説明

基板上面検出方法及びスクライブ装置

【課題】スクライブ装置等において基板までの距離を検出する場合にスクライブヘッドの上部位置を原点とすると、スクライブ装置毎に原点位置が異なり、共通したレシピテーブルを作成できないという欠点があった。
【解決手段】非接触センサを用いてテーブルまでの距離d1を算出し、基準ブロックまでの距離d2を算出し、その差Δdを保持すると共に、スクライブヘッドを降下し基準ブロックに当接させて刃先とテーブルとの差を検出し、テーブルの上面を零点の位置としてスクライブヘッドの位置を表現できるようにする。これによってテーブルの上面を零点として基板の厚さを含むスクライブ方法を記述したレシピテーブルを作成しておくことで、スクライブ装置の種類にかかわらず同一種類の脆性材料基板に対してスクライブ加工を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスクライブ装置に用いられ、テーブル上に配置される脆性材料基板の上面を検出するための基板上面検出方法及びスクライブ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来スクライブ装置では特許文献1などに示されているように、テーブル上に脆性材料基板(以下、単に基板ともいう)が配置され、この基板に対してスクライブヘッドを上下動すると共に、基板の面に平行に移動させることによって基板をスクライブしている。このとき基板に所定の荷重をかけてスクライブするためにスクライブヘッドの刃先の位置を認識しておく必要がある。図1は従来のスクライブ装置の主要部を示している。スクライブ装置はテーブル101上に配置された脆性材料基板102に対して上下動自在のスクライブヘッド103を有しており、スクライブヘッド103の上部には基準位置を設定するためのセンサドグ104が設けられている。センサドグ104では投光器から受光器に向けてレーザ光が投光されている。そしてスクライブヘッド103に取付けられた遮蔽板105がレーザ光を遮光する位置を零点とし、この点より下方にスクライブヘッド103が移動したときに正方向とする。遮蔽板105がセンサドグ104のレーザ光を遮ると、スクライブヘッド103は上昇を停止するため、センサドグ104の位置より上には上昇しない。即ちスクライブヘッド103の上下方向(z軸方向)の移動距離は常に零又は正の値となるように制御される。
【0003】
さて従来のスクライブ装置等では、テーブル101上に配置された脆性材料基板102の基板上面までの距離を認識するために、図2に示すようにスクライブヘッド103を徐々に低下させる。そして脆性材料基板102に接触して抵抗が増加した時点を脆性材料基板102の上面の位置として設定する。このときにはスクライブヘッドの刃先が脆性材料基板102の製品部分102aを傷つけないようにするため、脆性材料基板102の製品が形成されていない周辺の部分102bにスクライブヘッド103を当接させて距離を測定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−148098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来の基板の上面検出時では、基板の上面を検出するためにスクライブヘッドを基板に対し下降させているが、急激に下降させると基板に過大な力が加わってしまう。従ってスクライブヘッドを徐々に下降させる必要があり、基板の上面検出に時間がかかるという問題点があった。又基板毎にスクライブヘッドの零点位置からの距離を確認する必要があるため、基板の上面検出はスクライブ装置毎に行う必要があった。又センサドグの位置がスクライブ装置毎にばらつきがあるため、基板上面までの距離やスクライブするパターンをデータとして保持するレシピテーブルについても、スクライブ装置毎に異ならせる必要があるという問題点があった。更に基板の周辺部分にスクライブヘッドを接触させるため、基板の中央部分までの距離は必ずしも正確でないという問題点もあった。
【0006】
本発明はこのような従来の基板の上面検出方法の問題点に鑑みてなされたものであって、迅速且つ正確に検出すると共に、スクライブ装置の種類にかかわらずスクライブする際に共通したレシピテーブルを用いることができるようにすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するために、本発明の基板上面検出方法は、テーブル及び基準ブロックを上面に保持するサブテーブルと、下端にスクライビングホイールを有し、前記サブテーブルに対して上下動自在のスクライブヘッドと、前記サブテーブルの上面側上方の位置に保持され下方の反射面までの距離を測定する非接触変位計とを有するスクライブ装置における基板上面検出方法であって、前記サブテーブル上の前記テーブルの上面までの距離d1を前記非接触変位計によって検出し、前記サブテーブル上に配置された基準ブロックの上面までの距離d2を前記非接触変位計によって検出し、前記テーブルと基準ブロックとのz軸方向の差(Δd=d2−d1)を登録し、基準位置からスクライブヘッドを下降させ前記基準ブロックの上面に当接するまでの距離d3を登録し、スクライブヘッドから見た前記テーブルの上面d3−Δdを零点として設定し、前記テーブル上に加工対象となる脆性材料基板を配置し、前記非接触変位計によって脆性材料基板の少なくとも一点までの距離d4を検出し、前記脆性材料基板の高さD4を(D4=d1−d4)とし、(d3−Δd)−D4をスクライビングヘッドから前記脆性材料基板までの距離とするものである。
【0008】
ここで前記脆性材料基板の高さを前記脆性材料基板の機能領域を含む複数部分について測定し、その平均値を算出して求めるようにしてもよい。
【0009】
この課題を解決するために、本発明のスクライブ装置は、テーブル及び基準ブロックを上面に保持するサブテーブルと、下端にスクライブヘッドを有し、前記サブテーブルに対して上下動自在のスクライブヘッドと、前記サブテーブルの上面側上方(例えば、CCDカメラ27奥側)の位置に保持され、下方の反射面までの距離を測定する非接触変位計と、前記スクライブヘッドと前記テーブル上の脆性材料基板をその基板のスクライブされる面に平行な方向で相対的に移動させる移動手段と、前記サブテーブルの上面を零の位置として前記テーブル上に加工対象となる脆材料基板を配置し、前記移動手段及びスクライブヘッドを移動させてスクライブする制御部と、を具備するものである。
【0010】
ここで前記制御部は、前記サブテーブル上のテーブルの上面までの距離d1及び基準ブロックの上面までの距離d2を夫々前記非接触変位計によって検出し、基準位置からスクライブヘッドを下降させ前記基準ブロックの上面に当接するまでの距離d3を検出し、d2−d1をΔdとするとスクライブヘッドから見た前記テーブルの上面d3−Δdを零点として設定し、前記非接触変位計によって脆性材料基板の少なくとも一点までの距離d4を検出し、前記脆性材料基板の高さD4を(D4=d1−d4)とし、(d3−Δd)−D4をスクライビングヘッドから前記脆性材料基板までの距離としてもよい。
【0011】
ここで前記制御部は、前記脆性材料基板の高さを前記脆性材料基板の機能領域を含む複数部分について測定し、その平均値を算出して求めるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
このような特徴を有する本発明によれば、テーブルの上面を零点として設定しており、テーブル上に配置される脆性材料基板の上面までの距離がレシピテーブルに設定されるため、スクライブ装置の種類にかかわらず同一種類の基板については共通したレシピテーブルを用いることができる。又脆性材料基板の周辺部分ではなく製品が構成されている部分に光を照射して非接触でその高さを検出するため、迅速に基板の上面の高さを設定できるという効果が得られる。更に請求項2及び5の発明では、脆性材料基板の製品が構成されている複数部分に光を照射して距離を測定し、平均値を用いるため、より正確に基板の高さを設定できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は従来のスクライブ装置における基板の上面検出前の主要部を示す図である。
【図2】図2は従来のスクライブ装置における基板の上面検出時の動作を示す図である。
【図3A】図3Aは本発明の実施の形態による基板上面検出方法を適用したスクライブ装置の一例を示す概略斜視図である。
【図3B】図3Bはこのスクライブ装置の主要部を示す斜視図である。
【図4】図4は本実施の形態によるスクライブ装置のテーブルを示す斜視図である。
【図5】図5は本実施の形態が適用されるスクライブ装置のコントローラを示すブロック図である。
【図6A】図6Aは零点検出時のサブテーブル上のテーブルまでのレーザ変位計による距離測定を示す図である。
【図6B】図6Bは零点検出時のサブテーブル上の基準ブロックまでのレーザ変位計による距離測定を示す図である。
【図6C】図6Cは零点検出時のサブテーブル上の基準ブロックまでのスクライブヘッドによる距離測定を示す図である。
【図6D】図6Dはテーブル上の脆性材料基板の高さを測定する状態を示す図である。
【図7】図7は零点検出及びレシピテーブル作成時の動作を示すフローチャートである。
【図8】図8はレーザ変位計による基板の測定点を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図3Aは、本発明の実施の形態による基板上面検出装置を適用したスクライブ装置の一例を示す概略斜視図である。このスクライブ装置10は、移動台11が一対の案内レール12a、12bに沿って、y軸方向に移動自在に保持されている。ボ−ルネジ13は移動台11と螺合している。ボールネジ13はモータ14の駆動により回転し、移動台11を案内レール12a,12bに沿ってy軸方向に移動させる。移動台11の上面にはモータ15が設けられている。モータ15はサブテーブル16をxy平面で回転させて所定角度に位置決めするものである。
【0015】
スクライブ装置10には、移動台11とその上部のサブテーブル16をまたぐようにブリッジ20がx軸方向に沿って支柱21a,21bにより架設されている。ブリッジ20はサーボモータ23によってスクライブヘッド22及びCCDカメラ27を移動自在に保持している。スクライブヘッド22の先端部には、ホルダ24を介してスクライビングホイール25が取付けられている。CCDカメラ27はサブテーブル16上の状態をモニタするためのカメラである。サーボモータ23はボールねじ26を回転させることによりスクライブヘッド22及びCCDカメラ27を案内レール28a,28bによりx軸方向に沿って直線駆動するものである。スクライブヘッド22は、スクライビングホイール25を脆性材料基板の表面上に適切な荷重にて圧接しながら転動させていき、スクライブラインを形成するものである。
【0016】
次にサブテーブル16上に配置されるテーブルとワークについて図4を用いて説明する。本実施の形態ではサブテーブル16上に4つのテーブル31,32,33,34が設けられており、更にその側方には基準ブロック35が設けられる。基準ブロック35の高さは4つのテーブル31〜34とほぼ同一であり、例えば1.5mmの高さを有するものとする。テーブル31〜34の上面には夫々脆性材料基板36〜39が固定される。脆性材料基板36〜39は例えば低温焼成セラミックス基板であり、図示しない真空吸引手段などによりテーブル31〜34上に保持される。
【0017】
又図3Bに示すようにブリッジ20にはCCDカメラ27奥側の位置にサブテーブルとの間の距離を測定するためのレーザ変位計41が固定されている。レーザ変位計41は後述するように、サブテーブル16の上部に配置される基板及び基準ブロックまでの高さを検出する非接触変位計である。
【0018】
更にスクライブヘッド22にはその上端位置にセンサドグ42が配置されている。センサドグ42は一対の投受光器から成る光電センサによって構成されており、その光電センサの光を遮蔽できるような遮蔽板43がスクライブヘッド22に設けられる。センサドグ42の光電センサの光を遮蔽板43が遮蔽する位置がスクライブヘッド22の最上端位置となり、常にこれより下方に位置するように制御されている。
【0019】
又サーボモータ44はスクライブヘッド22をz軸方向に移動させるモータであり、その軸にはサーボエンコーダ45が設けられる。又サーボモータ44の出力軸にはプーリ46aが取付けられ、プーリ46a,46bとその間に張り渡されている伝達ベルト47を介してボールネジ48に回転力が伝えられる。スクライブヘッド22はボールネジ48の回転によって上下動するように構成されている。
【0020】
ここで移動台11、案内レール12a,12bやサブテーブル16及びこれらを駆動するモータ14,15及びスクライブヘッド22を移動させるサーボモータ23は、スクライブヘッドと脆性材料基板をその基板のスクライブされる面に平行な方向で相対的に移動させる移動手段を構成している。
【0021】
次に本実施の形態によるスクライブ装置10のコントローラの構成について、ブロック図を用いて説明する。図5はスクライブ装置10のコントローラ50のブロック図である。本図においてCCDカメラ27からの出力はコントローラ50の画像処理部51を介して制御部52に与えられる。入力部53はレシピテーブル作成時に必要なデータを入力するものである。制御部52にはXモータ駆動部54が接続され、更にYモータ駆動部55,回転用モータ駆動部56及びスクライブヘッド駆動部57が接続される。Xモータ駆動部54はサーボモータ23を駆動するものである。Yモータ駆動部55はモータ14を駆動するものである。回転用モータ駆動部56はモータ15を駆動するものである。スクライブヘッド駆動部57はモータ44を駆動するものである。制御部52はスクライブラインのデータに基づいて、サブテーブル16のy軸方向の位置を制御し、サブテーブル16を回転制御する。又制御部52はスクライブヘッド駆動部57を介してスクライブヘッドをz軸方向に駆動すると共に、スクライビングホイール25の転動時にスクライビングホイール25が脆性材料基板の表面上を適切な荷重にて圧接するように駆動するものである。更に制御部52にはモニタ58及びデータ保持部59が接続される。データ保持部59は後述する撮像ポイントの位置データやスクライブのためのスクライブデータを保持するものである。又制御部52にはスクライブヘッドをz方向に駆動するモータに連結されたサーボエンコーダ45及びレーザ変位計41の出力が入力されている。制御部52はこれらの入力に基づいて後述するようにテーブルの上面と基板の上面位置を検出し、スクライブを実行できるようにするものである。
【0022】
次にこの実施の形態によるテーブルの零点位置検出及びその後のレシピテーブル作成について説明する。図6A〜図6Dはスクライブ装置のサブテーブル16上の1つのテーブル31とレーザ変位計41,スクライブヘッド22等を示す概略図であり、図7はフローチャートである。
【0023】
まず図6Aに示すように、スクライブヘッド22が最も上部位置であり、遮蔽板43がセンサドグ42の光電センサの光を遮蔽する位置とする。そして図7に示すステップS1において、テーブル31を交換した際にサブテーブル16上に設けられるテーブル31の上面位置をレーザ変位計41によって測定する。このときのテーブル31までの距離をd1とすると、一旦データ保持部59に保持する。
【0024】
ステップS2において、図6Bに示すようにレーザ変位計41の下方に基準ブロック35が位置するようにサブテーブル16を移動させる。そして基準ブロック35上にレーザ光を照射してレーザ変位計41によって基準ブロック35の上面の位置を検出する。このとき基準ブロック35の上面までの距離d2とする。
【0025】
次いでステップS3において測定されたd1とd2との差(d2−d1)をパラメータΔdとして登録する。Δdは基準ブロック35とテーブル31とのz軸方向の差である。
【0026】
更にステップS4において図6Cに示すようにサブテーブル16を移動させ、スクライブヘッド22の真下に基準ブロック35が位置するようにする。そして基準位置からスクライブヘッド22を下降させ、その刃先が基準ブロック35の上面に当接するまで下降させる。このときサーボエンコーダ45で検出される距離をd3とし、メモリパラメータとして登録する。このようにしてステップS1〜S4によってスクライブヘッドの刃先の先端とテーブルの上面との距離を認識することができる。即ちテーブル36はスクライブヘッドから見てd3−Δdの位置が上面となる。この距離を零点として登録する(ステップS5)。
【0027】
その後図6Dに示すように、ステップS6においてテーブル31上にスクライブの加工対象となる脆性材料基板36を配置する。脆性材料基板36はその内側に多数の機能領域が格子状に形成された低温焼成セラミック基板とする。そしてこの基板の上面までの距離をレーザ変位計41を用いて測定する。このとき基板36の複数点の距離を測定することが好ましく、例えば図8に示すように基板36の中心61とその周囲の点62〜65、計5点についてレーザ変位計によって距離を検出する。そして計測した5点の距離の平均値をd4とすると、この値をレーザ変位計41から基板36の上面までの距離として認識する。但しテーブル31の上面を零点としているため、図6A,図6Bより明らかなように基板36の高さD4は(d1−d4)である。ステップS7ではスクライブヘッド22から基板36の上面までの距離を図6Dに示すように(d3−Δd)−D4として算出する。この距離計測はレーザ変位計41による非接触の検出であるため、脆性材料基板を何ら損傷することなく、極めて短時間に計測を終えることができる。又基板が低温焼成セラミック基板等の厚さのばらつきが大きい基板であっても、複数箇所について基板の厚さを測定することができるため、より正確に基板の高さのデータを得ることができる。
【0028】
こうして基板の厚さを検出した後、レシピテーブルに基板の高さに基づいてスクライブヘッドを下降させる距離をレシピテーブルに書き込み、レシピテーブルを完成させる(ステップS8)。
【0029】
こうして完成したレシピテーブルに基づいて脆性材料基板をスクライブする。又別の脆性材料基板を別のスクライブ装置で同様にスクライブする場合であっても、このレシピテーブルを読み出して基板に加える荷重を算出しスクライブを行う。このようにレシピテーブルについては基板の種類が決まればスクライブ装置の種類を変更してもそのまま適用することができる。
【0030】
尚前述した実施の形態では非接触変位計の例としてレーザ変位計を用いているが、非接触で基板やテーブルの上面までの距離を正確に検出できるものであれば他の変位計であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明はスクライブ装置のテーブルの基準位置を検出するためのものであり、スクライブ装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0032】
10 スクライブ装置
16 サブテーブル
22 スクライブヘッド
23 サーボモータ
24 ホルダ
25 スクライビングホイール
27 CCDカメラ
31〜34 テーブル
36〜39 脆性材料基板
41 レーザ変位計
42 センサドグ
43 遮蔽板
44 サーボモータ
45 サーボエンコーダ
50 コントローラ
52 制御部
53 入力部
59 データ保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル及び基準ブロックを上面に保持するサブテーブルと、下端にスクライビングホイールを有し、前記サブテーブルに対して上下動自在のスクライブヘッドと、前記サブテーブルの上面側上方の位置に保持され下方の反射面までの距離を測定する非接触変位計とを有するスクライブ装置における基板上面検出方法であって、
前記サブテーブル上の前記テーブルの上面までの距離d1を前記非接触変位計によって検出し、
前記サブテーブル上に配置された基準ブロックの上面までの距離d2を前記非接触変位計によって検出し、
前記テーブルと基準ブロックとのz軸方向の差(Δd=d2−d1)を登録し、
基準位置からスクライブヘッドを下降させ前記基準ブロックの上面に当接するまでの距離d3を登録し、
スクライブヘッドから見た前記テーブルの上面d3−Δdを零点として設定し、
前記テーブル上に加工対象となる脆性材料基板を配置し、前記非接触変位計によって脆性材料基板の少なくとも一点までの距離d4を検出し、前記脆性材料基板の高さD4を(D4=d1−d4)とし、(d3−Δd)−D4をスクライビングヘッドから前記脆性材料基板までの距離とする基板上面検出方法。
【請求項2】
前記脆性材料基板の高さを前記脆性材料基板の機能領域を含む複数部分について測定し、その平均値を算出して求める請求項1記載の基板上面検出方法。
【請求項3】
テーブル及び基準ブロックを上面に保持するサブテーブルと、
下端にスクライブヘッドを有し、前記サブテーブルに対して上下動自在のスクライブヘッドと、
前記サブテーブルの上面側上方の位置に保持され、下方の反射面までの距離を測定する非接触変位計と、
前記スクライブヘッドと前記テーブル上の脆性材料基板をその基板のスクライブされる面に平行な方向で相対的に移動させる移動手段と、
前記サブテーブルの上面を零点の位置として前記テーブル上に加工対象となる脆性材料基板を配置し、前記移動手段及びスクライブヘッドを移動させてスクライブする制御部と、を具備するスクライブ装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記サブテーブル上のテーブルの上面までの距離d1及び基準ブロックの上面までの距離d2を夫々前記非接触変位計によって検出し、基準位置からスクライブヘッドを下降させ前記基準ブロックの上面に当接するまでの距離d3を検出し、d2−d1をΔdとするとスクライブヘッドから見た前記テーブルの上面d3−Δdを零点として設定し、前記非接触変位計によって脆性材料基板の少なくとも一点までの距離d4を検出し、前記脆性材料基板の高さD4を(D4=d1−d4)とし、(d3−Δd)−D4をスクライビングヘッドから前記脆性材料基板までの距離とする請求項3記載のスクライブ装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記脆性材料基板の高さを前記脆性材料基板の機能領域を含む複数部分について測定し、その平均値を算出して求める請求項4記載のスクライブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−86288(P2013−86288A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226517(P2011−226517)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(390000608)三星ダイヤモンド工業株式会社 (383)
【Fターム(参考)】