサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、管理しているサブキャリアの無線リソースとは異なる無線リソースに、所定の制御チャネルをマッピングする。
【0019】
或いは、基地局は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、そのサブキャリアの送信電力を減少させ、残りのサブキャリアの送信電力を増加させてもよい。また、基地局は、所定の制御チャネルで送信する制御信号を報知情報又はRRCメッセージとして送信してもよい。
【0020】
以下、本発明の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、キャリアアグリゲーションが通信に適用される場合の移動局でのベースバンド信号の直流成分の位置を示す図である。キャリアアグリゲーションは、図1(A)に示すように、2つの20MHzのコンポーネントキャリアにより構成されてもよい。コンポーネントキャリアとは、所定の単位の連続する周波数領域のことを言う。コンポーネントキャリア間には、他システムの周波数領域が存在してもよいが、同図においては、各コンポーネントキャリアが周波数的に連続して設定される場合を示す。LTE(Long Term Evolution)に従って20MHzの帯域幅を用いる移動局(LTE移動局と呼ぶ)は、1つの20MHzのコンポーネントキャリア内で信号を受信する。このようなLTE移動局のため、20MHzの各コンポーネントキャリアの中心サブキャリア(DCサブキャリア)は信号送信に用いられない。
【0022】
一方、キャリアアグリゲーションにより合計40MHzの帯域幅を用いる移動局は、2つの20MHzのコンポーネントキャリアを一体化して信号を受信できる。この場合、2つのコンポーネントキャリアは周波数軸上で対称的になっているため、40MHzの帯域幅を用いる移動局にとって、ベースバンド信号の直流成分の位置は、2つのコンポーネントキャリアの間になる。通常では、コンポーネントキャリア間には特に信号は送信されないため、ベースバンド信号の直流成分に起因する受信品質の劣化は生じない。
【0023】
また、キャリアアグリゲーションは、図1(B)に示すように、1つの10MHzのコンポーネントキャリアと、2つの20MHzのコンポーネントキャリアとにより、周波数軸上で対称的に構成されてもよい。この場合、50MHzの帯域幅を用いる移動局にとって、ベースバンド信号の直流成分の位置は、10MHzのコンポーネントキャリアの中心サブキャリア(DCサブキャリア)と一致する。上記の通り、各コンポーネントキャリアの中心サブキャリアは信号送信に用いられないため、ベースバンド信号の直流成分に起因する受信品質の劣化は生じない。
【0024】
しかし、キャリアアグリゲーションは、図1(C)に示すように、10MHzのコンポーネントキャリアと、20MHzのコンポーネントキャリアとにより構成されてもよい。この場合にも、10MHz及び20MHzの各コンポーネントキャリアの中心サブキャリア(DCサブキャリア)は信号送信に用いられない。
【0025】
一方、合計30MHzの帯域幅を用いる移動局は、10MHzのコンポーネントキャリアと20MHzのコンポーネントキャリアとを一体化して、信号を受信できる。この場合、2つのコンポーネントキャリアは周波数軸上で非対称的になっているため、30MHzの帯域幅を用いる移動局にとって、ベースバンド信号の直流成分の位置は、20MHzのコンポーネントキャリアの信号送信用サブキャリアに重なる可能性がある。
【0026】
また、キャリアアグリゲーションは、図1(D)に示すように、1つの10MHzのコンポーネントキャリアと、2つの20MHzのコンポーネントキャリアとにより、周波数軸上で非対称的に構成されてもよい。この場合にも同様に、50MHzの帯域幅を用いる移動局にとって、ベースバンド信号の直流成分の位置は、20MHzのコンポーネントキャリアの信号送信用サブキャリアに重なる可能性がある。
【0027】
このように、キャリアアグリゲーションが周波数軸上で非対称的に構成される場合、移動局は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアでは信号を復号できず、受信品質が劣化する。
【0028】
次に、ベースバンド信号の直流成分が下りリンクチャネルに与える影響について説明する。
【0029】
下りリンクチャネルには、下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)と、下りリンク制御チャネルと、下りリンクのリファレンス信号(DL RS:Downlink Reference Signal)が含まれる。下りリンク制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)等が含まれる。
【0030】
PDSCHは、移動局宛の下りリンクデータを送信するために用いられるチャネルである。一般的に、PDSCHは符号化され、帯域全体、あるいは、帯域の一部にマッピングされる。符号化利得により、ベースバンド信号の直流成分による受信品質の劣化の影響は小さい。また、符号化利得が小さい場合でも、HARQの再送が異なる帯域で行われる場合には、前記受信品質の劣化の影響は小さくなる。
【0031】
PDCCHは、上りリンク及び下りリンクのデータチャネル送信に必要な制御情報(DCI:Downlink Control Information)を送信するために用いられるチャネルである。例えば、リソース割り当て情報、変調方式等がPDCCHで送信される。下りリンク制御情報には、全移動局を対象とする制御情報と、移動局個別(又は複数の移動局をまとめた移動局グループ個別)の制御情報とが含まれる。一般的に、PDCCHは符号化され、帯域全体にマッピングされる。符号化利得により、ベースバンド信号の直流成分による受信品質の劣化の影響は小さい。
【0032】
PCFICHは、1サブフレームを構成する14OFDMシンボルのうち、制御チャネルに使用するOFDMシンボル数を示すCFI(Control Format Indicator)を送信するために用いられるチャネルである。PCFICHは、帯域全体にマッピングされるものの、マッピングされるサブキャリア数は少ない。従って、ベースバンド信号の直流成分による受信品質の劣化の影響が大きい。
【0033】
PHICHは、上りリンクデータチャネルに対する送達確認情報(ACK/NACK)(HI:HARQ Indicator)を送信するために用いられるチャネルである。PHICHは、帯域全体にマッピングされるものの、マッピングされるサブキャリア数は少ない。従って、ベースバンド信号の直流成分による受信品質の劣化の影響が大きい。
【0034】
DL RSは、チャネル推定、CQI測定、セルサーチ等に用いられる所定の信号系列である。DL RSは、同じ信号系列が帯域全体に広がったサブキャリアにマッピングされる。従って、ベースバンド信号の直流成分によりDL RSが劣化したとしても、そのDL RSをチャネル推定等に使用しないことで、受信品質の劣化の影響は小さい。
【0035】
次に、ベースバンド信号の直流成分による受信品質の劣化の影響が大きいPCFICH及びPHICHのフレーム構造について、更に詳細に説明する。
【0036】
PDCCH、PCFICH及びPHICHには、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)を単位として無線リソースが割り当てられる。下りリンク制御チャネルの物理リソースは、時間方向及び周波数方向に分割される。1サブキャリア×1OFDMシンボルをリソースエレメント(RE:Resource Element)と呼び、1つのリソースエレメントグループは、4個のリソースエレメントで構成される。
【0037】
図2に、リソースエレメントグループの概念図を示す。図2は、1サブフレームの先頭の3OFDMシンボルが下りリンク制御チャネルに用いられる場合を示している。先頭の1OFDMシンボルには、DL RS(R1、R2)が6サブキャリア毎に配置される。R1は、2送信アンテナの場合の一方のアンテナのリファレンス信号であり、R2は、他方のアンテナのリファレンス信号である。送信アンテナ数によって、1リソースブロック(RB:Resource Block)におけるリソースエレメントグループ数は異なるが、単純化のため、送信アンテナ数が1つの場合には、R2の無線リソースはパンクチャされる。従って、図2の場合、先頭の1OFDMシンボルには、1リソースブロックに8個のリソースエレメントグループを確保できる。
【0038】
図3に、下りリンクチャネルのフレーム構造を示す。説明の便宜上、図3ではDL RSが省略されている。下りリンク制御チャネルは、最大で1サブフレームの先頭3OFDMシンボル(1.4MHz帯域では4OFDMシンボル)を使用できる。制御チャネルに使用するOFDMシンボル数を示すために、CFIがPCFICHで送信される。PCFICHを復調しない限り、何個のOFDMシンボルが制御チャネルに使用されるか認識できないため、PCFICHは、先頭のOFDMシンボルにマッピングされる。PCFICHには4個のリソースエレメントグループが用いられ、4個のリソースエレメントグループは、帯域全体にほぼ等間隔になるようにマッピングされる。具体的には、4個のリソースエレメントグループのマッピング位置は、セルIDとシステム帯域幅とに基づいて、所定の計算式によって決定される。
【0039】
PHICHは、先頭のOFDMシンボルにマッピングされてもよく、3OFDMシンボルに渡ってマッピングされてもよい。図3は、PHICHが先頭のOFDMシンボルにマッピングされている場合を示している。PHICHには3個のリソースエレメントグループが用いられ、3個のリソースエレメントグループは、帯域全体にほぼ等間隔になるようにマッピングされる。具体的には、3個のリソースエレメントグループのマッピング位置は、セルIDと、PCFICHを除いたリソースエレメントグループ数とに基づいて、所定の計算式によって決定される。
【0040】
このように、PCFICH及びPHICHは、帯域全体にマッピングされるものの、マッピングされるサブキャリア数は少ない。従って、ベースバンド信号の直流成分による受信品質の劣化の影響が大きい。このような影響を回避するための基地局及び移動局について、以下に説明する。
【0041】
<本発明の実施例に係る基地局及び移動局の構成及び動作>
図4に、本発明の実施例に係る基地局のブロック図を示す。基地局10は、管理部101と、マッピング部103と、制御信号送信部105と、データ信号送信部107とを有する。
【0042】
管理部101は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する。特に、キャリアアグリゲーションを構成するコンポーネントキャリアが周波数軸上で非対称的になっている場合、どのサブキャリアが移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するかを管理する。ベースバンド信号の直流成分の位置は、運用前に予め算出され、管理部101に格納されてもよい。
【0043】
マッピング部103は、PCFICH及びPHICHをリソースエレメントグループにマッピングする。例えば、PCFICH及びPHICHは、図3に示すような所定の位置にマッピングされる。次に、マッピング部103は、上述したキャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICH又はPHICHに用いられるかを判断する。ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICH又はPHICHに用いられる場合、マッピング部103は、上述のPCFICH及びPHICHの無線リソースに加えて、別の無線リソースを確保し、PCFICH又はPHICHをマッピングする。すなわち、マッピング部103は、上述したキャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICH又はPHICHに用いられる場合に、通常のPCFICH及びPHICHの無線リソースに加えて、別の無線リソースを確保し、両方の無線リソースを用いて、PCFICH及びPHICHを送信する。別の無線リソースは、移動局と基地局との間で事前に決められた所定の規則に従って確保されてもよい。上記のように、一般的にはPCFICH及びPHICHには、リソースエレメントグループを単位として無線リソースが割り当てられるため、確保される別の無線リソースは、1つのリソースエレメントグループでもよい。
【0044】
あるいは、マッピング部103は、1つのリソースエレメントグループを確保する代わりに、PCFICH又はPHICHが用いるリソースエレメントグループの数と同じ数のリソースエレメントグループを確保してもよい。
【0045】
上述したように、マッピング103が、PCFICH又はPHICHのための別の無線リソースを確保する場合、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局は、前記PCFICH又はPHICHのための別の無線リソースを使用してPCFICH又はPHICHを復号し、キャリアアグリゲーションを適用せずに通信する移動局は、前記PCFICH又はPHICHのための別の無線リソースではなく、通常のPCFICH又はPHICHのための無線リソースを使用してPCFICH又はPHICHを復号してもよい。
【0046】
図5には、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられている例を示している。このような場合、例えば、マッピング部103は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが含まれるリソースエレメントグループ(REG1)の隣のリソースエレメントグループ(REG2)にPCFICHをマッピングしてもよい。隣のリソースエレメントグループ(REG2)がPHICHに用いられている場合、マッピング部103は、更に隣のリソースエレメントグループにPCFICHをマッピングしてもよい。ここでは、隣のリソースエレメントグループが確保されるが、隣のリソースエレメントグループに限らず、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが含まれるリソースエレメントグループ(REG1)とは異なる如何なるリソースエレメントグループが確保されてもよい。図5には、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられている例を示しているが、ベースバンド信号の直流成分の位置にPHICHがマッピングされている場合も同様にして、別の無線リソースが確保される。なお、このように確保されたリソースエレメントグループは、PDCCHの送信のためには使用されない。
【0047】
マッピング部103は、別の無線リソースを確保する場合、リソースエレメントグループ全体ではなく、そのうちの1つのリソースエレメントを確保してもよい。ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアは、1つのリソースエレメントに対応するため、4個のリソースエレメントを確保しなくても、1つのリソースエレメントが確保できればよい。残りの3個のリソースエレメントは、PDCCHの送信のために使用されてもよい。ただし、通常のLTE移動局は、このようなリソースエレメントグループの使用方法を認識できないため、残りの3個のリソースエレメントは、LTE移動局用のPDCCHの送信のためには使用されない。しかし、移動局によっては、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアに対応するリソースエレメントをヌルとみなして復号できる。このような移動局に対しては、残りの3個のリソースエレメントを、PDCCHの送信のために使用してもよい。
【0048】
制御信号送信部105は、無線リソースにマッピングされた制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)で制御信号(DCI、CFI、HI)を送信する。
【0049】
データ信号送信部107は、移動局宛のデータ信号を送信する。データ信号には、ベストエフォート型のIPパケットや音声信号等のU−planeの信号(ユーザデータ)と報知情報やRRCメッセージ等のC−planeの信号(制御データ)が含まれる。マッピング部103でPCFICH又はPHICHが別の無線リソースにマッピングされた場合、データ信号送信部107は、別の無線リソースの情報をRRCメッセージとして送信してもよい。或いは、別の無線リソースの情報は、報知情報として送信されてもよい。この場合、データ信号送信部107の代わりに、報知情報送信部(図示せず)が別の無線リソースの情報を送信してもよい。
【0050】
図6に、本発明の実施例に係る基地局における制御信号送信方法のフローチャートを示す。
【0051】
管理部101は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを特定する(S101)。
【0052】
マッピング部103は、図3に示すような所定の位置にPCFICHをマッピングする(S103)。次に、マッピング部103は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられるかを判断する(S105)。ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられる場合、マッピング部103は、別の無線リソースにPCFICHをマッピングする(S107)。この場合、マッピング部103は、通常の無線リソースに加えて、前記別の無線リソースにPCFICHをマッピングする。ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられない場合、マッピング部103は、別の無線リソースにPCFICHをマッピングする必要はない。
【0053】
制御信号送信部105は、無線リソースにマッピングされたPCFICHで制御信号(CFI)を送信する(S109)。
【0054】
データ信号送信部107は、マッピング部103で確保された別の無線リソースの情報(マッピング情報)をRRCメッセージ又は報知情報として送信する(S111)。
【0055】
図6では、特にPCFICHを例に挙げて説明したが、本発明の実施例に係る制御信号送信方法は、PHICHの場合にも同様に適用可能である。
【0056】
図7に、本発明の実施例に係る移動局のブロック図を示す。移動局20は、マッピング情報保持部201と、制御信号受信部203と、データ信号受信部205とを有する。
【0057】
マッピング情報保持部201は、キャリアアグリゲーションを行う場合にベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICH又はPHICHに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースの代わりに用いる別の無線リソースのマッピング情報を保持する。このようなマッピング情報は、移動局と基地局との間で事前に決められた所定の規則に従って決定されてもよい。また、マッピング情報は、RRCメッセージ又は報知情報として基地局から送信されてもよい。
【0058】
あるいは、移動局は、自局がキャリアアグリゲーションを行う場合のベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの情報を基地局に通知してもよい。この場合、基地局は、前記ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの情報に基づいて、前記マッピング情報を決定してもよい。
【0059】
例えば、図5に示すように、ベースバンド信号の直流成分の位置にPCFICHがマッピングされている場合、マッピング情報保持部201は、そのリソースエレメントグループ(REG1)の隣のリソースエレメントグループ(REG2)にPCFICHがマッピングされるというマッピング情報を保持してもよい。隣のリソースエレメントグループ(REG2)がPHICHに用いられている場合、更に隣のリソースエレメントグループにPCFICHがマッピングされるというマッピング情報を保持してもよい。
【0060】
制御信号受信部203は、マッピング情報保持部201に保持されたマッピング情報に基づいて、PDCCH、PCFICH及びPHICHの制御信号(DCI、CFI、HI)を受信する。例えば、制御情報受信部203は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICH又はPHICHに用いられているかを判断する。PCFICH又はPHICHに用いられている場合、制御信号受信部203は、マッピング情報により示された別の無線リソースを使用して、PCFICH及びPHICHの制御信号(CFI、HI)を受信する。PCFICH又はPHICHに用いられてない場合、制御信号受信部203は、図3に示すような所定の位置において、PCFICH及びPHICHの制御信号(CFI、HI)を受信する。
【0061】
データ信号受信部205は、移動局20宛のデータ信号を受信する。マッピング情報がRRCメッセージまたは報知情報として基地局から送信される場合、データ信号受信部205は、マッピング情報を受信し、マッピング情報をマッピング情報保持部201に通知する。なお、マッピング情報が報知情報として基地局から送信される場合、データ信号受信部205の代わりに、報知情報受信部(図示せず)がマッピング情報を受信してもよい。
【0062】
図8に、本発明の実施例に係る移動局における制御信号受信方法のフローチャートを示す。
【0063】
データ信号受信部205は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースの代わりに用いる別の無線リソースのマッピング情報を受信する(S201)。受信したマッピング情報は、マッピング情報保持部201に保持される。
【0064】
制御信号受信部203は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられているかを判断する(S203)。PCFICHに用いられている場合、マッピング情報により示された別の無線リソースを使用して、PCFICHの制御信号(CFI)を受信する(S205)。PCFICHに用いられてない場合、図3に示すような所定の位置において、PCFICHの制御信号(CFI)を受信する(S207)。
【0065】
図8では、特にPCFICHを例に挙げて説明したが、本発明の実施例に係る制御信号受信方法は、PHICHの場合にも同様に適用可能である。
【0066】
<本発明の第1変形例に係る基地局及び移動局の構成及び動作>
図9に、本発明の第1変形例に係る基地局のブロック図を示す。基地局15は、管理部151と、マッピング部153と、送信電力制御部154と、制御信号送信部155と、データ信号送信部157とを有する。
【0067】
管理部151は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する。特に、キャリアアグリゲーションを構成するコンポーネントキャリアが周波数軸上で非対称的になっている場合、どのサブキャリアが移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するかを管理する。
【0068】
マッピング部153は、PCFICH及びPHICHをリソースエレメントグループにマッピングする。例えば、PCFICH及びPHICHは、図3に示すような所定の位置にマッピングされる。
【0069】
送信電力制御部154は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられるかを判断する。PCFICHに用いられる場合、そのサブキャリアの送信電力を減少させ、残りのサブキャリアの送信電力を増加させる。図3を参照して説明したように、PCFICHには、4個のリソースエレメントグループ(すなわち、16個のリソースエレメント)が用いられる。PCFICHの送信電力の振幅を図10に示す。図10(A)は、送信電力制御が行われていない場合の振幅を示している。移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが16個のリソースエレメントの1つに相当する場合、送信電力制御部154は、そのリソースエレメントの送信電力を減少させてもよい。より具体的には、送信電力をヌルに設定してもよい。更に、図10(B)に示すように、同じリソースエレメントグループに属する残りの3個のサブキャリアの送信電力を増加させてもよい。或いは、残りの15個のサブキャリアの送信電力を増加させてもよい。
【0070】
制御信号送信部155は、無線リソースにマッピングされた制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)で制御信号(DCI、CFI、HI)を送信する。
【0071】
データ信号送信部157は、移動局宛のデータ信号を送信する。
【0072】
図11に、本発明の第1変形例に係る基地局における制御信号送信方法のフローチャートを示す。
【0073】
管理部151は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを特定する(S151)。
【0074】
マッピング部153は、図3に示すような所定の位置にPCFICHをマッピングする(S153)。
【0075】
送信電力制御部154は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられるかを判断する(S155)。ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられる場合、送信電力制御部154は、そのサブキャリアの送信電力を減少させ、残りのサブキャリアの送信電力を増加させる(S157)。ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられない場合、送信電力制御部154は、PCFICHの送信電力を制御する必要はない。
【0076】
制御信号送信部105は、PCFICHで制御信号(CFI)を送信する(S159)。
【0077】
なお、図9に示す基地局15と通信する移動局は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する場合に、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを無視し、残りのサブキャリアで制御信号(CFI)を復号する。
【0078】
第1変形例では、PCFICHの送信電力制御を例に挙げて説明したが、第1変形例の概念は、PHICHにも同様に適用可能である。
【0079】
<本発明の第2変形例に係る基地局及び移動局の構成及び動作>
図4及び図7を参照して、本発明の第2変形例に係る基地局及び移動局について説明する。第2変形例では、PCFICHで送信されるCFIを1サブフレーム毎に通知せずに、より長い期間で制御する。CFIは固定されてもよい。
【0080】
基地局10の管理部101は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する。特に、キャリアアグリゲーションを構成するコンポーネントキャリアが周波数軸上で非対称的になっている場合、どのサブキャリアが移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するかを管理する。ベースバンド信号の直流成分の位置は、運用前に予め算出され、管理部101に格納されてもよい。
【0081】
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられる可能性がある場合、PCFICHで送信されるCFIは、移動局宛のRRCメッセージとして生成され、データ信号送信部107から送信される。或いは、PCFICHで送信されるCFIは、報知情報として生成され、報知情報送信部(図示せず)から報知情報として送信されてもよい。
【0082】
マッピング部103は、PCFICH及びPHICHをリソースエレメントグループにマッピングする。例えば、PCFICH及びPHICHは、図3に示すような所定の位置にマッピングされる。
【0083】
制御信号送信部105は、無線リソースにマッピングされた制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)で制御信号(DCI、CFI、HI)を送信する。
【0084】
移動局20のデータ信号受信部205は、RRCメッセージとして送信されたCFIを受信する。また、CFIが報知情報として送信される場合、移動局20の報知情報受信部(図示せず)は、報知情報として送信されたCFIを受信する。
【0085】
制御信号受信部203は、受信したCFIによりフレーム構造がわかるため、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICHに用いられているか否かに拘らず、制御信号を受信できる。
【0086】
<本発明の第3変形例に係る基地局の構成及び動作>
図4及び図7を参照して、本発明の第3変形例に係る基地局について説明する。第3変形例では、基地局は、PUSCHの無線リソースを割り当てる際に、対応するPHICHの無線リソースが、キャリアアグリゲーションを適用して通信する場合の移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを含まないように、PUSCHの無線リソースを割り当ててもよい。
【0087】
基地局10の管理部101は、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する。特に、キャリアアグリゲーションを構成するコンポーネントキャリアが周波数軸上で非対称的になっている場合、どのサブキャリアが移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するかを管理する。ベースバンド信号の直流成分の位置は、運用前に予め算出され、管理部101に格納されてもよい。
【0088】
マッピング部103は、PCFICH及びPHICHをリソースエレメントグループにマッピングする。例えば、PCFICH及びPHICHは、図3に示すような所定の位置にマッピングされる。
【0089】
基地局10の制御信号送信部105は、上りリンクの共有チャネル(PUSCH)のための上りスケジューリンググラントを送信する場合に、前記PUSCHに対応するPHICH無線リソースが、キャリアアグリゲーションを適用して通信する場合の移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを含まないように、PUSCHの無線リソースを割り当ててもよい。あるいは、基地局10の制御信号送信部105は、上りリンクの共有チャネル(PUSCH)のための上りスケジューリンググラントを送信する場合に、前記PUSCHに対応するPHICH無線リソースが、キャリアアグリゲーションを適用して通信する場合の移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを含まないように、前記上りスケジューリンググラント内のサイクリックシフトに関する情報を設定してもよい。尚、前記サイクリックシフトに関する情報により、PHICHの無線リソースの位置が変更される。
【0090】
本変更例により、キャリアアグリゲーションを適用して通信する移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが、PHICHの無線リソースに含まれないため、前記ベースバンド信号の直流成分による特性の劣化を回避することが可能となる。
【0091】
<本発明の実施例の効果>
以上のように、本発明の実施例によれば、キャリアアグリゲーションが通信に適用される場合にも、制御チャネルの受信品質を向上させることが可能になる。
【0092】
より具体的には、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアがPCFICH又はPHICHに用いられる場合でも、別の無線リソースを用いて、PCFICH又はPHICHの受信品質を向上させることが可能になる。
【0093】
また、別の無線リソースを確保するに際して、リソースエレメントグループではなく、そのうちの1つのリソースエレメントが確保される場合、残りの3個のリソースエレメントは、PDCCHの送信等に有効活用できる。
【0094】
また、第1変形例のような送信電力制御が行われる場合、移動局は、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを無視し、残りのサブキャリアで制御信号を復号する。このとき、残りのサブキャリアの送信電力が増加しているため、制御信号を復号できる可能性が高くなる。
【0095】
また、第2変形例は、CFIを動的に変更する必要がない場合に有効である。
【0096】
説明の便宜上、本発明の実施例に係る基地局及び移動局は機能的なブロック図を用いて説明しているが、本発明は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。また、2以上の実施例及び変形例が必要に応じて組み合わせて使用されてもよい。
【0097】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0098】
10 基地局
101 管理部
103 マッピング部
105 制御信号送信部
107 データ信号送信部
20 移動局
201 マッピング情報保持部
203 制御信号受信部
205 データ信号受信部
15 基地局
151 管理部
153 マッピング部
154 送信電力制御部
155 制御信号送信部
157 データ信号送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する管理部と、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースとは異なる無線リソースに、前記移動局用の所定の制御チャネルをマッピングするマッピング部と、
所定の制御チャネルの制御信号を送信する制御信号送信部と、
を有する基地局。
【請求項2】
前記マッピング部は、所定の規則に従って、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが含まれるリソースエレメントグループとは異なるリソースエレメントグループに、所定の制御チャネルをマッピングする、請求項1の基地局。
【請求項3】
前記マッピング部は、所定の規則に従って、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが含まれるリソースエレメントグループとは異なるリソースエレメントグループのうち、1つのリソースエレメントに、所定の制御チャネルをマッピングする、請求項1の基地局。
【請求項4】
異なる無線リソースの情報を送信するマッピング情報送信部を更に有する、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の基地局。
【請求項5】
前記所定の制御チャネルは、PCFICH又はPHICHである、請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の基地局。
【請求項6】
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局における制御信号送信方法であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理するステップと、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースとは異なる無線リソースに、前記移動局用の所定の制御チャネルをマッピングするステップと、
所定の制御チャネルの制御信号を送信するステップと、
を有する制御信号送信方法。
【請求項7】
キャリアアグリゲーションを適用して基地局と通信する移動局であって、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースの代わりに用いる無線リソースのマッピング情報を保持するマッピング情報保持部と、
前記マッピング情報保持部に保持されたマッピング情報に基づいて、所定の制御チャネルの制御信号を受信する制御信号受信部と、
を有する移動局。
【請求項8】
キャリアアグリゲーションを適用して基地局と通信する移動局における制御信号受信方法であって、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの無線リソースの代わりに用いる無線リソースのマッピング情報を保持するステップと、
前記マッピング情報保持部に保持されたマッピング情報に基づいて、所定の制御チャネルの制御信号を受信するステップと、
を有する制御信号受信方法。
【請求項9】
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する管理部と、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの送信電力を減少させ、所定の制御チャネルの残りのサブキャリアの送信電力を増加させる送信電力制御部と、
所定の制御チャネルの制御信号を送信する制御信号送信部と、
を有する基地局。
【請求項10】
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局における制御信号送信方法であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理するステップと、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアの送信電力を減少させ、所定の制御チャネルの残りのサブキャリアの送信電力を増加させるステップと、
所定の制御チャネルの制御信号を送信するステップと、
を有する制御信号送信方法。
【請求項11】
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理する管理部と、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、所定の制御チャネルの制御信号を前記移動局宛のメッセージ又は報知情報として生成する生成部と、
前記移動局宛のメッセージ又は報知情報を送信する送信部と、
を有する基地局。
【請求項12】
キャリアアグリゲーションを適用して移動局と通信する基地局における制御信号送信方法であって、
前記移動局でのベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアを管理するステップと、
ベースバンド信号の直流成分に位置するサブキャリアが所定の制御チャネルに用いられる場合、所定の制御チャネルの制御信号を前記移動局宛のメッセージ又は報知情報として生成するステップと、
前記移動局宛のメッセージ又は報知情報を送信するステップと、
を有する制御信号送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−238989(P2011−238989A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105993(P2010−105993)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】