説明

基地局装置及び端末装置

【課題】基地局装置が自己の位置を推定する。
【解決手段】基地局装置1は、端末装置2と通信するために無線信号の送受信を行う端末用RF部4と、この端末用RF部4との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部5とを備えている。基地局装置1は、更に、放送所Bから送信された放送波を受信する放送波用RF部7と、複数の放送所Bから送信され前記放送波用RF部7が受信した放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する位置推定部32とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基地局装置を備えた無線通信システムにおいて、当該複数の基地局装置それぞれが設定する通信エリア(セル)が重複している場合、ある基地局装置から送信された信号が、近傍の他の基地局装置のセル内にある端末装置に届いてしまい、その端末装置にとって干渉信号となることがある。
このような干渉は、ビームフォーミングにより抑制できることがよく知られている。つまり、自セル内の端末装置(自己の端末装置ともいう)にはビームを向けつつも、他の基地局装置のセル内にある端末装置(他の端末装置ともいう)には、ヌルビームを向けるようにビームフォーミングを行うことで、自基地局装置からの信号(干渉信号)が他の端末装置に届きにくくなり、干渉が抑制される(なお、ビームフォーミングについては、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】菊間信良著、「アレーアンテナによる適応信号処理」、科学技術出版、1998年11月25日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記無線通信システムでは、基地局装置として、例えば、数キロメートルの大きさのセル(マクロセル)を形成するマクロ基地局装置と、前記マクロセル内に設置され数十メートル程度の比較的小さなセル(フェムトセル)を形成するフェムト基地局装置とを備えたものがある。
【0005】
上記無線通信システムでは、フェムト基地局装置が形成するフェムトセルは、マクロセル内に形成されることがあり、そのほぼ全域がマクロセルと重複することがある。さらに、フェムト基地局装置は、ユーザによってマクロセル内で任意の場所に設置されることがあるため、例えば、マクロ基地局装置が送信する下り信号が、当該フェムト基地局装置に接続する端末装置に干渉を与えたり、マクロ基地局装置に接続する端末装置が送信する上り信号が、当該フェムト基地局装置に干渉を与えたりする場合がある。
そこで、例えばマクロ基地局装置が上記ビームフォーミングを利用することが考えられるが、どの方向にヌルビームを向ければよいか、当該マクロ基地局装置にとっては不明であり、好適に干渉を抑制することが困難である。
【0006】
前記干渉抑制の制御を行うためには、フェムト基地局装置の位置を、マクロ基地局装置が取得できればよく、このために、フェムト基地局装置がGPS受信機を備え、GPS信号により自己の位置を取得し、この自己の位置についての情報を何らかの手段によってマクロ基地局装置へ送信できればよい。
しかし、GPS信号を用いる場合、フェムト基地局装置が見晴らしの良い場所に設置されていればよいが、電波が微弱であるため、屋内等の見晴らしの悪い場所に設置されると、正確な位置を取得することが困難になることがある。
【0007】
そこで、本発明は、基地局装置が自己の位置を推定することができる新たな技術的手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の基地局装置は、端末装置と通信するために無線信号の送受信を行う送受信部と、当該送受信部との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部とを備えた基地局装置であって、放送所から送信された放送波を受信する放送波受信部と、複数の放送所から送信され前記放送波受信部が受信した放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する位置推定部とを備えていることを特徴とする。
放送所からの距離と、当該放送所から放送された放送波の受信電力との間に関係を有することから、本発明によれば、複数の放送所から放送された放送波の受信電力を用いることにより、位置推定部は自己の位置を推定することができる。
なお、単一の放送所から放送された放送波では、当該放送所からどの程度離れているかについては推定できるが、当該放送所からどの方向が自己の位置となるかについては判断できない。しかし、本発明では、複数の放送所から放送された放送波を用いているので、自己の位置の推定が可能となる。
【0009】
(2)また、前記位置推定部は、自己が設置される地域に放送波を放送している複数の放送所それぞれに関する情報であって当該複数の放送所それぞれから放送された放送波の受信電力から自己の位置を推定するために用いられる位置推定用情報を取得する取得部と、前記放送波受信部が受信した前記放送波の受信電力と前記位置推定用情報とに基づいて自己の位置を推定する推定処理本体部とを有している構成とすることができる。
この場合、取得部が前記位置推定用情報を取得すると、推定処理本体部は、前記放送波受信部が受信した放送波の受信電力と、当該位置推定用情報とに基づいて、自己の位置を推定することができる。
また、位置推定に用いる前記位置推定用情報は、自己が設置される地域に放送波を放送している複数の放送所それぞれに関する情報であるため、基地局装置は、当該地域を識別し、その周辺にある放送所に関する位置推定用情報を取得すればよい。
【0010】
(3)そして、この基地局装置において、自己が設置される地域を識別する手段として、例えば、基地局装置を設置する際にユーザがその設置位置(地域)を当該基地局装置に入力し、これにより、その設置位置(地域)に放送波を放送している放送所を、基地局装置が選定してもよいが、前記位置推定部は、前記放送波受信部が受信した放送波に基づいて自己が設置されている地域を識別することにより、当該地域に放送波を送信している放送所を複数選定する選定部を備え、前記取得部は、前記選定部によって選定された複数の放送所それぞれについての前記位置推定用情報を取得する構成とすることができる。
この場合、選定部が、放送波受信部が受信した放送波に基づいて自己が設置されている地域を識別することにより、当該地域に放送波を送信している放送所を複数選定する。例えば、選定部が、放送波に含まれているエリアコードを参照することによって、自己が設置されている地域を識別することができ、予め、地域と当該地域に放送波を放送している放送所とが対応付けられて蓄積された情報に基づいて、当該地域に放送波を放送している放送所を、選定部が複数選定することが可能である。
そして、選定された複数の放送所それぞれについての位置推定用情報を、例えばネットワーク等から、前記取得部は取得することができる。
【0011】
(4)また、前記基地局装置において、前記位置推定部は、放送所から送信され前記放送波受信部が受信した放送波の受信電力を計測する受信電力計測部を備え、前記位置推定用情報は、各放送所からの位置と、当該位置で受信可能となる当該放送所からの放送波の受信電力とが対応付けられて蓄積された位置−電力対応情報であり、前記推定処理本体部は、複数の放送所から送信され前記受信電力計測部が計測した放送波の受信電力、及び、前記位置−電力対応情報を用いて、自己の位置を推定することができる。
この場合、受信電力計測部が、放送所から放送された放送波の受信電力を計測することで、推定処理本体部は、当該受信電力及び前記位置推定用情報を用いて、自己の位置を推定することができる。
【0012】
(5)また、前記位置推定部が自己の位置を推定するために用いる複数の放送所から送信された複数の放送波は、周波数が重複しない放送波とした場合、複数の放送波を区別することができ、それぞれの放送波の受信電力を用いることにより、自己の位置の推定が可能となる。
【0013】
(6)また、前記位置推定部が自己の位置を推定するために用いる複数の放送所から送信された複数の放送波に、周波数が同一であって放送所間で同期して送信された放送波が含まれている場合、前記位置推定部は、周波数が同一である前記放送波の受信時間差を求め、当該受信時間差が生じる領域上に自己の位置が存在すると推定することができる。
異なる放送所から同一の周波数の放送波が同期して送信されている場合、放送波受信部は、マルチパス伝送路による信号を受信することになるが、この信号を、例えば逆フーリエ変換することによって時間領域で表現することで、位置推定部は、複数の放送波の受信時間差を求めることができる。
そして、前記のような受信時間差が生じる領域は、限定されることから、当該受信時間差が生じる領域上に自己の位置が存在すると推定することができる。例えば、二つの放送所から同時に送信された同一周波数の放送波が、所定の受信時間差で受信される領域は、当該二つの放送所間の双曲線上の領域となる。このように、受信時間差が生じる領域を限定することができ、当該領域を、自己位置の推定に用いることができる。
【0014】
(7)前記基地局装置は、自らが放送波を用いて位置推定する場合であるが、端末装置が放送を用いて自らが位置推定を行い、推定した位置情報を基地局装置に送信し、当該基地局装置がこれを受信して自己(基地局装置)の位置を推定してもよい。
すなわち、本発明は、端末装置と通信するために無線信号の送受信を行う送受信部と、当該送受信部との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部とを備えた基地局装置であって、複数の放送所から送信された放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する端末装置から、当該端末装置の位置についての情報を受信する前記送受信部と、前記送受信部が受信した前記端末装置の位置についての情報に基づいて、自己の位置を推定する位置推定部とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、端末装置が、複数の放送所から送信された放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定すると、当該端末装置から、当該端末装置の位置についての情報を基地局装置の送受信部が受信し、基地局装置の位置推定部が、当該端末装置の位置についての情報に基づいて、自己の位置を推定することができる。
【0015】
(8)また、本発明は、基地局装置と通信するために無線信号の送受信を行う送受信部と、当該送受信部との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部とを備えた端末装置であって、放送所から送信された放送波を受信する放送波受信部と、複数の放送所から送信され前記放送波受信部が受信した放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する位置推定部とを備え、前記送受信部は、基地局装置によって当該基地局装置の位置を推定させるために、前記位置推定部が推定した自己の位置についての情報を当該基地局装置に送信することを特徴とする。
本発明によれば、端末装置の位置推定部が、複数の放送所から送信された放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定すると、当該推定した自己の位置についての情報を、送受信部によって基地局装置に送信する。これにより、基地局装置は、端末装置の位置についての情報に基づいて、自己(基地局装置)の位置を推定することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、複数の放送所から放送された放送波の受信電力を用いることにより、基地局装置は、自己の位置を推定することができ、例えば、この位置情報を取得した周囲の無線通信装置は、当該基地局装置のセルとの間で生じる干渉抑制制御を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の基地局装置を備えた無線通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】LTEにおける上り及び下りそれぞれの無線フレームの構造を示す図である。
【図3】DLフレームの詳細な構造を示す図である。
【図4】フェムト基地局装置の構成を示すブロック図である。
【図5】自己の位置の推定処理を説明するフローチャートである。
【図6】自己の位置の推定処理を説明する説明図である。
【図7】位置推定部による処理を説明する説明図である
【図8】自己の位置の推定処理を説明する説明図である。
【図9】フェムト基地局装置による送信処理のフローチャートである。
【図10】他の実施形態の基地局装置及び端末装置の構成の概略を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
〔1.通信システムの構成〕
図1は、本発明の基地局装置を備えた無線通信システムの構成を示す概略図である。
この無線通信システムは、複数の基地局装置1と、この基地局装置1との間で無線通信を行うことができる複数の端末装置2(移動端末)とを備えている。
複数の基地局装置1には、例えば数キロメートルの大きさの通信エリア(マクロセル)MCを形成する複数のマクロ基地局装置1aと、マクロセルMC内に設置され数十メートル程度の比較的小さなフェムトセルFCを形成する複数のフェムト基地局装置1bとが含まれている。
【0019】
マクロ基地局装置1aは、自己のマクロセルMC内にある端末装置との間で無線通信を行うことができる。
また、フェムト基地局装置1bは、例えば、屋内等、マクロ基地局装置1aの無線波を受信し難い場所等に配置され、上記フェムトセルFCを形成する。フェムト基地局装置1bは、自己が形成するフェムトセルFC内にある端末装置との間で無線通信が可能であり、本システムでは、マクロ基地局装置1aの無線波が受信し難い場所等においても、その場所に比較的小さいフェムトセルFCを形成するフェムト基地局装置1bを設置することで、端末装置に対して十分なスループットでのサービスの提供を可能にする。
なお、以下の説明では、フェムト基地局装置1bに接続する端末装置2をフェムト端末装置2bともいい、マクロ基地局装置1aに接続する端末装置2をマクロ端末装置2aともいう。
【0020】
本実施形態の無線通信システムは、例えば、LTE(Long Term Evolution)が適用される携帯電話用のシステムであり、基地局装置と端末装置との間において、LTEに準拠した通信が行われる。LTEでは、周波数分割複信(FDD)方式を採用することができ、本実施形態では、FDD方式を採用しているものとして説明する。なお、通信システムとしては、LTEに限られるものではなく、また、FDD方式に限られるものでもなく、例えば、TDD(時分割複信)方式であってもよい。
【0021】
〔2.LTEのフレーム構造〕
本実施形態の通信システムが準拠するLTEにおいて採用可能なFDD方式においては、上り信号(端末装置から基地局装置への送信信号)と、下り信号(基地局装置から端末装置への送信信号)との間で、互いに異なる使用周波数を割り当てることで、上り通信と下り通信とを同時に行う。
また、本実施形態においては、下りリンク側の無線通信にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上りリンク側の無線通信にSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)を採用している。
【0022】
図2は、LTEにおける上り及び下りリンクそれぞれの無線フレームの構造を示す図である。LTEにおける下り側の基本フレームである無線フレーム(DLフレーム)及び上り側の無線フレーム(ULフレーム)は、その1無線フレーム分の時間長さがそれぞれ10ミリ秒であり、#0〜#9まで10個のサブフレームによって構成されている。これらDLフレームとULフレームは、そのタイミングが揃えられた状態で、時間軸方向に配列される。
なお、上記DLフレーム及びULフレームのタイミングは、各基地局装置間でも揃えられており、いわゆる基地局間同期がとれた状態で、各セルでの通信が行われる。
【0023】
図3は、DLフレームの詳細な構造を示す図である。図中、縦軸方向は周波数を示しており、横軸方向は時間を示している。
DLフレームを構成するサブフレームは、それぞれ2つのスロット(例えば、スロット♯0,♯1)により構成されている。また、1つのスロットは、7個(♯0〜♯6)のOFDMシンボルにより構成されている(Normal Cyclic Prefixの場合)。
また、図中、データ伝送の上での無線リソース割り当ての最小単位であるリソースブロック(Resource Block)は、周波数軸方向に12サブキャリア、時間軸方向に7OFDMシンボル(1スロット)で定められる。従って、例えば、DLフレームの周波数帯域幅が5MHzに設定されている場合、300個のサブキャリアが配列されるので、リソースブロックは、周波数軸方向に25個配置される。
【0024】
図3に示すように、各サブフレームの先頭には、基地局装置が端末装置に対し、下り通信に必要な制御チャネルを割り当てるための伝送領域が確保されている。この伝送領域は、各サブフレームにおいて先頭側に位置するスロットのシンボル♯0〜♯2(最大で3シンボル)で割り当てられており、ユーザデータ等が格納されるPDSCH(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)及びPUSCH(PDSCH:Physical Uplink Shared Channel)の割当情報等を含む下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)や、PDCCHに関する情報を通知するための制御チャネル構成指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、PUSCHに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)の受信成功通知(ACK:Acknowledgement)、受信失敗通知(NACK:Negative Acknowledgement)を送信するためのハイブリッドARQ指示チャネル(Physical Hybrid−ARQ Indicator Channel)が割り当てられている。
【0025】
また、DLフレームにおいて、1番目のサブフレーム♯0には、ブロードキャスト送信によってシステムの帯域幅等を端末装置に通知するための同報チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)が割り当てられる。PBCHは、時間軸方向において、1番目のサブフレーム♯0における後方側のスロットのシンボル♯0〜♯3の位置に4つのシンボル幅で配置され、周波数軸方向において、DLフレームの帯域幅の中央の位置に6リソースブロック幅分(72サブキャリア)で割り当てられる。このPBCHは、4フレームにわたって同一の情報を送信することで、40ミリ秒ごとに更新されるように構成されている。
PBCHには、通信帯域幅や、制御情報の構造等の主要なシステム情報が格納される。
また、PBCHには、マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)が格納されている。このマスタ情報ブロックには、PDSCHに格納され自己に接続する端末装置に対して送信されるシステム情報ブロック1(SIB1:System Information Block1)の割当位置に関する情報や、対応するPDSCHの復調に必要な無線フレーム番号が含まれている。
【0026】
また、DLフレームを構成する10個のサブフレームの内、1番目(♯0)及び6番目(♯5)のサブフレームそれぞれには、基地局装置やセルを識別するための信号である、第一同期信号及び第二同期信号(P−SCH:Primary Synchronizaiton Channel,S−SCH:Secondary Synchronizaiton Channel)が割り当てられている。
【0027】
P−SCHは、時間軸方向において、サブフレーム♯0及びサブフレーム♯5それぞれにおける先頭側のスロットの最後のOFDMシンボルであるシンボル♯6の位置に1つのシンボル幅で配置され、周波数軸方向において、DLフレームの帯域幅の中央の位置に6リソースブロック幅分(72サブキャリア)で配置されている。このP−SCHは、端末装置が、基地局装置のセルを分割した複数(3個)のセクタそれぞれを識別するための情報であり、3パターン定義されている。
S−SCHは、時間軸方向において、サブフレーム♯0及びサブフレーム♯5それぞれにおける先頭側のスロットの最後から2番目のOFDMシンボルであるシンボル♯5の位置に1つのシンボル幅で配置され、周波数軸方向において、DLフレームの帯域幅の中央の位置に6リソースブロック幅分(72サブキャリア)で配置されている。このS−SCHは、端末装置が、複数の基地局装置の通信エリア(セル)それぞれを識別するための情報であり、168パターン定義されている。
【0028】
P−SCH及びS−SCHは、相互に組み合わせることによって504種類(168×3)のパターンが定義されている。端末装置は、基地局装置から送信されたP−SCH及びS−SCHを取得することで、自端末が、どの基地局装置のどのセクタに存在するかを認識することができる。
P−SCH及びS−SCHがとり得る複数のパターンは、通信規格において予め定められており、各基地局装置及び各端末装置において既知である。つまり、P−SCH及びS−SCHは、それぞれ、複数のパターンをとり得る既知信号である。
【0029】
上述の各チャネルが割り当てられていない他の領域のリソースブロックは、ユーザデータ等を格納するための上述の下りリンク共有チャネル(PDSCH)として用いられる。 このPDSCHは、複数の端末装置で共有して用いられるエリアであり、ユーザデータの他、後に説明する位置情報や、各端末装置個別の制御情報等も格納される。
格納される制御情報としては、上述のSIB1が挙げられる。つまり、PDSCHには、SIB1用に割り当てられているものがある。SIB1には、システム情報ブロック(例えばSIB2〜SIB12)の割当位置に関する情報が含まれている。システム情報ブロックとしては、例えば、現在接続している基地局装置がマクロであるかフェムトであるかを示すフラグであるSIB2や、基地局装置の名前に関する情報を格納するSIB9等がある。
PDSCHに格納されるユーザデータの割り当てについては、各サブフレームの先頭に割り当てられているPDCCHに格納される、下りの無線リソース割当に関する下り割当情報により端末装置に通知される。この下り割当情報は、PDSCHごとの無線リソース割当を示す情報であり、端末装置は、この下り割当情報によって、そのサブフレーム内に自己に対するデータが格納されているか否かを判断できる。
【0030】
〔3.基地局装置(フェムト基地局装置)の構成〕
図4は、フェムト基地局装置1bの構成を示すブロック図である。ここでは、フェムト基地局装置1bの構成について説明するが、マクロ基地局装置1aの構成も、フェムト基地局装置1bと同様である。
フェムト基地局装置1bは、端末装置2bと通信するための第一のアンテナ3と、このアンテナ3が接続され端末装置2bと通信するために無線信号の送受信を行う送受信部(端末用RF部)4と、この端末用RF部4との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部5を備えている。端末用の第一のアンテナ3は、端末装置2bとの間における電波の送受信に適合する構成である。
【0031】
また、フェムト基地局装置1bは、放送所Bから放送されている放送波を受信する第二のアンテナ6と、このアンテナ6が接続されている放送波受信部(放送波用RF部)7とを備えている。前記放送所Bは、例えば、地上デジタルテレビジョン放送の電波を送信する電気的設備であり、送信所ともいう。放送波用の前記第二のアンテナ6は、放送所Bからの放送波の受信に適合する構成である。
【0032】
〔3.1 端末用RF部〕
端末用RF部4は、上り信号受信部11、下り信号受信部12、及び送信部13を備えている。上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号を受信するためのものであり、下り信号受信部12は、マクロ基地局装置1a又は他のフェムト基地局装置1bからの下り信号を受信(傍受)するためのものである。送信部13は、自己のフェムトセルFCへ下り信号を送信するためのものである。
【0033】
また、端末用RF部4は、サーキュレータ14を備えている。このサーキュレータ14は、アンテナ3からの受信信号を、上り信号受信部11及び下り信号受信部12側へ与え、送信部13から出力された送信信号を、アンテナ3側へ与えるためのものである。
上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号の周波数帯域のみを通過させるフィルタや、増幅器、A/D変換器等を備えており、アンテナ3が受信する受信信号より端末装置2からの上り信号を取得し、これを増幅するとともにデジタル信号に変換し信号処理部5に出力する。このように、上り信号受信部11は、端末装置2からの上り信号の受信に適合して構成された受信部であって、基地局装置として本来的に必要な受信部である。
【0034】
送信部13は、D/A変換器や、フィルタ、増幅器等を備えており、信号処理部5からデジタル信号として出力される送信信号を受け取り、これをアナログ信号に変換するとともに増幅しアンテナ3から下り信号として送信させる機能を有している。
【0035】
本実施形態のフェムト基地局装置1bは、更に下り信号受信部12を備えている。この下り信号受信部12は、自己以外の他の基地局装置1が送信した下り信号を受信(傍受)するためのものである。
この下り信号受信部12は、他の基地局装置1からの下り信号の周波数帯域だけを通過させるフィルタや、増幅器、A/D変換部等を備えており、アンテナ3が受信する受信信号より他の基地局装置1からの下り信号を取得し、これを増幅するとともにデジタル信号に変換し出力する。
下り信号受信部12から出力された下り受信信号は、信号処理部5に与えられ、変復調部21等によって処理される。
【0036】
〔3.2 放送波用RF部〕
放送波用RF部7は、放送所Bから放送されている放送波を受信するためのものであり、放送波の周波数帯域のみを通過させるフィルタや、増幅器、A/D変換器等を備えており、アンテナ6が受信する放送波を取得し、これを増幅するとともにデジタル信号に変換し、信号処理部5が備えている復調部8を介して後述の位置推定部32に出力する。放送波用RF部7は、放送所Bからの放送波の受信に適合して構成された受信部である。
【0037】
以上のように、フェムト基地局装置1bは、自セル(フェムトセルFC)内の端末装置2bと無線通信するために、基地局装置として本来的に必要な、アンテナ3、端末用RF部4、及び信号処理部5を備えている。そして、このフェムト基地局装置1bは、自己の位置を推定するために、放送波用アンテナ6と放送波用RF部7とを更に、備えている。
【0038】
〔3.3 信号処理部〕
信号処理部5は、当該信号処理部5の上位レイヤと、端末用RF部4との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行うための変復調部21を備えている。変復調部21は、上り信号受信部11から与えられる上り信号を上りの受信情報として復調し前記上位レイヤに出力するとともに、前記上位レイヤから与えられる各種送信情報(報知情報)を変調する機能を有している。
そして、前記端末用RF部4の送信部13によって、自己と通信する端末装置2bに、当該端末装置2bにとって有用な前記送信情報(報知情報)が、下り信号として送信される。
【0039】
変復調部21は、前記上位レイヤから与えられる報知情報について、スケジューリング部26の指令に基づいて、所定のデータ単位ごとに所定の方式で変調を行うとともに、変調されたデータについてリソースブロック単位ごとでDLフレームに対する割り当てを行い、自己の下り信号を生成する機能を有している。
また、変復調部21は、下り信号受信部12にて受信された他セルの下り信号を復調したり、上り信号受信部11にて受信された他セルの上り信号を復調したりすることもできる。
【0040】
放送波用の復調部8は、放送波用RF部7から与えられる放送波信号を復調する機能を有しており、信号処理部5が有している位置推定部32に出力する。
位置推定部32は、放送所Bから送信され前記放送波用RF部7が受信した放送波を用いて自己(フェムト基地局装置1b)の位置を推定する機能を備えている。この位置推定部32は、自己の位置を推定するために、複数の放送所から送信された複数の放送波を用いる。本実施形態(図1参照)では、三つの放送所B1,B2,B3から放送されている放送波W1,W2,W3を用いる。
位置推定部32は、位置の推定を実行する推定処理本体部40、後述の位置推定用情報を取得する取得部41、所定の放送所を複数選定する選定部42、及び放送波の受信電力を計測する受信電力計測部43を有している。これらの各機能については後に説明する。
【0041】
また、信号処理部5は、前記位置推定部32によって推定された自己の位置に関する位置情報を、前記下り信号に含まれる報知情報に追加して格納する情報格納部31を有している。
なお、位置推定部32によって推定され報知情報に格納された位置情報は、後にも説明するが、他のセルの無線通信装置がこの情報を受信し、干渉抑制処理を実行する。
【0042】
〔3.4 位置の推定について(その1)〕
自己(フェムト基地局装置1b)の位置の推定処理について、図5に基づいて説明する。フェムト基地局装置1bは、所定の位置に設置されると、初期設定を開始する(ステップS1)。自己の設置位置が含まれる領域では、図6に示しているように、三カ所の放送所B1,B2,B3から放送波が送信されており、この内の少なくとも一つからは、地域毎に異なる放送を行うチャネルの放送波が送信されている。地域毎に異なる放送を行うチャネルとしては、例えばNHK総合である。また、本実施形態では、放送波は、地上デジタルテレビジョン放送のものであり、また、図6の第一の放送所B1から、地域毎に異なる放送を行うチャネルの放送波が送信されているとする。
【0043】
フェムト基地局装置1bの放送波用RF部7は、アンテナ6から前記チャネルの放送波を受信し、復調部8によって復調され、放送波信号は位置推定部32に与えられる(ステップS2)。放送波信号には、ネットワーク情報テーブル(以下、NITという)が含まれており、このNITの地上分配システム記述子には、エリアコードが含まれている。
このため、放送波用RF部7によって受信した放送波に基づいて、位置推定部32の前記選定部42は、自己の設置位置の大まかな地域を識別することができる(ステップS3)。つまり、選定部42は、前記エリアコードを参照することにより、自己の設置位置の大まかな地域を識別する。本実施形態では、大まかな地域として「近畿圏」を識別する。
【0044】
なお、この放送波の電波状況は、画像として出力することができるレベルにまで達していなくてよく、NITのパケットが1回でも受信できるレベルであればよい。また、設置位置の大まかな地域を識別するために、先天部42が参照する情報は、これ以外であってもよく、ブロードキャスタ情報テーブルのbroadcaster_id(ブロードキャスタID)であってもよい。
【0045】
そして、前記選定部42は、自己の設置位置の近隣にある放送所を選定する。前記のとおり、ステップS3で、選定部42は、自己が設置されているおおまかな地域を識別していることから、この識別した地域に基づいて、当該地域に放送波を送信している放送所を複数選定する(ステップS4)。
このために、本実施形態では、フェムト基地局装置1bが設置される対象となり得る範囲(例えば日本全国)において、区画された各地域と、当該各地域に放送波を放送している放送所とが対応付けられて蓄積された放送所情報が、データベースに蓄積されている。例えば、地域として「近畿圏」では、この地域に放送波を放送している放送所として「摩耶山放送所」「比叡山放送所」「生駒山放送所」が、「近畿圏」に対応付けられて放送所情報として蓄積されている。
また、この放送所情報には、各放送所の位置についての情報も含まれており、フェムト基地局装置1b(選定部42)は、各放送所の位置を取得することができる。
【0046】
そこで、選定部42は、前記のとおり、自己が設置されているおおまかな地域を識別していることから(ステップS3)、前記放送所情報を参照し、前記識別した地域に基づいて、当該識別した地域に放送波を放送している放送所を複数選定することができる。
本実施形態では、選定部42は、識別した地域「近畿圏」に基づいて、放送所情報を参照し、当該識別した地域「近畿圏」に放送波を放送している放送所として「摩耶山放送所B1」「比叡山放送所B2」「生駒山放送所B3」を選定することができる。
なお、放送所情報が蓄積されている前記データベースは、フェムト基地局装置1bが備えていてもよいが、ネットワーク上に設けられており、図4に示しているように、フェムト基地局装置1bは、ネットワークを介して、放送所情報を取得し選定処理を行うことができる。
【0047】
また、データベースに蓄積されている他の情報として、位置推定用情報がある。位置推定用情報は、各放送所からの位置と、当該位置で受信可能となる当該放送所からの放送波の受信電力とが対応付けられて蓄積された位置−電力対応情報である。この位置−電力対応情報は、各地域に放送波を放送している放送所に関する情報であって当該放送所から放送された放送波の受信電力から自己の位置を推定するために用いられる情報である。そして、この位置−電力対応情報は、放送所毎に設定されている。
【0048】
具体的に説明すると、図6において、例えば、摩耶山放送所B1の場合、当該放送所B1から送信された電波の受信電力は、当該放送所B1から離れるにしたがって小さくなる。このことから、同じ受信電力となる地点を結んだ曲線を、受信電力の値毎に予め設定した情報が、位置−電力対応情報である。つまり、受信電力の等高線のマップであるとも言える。なお、図6では、受信電力ΔP間隔の等高線が描かれており、等高線は、ほぼ、放送所を中心とする円形となる。
【0049】
図5に戻って説明を続ける。ステップS4で前記選定部42によって選定された放送所B1,B2,B3それぞれから、フェムト基地局装置1bの放送用RF部7は、所定のチャネルの放送波を受信する(ステップS5)。本実施形態では、複数の放送所B1,B2,B3それぞれから、周波数が重複していない放送波を受信する。例えば、「摩耶山放送所B1」からの第一の放送波W1としてNHK総合(神戸)、「比叡山放送所B2」からの第二の放送波としてNHK総合(京都)、「生駒山放送所B3」から第三の放送波としてNHK総合(大阪)の放送波を受信する。なお、この放送波の電波状況は、画像を出力することができるレベルにまで達していなくてよく、位置推定部32の前記受信電力計測部43が受信電力を計測することができるレベルであればよい。
【0050】
また、前記選定部42によって選定された複数の放送所B1,B2,B3それぞれについての前記位置−電力対応情報(位置推定用情報)を、位置推定部32の前記取得部41は、前記データベースから取得する(ステップS6)。本実施形態では、「摩耶山放送所B1」「比叡山放送所B2」及び「生駒山放送所B3」それぞれについての位置−電力対応情報をデータベースから取得する。
なお、位置−電力対応情報が蓄積されているデータベースは、フェムト基地局装置1bが備えていてもよいが、ネットワーク上に設けられており、フェムト基地局装置1bがネットワーク10を介して、位置−電力対応情報を取得することができる。
【0051】
そして、前記受信電力計測部43は、三カ所の放送所B1,B2,B3から送信され放送波用RF部7が受信した、第一の放送波W1、第二の放送波W2、及び第三の放送波W3それぞれの受信電力を計測する(ステップS7)。
そして、前記推定処理本体部40は、三つの放送所B1,B2,B3から送信され受信電力計測部43が計測した放送波W1,W2,W3それぞれの受信電力、及び、ステップS6で取得部41が取得した前記位置−電力対応情報を用いて、自己の位置を推定する(ステップS8)。
【0052】
すなわち、電力計測部43が計測して得た放送波W1,W2,W3それぞれの受信電力が、P1,P2,P3であったとすると、まず、「摩耶山放送所B1」からの放送波W1の受信電力がP1であることから、「摩耶山放送所B1」の位置−電力対応情報によれば、図6の曲線L1上で当該放送波W1を受信したと推定することができる。
同様にして、「比叡山放送所B2」及び「生駒山放送所B3」についても、放送波W2,W3それぞれを受信したと推定することができる位置を表す曲線L2,L3を求めることができる。
なお、各放送所B1,B2,B3から各曲線L1,L2,L3までは、各放送波W1,W2,W3それぞれを受信した位置の、放送所B1,B2,B3それぞれからの距離を意味している。
【0053】
以上より、推定処理本体部40は、三つの曲線L1,L2,L3の交点が、自己(フェムト基地局装置1b)の位置であると推定することができる。なお、実際では、測定誤差等を含むことから、図6に示しているように、厳密な点(交点)ではなく、これら三つの曲線L1,L2,L3すべてが重なっている領域Kに、フェムト基地局装置1bが設置されていると推定することができる。
【0054】
〔3.5 位置の推定について(その2)〕
前記実施形態では、ステップS5において、選定部42によって選定された放送所それぞれから、フェムト基地局装置1bの放送用RF部7は、周波数が重複していないチャネルの放送波を受信する場合を説明した。しかし、フェムト基地局装置1bを設置する地域によっては、周辺に存在している異なる複数の放送所から、周波数が同一であって同期して放送波が放送されているシングルフリークエンシーネットワーク(SFN)を構成している地域もある。この場合の位置推定について説明する。
【0055】
つまり、本実施形態は、位置推定部32が自己(フェムト基地局装置1b)の位置を推定するために用いる複数の放送所B1,B2,B3から送信された複数の放送波W1,W2,W3に、周波数が同一であって放送所間で同期して送信された放送波が含まれている場合である。
この場合、位置推定部32は、前記周波数が同一である放送波の受信時間差を求め、当該受信時間差が生じる領域上に自己の位置が存在すると推定する。以下、この推定処理について具体的に説明する。
【0056】
ここで、仮に「摩耶山放送所B1」からの放送波W1と、「生駒山放送所B3」からの放送波W3とが、同じ周波数(同じチャネル)であり、両放送所間で同期して放送波W1,W2が放送されているとする。なお、「比叡山放送所B2」からの放送波W2は、これら放送波W1,W3と異なる。
この場合、図6のステップS5では、フェムト基地局装置1bの放送用RF部7は、マルチパス伝送路による信号を受信することになる。なお、このステップS5までの処理は、前記実施形態と同じであり、説明を省略している。
【0057】
図7は、フェムト基地局装置1bの位置推定部32による処理を説明する説明図である。放送用RF部7が受信した前記放送波W1,W3による受信信号は、図7(a)のようになる。なお、図7(a)は周波数領域で表現したものである。
【0058】
そこで、位置推定部32の推定処理本体部40は、この受信信号のインパルス応答を求める。このために、逆フーリエ変換することによって時間領域で表現する(図7(b)参照)。この処理により、放送波W1,W3の内の一方と他方との間には時間差Δtが生じており、推定処理本体部40は、放送波W1,W3の受信時間差Δtを求めることができる(ステップS11)。なお、推定処理本体部40にとって判断は不可能であるが、図7(b)では、左側を「摩耶山放送所B1」からの放送波W1、右側を「生駒山放送所B3」からの放送波W3としている。
【0059】
このように、受信時間差Δtが求められると(ステップS11)、「摩耶山放送所B1」と「生駒山放送所B3」との間において、このような受信時間差Δtが生じる領域は、限定されることから、当該受信時間差Δtが生じる領域上に自己(フェムト基地局装置1b)の位置が存在すると、推定処理本体部40は推定することができる。
すなわち、二つの放送所「摩耶山放送所B1」「生駒山放送所B3」から同時に送信された同一周波数の放送波W1,W3が、前記受信時間差Δtで受信される領域は、図8に示しているように、二つの放送所「摩耶山放送所B1」「生駒山放送所B3」の間の双曲線(曲線L4又は曲線L5)上の領域となる。このように、「摩耶山放送所B1」と「生駒山放送所B3」との放送波W1,W3を用いて、推定処理本体部40は、自己の位置の候補を推定することができる(ステップS12)。
【0060】
そして、前記実施形態と同様に、放送波用RF部7は、「比叡山放送所B2」からの放送波W2の放送波を受信し(図5のステップS5)、受信電力計測部43は、当該放送波W2の受信電力(P3)を計測する(ステップS7)。また、前記実施形態と同様に、選定部42によって選定されている「比叡山放送所B2」についての前記位置−電力対応情報を、取得部41が取得する(ステップS6)。
図8において、計測された「比叡山放送所B2」からの放送波W3の受信電力がP3であるとすると、前記位置−電力対応情報によれば、図8の曲線L6上で当該放送波W3を受信したと、推定処理本体部40は推定することができる。
以上より、推定処理本体部40は、自己の位置の候補である前記曲線L4及び前記曲線L5の内の一方と、曲線L6との交点が、フェムト基地局装置1bの位置であると推定することができる(ステップS8)。
【0061】
以上のように、放送所からの距離と、当該放送所から放送された放送波の受信電力との間に関係を有することから、本発明の基地局装置(フェムト基地局装置1b)によれば、位置推定部32は、放送所B1,B2,B3から送信され放送波用RF部7が受信した放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定することができる。
また、位置推定部32の取得部41が、位置推定用情報として位置−電力対応情報を取得することから、位置推定部32の推定処理本体部40は、放送波用RF部7が受信した放送波の受信電力と、当該位置−電力対応情報とに基づいて、自己の位置を容易に推定することができる。
また、この位置−電力対応情報は、各地域に放送波を放送している複数の放送所それぞれに関する情報であるが、前記選定部42によって自己が設置される地域を識別し、その地域の周辺にある放送所に関する位置−電力対応情報を、取得部41が取得すればよい。
【0062】
なお、前記実施形態では、放送波RF部7が受信した放送波に基づいて、自己が設置されている地域を識別することにより、当該地域に放送波を送信している放送所を複数選定しているが、自己が設置される地域を基地局装置が識別するその他の手段として、例えば、基地局装置を設置する際に、ユーザがその設置位置(地域)を当該基地局装置に入力してもよい。これにより、その設置位置(地域)に放送波を放送している放送所を、基地局装置が選定してもよい。
【0063】
〔3.6 位置情報の格納について〕
図4に戻って、フェムト基地局装置1bにおける位置情報の格納について説明する。
信号処理部5は、自己(フェムト基地局装置1b)の位置(前記推定位置)に関する位置情報を、報知情報に追加して格納する情報格納部31を備えている。この位置情報は、他のセルの無線通信装置が干渉抑制処理に用いる情報となる。また、前記他のセルの無線通信装置とは、前記報知情報を受信する側の装置であり、送信側のフェムト基地局装置1bが形成するフェムトセルFCとは異なるセルを形成するマクロ基地局装置1aと、送信側のフェムト基地局装置1bの近くに設置されるが別であるフェムト基地局装置1bとがある。
【0064】
図9は、フェムト基地局装置1bによる送信信号(報知情報)の送信処理のフローチャートである。前記位置推定部32によって、自己の位置が推定されると(ステップS20)、情報格納部31は、この位置に関する位置情報を報知情報に格納する処理を行い(ステップS30)、変復調部21はこの報知情報を変調し、前記端末用RF部2の送信部13によって、当該報知情報を下り信号として送信する(ステップS40)。
そして、自己(フェムト基地局装置1b)のセル(フェムトセルFC)とは異なる他のセルの無線通信装置(図4ではマクロ基地局装置1a)は、前記位置情報が格納されている前記報知情報を受信して、干渉抑制処理を実行することができる。
【0065】
また、ステップS40の後も、位置推定部32は、所定の周期で自己の位置を推定し、位置(位置情報)の変化を判定する(ステップS50)。閾値よりも大きく変化している場合(ステップS50のYes)、情報格納部31は、変化した位置情報を報知情報に格納し直す処理を行う(ステップS30)。位置(位置情報)が変化しない場合(ステップS50のNo)、位置の変化の判定を繰り返し実行する(ステップS50)。
【0066】
位置推定部32によって推定されたフェムト基地局装置1bの位置についての位置情報は、当該フェムト基地局装置1bが送信する報知情報の内の一部と共に、いずれかのリソースブロックに格納される。
この位置情報が格納される格納領域は、例えば、前記〔2.LTEのフレーム構造〕で説明した、基地局装置(フェムト基地局装置1b)の名前に関する情報が格納される領域であるSIB9とすることができる。
LTEでは、自己の名前を報知する領域としてSIB9が確保されている(48バイト)。このSIB9は、自己の名前を自由に設定して格納することができる領域であるため、このSIB9に「自己の名前の情報+自己の位置情報」が格納される。位置情報としては、緯度及び経度である。
【0067】
具体的に説明すると、前記位置推定部32によって自己の位置情報として例えば、経度=+135度41分35.600秒、緯度=+35度00分35.600秒が推定値として取得されたとする。この場合、情報格納部31は、この位置情報を所定の変換アルゴリズムにしたがって、次のように所定の様式に変換する。
【0068】
経度に関して、ミリ秒の単位で表した数値に変換する。つまり、以下の演算を行う。
(経度)=+135度41分35.600秒
=600(ミリ秒)+1000×35(秒)+1000×60×41(分)+1000×60×60×135(度)
=488495600(ミリ秒)
さらに、情報格納部31は、この値(488495600)をUTF−8に変換する。
488495600=0x1d1dd9f0
さらに、情報格納部31は、これを[0−9,A−Z,a−z、+2記号]の6ビットで符号化する処理を行う。
0x1d1dd9f0=0T7Tdm
【0069】
情報格納部31は、緯度についても同様の変換アルゴリズムにより変換する。
(緯度)=+35度00分35.600秒
=126035600(ミリ秒)
126035600=0x1d1dd9f0
0x1d1dd9f0=07WoQG
【0070】
フェムト基地局装置1bの自己の名前を「MyFemto」とすると、SIB9には本来「MyFemto」が格納されるはずであるが、情報格納部31は、前記符号化した位置情報を追加的に格納して「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」と書き換える。
【0071】
情報格納部31が、フェムト基地局装置1bの位置情報を格納する領域としては、前記SIB9以外であってもよく、位置情報を自由に格納することが許容されている格納領域とすることができる。
また、接続する端末装置2に与える情報を格納するために、通常はSIB2〜SIB11が設定されている場合、SIB12まで領域を拡張し、このSIB12に位置情報を格納してもよい。
【0072】
〔4 他のセルの無線通信装置における干渉抑制制御について〕
図9のステップS40で、フェムト基地局装置1bにおいて、送信情報(報知情報)に位置情報を格納して無線送信が開始されると、他のセルの無線通信装置であるマクロ基地局装置1aは、位置情報が格納されている送信情報を受信して、干渉抑制処理を実行する。マクロ基地局装置1aは、送信側であるフェムト基地局装置1bと同じ構成である。
【0073】
マクロ基地局装置1aの信号処理部は、受信した位置情報を用いて干渉抑制処理を実行するために、位置情報が格納されている報知情報から、当該位置情報を分離する分離処理機能を備えている。つまり、SIB9に格納されている場合、「MyFemto_07WoQG_0T7Tdm」から「07WoQG_0T7Tdm」を取り出すことができる。
【0074】
そして、マクロ基地局装置1aの信号処理部は、前記情報格納部31による前記変換アルゴリズムと反対の手順による変換アルゴリズムを用いて、位置情報を、緯度及び経度の情報として復元する。つまり、経度=+135度41分35.600秒、緯度+35.00.35.600が復元される。
このようにして、マクロ基地局装置1aは、フェムト基地局装置1bから傍受した下り信号から、フェムト基地局装置1bの位置情報を分けて取り出すことができるので、信号処理部は、この位置情報を干渉抑制処理に用いることが可能となる。
【0075】
マクロ基地局装置1aのアンテナは、複数のアンテナがアレイ状に並べられてアダプティブアレイアンテナとして構成されている。そして、マクロ基地局装置1aの信号処理部は、指向性制御機能を有しており、前記各アンテナの重み付けをアダプティブ制御して、アンテナの指向性を電気的に変えることができる。
そこで、マクロ基地局装置1aの信号処理部は、自己の位置情報を取得している他に、フェムト基地局装置1bの位置情報を取得していることから、当該フェムト基地局装置1bの方向、つまり、フェムトセルの方向にヌルビームを向けるようにビームフォーミングを行う。
これにより、自己のセル内の端末装置2aにはビームを向けつつも、他のセルであるフェムトセルFC内にある端末装置2bには、信号(干渉信号)が届きにくくなり、当該端末装置2bにおける干渉が抑制される。
【0076】
以上の実施形態によれば、フェムト基地局装置1bは、GPS信号を用いなくても、放送所B1,B2,B3から放送された放送波W1,W2,W3を用いることにより、自己の位置を推定することができ、この位置情報を取得したマクロ基地局装置1aは、フェムト基地局装置1bのフェムトセルとの間で生じる干渉抑制制御を実行することが可能となる。
【0077】
〔5 端末装置が放送波を用いて位置推定する実施形態〕
図4に示した前記実施形態の基地局装置(フェムト基地局装置1b)は、自らが放送波を用いて位置推定する場合であったが、以下に説明する実施形態(図10)では、端末装置2が放送所Bからの放送波を用いて自己(端末装置2)の位置推定を行い、基地局装置1がその情報を受信して自己(基地局装置1)の位置を推定する。
【0078】
〔5.1 端末装置〕
このために、端末装置2は、基地局装置1と無線通信するために、端末装置として本来的に必要な、アンテナ51、このアンテナ51に接続され基地局装置1と通信するために無線信号の送受信を行う基地局用RF部(送受信部)52と、この基地局用RF部52との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部53と、キーボードやモニタ等からなり送受信データの入出力を行うための入出力部56とを備えている。
信号処理部53は、基地局用RF部52及び入出力部56を制御するとともに、変復調等の基地局装置との間で通信を行うために必要な処理を行う。
【0079】
そして、この端末装置2は、基地局装置1と無線通信するための本体的に必要な前記構成の他に、放送波用のアンテナ50と、このアンテナ50に接続され放送所Bから送信された放送波を受信する放送波受信部(放送波用RF部)54と、複数の放送所Bから送信され前記放送波用RF部54が受信した放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する位置推定部55とを備えている。なお、本実施形態では、信号処理部53が、前記位置推定部55の機能を有している。
【0080】
放送波用RF部54は、例えば地上デジタルテレビジョン放送の電波を受信して画像を表示可能である従来より知られている携帯電話に搭載されている機能によって構成することができ、また、この放送波用RF部54は、前記実施形態(図4)で説明した基地局装置1bが備えている放送波用RF部7と、地上デジタルテレビジョン放送の電波を受信可能である点で、同じである。
また、端末装置2が備えている前記位置推定部55の構成及び機能は、前記実施形態(図4)で説明した基地局装置1bが備えている位置推定部32と同じである。このため、端末装置2による自己の位置の推定処理は、図5と同じステップが順に実行されることで実現される。
【0081】
これにより、端末装置2は、GPS信号を用いないで、放送波を用いて自己の位置を推定することができる。そして、この端末装置2は、当該位置に関する位置情報を、前記基地局用RF部52及び前記アンテナ51を介して、自己と通信する基地局装置1に送信する。
【0082】
〔5.2 基地局装置〕
そして、この位置情報を受信した基地局装置1は、端末装置2が推定した当該端末装置2の位置に基づいて、当該基地局装置1の位置を推定する処理を実行する。
このために、基地局装置1は、アンテナ103と、このアンテナ103に接続され端末装置2と通信するために無線信号の送受信を行う送受信部(端末用RF部)104と、この端末用RF部104との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部105とを備えている。
前記アンテナ103、前記端末用RF部104、及び、前記信号処理部105は、端末装置2と無線通信するために本来的に必要な機能であり、その機能は、前記実施形態(図4)のものとそれぞれ同様である。
信号処理部105は、端末用RF部104を制御するとともに、変復調等の端末装置1との間で通信を行うために必要な処理を行う。
【0083】
そして、前記のとおり、端末装置2は、複数の放送所Bから送信された放送波の受信電力を用いて自己(端末装置2)の位置を推定していることから、この端末装置2から、当該端末装置2の位置についての位置情報を、アンテナ103を用いて前記端末用RF部104は受信する。
そして、この基地局装置1は、端末用RF部104が受信した端末装置2の位置についての位置情報に基づいて、自己(基地局装置1)の位置を推定する位置推定部132を有している。なお、本実施形態では、信号処理部105が位置推定部132の機能を有している。
【0084】
位置推定部132による自己の位置の推定処理は、以下のとおりである。
端末装置2は、接続している基地局装置1の近傍に存在していることから、基地局装置1の位置推定部132は、取得した端末装置2の位置情報に基づく位置を、そのまま基地局装置1の位置とみなす処理を実行することで、自己の位置を取得することができる。
または、基地局装置1のセル内に複数の端末装置2が存在しており、これら複数の端末装置2から当該端末装置2それぞれの位置情報を取得できている場合、位置推定部132は、取得した複数の位置情報に基づく位置の平均値を求め、当該平均値を自己の位置とみなす処理を実行することで、自己の位置を取得することができる。
【0085】
以上のように、図10の実施形態の場合、端末装置2が、複数の放送所Bから送信された放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定すると、当該端末装置2の位置についての情報を、基地局装置1の端末用RF部104が受信する。そして、基地局装置1の位置推定部132は、この端末装置2の位置についての情報に基づいて、自己の位置を推定することができる。
【0086】
前記各実施形態では、基地局装置の位置を推定するために用いた放送波を、地上デジタルテレビジョン放送の放送波として説明したが、放送波はこれ以外であってもよく、例えば、アナログ放送や、AM方式又はFM方式のラジオ放送等の放送波であってもよい。
また、前記実施形態では、位置情報に基づいて実行する干渉抑制処理を、指向性制御として説明したが、これ以外であってもよく、送信電力制御等とすることもできる。
【0087】
また、前記実施形態では、位置推定のために位置推定用情報が用いられ、この位置推定用情報は、予め受信電力についてのマップを示す情報として取得されている位置−電力対応情報である場合を説明した。しかし、これ以外の手段によって位置推定を実行してもよく、位置推定部は、放送波の送信電力値(設定値)を取得すると、放送波の受信電力(測定値)に基づいて、当該放送波のパスロス値を求め、このパスロス値に基づいて位置の推定を行ってもよい。なお、パスロス値は、互いの距離に応じた伝搬損失であるため、放送所からの現状の送信電力からどの程度の電力で放送波が到達しているかを意味している。つまり、受信電力から求めたパスロス値と、放送所からの距離とは関係があることから、受信電力から求めたパスロス値に基づいて、放送所からの距離を求め、この距離から自己の位置を推定することが可能となる。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1:基地局装置、 2:端末装置、 4,104:端末用RF部(送受信部)、 5,105:信号処理部、 7:放送用RF部(放送波受信部)、 B1,B2,B3:放送所、 W1,W2,W3:放送波、 32,132:位置推定部、 40:推定処理本体部、 41:取得部、 42:選定部、 43:受信電力計測部、 52:基地局用RF部(送受信部)、 53:信号処理部、 54:放送波受信部、 55:位置推定部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置と通信するために無線信号の送受信を行う送受信部と、当該送受信部との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部とを備えた基地局装置であって、
放送所から送信された放送波を受信する放送波受信部と、
複数の放送所から送信され前記放送波受信部が受信した放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する位置推定部と、を備えていることを特徴とする基地局装置。
【請求項2】
前記位置推定部は、
自己が設置される地域に放送波を放送している複数の放送所それぞれに関する情報であって当該複数の放送所それぞれから放送された放送波の受信電力から自己の位置を推定するために用いられる位置推定用情報を取得する取得部と、
前記放送波受信部が受信した前記放送波の受信電力と前記位置推定用情報とに基づいて自己の位置を推定する推定処理本体部と、を有している請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記位置推定部は、前記放送波受信部が受信した放送波に基づいて自己が設置されている地域を識別することにより、当該地域に放送波を送信している放送所を複数選定する選定部を備え、
前記取得部は、前記選定部によって選定された複数の放送所それぞれについての前記位置推定用情報を取得する請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記位置推定部は、放送所から送信され前記放送波受信部が受信した放送波の受信電力を計測する受信電力計測部を備え、
前記位置推定用情報は、各放送所からの位置と、当該位置で受信可能となる当該放送所からの放送波の受信電力とが対応付けられて蓄積された位置−電力対応情報であり、
前記推定処理本体部は、複数の放送所から送信され前記受信電力計測部が計測した放送波の受信電力、及び、前記位置−電力対応情報を用いて、自己の位置を推定する請求項2又は3に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記位置推定部が自己の位置を推定するために用いる複数の放送所から送信された複数の放送波は、周波数が重複しない放送波である請求項1から4のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記位置推定部が自己の位置を推定するために用いる複数の放送所から送信された複数の放送波に、周波数が同一であって放送所間で同期して送信された放送波が含まれている場合、前記位置推定部は、周波数が同一である前記放送波の受信時間差を求め、当該受信時間差が生じる領域上に自己の位置が存在すると推定する請求項1から4のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項7】
端末装置と通信するために無線信号の送受信を行う送受信部と、当該送受信部との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部とを備えた基地局装置であって、
複数の放送所から送信された放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する端末装置から、当該端末装置の位置についての情報を受信する前記送受信部と、
前記送受信部が受信した前記端末装置の位置についての情報に基づいて、自己の位置を推定する位置推定部と、
を備えていることを特徴とする基地局装置。
【請求項8】
基地局装置と通信するために無線信号の送受信を行う送受信部と、当該送受信部との間で授受が行われる送受信信号の信号処理を行う信号処理部とを備えた端末装置であって、
放送所から送信された放送波を受信する放送波受信部と、
複数の放送所から送信され前記放送波受信部が受信した放送波の受信電力を用いて自己の位置を推定する位置推定部と、を備え、
前記送受信部は、基地局装置によって当該基地局装置の位置を推定させるために、前記位置推定部が推定した自己の位置についての情報を当該基地局装置に送信することを特徴とする端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−199739(P2011−199739A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−66205(P2010−66205)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】