基板処理システム
【課題】キャリア搬送システムを有効に利用することができる基板処理システムを提供する。
【解決手段】基板処理装置は、FOUPをロードポートに搬入するためにキャリア搬送システムが移動してきた際に、ロードポートに別のFOUPが載置された状態である場合には、キャリア搬送システムが搬送開始を通知しても、FOUPを内部バッファへ搬送し終えるまでキャリア搬送システムに対して搬入不可を通知せず、待機させる対キャリア搬送システム制御部を備えている。したがって、前のOHTに続いてOHTがFOUPを搬送する場合であっても、後のOHTが周回軌道を回ることがない。その結果、FOUPの搬入に関してキャリア搬送システムを有効利用することができる。
【解決手段】基板処理装置は、FOUPをロードポートに搬入するためにキャリア搬送システムが移動してきた際に、ロードポートに別のFOUPが載置された状態である場合には、キャリア搬送システムが搬送開始を通知しても、FOUPを内部バッファへ搬送し終えるまでキャリア搬送システムに対して搬入不可を通知せず、待機させる対キャリア搬送システム制御部を備えている。したがって、前のOHTに続いてOHTがFOUPを搬送する場合であっても、後のOHTが周回軌道を回ることがない。その結果、FOUPの搬入に関してキャリア搬送システムを有効利用することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を収納した収納器を基板処理装置との間で搬送する基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の基板処理システムとして、基板処理ユニットと、収納器収容・搬送ユニットと、ロードポートとを備えた基板処理装置と、ホストコンピュータの指示により収納器を搬送するキャリア搬送システムと、全体の制御を行うホストコンピュータとを備えたものが挙げられる。
【0003】
基板処理ユニットは、基板に対して各種処理を行う。収納器収容・搬送ユニットは、基板処理ユニットに並設され、基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を収容したり、搬送したりする。ロードポートは、収納器収容・搬送ユニットに並設され、FOUPを載置する。キャリア搬送システム(Automated Material Handling System)は、無人搬送車(AGV: Automatic Guided Vehicles)や、天井走行式無人搬送車OHT(Overhead Hoist Transfer)などの移動機を備えており、ロードポートとの間でFOUPの受け渡しを行う。ホストコンピュータは、基板処理装置やキャリア搬送システムとの間で通信を行い、FOUPの搬送に係る制御を行う。
【0004】
キャリア搬送システムがFOUPを基板処理装置に対して搬送するには、時間を要する。したがって、基板処理装置が収納器収容・搬送ユニットを備えている場合には、ロードポートにFOUPが搬入された後、ロードポートから収納器収容・搬送ユニットに対してFOUPをできるだけ早く取り込むようにして、次の搬送のためにロードポートを開けるようにすることが求められる。このような要望を満たすために、ロードポート付近における収納器の一時的な待避場所として、可動バッファを設けているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この装置は、ロードポートにFOUPが載置されると、可動バッファによりロードポートから横方向にFOUPを一時的にスライド移動させて待避させ、ロードポートを次の搬送に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−508731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、FOUPをロードポートから一時的に待避させる機構を備えているが、例えば、キャリア搬送システムの二台のOHTが連続して同じロードポートにFOUPを搬入するような場合には、搬入間隔が短いので、一方のOHTが搬入したFOUPがロードポートから待避するよりも早く、他方のOHTがFOUPを搬入しようとした場合には、ロードポートにFOUPを搬入することができず、OHTによるFOUPの搬入に失敗することがあるという問題がある。このような搬入の失敗が生じると、ロードポートはキャリア搬送システムに対して直ちにそのOHTが「搬入不可」であると通知する。すると、OHTは、そのロードポートを通過してキャリア搬送システムの周回軌道を回った後、再び搬入を試みることになる。また、搬出についても、同様の問題が生じることがある。したがって、OHTが再び周回軌道を回るには、時間を要することになるので、キャリア搬送システムの資源が有効に利用できないことがあるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、キャリア搬送システムを有効に利用することができる基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、前記基板処理装置は、前記ロードポートが一の収納器により使用中である場合に、当該ロードポートとの間で他の収納器を授受すべくキャリア搬送システムの移動機が到来したとき、拝受不可であることを前記一の収納器の使用が終了するまで通知しない対キャリア搬送システム制御部を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、基板処理装置は、収納器をロードポートに搬入するためにキャリア搬送システムの移動機が移動してきた際に、ロードポートに別の収納器が載置されて内部バッファへの受け渡し中であるなどの状態である場合には、キャリア搬送システムが搬送開始を通知しても、収納器を内部バッファへ搬送し終えるまでキャリア搬送システムに対して搬入可否の通知を保留する対キャリア搬送システム制御部を備えている。したがって、前の移動機に続いて次の移動機が収納器を搬送する場合であっても、後の移動機が無用に周回軌道を回ることがない。その結果、収納器の搬入に関してキャリア搬送システムを有効利用することができる。
【0011】
また、本発明において、前記キャリア搬送システムは、搬入の際に、前記ロードポートに別の収納器が載置されている場合には、前記対キャリア搬送システム制御部から搬入の許可を得るまで、その位置で待機することが好ましい(請求項2)。一般的には、キャリア搬送システムは、搬送開始を通知した後、予め決められた時間を経過すると、その場から離れて周回軌道に戻る。しかし、対キャリア搬送システム制御部から搬入の許可が得られるまで、その位置で待機することにより、周回の無駄をなくすことができる。
【0012】
また、本発明において、前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器を前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることが好ましい(請求項3)。基板処理装置が収納器を内部バッファからロードポートへの搬出を開始してから、収納器が実際にロードポートに載置されるまでの間に、対ホストコンピュータ制御部がホストコンピュータへ収納器が搬出可能であることを報告する。したがって、実際に収納器がロードポートに載置されてから搬出可能であることを報告する場合に比較して、キャリア搬送システムが移動を開始するまでの時間を早めることができる。その結果、収納器の搬出に関して、キャリア搬送システムを有効利用することができる。
【0013】
また、本発明において、前記キャリア搬送システムは、前記キャリア搬送システムが収納器を搬出するために移動してきた際に、前記ロードポートに対して収納器が載置されていない場合には、前記収納器が前記ロードポートに載置されるまで、その位置で待機することが好ましい(請求項4)。一般的には、キャリア搬送システムが収納器を搬出しにきた際に、ロードポートに収納器が載置されていない場合には、キャリア搬送システムは周回軌道に戻る。しかし、収納器がロードポートに載置されるまで待機するので、周回の無駄をなくすことができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器の前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0015】
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、ホストコンピュータから内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、収納器がロードポートへ載置されるまでの間に、ホストコンピュータに対して収納器が搬出可能であることを報告するので、基板処理システムの移動機が速やかにロードポートに移動し到着できるので、収納器を早期に搬出することができる。
【0016】
また、本発明において、前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置をさらに備えるが好ましい(請求項6)。これにより、1つの物理ロードポートに対して同時に複数の移動機によって複数の収納器を同時に搬送することができ、多数の収納器を効率よく搬送できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る基板処理システムによれば、基板処理装置は、収納器をロードポートに搬入するためにキャリア搬送システムの移動機が移動してきた際に、ロードポートに別の収納器が載置された状態である場合には、キャリア搬送システムが搬送開始を通知しても、収納器を内部バッファへ搬送し終えるまでキャリア搬送システムに対して搬入可否を通知しない対キャリア搬送システム制御部を備えている。したがって、前の移動機に続いて移動機が収納器を搬送する場合であっても、後の移動機が周回軌道を回ることがない。その結果、収納器の搬入に関してキャリア搬送システムを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図である。
【図2】実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。
【図4】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの状態を示す。
【図5】搬入処理時の過程を示す模式図であり、基板処理装置への搬送開始の通知を示す。
【図6】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムへの通知を示す。
【図7】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートへの搬入を示す。
【図8】搬入処理時の過程を示す模式図であり、次のキャリア搬送システムによる搬送開始の通知を示す。
【図9】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入要求の保留を示す。
【図10】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入要求の通知を示す。
【図11】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートへの搬入を示す。
【図12】搬出処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。
【図13】搬出処理時の過程を示す模式図であり、基板処理装置への払い出し指示を示す。
【図14】搬出処理時の過程を示す模式図であり、払い出しの開始を示す。
【図15】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータへの搬出可能の通知を示す。
【図16】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムに対する搬出の指示を示す。
【図17】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図18】搬出処理時の過程を示す模式図であり、搬送開始の通知を示す。
【図19】搬出処理時の過程を示す模式図であり、搬出要求の通知を示す。
【図20】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートからの搬出を示す。
【図21】実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図である。
【図22】実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図23】搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。
【図24】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータへの通知を示す。
【図25】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータの搬送指示を示す。
【図26】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図27】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムによる搬入開始を示す。
【図28】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートの対応付けを示す。
【図29】搬入処理時の過程を示す模式図であり、仮想ロードポートの状態変化の報告を示す。
【図30】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入受付を示す。
【図31】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図32】搬入処理時の過程を示す模式図であり、FOUPの内部バッファへの移動を示す。
【図33】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入状況の報告を示す。
【図34】搬入処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図であり、図2は、実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0020】
この基板処理システム1は、基板WをFOUP3ごと搬入して基板Wに対して処理を行い、処理を終えた基板WをFOUP3ごと搬出する機能を備えている。FOUP3は、Front Opening Unified Podの略称であり、清浄な環境に密閉した状態で基板Wを収納するものである。
【0021】
基板処理システム1は、例えば、基板処理装置5と、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とを備えている。基板処理装置5は、複数台であるのが一般的であり、図1では、一例として二台の基板処理装置5を示している。
【0022】
基板処理装置5は、基板処理ユニット11と、ロードポート13と、内部バッファ15とを備えている。基板処理ユニット11は、FOUP3から取り出された基板Wに対して所定の処理を行う。所定の処理としては、例えば、洗浄処理、エッチング処理、フォトレジスト除去処理などがある。ロードポート13は、基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間でFOUP3を受け渡すものである。この例では、ロードポート13が二台の物理ロードポートLP1,LP2を備えている。内部バッファ15は、基板処理ユニット11とロードポート13との間に配置され、ロードポート13との間でFOUP3を受け渡すとともに、基板処理ユニット11との間でFOUP3から取り出された基板Wの受渡を行う。また、内部バッファ15は、ロードポート13からFOUP3を搬入され、基板処理ユニット11が基板Wを受け入れられない状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したり、ロードポート13がFOUP3を搬出できない状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したりする、バッファリングの機能を備えている。
【0023】
なお、上記のFOUP3が本発明における「収納器」に相当する。
【0024】
キャリア搬送システム7は、基板処理装置5との間でFOUP3を搬送したり、図示しないFOUP3の保管庫と基板処理装置5との間でFOUP3を搬送したりするものである。キャリア搬送システム7としては、例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle)、OHT(Overhead Hoist Transport)などの移動機を備えるAMHS(Automated Material Handling Systems)が挙げられる。この実施例では、一例として、二台の基板処理装置5の周辺において、移動機としてのOHT17が周回移動する構成を採っている。ここでは、一例として、OHT17が二台あり、それぞれOHT17A、17Bとする。
【0025】
ホストコンピュータ9は、上述した基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間で通信を行う。ホストコンピュータ9は、基板処理装置5の状況に応じてキャリア搬送システム7によるFOUP3の搬送を指示する。ここでいう「搬送」とは、基板処理装置5へのFOUP3を運び入れるための搬送である「搬入」と、基板処理装置5からFOUP3を運び出すための搬送である「搬出」とを表している。
【0026】
図2に示すように、上述した基板処理装置5は、ロードポート管理部19を備えている。ロードポート管理部19は、二つの物理ロードポートLP1,LP2の状態を判断して、キャリア搬送システム7及びホストコンピュータ9との間で通信を行う。また、物理ロードポートLP1を搬入に割り当て、物理ロードポートLP2を搬出に割り当てる等の処理も行う。
【0027】
基板処理装置5は、対ホストコンピュータ制御部21と、内部バッファ管理部23と、対キャリア搬送システム制御部25とを備えている。対ホストコンピュータ制御部21は、主としてホストコンピュータ9との間における通信を行う。内部バッファ管理部23は、内部バッファ15における使用状況等を判断して、どの棚にFOUP3を収納すればよいかや、どの棚のFOUP3を搬出すればよいか等を判断する。対キャリア搬送システム制御部25は、キャリア搬送システム7との間で通信を行う。
【0028】
詳細は後述するが、対キャリア搬送システム制御部25は、各種の条件に応じて搬入の制御を行う。例えば、FOUP3を搬入する場合に、FOUP3をロードポート13に搬入するためにキャリア搬送システム7が移動してきた際に、ロードポート管理部19におけるロードポート13の管理状況に基づいて、ロードポート13に別のFOUP3が載置された状態、すなわちロードポート13から内部バッファ15への受け渡しが完了していない状態であると判断した場合であっても、当該別のFOUP3を内部バッファ15へ搬送し終えるまでは、キャリア搬送システム7に対して搬入不可を通知しないように保留する。なお、このとき、例えば、キャリア搬送システム7のOHT17Aに続いてOHT17Bが搬入のために移動してきた場合には、後のOHT17Bは、特定の条件を満たさない限り、対キャリア搬送システム制御部25から搬入の許可を得るまで、その位置で待機する。
【0029】
また、詳細は後述するが、対ホストコンピュータ制御部21は、各種の条件に応じて搬出に係る制御を行う。例えば、ホストコンピュータ9から内部バッファ15のFOUP3の搬出を指示された際に、ロードポート管理部19の管理状況に基づいて、そのFOUP3を内部バッファ15からロードポート13のうちのいずれかの物理ロードポートLP1,LP2へ搬送する。その搬送を開始した後、そのFOUP3が物理ロードポートLP1,LP2のいずれかへ載置されるまでの間、すなわち、ロードポート13がFOUP3によって使用中に、ホストコンピュータ9に対してFOUP3が搬出可能であることを報告する。
【0030】
なお、このとき、キャリア搬送システム7は、FOUP3を搬出するために移動してきた際に、ロードポート13の物理ロードポートLP1,LP2のいずれにもFOUP3が載置されていない場合、すなわち、収納バッファ15からロードポート13への受け渡しが完了していない状態のときには、キャリア搬送システム7との授受可否の通知が保留されるので、その位置で待機する。
【0031】
<搬入処理>
【0032】
次に、図3〜図11を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の「搬入」の流れについて説明する。
【0033】
なお、図3は、搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。また、図4〜図11は、搬入処理時の過程を示す模式図であり、図4は、キャリア搬送システムの状態を示し、図5は、基板処理装置への搬送開始の通知を示し、図6は、キャリア搬送システムへの通知を示し、図7は、ロードポートへの搬入を示し、図8は、次のキャリア搬送システムによる搬送開始の通知を示し、図9は、搬入要求の保留を示し、図10は、搬入要求の通知を示し、図11は、ロードポートへの搬入を示す。
【0034】
以下の説明においては、図4に示すように、キャリア搬送システム7のOHT17AがFOUP3aを保持し、OHT17BがFOUP3bを保持し、その順番で基板処理装置5に移動してきて、搬入処理を待っている状態であるものとする。
【0035】
キャリア搬送システム7は、基板処理装置5の対キャリア搬送システム制御部25に対して、VALD信号をONする(図5)。このVALD信号は、搬送開始を示す信号である。基板処理装置5の対キャリア搬送システム制御部25は、VALD信号がONであることを検出する(ステップS1)。この例では、二台のOHT17A、17Bのうち、先行するOHT17AがVALD信号をONにしているものとする。
【0036】
対キャリア搬送システム制御部25は、ロードポート管理部19による状況を考慮して、条件に応じて処理を分岐する(ステップS2)。「条件1」は、搬入が可能である場合である。搬入が可能であれば、L_REQ信号をОNにする。このL_REQ信号は、搬入を許可することを意味する。一方、「条件2」は、ロードポート13が使用中であったり、そのFOUP3が内部バッファ15へ搬送中であったりする場合である。つまり、厳密には、ロードポート13が使用可能ではない状態である。「条件3」は、条件1,2以外の状況である。例えば、ロードポート13に故障が生じて、使用不可能な状態であるなどの場合である。
【0037】
ここでは、最初のOHT17Aについては、ロードポート13が空であるので、条件1を満たす。したがって、図6に示すように、対キャリア搬送システム制御部25は、キャリア搬送システム7に対してOHT17AのL_REQ信号をONする(ステップS3)。このL_REQ信号は、Load REQuestを表し、搬入要求のことである。搬入要求を受けたキャリア搬送システム7のOHT17Aは、FOUP3aを物理ロードポートLP1に載置する移載を実行する(図7)。そして、OHT17Aは、その場所を離れて、キャリア搬送システム7の周回軌道に戻る。
【0038】
次に、OHT17Bは、基板処理装置5の前に移動し、対キャリア搬送システム制御部25に対して、搬送開始を示すVALD信号をONにする(図8)。このとき、物理ロードポートLP1には、先のFOUP3aが載置された状態である。
【0039】
内部バッファ管理部23は、内部バッファ15の使用状況を考慮して、内部バッファ15の適宜の棚にFOUP3aを移動し始める(図9)。このとき、対キャリア搬送システム制御部25は、VALD信号を受けて、一般的には搬入要求をするところであるが、本発明はキャリア搬送システム7に対する搬入要求を保留しておき、かつ、搬入不可の通知も直ちには行わない。これは、先のFOUP3aの移動が開始されたばかりで、ロードポート13が使用できないからである。具体的には、図3におけるステップS2における条件2を満たすので、ステップS2からステップS4に移行して、時間調整を図る。詳細には、対キャリア搬送システム制御部25は、内部バッファ管理部23からの移動完了通知を待って、搬入要求をキャリア搬送システム7に対して行う(図10)。搬入要求を受けたキャリア搬送システム7は、OHT17BからFOUP3bを物理ロードポートLP1へ移載させる(図10)。移載を終えたOHT17Bは、周回軌道へ戻る。
【0040】
なお、上述した条件3を満たした場合には、HO_AVBLE信号をOFFにし(ステップS5)、搬入処理を中止する。これにより、搬入が中止されるので、キャリア搬送システム7は、基板処理装置5の前に移動して待機しているOHT17を周回軌道に戻す。これにより、OHT17が基板処理装置5の前で待機し続ける不具合を回避できる。
【0041】
このように、基板処理装置5は、FOUP3をロードポート13に搬入するためにキャリア搬送システム7が移動してきた際に、ロードポート13に別のFOUP3aが載置された状態である場合には、キャリア搬送システム7が搬送開始を通知しても、FOUP3aを内部バッファ15へ搬送し終えるまでキャリア搬送システム7に対して搬入可否を通知せず、待機させる対キャリア搬送システム制御部25を備えている。したがって、前のOHT17Aに続いてOHT17BがFOUP3bを搬送する場合であっても、後のOHT17Bが無用に周回軌道を回ることがない。その結果、FOUP3の搬入に関してキャリア搬送システム7を有効利用することができる。
【0042】
また、キャリア搬送システム7は、搬入の際に、ロードポート13に別のFOUP3が載置されている場合には、対キャリア搬送システム制御部25から搬入の許可を得るまで、その位置で待機するので、無駄に周回軌道を回ることがない。このためには、キャリア搬送システム7が備えるタイマの値を変えることが好ましい。具体的には、搬入開始(VALD信号がON)を要求してから、搬入要求(L_REQ信号がON)になるまでの待ち時間を計時するタイマの値を、例えば、標準的な2秒程度から10秒程度に変えればよい。これは、ロードポート13から内部バッファ15へFOUP3の搬送に要する時間である。なお、安全のためマージンを考慮して若干長めに決定しても、実質的に搬送に要する時間であればよい。
【0043】
<搬出処理>
【0044】
次に、図12〜図20を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の「搬出」の流れについて説明する。
【0045】
なお、図12は、搬出処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。また、図13〜図20は、搬出処理時の過程を示す模式図であり、図13は、基板処理装置への払い出し指示を示し、図14は、払い出しの開始を示し、図15は、ホストコンピュータへの搬出可能の通知を示し、図16は、キャリア搬送システムに対する搬出の指示を示し、図17は、キャリア搬送システムの移動を示し、図18は、搬送開始の通知を示し、図19は、搬出要求の通知を示し、図20は、ロードポートからの搬出を示す。
【0046】
以下の説明では、キャリア搬送システム7のOHT17Aが基板処理装置5のFOUP3を搬出する処理について説明する。なお、OHT17Aは、周回軌道を回っているものとする。
【0047】
ホストコンピュータ9は、基板処理装置5に対してFOUP3の搬出を指示する(図13)。これを受けた基板処理装置5は、内部バッファ管理部23の状況を考慮して、内部バッファ15の棚から、指定されたFOUP3を搬出する処理を開始する(図14、ステップS11)。
【0048】
基板処理装置5は、ロードポート13へのFOUP3の移動を始めたばかりであり、ロードポート13への移動を完了していないが、搬出許可(RTU(Ready To Unload)信号をON)をホストコンピュータ9に通知する(図15、ステップS12)。ホストコンピュータ9は、これを受けて、キャリア搬送システム7のOHT17Aに対して、搬出を指示する(図16)。OHT17Aは、基板処理装置5へ移動し(図17)、移動を完了した時点で搬入開始(VALD信号)をONにする(図18、ステップS13)。
【0049】
対ホストコンピュータ制御部21は、ロードポート管理部19の状況を考慮して、条件に応じて処理を分岐する。「条件1」は、ロードポート13にFOUP3が載置されており、FOUP3の搬出が可能である場合である。「条件2」は、内部バッファ15からFOUP3が搬送中であって、ロードポート13への払い出し搬出が完了していない場合である。「条件3」は、条件1,2以外の場合である。例えば、内部バッファ15やロードポート13に障害が生じて、使用不可能となった場合などである。
【0050】
ここで、条件1であった場合には、搬入開始を受けて、キャリア搬送システム7に対して搬送要求(U_REQ(Unload REQuest)信号をON)を行う(図19、ステップS15)。キャリア搬送システム7は、OHT17Aに対して、ロードポート13からFOUP3を搬出するよう指示する。OHT17Aは、ロードポート13からFOUP3を受け取って搬送を開始する(図20)。
【0051】
また、条件2であった場合には、時間調整を行い(ステップS16)、その間、搬送要求を保留する。その後に、搬送要求を行う(ステップS15)。条件3であった場合には、HO_AVBAL信号をOFFにし(ステップS16)、搬出処理を中止する。
【0052】
このように、基板処理装置5がFOUP3を内部バッファ15からロードポート13への搬出を開始した時点で、対ホストコンピュータ制御部21がホストコンピュータ9へFOUP3が搬出可能であることを報告する。したがって、実際にFOUP3がロードポート13に載置されてから搬出可能であることを報告する場合に比較して、ホストコンピュータ9からキャリア搬送システム7が移動を開始するまでの時間を早めることができる。その結果、FOUP3の搬出に関して、キャリア搬送システム7を有効利用することができる。
【0053】
なお、一般的には、キャリア搬送システム7がFOUP3を搬出しにきた際に、ロードポート13に収納器が載置されていない場合には、キャリア搬送システム7はOHT17を周回軌道に戻す。しかし、本実施形態では、搬送要求、搬送不可等の授受可否の通知を、ロードポート13と内部バッファ15との受け渡し完了まで保留し、FOUP3がロードポート13に載置されるまで待機するので、周回の無駄をなくすことができる。
【0054】
なお、本発明は、基板処理装置5へのFOUP3の搬入においては、複数の移動機すなわちOHT17が時間をあまりあけずに連続して基板処理装置5へFOUP3を搬送してくる場合に有効である。ところで、この種の基板処理装置とキャリア搬送システムの制御においては、搬入に用いるロードポート1台に対しては1台のOHTが搬入作業を行うように制御するのが一般的であるので、そのような制御では、上記のように複数のOHT17が時間をあまりあけずに連続して基板処理装置5へFOUP3を搬送してくる場合は稀である。したがって、本発明は、搬入に用いるロードポート1台に対して複数台のOHTが同時に搬入を行うように制御する場合に、より効果を発揮する。以下に、そのような制御の実施例について説明する。ここでは、上述した実施例と同一もしくは対応する部分には同一符号を付す。
【0055】
図21は、実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図であり、図22は、実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0056】
実施例に係る基板処理システム1は、基板WをFOUP3ごと搬入して基板Wに対して処理を行い、処理を終えた基板WをFOUP3ごと搬出する機能を備えている。FOUP3は、Front Opening Unified Podの略称であり、清浄な環境に密閉した状態で基板Wを収納するものである。
【0057】
この基板処理システム1は、基板処理装置5と、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とを備えている。基板処理装置5は、複数台であるのが一般的であり、図21では、一例として二台の基板処理装置5を示している。
【0058】
基板処理装置5は、基板処理ユニット11と、ロードポート13と、内部バッファ15とを備えている。この基板処理ユニット11は、FOUP3から取り出された基板Wに対して所定の処理を行う。所定の処理としては、例えば、洗浄処理、エッチング処理、フォトレジスト除去処理などがある。ロードポート13は、基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間でFOUP3を受け渡すためのものである。この例では、ロードポート13が二台の物理ロードポートR−LP1,R−LP2を備えている。内部バッファ15は、基板処理ユニット11とロードポート13との間に配置され、ロードポート13との間でFOUP3を受け渡すとともに、基板処理ユニット11との間でFOUP3から取り出された基板Wの受け渡しを行う。また、内部バッファ15は、ロードポート13からFOUP3を搬入され、基板処理ユニット11が基板Wを受け入れられない状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したり、ロードポート13がFOUP3を搬出できない状態状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したりする、バッファリングとしての機能を備えている。
【0059】
なお、上記のFOUP3が本発明における「収納器」に相当する。
【0060】
キャリア搬送システム7は、基板処理装置5と、FOUP3を複数収納して保管する保管庫(図示せず)との間、あるいは他の基板処理装置との間でFOUP3を搬送したりするものである。キャリア搬送システム7としては、例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle)、OHT(Overhead Hoist Transport)などのAMHS(Automated Material Handling Systems)が挙げられる。この実施例では、一例として、二台の基板処理装置5の周辺において、複数台のOHT17が周回移動する構成を採っている。
【0061】
ホストコンピュータ9は、上述した基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間で通信を行う。ホストコンピュータ9は、基板処理装置5の状況に応じてキャリア搬送システム7によるFOUP3の搬送を指示する。ここでいう「搬送」とは、基板処理装置5へのFOUP3を運び入れるための搬送である「搬入」と、基板処理装置5からFOUP3を運び出すための搬送である「搬出」とを表している。
【0062】
図22に示すように、基板処理装置5は、ロードポート制御装置20を構成する対ホスト制御部21とロードポート管理部19と、内部バッファ管理部23と対キャリア搬送システム制御部25とを備えている。このロードポート制御装置20を構成するこれら対ホスト制御部21、ロードポート管理部19と、内部バッファ管理部23、対キャリア搬送システム25は、一般的な基板処理装置に含まれるものと同じ機能を有する。すなわち、一般的な基板処理システムにおいては、ロードポート管理部19は、基板処理装置5に設けられるロードポート13の物理ロードポートR−LP1,R−LP2および内部バッファ15と接続され、それらと通信してそれらの状態を認識し、その動作を制御するなどの管理を行う。また、一般的な基板処理システムにおいては、対ホスト制御部21は、ホストコンピュータ9と接続され、ロードポート管理部19が認識する物理ロードポートR−LP1,R−LP2の状態を参照して、ホストコンピュータ9に対してFOUP3の搬入要求などの通信を行う。また、一般的な基板処理システムにおいては、対キャリア搬送システム制御部25は、キャリア搬送システム7と接続され、ロードポート管理部19が認識する物理ロードポートR−LP1,R−LP2の状態等を参照して、キャリア搬送システム7との間のFOUP3の搬入動作制御にかかわる通信(後述するCS信号など)を行う。内部バッファ管理部23は、内部バッファ15における使用状況等を考慮して、どの棚にFOUP3を収納すればよいか、どの棚のFOUP3を搬出すればよいか等を判断する。
【0063】
そして、本実施形態においては、前述の一般的な基板処理システムとは異なり、これら対ホスト制御部21とホストコンピュータ9の間、および対キャリア搬送システム制御部25とキャリア搬送システム7との間に、仮想ロードポート制御部19aが介挿接続される。すなわち、本実施形態の基板処理システム1は、一般的な基板処理装置とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7の間に、仮想ロードポート制御装置19aを後付けで介挿させて構成したものである。ここでは後付けで接続した仮想ロードポート制御装置19も基板処理装置5に含まれるものとする。
【0064】
仮想ロードポート制御装置19aは、二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2のそれぞれに対して、複数個の仮想ロードポートを割り当てる。そして、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる。換言すると、仮想ロードポート制御装置19aは、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して、実在する二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2より多くの物理ロードポートが存在するかのようにみせるように信号処および通信を行う。
【0065】
また、基板処理装置5の対ホスト制御部21と、対キャリア搬送システム制御部25とに対しては、実在するよりも多くの物理ロードポートがあるかのようにふるまうホストコンピュータ5およびキャリア搬送システム7の動作に対して、その対応を、実在する二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に割り当てる。具体的には、仮想ロードポート制御装置19aは、対ホスト制御部27と、仮想ロードポート管理部29と、対キャリア搬送システム制御部31とを備えている。仮想ロードポート管理部29は、変換テーブル記憶部33を備えている。変換テーブル記憶部33は、物理ロードポートと仮想ロードポートとの対応関係を規定した「変換テーブル」を予め記憶する。この変換テーブルは、設定部35によってオペレータによって適宜に設定される。
【0066】
対ホスト制御部27は、ロードポート管理部19からの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる物理ロードポートに割り当てられている仮想ロードポートに関する通知に変換し、ホストコンピュータ9に送信する。
【0067】
対キャリア搬送システム制御部31は、キャリア搬送システム7からの仮想ロードポートV−LP1〜V−LP4に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる仮想ロードポートが割り当てられている物理ロードポートに関する通知に変換し、対キャリア搬送システム25に送信し、あるいは逆に対キャリア搬送システム25からの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる物理ロードポートに割り当てられている仮想ロードポートに関する通知に変換し、キャリア搬送システム7に送信する。
【0068】
次に、図23〜図34を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の「搬入」の流れについて説明する。
【0069】
なお、図23は、搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。また、図24〜図33は、搬入処理時の過程を示す模式図であり、図24は、ホストコンピュータへの通知を示すものであり、図25は、ホストコンピュータの搬送指示を示すものであり、図26は、キャリア搬送システムの移動を示すものであり、図27は、キャリア搬送システムによる搬入開始を示すものであり、図28は、ロードポートの対応付けを示すものであり、図29は、仮想ロードポートの状態変化の報告を示すものであり、図30は、搬入受付を示すものであり、図31は、キャリア搬送システムの移動を示すものであり、図32は、FOUPの内部バッファへの移動を示すものであり、図33は、搬入状況の報告を示すものであり、図34は、搬入処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【0070】
以下の説明においては、図24に示すように、物理ロードポートR−LP1が二つの仮想ロードポートV−LP1,2に対応付けられ、物理ロードポートR−LP2が二つの仮想ロードポートV−LP3,4に対応付けられているものとする。この対応関係は、上述した変換テーブル記憶部33の変換テーブルに規定されている。また、ここでは、二つの仮想ロートポートV−LP1,2が搬入用に設定されているものとし、以下の説明においては、理解を容易にするために仮想ロードポートV−LP1,2についてのみ説明する。
【0071】
1.基板処理装置5は、ホストコンピュータ9に対して、二つの仮想ロードポートV−LP1,2の搬入可能であるか否かについて通知する(図24)。具体的には、仮想ロードポート制御装置19aの対ホスト制御部27が仮想ロードポート管理部29を参照して、仮想ロードポートV−LP1,2というロードポートが搬入可能であることをホストコンピュータ9に通知する。
【0072】
さらに詳細に説明すると、まず、物理ロードポートR−LP1を管理するロードポート管理部23が、物理ロードポートR−LP1の状態を「搬入可能」と認識する。これに応じて対ホスト制御部21がロードポート管理部19の認識を参照して、「搬入可能」の通知を出力する。この出力は、従来の一般的な構成であれば、ホストコンピュータ9に直接送信されていたものである。しかし、本発明においては、対ホスト制御部21が出力した「搬入可能」の通知は、仮想ロードポート制御部19aの対ホスト制御部27に送信される。対ホスト制御部29は、この通知を受けて、内部の変換テーブル記憶部33が記憶している変換テーブルを参照し、「搬入可能」と通知された物理ロードポートR−LP1が仮想ロードポートV−LP1,V−LP2と対応付けられていることを認識する。そして、仮想ロードポート管理部29は、「搬入可能」と通知された物理ロードポートR−LP1に代えて、仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であると扱うように、対ホスト制御部27に通知する。対ホスト制御部27は、かかる通知に基づき、仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であると、ホストコンピュータ9に通知する。
【0073】
2.上記の通知を受けたホストコンピュータ9は、キャリア搬送システム7に対して、基板処理装置5で処理すべき2個のFOUP3について、仮想ロードポートV−LP1,2の両方にそれぞれ搬入の指示を行う(図25)。
【0074】
3.キャリア搬送システム7は、前工程の基板処理装置あるいは保管庫から第1、第2のFOUP3を取り出し、第1のFOUP3を第1のOHT17が保持し、さらに第2のFOUP3を第2のOHT17が保持し、それぞれ搬入指示を行った基板処理装置5に向かって移動を開始する。ここでは、第1のOHT17、第2のOHT17ともに同じ基板処理装置5に搬入するものとし、第1のOHT17が基板処理装置5に対して最も早く到達する位置にあり、第2のOHT17がそれよりも遅れて基板処理装置5に到着する位置にあるものとする。
【0075】
4.第1のOHT17が移動して基板処理装置5に到達すると、キャリア搬送システム7は、仮想ロードポートV−LP1へ第1のFOUP3を搬入することを基板処理装置5に対して通知する(図27)。具体的には、キャリア搬送システム7は、CS_0信号をONにし、さらに搬送開始を示すVALID信号をONにして、対キャリア搬送システム制御部31に送信する。なお、CS信号は、ロードポートの指定のために利用されるキャリア・ステージ信号であり、SEMI規格E84で規定されている。
【0076】
5.基板処理装置5は、キャリア搬送システム7から受けたCS_0信号(仮想ロードポートV−LP1を表す)と変換テーブルとを参照して、仮想ロードポートV−LP1を対応する一つの物理ロードポートR−LP1に対応付ける(図28)。具体的には、対キャリア搬送システム31が受けた信号に基づき仮想ロードポート管理部29が対応付けを行う。
【0077】
6−1.基板処理装置5は、仮想ロードポートV−LP1への搬入が開始されたことを、ホストコンピュータ9へ状態変化があったとして報告する(図29)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が対ホスト制御部27を介して、ホストコンピュータ9へ報告を行う。
【0078】
6−2.報告を受けたホストコンピュータ9は、仮想ロードポートV−LP1において搬入が開始されたことを認識する(図29)。
【0079】
7.基板処理装置5は、キャリア搬送システム7が仮想ロードポートV−LP1に向けて搬送してきた第1のFOUP3を物理ロードポートR−LP1に受け入れるために、物理ロードポートR−LP1に対して受け入れを指示するとともに、キャリア搬送システム7に対して搬入要求を行う(図30)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が対キャリア搬送システム制御部31を介し、対キャリア搬送システム制御部25に対して物理ロードポートR−LP1への搬入を通信指示する。対キャリア搬送システム制御部25は、かかる通信を受けてロードポート管理部19に対して物理ロードポートR−LP1への搬入動作を指示するとともに、対キャリア搬送システム制御部31に対して物理ロードポートR−LP1への「搬入開始」を要求する。なお、かかる要求信号は、従来の基板処理システムであれば、キャリア搬送システム7へ送信されたものであるが、本発明では、仮想ロードポート制御部19の対キャリア搬送システム制御部31に送信される。
【0080】
対キャリア搬送システム制御部31は、対キャリア搬送システム制御部25からのかかる「搬入開始」の要求信号が、上記4でキャリア搬送システム7から受けた、仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対キャリア搬送システム制御部31は、かかる「搬入開始」の要求信号を、仮想ロードポートV−LP1への「搬入開始」要求であるとして、キャリア搬送システム7に送信する。かかる要求信号として、対キャリア搬送システム制御部31は、キャリア搬送システム7に対してL_REQ信号をONする。なお、L_REQは、ロード・リクエストであり、搬入の要求を表している。
【0081】
8.キャリア搬送システム7は、第1のOHT17が保持している第1のFOUP3を、対キャリア搬送システム制御部31からの「搬入開始」要求に応じて仮想ロードポートV−LP1に向けて搬送する動作を行う。ここで、キャリア搬送システム7には、このときの搬送先である仮想ロードポートV−LP1の位置情報として、物理ロードポートR−LP1の現実の位置が設定されており、キャリア搬送システム7による仮想ロードポートV−LP1への搬送は、実際には、物理ロードポートR−LP1への搬送として実行されることになる(図31)。
【0082】
9.基板処理装置5は、物理ロードポートR−LP1に搬入された第1のFOUP3を内部バッファ15の適宜の位置に搬送する(図32)。
【0083】
10.基板処理装置5は、上述した搬入過程において、物理ロードポートR−LP1への第1のFOUP3の搬入完了を、仮想ロードポートV−LP1の搬入完了としてホストコンピュータ9に対して報告する(図33)。具体的には、ロードポート管理部19が物理ロードポートR−LP1の状況を認識し、対ホスト制御部21、対ホスト制御部27を介して、ホストコンピュータ9へ報告する。
【0084】
このとき、対ホスト制御部21は、ロードポート管理部19からの物理ロードポートR−LP1への「搬入完了」報告を対ホスト制御部27に報告する。対ホスト制御部27は、対ホスト制御部21からのかかる「搬入完了」報告が、上記6で仮想ロードポート管理部29から受けた、仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入開始通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対ホスト制御部27は、かかる「搬入完了」の報告を、仮想ロードポートV−LP1への「搬入完了」報告であるとして、ホストコンピュータ9に送信する。
【0085】
また、上記9による物理ロードポートR−LP1に搬入された第1のFOUP3が内部バッファ15に搬送されると、物理ロードポートR−LP1が再びFOUP3を受け入れ可能な状態になるので、上記1と同様に、ロードポート管理部19が、物理ロードポートR−LP1の状態を「搬入可能」と認識する。これに応じて対ホスト制御部21がロードポート管理部19の認識を参照して、「搬入可能」の通知を仮想ロードポート制御部19aの対ホスト制御部27に送信する。対ホスト制御部27はこれを受けて、上記「搬入完了」報告と同様に、仮想ロードポートV−LP1が「搬入可能」になったと認識し、これをホストコンピュータ9に通知する。かかる「搬入可能」通知は、内部バッファ15へのFOUP3の搬送のタイミングによっては、上記の「搬入完了」報告の直後であるかまたは若干遅れてなされることになる。なお、仮想ロードポートV−LP2が「搬入可能」であることは既に上記1で通知され、それに対応する第2のOHT17が既に第2のFOUP3の搬送を開始しているので、ここでは仮想ロードポートV−LP2に関する新たな通知は行われない。
【0086】
11.第1のOHT17より少し遅れて第2のOHT17が基板処置装置5に到着すると、上記4と同様に、キャリア搬送システム7は仮想ロードポートV−LP2へ第2のFOUP3を搬入することを基板処理装置5に対して通知する。具体的には、キャリア搬送システム7は、CS_1(仮想ロードポートV−LP2を表す)をONにし、さらに搬送開始を示すVALID信号をONにして、対キャリア搬送システム制御部31に送信する。以下、上記と同様に、仮想ロードポートV−LP2への搬入として、物理ロードポートR−LP1への搬入が行われる。
【0087】
なお、もし上記2の時点において、基板処理装置5で処理すべきFOUP3が第1のFOUP3の一つしかない場合には、ホストコンピュータ9は仮想ロードポートV−LP1への搬送指示は行うが、仮想ロードポートV−LP2への搬送の指示は直ちには行わず、処理すべき第2のFOUP3の準備ができるのを待つことになる。
【0088】
このような実施形態によれば、1つの物理ロードポートV−LP1に対して2つの仮想ロードポートV−LP1,V−LP2を割り当てて、その2つの仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であるとして、それぞれに対して同時に2台のOHT17を動かして搬送動作を行うことができ、1つの物理ロードポートR−LP1に対して1台のOHT17だけで搬送動作をしていた場合に比べて単位時間あたりに搬送可能なFOUP3の個数を増大させることができ、換言すると、1つのFOUP3あたりの搬送に要する時間を短縮できる。
【0089】
また、図34からも明らかなように、仮想ロードポート制御装置19aは、基板処理装置5がもともと備えている対ホスト制御部21及び対キャリア搬送システム制御部25に対しては物理ロードポートR−LP1に関する信号だけを扱い、ホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7に対しては仮想ロードポートV−LP1,V−LP2に関する信号だけを扱う。すなわち、仮想ロードポート制御装置19aは、基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7との間にあって、物理ロードポートR−LP1と仮想ロードポートV−LP1,V−LP2との対応付けと信号の変換を行っている。したがって、従来の基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7のハードウエア、ソフトウエアの構成は何ら変更することなく、それらの間に仮想ロードポート制御装置19aを介挿するだけで、本発明による制御を容易に実施することができ、また仮想ロードポート制御装置19aを取り外すだけで、容易に従来の基板処理システムの構成に戻すこともできる。
【0090】
なお、仮想ロードポートV−LP2は、同じ物理ロードポートR−LP1に対応付けられた他の仮想ロードポートである。上述した搬入過程において、キャリア搬送システム7のOHT17が一つのFOUP3を搬送するために、基板処理装置5へ移動を開始した時点から、そのFOUP3が一つの仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1に実際に載置されるまでは、もう一つの仮想ロードポートである仮想ロードポートV−LP2への搬入が可能であると、仮想ロードポート制御装置19aは、ホストコンピュータ9へ報告する。また、一つの仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1から内部バッファ15へFOUP3が搬送され始めた時点で、仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1に対応付けられている、仮想ロードポートV−LP1とは異なる他の仮想ロードポートV−LP2への搬入が可能であるとホストコンピュータ9へ報告する。
【0091】
したがって、ホストコンピュータ9は、上記の期間において、キャリア搬送システム7に対して、仮想ロードポートV−LP2を表すCS_1信号をONにして、同じ物理ロードポートR−LP1への搬入指示を行うことができる。したがって、搬入時に従来は占有されていた期間においても、ホストコンピュータ9が搬入の指示を行うことができる。したがって、効率的な搬入処理を行うことができる。
【0092】
なお、上記の説明では、仮想ロードポートV−LP1へ搬送された先の(第1の)FOUP3の搬送が完了して、内部バッファ15への取り込まれ、その後、同一の物理ロードポートR−LP1へ割り当てられた仮想ロードポートV−LP2へ次の(第2の)FOUP3が搬入される。したがって、同一の物理ロードポートR−LP1への搬入で問題が生じることはない。しかし、仮に先の(第1の)FOUP3の内部バッファ15への取り込みが完了するよりも早いタイミングで、次の(第2の)FOUP3が同一の物理ロードポートR−LP1に到着した場合には、上述した実施形態における図3のステップS1における条件2を満たすことになる。このとき、対キャリア搬送システム制御部25は、上述した実施形態と同様に、キャリア搬送システム7に対して搬入不可を通知しないで保留しておく。この保留状態は、先の(第1の)FOUP3の内部バッファ15への取り込みが完了するまで継続する。そして、先の(第1の)FOUP3の内部バッファ15への取り込みが完了し、内部バッファ管理部23がFOUP3の移動完了通知を発信すると、対キャリア搬送システム制御部25は、対キャリア搬送システム制御部31を介してキャリア搬送システム7に対して次の(第2の)FOUP3の搬入要求を行う。このようにして第1のFOUP3に続いて第2のFOUP3の物理ロードポートR−LP1への搬送が短時間で速やかに実行される。
【0093】
そして、このように次なる(第2の)FOUP3の搬入開始を保留したとしても、従来の基板処理システムのように内部バッファ15へFOUP3が取り込まれて物理ロードポートR−LP1が次の搬入を受けられるようになってから次の(第2の)FOUP3の搬送指示を行うものと比べると、本発明では早くから次なる(第2の)FOUP3の搬送を開始しているので、このような待機が生じても従来よりも効率的な搬送を行うことができる。
【0094】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0095】
(1)上述した実施例では、搬出処理において、基板処理装置5がFOUP3を内部バッファ15からロードポート13への搬出を開始した時点で、搬出可能であることを報告した。しかしながら、基板処理装置5がFOUP3を内部バッファ15からロードポート13への搬出を開始してから、FOUP3が実際にロードポート13に載置されるまでの間に、搬出可能であることを報告するようにしてもよい。この間の時点のどのタイミングであっても、従来技術よりキャリア搬送システムが移動を開始するまでの時間を早めることができる。
【0096】
(2)上述した実施例では、上述した実施例では、キャリア搬送システム7がOHT17を備える場合を例示したが、これに代えてAGV(Automatic Guided Vehicle)を採用してもよい。
【符号の説明】
【0097】
W … 基板
1 … 基板処理システム
3 … FOUP
5 … 基板処理装置
7 … キャリア搬送システム
9 … ホストコンピュータ
11 … 基板処理ユニット
13 … ロードポート
15 … 内部バッファ
17 … OHT
19 … ロードポート管理部
21 … 対ホストコンピュータ制御部
23 … 内部バッファ管理部
25 … 対キャリア搬送システム制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶ディスプレイ用基板、プラズマディスプレイ用基板、有機EL用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスプレイ用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、太陽電池用基板(以下、単に基板と称する)を収納した収納器を基板処理装置との間で搬送する基板処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の基板処理システムとして、基板処理ユニットと、収納器収容・搬送ユニットと、ロードポートとを備えた基板処理装置と、ホストコンピュータの指示により収納器を搬送するキャリア搬送システムと、全体の制御を行うホストコンピュータとを備えたものが挙げられる。
【0003】
基板処理ユニットは、基板に対して各種処理を行う。収納器収容・搬送ユニットは、基板処理ユニットに並設され、基板を収容するFOUP(Front Opening Unified Pod)を収容したり、搬送したりする。ロードポートは、収納器収容・搬送ユニットに並設され、FOUPを載置する。キャリア搬送システム(Automated Material Handling System)は、無人搬送車(AGV: Automatic Guided Vehicles)や、天井走行式無人搬送車OHT(Overhead Hoist Transfer)などの移動機を備えており、ロードポートとの間でFOUPの受け渡しを行う。ホストコンピュータは、基板処理装置やキャリア搬送システムとの間で通信を行い、FOUPの搬送に係る制御を行う。
【0004】
キャリア搬送システムがFOUPを基板処理装置に対して搬送するには、時間を要する。したがって、基板処理装置が収納器収容・搬送ユニットを備えている場合には、ロードポートにFOUPが搬入された後、ロードポートから収納器収容・搬送ユニットに対してFOUPをできるだけ早く取り込むようにして、次の搬送のためにロードポートを開けるようにすることが求められる。このような要望を満たすために、ロードポート付近における収納器の一時的な待避場所として、可動バッファを設けているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この装置は、ロードポートにFOUPが載置されると、可動バッファによりロードポートから横方向にFOUPを一時的にスライド移動させて待避させ、ロードポートを次の搬送に利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2008−508731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、FOUPをロードポートから一時的に待避させる機構を備えているが、例えば、キャリア搬送システムの二台のOHTが連続して同じロードポートにFOUPを搬入するような場合には、搬入間隔が短いので、一方のOHTが搬入したFOUPがロードポートから待避するよりも早く、他方のOHTがFOUPを搬入しようとした場合には、ロードポートにFOUPを搬入することができず、OHTによるFOUPの搬入に失敗することがあるという問題がある。このような搬入の失敗が生じると、ロードポートはキャリア搬送システムに対して直ちにそのOHTが「搬入不可」であると通知する。すると、OHTは、そのロードポートを通過してキャリア搬送システムの周回軌道を回った後、再び搬入を試みることになる。また、搬出についても、同様の問題が生じることがある。したがって、OHTが再び周回軌道を回るには、時間を要することになるので、キャリア搬送システムの資源が有効に利用できないことがあるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、キャリア搬送システムを有効に利用することができる基板処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、前記基板処理装置は、前記ロードポートが一の収納器により使用中である場合に、当該ロードポートとの間で他の収納器を授受すべくキャリア搬送システムの移動機が到来したとき、拝受不可であることを前記一の収納器の使用が終了するまで通知しない対キャリア搬送システム制御部を備えていることを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、基板処理装置は、収納器をロードポートに搬入するためにキャリア搬送システムの移動機が移動してきた際に、ロードポートに別の収納器が載置されて内部バッファへの受け渡し中であるなどの状態である場合には、キャリア搬送システムが搬送開始を通知しても、収納器を内部バッファへ搬送し終えるまでキャリア搬送システムに対して搬入可否の通知を保留する対キャリア搬送システム制御部を備えている。したがって、前の移動機に続いて次の移動機が収納器を搬送する場合であっても、後の移動機が無用に周回軌道を回ることがない。その結果、収納器の搬入に関してキャリア搬送システムを有効利用することができる。
【0011】
また、本発明において、前記キャリア搬送システムは、搬入の際に、前記ロードポートに別の収納器が載置されている場合には、前記対キャリア搬送システム制御部から搬入の許可を得るまで、その位置で待機することが好ましい(請求項2)。一般的には、キャリア搬送システムは、搬送開始を通知した後、予め決められた時間を経過すると、その場から離れて周回軌道に戻る。しかし、対キャリア搬送システム制御部から搬入の許可が得られるまで、その位置で待機することにより、周回の無駄をなくすことができる。
【0012】
また、本発明において、前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器を前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることが好ましい(請求項3)。基板処理装置が収納器を内部バッファからロードポートへの搬出を開始してから、収納器が実際にロードポートに載置されるまでの間に、対ホストコンピュータ制御部がホストコンピュータへ収納器が搬出可能であることを報告する。したがって、実際に収納器がロードポートに載置されてから搬出可能であることを報告する場合に比較して、キャリア搬送システムが移動を開始するまでの時間を早めることができる。その結果、収納器の搬出に関して、キャリア搬送システムを有効利用することができる。
【0013】
また、本発明において、前記キャリア搬送システムは、前記キャリア搬送システムが収納器を搬出するために移動してきた際に、前記ロードポートに対して収納器が載置されていない場合には、前記収納器が前記ロードポートに載置されるまで、その位置で待機することが好ましい(請求項4)。一般的には、キャリア搬送システムが収納器を搬出しにきた際に、ロードポートに収納器が載置されていない場合には、キャリア搬送システムは周回軌道に戻る。しかし、収納器がロードポートに載置されるまで待機するので、周回の無駄をなくすことができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明は、基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器の前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることを特徴とするものである。
【0015】
[作用・効果]請求項5に記載の発明によれば、ホストコンピュータから内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、収納器がロードポートへ載置されるまでの間に、ホストコンピュータに対して収納器が搬出可能であることを報告するので、基板処理システムの移動機が速やかにロードポートに移動し到着できるので、収納器を早期に搬出することができる。
【0016】
また、本発明において、前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置をさらに備えるが好ましい(請求項6)。これにより、1つの物理ロードポートに対して同時に複数の移動機によって複数の収納器を同時に搬送することができ、多数の収納器を効率よく搬送できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る基板処理システムによれば、基板処理装置は、収納器をロードポートに搬入するためにキャリア搬送システムの移動機が移動してきた際に、ロードポートに別の収納器が載置された状態である場合には、キャリア搬送システムが搬送開始を通知しても、収納器を内部バッファへ搬送し終えるまでキャリア搬送システムに対して搬入可否を通知しない対キャリア搬送システム制御部を備えている。したがって、前の移動機に続いて移動機が収納器を搬送する場合であっても、後の移動機が周回軌道を回ることがない。その結果、収納器の搬入に関してキャリア搬送システムを有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図である。
【図2】実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。
【図4】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの状態を示す。
【図5】搬入処理時の過程を示す模式図であり、基板処理装置への搬送開始の通知を示す。
【図6】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムへの通知を示す。
【図7】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートへの搬入を示す。
【図8】搬入処理時の過程を示す模式図であり、次のキャリア搬送システムによる搬送開始の通知を示す。
【図9】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入要求の保留を示す。
【図10】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入要求の通知を示す。
【図11】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートへの搬入を示す。
【図12】搬出処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。
【図13】搬出処理時の過程を示す模式図であり、基板処理装置への払い出し指示を示す。
【図14】搬出処理時の過程を示す模式図であり、払い出しの開始を示す。
【図15】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータへの搬出可能の通知を示す。
【図16】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムに対する搬出の指示を示す。
【図17】搬出処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図18】搬出処理時の過程を示す模式図であり、搬送開始の通知を示す。
【図19】搬出処理時の過程を示す模式図であり、搬出要求の通知を示す。
【図20】搬出処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートからの搬出を示す。
【図21】実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図である。
【図22】実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図23】搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。
【図24】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータへの通知を示す。
【図25】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ホストコンピュータの搬送指示を示す。
【図26】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図27】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムによる搬入開始を示す。
【図28】搬入処理時の過程を示す模式図であり、ロードポートの対応付けを示す。
【図29】搬入処理時の過程を示す模式図であり、仮想ロードポートの状態変化の報告を示す。
【図30】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入受付を示す。
【図31】搬入処理時の過程を示す模式図であり、キャリア搬送システムの移動を示す。
【図32】搬入処理時の過程を示す模式図であり、FOUPの内部バッファへの移動を示す。
【図33】搬入処理時の過程を示す模式図であり、搬入状況の報告を示す。
【図34】搬入処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
図1は、実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図であり、図2は、実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0020】
この基板処理システム1は、基板WをFOUP3ごと搬入して基板Wに対して処理を行い、処理を終えた基板WをFOUP3ごと搬出する機能を備えている。FOUP3は、Front Opening Unified Podの略称であり、清浄な環境に密閉した状態で基板Wを収納するものである。
【0021】
基板処理システム1は、例えば、基板処理装置5と、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とを備えている。基板処理装置5は、複数台であるのが一般的であり、図1では、一例として二台の基板処理装置5を示している。
【0022】
基板処理装置5は、基板処理ユニット11と、ロードポート13と、内部バッファ15とを備えている。基板処理ユニット11は、FOUP3から取り出された基板Wに対して所定の処理を行う。所定の処理としては、例えば、洗浄処理、エッチング処理、フォトレジスト除去処理などがある。ロードポート13は、基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間でFOUP3を受け渡すものである。この例では、ロードポート13が二台の物理ロードポートLP1,LP2を備えている。内部バッファ15は、基板処理ユニット11とロードポート13との間に配置され、ロードポート13との間でFOUP3を受け渡すとともに、基板処理ユニット11との間でFOUP3から取り出された基板Wの受渡を行う。また、内部バッファ15は、ロードポート13からFOUP3を搬入され、基板処理ユニット11が基板Wを受け入れられない状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したり、ロードポート13がFOUP3を搬出できない状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したりする、バッファリングの機能を備えている。
【0023】
なお、上記のFOUP3が本発明における「収納器」に相当する。
【0024】
キャリア搬送システム7は、基板処理装置5との間でFOUP3を搬送したり、図示しないFOUP3の保管庫と基板処理装置5との間でFOUP3を搬送したりするものである。キャリア搬送システム7としては、例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle)、OHT(Overhead Hoist Transport)などの移動機を備えるAMHS(Automated Material Handling Systems)が挙げられる。この実施例では、一例として、二台の基板処理装置5の周辺において、移動機としてのOHT17が周回移動する構成を採っている。ここでは、一例として、OHT17が二台あり、それぞれOHT17A、17Bとする。
【0025】
ホストコンピュータ9は、上述した基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間で通信を行う。ホストコンピュータ9は、基板処理装置5の状況に応じてキャリア搬送システム7によるFOUP3の搬送を指示する。ここでいう「搬送」とは、基板処理装置5へのFOUP3を運び入れるための搬送である「搬入」と、基板処理装置5からFOUP3を運び出すための搬送である「搬出」とを表している。
【0026】
図2に示すように、上述した基板処理装置5は、ロードポート管理部19を備えている。ロードポート管理部19は、二つの物理ロードポートLP1,LP2の状態を判断して、キャリア搬送システム7及びホストコンピュータ9との間で通信を行う。また、物理ロードポートLP1を搬入に割り当て、物理ロードポートLP2を搬出に割り当てる等の処理も行う。
【0027】
基板処理装置5は、対ホストコンピュータ制御部21と、内部バッファ管理部23と、対キャリア搬送システム制御部25とを備えている。対ホストコンピュータ制御部21は、主としてホストコンピュータ9との間における通信を行う。内部バッファ管理部23は、内部バッファ15における使用状況等を判断して、どの棚にFOUP3を収納すればよいかや、どの棚のFOUP3を搬出すればよいか等を判断する。対キャリア搬送システム制御部25は、キャリア搬送システム7との間で通信を行う。
【0028】
詳細は後述するが、対キャリア搬送システム制御部25は、各種の条件に応じて搬入の制御を行う。例えば、FOUP3を搬入する場合に、FOUP3をロードポート13に搬入するためにキャリア搬送システム7が移動してきた際に、ロードポート管理部19におけるロードポート13の管理状況に基づいて、ロードポート13に別のFOUP3が載置された状態、すなわちロードポート13から内部バッファ15への受け渡しが完了していない状態であると判断した場合であっても、当該別のFOUP3を内部バッファ15へ搬送し終えるまでは、キャリア搬送システム7に対して搬入不可を通知しないように保留する。なお、このとき、例えば、キャリア搬送システム7のOHT17Aに続いてOHT17Bが搬入のために移動してきた場合には、後のOHT17Bは、特定の条件を満たさない限り、対キャリア搬送システム制御部25から搬入の許可を得るまで、その位置で待機する。
【0029】
また、詳細は後述するが、対ホストコンピュータ制御部21は、各種の条件に応じて搬出に係る制御を行う。例えば、ホストコンピュータ9から内部バッファ15のFOUP3の搬出を指示された際に、ロードポート管理部19の管理状況に基づいて、そのFOUP3を内部バッファ15からロードポート13のうちのいずれかの物理ロードポートLP1,LP2へ搬送する。その搬送を開始した後、そのFOUP3が物理ロードポートLP1,LP2のいずれかへ載置されるまでの間、すなわち、ロードポート13がFOUP3によって使用中に、ホストコンピュータ9に対してFOUP3が搬出可能であることを報告する。
【0030】
なお、このとき、キャリア搬送システム7は、FOUP3を搬出するために移動してきた際に、ロードポート13の物理ロードポートLP1,LP2のいずれにもFOUP3が載置されていない場合、すなわち、収納バッファ15からロードポート13への受け渡しが完了していない状態のときには、キャリア搬送システム7との授受可否の通知が保留されるので、その位置で待機する。
【0031】
<搬入処理>
【0032】
次に、図3〜図11を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の「搬入」の流れについて説明する。
【0033】
なお、図3は、搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。また、図4〜図11は、搬入処理時の過程を示す模式図であり、図4は、キャリア搬送システムの状態を示し、図5は、基板処理装置への搬送開始の通知を示し、図6は、キャリア搬送システムへの通知を示し、図7は、ロードポートへの搬入を示し、図8は、次のキャリア搬送システムによる搬送開始の通知を示し、図9は、搬入要求の保留を示し、図10は、搬入要求の通知を示し、図11は、ロードポートへの搬入を示す。
【0034】
以下の説明においては、図4に示すように、キャリア搬送システム7のOHT17AがFOUP3aを保持し、OHT17BがFOUP3bを保持し、その順番で基板処理装置5に移動してきて、搬入処理を待っている状態であるものとする。
【0035】
キャリア搬送システム7は、基板処理装置5の対キャリア搬送システム制御部25に対して、VALD信号をONする(図5)。このVALD信号は、搬送開始を示す信号である。基板処理装置5の対キャリア搬送システム制御部25は、VALD信号がONであることを検出する(ステップS1)。この例では、二台のOHT17A、17Bのうち、先行するOHT17AがVALD信号をONにしているものとする。
【0036】
対キャリア搬送システム制御部25は、ロードポート管理部19による状況を考慮して、条件に応じて処理を分岐する(ステップS2)。「条件1」は、搬入が可能である場合である。搬入が可能であれば、L_REQ信号をОNにする。このL_REQ信号は、搬入を許可することを意味する。一方、「条件2」は、ロードポート13が使用中であったり、そのFOUP3が内部バッファ15へ搬送中であったりする場合である。つまり、厳密には、ロードポート13が使用可能ではない状態である。「条件3」は、条件1,2以外の状況である。例えば、ロードポート13に故障が生じて、使用不可能な状態であるなどの場合である。
【0037】
ここでは、最初のOHT17Aについては、ロードポート13が空であるので、条件1を満たす。したがって、図6に示すように、対キャリア搬送システム制御部25は、キャリア搬送システム7に対してOHT17AのL_REQ信号をONする(ステップS3)。このL_REQ信号は、Load REQuestを表し、搬入要求のことである。搬入要求を受けたキャリア搬送システム7のOHT17Aは、FOUP3aを物理ロードポートLP1に載置する移載を実行する(図7)。そして、OHT17Aは、その場所を離れて、キャリア搬送システム7の周回軌道に戻る。
【0038】
次に、OHT17Bは、基板処理装置5の前に移動し、対キャリア搬送システム制御部25に対して、搬送開始を示すVALD信号をONにする(図8)。このとき、物理ロードポートLP1には、先のFOUP3aが載置された状態である。
【0039】
内部バッファ管理部23は、内部バッファ15の使用状況を考慮して、内部バッファ15の適宜の棚にFOUP3aを移動し始める(図9)。このとき、対キャリア搬送システム制御部25は、VALD信号を受けて、一般的には搬入要求をするところであるが、本発明はキャリア搬送システム7に対する搬入要求を保留しておき、かつ、搬入不可の通知も直ちには行わない。これは、先のFOUP3aの移動が開始されたばかりで、ロードポート13が使用できないからである。具体的には、図3におけるステップS2における条件2を満たすので、ステップS2からステップS4に移行して、時間調整を図る。詳細には、対キャリア搬送システム制御部25は、内部バッファ管理部23からの移動完了通知を待って、搬入要求をキャリア搬送システム7に対して行う(図10)。搬入要求を受けたキャリア搬送システム7は、OHT17BからFOUP3bを物理ロードポートLP1へ移載させる(図10)。移載を終えたOHT17Bは、周回軌道へ戻る。
【0040】
なお、上述した条件3を満たした場合には、HO_AVBLE信号をOFFにし(ステップS5)、搬入処理を中止する。これにより、搬入が中止されるので、キャリア搬送システム7は、基板処理装置5の前に移動して待機しているOHT17を周回軌道に戻す。これにより、OHT17が基板処理装置5の前で待機し続ける不具合を回避できる。
【0041】
このように、基板処理装置5は、FOUP3をロードポート13に搬入するためにキャリア搬送システム7が移動してきた際に、ロードポート13に別のFOUP3aが載置された状態である場合には、キャリア搬送システム7が搬送開始を通知しても、FOUP3aを内部バッファ15へ搬送し終えるまでキャリア搬送システム7に対して搬入可否を通知せず、待機させる対キャリア搬送システム制御部25を備えている。したがって、前のOHT17Aに続いてOHT17BがFOUP3bを搬送する場合であっても、後のOHT17Bが無用に周回軌道を回ることがない。その結果、FOUP3の搬入に関してキャリア搬送システム7を有効利用することができる。
【0042】
また、キャリア搬送システム7は、搬入の際に、ロードポート13に別のFOUP3が載置されている場合には、対キャリア搬送システム制御部25から搬入の許可を得るまで、その位置で待機するので、無駄に周回軌道を回ることがない。このためには、キャリア搬送システム7が備えるタイマの値を変えることが好ましい。具体的には、搬入開始(VALD信号がON)を要求してから、搬入要求(L_REQ信号がON)になるまでの待ち時間を計時するタイマの値を、例えば、標準的な2秒程度から10秒程度に変えればよい。これは、ロードポート13から内部バッファ15へFOUP3の搬送に要する時間である。なお、安全のためマージンを考慮して若干長めに決定しても、実質的に搬送に要する時間であればよい。
【0043】
<搬出処理>
【0044】
次に、図12〜図20を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の「搬出」の流れについて説明する。
【0045】
なお、図12は、搬出処理時におけるシーケンスを示したタイムチャート及びフローチャートである。また、図13〜図20は、搬出処理時の過程を示す模式図であり、図13は、基板処理装置への払い出し指示を示し、図14は、払い出しの開始を示し、図15は、ホストコンピュータへの搬出可能の通知を示し、図16は、キャリア搬送システムに対する搬出の指示を示し、図17は、キャリア搬送システムの移動を示し、図18は、搬送開始の通知を示し、図19は、搬出要求の通知を示し、図20は、ロードポートからの搬出を示す。
【0046】
以下の説明では、キャリア搬送システム7のOHT17Aが基板処理装置5のFOUP3を搬出する処理について説明する。なお、OHT17Aは、周回軌道を回っているものとする。
【0047】
ホストコンピュータ9は、基板処理装置5に対してFOUP3の搬出を指示する(図13)。これを受けた基板処理装置5は、内部バッファ管理部23の状況を考慮して、内部バッファ15の棚から、指定されたFOUP3を搬出する処理を開始する(図14、ステップS11)。
【0048】
基板処理装置5は、ロードポート13へのFOUP3の移動を始めたばかりであり、ロードポート13への移動を完了していないが、搬出許可(RTU(Ready To Unload)信号をON)をホストコンピュータ9に通知する(図15、ステップS12)。ホストコンピュータ9は、これを受けて、キャリア搬送システム7のOHT17Aに対して、搬出を指示する(図16)。OHT17Aは、基板処理装置5へ移動し(図17)、移動を完了した時点で搬入開始(VALD信号)をONにする(図18、ステップS13)。
【0049】
対ホストコンピュータ制御部21は、ロードポート管理部19の状況を考慮して、条件に応じて処理を分岐する。「条件1」は、ロードポート13にFOUP3が載置されており、FOUP3の搬出が可能である場合である。「条件2」は、内部バッファ15からFOUP3が搬送中であって、ロードポート13への払い出し搬出が完了していない場合である。「条件3」は、条件1,2以外の場合である。例えば、内部バッファ15やロードポート13に障害が生じて、使用不可能となった場合などである。
【0050】
ここで、条件1であった場合には、搬入開始を受けて、キャリア搬送システム7に対して搬送要求(U_REQ(Unload REQuest)信号をON)を行う(図19、ステップS15)。キャリア搬送システム7は、OHT17Aに対して、ロードポート13からFOUP3を搬出するよう指示する。OHT17Aは、ロードポート13からFOUP3を受け取って搬送を開始する(図20)。
【0051】
また、条件2であった場合には、時間調整を行い(ステップS16)、その間、搬送要求を保留する。その後に、搬送要求を行う(ステップS15)。条件3であった場合には、HO_AVBAL信号をOFFにし(ステップS16)、搬出処理を中止する。
【0052】
このように、基板処理装置5がFOUP3を内部バッファ15からロードポート13への搬出を開始した時点で、対ホストコンピュータ制御部21がホストコンピュータ9へFOUP3が搬出可能であることを報告する。したがって、実際にFOUP3がロードポート13に載置されてから搬出可能であることを報告する場合に比較して、ホストコンピュータ9からキャリア搬送システム7が移動を開始するまでの時間を早めることができる。その結果、FOUP3の搬出に関して、キャリア搬送システム7を有効利用することができる。
【0053】
なお、一般的には、キャリア搬送システム7がFOUP3を搬出しにきた際に、ロードポート13に収納器が載置されていない場合には、キャリア搬送システム7はOHT17を周回軌道に戻す。しかし、本実施形態では、搬送要求、搬送不可等の授受可否の通知を、ロードポート13と内部バッファ15との受け渡し完了まで保留し、FOUP3がロードポート13に載置されるまで待機するので、周回の無駄をなくすことができる。
【0054】
なお、本発明は、基板処理装置5へのFOUP3の搬入においては、複数の移動機すなわちOHT17が時間をあまりあけずに連続して基板処理装置5へFOUP3を搬送してくる場合に有効である。ところで、この種の基板処理装置とキャリア搬送システムの制御においては、搬入に用いるロードポート1台に対しては1台のOHTが搬入作業を行うように制御するのが一般的であるので、そのような制御では、上記のように複数のOHT17が時間をあまりあけずに連続して基板処理装置5へFOUP3を搬送してくる場合は稀である。したがって、本発明は、搬入に用いるロードポート1台に対して複数台のOHTが同時に搬入を行うように制御する場合に、より効果を発揮する。以下に、そのような制御の実施例について説明する。ここでは、上述した実施例と同一もしくは対応する部分には同一符号を付す。
【0055】
図21は、実施例に係る基板処理システムの概要を示す平面図であり、図22は、実施例に係る基板処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【0056】
実施例に係る基板処理システム1は、基板WをFOUP3ごと搬入して基板Wに対して処理を行い、処理を終えた基板WをFOUP3ごと搬出する機能を備えている。FOUP3は、Front Opening Unified Podの略称であり、清浄な環境に密閉した状態で基板Wを収納するものである。
【0057】
この基板処理システム1は、基板処理装置5と、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とを備えている。基板処理装置5は、複数台であるのが一般的であり、図21では、一例として二台の基板処理装置5を示している。
【0058】
基板処理装置5は、基板処理ユニット11と、ロードポート13と、内部バッファ15とを備えている。この基板処理ユニット11は、FOUP3から取り出された基板Wに対して所定の処理を行う。所定の処理としては、例えば、洗浄処理、エッチング処理、フォトレジスト除去処理などがある。ロードポート13は、基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間でFOUP3を受け渡すためのものである。この例では、ロードポート13が二台の物理ロードポートR−LP1,R−LP2を備えている。内部バッファ15は、基板処理ユニット11とロードポート13との間に配置され、ロードポート13との間でFOUP3を受け渡すとともに、基板処理ユニット11との間でFOUP3から取り出された基板Wの受け渡しを行う。また、内部バッファ15は、ロードポート13からFOUP3を搬入され、基板処理ユニット11が基板Wを受け入れられない状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したり、ロードポート13がFOUP3を搬出できない状態状態の場合には、一時的にFOUP3を収容したりする、バッファリングとしての機能を備えている。
【0059】
なお、上記のFOUP3が本発明における「収納器」に相当する。
【0060】
キャリア搬送システム7は、基板処理装置5と、FOUP3を複数収納して保管する保管庫(図示せず)との間、あるいは他の基板処理装置との間でFOUP3を搬送したりするものである。キャリア搬送システム7としては、例えば、AGV(Automatic Guided Vehicle)、OHT(Overhead Hoist Transport)などのAMHS(Automated Material Handling Systems)が挙げられる。この実施例では、一例として、二台の基板処理装置5の周辺において、複数台のOHT17が周回移動する構成を採っている。
【0061】
ホストコンピュータ9は、上述した基板処理装置5とキャリア搬送システム7との間で通信を行う。ホストコンピュータ9は、基板処理装置5の状況に応じてキャリア搬送システム7によるFOUP3の搬送を指示する。ここでいう「搬送」とは、基板処理装置5へのFOUP3を運び入れるための搬送である「搬入」と、基板処理装置5からFOUP3を運び出すための搬送である「搬出」とを表している。
【0062】
図22に示すように、基板処理装置5は、ロードポート制御装置20を構成する対ホスト制御部21とロードポート管理部19と、内部バッファ管理部23と対キャリア搬送システム制御部25とを備えている。このロードポート制御装置20を構成するこれら対ホスト制御部21、ロードポート管理部19と、内部バッファ管理部23、対キャリア搬送システム25は、一般的な基板処理装置に含まれるものと同じ機能を有する。すなわち、一般的な基板処理システムにおいては、ロードポート管理部19は、基板処理装置5に設けられるロードポート13の物理ロードポートR−LP1,R−LP2および内部バッファ15と接続され、それらと通信してそれらの状態を認識し、その動作を制御するなどの管理を行う。また、一般的な基板処理システムにおいては、対ホスト制御部21は、ホストコンピュータ9と接続され、ロードポート管理部19が認識する物理ロードポートR−LP1,R−LP2の状態を参照して、ホストコンピュータ9に対してFOUP3の搬入要求などの通信を行う。また、一般的な基板処理システムにおいては、対キャリア搬送システム制御部25は、キャリア搬送システム7と接続され、ロードポート管理部19が認識する物理ロードポートR−LP1,R−LP2の状態等を参照して、キャリア搬送システム7との間のFOUP3の搬入動作制御にかかわる通信(後述するCS信号など)を行う。内部バッファ管理部23は、内部バッファ15における使用状況等を考慮して、どの棚にFOUP3を収納すればよいか、どの棚のFOUP3を搬出すればよいか等を判断する。
【0063】
そして、本実施形態においては、前述の一般的な基板処理システムとは異なり、これら対ホスト制御部21とホストコンピュータ9の間、および対キャリア搬送システム制御部25とキャリア搬送システム7との間に、仮想ロードポート制御部19aが介挿接続される。すなわち、本実施形態の基板処理システム1は、一般的な基板処理装置とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7の間に、仮想ロードポート制御装置19aを後付けで介挿させて構成したものである。ここでは後付けで接続した仮想ロードポート制御装置19も基板処理装置5に含まれるものとする。
【0064】
仮想ロードポート制御装置19aは、二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2のそれぞれに対して、複数個の仮想ロードポートを割り当てる。そして、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して複数個の仮想ロードポートを複数個の物理ロードポートとして扱わせる。換言すると、仮想ロードポート制御装置19aは、キャリア搬送システム7と、ホストコンピュータ9とに対して、実在する二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2より多くの物理ロードポートが存在するかのようにみせるように信号処および通信を行う。
【0065】
また、基板処理装置5の対ホスト制御部21と、対キャリア搬送システム制御部25とに対しては、実在するよりも多くの物理ロードポートがあるかのようにふるまうホストコンピュータ5およびキャリア搬送システム7の動作に対して、その対応を、実在する二つの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に割り当てる。具体的には、仮想ロードポート制御装置19aは、対ホスト制御部27と、仮想ロードポート管理部29と、対キャリア搬送システム制御部31とを備えている。仮想ロードポート管理部29は、変換テーブル記憶部33を備えている。変換テーブル記憶部33は、物理ロードポートと仮想ロードポートとの対応関係を規定した「変換テーブル」を予め記憶する。この変換テーブルは、設定部35によってオペレータによって適宜に設定される。
【0066】
対ホスト制御部27は、ロードポート管理部19からの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる物理ロードポートに割り当てられている仮想ロードポートに関する通知に変換し、ホストコンピュータ9に送信する。
【0067】
対キャリア搬送システム制御部31は、キャリア搬送システム7からの仮想ロードポートV−LP1〜V−LP4に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる仮想ロードポートが割り当てられている物理ロードポートに関する通知に変換し、対キャリア搬送システム25に送信し、あるいは逆に対キャリア搬送システム25からの物理ロードポートR−LP1,R−LP2に関する通知を受けて、仮想ロードポート管理部29の情報を参照してかかる物理ロードポートに割り当てられている仮想ロードポートに関する通知に変換し、キャリア搬送システム7に送信する。
【0068】
次に、図23〜図34を参照して、上述した基板処理システム1によるFOUP3の「搬入」の流れについて説明する。
【0069】
なお、図23は、搬入処理時におけるシーケンスを示したタイムチャートである。また、図24〜図33は、搬入処理時の過程を示す模式図であり、図24は、ホストコンピュータへの通知を示すものであり、図25は、ホストコンピュータの搬送指示を示すものであり、図26は、キャリア搬送システムの移動を示すものであり、図27は、キャリア搬送システムによる搬入開始を示すものであり、図28は、ロードポートの対応付けを示すものであり、図29は、仮想ロードポートの状態変化の報告を示すものであり、図30は、搬入受付を示すものであり、図31は、キャリア搬送システムの移動を示すものであり、図32は、FOUPの内部バッファへの移動を示すものであり、図33は、搬入状況の報告を示すものであり、図34は、搬入処理時における各部間の信号等のやりとりを示す模式図である。
【0070】
以下の説明においては、図24に示すように、物理ロードポートR−LP1が二つの仮想ロードポートV−LP1,2に対応付けられ、物理ロードポートR−LP2が二つの仮想ロードポートV−LP3,4に対応付けられているものとする。この対応関係は、上述した変換テーブル記憶部33の変換テーブルに規定されている。また、ここでは、二つの仮想ロートポートV−LP1,2が搬入用に設定されているものとし、以下の説明においては、理解を容易にするために仮想ロードポートV−LP1,2についてのみ説明する。
【0071】
1.基板処理装置5は、ホストコンピュータ9に対して、二つの仮想ロードポートV−LP1,2の搬入可能であるか否かについて通知する(図24)。具体的には、仮想ロードポート制御装置19aの対ホスト制御部27が仮想ロードポート管理部29を参照して、仮想ロードポートV−LP1,2というロードポートが搬入可能であることをホストコンピュータ9に通知する。
【0072】
さらに詳細に説明すると、まず、物理ロードポートR−LP1を管理するロードポート管理部23が、物理ロードポートR−LP1の状態を「搬入可能」と認識する。これに応じて対ホスト制御部21がロードポート管理部19の認識を参照して、「搬入可能」の通知を出力する。この出力は、従来の一般的な構成であれば、ホストコンピュータ9に直接送信されていたものである。しかし、本発明においては、対ホスト制御部21が出力した「搬入可能」の通知は、仮想ロードポート制御部19aの対ホスト制御部27に送信される。対ホスト制御部29は、この通知を受けて、内部の変換テーブル記憶部33が記憶している変換テーブルを参照し、「搬入可能」と通知された物理ロードポートR−LP1が仮想ロードポートV−LP1,V−LP2と対応付けられていることを認識する。そして、仮想ロードポート管理部29は、「搬入可能」と通知された物理ロードポートR−LP1に代えて、仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であると扱うように、対ホスト制御部27に通知する。対ホスト制御部27は、かかる通知に基づき、仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であると、ホストコンピュータ9に通知する。
【0073】
2.上記の通知を受けたホストコンピュータ9は、キャリア搬送システム7に対して、基板処理装置5で処理すべき2個のFOUP3について、仮想ロードポートV−LP1,2の両方にそれぞれ搬入の指示を行う(図25)。
【0074】
3.キャリア搬送システム7は、前工程の基板処理装置あるいは保管庫から第1、第2のFOUP3を取り出し、第1のFOUP3を第1のOHT17が保持し、さらに第2のFOUP3を第2のOHT17が保持し、それぞれ搬入指示を行った基板処理装置5に向かって移動を開始する。ここでは、第1のOHT17、第2のOHT17ともに同じ基板処理装置5に搬入するものとし、第1のOHT17が基板処理装置5に対して最も早く到達する位置にあり、第2のOHT17がそれよりも遅れて基板処理装置5に到着する位置にあるものとする。
【0075】
4.第1のOHT17が移動して基板処理装置5に到達すると、キャリア搬送システム7は、仮想ロードポートV−LP1へ第1のFOUP3を搬入することを基板処理装置5に対して通知する(図27)。具体的には、キャリア搬送システム7は、CS_0信号をONにし、さらに搬送開始を示すVALID信号をONにして、対キャリア搬送システム制御部31に送信する。なお、CS信号は、ロードポートの指定のために利用されるキャリア・ステージ信号であり、SEMI規格E84で規定されている。
【0076】
5.基板処理装置5は、キャリア搬送システム7から受けたCS_0信号(仮想ロードポートV−LP1を表す)と変換テーブルとを参照して、仮想ロードポートV−LP1を対応する一つの物理ロードポートR−LP1に対応付ける(図28)。具体的には、対キャリア搬送システム31が受けた信号に基づき仮想ロードポート管理部29が対応付けを行う。
【0077】
6−1.基板処理装置5は、仮想ロードポートV−LP1への搬入が開始されたことを、ホストコンピュータ9へ状態変化があったとして報告する(図29)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が対ホスト制御部27を介して、ホストコンピュータ9へ報告を行う。
【0078】
6−2.報告を受けたホストコンピュータ9は、仮想ロードポートV−LP1において搬入が開始されたことを認識する(図29)。
【0079】
7.基板処理装置5は、キャリア搬送システム7が仮想ロードポートV−LP1に向けて搬送してきた第1のFOUP3を物理ロードポートR−LP1に受け入れるために、物理ロードポートR−LP1に対して受け入れを指示するとともに、キャリア搬送システム7に対して搬入要求を行う(図30)。具体的には、仮想ロードポート管理部29が対キャリア搬送システム制御部31を介し、対キャリア搬送システム制御部25に対して物理ロードポートR−LP1への搬入を通信指示する。対キャリア搬送システム制御部25は、かかる通信を受けてロードポート管理部19に対して物理ロードポートR−LP1への搬入動作を指示するとともに、対キャリア搬送システム制御部31に対して物理ロードポートR−LP1への「搬入開始」を要求する。なお、かかる要求信号は、従来の基板処理システムであれば、キャリア搬送システム7へ送信されたものであるが、本発明では、仮想ロードポート制御部19の対キャリア搬送システム制御部31に送信される。
【0080】
対キャリア搬送システム制御部31は、対キャリア搬送システム制御部25からのかかる「搬入開始」の要求信号が、上記4でキャリア搬送システム7から受けた、仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対キャリア搬送システム制御部31は、かかる「搬入開始」の要求信号を、仮想ロードポートV−LP1への「搬入開始」要求であるとして、キャリア搬送システム7に送信する。かかる要求信号として、対キャリア搬送システム制御部31は、キャリア搬送システム7に対してL_REQ信号をONする。なお、L_REQは、ロード・リクエストであり、搬入の要求を表している。
【0081】
8.キャリア搬送システム7は、第1のOHT17が保持している第1のFOUP3を、対キャリア搬送システム制御部31からの「搬入開始」要求に応じて仮想ロードポートV−LP1に向けて搬送する動作を行う。ここで、キャリア搬送システム7には、このときの搬送先である仮想ロードポートV−LP1の位置情報として、物理ロードポートR−LP1の現実の位置が設定されており、キャリア搬送システム7による仮想ロードポートV−LP1への搬送は、実際には、物理ロードポートR−LP1への搬送として実行されることになる(図31)。
【0082】
9.基板処理装置5は、物理ロードポートR−LP1に搬入された第1のFOUP3を内部バッファ15の適宜の位置に搬送する(図32)。
【0083】
10.基板処理装置5は、上述した搬入過程において、物理ロードポートR−LP1への第1のFOUP3の搬入完了を、仮想ロードポートV−LP1の搬入完了としてホストコンピュータ9に対して報告する(図33)。具体的には、ロードポート管理部19が物理ロードポートR−LP1の状況を認識し、対ホスト制御部21、対ホスト制御部27を介して、ホストコンピュータ9へ報告する。
【0084】
このとき、対ホスト制御部21は、ロードポート管理部19からの物理ロードポートR−LP1への「搬入完了」報告を対ホスト制御部27に報告する。対ホスト制御部27は、対ホスト制御部21からのかかる「搬入完了」報告が、上記6で仮想ロードポート管理部29から受けた、仮想ロードポートV−LP1への第1のFOUP3の搬入開始通知に応じたものであることを認識できる。そして、かかる認識に基づき、対ホスト制御部27は、かかる「搬入完了」の報告を、仮想ロードポートV−LP1への「搬入完了」報告であるとして、ホストコンピュータ9に送信する。
【0085】
また、上記9による物理ロードポートR−LP1に搬入された第1のFOUP3が内部バッファ15に搬送されると、物理ロードポートR−LP1が再びFOUP3を受け入れ可能な状態になるので、上記1と同様に、ロードポート管理部19が、物理ロードポートR−LP1の状態を「搬入可能」と認識する。これに応じて対ホスト制御部21がロードポート管理部19の認識を参照して、「搬入可能」の通知を仮想ロードポート制御部19aの対ホスト制御部27に送信する。対ホスト制御部27はこれを受けて、上記「搬入完了」報告と同様に、仮想ロードポートV−LP1が「搬入可能」になったと認識し、これをホストコンピュータ9に通知する。かかる「搬入可能」通知は、内部バッファ15へのFOUP3の搬送のタイミングによっては、上記の「搬入完了」報告の直後であるかまたは若干遅れてなされることになる。なお、仮想ロードポートV−LP2が「搬入可能」であることは既に上記1で通知され、それに対応する第2のOHT17が既に第2のFOUP3の搬送を開始しているので、ここでは仮想ロードポートV−LP2に関する新たな通知は行われない。
【0086】
11.第1のOHT17より少し遅れて第2のOHT17が基板処置装置5に到着すると、上記4と同様に、キャリア搬送システム7は仮想ロードポートV−LP2へ第2のFOUP3を搬入することを基板処理装置5に対して通知する。具体的には、キャリア搬送システム7は、CS_1(仮想ロードポートV−LP2を表す)をONにし、さらに搬送開始を示すVALID信号をONにして、対キャリア搬送システム制御部31に送信する。以下、上記と同様に、仮想ロードポートV−LP2への搬入として、物理ロードポートR−LP1への搬入が行われる。
【0087】
なお、もし上記2の時点において、基板処理装置5で処理すべきFOUP3が第1のFOUP3の一つしかない場合には、ホストコンピュータ9は仮想ロードポートV−LP1への搬送指示は行うが、仮想ロードポートV−LP2への搬送の指示は直ちには行わず、処理すべき第2のFOUP3の準備ができるのを待つことになる。
【0088】
このような実施形態によれば、1つの物理ロードポートV−LP1に対して2つの仮想ロードポートV−LP1,V−LP2を割り当てて、その2つの仮想ロードポートV−LP1,V−LP2の両方が「搬入可能」であるとして、それぞれに対して同時に2台のOHT17を動かして搬送動作を行うことができ、1つの物理ロードポートR−LP1に対して1台のOHT17だけで搬送動作をしていた場合に比べて単位時間あたりに搬送可能なFOUP3の個数を増大させることができ、換言すると、1つのFOUP3あたりの搬送に要する時間を短縮できる。
【0089】
また、図34からも明らかなように、仮想ロードポート制御装置19aは、基板処理装置5がもともと備えている対ホスト制御部21及び対キャリア搬送システム制御部25に対しては物理ロードポートR−LP1に関する信号だけを扱い、ホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7に対しては仮想ロードポートV−LP1,V−LP2に関する信号だけを扱う。すなわち、仮想ロードポート制御装置19aは、基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7との間にあって、物理ロードポートR−LP1と仮想ロードポートV−LP1,V−LP2との対応付けと信号の変換を行っている。したがって、従来の基板処理装置5とホストコンピュータ9およびキャリア搬送システム7のハードウエア、ソフトウエアの構成は何ら変更することなく、それらの間に仮想ロードポート制御装置19aを介挿するだけで、本発明による制御を容易に実施することができ、また仮想ロードポート制御装置19aを取り外すだけで、容易に従来の基板処理システムの構成に戻すこともできる。
【0090】
なお、仮想ロードポートV−LP2は、同じ物理ロードポートR−LP1に対応付けられた他の仮想ロードポートである。上述した搬入過程において、キャリア搬送システム7のOHT17が一つのFOUP3を搬送するために、基板処理装置5へ移動を開始した時点から、そのFOUP3が一つの仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1に実際に載置されるまでは、もう一つの仮想ロードポートである仮想ロードポートV−LP2への搬入が可能であると、仮想ロードポート制御装置19aは、ホストコンピュータ9へ報告する。また、一つの仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1から内部バッファ15へFOUP3が搬送され始めた時点で、仮想ロードポートV−LP1に対応する物理ロードポートR−LP1に対応付けられている、仮想ロードポートV−LP1とは異なる他の仮想ロードポートV−LP2への搬入が可能であるとホストコンピュータ9へ報告する。
【0091】
したがって、ホストコンピュータ9は、上記の期間において、キャリア搬送システム7に対して、仮想ロードポートV−LP2を表すCS_1信号をONにして、同じ物理ロードポートR−LP1への搬入指示を行うことができる。したがって、搬入時に従来は占有されていた期間においても、ホストコンピュータ9が搬入の指示を行うことができる。したがって、効率的な搬入処理を行うことができる。
【0092】
なお、上記の説明では、仮想ロードポートV−LP1へ搬送された先の(第1の)FOUP3の搬送が完了して、内部バッファ15への取り込まれ、その後、同一の物理ロードポートR−LP1へ割り当てられた仮想ロードポートV−LP2へ次の(第2の)FOUP3が搬入される。したがって、同一の物理ロードポートR−LP1への搬入で問題が生じることはない。しかし、仮に先の(第1の)FOUP3の内部バッファ15への取り込みが完了するよりも早いタイミングで、次の(第2の)FOUP3が同一の物理ロードポートR−LP1に到着した場合には、上述した実施形態における図3のステップS1における条件2を満たすことになる。このとき、対キャリア搬送システム制御部25は、上述した実施形態と同様に、キャリア搬送システム7に対して搬入不可を通知しないで保留しておく。この保留状態は、先の(第1の)FOUP3の内部バッファ15への取り込みが完了するまで継続する。そして、先の(第1の)FOUP3の内部バッファ15への取り込みが完了し、内部バッファ管理部23がFOUP3の移動完了通知を発信すると、対キャリア搬送システム制御部25は、対キャリア搬送システム制御部31を介してキャリア搬送システム7に対して次の(第2の)FOUP3の搬入要求を行う。このようにして第1のFOUP3に続いて第2のFOUP3の物理ロードポートR−LP1への搬送が短時間で速やかに実行される。
【0093】
そして、このように次なる(第2の)FOUP3の搬入開始を保留したとしても、従来の基板処理システムのように内部バッファ15へFOUP3が取り込まれて物理ロードポートR−LP1が次の搬入を受けられるようになってから次の(第2の)FOUP3の搬送指示を行うものと比べると、本発明では早くから次なる(第2の)FOUP3の搬送を開始しているので、このような待機が生じても従来よりも効率的な搬送を行うことができる。
【0094】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0095】
(1)上述した実施例では、搬出処理において、基板処理装置5がFOUP3を内部バッファ15からロードポート13への搬出を開始した時点で、搬出可能であることを報告した。しかしながら、基板処理装置5がFOUP3を内部バッファ15からロードポート13への搬出を開始してから、FOUP3が実際にロードポート13に載置されるまでの間に、搬出可能であることを報告するようにしてもよい。この間の時点のどのタイミングであっても、従来技術よりキャリア搬送システムが移動を開始するまでの時間を早めることができる。
【0096】
(2)上述した実施例では、上述した実施例では、キャリア搬送システム7がOHT17を備える場合を例示したが、これに代えてAGV(Automatic Guided Vehicle)を採用してもよい。
【符号の説明】
【0097】
W … 基板
1 … 基板処理システム
3 … FOUP
5 … 基板処理装置
7 … キャリア搬送システム
9 … ホストコンピュータ
11 … 基板処理ユニット
13 … ロードポート
15 … 内部バッファ
17 … OHT
19 … ロードポート管理部
21 … 対ホストコンピュータ制御部
23 … 内部バッファ管理部
25 … 対キャリア搬送システム制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、
収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、
前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置は、前記ロードポートが一の収納器により使用中である場合に、当該ロードポートとの間で他の収納器を授受すべくキャリア搬送システムの移動機が到来したとき、拝受不可であることを前記一の収納器の使用が終了するまで通知しない対キャリア搬送システム制御部を備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記キャリア搬送システムは、搬入の際に、前記ロードポートに別の収納器が載置されている場合には、前記対キャリア搬送システム制御部から搬入の許可を得るまで、その位置で待機することを特徴とする基板処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器を前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理システムにおいて、
前記キャリア搬送システムは、前記移動機が収納器を搬出するために移動してきた際に、前記ロードポートに対して収納器が載置されていない場合には、前記収納器が前記ロードポートに載置されるまで、その位置で待機することを特徴とする基板処理システム。
【請求項5】
基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、
収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、
前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器の前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置をさらに備えることを特徴とする基板処理システム。
【請求項1】
基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、
収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、
前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置は、前記ロードポートが一の収納器により使用中である場合に、当該ロードポートとの間で他の収納器を授受すべくキャリア搬送システムの移動機が到来したとき、拝受不可であることを前記一の収納器の使用が終了するまで通知しない対キャリア搬送システム制御部を備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムにおいて、
前記キャリア搬送システムは、搬入の際に、前記ロードポートに別の収納器が載置されている場合には、前記対キャリア搬送システム制御部から搬入の許可を得るまで、その位置で待機することを特徴とする基板処理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器を前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の基板処理システムにおいて、
前記キャリア搬送システムは、前記移動機が収納器を搬出するために移動してきた際に、前記ロードポートに対して収納器が載置されていない場合には、前記収納器が前記ロードポートに載置されるまで、その位置で待機することを特徴とする基板処理システム。
【請求項5】
基板に対して所定の処理を行う基板処理ユニットと、基板を収納するための収納器が載置される物理ロードポートを備え、前記基板処理ユニットとの間で収納器を受け渡すロードポートと、前記基板処理ユニットと前記ロードポートとの間に介在し、前記基板処理ユニットとの間で基板を受け渡し、前記ロードポートとの間で収納器を受け渡すとともに、受け渡しの際に一時的に収納器を収容する内部バッファとを備えた基板処理装置と、
収納器を前記ロードポートとの間で受け渡すキャリア搬送システムと、
前記基板処理装置及び前記キャリア搬送システムとの間で通信を行い、前記基板処理装置の状況に応じて前記キャリア搬送システムによる収納器の搬送を指示するホストコンピュータとを備えた基板処理システムにおいて、
前記基板処理装置は、前記ホストコンピュータから前記内部バッファの収納器の搬出を指示された際に、前記収納器の前記内部バッファから前記ロードポートへの搬出を開始した後、前記収納器が前記ロードポートへ載置されるまでの間に、前記ホストコンピュータに対して前記収納器が搬出可能であることを報告する対ホストコンピュータ制御部をさらに備えていることを特徴とする基板処理システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の基板処理システムにおいて、
前記物理ロードポートに対して仮想的なロードポートを割り当てるとともに、前記仮想的なロードポートが実在するものとして当該仮想的なロードポートに対して前記キャリア搬送システムに搬送動作を指示する仮想ロードポート制御装置をさらに備えることを特徴とする基板処理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2013−69956(P2013−69956A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208499(P2011−208499)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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