説明

基板処理装置及び半導体装置の製造方法

【課題】基板を加熱して処理する際における基板の面内温度均一性を向上させる。
【解決手段】基板を処理する処理室と、処理室内で基板を支持する基板支持部と、基板支持部の基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、加熱部と基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、複数の加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群に対向する領域におけるフィルタの透過率を第一の透過率とし、複数の加熱源のうち第一の加熱源とは異なる第二の加熱源群と対向する領域におけるフィルタの透過率を第二の透過率としたとき、第一の透過率が第二の透過率よりも高く構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を加熱して処理する基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置を製造する際、所望の温度に加熱された半導体基板(ウエハ)等にガスを晒すことで様々な処理がなされている。基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置では、基板を支持する基板支持部に内包されたヒータや、基板支持部の基板支持面に対向するように配置されたランプ加熱機構などを用いて基板を加熱している。基板を加熱して処理する基板処理装置としては、例えば特許文献1のような装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−88347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のランプ加熱機構を用いて基板を加熱した場合、基板の面内温度均一性が低下してしまうことがあった。ランプ加熱機構が有するランプの配置構造や、処理室内に供給されたガスの流れによって、基板へ照射される光の照射レベルが不均一となってしまうことがその一因と考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、基板を加熱して処理する際における基板の面内温度均一性を向上させることが可能な基板処理装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
基板を加熱する基板処理装置であって、
前記基板を処理する処理室と、
前記処理室内で前記基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部の基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、
前記加熱源と前記基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、
複数の前記加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群に対向する領域における前記フィルタの透過率を第一の透過率とし、
前記加熱源群のうち前記第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域における前記フィルタの透過率を第二の透過率としたとき、
前記第一の透過率が前記第二の透過率よりも高く構成されている
基板処理装置が提供される。
【0007】
本発明の他の態様によれば、
前記基板を加熱する基板処理装置であって、
基板を処理する処理室と、
前記処理室内で前記基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部の基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、
前記加熱源と前記基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、
前記フィルタは、複数の前記加熱源のうち前記加熱部を構成する側壁に最も近い第一の
加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域において、前記加熱源から照射される光のピーク強度の波長を除去するよう構成されている
基板処理装置が提供される。
【0008】
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入し、前記処理室内に設けられた基板支持部の基板支持面上に載置する工程と、
ガス供給部から前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
前記基板支持部の前記基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部から、複数の前記加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群に対向する領域における透過率を第一の透過率とし、前記加熱源群のうち前記第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域における透過率を第二の透過率としたとき、前記第一の透過率が前記第二の透過率よりも高く構成されているフィルタを介して前記基板に光を照射し、前記基板を加熱する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板を加熱して処理する際における基板の面内温度均一性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置の概要を示す上面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る基板処理装置のロードロック室から処理室までの概要を示す側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る処理室の概要を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る処理室の概要を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る処理室の概要を示す上面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る基板保持ピンの動作を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る搬送室内から処理室内へ基板を搬送する前の状態での処理室の状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るロボットアームが基板を搬送する過程での処理室の状態を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るロボットアームが基板を搬送し終えた状態の処理室を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施例1を示す概略図である。
【図11】本発明の実施例2を示す概略図である。
【図12】本発明の実施例3を示す概略図である。
【図13】本発明の実施例4を示す概略図である。
【図14】本発明の実施例5を示す概略図である。
【図15】本発明の実施例6を示す概略図である。
【図16】本発明の実施例7を示す概略図である。
【図17】本発明の実施例8を示す概略図である。
【図18】本発明の実施例9を示す概略図である。
【図19】本発明の実施例10を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<本発明の一実施形態>
以下に、本発明の一実施形態について説明する。
【0012】
(1)基板処理装置の構成
図1及び図2に、本実施形態に係る半導体製造装置などの基板処理装置10の概要を示す。基板処理装置10は、例えば搬送室12と、搬送室12を中心として配置されるロードロック室14a,14b及び2つの処理室16a,16bと、を備えている。ロードロック室14a,14bの上流側には、カセットなどのフープ(キャリア)とロードロック室14a,14bとの間で基板を搬送する大気搬送室(EFEM:Equipment Front End Module)20が配置されている。大気搬送室20には、例えば25枚の基板22を縦方向に一定間隔を隔てて収容可能なフープ(図示せず)が3台配置されている。また、大気搬送室20内には、大気搬送室20とロードロック室14a,14bとの間で基板22を例えば5枚ずつ搬送する図示しない大気ロボットが配置されている。搬送室12、ロードロック室14a,14b及び処理室16a,16bは、例えばアルミニウム(A5052)等の材料により一体形成された容器(装置本体とも呼ぶ)の内部に構成されている。
【0013】
なお、ロードロック室14a,14bは、ロードロック室14a,14b側から処理室16a,16b側に向かう軸に対して線対称となる位置に配置されており、互いに同じ構成を有する。また、処理室16a,16bも、同軸に対して線対称となる位置に配置されており、互いに同じ構成を有する。以下、ロードロック室14a及び処理室16aを中心に説明する。
【0014】
図2に示すように、ロードロック室14a内には、例えば25枚のウエハなどの基板22を縦方向に一定間隔を隔てて収容する基板支持体(ボート)24が設けられている。基板支持体24は、例えば炭化珪素からなり、上部板26と、下部板28と、上部板26と下部板28とを接続する例えば3つの支柱30と、を有する。支柱30の長手方向内側には、基板22を平行姿勢で支持するための載置部(水平溝)32が、長手方向に例えば25個配列されている。また、基板支持体24は、ロードロック室14a内において、鉛直方向に移動(上下方向に移動)するとともに、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するように構成されている。基板支持体24が鉛直方向に移動することにより、基板支持体24の3つの支柱30それぞれに設けられた載置部32の上面に、後述するフィンガ対40から基板22が同時に2枚ずつ移載される。また、基板支持体24が鉛直方向に移動することにより、基板支持体24からフィンガ対40へも基板22が同時に2枚ずつ移載されようになっている。
【0015】
図2に示すように、搬送室12内には、ロードロック室14aと処理室16aとの間で基板22を搬送する真空ロボット36が設けられている。真空ロボット36は、上フィンガ38a及び下フィンガ38bから構成されるフィンガ対40が設けられたアーム42を有する。上フィンガ38a及び下フィンガ38bは、例えば同一の形状をしており、上下方向に所定の間隔で離間され、アーム42からそれぞれ略水平に同じ方向に延びて、それぞれ基板22を同時に支持することができるようにされている。アーム42は、鉛直方向に延びる回転軸を軸として回転するようにされているとともに、水平方向に移動するようにされ、同時に2枚の基板22を搬送可能にされている。
【0016】
図2に示すように、処理室16a内には、後述する反応室50が設けられている。反応室50内には、基板支持部44a,44bが設けられている。基板支持部44aと基板支持部44bとの間の空間は、仕切り部材46により水平方向の一部が仕切られている。真空ロボット36を介して処理室16a内に搬入された2枚の基板22は、基板支持部44a,44b上にそれぞれ載置された後、反応室50内で同時に熱処理されるように構成されている。熱処理を含む基板処理工程については後述する。
【0017】
図3から図5に、処理室16aの概要を示す。図3に示すように、処理室16aの下部側(底部及び側部)は、下側容器47により形成されている。下側容器47は、アルミニ
ウム等により一体成型された上述の装置本体の一部を構成する。処理室16aの上部開口は、下側容器47の上部に設けられた蓋48によって閉塞されている。蓋48の下方には反応室(チャンバ)50が形成されている。蓋48における基板支持部44a,44bに対応する位置はそれぞれ開口している。係る開口には、加熱部としてのランプハウス52a,52bがそれぞれ設けられている。ランプハウス52a,52bは、ランプ収納容器81a,80bを備えている。ランプ収納容器81a,81b内の上部には、加熱源としてのランプ80a,80bが複数配置されている。以下、これら複数配置されたランプ80a,80bを総称して、加熱源群としてのランプ群57a,57bとも呼ぶ。ランプ収納容器81a,80b内には、更にフィルタ59a,59bがそれぞれ設けられている。ランプハウス52a,52bの構成については後述する。
【0018】
蓋48における基板支持部44a,44bに対応する位置であって、ランプハウス52a,52bの近傍には、ガス供給部51a,51bが設けられている。ガス供給部51a,51bの上流端(図中上端)には、図示しないガス供給管の下流端がそれぞれ接続されている。ガス供給管には、上流側から順に、例えばNガスや希ガス(ArガスはHeガス等)などの不活性ガスや、他の処理ガスを供給する図示しないガス供給源、流量制御装置としてのマフローコントローラ、開閉バルブが設けられている。これにより、ガス供給部51a,51bから、それぞれ反応室50内にガスを供給することが可能なように構成されている。なお、反応室50内は、後述する第1の排気口58、第2の排気口60、第3の排気口62を介して、図示しないポンプにより例えば0.1Pa程度までの真空にすることができるように構成されている。
【0019】
上述したように、基板支持部44a,44bは、反応室50内の同一空間内で独立して配置され、反応室50内であってランプハウス52a,52bの下方側にそれぞれ設けられている。基板支持部44a,44bは円盤状に形成されている。基板支持部44a,44bの主面の内、下方側の面には、それぞれフランジ53a,53bが設けられている。フランジ53a,53bの下方には、下側容器47に立設された支柱49が接続されている。基板支持部44a,44bは、下方から支柱49により支持されると共に、側方から固定部材52により固定されている。
【0020】
基板支持部44a,44bの主面の内、上方側の面(すなわちランプハウス52a,52bに対向する面)には、基板22を水平姿勢で支持する基板支持面55a,55bがそれぞれ設けられている。基板支持面55a,55bのそれぞれの高さは、反応室50内の高さよりも低くされている。また、基板支持部44a,44b内には、加熱部としてのヒータ45a,45bが設けられており、基板支持面55a,55b上に載置した基板22を例えば300℃まで昇温可能に構成されている。基板支持部44a,44bは、それぞれ例えばアルミニウム(A5052又はA5056等)等により形成されている。基板支持部44a,44bをアルミニウムのような熱伝導率の高い材質により形成することで、基板22に効率よく熱を伝達することが可能となる。なお、基板支持部44a,44bは、例えば石英やアルミナ等の非金属耐熱材料によって形成することもできる。係る場合、基板22の金属汚染を回避できる。
【0021】
基板支持部44aと基板支持部44bとの間には、上述した仕切り部材46が配置されている。仕切り部材46は、例えばアルミニウム(A5052又はA5056等)、石英、アルミナ等により形成されており、下側容器47に対して着脱自在に設けられた例えば角柱状の部材として構成されている。
【0022】
基板支持部44a,44bの周囲には、それぞれの外周を囲むように排気バッフルリング54a,54bが配置されている(図4参照)。排気バッフルリング54a,54bには、周方向に複数の孔部56が設けられている(図5参照)。基板支持部44a,44b
及び排気バッフルリング54a,54bの下方には、第1の排気口58が形成されている(図3参照)。第1の排気口58は、基板支持部44a,44bの下方に設けられた第2の排気口60を介して反応室50の下方側の空間に連通している。反応室50の下方側の空間は、下側容器47に設けられた第3の排気口62を介して図示しない真空ポンプにより排気可能に構成されている。
【0023】
したがって、上述のガス供給部51a,51bから反応室50内に供給されたガスは、基板支持部44a,44bに支持された基板22に供給された後、排気バッフルリング54a,54bに設けられた孔部56を介して第1の排気口58に向けて排気され、基板支持部44a,44bの下方に設けられた第2の排気口60を介して反応室50の下方側に排気された後、下側容器47に設けられた第3の排気口62を介して処理室16aの外部へ排気されるように構成されている。
【0024】
図4及び図5に示すように、仕切り部材46の一端側には、基板22を搬送可能なロボットアーム64が配置されている。ロボットアーム64は、上述したアーム42が搬送する2枚の基板22のうち1枚を基板支持部44bに向けて搬送するとともに、基板支持部44bから回収するようにされている。ロボットアーム64は、例えばアルミナセラミックス(純度99.6%以上)からなるフィンガ66(フィンガ66の基部は位置やレベル合わせのために金属からなる)と、軸部68とを有し、軸部68に回転及び昇降を行う2軸の駆動ユニット(図示せず)が設けられている。フィンガ66は、基板22よりも大きな弧状部70を有し、この弧状部70から中心に向けて延びる3つの突起部72が所定の間隔で設けられている。軸部68は、水冷された磁気シールにより、反応室50が真空にされた場合の大気と遮断をするように構成されている。なお、仕切り部材46及びロボットアーム64は、反応室50内の空間を完全に分離することがないように、反応室50内に配置されている。
【0025】
基板支持部44a,44bには、図6に示すような基板保持ピン74が少なくとも3本ずつ鉛直方向に貫通している。搬送室12内から真空ロボット36を介して処理室16a内に搬送された基板22は、一時的にこれらの基板保持ピン74上に載置されるように構成されている。基板保持ピン74は、上下方向に昇降するようにされている。また、図4や図7に示すように、基板支持部44a,44bの外周には、フィンガ66が備える上述の突起部72が基板支持部44a,44bの上面に対して上方から下方へ移動可能なように、縦方向(上下方向)の溝部76がそれぞれ3本設けられている。
【0026】
(2)ランプハウスの構成
続いて、本実施形態に係る加熱部としてのランプハウス52a,52bの構成について説明する。上述したように、加熱部としてのランプハウス52a,52bは、ランプ収納容器81a,80bと、複数のランプ80a,80bからなるランプ群57a,57bと、フィルタ59a,59bと、を有している。なお、ランプハウス52a,52bはそれぞれ同一構造であるため、以下ではランプハウス52aを例に挙げて説明する。
【0027】
(ランプ収納容器)
図3に示すように、ランプ収納容器81aは、例えば上端が閉塞し、下端が開口した円筒形状或いは多角柱形状に形成されている。ランプ収納容器81aの側壁や天井壁は、例えばSUSやアルミニウム(A5052又はA5056等)等の金属部材等により形成されている。ランプ収納容器81aは、その下端開口が、反応室50の上面を塞ぐ蓋48の開口部に気密に接続されている。ランプ収納容器81a内と反応室50内との間は、石英ガラス等からなる透光性の透光性窓部材69aにより気密に隔てられている。
【0028】
(ランプ及びランプ群)
ランプ収納容器81a内の上部(天井付近)には、複数の加熱源としてのランプ80aが所定の間隔を空けてそれぞれ隣接されている。上述したように、この複数配置された加熱源(ランプ80a)を総称してランプ群57aと呼ぶ。ランプ群57aを構成する各ランプ80aは、それぞれ、基板支持部44aの基板支持面55aに対し、上述の透光性窓部材69aを介して光を照射できるように構成されている。
【0029】
複数のランプ80aからなるランプ群57aの外縁付近を構成するランプ80a群、すなわち、ランプ収納容器81aを構成する側壁に最も近いランプ80a群を、以下では、第一の加熱群としての第一のランプ群と呼ぶ。なお、本実施形態に係るランプ群57aは例えば円形に配列されており、第一のランプ群は、ランプ群57aの外縁付近を構成するように例えば円周状(リング状)に配列されている。但し、ランプ群57aの外形(すなわち第一のランプ群の形状)は、円形に限定されず、多角形等であってもよい。また、第一のランプ群は、幅の狭い線上に配列する場合に限らず、所定の幅を有した帯状に配列される場合もある。第一のランプ群の形状や幅は、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したときの照明強度分布、波長分布、或いは基板22の温度分布の少なくともいずれか、あるいはその組み合わせにより任意に決定される。そして、第一のランプ群の幅の形状や幅は、後述するフィルタ59aが備える透過率補正分布や波長制御分布を決定する際のパラメータとなる。
【0030】
また、ランプ群57aのうち、第一のランプ群とは異なるランプ80a群を、以下では、第二の加熱源群としての第二のランプ群と呼ぶ。なお、本実施形態に係る第二のランプ群は、円周状に配列された第一のランプ群により外周が囲われており、例えば円状に配列されている。但し、第二のランプ群の外形も、必ずしも円形に限定されず、多角形等であってもよい。
【0031】
なお、ランプ群57aを構成するランプ80aとしては、例えば電球型ランプ、直管型のランプ等を用いることができる。そして、ランプ80aとしては、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、水銀ランプ等を用いることができる。複数のランプ80aは、同一種類で統一してもよく、複数種を組み合わせても良い。
【0032】
(フィルタ)
ランプ収納容器81a内のランプ群57aより下方側であって、透光性窓部材69aの上方側には、透光性のフィルタ59aが水平姿勢で設けられている。すなわち、フィルタ59aは、ランプ群57aと基板支持部44aとの間に設けられている。
【0033】
フィルタ59aは、ランプ群57aから基板支持部44aの基板22上に照射される光の照明強度分布を任意の分布に形成する透過率補正板として構成されるか、或いはランプ群57aから基板支持部44aの基板22上に照射される光の波長分布を任意の分布に形成する波長制御板として構成されるか、或いはこれらの組み合わせとして構成されている。
【0034】
例えば、フィルタ59aは、ランプ群57aの外縁を構成する第一のランプ群に対向する領域(以下、第一の領域とも呼ぶ)におけるフィルタ59aの透過率を第一の透過率とし、ランプ群57aのうち第一のランプ群とは異なる第二のランプ群と対向する領域(以下、第二の領域とも呼ぶ)におけるフィルタ59aの透過率を第二の透過率としたとき、第一の透過率が第二の透過率よりも高くなるような透過率補正板として構成されている。この場合、フィルタ59aは、透過率の比較的高い第一の透過率を有する円周状の第一の領域と、第一の透過率よりも低い第二の透過率を有し、第一の領域に囲われた円形の第二の領域と、を有している。
【0035】
また例えば、フィルタ59aは、第二のランプ群と対向するフィルタ59a内の領域(第二の領域)であって、基板支持部44a上の基板22の中心と対向する領域(以下、第三の領域とも呼ぶ)におけるフィルタ59aの透過率を第三の透過率としたとき、第三の透過率が第二の透過率よりも低くなるような透過率補正板として構成されている。この場合、フィルタ59aは、透過率の比較的高い第一の透過率を有する円周状の第一の領域と、第一の透過率よりも低い第二の透過率を有し、第一の領域に囲われ円周状の第二の領域と、第二の透過率よりも低い第三の透過率を有し、第二の領域に囲われた円形の第三の領域と、を有している。
【0036】
また例えば、フィルタ59aは、ランプ群57aを構成するそれぞれのランプ80aと対向する領域におけるフィルタ59aの透過率が、ランプ80aと対向しない領域におけるフィルタ59aの透過率よりも低くなるような透過率補正板として構成されている。この場合、フィルタ59aは、透過率の比較的高い領域中に、透過率の比較的低い領域が、例えばランプ80aの配置と一致するように斑に配列するように構成される。
【0037】
また例えば、フィルタ59aは、ランプ群57aの外縁を構成する第一のランプ群とは異なる第二のランプ群と対向する領域(第二の領域)において、ランプ80aから照射される光のピーク強度の波長を除去するような波長制御板として構成されている。この場合、フィルタ59aは、ランプ80aから照射される光のピーク強度の波長を除去しない円周状の第一の領域と、ランプ80aから照射される光のピーク強度の波長を除去するとともに、第一の領域に囲われた円形の第二の領域と、を有している。
【0038】
なお、フィルタ59aを上述の透過率補正板として構成する場合、フィルタ59aが有する透過率補正分布を、2次元あるいは非線形の分布とすることができる。例えば、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、光の照明強度分布が弱い領域(低温となり易い領域)が検出された場合、係る基板22上の領域に対向するフィルタ59aの透過率を、比較的高い第一の透過率とすればよい。また、光の照明強度分布が強い領域(高温となり易い領域)が検出された場合、係る基板22上の領域に対応するフィルタ59aの透過率を、第一の透過率よりも低い第二の透過率とすればよい。なお、係る透過率補正分布は、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に照射される光の照明強度分布の測定結果から、所定のコンピュータプログラムが動作するコンピュータを用いて算出することができる。そして、コンピュータによりフィルタ59aのパターンを自動作成することができる。
【0039】
また、フィルタ59aを上述の波長制御板として構成する場合、フィルタ59aが有する波長制御分布を、2次元あるいは非線形の分布とすることができる。例えば、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、ピーク強度を示す波長の光が検出されなかった領域(低温となり易い領域)があった場合、係る基板22上の領域に対向するフィルタ59aの領域を、ランプ80aから照射されるピーク強度の波長を除去しない領域とすればよい。また、ピーク強度を示す波長の光が検出された領域(高温となり易い領域)があった場合、係る基板22上の領域に対向するフィルタ59aの領域を、ランプ80aから照射される光のピーク強度の波長を除去する領域とすればよい。なお、係る波長制御分布は、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に照射される光の波長分布の測定結果から、所定のコンピュータプログラムが動作するコンピュータを用いて算出することができる。
【0040】
なお、透過率補正板として構成されるフィルタ59aは、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンを、上述のコンピュータに接続されたプリンタにより透明フィルム上に印刷することで製造することができる。また、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンを、リソグラフィー工程によりガラス上に作成することで製造することもできる。すなわ
ち、ガラスにクロム等の不透明金属を蒸着しておき、フォトレジストを塗布し、計算したパターンを露光した後、エッチング処理でクロムのパターンをガラス上に形成することで製造できる。また、透過率形状の異なる複数のフィルム、あるいは形状の異なる複数のガラスを、2枚以上重ね合わせることで製造することもできる。また、透過率および形状の異なる複数のフィルム、あるいは透過率および形状の異なる複数のガラスを2枚以上重ね合わせることで製造することもできる。また、例えばアルミニウム合金等からなる遮光性の金属部材に所定の間隔で所定の径の貫通孔を開設させることで製造することもできる。すなわち、アルミニウム合金からなる高反射板をパンチングすること等で製造できる。なお、アルミニウム合金やアルミニウムは反射率が高いので、ランプ群57aから光が照射されても熱の吸収が少なく、フィルタ59aの熱変形を低減できる。
【0041】
また、波長制御板として構成されるフィルタ59aは、形状の異なる複数の波長フィルタ(フィルム、あるいはガラス)を2枚以上重ね合わせることで製造することができる。
【0042】
なお、フィルタ59aは、ランプ収納容器81a内で高さ位置を自在に調整出来るように構成しても良い。すなわち、ランプ群57a側から基板支持部44a側に近づけたり、基板支持部44a側からランプ群57a側に近づけたりすることが可能なように構成しても良い。
【0043】
なお、フィルタ59a,59bと透光性窓部材69a,69bとは別体のものとして設ける場合に限らず、一体のものとして設けてもよい。すなわち、透過率補正板あるいは波長制御板として形成されたフィルタ59a,59bを、処理室16a,16b(反応室50内)の気密を保持しつつ、ランプ群57a,57bからの光を処理室16a,16b内(反応室50内)に導入する透光性窓部材69a,69bとして兼用することができる。係る構成については、後述する実施例10においても述べる。
【0044】
(3)基板処理工程
次に、ロボットアーム64が基板22を搬送する動作及び本実施例における半導体装置の製造方法の一工程としての基板処理方法について説明する。
【0045】
図7から図9において、ロボットアーム64が基板22を搬送する経過が示されている。なお、図7から図9においては、ロボットアーム64等の動作を明確にするため、便宜上基板22は図示していない。
【0046】
(基板搬入工程)
まず、図7に示すように、フィンガ対40の上フィンガ38a及び下フィンガ38bは、それぞれ基板22を搬送室12内から反応室50内に搬送(2枚の基板22を同時搬送)し、基板支持部44aの上方で停止する。この時、フィンガ66は、基板支持部44aの上方で2枚の基板22の間に位置するように待機させられている。
【0047】
そして、フィンガ対40が停止した状態で、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74と、ロボットアーム64とが上方に移動する。ここで、下フィンガ38bの上に載置されていた基板22は、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74上に移載され、上フィンガ38aの上に載置されていた基板22は、フィンガ66に移載される。2枚の基板22が移載されたフィンガ対40は、搬送室12に戻される。
【0048】
次に、図8に示すように、基板支持部44aを貫通している3つの基板保持ピン74が下方に移動すると、下フィンガ38bが搬送した基板22は、基板支持面55a上に移載される。また、ロボットアーム64は、軸部68が回転することにより、フィンガ66が基板支持部44bの上方に移動する。
【0049】
そして、図9に示すように、フィンガ66の突起部72それぞれが基板支持部44bの溝部76に沿って上方から下方へ移動するようにロボットアーム64が下方に移動する。その結果、上フィンガ38aが搬送した基板22は、基板支持面55b上に移載される。ここで、ロボットアーム64は、基板支持面55bよりも下方に位置する。つまり、ロボットアーム64は、ガス供給部51a,51bから供給されるガスが上方から下方へ流れることを阻害しない状態で、基板22の処理中にも反応室50内に位置する。
【0050】
(熱処理工程)
そして、ガス供給部51a,51bから反応室50内に例えばNガスの供給を開始しつつ、第1の排気口58、第2の排気口60、第3の排気口62を介して反応室50内を図示しないポンプにより排気して、反応室50内が所定の処理圧力(真空レベル)になるように調整する。
【0051】
反応室50内へのNガスの供給及び反応室50内の排気と並行して、基板支持部44a,44b内に設けられたヒータ45a,45bへの通電を開始して、基板22の温度を例えば420℃程度まで加熱させる。
【0052】
基板22の温度が所定の温度(420℃)に達したら、ランプハウス52a,52bによる基板22の加熱、すなわちランプ群57a,57bによる基板22への光の照射を開始して、基板22の温度を所定の熱処理温度(例えば450℃)にまで加熱させる。
【0053】
このとき、ランプ群57aと基板支持部44aとの間に設けられたフィルタ59a,59bの作用により、基板22上に照射される光の照明強度分布或いは波長分布が調整されることで、基板22の面内温度均一性が向上する。
【0054】
例えば、透過率補正板として構成されたフィルタ59aを用いた場合、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、光の照明強度分布が弱い領域(低温となり易い領域)においては、係る領域に対向するフィルタ59aの透過率が、比較的高い第一の透過率となっているため、光の照射が促され、基板22の加熱が促進される。また、例えば、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、光の照明強度分布が強い領域(高温となり易い領域)においては、係る領域に対応するフィルタ59aの透過率が、第一の透過率よりも低い第二の透過率となっているため、光の照射が適切に制限され、基板22の加熱が抑制される。これにより、基板22の面内温度均一性が向上する。
【0055】
また例えば、波長制御板として構成されたフィルタ59aを用いた場合、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、ピーク強度を示す波長の光が検出される領域(低温となり易い領域)においては、係る領域に対向するフィルタ59aの領域が、ランプ80aから照射されるピーク強度の波長を除去しない領域となっているため、ピーク強度を示す光の照射が促され、基板22の加熱が促進される。また、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、ピーク強度を示す波長の光が検出される領域(高温となり易い領域)においては、係る領域に対向するフィルタ59aの領域が、ランプ80aから照射される光のピーク強度の波長を除去する領域となっているため、ピーク強度を示す光の照射が適切に制限され、基板22の加熱が促進される。これにより、基板22の面内温度均一性が向上する。
【0056】
(降温工程)
所定時間が経過し、基板22に対して所定の熱処理が施されたら、ランプハウス52a,52bによる基板22の加熱、すなわちランプ群57a,57bによる基板22への光
の照射を停止して、基板22の温度を所定温度(例えば420℃)にまで降温させる。基板22の温度が所定の温度(420℃)まで下がったら、ヒータ45a,45bへの通電を停止して、基板22の温度をさらに降下させる。このように、降温を段階的に行うことで、急激な冷却による基板22の破損を抑制することができる。なお、降温中は、反応室50内へのNガスの供給及び反応室50内の排気と継続して行う。
【0057】
(搬出工程)
その後、上述の手順とは逆の手順により、反応室50内の圧力を搬送室12内の圧力と同程度、或いは搬送室12内の圧力よりも高い圧力とする。所定の処理が終了したら、熱処理後の2枚の基板22を反応室50内から搬送室12内へ搬送する。この場合、ロボットアーム64及びフィンガ対40は、図8から図10を用いて説明した上述の動作を逆の順序で行う。
【0058】
(4)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0059】
(a)本実施形態によれば、ランプ群57aと基板支持部44aとの間に設けられたフィルタ59a,59bの作用により、基板22上に照射される光の照明強度分布或いは波長分布が均一になるように制御できる。その結果、基板22の面内温度均一性を向上させることができる。
【0060】
例えば、透過率補正板として構成されたフィルタ59aを用いた場合、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、光の照明強度分布が弱い領域(低温となり易い領域)においては、係る領域に対向するフィルタ59aの透過率が、比較的高い第一の透過率となっているため、光の照射が促され、基板22の加熱が促進される。また、例えば、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、光の照明強度分布が強い領域(高温となり易い領域)においては、係る領域に対応するフィルタ59aの透過率が、第一の透過率よりも低い第二の透過率となっているため、光の照射が適切に制限され、基板22の加熱が抑制される。これにより、基板22の面内温度均一性が向上する。
【0061】
また例えば、波長制御板として構成されたフィルタ59aを用いた場合、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、ピーク強度を示す波長の光が検出される領域(低温となり易い領域)においては、係る領域に対向するフィルタ59aの領域が、ランプ80aから照射されるピーク強度の波長を除去しない領域となっているため、ピーク強度を示す光の照射が促され、基板22の加熱が促進される。また、ランプ群57aからフィルタ59aを介さずに基板22に光を照射したとき、ピーク強度を示す波長の光が検出される領域(高温となり易い領域)においては、係る領域に対向するフィルタ59aの領域が、ランプ80aから照射される光のピーク強度の波長を除去する領域となっているため、ピーク強度を示す光の照射が適切に制限され、基板22の加熱が促進される。これにより、基板22の面内温度均一性が向上する。
【0062】
(b)本実施形態によれば、ランプ群57aを基板支持部44a上の基板22に近づけた場合でも、基板22上に照射される光の照明強度分布、或いは波長分布を容易に制御できる。すなわち、フィルタ59a,59bの透過率補正分布、波長制御分布、高さ位置等を調整することで、基板22上に照射される光の照明強度分布或いは波長分布を容易に制御できる。その結果、基板22の加熱効率を向上させつつ、面内温度均一性を向上させることができる。
【0063】
(c)また、本実施形態によれば、基板22の面内温度均一性を向上させるのみならず、
基板22の面内温度分布を任意の分布にさせることができる。すなわち、ランプ群57aと基板支持部44aとの間に設けられたフィルタ59a,59bの作用により、基板22上に照射される光の照明強度分布或いは波長分布があえて不均一になるように制御できる。その結果、局所的に基板22の温度を上昇させたり、或いは低下させたりすることができる。そして、例えば基板22の境界条件にあわせて緻密な温度コントロールが可能となる。
【0064】
(d)本実施形態によれば、本実施形態に係るフィルタ59a,59bは、安価に製造することができる。
【0065】
すなわち、透過率補正板として構成されるフィルタ59a,59bは、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンを、上述のコンピュータに接続されたプリンタにより透明フィルム上に印刷することで製造することができる。また、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンを、リソグラフィー工程によりガラス上に作成することで製造することもできる。すなわち、ガラスにクロム等の不透明金属を蒸着しておき、フォトレジストを塗布し、計算したパターンを露光した後、エッチング処理でクロムのパターンをガラス上に形成することで製造できる。また、透過率形状の異なる複数のフィルム、あるいは形状の異なる複数のガラスを、2枚以上重ね合わせることで製造することもできる。また、透過率および形状の異なる複数のフィルム、あるいは透過率および形状の異なる複数のガラスを2枚以上重ね合わせることで製造することもできる。また、例えばアルミニウム合金等からなる遮光性の金属部材に所定の間隔で所定の径の貫通孔を開設させることで製造することもできる。すなわち、アルミニウム合金からなる高反射板をパンチングすること等で製造できる。
【0066】
また、波長制御板として構成されるフィルタ59a,59bは、形状の異なる複数の波長フィルタ(フィルム、あるいはガラス)を2枚以上重ね合わせることで製造することができる。
【0067】
このように、本実施形態に係るフィルタ59a,59bは、安価に製造することができる。また、本実施形態では、フィルタ59a以外に、特殊な形状の反射板や、均一照明を実現するためのフライアイレンズ等の光学系を設ける必要がない。その結果、基板処理装置の製造コスト、基板処理コストを低減させることが出来る。また、基板処理装置を小型化することができる。
【0068】
(e)本実施形態によれば、フィルタ59a,59bを、反応室50内の気密を保持しつつ、ランプ群57a,57bからの光を導入する透光性窓部材69a,69bとしても兼用することができる。これにより、基板処理装置の製造コスト、基板処理コストを低減させることが出来る。
【実施例】
【0069】
以下に、本発明の実施例1〜10について説明する。
【0070】
(実施例1)
本実施例では、透過率補正板として構成されたフィルタを用いて基板上の照度強度分布を均一化させた。本実施例の概要を図10に示す。
【0071】
図10(a)は、本実施例に係る基板処理装置が備えるランプハウスおよび反応室の断面構成を示している。本装置は、上述の実施形態と同様に構成されている。本実施例に係るフィルタ(図中、透過性補正板と表示)は、図10(a)の左側に示すように、透過率の比較的高い第一の透過率を有する円周状の第一の領域と、第一の透過率よりも低い第二
の透過率を有し、第一の領域に囲われ円周状の第二の領域と、第二の透過率よりも低い第三の透過率を有し、第二の領域に囲われた円形の第三の領域と、を有している。第一の領域、第二の領域、第三の領域は、同心円状に配置されている。
【0072】
図10(b)は、図10(a)の装置において、ランプ群からフィルタを介さずに基板(図中、ウエハと表示)に光を照射したときの、光の照明強度分布(すなわちランプ群の照明特性)を示している。横軸は基板上における測定位置を、縦軸は照度(mW/cm)を示している。基板の中心付近では、複数のランプによる光が重ね合わさることから、照明強度が最大となっている。また、基板の外縁付近(左端、右端)に行くにつれて、上述の重ね合わせが少なくなり、照明強度が徐々に低下している。
【0073】
図10(c)は、本実施例に係るフィルタが有する透過率補正分布を示す。横軸はフィルタ上における測定位置を、縦軸は透過率(%)を示している。本実施例に係るフィルタの透過率補正分布は、図10(b)に示す照明強度分布を反転させるように決定されている。すなわち、照明強度が最大となる基板の中心付近に対向する領域では、フィルタの透過率が最低となり、基板の外縁付近に行くにつれて、フィルタの透過率が徐々に大きくなるように分布している。
【0074】
図10(d)は、ランプ群からフィルタを介して基板に光を照射したときの照明強度分布を示している。横軸は基板上における測定位置を、縦軸は照度(mW/cm)を示している。図10(d)に示すように、透過率補正板として構成されたフィルタを用いることで、基板上の照度強度分布が均一化されていることが分かる。
【0075】
(実施例2)
一般的に、基板の外縁からの放熱は中心部に比べて大きい場合が多く、基板中心の温度が相対的に高くなってしまい易い。本実施例では、基板の中心部分の照度強度分布を意図的に局所的に低くすることで、基板の面内温度均一性を向上させた。本実施例の概要を図11に示す。なお、本実施例に係る基板処理装置は、フィルタを除き実施例1の基板処理装置と同様に構成されている。本実施例の概要を図11に示す。
【0076】
図11(a)は、ランプ群からフィルタを介さずに基板に光を照射したときの照明強度分布(すなわちランプ群の照明特性)を示している。横軸は基板上における測定位置、縦軸は照度(mW/cm)を示している。本実施例に係る光の照明強度分布は、実施例1の分布と同様である。すなわち、基板の中心付近では、複数のランプによる光が重ね合わさることから、照明強度が最大となっている。また、基板の外縁付近(左端、右端)に行くにつれて、上述の重ね合わせが少なくなり、照明強度が徐々に低下している。
【0077】
図11(b)は、本実施例に係るフィルタが有する透過率補正分布を示す。横軸はフィルタ上における測定位置を、縦軸は透過率(%)を示している。本実施例に係るフィルタの透過率補正分布は、実施例1のフィルタとほぼ同様に構成されている。すなわち、照明強度が最大となる基板の中心付近に対向する領域では、フィルタの透過率が最低となり、基板の外縁付近に行くにつれて、フィルタの透過率が徐々に大きくなるように分布している。但し、照明強度が最大となる基板の中心付近に対向する領域では、実施例1のフィルタよりも透過率を更に低下させている点が異なる。
【0078】
図11(c)は、ランプ群からフィルタを介して基板に光を照射したときの照明強度分布を示している。横軸は基板上における測定位置、縦軸は照度(mW/cm)を示している。図11(c)に示すように、透過率補正板として構成されたフィルタを用いることで、基板中心の照度強度分布が若干低下している。基板の外縁からの放熱は中心部に比べて大きい場合が多く、この場合、基板中心の温度が相対的に高くなってしまい易い。これ
に対し、本実施例のような照度強度分布で基板に光を照射すれば、基板の面内温度均一性を向上させることができる。
【0079】
(実施例3)
ランプと基板との距離が遠いとエネルギーが減衰してしまい、照明強度が低下してしまう。照明強度が低下すると、基板に吸収される光エネルギー(後に熱エネルギーに変換される)の量が低下し、基板の加熱効率が低下してしまう。但し、ランプと基板との距離とを近づけると、ランプ群からフィルタを介さずに基板に光を照射したときの照明強度分布が、実施例1や実施例2の様にならず、複数のランプに対向するそれぞれの位置でピークを有するような分布となる。そこで本実施例では、係る照度強度分布に併せてフィルタの透過率分布を設定することで、基板の面内温度均一性を向上させた。本実施例の概要を図12に示す。
【0080】
図12(a)は、本実施例に係る基板処理装置が備えるランプハウスおよび反応室の断面構成を示している。本装置では、ランプと基板との距離が近くなるように設定されている点が、上述の実施例と異なる。本実施例に係るフィルタ(図中、透過性補正板と表示)は、図12(a)の左側に示すように、透過率の比較的高い領域中に、透過率の比較的低い領域が、例えばランプの配置と一致するように斑に配列するように構成されている。
【0081】
図12(b)は、図12(a)の装置において、ランプ群からフィルタを介さずに基板(図中、ウエハと表示)に光を照射したときの、光の照明強度分布(すなわちランプ群の照明特性)を示している。横軸は基板上における測定位置を、縦軸は照度(mW/cm)を示している。ランプと基板との距離が近いことから、実施例1や2で見られた重ね合わせの影響が低下し、複数のランプに対向するそれぞれの位置でピークを有することが分かる。
【0082】
図12(c)は、本実施例に係るフィルタが有する透過率補正分布を示す。横軸はフィルタ上における測定位置を、縦軸は透過率(%)を示している。本実施例に係るフィルタの透過率補正分布は、図12(b)に示す照明強度分布を反転させるように決定されている。すなわち、照明強度が最大となる領域(ランプと対向する領域)では、フィルタの透過率が最低となり、照明強度が低い領域(ランプと対向しない領域)では、フィルタの透過率が最大となるように分布している。
【0083】
図12(d)は、ランプ群からフィルタを介して基板に光を照射したときの照明強度分布を示している。横軸は基板上における測定位置を、縦軸は照度(mW/cm)を示している。図12(d)に示すように、ランプと基板との距離を近づけた場合であっても、透過率補正板として構成されたフィルタを用いることで、基板上の照度強度分布が均一化されていることが分かる。また、係る効果は、ランプと基板との距離が近づけた場合に限らず、ランプの数を減らした場合にも同様に得ることができる。
【0084】
(実施例4)
本実施例は、上述の実施例2と実施例3とを組み合わせた場合を示している。基板の外縁からの放熱は中心部に比べて大きく、また、ランプと基板との距離が近づけた場合であっても、実施例2,4の特性を組み合わせたフィルタを用いることで、基板の面内温度均一性を向上させることができる。本実施例の概要を図13に示す。なお、詳細な説明は、実施例2,4にそれぞれ記載済みであるため省略する。
【0085】
(実施例5)
本実施例では、波長制御板として構成されたフィルタを用いて基板上の波長分布を制御した。なお、本実施例に係る基板処理装置は、フィルタを除き実施例1の基板処理装置と
同様に構成されている。本実施例の概要を図14に示す。
【0086】
図14(a)は、ランプ群からフィルタを介さずに基板に光を照射したときの照明強度分布(すなわちランプ群の照明特性)を示している。横軸は基板上における測定位置、縦軸は照度(mW/cm)を示している。本実施例に係る光の照明強度分布は、実施例1の分布と同様である。すなわち、基板の中心付近では、複数のランプによる光が重ね合わさることから、照明強度が最大となっている。また、基板の外縁付近(左端、右端)に行くにつれて、上述の重ね合わせが少なくなり、照明強度が徐々に低下している。
【0087】
図14(b)は、本実施例に係るフィルタが有する波長別の透過特性を示す。横軸はフィルタ上における測定位置を、縦軸は透過率(%)を示している。左側のグラフは波長が400〜450nmの光に対する透過率分布、右側のグラフは波長が450〜500nmの光を照射したときの透過率分布を示している。図14(b)によれば、波長が400〜450nmの光は基板中心付近にて除去されていることが分かる。さらに、波長が450〜500nmの光はさらに広範囲で除去されていることが分かる。
【0088】
図14(c)の右側に示すように、本実施例に係るフィルタ(図中、透過性補正板と表示)は、ランプから照射される光のピーク強度の波長を除去しない円周状の第一の領域(全波長透過)と、ランプから照射される光のピーク強度の波長(例えば450〜500nm)を除去しない円周状の第二の領域(450〜500nmCUTフィルタ)と、ランプから照射される光のピーク強度の波長(例えば400〜450nm)を除去するとともに、第二の領域に囲われた円形の第三の領域(400〜450nmCUTフィルタ)と、を有している。
【0089】
図14(c)の左側は、本実施例に係るフィルタが有する全波長における透過率補正分布を示す。横軸はフィルタ上における測定位置を、縦軸は透過率(%)を示している。本実施例に係るフィルタの透過率補正分布は、図14(a)に示す照明強度分布を反転させるように決定されている。すなわち、照明強度が最大となる基板の中心付近に対向する領域では、フィルタの透過率が最低となり、基板の外縁付近に行くにつれて、フィルタの透過率が徐々に大きくなるように分布している。
【0090】
図14(d)は、ランプ群からフィルタを介して基板に光を照射したときの照明強度分布を示している。横軸は基板上における測定位置を、縦軸は照度(mW/cm)を示している。図14(d)に示すように、波長制御板として構成されたフィルタを用いることで、基板上の照度強度分布が均一化されていることが分かる。
【0091】
(実施例6)
本実施例は、上述の実施例3と実施例5とを組み合わせた場合を示している。ランプと基板との距離を近づけた場合であっても、実施例3,5の特性を組み合わせたフィルタを用いることで、基板上の照度強度分布を向上させることができる。本実施例の概要を図15に示す。なお、詳細な説明は、実施例3,5にそれぞれ記載済みであるため省略する。
【0092】
(実施例7)
本実施例は、透過率補正板としてのフィルタを製造する際のプロセスを示す。本実施例の概要を図16に示す。
【0093】
図16に示すように、ランプ群からフィルタを介さずに基板に光を照射したときの照明強度分布を測定するか、或いは基板の温度分布を測定し、所定のコンピュータプログラムが動作するコンピュータに入力する。また、基板の境界条件をコンピュータに入力する。そして、基板の温度分布が一定になるための透過率補正分布を、コンピュータから取得す
る。そして、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンを、上述のコンピュータに接続されたプリンタにより透明フィルム上に印刷することで、透過率補正板としてのフィルタを製造することができる。また、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンを、リソグラフィー工程によりガラス上に作成することで、透過率補正板としてのフィルタを製造することもできる。
【0094】
(実施例8)
本実施例は、透過率補正板としてのフィルタを、フィルム等の重ね合わせにより製造する際のプロセスを示す。本実施例の概要を図17に示す。
【0095】
図17(a)に示す透過率補正分布を有するフィルタを、重ね合わせにより製造する様子を図17(b)及び(c)にそれぞれ例示する。図17(b)及び(c)に示すように、形状の異なる複数のフィルム、あるいは形状の異なる複数のガラス(B1〜B5或いはC1〜C5)を2枚以上重ね合わせることで、透過率補正板としてのフィルタを製造することもできる。なお、図17(b)に示すように、重ね合わせるフィルム(B1〜B5)の透過率はそれぞれ同じとしてもよい。また、図17(c)に示すように、重ね合わせるフィルム(C1〜C5)の透過率は互いに異なっていてもよい。
【0096】
(実施例9)
本実施例は、波長制御板としてのフィルタを、波長フィルタの重ね合わせにより製造する際のプロセスを示す。本実施例の概要を図18に示す。
【0097】
ランプ群からフィルタを介さずに基板に光を照射したときの照明強度分布を測定するか、或いは基板の温度分布を測定し、所定のコンピュータプログラムが動作するコンピュータに入力する。また、基板の境界条件をコンピュータに入力する。そして、基板の温度分布が一定になるための波長制御分布を、コンピュータから取得する。そして、図18に示すように、形状の異なる複数の波長フィルタ(D2,D3)を、例えばガラス基板(D1)上に2枚以上重ね合わせることで、波長制御分布を有するフィルタを製造することができる。
【0098】
(実施例10)
本実施例では、フィルタを、反応室内の気密を保持しつつ、ランプ群からの光を導入する透光性窓部材としても兼用した。これにより、基板処理装置の製造コスト、基板処理コストを低減できた。なお、実施例1〜6のいずれのフィルタであっても、透光性窓部材としても兼用できる。係る様子を図19(a)及び(b)にそれぞれ示す。
【0099】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0100】
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
【0101】
(付記1)
本発明の一態様によれば、
基板を加熱する基板処理装置であって、
前記基板を処理する処理室と、
前記処理室内で前記基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部の基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、
前記加熱源と前記基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、
複数の前記加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群に対向する領域(複数の前記加熱源のうち前記加熱部を構成する側壁に最も近い第一の加熱源群に対向する領域)における前記フィルタの透過率を第一の透過率とし、
前記加熱源群のうち(複数の前記加熱源のうち)前記第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域における前記フィルタの透過率を第二の透過率としたとき、
前記第一の透過率が前記第二の透過率よりも高く構成されている
基板処理装置が提供される。
【0102】
(付記2)
好ましくは、前記加熱源は電球型ランプとして構成されている。
【0103】
(付記3)
また好ましくは、前記加熱源は直管型ランプとして構成されている。
【0104】
(付記4)
また好ましくは、
前記第一の加熱源は円周状に配列されている。
【0105】
(付記5)
また好ましくは、
前記第二の加熱源群と対向する前記フィルタ内の領域であって、前記基板の中心と対向する領域における前記フィルタの透過率を第三の透過率としたとき、
前記第三の透過率が前記第二の透過率よりも低く構成されている。
【0106】
(付記6)
本発明の他の態様によれば、
基板を加熱する基板処理装置であって、
前記基板を処理する処理室と、
前記処理室内で前記基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部の基板支持面に対向する位置に設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、
前記加熱源と前記基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、
前記加熱源と対向する領域における前記フィルタの透過率が、前記加熱源と対向しない領域における前記フィルタの透過率よりも低く構成されている
基板処理装置が提供される。
【0107】
(付記7)
本発明の更に他の態様によれば、
基板を加熱する基板処理装置であって、
前記基板を処理する処理室と、
前記処理室内で前記基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部の基板支持面に対向する位置に設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、
前記加熱源と前記基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、
前記フィルタは、複数の前記加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群(複数の前記加熱源のうち前記加熱部を構成する側壁に最も近い第一の加熱源群)とは異なる第二の加熱源群と対向する領域において、前記加熱源から照射される光のピーク強度の波長を除去するよう構成されている
基板処理装置が提供される。
【0108】
(付記8)
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入し、前記処理室内に設けられた基板支持部の基板支持面上に載置する工程と、
ガス供給部から前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
前記基板支持部の前記基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部から、複数の前記加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群に対向する領域(すなわち、複数の前記加熱源のうち前記加熱部を構成する側壁に最も近い第一の加熱源群に対向する領域)における透過率を第一の透過率とし、前記加熱源群のうち(すなわち、複数の前記加熱源のうち)前記第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域における透過率を第二の透過率としたとき、前記第一の透過率が前記第二の透過率よりも高く構成されているフィルタを介して前記基板に光を照射し、前記基板を加熱する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0109】
(付記9)
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入し、前記処理室内に設けられた基板支持部の基板支持面上に載置する工程と、
ガス供給部から前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
前記基板支持部の前記基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部から、それぞれの前記加熱源と対向する透過率が、複数の前記加熱源のいずれとも対向しない領域における透過率よりも低く構成されているフィルタを介して前記基板に光を照射し、前記基板を加熱する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0110】
(付記10)
本発明の更に他の態様によれば、
基板を処理室内に搬入し、前記処理室内に設けられた基板支持部の基板支持面上に載置する工程と、
ガス供給部から前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
前記基板支持部の前記基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部から、複数の前記加熱源のうち前記加熱部を構成する側壁に最も近い第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域において、前記加熱源から照射される光のピーク強度の波長を除去するよう構成されているフィルタを介して前記基板に光を照射し、前記基板を加熱する工程と、
を有する半導体装置の製造方法が提供される。
【0111】
(付記11)
本発明の更に他の態様によれば、
ランプを1つあるいは複数配置して前記ランプの光により基板を加熱する基板処理装置において、
前記ランプから前記基板上に照射される照明強度分布を任意の分布に形成する透過率補正板として構成されたフィルタを、前記ランプと前記基板との間に有する
基板処理装置が提供される。
【0112】
(付記12)
本発明の更に他の態様によれば、
ランプを1つあるいは複数配置して前記ランプの光により基板を加熱する基板処理装置
において、
前記ランプから前記基板上に照射される光の波長分布を任意の分布に形成する波長制御板として構成されたフィルタを、前記ランプと前記基板との間に有する
基板処理装置が提供される。
【0113】
(付記13)
前記の透過率補正板は2次元あるいは非線形の透過率補正分布を有する
付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0114】
(付記14)
前記の波長制御板は2次元あるいは非線形の波長制御分布を有する
付記12に記載の基板処理装置が提供される。
【0115】
(付記15)
前記の任意の照明強度分布あるいは波長分布は、前記ランプから前記フィルタを介さずに光を照射して加熱されたときの前記基板の温度分布により決定される
付記11または付記12に記載の基板処理装置が提供される。
【0116】
(付記16)
前記2次元の透過率補正分布は、前記ランプから前記フィルタを介さずに前記基板に照射される光の照明強度分布の測定結果からコンピュータにより算出され、前記コンピュータにより前記フィルタのパターンが自動作成される
付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0117】
(付記17)
前記の2次元の波長制御分布は、前記ランプから前記フィルタを介さずに前記基板に照射される光の波長分布の測定結果からコンピュータにより算出される
付記12に記載の基板処理装置が提供される。
【0118】
(付記18)
前記透過率補正板として構成されたフィルタは、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンが、前記コンピュータに接続されたプリンタにより透明フィルム上に印刷されることで製造されている
付記16に記載の基板処理装置が提供される。
【0119】
(付記19)
前記透過率補正板として構成されたフィルタは、所定の遮光パターンあるいは半透光パターンが、リソグラフィー工程によりガラス上に作成されることで製造されている
付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0120】
(付記20)
前記透過率補正板として構成されたフィルタは、形状の異なる複数のフィルム、あるいは形状の異なる複数のガラスを2枚以上重ね合わせることで製造されている
付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0121】
(付記21)
前記透過率補正板として構成されたフィルタは、透過率および形状の異なる複数のフィルム、あるいは透過率および形状の異なる複数のガラスを2枚以上重ね合わせることで製造されている付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0122】
(付記22)
前記透過率補正板として構成されたフィルタは、アルミニウム合金等からなる遮光性の金属部材に所定の間隔で所定の径の貫通孔を開設させることで製造されている
付記11に記載の基板処理装置が提供される。
【0123】
(付記23)
前記波長制御板として構成されたフィルタは、形状の異なる複数の波長フィルタ(フィルム、あるいはガラス)を2枚以上重ね合わせることで製造されている付記12に記載の基板処理装置が提供される。
【0124】
(付記24)
前記基板は真空排気可能に構成された処理室内に搬入されるよう構成され、
前記ランプは前記処理室の外部に設けられており、
前記透過率補正板あるいは前記波長制御板として形成された前記フィルタは、前記処理室内の気密を保持しつつ、前記ランプからの光を前記処理室内に導入する透光性窓部材として構成されている付記11または付記12に記載の基板処理装置が提供される。
【符号の説明】
【0125】
10 基板処理装置
12 搬送室
14a,14b ロードロック室
16a,16b 処理室
20 大気搬送室
22 基板
36 真空ロボット
38a 上フィンガ
38b 下フィンガ
40 フィンガ対
42 アーム
44a,44b 基板支持部
45a,45b ヒータ
46 仕切り部材
50 反応室
51a,51b ガス供給部
52a,52b ランプハウス(加熱部)
54a,54b 排気バッフルリング
56 孔部
57a,57b ランプ群(加熱源群)
58 第1の排気口
60 第2の排気口
62 第3の排気口
64 ロボットアーム
66 フィンガ
68 軸部
70 弧状部
72 突起部
74 基板保持ピン
76 溝部
80a,80b ランプ(加熱源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を加熱する基板処理装置であって、
前記基板を処理する処理室と、
前記処理室内で前記基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部の基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、
前記加熱源と前記基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、
複数の前記加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群に対向する領域における前記フィルタの透過率を第一の透過率とし、
前記加熱源群のうち前記第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域における前記フィルタの透過率を第二の透過率としたとき、
前記第一の透過率が前記第二の透過率よりも高く構成されている
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
基板を加熱する基板処理装置であって、
前記基板を処理する処理室と、
前記処理室内で前記基板を支持する基板支持部と、
前記基板支持部の基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部と、
前記加熱源と前記基板支持部との間に設けられるフィルタと、を備え、
前記フィルタは、複数の前記加熱源のうち前記加熱部を構成する側壁に最も近い第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域において、前記加熱源から照射される光のピーク強度の波長を除去するよう構成されている
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
基板を処理室内に搬入し、前記処理室内に設けられた基板支持部の基板支持面上に載置する工程と、
ガス供給部から前記処理室内に不活性ガスを供給する工程と、
前記基板支持部の前記基板支持面に対向するように設けられ、所定の間隔を空けてそれぞれ隣接される加熱源を複数有する加熱部から、複数の前記加熱源からなる加熱源群の外縁を構成する第一の加熱源群に対向する領域における透過率を第一の透過率とし、前記加熱源群のうち前記第一の加熱源群とは異なる第二の加熱源群と対向する領域における透過率を第二の透過率としたとき、前記第一の透過率が前記第二の透過率よりも高く構成されているフィルタを介して前記基板に光を照射し、前記基板を加熱する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−151389(P2012−151389A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10523(P2011−10523)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【出願人】(501466938)株式会社目白プレシジョン (31)
【Fターム(参考)】