説明

基板搬送装置

【課題】 装置全体を小型化することができるとともに、熱エネルギーの消費量を少なく抑えることができる基板搬送装置を提供すること。
【解決手段】 電子部品4がハンダを介して搭載された基板6を加熱領域8を通して搬送するための搬送手段10と、加熱領域8において基板6側よりハンダを加熱溶融するための加熱手段16と、を備える。加熱手段16は、加熱位置と非加熱位置との間を移動自在に構成されており、基板6が搬送手段10により加熱領域8に搬送されると、加熱手段16が非加熱位置から加熱位置に移動され、加熱手段16からの熱が基板6側よりハンダに伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品がハンダを介して搭載された基板を搬送し、ハンダを加熱溶融して電子部品を基板にハンダ付けするための基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の製造ラインにおいては、クリームハンダが塗布された基板に例えばICチップなどの電子部品を搭載し、このクリームハンダを加熱溶融して電子部品を基板にハンダ付けする表面実装工法が行われており、このような表面実装工法では基板搬送装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。この基板搬送装置は、リフロー炉と、電子部品がクリームハンダを介して搭載された基板をリフロー炉内に搬送するためのコンベアと、リフロー炉内に設けられた第1及び第2加熱手段と、を備えている。リフロー炉の内部には基板が搬送される搬送経路がコンベアにより規定され、リフロー炉の内部において、この搬送経路の上流側には予熱領域が設けられ、またその下流側には本加熱領域が設けられている。第1加熱手段は例えば温風ファンから構成され、第1加熱手段からの熱によりリフロー炉内の予熱領域が加熱され、また第2加熱手段は例えば赤外線ヒータから構成され、第2加熱手段からの熱によりリフロー炉内の本加熱領域が加熱される。
【0003】
電子部品がクリームハンダを介して搭載された基板がコンベアによりリフロー炉内の予熱領域に搬送されると、基板に塗布されたクリームハンダが第1加熱手段からの熱により約150℃まで加熱され、これにより基板に塗布されたクリームハンダの内部の不純物が飛散される。その後に、この基板がコンベアによりリフロー炉内の本加熱領域に搬送されると、基板に塗布されたクリームハンダが第2加熱手段からの熱により約200〜230℃まで加熱されて溶融され、これにより電子部品が基板にハンダ付けされる。
【0004】
【特許文献1】特開平5−183265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来の基板搬送装置では、次のような問題がある。第1に、基板がリフロー炉内の予熱領域及び本加熱領域をそれぞれ搬送される間にクリームハンダが加熱溶融されるため、搬送経路の長さを十分に確保する必要があり、これによりリフロー炉全体の長さが例えば3〜6m程度と長くなり、装置全体が大型化してしまうという問題がある。第2に、第1及び第2加熱手段からの熱はそれぞれ、リフロー炉内の予熱領域及び本加熱領域を介してクリームハンダに伝達されるため、第1及び第2加熱手段からの熱をクリームハンダに効率良く伝達させることができず、これによりクリームハンダを加熱するのに要する熱エネルギーの消費量が増大してしまうという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、装置全体を小型化することができるとともに、熱エネルギーの消費量を少なく抑えることができる基板搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載の基板搬送装置では、電子部品がハンダを介して搭載された基板を搬送し、前記ハンダを加熱溶融して前記電子部品を前記基板にハンダ付けする基板搬送装置であって、
前記電子部品が前記ハンダを介して搭載された前記基板を加熱領域を通して搬送するための搬送手段と、前記加熱領域において前記基板側より前記ハンダを加熱溶融するための加熱手段と、を備え、前記加熱手段は、前記基板に作用して加熱する加熱位置と、前記基板から離脱される非加熱位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、前記加熱手段からの熱が前記基板側より前記ハンダに伝達されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載の基板搬送装置では、前記加熱領域において前記基板に搭載された前記電子部品を押圧するための押圧手段を更に備え、前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、前記加熱手段からの熱が前記基板側より前記ハンダに伝達され、前記基板に搭載された前記電子部品が前記押圧手段により押圧されることを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の請求項3に記載の基板搬送装置では、前記押圧手段は前記加熱手段の上方に配設され、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動されると、前記基板が前記加熱手段により押し上げられ、前記基板に搭載された前記電子部品が前記押圧手段に当接して押圧されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載の基板搬送装置では、前記押圧手段は、前記電子部品を押圧する押圧プレートと、前記押圧プレートを前記加熱手段に向けて弾性的に偏倚する弾性偏倚手段と、を備え、
前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動されると、前記基板が前記加熱手段により押し上げられ、前記基板に搭載された前記電子部品は、前記押圧プレートに当接して前記弾性偏倚手段の弾性作用により弾性的に押圧されることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の請求項5に記載の基板搬送装置では、前記押圧手段は、前記基板に搭載された前記電子部品を押圧する押圧位置と、前記基板に搭載された前記電子部品より離隔される押圧解除位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、また前記押圧手段が前記押圧解除位置から前記押圧位置に移動され、前記基板に搭載された前記電子部品が前記押圧手段により押圧されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載の基板搬送装置では、前記加熱領域の下流側端部には第1位置決め手段が設けられ、前記第1位置決め手段は、前記基板の下流側端部に作用する上昇位置と、前記基板の前記下流側端部に対する作用が解除される下降位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記第1位置決め手段が前記下降位置から前記上昇位置に移動され、これによって前記基板の前記下流側端部が前記上昇位置にある前記第1位置決め手段に当接されることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の請求項7に記載の基板搬送装置では、前記加熱領域の片側部には第2位置決め手段が設けられ、前記第2位置決め手段は、前記基板の片側部に作用する突出位置と、前記基板の前記片側部から後退する後退位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記第2位置決め手段が前記後退位置から前記突出位置に移動され、これによって前記基板の前記片側部が前記突出位置にある前記第2位置決め手段に当接されることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項8に記載の基板搬送装置では、前記電子部品が前記ハンダを介して搭載された前記基板を複数保持するための保持手段が設けられ、前記保持手段は、前記複数の基板の各々が保持される複数の保持孔を有し、前記加熱手段は、前記保持手段の前記複数の保持孔に対応して設けられた複数の加熱部を有し、前記押圧手段は前記加熱手段の上方に配設されており、
前記複数の基板が保持された前記保持手段が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、前記複数の基板の各々が前記複数の保持孔の各々を通して前記加熱手段の前記複数の加熱部の各々によって押し上げられ、前記複数の基板の各々に搭載された前記電子部品が前記押圧手段に当接して押圧されることを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の請求項9に記載の基板搬送装置では、前記押圧手段は、前記複数の基板の各々の前記電子部品を押圧する押圧プレートと、前記押圧プレートを前記加熱手段に向けて弾性的に偏倚する弾性偏倚手段と、を備え、
前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動されると、前記複数の基板の各々が前記加熱手段の前記複数の加熱部の各々によって押し上げられ、前記複数の基板の各々に搭載された前記電子部品は、前記押圧プレートに当接して前記弾性偏倚手段の弾性作用により弾性的に押圧されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の基板搬送装置によれば、基板が搬送手段により加熱領域に搬送されると、加熱手段が非加熱位置から加熱位置に移動され、加熱手段からの熱が基板側よりハンダに伝達されるので、加熱領域の大きさは、加熱手段が加熱位置と非加熱位置との間を移動される空間の大きさ分を少なくとも確保すればよく、これにより装置全体を小型化することが可能となる。また、加熱手段が非加熱位置から加熱位置に移動されると、加熱手段が基板に作用して加熱されるので、加熱手段からの熱をハンダに効率良く伝達させることができ、ハンダを加熱するのに要する熱エネルギーの消費量を少なく抑えることが可能となる。
【0017】
また、本発明の請求項2に記載の基板搬送装置によれば、基板が搬送手段により加熱領域に搬送されると、基板に搭載された電子部品が押圧手段により押圧されるので、ハンダを加熱溶融する際に電子部品が基板より浮き上がるのを防止することでき、電子部品を基板に確実にハンダ付けすることが可能となる。
【0018】
さらに、本発明の請求項3に記載の基板搬送装置によれば、加熱手段が非加熱位置から加熱位置に移動されると、基板が加熱手段により押し上げられ、基板に搭載された電子部品が押圧手段に当接して押圧されるので、基板に搭載された電子部品が押圧手段により押圧された状態で、加熱手段が基板に作用してハンダが加熱溶融され、これにより加熱手段からの熱をハンダに効率良く伝達させることができるとともに、電子部品を基板に確実にハンダ付けすることが可能となる。
【0019】
また、本発明の請求項4に記載の基板搬送装置によれば、基板に搭載された電子部品は、押圧プレートに当接して弾性偏倚手段の弾性作用により弾性的に押圧されるので、電子部品が押圧プレートに当接する際の衝撃を吸収することができるとともに、ハンダの加熱溶融時に電子部品を弾性的に押圧保持することが可能となる。これにより、電子部品が破損するのを防止することが可能となる。
【0020】
さらに、本発明の請求項5に記載の基板搬送装置によれば、基板が搬送手段により加熱領域に搬送されると、加熱手段が非加熱位置から加熱位置に移動され、また押圧手段が押圧解除位置から押圧位置に移動されるので、基板に搭載された電子部品が押圧手段により押圧された状態で、加熱手段が基板に作用してハンダが加熱溶融され、これにより加熱手段からの熱をハンダに効率良く伝達させることができるとともに、電子部品を基板に確実にハンダ付けすることが可能となる。
【0021】
また、本発明の請求項6に記載の基板搬送装置によれば、基板が搬送手段により加熱領域に搬送されると、第1位置決め手段が下降位置から上昇位置に移動され、基板の下流側端部が上昇位置にある第1位置決め手段に当接されるので、基板の搬送方向において基板を加熱手段及び押圧手段に対して所定の位置関係に位置決めすることができ、これにより加熱手段を基板に確実に作用させることができるとともに、基板に搭載された電子部品を押圧手段により確実に押圧することが可能となる。
【0022】
さらに、本発明の請求項7に記載の基板搬送装置によれば、基板が搬送手段により加熱領域に搬送されると、第2位置決め手段が後退位置から突出位置に移動され、基板の片側部が突出位置にある第2位置決め手段に当接されるので、基板の搬送方向に垂直な方向において基板を加熱手段及び押圧手段に対して所定の位置関係に位置決めすることができ、これにより加熱手段を基板に確実に作用させることができるとともに、基板に搭載された電子部品を押圧手段により確実に押圧することが可能となる。
【0023】
また、本発明の請求項8に記載の基板搬送装置によれば、複数の基板が保持された保持手段が搬送手段により加熱領域に搬送されると、複数の基板の各々が複数の保持孔の各々を通して加熱手段の複数の加熱部の各々によって押し上げられ、複数の基板の各々に搭載された電子部品が押圧手段に当接して押圧されるので、複数の基板の各々に搭載された電子部品が押圧手段により押圧された状態で、複数の加熱部の各々が複数の基板の各々に作用してハンダが加熱溶融され、これにより複数の加熱部の各々からの熱をそれぞれ対応する基板のハンダに効率良く伝達させることができるとともに、電子部品を基板に確実にハンダ付けすることが可能となる。
【0024】
さらに、本発明の請求項9に記載の基板搬送装置によれば、複数の基板の各々が複数の加熱部の各々によって押し上げられた際に、複数の基板の各々に搭載された電子部品は、押圧プレートに当接して弾性偏倚手段の弾性作用により弾性的に押圧されるので、電子部品が押圧プレートに当接する際の衝撃を吸収することができるとともに、ハンダの加熱溶融時に電子部品を弾性的に押圧保持することが可能となる。これにより、電子部品が破損するのを防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う基板搬送装置の各種実施形態について説明する。
[第1の実施形態]
まず、図1〜図5を参照して、本発明の第1の実施形態による基板搬送装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態による基板搬送装置を示す概略斜視図であり、図2は、図1中のA−A線による基板搬送装置の概略断面図であり、図3は、図1のヒータ部材が非加熱位置にある状態での基板搬送装置の概略断面図であり、図4は、図3の状態より更にヒータ部材が加熱位置に移動された状態での基板搬送装置の概略断面図であり、図5は、図1の基板搬送装置によるハンダ付け方法の流れを示すフローチャートである。
【0026】
図1〜図4を参照して、図示の基板搬送装置2は、複数の電子部品4がクリームハンダ(ハンダを構成する)(図示せず)を介して搭載された基板6を加熱領域8を通して搬送するための搬送手段10と、加熱領域8の下流側端部に設けられた第1位置決め手段12と、加熱領域8の片側部に設けられた第2位置決め手段14と、加熱領域8において基板6側よりクリームハンダを加熱溶融するための加熱手段16と、加熱領域8において基板6に搭載された複数の電子部品4を押圧するための押圧手段18と、を備えている。以下、これら各構成要素について詳細に説明する。
【0027】
搬送手段10は、相互に対向して配設された一対のコンベア20a,20bと、一対のコンベア20a,20bをそれぞれ支持するための一対のコンベアレール22a,22bと、一対のコンベア20a,20bをそれぞれ駆動させるための一対の駆動源24a,24bと、を備えている。
【0028】
コンベア20a(20b)は、コンベアレール22a(22b)の内側面における両端部にそれぞれ回転自在に支持された一対のプーリ26a(26b)と、これら一対のプーリ26a(26b)に移動自在に張架された無端状のベルト部材28a(28b)と、を備えている。一対のコンベア20a,20bの各ベルト部材28a,28bの上側部分により基板6が搬送される搬送経路30が規定され、また一対のコンベア20a,20bの間であって、この搬送経路30の上流側と下流側との間には加熱領域8が存在している。一対のコンベア20a,20bの離間距離D1は、基板6の幅方向の大きさD2よりも僅かに小さく構成されており(図2参照)、基板6が一対のコンベア20a,20bにより搬送される際には、基板6の片側部が一方のコンベア20aのベルト部材28aの上側部分に支持され、またその他側部が他方のコンベア20bのベルト部材28bの上側部分に支持される。
【0029】
コンベアレール22a(22b)の内側面における上端部には、略水平方向に延びるベルトガイド部32a(32b)が設けられており、このベルトガイド部(32b)の上面には、コンベア20a(20b)のベルト部材28a(28b)の上側部分が移動自在にガイドされる。また、一対のコンベアレール22a,22bの各上面にはそれぞれ、横長の固定ガイド部材34,36が固定的に取り付けられており、一方の固定ガイド部材34の片側部には、一対の収容凹部35が設けられている。また、一方のコンベアレール22aの内側面には、加熱領域8に搬送された基板6を感知するためのセンサ(図示せず)が設けられており、このセンサについては後述する。
【0030】
駆動源24a(24b)は例えば電動モータなどから構成され、コンベアレール22a(22b)の一端部における内部に配設されており、駆動源24a(24b)の出力軸(図示せず)は、一方のプーリ26a(26b)の回転軸(図示せず)に駆動連結されている。駆動源24a(24b)が回転駆動されると、駆動源24a(24b)の回転駆動力が一方のプーリ26a(26b)に伝達されて一方のプーリ26a(26b)が所定方向(図3中の矢印Pで示す方向)に回転され、これによりベルト部材28a(28b)が所定方向(図3中の矢印Qで示す方向)に回転移動される。このように一対の駆動源24a,24bがそれぞれ同期して回転駆動されると、一対のコンベア20a,20bの各ベルト部材28a,28bがそれぞれ上記所定方向に同期して回転移動される。
【0031】
第1位置決め手段12は、ブロック状の当接部材38と、当接部材38を移動させるための伸縮自在の第1シリンダ機構40と、を備えている。この第1位置決め手段12は加熱領域8の下流側端部に配設され、当接部材38は第1シリンダ機構40の出力部に取り付けられている。第1シリンダ機構40が伸長状態となると、当接部材38は搬送経路30内に突出して、加熱領域8に搬送された基板6の下流側端部(搬送経路30の下流側に配設される端部)に作用する上昇位置(図3において実線で示す)に移動され、また第1シリンダ機構40が収縮状態となると、当接部材38は搬送経路30から下方に後退して、加熱領域8に搬送された基板6の下流側端部に対する作用が解除される下降位置(図3において一点鎖線で示す)に移動される。このように第1シリンダ機構40が伸縮されることにより、当接部材38は上昇位置と下降位置との間を自在に上下動される。
【0032】
第2位置決め手段14は、略コの字状の可動部材44と、可動部材44を移動させるための伸縮自在の第2シリンダ機構42と、を備えている。この第2位置決め手段14は加熱領域8の片側部に配設され、可動部材44及び第2シリンダ機構42は略水平方向に並んで配設されている。可動部材44は、接続部46と、接続部46の両端部より延びる一対の連結端部48と、を有し、接続部46の長さ方向中間部には第2シリンダ機構42の出力部が取り付けられている。また一対の連結端部48の各先端部はそれぞれ、下方に屈曲されて固定ガイド部材34の一対の収容凹部35にそれぞれ移動自在に収容され、連結端部48の先端部が収容凹部35に収容されると、連結端部48の外側面は固定ガイド部材34の片側面と略同一面上に位置付けられる。
【0033】
第2シリンダ機構42が伸長状態となると、可動部材44は搬送経路30内に突出して、その一対の連結端部48の各先端部が加熱領域8に搬送された基板6の片側部に作用する突出位置(図2において実線で示す)に移動され、また第2シリンダ機構42が収縮状態となると、可動部材44は搬送経路30から後退して、その一対の連結端部48の各先端部が加熱領域8に搬送された基板6の片側部から後退して一対の収容凹部35に収容される後退位置(図2において一点鎖線で示す)に移動される。このように第2シリンダ機構42が伸縮されることにより、可動ガイド部材34が突出位置と後退位置との間を略水平方向に自在にスライド移動される。
【0034】
加熱手段16は、例えばニクロム線などの電熱線(図示せず)が内蔵されたブロック状のヒータ部材50と、ヒータ部材50を移動させるための伸縮自在の第3シリンダ機構52と、を備えている。この加熱手段16は加熱領域8の下側部に配設され、ヒータ部材50は第3シリンダ機構52の出力部に取り付けられている。ヒータ部材50は、例えばアルミニウムや鉄などの熱伝導性の高い金属などから形成され、その幅方向の大きさは、一対のコンベア20a,20bの離間距離D1よりも僅かに小さく構成されている。ヒータ部材50内の電熱線に所定の電流が流れて電熱線が発熱されると、電熱線からの熱がヒータ部材50に伝達されてヒータ部材50が発熱される。
【0035】
第3シリンダ機構52が伸長状態となると、ヒータ部材50は上方に移動して、加熱領域8に搬送された基板6に作用して加熱する加熱位置に位置付けられ(図4参照)、また第3シリンダ機構52が収縮状態となると、ヒータ部材50は下方に移動して、加熱領域8に搬送された基板6から離脱される非加熱位置に位置付けられる(図3参照)。このように第3シリンダ機構52が伸縮されることにより、ヒータ部材50は、加熱位置と非加熱位置との間を自在に上下動される。なお、この第1の実施形態では、加熱位置は搬送経路30よりも上側に配設されており、これによりヒータ部材50が非加熱位置から搬送経路30を通して加熱位置に移動されると、加熱領域8に搬送された基板6がヒータ部材50により押し上げられるようになる。
【0036】
この加熱手段16に関連してタイマ(図示せず)が設けられており、このタイマは、ヒータ部材50が非加熱位置から加熱位置に移動してからクリームハンダが加熱溶融されるまでの加熱時間(例えば、数十秒程度)をカウントする。ヒータ部材50が非加熱位置から加熱位置に移動されると、タイマによる加熱時間のカウントが開始され、この加熱時間のカウントが完了されると、ヒータ部材50が加熱位置から非加熱位置に移動される。
【0037】
押圧手段18は、加熱領域8の上方に配設され、基板6に搭載された複数の電子部品4を押圧するための押圧プレート54と、押圧プレート54を加熱手段16に向けて弾性的に偏倚するための弾性偏倚手段56と、弾性偏倚手段56を介して押圧プレート54を支持するための支持プレート58と、を備えている。押圧プレート54はヒータ部材50の上方(即ち、加熱領域8の上側部)に配設され、その大きさは、基板6の大きさとほぼ同一又はこれよりも僅かに大きく構成されている。支持プレート58は押圧プレート54の上方に配設され、上下方向に延びる4本の支持アーム60を介して一対のコンベアレール22a,22bに支持されている。弾性偏倚手段56は、複数(本実施形態では4個)のコイルバネ部材62から構成され、複数のコイルバネ部材62の各下端部は押圧プレート54の上面に支持され、またそれらの各上端部は支持プレート58の下面に支持されている。なお、図1において、押圧プレート54は二点鎖線で示し、支持プレート58及び複数のコイルバネ部材62の図示は省略してある。
【0038】
次に、図5のフローチャートをも参照して、上述の基板搬送装置2を用いたハンダ付け方法について説明すると、次の通りである。基板6が一対のコンベア20a,20bにより搬送される前の状態(待機状態)においては、加熱手段16のヒータ部材50は非加熱位置に位置付けられ、第1位置決め手段12の当接部材38は下降位置に位置付けられ、また第2位置決め手段14の可動部材44は後退位置に位置付けられている。また、一対の駆動源24a,24bがそれぞれ同期して回転駆動されることにより、一対のコンベア20a,20bの各ベルト部材28a,28bが所定方向に同期して回転移動されている。また、ヒータ部材50内の電熱線に所定の電流が流れて、ヒータ部材50は発熱された状態に保持されている。
【0039】
この基板搬送装置2の上流側に設置された装置(図示せず)において、基板6にクリームハンダが塗布され、例えばICチップなどの複数(本実施形態では8個)の電子部品4がこのクリームハンダを介して基板6に搭載される。このように複数の電子部品4が搭載された基板6は、上流側に設置された装置より基板搬送装置2に搬送される。
【0040】
このようにして基板6が一対のコンベア20a,20bにより、一対の固定ガイド部材34,36に沿って搬送経路30の上流側から加熱領域8に搬送されると(ステップS1)、センサがこの基板6を感知してステップS2からステップS3に進み、センサからの感知信号により第1位置決め手段12の当接部材38が下降位置から上昇位置に図3中の矢印Rで示す方向に移動され、また第2位置決め手段14の可動部材44が後退位置から突出位置に図2中の矢印Sで示す方向に移動される(ステップS4)。このように当接部材38が上昇位置に移動されると、基板6の下流側端部が当接部材38に当接されて基板6が加熱領域8において停止され(図3参照)、基板6の搬送方向において基板6が加熱手段16及び押圧手段18に対して位置決めされる。また可動部材44が突出位置に移動されると、可動部材44の一対の連結端部48の各先端部がそれぞれ基板6の片側部に作用されるとともに、固定ガイド部材36が基板6の他側部に作用され、基板6の搬送方向に垂直な方向において基板6が加熱手段16及び押圧手段18に対して位置決めされる。このように位置決めされた後に、一対の駆動源24a,24bの回転駆動が停止され、一対のコンベア20a,20bの各ベルト部材28a,28bの回転移動が停止される(ステップS5)。
【0041】
その後に、ヒータ部材50が非加熱位置から加熱位置に図3中の矢印Tで示す方向に移動されるとともに、タイマによる加熱時間のカウントが開始され(ステップS6,S7)、これにより基板6がヒータ部材50により搬送経路30より押し上げられ、基板6に搭載された複数の電子部品4が押圧プレート54の下面に当接して上昇される。この当接の際には、複数のコイルバネ部材62の弾性作用によって、複数の電子部品4が押圧プレート54に当接する際の衝撃が吸収される。また、加熱位置に上昇した状態においては、複数の電子部品4が押圧プレート54により弾性的に押圧保持され、かかる押圧保持状態で、ヒータ部材50からの熱が基板6側よりクリームハンダに伝達されてクリームハンダが加熱溶融されるので(ステップS8)、複数の電子部品4の各々が基板6から浮き上がることなく、複数の電子部品4が基板6に確実にハンダ付けされる。
【0042】
タイマによる加熱時間のカウントが完了されると、ステップS9からステップS10に進み、ヒータ部材50が加熱位置から非加熱位置に図4中の矢印Uで示す方向に移動され、これにより基板6が下降されて搬送経路30に戻される。その後、第1位置決め手段12の当接部材38が上昇位置から下降位置に図3中の矢印Vで示す方向に移動されるとともに、第2位置決め手段14の可動部材44が突出位置から後退位置に図2中の矢印Wで示す方向に移動され(ステップS11,S12)、一対の駆動源24a,24bがそれぞれ回転駆動されて一対のコンベア20a,20bの各ベルト部材28a,28bがそれぞれ上記所定方向に回転移動され(ステップS13)、基板6が搬送経路30の加熱領域8から下流側へと搬送される(ステップS14)。
【0043】
したがって、この第1の実施形態の基板搬送装置2では、加熱領域8の大きさは、加熱手段16のヒータ部材50が加熱位置と非加熱位置との間を移動される空間の大きさ分を少なくとも確保すればよく、これにより装置全体を小型化することが可能となる。また、ヒータ部材50が非加熱位置から加熱位置に移動されると、ヒータ部材50が基板6に作用して加熱されるので、ヒータ部材50からの熱をクリームハンダに効率良く伝達させることができ、クリームハンダを加熱するのに要する熱エネルギーの消費量を少なく抑えることが可能となる。
【0044】
なお、この第1の実施形態では、基板6に複数の電子部品4をハンダ付けするように構成したが、1個の電子部品4を基板6にハンダ付けするように構成してもよい。
[第2の実施形態]
次に、図6〜図8を参照して、本発明の第2の実施形態による基板搬送装置について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態による基板搬送装置を示す概略斜視図であり、図7は、図6のヒータ部材が非加熱位置にある状態での基板搬送装置を示す概略断面図であり、図8は、図7の状態より更にヒータ部材が加熱位置に移動された状態での基板搬送装置を示す概略断面図である。なお、以下に示す各実施形態において、上記第1の実施形態と実質上同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
第2の実施形態の基板搬送装置2Aでは、基板6Aには1個の電子部品4がクリームハンダを介して搭載され、この基板6Aを複数保持するための保持手段64が設けられている。この保持手段64はプレート状に構成され、複数の基板6Aの各々が着脱自在に保持される複数の保持孔66を有している。保持手段64の上面における保持孔66の開口部の大きさは、その下面における保持孔66の開口部の大きさよりも大きく構成され、これにより保持孔66の内周部には、基板6Aが載置される載置部68が形成される。また、保持手段64の上面における保持孔66の開口部の大きさは、基板6の大きさとほぼ同一又はこれよりも僅かに大きく構成されている。
【0046】
また、加熱手段16Aのヒータ部材50Aの上面には、上方に突出された複数の加熱部70が設けられており、これら複数の加熱部70は、保持手段64の複数の保持孔66に対応して配設されている。加熱部70の大きさは、保持手段64の下面における保持孔66の開口部の大きさよりも僅かに小さく構成され、またその厚さは、保持手段64の厚さよりも大きく構成されている。ヒータ部材50A内の電熱線に所定の電流が流れて電熱線が発熱されると、電熱線からの熱が複数の加熱部70にそれぞれ伝達されて複数の加熱部70がそれぞれ発熱される。なお、図6においては、押圧手段18の図示は省略してある。
【0047】
複数の基板6Aの各々が複数の保持孔66の各々の載置部68に保持された保持手段64が一対のコンベア20a,20bにより加熱領域8に搬送されると(図7参照)、上記第1の実施形態と同様に、ヒータ部材50Aが非加熱位置から加熱位置に図7中の矢印Tで示す方向に移動され、これにより複数の加熱部70の各々が非加熱位置から複数の保持孔66の各々を通して加熱位置に移動される。このように移動されると、複数の基板6Aの各々が対応する加熱部70によって押し上げられ、複数の基板6Aの各々に搭載された電子部品4が押圧プレート54に当接して弾性的に押圧保持される(図8参照)。したがって、上記第1の実施形態と同様に、複数の加熱部70の各々からの熱が対応する複数の基板6Aの各々のクリームハンダに伝達されてクリームハンダが加熱溶融される。
【0048】
その後に、ヒータ部材50Aが加熱位置から非加熱位置に図8中の矢印Uで示す方向に移動されると、複数の基板6Aの各々が下降されて複数の保持孔66の各々の載置部68に載置され、上記第1の実施形態と同様に、保持手段64が一対のコンベア20a,20bにより搬送経路30の下流側へと搬送される。したがって、この第2の実施形態の基板搬送装置2Aでは、複数の基板6Aについて同時にハンダ付けすることができ、効率良くハンダ付けを行うことができる。
【0049】
[第3の実施形態]
次に、図9及び図10を参照して、本発明の第3の実施形態による基板搬送装置について説明する。図9は、本発明の第3の実施形態による基板搬送装置を示す概略断面図であり、図10は、図9の基板搬送装置によるハンダ付け方法の流れを示すフローチャートである。
【0050】
図9を参照して、第3の実施形態の基板搬送装置2Bでは、押圧手段18Bは、基板6に搭載された複数の電子部品4を押圧するための押圧プレート54Bと、押圧プレート54Bを加熱手段16に向けて弾性的に偏倚するための弾性偏倚手段56と、弾性偏倚手段56を介して押圧プレート54Bを支持するための支持プレート58Bと、押圧プレート54及び支持プレート58Bを移動させるための伸縮自在の第4シリンダ機構72と、を備えている。第4シリンダ機構72は、押圧プレート54B及び支持プレート58Bの上方に配設され、第4シリンダ機構72の出力部は、支持プレート58Bの上面に取り付けられている。
【0051】
第4シリンダ機構72が伸長状態となると、押圧プレート54Bは、基板6に搭載された複数の電子部品4を押圧する押圧位置に移動され(図9において実線で示す)、また第4シリンダ機構72が収縮状態となると、押圧プレート54Bは、基板6に搭載された複数の電子部品4より離隔される押圧解除位置に移動される(図9において一点鎖線で示す)。このように第4シリンダ機構72が伸縮されることにより、押圧プレート54Bは、押圧位置と押圧解除位置との間を自在に上下動される。なお、押圧位置は、搬送経路30の高さ位置とほぼ同じ高さ又はこれよりも僅かに上方に配設されている。
【0052】
また、加熱位置は搬送経路30とほぼ同じ高さ位置に配設されており、これによりヒータ部材50が非加熱位置(図9において一点鎖線で示す)から加熱位置(図9において実線で示す)に移動されると、ヒータ部材50の上面が加熱領域8に搬送された基板6の下面に作用される。
【0053】
図10をも参照して、この第3の実施形態の基板搬送装置2Bを用いたハンダ付け方法について説明すると、次の通りである。上記第1の実施形態と同様に、ステップS31からステップS35が行われた後に、ヒータ部材50が非加熱位置から加熱位置に図9中の矢印Tで示す方向に移動され(ステップS36)、押圧プレート54Bが押圧解除位置から押圧位置に図9中の矢印Xで示す方向に移動され(ステップS37)、タイマによる加熱時間のカウントが開始される(ステップS38)。これにより、基板6に搭載された複数の電子部品4が押圧プレート54Bにより弾性的に押圧された状態で、ヒータ部材50からの熱が基板6側よりクリームハンダに伝達されてクリームハンダが加熱溶融され(ステップS39)、複数の電子部品4が基板6に確実にハンダ付けされる。
【0054】
タイマによる加熱時間のカウントが完了されると、ステップS40からステップS41に進み、押圧プレート54Bが押圧位置から押圧解除位置に図9中の矢印Yで示す方向に移動され、ヒータ部材50が加熱位置から非加熱位置に図9中の矢印Uで示す方向に移動される(ステップS42)。その後に、上記第1の実施形態と同様に、ステップS43〜ステップS46が行われる。
【0055】
なお、押圧手段18Bの支持プレート58B及び弾性偏倚手段56をそれぞれ省略してもよく、かかる場合には、第4シリンダ機構72の出力部は押圧プレート54Bの上面に取り付けられる。
【0056】
以上、本発明に従う基板搬送装置の各種実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
【0057】
例えば、上記各実施形態では、弾性偏倚手段56により押圧プレート54(54B)を加熱手段16(16A)に向けて弾性的に偏倚するように構成したが、このような構成に代えて、例えば次のように構成することができる。押圧プレート54(54B)には複数の貫通孔(図示せず)が設けられ、これら複数の貫通孔は、基板6に搭載された複数の電子部品4(又は、複数の基板6Aの各々に搭載された電子部品4)に対応して配設されている。これら複数の貫通孔の各々には、重り部材(図示せず)が上下動自在に保持されており、重り部材の下端部は、貫通孔の下側開口部より下方に突出されている。ヒータ部材50(又は、複数の加熱部70)が非加熱位置から加熱位置に移動されると、基板6がヒータ部材50により押し上げられ(又は、複数の基板6Aの各々が複数の加熱部70の各々により押し上げられ)、基板6に搭載された複数の電子部品4の各々(又は、複数の基板6Aの各々に搭載された電子部品4)が複数の重り部材の各々の下端部に当接される。このように当接されると、複数の重り部材の各々が対応する複数の電子部品4の各々により押し上げられ、これにより電子部品4は重り部材の自重により下方に押圧され、電子部品4に作用する押圧力をほぼ一定に保持することができる。
【0058】
また例えば、上記各実施形態では、基板6(6A)に搭載された電子部品4を押圧するための押圧手段18(18B)を設けるように構成したが、この押圧手段18(18B)を省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態による基板搬送装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1中のA−A線による基板搬送装置の概略断面図である。
【図3】図1のヒータ部材が非加熱位置にある状態での基板搬送装置の概略断面図である。
【図4】図3の状態より更にヒータ部材が加熱位置に移動された状態での基板搬送装置の概略断面図である。
【図5】図1の基板搬送装置によるハンダ付け方法の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態による基板搬送装置を示す概略斜視図である。
【図7】図6のヒータ部材が非加熱位置にある状態での基板搬送装置を示す概略断面図である。
【図8】図7の状態より更にヒータ部材が加熱位置に移動された状態での基板搬送装置を示す概略断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態による基板搬送装置を示す概略断面図である。
【図10】図9の基板搬送装置によるハンダ付け方法の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
2,2A,2B 基板搬送装置
4 電子部品
6,6A 基板
8 加熱領域
10 搬送手段
12 第1位置決め手段
14 第2位置決め手段
16,16A 加熱手段
18,18B 押圧手段
54,54B 押圧プレート
56 弾性偏倚手段
64 保持手段
66 保持孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品がハンダを介して搭載された基板を搬送し、前記ハンダを加熱溶融して前記電子部品を前記基板にハンダ付けする基板搬送装置であって、
前記電子部品が前記ハンダを介して搭載された前記基板を加熱領域を通して搬送するための搬送手段と、前記加熱領域において前記基板側より前記ハンダを加熱溶融するための加熱手段と、を備え、前記加熱手段は、前記基板に作用して加熱する加熱位置と、前記基板から離脱される非加熱位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、前記加熱手段からの熱が前記基板側より前記ハンダに伝達されることを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
前記加熱領域において前記基板に搭載された前記電子部品を押圧するための押圧手段を更に備え、前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、前記加熱手段からの熱が前記基板側より前記ハンダに伝達され、前記基板に搭載された前記電子部品が前記押圧手段により押圧されることを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記押圧手段は前記加熱手段の上方に配設され、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動されると、前記基板が前記加熱手段により押し上げられ、前記基板に搭載された前記電子部品が前記押圧手段に当接して押圧されることを特徴とする請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記押圧手段は、前記電子部品を押圧する押圧プレートと、前記押圧プレートを前記加熱手段に向けて弾性的に偏倚する弾性偏倚手段と、を備え、
前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動されると、前記基板が前記加熱手段により押し上げられ、前記基板に搭載された前記電子部品は、前記押圧プレートに当接して前記弾性偏倚手段の弾性作用により弾性的に押圧されることを特徴とする請求項3に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記押圧手段は、前記基板に搭載された前記電子部品を押圧する押圧位置と、前記基板に搭載された前記電子部品より離隔される押圧解除位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、また前記押圧手段が前記押圧解除位置から前記押圧位置に移動され、前記基板に搭載された前記電子部品が前記押圧手段により押圧されることを特徴とする請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記加熱領域の下流側端部には第1位置決め手段が設けられ、前記第1位置決め手段は、前記基板の下流側端部に作用する上昇位置と、前記基板の前記下流側端部に対する作用が解除される下降位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記第1位置決め手段が前記下降位置から前記上昇位置に移動され、これによって前記基板の前記下流側端部が前記上昇位置にある前記第1位置決め手段に当接されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の基板搬送装置。
【請求項7】
前記加熱領域の片側部には第2位置決め手段が設けられ、前記第2位置決め手段は、前記基板の片側部に作用する突出位置と、前記基板の前記片側部から後退する後退位置との間を移動自在に構成されており、
前記基板が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記第2位置決め手段が前記後退位置から前記突出位置に移動され、これによって前記基板の前記片側部が前記突出位置にある前記第2位置決め手段に当接されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の基板搬送装置。
【請求項8】
前記電子部品が前記ハンダを介して搭載された前記基板を複数保持するための保持手段が設けられ、前記保持手段は、前記複数の基板の各々が保持される複数の保持孔を有し、前記加熱手段は、前記保持手段の前記複数の保持孔に対応して設けられた複数の加熱部を有し、前記押圧手段は前記加熱手段の上方に配設されており、
前記複数の基板が保持された前記保持手段が前記搬送手段により前記加熱領域に搬送されると、前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動され、前記複数の基板の各々が前記複数の保持孔の各々を通して前記加熱手段の前記複数の加熱部の各々によって押し上げられ、前記複数の基板の各々に搭載された前記電子部品が前記押圧手段に当接して押圧されることを特徴とする請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記押圧手段は、前記複数の基板の各々の前記電子部品を押圧する押圧プレートと、前記押圧プレートを前記加熱手段に向けて弾性的に偏倚する弾性偏倚手段と、を備え、
前記加熱手段が前記非加熱位置から前記加熱位置に移動されると、前記複数の基板の各々が前記加熱手段の前記複数の加熱部の各々によって押し上げられ、前記複数の基板の各々に搭載された前記電子部品は、前記押圧プレートに当接して前記弾性偏倚手段の弾性作用により弾性的に押圧されることを特徴とする請求項8に記載の基板搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−159961(P2008−159961A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−348849(P2006−348849)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(501020730)ワイエス株式会社 (5)
【Fターム(参考)】