説明

基板加工システム、および基板加工プログラム

【課題】半導体発光装置における色度のばらつきを抑制する加工を行うことができる基板加工システム、および基板加工プログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態に係る基板加工システムは、発光部、及び蛍光体を含む波長変換部を有した基板の厚み寸法に関する情報を測定する測定部と、前記測定された基板の厚み寸法に関する情報と、前記発光部から出射する光の特性に関する情報と、に基づいて前記波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求めるデータ処理部と、前記求められた加工情報に基づいて前記波長変換部を加工する加工部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、概ね、基板加工システム、および基板加工プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子(以下、単に発光素子と称する)と、蛍光体を含む波長変換部と、を用いた半導体発光装置においては、例えば、青色光を発光する発光素子(例えば、青色LED(Light Emitting Diode))と、青色と補色関係にある黄色光を放出する蛍光体と、を用いて白色光を得るようにしたものがある。
そして、このような半導体発光装置を製造する際に、波長変換部の表面が平滑となるように研磨し、その後ウェットエッチング法を用いて表面に凹凸加工を施すようにした技術がある。
しかしながら、表面が平滑となるように研磨し、平滑化された表面に凹凸加工を施すようにしても波長変換部に含まれる蛍光体の量に分布を持たせることが困難なため、発光素子から出射される光の波長のばらつきに応じて色度のばらつきが大きくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−157637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、半導体発光装置における色度のばらつきを抑制する加工を行うことができる基板加工システム、および基板加工プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る基板加工システムは、発光部、及び蛍光体を含む波長変換部を有した基板の厚み寸法に関する情報を測定する測定部と、前記測定された基板の厚み寸法に関する情報と、前記発光部から出射する光の特性に関する情報と、に基づいて前記波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求めるデータ処理部と、前記求められた加工情報に基づいて前記波長変換部を加工する加工部と、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】加工された半導体発光装置の一例を例示するための模式断面図である。
【図2】基板上に形成された複数の発光部から出射する光の波長の分布を例示するための模式図である。
【図3】波長と色度との関係を例示するための模式グラフ図である。(a)は波長と色度図におけるX座標の値Cxとの関係を例示するための模式グラフ図、(b)は波長と色度図におけるY座標の値Cyとの関係を例示するための模式グラフ図である。
【図4】第1の実施形態に係る基板加工システムを例示するための模式図である。
【図5】加工部の要部を例示するための模式図である。
【図6】データ処理部における処理の様子を例示するための模式図である。
【図7】(a)〜(d)は、加工が施された波長変換部の形態を例示するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
まず、加工対象となり得る半導体発光装置について例示する。
なお、ここでは一例として、複数の発光部を有する半導体発光装置(いわゆるマルチチップ型の半導体発光装置)について例示する。
【0008】
図1は、加工された半導体発光装置の一例を例示するための模式断面図である。
図1に示すように、半導体発光装置1には、発光部2、電極部3、電極部4、接合部5、絶縁部6、封止部7、波長変換部8が設けられている。
発光部2は、主面M1と、主面M1の反対面である主面M2とを有し、複数設けられている。
光を出射する発光部2には、半導体部2a、活性部2b、半導体部2cが設けられている。
半導体部2aは、例えば、GaN(窒化ガリウム)、AlN(窒化アルミニウム)、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)、InGaN(窒化インジウムガリウム)などのn形の窒化物半導体を用いて形成されたものとすることができる。
【0009】
活性部2bは、半導体部2aと半導体部2cとの間に設けられている。
活性部2bは、正孔および電子が再結合して光を発生する井戸層と、井戸層よりも大きなバンドギャップを有する障壁層(クラッド層)と、によって構成された量子井戸構造とすることができる。
ただし、活性部2bの構成は量子井戸構造に限定されるわけではなく、発光可能な構造を適宜選択することができる。
【0010】
半導体部2cは、例えば、GaN、AlN、AlGaN、InGaNなどのp形の窒化物半導体を用いて形成されたものとすることができる。
発光部2は、例えば、ピークの発光波長が350nm〜600nmの発光ダイオードとすることができる。
【0011】
電極部3、電極部4は、凹部7aの底面と封止部7の端面との間を貫通するようにして設けられている。
電極部3の一方の端部は接合部5と電気的に接続され、接合部5を介して電極部3と半導体部2aとが電気的に接続されている。
電極部4の一方の端部は半導体部2cと電気的に接続されている。
接合部5は、電極部3と半導体部2aとの間に設けられている。接合部5は、例えば、Cu(銅)などの金属材料を用いて形成されたものとすることができる。なお、接合部5は、必ずしも必要ではなく、必要に応じて適宜設けるようにすることができる。
絶縁部6は、封止部7に設けられた凹部7aを埋め込むようにして設けられている。絶縁部6は、例えば、SiOなどの無機材料や、樹脂などから形成されるものとすることができる。
【0012】
封止部7は、発光部2の主面M2側に設けられ、電極部3の端部と電極部4の端部とを露出させつつ、電極部3および電極部4を封止する。
また、封止部7は凹部7aを有し、凹部7aの内部に設けられた発光部2、接合部5をも封止する役割を有している。なお、封止部7と絶縁部6とが一体的に形成されるようにすることもできる。
【0013】
波長変換部8は、発光部2の主面M1側に設けられ、後述する蛍光体を含有している。 また、波長変換部8は、発光部2から出射する光の特性に関する情報に基づいた蛍光体の量の分布を有している。なお、蛍光体の量の分布に関する詳細は後述する。
波長変換部8は、波長変換可能な蛍光体が混合された樹脂などを用いて形成されたものとすることができる。
波長変換部8は、440nm以上470nm以下(青色)、500nm以上555nm以下(緑色)、560nm以上580nm以下(黄色)、600nm以上670nm以下(赤色)にピークの発光波長を持つ蛍光体の少なくとも1種以上を含むものとすることができる。 また、波長変換部8は、発光波長の帯域が380nm〜720nmの蛍光体を含むものとすることができる。
蛍光体としては、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、燐(P)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、アルカリ土類元素、硫化物元素、希土類元素、窒化物元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素が含まれたものとすることができる。
【0014】
赤色の蛍光を発する蛍光体の材料としては、例えば、以下のものを例示することができる。ただし、赤色の蛍光を発する蛍光体は、これらに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
LaS:Eu,Sm、
LaSi:Eu2+
α−sialon:Eu2+
CaAlSiN:Eu2+
(SrCa)AlSiN:EuX+
Sr(SiAl(ON):EuX+
【0015】
緑色の蛍光を発する蛍光体の材料としては、例えば、以下のものを例示することができる。ただし、緑色の蛍光を発する蛍光体は、これらに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
(Ba,Sr,Mg)O・aAl:Mn、
(BrSr)SiO:Eu、
α−sialon:Yb2+
β−sialon:Eu2+
(CaSr)Si:Eu2+
Sr(SiAl)(ON):Ce
【0016】
青色の蛍光を発する蛍光体の材料としては、例えば、以下のものを例示することができる。ただし、青色の蛍光を発する蛍光体は、これらに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
ZnS:Ag,Cu,Ga,Cl、
(Ba,Eu)MgAl1017
(Ba,Sr,Eu)(Mg,Mn)Al1017
10(Sr,Ca,Ba,Eu)・6PO・Cl
BaMgAl1625:Eu
(Al,Ga)O1:Ce
SrSiON2.7:Eu2+
【0017】
黄色の蛍光を発する蛍光体の材料としては、例えば、以下のものを例示することができる。ただし、黄色の蛍光を発する蛍光体は、これらに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
Li(Eu,Sm)W
(Y,Gd),(Al,Ga)12:Ce3+
LiSrSiO:Eu2+
(Sr(Ca,Ba))SiO:Eu2+
SrSiON2.7:Eu2+
【0018】
黄緑色の蛍光を発する蛍光体の材料としては、例えば、以下のものを例示することができる。ただし、黄緑色の蛍光を発する蛍光体は、これに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
SrSiON2.7:Eu2+
なお、混合する蛍光体は1種類である必要はなく、複数種類の蛍光体が混合されるようにしてもよい。この場合、青味がかった白色光、黄味がかった白色光などのように色味を変えるために複数種類の蛍光体の混合割合を変えるようにすることもできる。
【0019】
蛍光体が混合される樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン系樹脂、メタクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、環状ポリオレフィン(COP)、脂環式アクリル(OZ)、アリルジグリコールカーボネート(ADC)、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂とエポキシ樹脂とのハイブリット樹脂、ウレタン樹脂などを例示することができる。
【0020】
ここで、発光部2は、例えば、エピタキシャル成長法などを用いて形成することができるが、形成過程において発光部2の厚み寸法にばらつきが生じる場合がある。そして、発光部2の厚み寸法にばらつきが生じると、発光部2から出射する光の特性である光の波長がばらつくようになる。
そして、発光部2から出射する光の波長がばらつくと色度もばらつくようになる。
【0021】
図2は、基板上に形成された複数の発光部から出射する光の波長の分布を例示するための模式図である。
なお、基板上に形成された複数の発光部から出射する光の波長の分布をモノトーン色の濃淡で表し、光の波長が短い程濃く、光の波長が長い程淡くなるように表示した。
図2に示すように、基板上の位置によって発光部から出射する光の波長が異なるものとなる場合がある。
このことは、形成された発光部2から出射する光の波長にばらつきがあることを意味する。
ここで、光の波長にばらつきがあれば、色度のばらつきが大きくなるおそれがある。
そのため、発光部2から出射する光の波長のばらつきに基づいて厚み寸法が変化した波長変換部8が設けられるようにしている。すなわち、発光部2から出射する光の特性に関する情報に基づいて蛍光体の量の分布を有した波長変換部8が設けられるようにしている。
【0022】
次に、波長変換部8の厚み寸法と、色度のばらつきとの関係について例示する。
図3は、波長と色度との関係を例示するための模式グラフ図である。
なお、図3(a)は波長と色度図におけるX座標の値Cxとの関係を例示するための模式グラフ図、図3(b)は波長と色度図におけるY座標の値Cyとの関係を例示するための模式グラフ図である。
また、図3(a)、(b)中のAは波長変換部の厚み寸法が100μm程度、Bは波長変換部の厚み寸法が65μm程度、Cは波長変換部の厚み寸法が45μm程度の場合である。なお、波長変換部に含まれる蛍光体の量の割合を一定とした場合である。
【0023】
図3(a)、(b)に示すように、波長が長くなると色度図におけるX座標の値Cx、Y座標の値Cyがともに低下する。
このことは、発光部2から出射する光の波長がばらつくと色度もばらつくことを意味する。
また、波長変換部8の厚み寸法が薄くなると色度図におけるX座標の値Cx、Y座標の値Cyがともに低下する。
このことは、波長変換部8に含まれる蛍光体の量を少なくすれば色度図におけるX座標の値Cx、Y座標の値Cyを低下させることができることを意味する。
【0024】
すなわち、発光部2から出射する光の波長に基づいて波長変換部8に含まれる蛍光体の量を制御すれば、色度のばらつきを抑制することができることがわかる。
例えば、図3(a)、(b)中のA、B、Cにおいて、短い波長(図中の左側)の光を出射する発光部2の上に形成される波長変換部8に含まれる蛍光体の量を少なくして値Cx、値Cyを低下させるようにすれば、長い波長(図中の右側)の光を出射する発光部2における値Cx、値Cyとの差を小さくすることができる。
そのため、波長変換部8において、光の波長が短い位置における蛍光体の量が光の波長が長い位置における蛍光体の量よりも少なくなるような蛍光体の量の分布を設けるようにすれば、色度のばらつきを少なくすることができる。
【0025】
例えば、図1に示す波長変換部8のように、発光部2から出射する光の波長に基づいて厚み寸法を変化させることで蛍光体の量の分布を設け、色度のばらつきを少なくするようにすることができる。
【0026】
この場合、短い波長側における値Cxと、長い波長側における値Cxとの差である色度差ΔCxが0.015以下となるように蛍光体の量が決められるようにすることができる。
また、短い波長側における値Cyと、長い波長側における値Cyとの差である色度差ΔCyが0.015以下となるように蛍光体の量が決められるようにすることができる。
なお、蛍光体の量を変化させれば、色度差ΔCxと色度差ΔCyとがともに変化するので、色度差ΔCxと色度差ΔCyの内いずれか大きい値の方が0.015以下となるように蛍光体の量が決められるようにすることができる。
この場合、少なくとも隣接する発光部2同士の間で色度差ΔCxと色度差ΔCyとが0.015以下となるようにすればよい。
発光部2が多数設けられているような場合には、色度差ΔCxと色度差ΔCyとが0.015以下となるように分割して、分割された各領域毎に蛍光体の量を決めるようにすればよい。
【0027】
このように波長変換部8は、厚み寸法の変化に応じた蛍光体の量の分布を有している。 このような波長変換部8は、発光部2から出射する光の特性(例えば、発光部2から出射する光の波長)に基づいて波長変換部8の表面側を削り取ることで形成することができる。
この場合、波長変換部8の表面側を削り取ることで色度補正を行うためには、均一な厚みに形成された波長変換部の表面側をミクロンオーダの精度で加工する必要がある。
次に、半導体発光装置1における色度のばらつきを抑制する加工を行うことができる基板加工システム100、すなわち、波長変換部8の表面側をミクロンオーダの精度で加工することができる基板加工システム100について例示する。
【0028】
[第1の実施形態]
図4は、第1の実施形態に係る基板加工システムを例示するための模式図である。
図5は、加工部の要部を例示するための模式図である。
図4、図5に示すように、基板加工システム100には、載置部101、検出部102、加工部103、データ処理部104が設けられている。
【0029】
また、基板10を保持具105aに保持させ、加工が施された基板10aを保持具105aから取り外す着脱部105を設けるようにすることができる。
なお、本明細書において基板10は、均一な厚みに形成された波長変換部を有したものとしている。例えば、基板10は、表面側に加工が施される前の波長変換部を有した半導体発光装置とすることができる。
また、基板10aは、表面側に加工が施された波長変換部を有したものとしている。例えば、基板10aは、表面側が削り取られた波長変換部を有した半導体発光装置1とすることができる。
【0030】
まず、着脱部105について例示する。
保持具105aは、例えば、金属などを用いて形成された板状体とすることができる。 保持具105aの一方の主面には基板10を保持させるための保持手段105bが設けられている。保持手段105bは、例えば、粘着性を有したテープなどとすることができる。例えば、保持手段105bはダイシングテープなどとすることができる。保持手段105bの保持手段105bが設けられる側の主面とは反対側の主面は、保持具105aを検出部102、加工部103に載置する際に載置面となる。
保持具105aに基板10を保持させることで基板10の変形を抑制することができるので、後述する測定や加工の精度を向上させることができる。また、保持具105aに基板10を保持させることで基板10を搬送する際の保護などを図ることができる。
【0031】
着脱部105には、保持手段105bに基板10を保持させるための図示しない着脱機構が設けられている。図示しない着脱機構としては、例えば、ダイシングテープである保持具105aに基板10を貼り付ける貼り付け装置などを例示することができる。
【0032】
また、着脱部105には、基板10、加工が施された基板10a(例えば、図1に例示をした半導体発光装置1)、これらが保持された保持具105aを収納するキャリア105cが載置されるようにすることができる。
キャリア105cは、例えば、基板10、基板10a、基板10が保持された保持具105a、加工が施された基板10aが保持された保持具105aをそれぞれ積層状(多段状)に収納可能なウェーハキャリアなどとすることができる。例えば、ミニエンバイロメント方式の半導体工場で使われている基板の搬送、保管を目的とした正面開口式キャリアであるFOUP(Front-Opening Unified Pod)などとすることができる。
【0033】
ここで、着脱部105の作用を例示する。
まず、基板10が収納されたキャリア105cが着脱部105に搬送され、載置される。着脱部105においてキャリア105cから基板10が取り出され、図示しない着脱機構により保持具105aに基板10を保持させる。基板10が保持された保持具105aは、キャリア105cに収納される。基板10が保持された保持具105aが収納されたキャリア105cは、載置部101に搬送され、載置される。その後、キャリア105cから基板10が保持された保持具105aが取り出され、波長変換部に所定の加工が施される。なお、波長変換部の加工に関しては後述する。
【0034】
また、加工が施された基板10aが保持された保持具105aはキャリア105cに収納される。そして、基板10aが保持された保持具105aが収納されたキャリア105cは、載置部101から着脱部105に搬送され、載置される。着脱部105においてキャリア105cから基板10aが保持された保持具105aが取り出され、図示しない着脱機構により保持具105aから基板10aが取り外される。取り外された基板10aはキャリア105cに収納される。基板10aが収納されたキャリア105cは後工程(例えば、ダイシング工程など)に搬送される。
【0035】
次に、載置部101、検出部102、加工部103、データ処理部104について例示する。
載置部101は、キャリア105cを載置、保持する。
検出部102には、保持部102a、位置認識部102b、測定部102cが設けられている。
保持部102aは、基板10または基板10aが保持された保持具105aを載置、保持する。保持部102aとしては、例えば、ポーラス真空チャック、細溝真空チャック、静電チャック、冷凍チャックなどを例示することができる。
【0036】
位置認識部102bは、基板10に設けられたアライメントマークを認識することで、基板10に対する位置情報を検出する。位置認識部102bとしては、例えば、対物レンズ、光源、CCDカメラなどを備えた画像認識装置などを例示することができる。ただし、位置認識部102bは画像認識装置に限定されるわけではなく、基板10の大きさや検出精度などに応じて適宜変更することができる。
位置認識部102bにより検出された位置情報104bは、測定部102cによる測定の際に、検出位置に対する基準として用いられる。
なお、アライメントマークを認識した後は、図示しない移動部により基板10の位置を変化させてアライメントマークが所定の位置にくるようにすることもできる。例えば、基板10の位置を回転軸方向Cに変化させてアライメントマークが所定の位置にくるようにすることができる。
【0037】
測定部102cは、蛍光体を含む波長変換部を有した基板10の厚み寸法に関する情報104cを測定する。例えば、保持部102aの表面(保持具105aの載置面)から表面側が加工される前の波長変換部の表面までの寸法を測定するようにすることができる。測定部102cとしては、例えば、非接触式のレーザ変位計などの変位センサを例示することができる。ただし、変位センサに限定されるわけではなく、測定時間、測定点の数、測定分解能などに応じて適宜変更することができる。
測定部102cにより測定された基板10の厚み寸法に関する情報104cはデータ処理部104に送られる。また、位置認識部102bにより検出された位置情報104bもデータ処理部104に送られるようにすることができる。
この場合、基板10の厚み寸法に関する情報104cと、基板10における波長変換部以外の要素の厚み寸法に関する情報と、の差から加工対象となる波長変換部の厚み寸法を算出することができる。
【0038】
加工部103には、加工台103a、工具位置検出部103b、工具駆動部103c、移動部103d、加工液供給部103e、加工液回収部103fなどが設けられている。 加工部103は、データ処理部104からの加工情報104dと、工具位置検出部103bからの工具106の先端位置に関する情報とに基づいて基板10の表面側(波長変換部の表面側)を加工する。
【0039】
加工台103aには、基板10が保持された保持具105aを載置、保持する保持部103a1が設けられている。保持部103a1は、前述した保持部102aと同様のものとすることができる。
工具位置検出部103bは、工具駆動部103cに取り付けられた工具106の先端位置に関する情報を検出する。工具位置検出部103bとしては、例えば、非接触の工具測長装置などを例示することができる。工具位置検出部103bにより工具106の先端位置を検出することで、波長変換部の表面位置と、工具106の先端位置との相対位置関係を知ることができる。なお、工具位置検出部103bによる検出で工具106の損耗が確認された場合に工具106の交換を行う自動工具交換装置(ATC;Automatic Tool Changer)107を設けるようにすることもできる。
【0040】
図4、図5に例示をした工具駆動部103cは、取り付けられた工具106を回転させる。この場合、工具106は、チャック103c1(例えば,コレットチャック、焼きばめチャックなど)を介して取り付けられるようにすることができる。また、加工精度を確保するために高い回転精度を有する軸受け構造が採用されている。そのような軸受け構造としては、例えば、空気静圧軸受け、油静圧軸受けなどの非接触の軸受け構造を例示することができる。
また、工具106を回転させた際に生ずる熱による変位(熱変位)を抑制するために工具駆動部103cに空気や水などを供給する冷却部103c2を設けるようにすることができる。
また、工具駆動部103cに工具106を高速移動させるシャトルユニット、工具106を微小量駆動させるFTS(Fast Tool Servo)などの機能を持たせるようにすることもできる。
【0041】
ここで、前述した蛍光体は硬質である。そのため、工具106としては、硬質の刃先材料(例えば、単結晶ダイヤモンド、焼結ダイヤモンド、cBN(Cubic Boron Nitride)、超微粒子超硬合金など)を用いた刃先を有したものとすることができる。この場合、単結晶ダイヤモンドを用いた刃先を有した工具106とすれば、刃先形状が鋭利となるようにナノメートルオーダまで研磨することができるようになる。
【0042】
移動部103dは、工具106と波長変換部との相対的な位置を変化させる。例えば、少なくとも3軸方向(X軸方向、Y軸方向、Z軸方向)に工具106の位置を変化させるものとすることができる。また、移動部103dには、図示しない精密案内部(例えば、油静圧案内、空気静圧案内、精密リニアガイドなど)、図示しない精密駆動部(例えば、油静圧ネジ、空気静圧ネジ、精密ボールネジ、リニアモータなど)などが設けられるものとすることができる。この場合、高い加工精度を実現するために、サブミクロンオーダで工具106の位置を変化させるものとすることが好ましく、工具106の位置を変化させる際の指令値の最小設定単位が0.1μm以下となるようにすることが好ましい。
【0043】
加工点近傍においては、粉状の切り屑が飛散するおそれがある。
そのため、加工点近傍に切り屑の飛散を抑制する加工液を供給する加工液供給部103eと、加工点近傍に供給された加工液を回収する加工液回収部103fとを設けるようにすることができる。
加工液供給部103eには、加工液の収納、送液を行う送液部103e1、加工液を噴射するノズル103e2、送液部103e1とノズル103e2とを接続する可撓性の配管103eとが設けられている。
この場合、送液部103e1には、加工液を収納する図示しないタンク、加工液を送液する図示しないポンプ、加工液が所定の温度となるように制御する図示しない温度制御部などが設けられるようにすることができる。
加工液としては、特に限定されるわけではなく、半導体発光装置1が備える各要素に影響を与えにくいものを適宜選択することができる。例えば、加工液としては、水、水に界面活性剤などの各種添加剤が添加されたものなどを例示することができる。
加工液回収部103fとしては、例えば、バキューム吸引により加工点近傍に供給された加工液を切り屑とともに回収するものを例示することができる。
加工液供給部103e、加工液回収部103fを設けるようにすれば、加工部103における清浄度を維持することができる。
【0044】
なお、工具106が回転工具である場合を例示したがこれに限定されるわけではない。工具106は、Rバイトやフラットバイトなどの非回転工具とすることもできる。非回転工具を用いる場合には、工具駆動部103c、移動部103dなどが、いわゆる引ききり加工を行うことができる構造を有したものとすればよい。
【0045】
データ処理部104は、加工部103において加工を行うための加工情報104dを作成し、作成された加工情報104dを加工部103に向けて出力する。
例えば、データ処理部104は、測定された基板の厚み寸法に関する情報104cと、発光部から出射する光の特性に関する情報と、に基づいて波長変換部の厚み方向に関する加工情報104dを求める。
データ処理部104には、発光部2から出射する光の特性に関する情報104a、位置認識部102bにより検出された基板10の位置情報104b、測定部102cにより測定された基板10の厚み寸法に関する情報104cが入力されるようにすることができる。
【0046】
図6は、データ処理部104における処理の様子を例示するための模式図である。
なお、図6は、発光部2から出射する光の特性に関する情報104aが発光部2から出射する光の波長のばらつきに関する情報104a1である場合である。
【0047】
発光部2から出射する光の波長のばらつきに関する情報104a1は、図示しない波長測定装置により発光部2毎に測定された波長に基づいて作成されたものとすることができる。そして、例えば、図3に例示をしたような光の波長と色度のばらつきとの相関関係を予め実験やシミュレーションなどにより求めておき、データ処理部104が、光の波長のばらつきに関する情報104a1と、光の波長と色度のばらつきとの相関関係と、から色度のばらつきに関する情報を求めるようにすることができる。
【0048】
さらに、データ処理部104が、求められた色度のばらつきに関する情報と、予め実験やシミュレーションなどにより求められた色度と蛍光体の量との相関関係と、から色度のばらつきが小さくなるような蛍光体の量の分布を求め、求められた蛍光体の量の分布と、波長変換部における蛍光体の混合割合と、から色度のばらつきが小さくなるような波長変換部の厚み方向に関する加工情報104dを求めるようにすることができる。
【0049】
また、発光部2から出射する光の特性に関する情報104aがエレクトロルミネッセンス(EL:Electroluminescence)法、またはフォトルミネッセンス法(Photoluminescence Spectroscopy)を用いて求められた色度のばらつきに関する情報である場合には、以下のようにしてデータ処理部104が、波長変換部の厚み方向に関する加工情報104dを求めるようにすることができる。
この場合、色度のばらつきに関する情報は、色度を発光部2毎に測定することで求められたものとすることができる。
そして、前述した場合と同様にして、データ処理部104が、色度のばらつきに関する情報と、色度と蛍光体の量との相関関係と、から色度のばらつきが小さくなるような蛍光体の量の分布を求め、求められた蛍光体の量の分布と、波長変換部における前記蛍光体の混合割合と、から色度のばらつきが小さくなるような波長変換部の厚み方向に関する加工情報104dを求めるようにすることができる。
【0050】
この場合、波長変換部の厚み方向に関する加工情報104dは、蛍光体の量の分布と、波長変換部における蛍光体の混合割合と、から波長変換部の厚み寸法に関する情報を求め、求められた波長変換部の厚み寸法に関する情報と、基板10の厚み寸法に関する情報104cから算出された加工対象となる波長変換部の厚み寸法と、の差から加工量を求めることで基板10毎に作成されるようにすることができる。なお、加工情報104dを作成する際に基板10の位置情報104bを適宜用いるようにすることもできる。
【0051】
また、作成された加工情報104dは格納部104eに格納され、必要に応じて加工部103に向けて出力されるようにすることができる。
また、加工情報104dには、工具106に関する情報(例えば、工具106の形状、大きさ、材質など)や加工条件などに関する情報などが添付されるようにすることもできる。また、加工情報104dや工具106に関する情報などの添付情報が加工レシピなどにより規定されるようにすることもできる。
【0052】
図7は、加工が施された波長変換部の形態を例示するための模式断面図である。
図7(a)に示すように波長変換部8aの表面側を階段状に加工することができる。また、図7(b)に示すように波長変換部8bの表面側を曲面状に加工することができる。また、図7(c)に示すように波長変換部8cの表面側を傾斜面状に加工することができる。また、図7(d)に示すように波長変換部8dの表面側を有底の孔状に加工することができる。
なお、加工が施された波長変換部の形態は例示をしたものに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
【0053】
ここで、加工が施された基板10aの表面には切り屑などが残留しているため、基板10aの表面が洗浄されるようにすることができる。
図4に例示をしたものの場合には、検出部102に設けられた洗浄部110により基板10aの表面が洗浄され、洗浄された基板10aが乾燥部111により乾燥される。
洗浄部110には、例えば、洗浄液を収納する図示しないタンク、洗浄液を送液する図示しないポンプ、洗浄液を噴射するノズル110a、図示しないポンプとノズル110aとを接続する図示しない可撓性の配管などが設けられている。
洗浄液としては、特に限定されるわけではなく、半導体発光装置1が備える各要素に影響を与えにくいものを適宜選択することができる。例えば、洗浄液としては、水、水に界面活性剤などの各種添加剤が添加されたものなどを例示することができる。
乾燥部111は、例えば、乾燥空気を噴射して洗浄された基板10aを乾燥させるものなどとすることができる。
【0054】
なお、洗浄部110、乾燥部111が検出部102に設けられた場合を例示したがこれに限定されるわけではない。例えば、洗浄部110、乾燥部111が加工部103に設けられるようにすることもできるし、洗浄部110、乾燥部111が別個に設けられたものとすることができる。
洗浄部110、乾燥部111は、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、スピン洗浄装置などの枚葉式の洗浄装置とすることもできるし、複数の基板10aを浸漬させて洗浄するバッチ式の洗浄装置とすることもできる。
【0055】
洗浄、乾燥が終了した基板10aが保持された保持具105aはキャリア105cに収納される。そして、前述したように、基板10aが保持された保持具105aが収納されたキャリア105cは、載置部101から着脱部105に搬送される。
【0056】
また、載置部101、検出部102、加工部103、着脱部105の間において基板10または基板10aが保持された保持具105aやキャリア105cを搬送する図示しない搬送部を設けるようにすることができる。図示しない搬送部としては、例えば、工業用ロボットなどを例示することができる。
また、載置部101、検出部102、加工部103、着脱部105が設けられる空間を清浄に保つためのエアーカーテンなどを設けたり、載置部101、検出部102、加工部103、着脱部105が設けられる空間の温度を所定の値に保つための温度制御部などを設けたりすることもできる。この場合、熱による変位(熱変位)を抑制するために、少なくとも検出部102、加工部103が所定の温度に保たれるようにすることができる。
【0057】
[第2の実施形態]
次に、半導体発光装置1における色度のばらつきを抑制することができる基板加工方法について例示する。
例えば、基板加工方法は、蛍光体を含む波長変換部を有した基板の厚み寸法に関する情報を測定する工程と、測定された基板の厚み寸法に関する情報と、発光部から出射する光の特性に関する情報と、に基づいて波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求める工程と、求められた加工情報に基づいて波長変換部を加工する工程と、を備えたものとすることができる。
【0058】
この場合、発光部から出射する光の特性に関する情報は、光の波長のばらつきに関する情報とすることができる。
そして、前述した加工情報を求める工程において、光の波長のばらつきに関する情報と、光の波長と色度のばらつきとの相関関係と、から色度のばらつきに関する情報を求め、求められた色度のばらつきに関する情報と、色度と蛍光体の量との相関関係と、から色度のばらつきが小さくなるような前記蛍光体の量の分布を求めるようにすることができる。
その後、求められた蛍光体の量の分布と、波長変換部における蛍光体の混合割合と、から波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求めるようにすることができる。
【0059】
また、発光部から出射する光の特性に関する情報は、色度のばらつきに関する情報とすることができる。
この場合、前述した加工情報を求める工程において、色度のばらつきに関する情報と、色度と蛍光体の量との相関関係と、から色度のばらつきが小さくなるような蛍光体の量の分布を求めるようにすることができる。
その後、求められた蛍光体の量の分布と、波長変換部における蛍光体の混合割合と、から波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求めるようにすることができる。
なお、加工情報を求める工程における手順の内容は、前述したデータ処理部104における処理の内容と同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0060】
また、波長変換部を加工する工程は、工具の先端位置に関する情報を検出する工程と、前述した加工情報と、検出された工具の先端位置に関する情報と、に基づいて波長変換部を加工する工程と、を有したものとすることができる。
また、波長変換部を加工する工程は、加工点近傍に切り屑の飛散を抑制する加工液を供給する工程をさらに有したものとすることができる。
なお、波長変換部を加工する工程における手順の内容は、前述した加工部103における記述内容と同様とすることができるので詳細な説明は省略する。
【0061】
また、基板を保持具に保持させる工程や、保持具から加工が施された基板を取り外す工程などをさらに備えたものとすることができる。
その他、前述した基板加工システム100における記述内容と同様の内容を有する工程をさらに備えたものとすることができる。
【0062】
[第3の実施形態]
次に、半導体発光装置1における色度のばらつきを抑制することができる基板加工プログラムについて例示する。
基板加工プログラムを実行可能なコンピュータは、例えば、各種の情報処理を実行する演算部、情報を一時的に格納するRAM(Random Access Memory)などの一時格納部、情報の送受信を制御する入出力部、基板加工プログラムが格納される格納部などを備えたものとすることができる。なお、コンピュータに備えられた各要素には既知の技術を適用することができるのでこれらの詳細な説明は省略する。
この場合、基板加工プログラムを実行可能なコンピュータは、例えば、前述したデータ処理部104に備えられるようにすることができる。
【0063】
一連の基板加工を実行させるために、基板加工プログラムが、コンピュータに設けられた格納部に格納される。基板加工プログラムは、例えば、記録媒体に格納された状態でコンピュータに供給され、読み出されることでコンピュータに設けられた格納部に格納されるようにすることができる。なお、LAN(Local Area Network)などを介して、基板加工プログラムがコンピュータに設けられた格納部に格納されるようにすることもできる。
【0064】
そして、格納部に格納された基板加工プログラムは一時格納部に読み出され、演算部において各種の演算が行われる。この際、必要な情報は入力部から入力され、必要に応じて演算結果などが表示部に表示されるようにすることができる。入力部から入力される情報としては、例えば、前述した蛍光体を含む波長変換部を有した基板の厚み寸法に関する情報、発光部から出射する光の特性に関する情報などを例示することができる。
【0065】
この場合、格納部には、以下の手順を実行する基板加工プログラムが格納されるようにすることができる。
(1)蛍光体を含む波長変換部を有した基板の厚み寸法に関する情報を収集させる手順。(2)発光部から出射する光の特性に関する情報を収集させる手順。
(3)収集した基板の厚み寸法に関する情報と、収集した発光部から出射する光の特性に関する情報と、に基づいて波長変換部の厚み方向に関する加工情報を演算させる手順。
(4)演算された加工情報の出力を実行させる手順。
【0066】
なお、各手順の内容は、前述した基板加工システム100や基板加工方法において例示をしたものと同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
また、基板加工プログラムは、前述の順序に従って時系列的に実行されるようにしてもよいし、必ずしも時系列的に実行されなくとも並列的あるいは選別的に実行されるようにしてもよい。
また、基板加工プログラムは、単一の演算部により処理されるものであってもよいし、複数の演算部によって分散処理されるものであってもよい。
また、基板加工プログラムは、前述した基板加工システム100や基板加工方法における記述内容と同様の内容を有する手順をさらに備えたものとすることができる。
【0067】
以上に例示をした実施形態によれば、半導体発光装置における色度のばらつきを抑制する加工を行うことができる基板加工システム、基板加工方法、および基板加工プログラムを実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【0068】
例えば、基板加工システム100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、数などは、例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、半導体発光装置として、複数の発光部を有するマルチチップ型の半導体発光装置について例示をしたが、1つの発光部を有する半導体発光装置についても適用が可能である。例えば、発光部2の発光特性に面内分布が生じ、発光部2の中心部分と周縁部分とで色度のばらつきが生じる場合がある。その様な場合にも蛍光体の量の分布を調整すれば色度のばらつきを抑制することができる。
また、色度のばらつきが大きく不良となった部分のリペアなどにも適用させることができる。
【符号の説明】
【0069】
1 半導体発光装置、2 発光部、8 波長変換部、8a〜8d 波長変換部、10 基板、10a 基板、100 基板加工システム、101 載置部、102 検出部、102a 保持部、102b 位置認識部、102c 測定部、103 加工部、103a 加工台、103b 工具位置検出部、103c 工具駆動部、103d 移動部、103e 加工液供給部、103f 加工液回収部、104 データ処理部、104a 光の特性に関する情報、104a1 光の波長のばらつきに関する情報、104b 位置情報、104c 厚み寸法に関する情報、104d 加工情報、105 着脱部、105a 保持具、105c キャリア、106 工具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部、及び蛍光体を含む波長変換部を有した基板の厚み寸法に関する情報を測定する測定部と、
前記測定された基板の厚み寸法に関する情報と、前記発光部から出射する光の特性に関する情報と、に基づいて前記波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求めるデータ処理部と、
前記求められた加工情報に基づいて前記波長変換部を加工する加工部と、
を備えたことを特徴とする基板加工システム。
【請求項2】
前記発光部から出射する光の特性に関する情報は、光の波長のばらつきに関する情報であり、
前記データ処理部は、
前記光の波長のばらつきに関する情報と、光の波長と色度のばらつきとの相関関係と、から色度のばらつきに関する情報を求め、
前記求められた色度のばらつきに関する情報と、色度と蛍光体の量との相関関係と、から前記色度のばらつきが小さくなるような前記蛍光体の量の分布を求め、
前記求められた蛍光体の量の分布と、前記波長変換部における前記蛍光体の混合割合と、から前記波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求めること、
を特徴とする請求項1記載の基板加工システム。
【請求項3】
前記発光部から出射する光の特性に関する情報は、色度のばらつきに関する情報であり、
前記データ処理部は、
前記色度のばらつきに関する情報と、色度と蛍光体の量との相関関係と、から前記色度のばらつきが小さくなるような前記蛍光体の量の分布を求め、
前記求められた蛍光体の量の分布と、前記波長変換部における前記蛍光体の混合割合と、から前記波長変換部の厚み方向に関する加工情報を求めること、
を特徴とする請求項1記載の基板加工システム。
【請求項4】
前記加工部は、前記波長変換部の厚み寸法を小さくするようにして、前記波長変換部を加工するように構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の基板加工システム。
【請求項5】
前記加工部は、前記波長変換部を削るように構成されていることを特徴とする請求項4記載の基板加工システム。
【請求項6】
前記加工部は、
工具と前記波長変換部との相対的な位置を変化させる移動部と、
前記工具の先端位置に関する情報を検出する工具位置検出部と、
を備え、
前記加工情報と、前記検出された前記工具の先端位置に関する情報と、に基づいて前記波長変換部を加工することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の基板加工システム。
【請求項7】
発光部、及び蛍光体を含む波長変換部を有した基板の厚み寸法に関する情報を収集させることと、
前記発光部から出射する光の特性に関する情報を収集させることと、
前記収集した基板の厚み寸法に関する情報と、前記収集した発光部から出射する光の特性に関する情報と、に基づいて前記波長変換部の厚み方向に関する加工情報を演算させることと、
前記演算された加工情報の出力を実行させることと、
をコンピューターに行わせること、を特徴とする基板加工プログラム。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図7】
image rotate

【図2】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−234966(P2012−234966A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102427(P2011−102427)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】