説明

基板上のナノチューブの分散成長

ナノ構造体の分散物を形成する方法、カーボンナノチューブの分布、及びセンサー又はトランジスターのようなナノ構造体デバイスのアレイが記載される。この方法は、基板を用意し、成長促進物質を基板の少なくとも一部に適用し、基板及び成長促進物質をプラズマに暴露し、そして次いで成長促進物質からナノ構造体の分散物を形成することを含む。プラズマは、成長促進物質を約1nmないし50nmの大きさの個別の単離した成長促進物質のナノ粒子として基板上に分散する。ナノ構造体デバイスのアレイは、ナノ構造体の分散物及びナノ構造体と接触した電極のアレイを含む。ナノ構造体は、ナノ構造体を含有する領域を残してある区域から除去されて、二つ又はそれより多い電極間の電気的伝達を与え、このようにしてナノ構造体デバイスのアレイを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にナノ構造体の分散物の形成、そして更に具体的には、基板上のナノチューブの分散物の形成及びナノ構造体デバイスを形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナノ構造体を電子デバイスの能動素子として使用することにおける多大な興味が存在する。基本的な概念は、電極をナノ構造体に接続し、このようにして電気的回路を形成することである。ナノ構造体は、ゲート電極でバイアスをかけて、トランジスターのようなデバイスを形成することができる。
【0003】
一つの方法は、まずナノチューブを製造し、そして次いでこれらを用意された基板上に置くことである。慣用的には、ナノチューブは、アーク放電又はレーザアブレーション技術のいずれかによって形成され、これは単一の単離された構造ではなくナノチューブのもつれた束が得られる。炭素気化法を使用して炭素繊維を製造するための方法は、Bethune等によって米国特許第5424054号中に記載され、そしてレーザアブレーションを使用して単層カーボンナノチューブ及びカーボンナノチューブのロープを製造するための方法は、Smally等によって米国特許第6183714号中に記載されている。
【0004】
これらのナノチューブをデバイスの構成要素として使用するために、ジクロロメタンのような液体がナノチューブに加えられて、希釈溶液が形成され、この中でナノチューブの束が単一のナノチューブに分離される。基板は、金属電極を表面に伴って調製される。ナノチューブの溶液の液滴が調製された基板上に付着される。しかし、多数の液滴を付着させた後でさえ、電極に確実に接触させるために必要なナノチューブの密度を達成することは困難である。これは、ナノチューブデバイスの大規模製造に対して有用なものである方法ではない。
【0005】
もう一つの方法は、ナノチューブを基板上に直接成長させることである。触媒又は成長促進物質が基板の表面上に付着され、そして化学気相成長によってナノチューブの成長のための核形成部位を得る。薄い薄膜又は板上に付着された触媒粒子から炭素の原繊維を成長させるための方法は、Tennent等によって米国特許第5,578,543号中に記載されている。基板上に付着される均一な非常に小さい触媒粒子を沈殿させるために、コロイド技術が使用された。
【0006】
Terrones等による“Controlled production of aligned−nanotube bundles”と題する、そして1997年7月3日に刊行されたNatureへの手紙は、パターン化された触媒からナノチューブを生成する方法を記載している。コバルトの非常に薄い層がシリカ上に付着された。レーザアブレーションが、レーザーによって侵食された線の端に沿って触媒粒子の均一な分布を製造するために使用された。
【0007】
Pan等による“Very long carbon nanotubes”と題する、そして1998年8月13日に刊行されたNatureへのもう一つの手紙は、触媒の小さい領域を形成し、そしてその後これらからカーボンナノチューブを成長させる方法を記載している。ゾル−ゲル触媒の薄膜が基板上に形成された。薄膜を乾燥し、そして焼成し、このようにして触媒粒子が基板上に形成された。
【0008】
触媒の島状構造からカーボンナノチューブ構造体を製造するための方法は、Dai等によって米国特許第6,346,189号中に記載されている。約1−5μmの大きさの触媒の島状構造が、多工程のe−ビームリトグラフ法を使用して形成された。カーボンナノチューブを、島状構造から化学気相成長法を使用して成長させた。個別のナノチューブを、島状構造を位置決めし、そしてこの島状構造から成長したナノチューブの電気的及び機械的接続を行うことによってデバイスに組込んだ。ナノチューブデバイスの製造のためのこの“局所的”な方法は、ナノチューブの位置が既知であることが必要であった。電気的接触は、これらの既知の位置においてナノチューブに行われた。
【0009】
Dai等は、基板上にナノチューブの薄膜を合成する方法を、PCT出願公開WO01/44796A1中で教示している。触媒層を基板上にスピンコートし、そして相互接続された単層カーボンナノチューブの薄膜を、化学気相成長を使用して形成した。金属電極を、ナノチューブの薄膜上に蒸発し、このようにしてナノチューブの薄膜デバイスを形成した。金属電極は、ナノチューブ薄膜及び触媒の層と接触を形成したが、しかし基板とは形成しなかった。この方法において、基板は、触媒の薄膜が電極及び片側のナノチューブ薄膜並びに他の側の基板間の絶縁層を形成するために、単にナノチューブデバイスのための保持体として作用する。更に、触媒の表面は非常に粗く、これは、不良な接触付着及び接着を起こすものであり、半導体加工に和合性でなく、そして従って製造可能ではないものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ナノチューブデバイスのための製造方法を開発することにおいて、可能な最も効率のよい、そして迅速な方法を見出すことが重要なことであるものである。先に記載したような、ナノチューブ及びデバイスを製造するための現時点における方法は、低価格の大量生産の製造に和合性ではなく、更にこれらは、良好な長期の信頼性を有するデバイスを得る可能性があるものでもない。従って、この新しい技術の利益を利用する、ナノ構造体及びデバイスを形成するための別の方法を開発する必要性が存在する。半導体工業のすでに公知である方法を使用することは、更なる利益であるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
個別のナノ構造体の、高密度で良好な品質のランダムな分散物を半導体基板上に形成することができる場合、ナノ構造体デバイスの製造に対する“局所的”ではなく“統計的”方法を使用することができる。“統計的”方法において、電気的接触は、デバイスを形成するナノ構造体の分散物のいずれの場所にも置くことができる。ナノ構造体の高密度の分散物が、その上に置かれたいずれもの二つ又はそれより多い電極が、伝導性接続体としてのナノ構造体による完全な電気的回路を形成することを可能にすることを確実にするものであるために、電極の位置及びナノ構造体の位置間の特別な連絡を作る必要はない。ナノチューブデバイスが基板内で半導体デバイスに接続することができるように、ナノチューブデバイスを半導体プラットフォーム中に集積することは更なる利益があるものである。
【0012】
デバイス技術においてナノ構造体の完全な使用を行うために、効率の良い、そして費用効果の良いデバイスを製造する方法を見出す必要があるものである。ナノ構造体デバイスを開発することを研究する多くの作業は、大規模な製造のために適当ではない方法を使用する研究室水準であった。高密度の良好な品質の個別のナノ構造体のランダムな分散物を半導体の基板上に形成することができる場合、ナノ構造体デバイスの製造に“局所的”ではなく“統計的”方法を使用することができる。“統計的”方法において、電気的接触は、デバイスを形成するために、個別のナノ構造体の分散物のどこにでも置くことができる。高密度のナノ構造体の分散物が、その上に置かれたいずれもの二つ又はそれより多い電極が、接続を与える機能するナノ構造体による完全な電気的回路を形成することができることを確実にするために、“局所的”方法におけるような電極の位置及びナノ構造の位置間に特別な連絡を作る必要はない。更に、半導体プラットフォーム中のナノチューブデバイスの真の集積は、トランジスター及びセンサーのようなナノチューブデバイスを、基板中の半導体デバイスと接続することを可能にするものである。
【0013】
前述の必要性は、基板表面に成長促進物質のナノ粒子を分散し、これによってそこからナノ構造体を高密度分散物として形成することができる部位を与える方法を記載する、本発明の方法によって満足される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の態様によるナノ構造体の分散物を形成するための基本的工程を説明する流れ図である。この開示の目的のために、ナノ構造体の分散物は、ナノ構造体のネットワーク又は分布とも呼ばれる。これらの用語は、二次元的にランダムに広がった多数の個別のナノ構造体を意味するために使用される。ある構造体は互いに接触していることができ、そしてある構造体は残りのものから単離していることができる。好ましくはナノ構造体の分散物は、概略平面であり、そして実質的に下に置かれた基板と接触している。好ましくは、ナノ構造体は、単層のナノチューブ又はナノワイヤーである。工程100において、基板が用意される。基板は、下に置かれた物質と異なった表面の層を有することができる。基板の表面は、ケイ素、ケイ素酸化物、窒化ケイ素、アルミナ、石英、又は半導体製造の技術に合致したいずれもの物質からなることができる。工程110において、成長促進物質が基板表面の少なくとも一部に適用される。一つ又はそれより多い成長促進物質の領域を多くの方法で形成することができる。例は、溶液中の成長促進物質の一つ又はそれより多い液滴を、基板の表面上に化学ジェットによるように付着すること、及び成長促進物質の薄膜を基板の一部又は全てに適用することを含む。好ましくは、成長促進物質は、ポリマー、セラミック、鉱物又は粘土のような物質から製造されたインターカレートする粒子を含有する希釈剤と混合された触媒粒子の溶液である。好ましくは、触媒粒子は、金、銀、銅、鉄、モリブデン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、これらの酸化物、又はナノ構造体の成長を促進することが知られているいずれもの他の物質を含有する。例は、Fe(NO33、Fe(SO4)、及び他の鉄塩、CoCl2、並びにFe、Mo、及びZnの酸化物を含む。工程120において、成長促進物質及び基板は、プラズマに暴露される。プラズマは、rf又はdcプラズマであることができる。プラズマは、酸素、塩素、フッ素、六フッ化キセノン、又はプラズマエッチングの技術において既知のいずれもの他のガスのようなガスを含有することができる。工程120のプラズマ処理は、成長促進物質が、ナノ粒子の断片として基板表面中に散乱することを起こす。工程130において、ナノ構造体の分散物が、基板表面の成長促進物質から形成される。好ましくはナノ構造体は、化学気相成長法を使用して形成される。
【0015】
図2A、2B、及び2Cは、本発明の態様によるナノ構造体の分散物を形成するための方法の連続した工程における基板の斜視図である。図2Aは、成長促進物質12の液滴を伴う基板10を示す。好ましくは、基板10は、シリコンウェファーであるが、しかしこれは、半導体製造の技術に合致するいずれもの物質であることができる。基板10は、一つの単一物質からなることができ、又はこれは、いずれもの数の異なった物質の層からなることができる。表面層の物質の例は、ケイ素、ケイ素酸化物、窒化ケイ素、アルミナ、及び石英を含む。成長促進物質12は、いずれもの数の方法で、例えば液滴を付着することによって又は薄膜をスピンコートすることによって適用することができる。好ましくは、成長促進物質12は、インターカレートする粒子を含有する希釈剤と混合された触媒粒子の溶液である。触媒粒子の例は、Fe(NO33、Fe(SO4)、及び他の鉄塩、CoCl2、並びにFe、Mo、及びZnの酸化物を含む。
【0016】
図2Bは、図1に対して先に記載したように、基板及び成長促進物質12がプラズマに暴露された後の、基板10の表面に分散された成長促進物質の個別の単離されたナノ粒子4を示す。ナノ粒子14は、大きさが約1nmないし50nm間で変化し、そして基板10の表面上にランダムな配置で分布される。好ましくは、ナノ粒子14は、基板10の表面に概略均一に分散される。別の方法として、非常に多くのナノ粒子14が存在する基板10の領域が存在することができ、そしてナノ粒子14が、わずかに存在するか又は存在しない領域が存在することができる。あるプラズマ処理条件において、ナノ粒子14に加えて、元の成長促進物質の領域12(図2Aに示したとおり)から残された成長促進物質の小さい領域12’が存在することができる。当業者は、プラズマ条件を変化することが、基板10の表面の成長促進物質のナノ粒子14の分布の変化を起こすものであることを理解するものである。プラズマ処理条件の例は、5ワットで12秒間操作されるrf酸素プラズマ及び160ワットで30秒間操作されるrf酸素プラズマを含む。一般的に、より高いエネルギー及びより長い時間は、成長促進物質のより大きい分散となる。低いエネルギー及び短い時間は、成長促進物質の残留物12’、及び残留物12’の近辺でより濃厚である成長促進物質のナノ粒子14の分布となることができ、そして残留物12’からの距離に伴って減少する密度を有する。
【0017】
図2Cは、ナノ構造体の分散物18を構成する成長促進物質のナノ粒子(示されていない)から形成されたままの、多数のランダムに配置され、そして一様に分布されたナノ構造体16を示す。好ましくは、ナノ構造体の分散物18は、化学気相成長法を使用して形成される。ナノチューブ、例えば単層カーボンナノチューブは、多くのデバイスへの適用に好ましい。化学気相成長法におけるカーボンナノ構造体の形成のために適当な前駆体ガスの例は、メタン、アセチレン、炭水化物蒸気、トルエン、及びベンゼンを含む。他のナノ構造体は、他の前駆体ガスを使用して形成することができる。ケイ素、ゲルマニウム、砒素、ガリウム、アルミニウム、リン、ホウ素、インジウム、及び錫を含有する前駆体ガスは、ナノワイヤーのようなナノ構造体を形成することが知られている。例示の容易さのために、成長促進物質のナノ粒子又は成長促進物質の残留物は図2C中に示していないが、しかしこれらは、ナノ構造体16の形成後、存在することができる。通常、成長促進物質のナノ粒子14は、それぞれのナノ構造体16の一端に接続している。
【0018】
図3A及び3Bは、異なったプラズマ条件で形成された成長促進物質のナノ粒子から形成されたカーボンナノチューブの分散物18の走査電子顕微鏡の画像である。鉄のナノ粒子、アルミナの化学前駆体、及び界面活性剤の混合物を含有する成長促進物質の液滴が、シリコンウェファー上に付着された。図3Aの試料は、rf酸素プラズマ処理を25ワットで30秒間受けた。図3Bの試料は、rf酸素プラズマ処理を100ワットで30秒間受けた。その後、メタンによる化学気相成長を使用してそれぞれの試料にカーボンナノチューブ16を形成した。図3A及び3Bの両方のナノチューブ16は、基板中に均一に分布された。図3Aのナノチューブの分散物を構成するナノチューブ16の密度は、図3Bにおけるものより低い。ナノチューブの密度の差は、図3Aの基板に対するナノチューブ形成の前の成長促進物質の粒子が、図3Bの基板に対するより、低い密度であったことを示す。図3Aにおいて使用されたより低い電力のプラズマは、成長促進物質の粒子のより少ない分散、即ちより少ない数で、そしてより濃厚でなく広がることを起こした。図3Aにおいて、更に成長促進物質の残留物12’も見ることができる。成長促進物質のナノ粒子14の例も、更に図3A及び図3B中に示している。
【0019】
図4は、本発明のもう一つの態様によるナノ構造体デバイスのアレイを形成するための基本的工程を説明する流れ図である。最初の四つの工程400−430は、図1のナノ構造体の分散物を形成するために説明したとおりである。工程400において、基板が用意される。基板は、シリコンウェファー又は半導体製造の技術に適合したいずれもの基板であることができる。工程410において、成長促進物質が基板表面の少なくとも一部に適用される。成長促進物質は、多くの方法のいずれによっても適用することができる。溶液中の成長促進物質の一つ又はそれより多い液滴を付着することができる。別の方法として、成長促進物質の薄膜を基板の一部又は全てに適用することができる。好ましくは、成長促進物質は、ポリマー、セラミック、鉱物又は粘土のような物質から製造されたインターカレートする粒子を含有する希釈剤と混合された触媒粒子の溶液である。好ましくは、触媒粒子は、金、銀、銅、鉄、モリブデン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、これらの酸化物、又はナノ構造体の成長を促進することが知られているいずれもの他の物質を含有する。例は、Fe(NO33、Fe(SO4)、及び他の鉄塩、CoCl2、並びにFe、Mo、及びZnの酸化物を含む。工程420において、成長促進物質及び基板は、プラズマに暴露される。プラズマは、rf又はdcプラズマであることができる。プラズマは、酸素、塩素、フッ素、六フッ化キセノン、又はプラズマエッチングの技術において使用されるいずれもの他のガスのようなガスを含有することができる。工程420のプラズマ処理は、成長促進物質が基板表面中にナノ粒子の断片として散乱されることを起こす。好ましくは、成長促進物質のナノ粒子は、基板表面上に均質に分布される。低い電力及び短い時間を有するプラズマ処理において、元の成長促進物質の領域に残る成長促進物質の残留物が存在することができ、そしてナノ粒子は元の成長促進物質の領域の近辺でより高い密度を有することができるが、これは、元の成長促進物質の領域からの距離に伴い減少する。工程430において、ナノ構造体のネットワークが基板表面の成長促進物質から形成される。好ましくはナノ構造体は、化学気相成長法を使用して形成される。工程440において、電極のアレイが、ナノ構造体のネットワークと接触して形成される。ナノ構造体のネットワーク中の少なくとも一つの領域は、少なくとも二つの電極間の電気的伝達を与える。他の配置において、ナノ構造体のネットワークの領域又は複数の領域を経由して互いに電気的伝達にある二つより多い電極が存在することができる。
【0020】
図4において検討した工程の結果は、それぞれの領域が少なくとも二つの電極と接触しているナノ構造体のネットワークの領域から構成されたナノ構造体デバイスのアレイである。ナノ構造体デバイスは、これらが互いに電気的に絶縁された場合、それぞれ独立に機能することができ、即ち、ナノ構造体のネットワークを経由するデバイス間の電気的伝達は存在しない。一つの方法は、ナノ構造体デバイスの活性な部分であるナノ構造体の領域を、ナノ構造体を含有しない領域に散在させることである。これは、図5に関して以下で検討されるものである。活性なナノ構造体領域の近辺にゲート電極が存在する場合、ナノ構造体のセンサーデバイスは、トランジスターとして機能することができる。ウェファー自体は、非差別ゲート電極として使用することができ、又は個別のゲート電極は、半導体技術において知られているように、ウェファー中に又はその上に形成することができる。ナノ構造体のセンサーデバイスは、化学的、生物学的、又は物理的センサーとして使用することができる。認識物質をナノ構造体に加えて、標的種に対する感受性及び選択性を向上することができる。
【0021】
図5A、5B、5C、5Dは、一つの配置によるナノ構造体デバイスのアレイを形成するための方法の連続した工程における基板の平面図である。図5A、5B、5E、5Fは、別の配置によるナノ構造デバイスのアレイを形成するための方法の連続した工程における基板10の平面図である。図5Aは、基板及び成長促進物質の領域12(上記図2A中に示したように)がプラズマに暴露された後に、基板10の表面上に分散された成長促進物質のナノ粒子14を示す。好ましくは基板10は、シリコンウェファーであるが、しかし半導体製造の技術に合致するいずれもの物質であることができる。基板10は、一つの単一物質からなることができ、又はこれは、いずれもの数の異なった物質の層からなることができる。ナノ粒子14は、約1nmないし50nm間の大きさで変化し、そして基板10の表面上にランダムに、そしてかなり均一な配置で分布している。別の方法として、非常に多くのナノ粒子14が存在する基板10の領域が存在することができ、そしてナノ粒子14(示されていない)がわずかに存在するか又は存在しない領域が存在することができる。ナノ粒子14に加えて、上記の図2Bにおいて示したように、元の成長促進物質の領域12の残留物として残された成長促進物質のより大きい領域(示されていない)が存在することができる。図5Bは、成長促進物質のナノ粒子14から形成されたままのナノ構造体16のネットワーク18を示す。残った成長促進物質のナノ粒子14は、図5Bに示していない。好ましくは、ナノ構造体のネットワーク18は、化学気相成長法を使用して形成される。好ましくは、ナノ構造体のネットワーク18は、非常に平坦又は平面であり、そして基板10に非常に接近しているか、又は実質的にそれと接触している。
【0022】
一つの加工配置による工程を、図5Bから続く、図5C及び5Dに例示する。図5Cにおいて、電極26のアレイは、上記図4の工程440について検討したように、ナノ構造体のネットワーク18に接触している。電極26は、ナノ構造体のネットワーク18中の開口部を経由して基板10に接触する。図5Dにおいて、ナノ構造のネットワーク18のある領域が基板10の一部から除去されている。除去は、リソグラフィーパターニング法を使用して行うことができ、この工程は図5に示していないが、しかし半導体技術において公知である。基板10をレジストで被覆し、そして次いでリソグラフィー法の光又はe−ビームのいずれかに暴露する。レジストは、電極及びナノ構造体のネットワーク18を保持することを所望される領域を被覆したまま残る。エッチングのような一つ又はそれより多い方法を、基板10上に行って、ナノ構造体のネットワーク18及び成長促進物質のナノ粒子14の両方の領域を含有する暴露された区域を除去し、そして次いで残ったレジストを除去することができる。図5Dにおいて、ナノ構造体のネットワーク18の領域24は基板上に残り、これらの多くは二つの電極26に接触し、このようにしてナノ構造体デバイスのアレイ28を形成する。領域24は、基板10の表面を通して不連続である。図5Dにおいて、いずれもの大きさ、パターン、又は領域24のランダム配置は、適当なレジストの暴露パターンの選択によって可能であるが、領域24は矩形のパターンで示されている。図5Dは、殆んどのナノ構造体のネットワークの領域24が、二つの電極26に接触していることを示しているが、この態様の範囲に入る他の配置も存在することは理解されるべきである。ある適用において、二つより多い電極26を、あるナノ構造体のネットワーク領域24に与えることが好ましいことであることができる。異なった適用において、より多いナノ構造体のネットワーク領域24が電極を持たないままであるか、又は電極26が更なるナノ構造体のネットワークの領域24と接触することが好ましいことであることができる。
【0023】
図5Bから続く、別の加工配置による工程を図5E及び5Fに示す。図5Eにおいて、ナノ構造体のネットワーク18の領域が、基板10の一部から除去されている。除去は、リソグラフィーパターニング法を使用して行うことができ、この工程は図5に示していないが、しかし半導体技術において公知である。基板10をレジストで被覆し、そして次いでリソグラフィー法の光又はe−ビームのいずれかに暴露する。レジストは、ナノ構造体のネットワーク18を保持することを所望される領域を被覆したまま残る。エッチングのような一つ又はそれより多い方法を、基板10上に行って、ナノ構造体のネットワーク18及び成長促進物質のナノ粒子14の両方の領域を含有する暴露された区域を除去し、そして次いで残ったレジストを除去することができる。ナノ構造体のネットワーク18の領域24は基板上に残る。領域24は、基板10の表面を通して不連続である。図5Eにおいて、いずれもの大きさ、パターン、又は領域24のランダムな配置は、適当なレジストの暴露パターンの選択によって可能であるが、領域24は矩形のパターンで示されている。図5Fにおいて、電極26のアレイは、上記の図4の工程440で検討したようにナノ構造体のネットワーク領域24に接続し、このようにして基板10上にナノ構造体デバイスのアレイ28が形成される。ある配置において、電極26は、それぞれの電極26が部分的に裸の基板10の表面に、そして部分的にナノ構造体のネットワーク領域24に接続するように位置している。他の配置において、殆んど又は完全にナノ構造体のネットワーク領域24上に位置し、そして基板10とナノ構造体ネットワークの開口部を経由して接触している。これらの配置の組合わせも更に可能である。図5Fは、殆んどのナノ構造体のネットワーク領域24が、二つの電極26に接触していることを示しているが、この態様の範囲に入る他の配置も存在することは理解されるべきである。ある適用において、二つより多い電極26を、あるナノ構造体のネットワーク領域24に与えることが好ましいことであることができる。異なった適用において、なお更に多いナノ構造体のネットワーク領域24が電極を持たないままであるか、又は電極26があらゆるナノ構造体のネットワーク領域24と接触することが好ましいことであることができる。
【0024】
図6Aは、本発明の例示した態様による基板10上に配置されたナノ構造体の分散物18の平面図を示す。これらは示されていないが、基板10上には更に成長促進物質の粒子も存在する。図6Bは、図6Aのナノ構造体の分散物18からの二つの代表的な個別のナノ構造体16の断面図を示す。ナノ構造体16は、基板10の上部層11と接触し、そして上部層11の表面上に伸長する。好ましくは下に置かれる基板10は、シリコンウェファーであるが、しかし上部層11及び基板10の両方は、図1に関して先に記載したように、半導体製造の技術に合致したいずれもの物質を含有することができる。基板10は、一つの単一物質又はいずれもの数の異なった物質の層からなることができる。他の配置において、上部層11が存在せず、そしてナノ構造体16は、基板10と直接接触する。それぞれのナノ構造体16の一端には、成長促進物質のナノ粒子14が存在する。更に、上部層11上に分散された多くの成長促進物質のナノ粒子14が存在することができる。成長促進物質のナノ粒子14のあるものは、ナノ構造体16に関係しないことができる。成長促進物質のナノ粒子14は、図1及び2に関して上記で詳細に説明されている。好ましくは、成長ナノ粒子14は、約1nmないし約50nmの大きさの範囲である。ナノ構造体は、炭素又は金属及び半金属のようなナノ構造体を形成することが知られているいずれもの他の物質から製造することができる。単層カーボンナノチューブ及び金属ナノワイヤーのようなナノ構造体は、多くの適用のために好ましい。複数の電極(示されていない)を、少なくともいくつかの電極が、少なくとも一つのナノ構造体16を経由して互いに電気的伝達であるようにナノ構造物の分散物上に配置することができる。
【0025】
図7は、本発明の例示された態様によるナノ構造体デバイスのアレイ28の平面図である。好ましくは基板10は、シリコンウェファーであるが、しかしこれは、半導体製造の技術に合致するいずれもの物質であることができる。基板10は、一つの単一物質又はいずれもの数の異なった物質の層からなることができる。ナノ構造体領域24として基板10上に不連続的に配置されたナノ構造体の分散物が存在する。ナノ構造体の分散物領域24のあるものは、互いに接触していることができる(示されていない)。更に、ナノ構造体の分散物領域24に分散された多くの成長促進物質のナノ粒子(示されていない)が存在することができ、図6Bに対して先に記載したように、この成長促進物質のナノ粒子のあるものは、ナノ構造体に関係し、そしてこれらのあるものは、ナノ構造体に関係していない。ナノ構造体は、炭素又は金属及び半金属のような、ナノ構造体を形成することが知られているいずれもの他の物質から製造することができる。ナノ構造体は、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、砒素、ガリウム、アルミニウム、ホウ素、リン、インジウム、錫、モリブデン、タングステン、バナジウム、硫黄、セレン、及びテルルのような元素を含有することができる。ナノチューブ、例えば単層カーボンナノチューブ及び金属ナノワイヤーは、多くに適用に対して好ましい。電極26のアレイは、ナノ構造体の分散物と接触している。図7に示すように、ナノ構造体の分散物の領域24は、二つの電極26と接触していることができる。電極26のそれぞれの対は、関係するナノ構造体の分散物の領域24中の少なくとも一つのナノ構造体16を経由して互いに電気的伝達にある。別の方法として、二つより多い電極26が、少なくともいくつかのナノ構造体の分散物の領域24に接触していることができる。他の配置において、多くのナノ構造体の分散物の領域24が電極26を有しないか、又は全てのナノ構造体の分散物の領域が電極26を有する。電気的リード線(示されていない)を電極26に接触させて、ナノ構造体デバイス間の及び外部の電気的素子(示されていない)との伝達を与える。
【0026】
本発明は、当業者に新規な原理を適用し、そしてこのように特殊化された素子を構築し、そして使用することに関連する情報を与えるために、かなり詳細に本明細書中に記載されてきた。然しながら、本発明を異なった機器、物質及びデバイスによって行うことができ、そして機器及び操作手順の両方に関する各種の変更が本発明自体の範囲から逸脱することなく達成することができることは理解されることである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
半導体基板上の、個別のナノ構造体の、高密度の良好な品質のランダムな分散物は、ただ一つ又は少数のナノ構造体の特性からではなく、非常に多くのナノ構造体の特性の統計的混合から特性が誘導される電子デバイスを与える。これは、ナノ構造体の素子を、半導体プラットフォームに集積して、トランジスター、並びに化学的、生物学的、及び物理的センサーのようなデバイスを形成することにおいて有用であるものである。本明細書中に記載されたような成長促進物質の粒子の形成方法は、現時点のパターニング技術よりはるかに簡単であり、そして減少した数の製造工程及びより低い製造費用を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図は、例示の目的のみであり、寸法に合わせては描かれていない。
【図1】図1は、本発明の態様によるナノ構造体の分散物を形成するための工程を説明する流れ図である。
【図2】図2A、2B、及び2Cは、本発明の態様によるナノ構造体の分散物を形成するための工程を例示した斜視図である。
【図3】図3A及び3Bは、本発明の態様によって形成されたカーボンナノチューブの分散物の走査電子顕微鏡の画像である。
【図4】図4は、本発明の態様によるナノ構造体デバイスのアレイを形成するための工程を説明する流れ図である。
【図5】図5A、5B、5C、5D、5E、5Fは、二つの異なった加工配置によるナノ構造体デバイスのアレイを形成するための工程を例示する平面図である。
【図6】図6Aは、本発明の態様による基板上に配置されたナノ構造体の分散物の平面図を示す。図6Bは、図6Aのナノ構造体の分散物からの代表的な個別のナノ構造体の断面図を示す。
【図7】図7は、本発明の態様によるナノ構造体デバイスのアレイの平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面を有する基板を用意し;
前記基板表面の少なくとも一部に成長促進物質を適用し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露し;そして
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露した後、前記成長促進物質からナノ構造体の分散物を形成すること;
を含んでなる、ナノ構造体の分散物を形成する方法。
【請求項2】
前記基板表面が、前記基板と異なった物質を含んでなる層である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板表面が、ケイ素、ケイ素酸化物、窒化ケイ素、アルミナ、及び石英からなる群から選択される物質を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記成長促進物質が、金、銀、銅、鉄、モリブデン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、及びこれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一つの物質を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記成長促進物質を適用することが、前記基板表面上に少なくとも一つの成長促進物質の領域を形成することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記成長促進物質を適用することが、前記基板表面上に成長促進物質の薄膜を付着することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、rfプラズマを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、dcプラズマを使用すること含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、酸素プラズマを使用すること含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、フッ素、六フッ化キセノン、及び塩素からなる群から選択されるガスを使用すること含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、少なくとも一部の前記成長促進物質を、基板表面上の個別の単離された成長促進物質の区域として分散する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記個別の単離された成長促進物質の区域が、約1nmないし約50nm間の大きさのナノ粒子である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記個別の単離された成長促進物質の区域が、前記基板表面上に概略均一に分散される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ナノ構造体の分散物を形成することが、化学気相成長法を使用することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ナノ構造体の分散物を形成することが、メタン、アセチレン、炭水化物蒸気、トルエン、及びベンゼンからなる群から選択される前駆体化学物質を使用することを含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ナノ構造体の分散物を形成することが、ケイ素、ゲルマニウム、砒素、ガリウム、アルミニウム、リン、ホウ素、インジウム、及び錫からなる群から選択される元素を伴う前駆体化学物質を使用することを含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ナノ構造体が、ナノチューブ及びナノワイヤーからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ナノ構造体が、単層カーボンナノチューブである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ナノ構造体の分散物を形成することが、概略平面であり、そして実質的に前記基板表面と接触しているナノ構造体の分散物を形成することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ナノ構造体の分散物と電気的に接触する複数の電極を形成することを更に含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ウェファー表面を有するシリコンウェファーを用意し;
前記ウェファー表面の少なくとも一部に成長促進物質を付着し;
前記ウェファーをプラズマに暴露し、これによって分散された成長促進物質のナノ粒子をウェファー表面上に形成し;そして
カーボンナノチューブの分布を、前記ウェファー上の分散された成長促進物質のナノ粒子から、化学気相成長を使用して形成すること;
を含んでなる、カーボンナノチューブの分布を形成するための方法。
【請求項22】
前記カーボンナノチューブの分布を形成することが、概略平面であり、そして実質的にウェファー表面と接触しているカーボンナノチューブの分布を形成することを含んでなる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記カーボンナノチューブ及び前記シリコンウェファー表面と電気的に接触する複数の金属電極を形成することを更に含んでなる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
基板表面を有する基板を用意し;
前記基板表面の少なくとも一部に成長促進物質を適用し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露した後、前記成長促進物質からナノ構造体の分散物を形成し;そして
前記ナノ構造体の分散物及び基板表面と接触する電極のアレイを形成すること;
を含んでなる、ナノ構造体デバイスのアレイを形成する方法。
【請求項25】
前記ナノ構造体の分散物を形成した後、前記ナノ構造体の分散物の部分を除去することを更に含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ナノ構造体の分散物の部分を除去することが、少なくとも一つのリソグラフィーパターニング法を使用することを含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一部のナノ構造体の分散物に近接した少なくとも一つのゲート電極を更に含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
基板;
前記基板上に不連続的に配置されたナノ構造体の分散物;並びに
前記ナノ構造体の分散物及び前記基板表面と接触する電極のアレイ;
を含んでなる、ナノ構造体デバイスのアレイ。
【請求項29】
前記基板が、ケイ素、ケイ素酸化物、窒化ケイ素、アルミナ、及び石英からなる群から選択される物質を含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項30】
前記ナノ構造体が、ナノチューブ及びナノワイヤーからなる群から選択される、請求項28に記載のアレイ。
【請求項31】
前記ナノ構造体の分散物が、概略平面であり、そして実質的に前記基板に接触している、請求項28に記載のアレイ。
【請求項32】
前記ナノ構造体の分散物が、C、Si、Ge、As、Ga、Al、B、P、In、Sn、Mo、W、V、S、Se、及びTeからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項33】
前記ナノ構造体の分散物が、ナノ構造体を含有しない区域に散在するナノ構造体を含有する領域を含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項34】
前記ナノ構造体を含有する少なくとも一つの領域が、少なくとも二つの電極間の電気的伝達を与える、請求項33に記載のアレイ。
【請求項35】
少なくとも一部の前記ナノ構造体の分散物に近接したゲート電極を更に含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項36】
基板;
前記基板上に不連続的に配置されたナノ構造体の分散物;
前記ナノ構造体の分散物及び前記基板表面に接触した電極のアレイ;及び
少なくとも一部の前記ナノ構造体の分散物にバイアスをかけることが可能な第1のゲート電極;
を含んでなる、ナノ構造体トランジスターのアレイ。
【請求項37】
前記ナノ構造体の分散物が、ナノ構造体を含有しない区域に散在するナノ構造体を含有する領域を含んでなる、請求項36に記載のアレイ。
【請求項38】
前記ナノ構造体を含有する少なくとも一つの領域が、少なくとも二つの電極間の電気的伝達を与える、請求項37に記載のアレイ。
【請求項39】
前記ナノ構造体の分散物の第1の部分に第1の認識物質を更に含んでなる、請求項36に記載のアレイ。
【請求項40】
前記認識物質が、標的化学物質又は生物学的種に対する向上された感受性及び選択性を与える、請求項39に記載のアレイ。
【請求項41】
基板表面を有する基板を用意し;
前記基板表面の少なくとも一部に成長促進物質を適用し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露した後、成長促進物質からナノ構造体の分散物を形成し;そして
前記ナノ構造体の分散物及び基板表面と接触する電極のアレイを形成し;そして
少なくとも一部の前記ナノ構造体の分散物にバイアスをかけることが可能なゲート電極を与えること;
を含んでなる、トランジスターデバイスのアレイを形成する方法。
【請求項42】
前記ナノ構造体の分散物を形成した後、前記ナノ構造体の分散物の部分を除去することを更に含んでなる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ナノ構造体の分散物の部分を除去することが、少なくとも一つのリソグラフィーパターニング法を使用することを含んでなる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ナノ構造体の分散物の少なくとも一部を、認識物質で被覆することを更に含んでなる、請求項41に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面を有する基板を用意し;
前記基板表面の少なくとも一部に成長促進物質を適用し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露し;そして
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露した後、前記成長促進物質からナノ構造体の分散物を形成すること;
を含んでなり、ここにおいて前記ナノ構造体の分散物は概略平面であり、そして複数のランダムに方向付けされたナノ構造体を含んでなる、ナノ構造体の分散物を形成する方法。
【請求項2】
前記基板表面が、前記基板と異なった物質を含んでなる層である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板表面が、ケイ素、ケイ素酸化物、窒化ケイ素、アルミナ、及び石英からなる群から選択される物質を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記成長促進物質が、金、銀、銅、鉄、モリブデン、クロム、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、及びこれらの酸化物からなる群から選択される少なくとも一つの物質を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記成長促進物質を適用することが、前記基板表面上に少なくとも一つの成長促進物質の領域を形成することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記成長促進物質を適用することが、前記基板表面上に成長促進物質の薄膜を付着することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、rfプラズマを使用することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、dcプラズマを使用することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、酸素プラズマを使用することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、フッ素、六フッ化キセノン、及び塩素からなる群から選択されるガスを使用することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露することが、少なくとも一部の前記成長促進物質を、基板表面上の個別の単離された成長促進物質の区域として分散する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記個別の単離された成長促進物質の区域が、約1nmないし約50nmの間の大きさのナノ粒子である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記個別の単離された成長促進物質の区域が、前記基板表面上に概略均一に分散される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ナノ構造体の分散物を形成することが、化学気相成長法を使用することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ナノ構造体の分散物を形成することが、メタン、アセチレン、炭水化物蒸気、トルエン、及びベンゼンからなる群から選択される前駆体化学物質を使用することを含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ナノ構造体の分散物を形成することが、ケイ素、ゲルマニウム、砒素、ガリウム、アルミニウム、リン、ホウ素、インジウム、及び錫からなる群から選択される元素を伴う前駆体化学物質を使用することを含んでなる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ナノ構造体が、ナノチューブ及びナノワイヤーからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記ナノ構造体が、単層カーボンナノチューブである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ナノ構造体の分散物を形成することが、実質的に前記基板表面と接触しているナノ構造体の分散物を形成することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
更に、前記ナノ構造体の分散物と電気的に接触する複数の電極を形成することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ウェファー表面を有するシリコンウェファーを用意し;
前記ウェファー表面の少なくとも一部に成長促進物質を付着し;
前記ウェファーをプラズマに暴露し、これによって分散された成長促進物質のナノ粒子をウェファー表面上に形成し;そして
カーボンナノチューブの分布を、前記ウェファー上の分散された成長促進物質のナノ粒子から、化学気相成長を使用して形成すること;
を含んでなり、ここにおいてカーボンナノチューブの分布が概略平面であり、そして実質的にウェファー表面と接触し、そして複数のランダムに方向付けされたカーボンナノチューブを含んでなる、カーボンナノチューブの分布を形成するための方法。
【請求項22】
前記カーボンナノチューブの分布を形成することが、ゲート電極のアレイ上にカーボンナノチューブの分布を形成することを更に含んでなる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記カーボンナノチューブ及び前記シリコンウェファー表面と電気的に接触する複数の金属電極を、前記複数の金属電極の隣接したもの間に配置された複数のランダムに方向付けされたナノチューブと共に形成することを更に含んでなる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
基板表面を有する基板を用意し;
前記基板表面の少なくとも一部に成長促進物質を適用し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露した後、前記成長促進物質からナノ構造体の分散物を形成し;そして
前記ナノ構造体の分散物及び基板表面と接触する電極のアレイを形成し;そして
前記ナノ構造体の分散物を形成した後、前記ナノ構造体の分散物の部分を除去すること;
を含んでなる、ナノ構造体デバイスのアレイを形成する方法。
【請求項25】
前記形成工程が、概略平面であり、そして複数のランダムに方向付けされたナノ構造体を含んでなる前記ナノ構造体の分散物を形成することを更に含んでなる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ナノ構造体の分散物の部分を除去することが、少なくとも一つのリソグラフィーパターニング法を使用することを含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一部のナノ構造体の分散物に近接した少なくとも一つのゲート電極を更に含んでなる、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
基板;
前記基板上に不連続的に配置されたナノ構造体の分散物;並びに
前記ナノ構造体の分散物及び前記基板表面と接触する電極のアレイ;
を含んでなり、ここにおいて前記ナノ構造体の分散物は概略平面であり、そして電極のアレイの隣接したものの間に配置された複数のランダムに方向付けされたナノ構造体を含んでなる、ナノ構造体デバイスのアレイ。
【請求項29】
前記基板が、ケイ素、ケイ素酸化物、窒化ケイ素、アルミナ、及び石英からなる群から選択される物質を含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項30】
前記ナノ構造体が、ナノチューブ及びナノワイヤーからなる群から選択される、請求項28に記載のアレイ。
【請求項31】
前記ナノ構造体の分散物が、実質的に前記基板に接触している、請求項28に記載のアレイ。
【請求項32】
前記ナノ構造体の分散物が、C、Si、Ge、As、Ga、Al、B、P、In、Sn、Mo、W、V、S、Se、及びTeからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項33】
前記ナノ構造体の分散物が、ナノ構造体を含有しない区域に散在するナノ構造体を含有する領域を含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項34】
前記ナノ構造体を含有する少なくとも一つの領域が、少なくとも二つの電極間の電気的伝達を与える、請求項33に記載のアレイ。
【請求項35】
少なくとも一部の前記ナノ構造体の分散物に近接したゲート電極を更に含んでなる、請求項28に記載のアレイ。
【請求項36】
基板;
前記基板上に不連続的に配置されたナノ構造体の分散物;
前記ナノ構造体の分散物及び前記基板表面に接触した電極のアレイ;
少なくとも一部の前記ナノ構造体の分散物にバイアスをかけることが可能な第1のゲート電極;及び
前記ナノ構造体の分散物の第1の部分上の第1の認識物質;
を含んでなる、ナノ構造体トランジスターのアレイ。
【請求項37】
前記ナノ構造体の分散物が、概略平面であり、そして電極のアレイの隣接したものの間に配置された複数のランダムに方向付けされたナノ構造体を含んでなる、請求項36に記載のアレイ。
【請求項38】
前記ナノ構造体の分散物が、ナノ構造体を含有しない区域に散在するナノ構造体を含有する領域を含んでなる、請求項37に記載のアレイ。
【請求項39】
前記ナノ構造体を含有する少なくとも一つの領域が、少なくとも二つの電極間の電気的伝達を与える、請求項38に記載のアレイ。
【請求項40】
前記認識物質が、標的化学物質又は生物学的種に対する向上された感受性及び選択性を与える、請求項36に記載のアレイ。
【請求項41】
基板表面を有する基板を用意し;
前記基板表面の少なくとも一部に成長促進物質を適用し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露し;
前記基板表面及び前記成長促進物質をプラズマに暴露した後、成長促進物質からナノ構造体の分散物を形成し;
そして前記ナノ構造体の分散物及び基板表面と接触する電極のアレイを形成し;
少なくとも一部の前記ナノ構造体の分散物にバイアスをかけることが可能なゲート電極を与え;そして
前記ナノ構造体の分散物を形成した後、前記ナノ構造体の分散物の部分を除去すること;
を含んでなる、トランジスターデバイスのアレイを形成する方法。
【請求項42】
前記形成工程が、概略平面の、そして複数のランダムに方向付けされたナノ構造体を含んでなる前記ナノ構造体の分散物を形成することを更に含んでなる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ナノ構造体の分散物の部分を除去することが、少なくとも一つのリソグラフィーパターニング法を使用することを含んでなる、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記ナノ構造体の分散物の少なくとも一部を、認識物質で被覆することを更に含んでなる、請求項41に記載の方法。

【図1】
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【図4】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−518543(P2006−518543A)
【公表日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548280(P2004−548280)
【出願日】平成15年6月20日(2003.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/019808
【国際公開番号】WO2004/040671
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(504468470)ナノミックス・インコーポレーテッド (12)
【Fターム(参考)】