説明

塗布方法および塗布装置

【課題】 環境や塗布液の性状等に応じて合理的に捨て打ちを行う。
【解決手段】 ディスペンサヘッドにより基板上に塗布液を塗布するとともに、それまでの待機期間中に、塗布液の捨て打ちを実行する塗布装置。この装置は、制御装置30を有し、この制御装置30は、その機能構成としてヘッドを駆動制御する主制御部31と、塗布液の液量を画像認識に基づき計測する計測部33と、計測値とその目標値とを比較し、その計測値が目標値でない場合に、当該計測値と目標値との差に基づき捨て打ちの実行条件を変更する実行条件変更部34とを有する。主制御部31は、実行条件として設定される初期条件に従って捨て打ち動作を実行するとともに、実行条件変更部34により実行条件が変更された場合にはそれ以降の捨て打ち動作を変更後の実行条件に従って実行すべくヘッドを駆動制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に部品装着のための接着剤やクリームはんだ等の塗布液を塗布する塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からシリンジに貯溜した接着剤やクリームはんだ等の塗布液を空気圧によりノズルから吐出させてプリント基板上に塗布する塗布装置が知られている。
【0003】
この種の塗布装置では、定められた量の塗布液が基板上に塗布されるように塗布液の性状に応じて塗布条件(空気圧、吐出時間)が予め設定され、この塗布条件に従って動作制御されるが、塗布装置の待機期間中、長時間塗布動作が行われない場合には、塗布液の乾燥によるノズル詰まりにより次回の塗布量や液質が変化する場合がある。また、ノズル詰まりが生じていない場合でも、シリンジ内の塗布液の残量、あるいは温度や湿度等の様々な要因により塗布量が微妙に変化する。
【0004】
そこで、塗布装置の待機期間中には、一定期間毎に塗布液を試し打ちする、いわゆる捨て打ちを実行してノズル詰まりを防止することが行われている。また、各基板の塗布作業直前に、捨て打ちを行うとともにその塗布量が許容値内にあるか否かを調べ、許容値内の塗布量が得られない場合には、塗布条件を補正しつつ捨て打ちを繰り返し、最終的に許容値内の塗布量が得られると、そのときの塗布条件で基板に対して塗布動作を実施することも行われている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開平10−107411号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、温度や湿度等の要因により最適な塗布条件は逐次変化するのに対して、従来のこの種の塗布装置では、常に一定の条件に従って捨て打ちを実行するものであるため、必ずしも必要十分な捨て打ちが実行されているとは限らない。すなわち、待機期間中に一定時間毎に捨て打ちを実行するものでは、環境等の変化と関係で実際にはその間隔が短い場合や長い場合が生じ得る。そのため、例えば短い場合には不要な捨て打ちが短時間で繰り返されることにより塗布液が無駄に消費されることとなる。
【0006】
また、特許文献1のものでは、上記のように一旦補正した条件が次ぎの基板の作業の際に最適であるとは限らないことに鑑みて基板毎に捨て打ちを実行しているが、実際には、基板毎に捨て打ちを行う必要がない場合も少なくなく、このような場合には不要に塗布液が消費されることとなる。また、このように不要な捨て打ちが実行される場合には、その分、スループットも低下することとなる。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、より合理的に捨て打ちを実行させることにより、塗布液の不要な消費を抑えるとともにスループットを向上させることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る塗布方法は、塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作を開始するまでの待機期間中に、前記本動作とは別に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置の前記捨て打ちの方法であって、所定の実行条件に従って前記捨て打ちを実行するとともにそのときの液量又はそれに対応する物理量を計測し、その計測値が目標値でない場合には、当該計測値と目標値との差に基づき次回の捨て打ちの際に前記計測値が目標値となるように前記実行条件を変更し、その実行条件に基づいて次回の捨て打ち動作を実行するようにしたものである。
【0009】
この方法によると、捨て打ちの塗布量(計測量)と目標値とを比較しながらこれらに差がある場合にはこれらの差が無くなるように捨て打ちの実行条件、例えば実行タイミング、塗布量又は試打数(請求項3)を変更するので、待機期間中の捨て打ちを、その日の環境、あるいは塗布液の経時的な粘性変化等に追従させながら合理的に実施することが可能となる。すなわち、塗布量が目標値を超え易い環境(状況)では、捨て打ちの実行時間の間隔を広げる、あるいは吐出操作量を絞ることにより塗布液の無駄な消費を抑え、逆に、塗布量が目標値に達し難い環境(状況)では、捨て打ちの実行時間の間隔を短縮し、あるいは吐出操作量を緩めることにより、例えば塗布液の乾燥による液詰まりを確実に防止することができる。従って、ここのような実行条件の変更を繰り返すことにより、自ずと温度や湿度等の環境、あるいは使用する塗布液の性状等に応じた必要十分な捨て打ちを行うことができるようになる。
【0010】
一方、本発明の請求項2に係る塗布方法は、塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作の直前に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置の前記捨て打ちの方法であって、所定の実行条件に従って前記捨て打ちを実行するとともにそのときの液量又はそれに対応する物理量を計測し、その計測値が目標値でない場合に、当該計測値が目標値となるまで捨て打ちと前記計測とを繰り返す合わせ込み動作を実行してから前記本動作に移行するとともに、この合わせ込み動作における前記繰り返し状況に応じて当該本動作よりも後に実施する捨て打ち動作の前記実行条件を変更するようにしたものである。
【0011】
この方法によると、本動作直前の捨て打ちの塗布量に基づき合わせ込み動作を行い、その合わせ込み動作の繰り返し状況に基づいてそれ以降の本動作、つまり次回以降の本動作直前に行う捨て打ちの実行条件、例えば実行タイミング、塗布量又は試打数(請求項3)を最適なものに変更するので、このような本動作直前の捨て打ち動作を、気温や湿度等の環境、あるいは塗布液の経時的な粘性変化等に追従させて合理的に実施することが可能となる。すなわち、例えば初期条件として製品基板5枚毎に捨て打ちを実行するという条件を設定している場合であって、かつ最初の捨て打ちに基づく合わせ込み動作において捨て打ちとその計測が特定回数以上繰り返し行われたような場合(塗布液が乾燥し易く塗布量が定まり難いような(環境)状況の場合)には、それ以降の捨て打ちの実行条件を製品基板3枚毎に変更することにより、塗布液の乾燥による液詰まりを抑制し、逆に、合わせ込み動作が特定回数以内で済む場合には、それ以降の捨て打ちの実行条件を製品基板8枚毎に変更することにより塗布液の不要な消費を抑えることができる。従って、このような実行条件の変更を繰り返すことにより、自ずと温度や湿度等の環境、あるいは使用する塗布液の性状等に応じた必要十分な捨て打ちを行うことができるようになる。
【0012】
一方、本発明の請求項4に係る塗布装置は、塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作を開始するまでの待機期間中に、前記本動作とは別に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置において、所定の実行条件に従って捨て打ち動作を実行すべく前記ヘッドを駆動制御する制御手段と、前記捨て打ち動作により塗布された塗布液の液量又はそれに対応する物理量を計測する計測手段と、この計測手段による計測値とその目標値とを比較し、その計測値が目標値でない場合に、当該計測値と目標値との差に基づき次回の捨て打ちの際に前記計測値が目標値となるように前記実行条件を変更する条件変更手段とを有し、前記制御手段が、上記実行条件として設定される初期条件に従って捨て打ち動作を実行するとともに、前記条件変更手段により実行条件が変更された場合にはそれ以降の捨て打ち動作を変更後の実行条件に従って実行すべく前記ヘッドを駆動制御するように構成されているのである。
【0013】
より具体的には、前記実行条件は、捨て打ちを実行するサイクル時間であり、前記制御手段はその時間に従って捨て打ちを実行すべく前記ヘッドを駆動制御するように構成されているものである(請求項5)。
【0014】
これらの塗布装置によると、所定の実行条件(初期条件)に従って捨て打ち動作を実行すべく制御手段により前記ヘッド駆動制御される。そしてこの初期条件での捨て打ちの結果、つまり計測手段よる塗布液の計測値(液量)と目標値との差に基づき、計測値が目標値でない場合にはその差に基づき次回の捨て打ちの際に前記計測値が目標値となるように実行条件が条件変更手段により変更され、この変更された実行条件に従って次回の捨て打ち動作を実行すべく制御手段により前記ヘッドが駆動制御される。従って、塗布装置において、上述したような請求項1に係る塗布方法の自動化を進めることが可能となる。
【0015】
また、本発明の請求項6に係る塗布装置は、塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作の直前に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置において、所定の実行条件に従って捨て打ち動作を実行すべく前記ヘッドを駆動制御する制御手段と、前記捨て打ち動作により塗布された塗布液の液量又はそれに対応する物理量を計測する計測手段と、捨て打ち動作の実行条件を変更する条件変更手段とを有し、前記制御手段が、上記実行条件として設定される初期条件に従って前記捨て打ち動作を実行するとともに、その際の前記計測手段による計測値が目標値でない場合に、当該計測値が目標値となるまで捨て打ちと前記計測とを繰り返す合わせ込み動作を実行し、さらに前記条件変更手段により実行条件が変更された場合には、次回以降の本動作直前に実行する捨て打ち動作を当該変更後の実行条件に従って実行すべく前記ヘッドを駆動制御し、前記条件変更手段は、前記合わせ込み動作における繰り返し状況に基づき次回以降に実行する捨て打ち動作の前記実行条件を変更するように構成されているものである。
【0016】
より具体的には、前記実行条件は、捨て打ちを実行する製品基板の数であり、前記制御手段はその数毎に捨て打ちを実行すべく前記ヘッドを駆動制御するものである(請求項7)。
【0017】
これらの塗布装置によると、所定の実行条件(初期条件)に従って捨て打ち動作を実行するとともに、この条件での捨て打ちの結果、つまり計測手段よる塗布液の計測値(液量)と目標値との差に基づき合わせ込み動作を実行すべく前記ヘッドが制御手段により駆動制御される。そして、この合わせ込み動作における捨て打ちと計測の繰り返し状況に基づき次回以降に実行する捨て打ち動作の実行条件が条件変更手段により変更され、この変更された実行条件に従ってこれ以降の捨て打ち動作を実行すべく制御手段により前記ヘッド駆動制御される。従って、塗布装置において上述したような請求項2に係る塗布方法の自動化を良好に進めることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る塗布方法および請求項4,5に係る塗布装置によると、待機期間中の捨て打ち動作を、気温や湿度等の環境、あるいは塗布液の性状等に適した条件で実施することが可能となる。従って、常に一定の条件に従って捨て打ちを行う従来のこの種の方法(装置)と比較すると過不足なく捨て打ちを行うことができ、その結果、待機期間中の捨て打ちを適切に行う一方で、不要な捨て打ちを防止して塗布液の消費量を低減することができるようになる。
【0019】
請求項2に係る塗布方法および請求項6,7に係る塗布装置によると、本動作直前に行う捨て打ち動作を、気温や湿度等の環境、あるいは塗布液の性状等に適した条件で実施させることが可能となる。従って、常に一定の条件に従って捨て打ちを行う従来のこの種の方法(装置)と比較すると過不足なく捨て打ちを行うことができる。そしてその結果、本動作直前に行う捨て打ち動作(合わせ込み動作を含む)による捨て打ちの回数を軽減することができ、これにより塗布液の消費量を低減するとともに、スループットを向上させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る塗布装置の概略平面図である。同図において、2は基台であり、この基台2の上には搬送手段3と、ヘッドユニット4と、捨て打ちステーション6とがそれぞれ配設されている。以下、各要素について詳細に説明する。
【0022】
上記搬送手段3は、互いに平行に配設された一対のベルト式のコンベア3a,3bからなり、両コンベア3a,3bにより基板Pの両側縁部が支持されて基板Pが搬送されるようになっている。上記一対のコンベア3a,3bは図示省略の搬送用モータ等の駆動機構により駆動され、また、両コンベア3a,3bの間隔が図示省略の間隔調節用駆動機構により基板幅に応じて変更可能とされている。
【0023】
上記ヘッドユニット4は、基板P(図1に二点鎖線で示す)の任意の位置に対して塗布液の塗布動作を行い得るように、上記基台2の上方位置でX方向(コンベア3a,3bの方向)及びY方向(平面上でX方向と直交する方向)に移動することができるようになっている。
【0024】
詳しくは、基台2上にはY方向に延びる一対の固定レール7,7が設けられており、このレール7,7上にヘッドユニット支持部材8がY方向に移動可能に架設されている。ヘッドユニット支持部材8はナット部9を介してボールねじ軸10と螺合しており、このボールねじ軸10がY軸サーボモータ11により定位置回転作動されることにより上記ヘッドユニット支持部材8がヘッドユニット4と共にY方向に移動されるようになっている。また、上記ヘッドユニット支持部材8はX方向に延びるガイド部材12を有し、ヘッドユニット4がそのガイド部材12に沿って移動可能に支持されている。そして、X軸サーボモータ13の駆動によりボールねじ軸14を介してヘッドユニット4をX方向に移動させるようになっている。この構成によりヘッドユニット4がX−Y平面上で移動可能とされている。
【0025】
上記ヘッドユニット4には、図2にも示すように、基板P等を認識するためのカメラ16と、塗布液としてはんだペーストを塗布するディスペンサヘッド18とがそれぞれ支持されている。
【0026】
上記カメラ16は、CCDエリアセンサ等の撮像素子を備えたカメラであり、基板認識時に基板Pの表面に付されたフィデューシャルマークを撮像し、この撮像による上記フィデューシャルマークの検出に基づいてヘッドユニット4と基板Pとの相対的な位置関係を自動認識するようになっている。また、捨て打ちステーション6の後記捨て打ちベース62上に捨て打ちされる塗布液を、バックライトを受けながら撮像し、この撮像により塗布量やその塗布状態等を自動認識してディスペンサヘッド18による塗布に反映させるようになっている。
【0027】
上記ディスペンサヘッド18は、上記ヘッドユニット4のフレームに対しZ方向(上下方向)の移動及びR軸(鉛直軸)回りの回転が可能とされ、図示省略のZ軸サーボモータ及びR軸サーボモータによりそれぞれ駆動されるようになっている。なお、図示の例では、ヘッドユニット4に対して2つのディスペンサヘッド18がX軸方向に並べて搭載されている。
【0028】
各ディスペンサヘッド18は、はんだペーストを貯留するタンクであるシリンジ19と、ディスペンサノズル18aとをそれぞれ備えており、当実施形態では、各ディスペンサヘッド18のシリンジ19には互いに異なる種類のはんだペースト(ペーストA,B)が貯溜されている。
【0029】
シリンジ19は開閉バルブ20及びレギュレータ21(図3参照)等を介してエア供給手段に接続されており、そのエア供給手段から供給されるエア圧力によりシリンジ19内のはんだペーストを上記ディスペンサノズル18aの先端に押し出す(吐出させる)ようになっている。これにより、基板Pに対するペーストの塗布が行われるようになっており、また、その際の塗布量(押し出し量)が上記開閉バルブ20の開閉時間、あるいはレギュレータ21によるエア圧調整により調整されるようになっている。
【0030】
なお、上記はんだペーストははんだパウダとフラックスとからなるものであり、はんだペースト以外に銀パウダとエポキシ樹脂からなる銀ペーストを用いてもよい。また、接合材料としてははんだペーストに限定されるものではなく、液状もしくはペースト状の各種接合用金属を用いてもよい。
【0031】
図1に戻り、基台2上であって上記搬送手段3の前側(図1では下側)には、上記捨て打ちステーション6が取り付けられている。
【0032】
捨て打ちステーション6は、ディスペンサヘッド18によるペーストの捨て打ちを行うためのものである。この捨て打ちステーション6は、所定の間隔を隔てて相対向する2枚の側板61,61の間に、紙等の軟質材料からなる広幅のテープTを巻回したリール64を保持するとともにこのリール64からテープTを導出してステーション先端の捨て打ちベース62上に案内するように構成されている。そして、この捨て打ちベース62に案内されたテープT上に上記ディスペンサヘッド18によってペーストを捨て打ちさせつつこのテープTを間欠的に図外の巻取りリールにより巻取るように構成されている。
【0033】
上記捨て打ちベース62は、照明光を透過させ得る透明素材により形成されており、その下方には複数のLEDを配列した光源(図示省略)が上向きに設けられている。つまり、光が捨て打ちベース62の上方に上記カメラ16を配置してこの光源を点灯させることにより、テープTに捨て打ちされたペーストの投影像をカメラ16により撮像できるように構成されている。
【0034】
以上のような塗布装置では、搬送手段3により基板Pが作業位置まで搬送されてくると、基板P上にヘッドユニット4が移動し、ディスペンサヘッド18により基板P上の所定の塗布ポイントに所定量のペーストが塗布される。具体的には、塗布ポイント上においてディスペンサヘッド18が所定高さ位置まで下降し、ディスペンサノズル18aの先端にペーストが押出された後、ディスペンサノズル18aが上昇するとともに液切り動作が行われ、これによって上記塗布ポイントに所定量の塗布液が塗布されることとなる。
【0035】
そして、このような基板Pに対して塗布動作が行われる間、所定のタイミングで上記ヘッドユニット4が捨て打ちステーション6の捨て打ちベース62上まで移動し、上記テープT上にディスペンサ18によってペーストの捨て打ちが行われる。
【0036】
図3は、上記のような塗布装置の動作を制御する制御装置をブロック図で示している。
【0037】
この制御装置30は、論理演算を実行する周知のCPU、そのCPUを制御する種々のプログラムなどを予め記憶するROMおよび装置動作中に種々のデータを一時的に記憶するRAM等から構成されており、本発明に対応する機能構成として主制御部31、画像処理部32、計測部33、実行条件変更部34および実行条件記憶部35を含んでいる。
【0038】
主制御部31は、予め記憶されたプログラムに従って所定の塗布動作を基板Pに対して実行させるとともに上記実行条件記憶部35に記憶されている実行条件データに従って捨て打ち動作を実行させるべく上記サーボモータ11,13等を駆動制御するものである。特に、基板Pに対する塗布動作(以下、本動作という)の直前には、本動作と同量の捨て打ちを行うとともにその塗布量と目標値との比較に基づき開閉バルブ20等の操作量に対する補正値を演算しつつ捨て打ちによる塗布量を目標値に合わせ込む動作(合わせ込み動作という)を行うべく上記サーボモータ11,13および開閉バルブ20等を駆動制御する。すなわち、当実施形態では、この主制御部31により本発明の制御手段が構成されている。なお、捨て打ち動作に関する詳細は後に詳述する。
【0039】
画像処理部32は、カメラ16から出力される画像データに所定の画像処理を施すもので、基板Pのフィデューシャルマークの認識、および捨て打ちされたペーストの認識にそれぞれ適した画像処理を前記画像データに対して施す。
【0040】
計測部33は、画像処理部32において処理された捨て打ちペーストの画像データに基づいて当該ペーストの塗布量(液量)を求めるものである。詳しくは、テープT上に塗布されたペーストの面積(投影面積)と塗布量との相関関係が予めペーストの種類(A,B)毎に記憶されており、上記画像データに基づきペーストの面積を求めその結果と上記相関関係とからペーストの塗布量を求める。すなわち、当実施形態では、カメラ16、画像処理部32および計測部33等により本発明の計測手段が構成されている。
【0041】
実行条件記憶部35は、捨て打ち動作の実行条件を記憶するもので、前回の基板Pが装置から搬出された後、基板Pが一定時間以上装置に搬入されない場合、つまり装置が待機状態に入ったときに所定の時間間隔で実施する捨て打ち動作(以下、適宜待機中動作と呼ぶ)と、基板Pに対する本動作の直前に行う捨て打ち動作(以下、適宜直前動作と呼ぶ)の各実行条件がそれぞれ格納されている。
【0042】
具体的には、上記待機中動作の実行条件として、捨て打ちを実行する時間の間隔(捨て打ち実行時間という)、試打数(捨て打ちの回数)、および吐出時間(開閉バルブ20の開時間)が記憶されている。例えば捨て打ち実行時間:1分、試打数:3回(3箇所)、吐出時間:20msecといったデータが記憶されており、この場合には、前回の基板Pが装置から搬出された後一定時間(例えば2分)次ぎの基板Pが装置に搬入されない場合には、その時間経過後、1分間隔で捨て打ちが実行され、各捨て打ち動作の際にはそれぞれ20msecの吐出時間でテープTに対して3回捨て打ちが実行される。
【0043】
一方、直前動作の実行条件としては、捨て打ちを実行する基板の間隔数(捨て打ち実行基板枚数という)、および試打数(捨て打ち回数)が記憶されている。例えば捨て打ち実行基板枚数:5枚(5枚毎)、試打数:3回(3箇所)といったデータが記憶されており、この場合には、装置に搬入される基板5枚毎に、テープTに対して3回捨て打ちが実行される。なお、この捨て打ち動作におけるペーストの吐出時間は本動作におけるペーストの塗布量に従うこととなる。
【0044】
実行条件変更部34は、本発明の条件変更手段を構成するもので、待機中動作の実行条件のうち捨て打ち実行時間を、直前動作の実行条件のうち捨て打ち実行基板枚数をそれぞれ必要に応じて変更する。
【0045】
この実行条件変更部34には、予め図4,図5に示すようなテーブルデータが記憶されており、実行条件変更部34は、図4に示すデータに基づいて待機中動作の実行条件を変更し、図5に示すデータに基づいて直前動作の実行条件を変更するようになっている。
【0046】
具体的に、図4のデータは、予め設定された規定値(塗布量)に対する捨て打ちペースト(塗布量)の比率と、その比率に対応する捨て打ち実行時間の補正係数とをテーブルにしたものであり、各ディスペンサヘッド18で使用するペーストの種類(A,B)毎に補正係数が定められている。すなわち、実行条件変更部34は、捨て打ち動作として待機中動作が実行されると、計測部33により求められるペーストの塗布量に基づき上記規定値に対する上記比率を演算するとともにその結果が±10%の範囲内にあるか否かを判断し、この範囲内にない場合には上記テーブルデータに基づいて当該演算結果に対応する補正係数を現在の捨て打ち実行時間に乗じることにより新たな実行時間を演算し、その捨て打ち実行時間を新たな実行条件として記憶するようになっている。なお、テーブルデータの補正係数は、同図に示すように、捨て打ちペーストの塗布量が規定値に対して多い場合には捨て打ちの実行時間を延長、すなわち捨て打ちを実行する時間間隔を広げて捨て打ちの実行頻度を下げ、逆にペーストの塗布量が規定値に対して少ない場合には捨て打ちの実行時間を短縮、すなわち捨て打ちを実行する時間間隔を縮めて捨て打ちの実行頻度を高めるように定められるとともに、規定値に対する捨て打ちペースト(塗布量)の誤差が大きくなるに伴い上記の延長又は短縮の度合いが大きくなるようにその値が定められている。
【0047】
一方、図5のデータは、予め指定された規定値(試打数)に対する実際の試打数の比率と、その比率に対応する補正係数とをテーブルにしたものであり、このデータも、各ディスペンサヘッド18で使用するペーストの種類(A,B)毎に補正係数が定められている。すなわち、実行条件変更部34は、捨て打ち動作(直前動作)が実行されると、その試打数と上記合わせ込み動作における試打数とをカウントするとともにそのカウント値に基づいて上記比率を演算し、その演算結果が10%以上となる場合には、上記テーブルデータ基づいて当該演算結果に対応する補正係数を現在の捨て打ち実行基板枚数に乗じることにより新たな実行基板枚数(小数点以下は四捨五入)を演算し、その演算値を新たな捨て打ち実行基板枚数として記憶するようになっている。ここでの補正係数は、上記合わせ込み動作の試打数が増加すると捨て打ち実行基板枚数を減らすように定められている。なお、捨て打ち実行基板枚数の変更に関するテーブルデータについて、このように捨て打ち実行基板枚数を減らすようにのみ補正係数が定められている(補正係数が「1」未満の値に設定されている)のは、捨て打ち実行基板枚数の初期値が当該装置において義務づけられる最大値に設定されていることを前提として補正係数が定められているためである。
【0048】
上記制御装置30には、さらに、キーボード等の入力装置およびCRT等の表示装置を備えた入力/表示手段22が接続されており、ペーストの塗布作業に必要なデータや各種指示の入力、および塗布作業の進行状態に関する情報表示がこの入力/表示手段22により行われるようになっている。
【0049】
次に、この記制御装置30による塗布装置の動作制御のうち、特にペーストの捨て打ち動作の制御について図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0050】
このフローチャートがスタートすると、まず、主制御部31において基板Pが塗布装置に到着したか否かを判断し、ここで到着していると判断した場合には、搬送手段3を駆動して基板Pを所定の作業位置に搬入する(ステップS1,S2)。なお、基板Pの到着の有無判断は、例えば基板Pの搬入部に設けられる図外のセンサによる基板Pの検知に基づいて行う。
【0051】
次いで、捨て打ちの発動条件が成立したかな否かを判断する(ステップS3)。この時点では、上記の通り基板Pが塗布装置に到着しているため、対象となる捨て打ち動作は上記の直前動作であり、従ってステップS3では、当該基板Pが捨て打ち実行基板枚数に該当するか否かを判断する。
【0052】
ここで、NOと判断した場合には、捨て打ちを行うことなくヘッドユニット4を基板P上に移動させて当該基板Pにペーストを塗布する本動作を実行し、これが終了すると当該基板Pを搬送手段3により搬出してステップS1にリターンする(ステップS7,S8)。
【0053】
これに対し、ステップS3においてYESと判断した場合には、ヘッドユニット4を捨て打ちステーション6上に移動させ、実行条件記憶部35に記憶されている実行条件(試打数)に従って捨て打ちを実行するとともにペーストの塗布量を計測し、ペーストの塗布量が目標値でない場合には、当該塗布量が目標値となるように捨て打ちによるペーストの塗布量を目標値に合わせ込む合わせ込み動作を実行する。
【0054】
具体的には、本動作で基板Pに塗布するペーストの塗布量と同量のペーストをテープT上に捨て打ちし、その後、捨て打ちベース62上にカメラ16を配置してテープTに捨て打ちされたペーストを撮像して各ペーストの実際の塗布量を計測する(ステップS4,S5)。そして、その計測値が目標値か否か、すなわち本動作で塗布するペーストの塗布量に等しいか否か、又はその許容値内に有るか否かを判断し(ステップS6)、計測値が目標値でないと判断した場合には、ステップS4に移行し、開閉バルブ20等の操作量に対して補正値を演算し、この補正値に従って再度捨て打ちを実行する。このようにして最終的に捨て打ちペーストの塗布量(計測値)が目標値となるまでステップS4〜S6の処理を繰り返す。
【0055】
ステップS6において捨て打ちペーストの塗布量が目標値であると判断した場合には、基板Pに対して本動作を開始する一方で(ステップS7)、この処理と併行して捨て打ち動作(直前動作)の実行条件を変更する必要があるか否か、つまり捨て打ち実行基板枚数を変更する必要があるか否かを判断する(ステップS9)。具体的には、実行条件変更部34において、予め記憶されている規定値(試打数)に対するステップS4〜S6の総試打数(捨て打ちの試打数と合わせ込み動作における試打数の合計値)の比率を演算し、この比率が一定の比率(10%)以上か否かに基づき条件変更の要否を判断する。
【0056】
ステップS9においてYESと判断した場合には、実行条件変更部34において、当該比率と前記テーブルデータ(図5参照)とに基づいて新たな捨て打ち実行基板数を演算し、この捨て打ち実行基板枚数を記憶してステップS1に移行する。これにより次回の捨て打ち発動条件の判断は(ステップ3)、新たな捨て打ち実行基板枚数に従って行うこととなる。
【0057】
一方、ステップS1においてNOと判断した場合には、ステップS11に移行し、捨て打ちの発動条件が成立したかな否かを判断する。この時点では、基板Pが塗布装置に到着しておらず装置は待機状態にあるため、対象となる捨て打ち動作は上記の待機中動作であり、従ってステップS11では、捨て打ち実行時間が経過したか否か、すなわち基板Pに対する本動作が終了してから、又は直近の捨て打ち動作が実行されてから上記実行時間が経過したか否かを判断する。
【0058】
ここで、YESと判断した場合には、ヘッドユニット4を捨て打ちステーション6上に移動させ、実行条件(吐出時間、試打数)に従ってテープT上に捨て打ちを行い、その後、捨て打ちベース62上にカメラ16を配置してテープTに捨て打ちされたペーストを撮像し、その撮像結果に基づき計測部33において各ペーストの実際の塗布量を求める(ステップS12,S13)。
【0059】
そして、各ペーストの塗布量と予め記憶されている規定値とに基づき、捨て打ち動作の実行条件を変更する必要があるか否か、つまり捨て打ち実行時間を変更する必要があるか否かを判断する(ステップS14)。具体的には、実行条件変更部34において、予め設定された規定値(塗布量)に対する捨て打ちペーストの塗布量の比率を演算し、この比率が一定の比率(±10%)の範囲内にあるか否かに基づき条件変更の要否を判断する。
【0060】
ステップS14でYESと判断した場合には、当該比率と前記テーブルデータ(図4参照)とに基づき新たな捨て打ち実行時間を演算し、この捨て打ち実行期間を記憶してステップS1に移行する。これにより次ぎの捨て打ち動作(待機中動作)では新たな捨て打ち実行時間に従って捨て打ちを実行することとなる。
【0061】
以上説明した塗布装置によると、基板Pが搬入されるまでの待機中に捨て打ち(待機中動作)を行うが、この際、捨て打ちされたペーストの塗布量(計測値)とその規定値とを比較し、その比率が所定の比率内でない場合には、これを是正するように図4に示すテーブルデータに基づいて実行条件(捨て打ち実行時間)を変更するように構成されているので、待機期間中の捨て打ちを、環境やペーストの性状に応じて合理的に実施することができる。具体的には、例えば湿度が低くペーストが乾燥し易い環境では、ディスペンサノズル18aの液詰まり等によりペーストの塗布量が目標値に比べて少なくなり易い場合があるので、このような場合には図4のテーブルデータに従って捨て打ち実行時間が短縮する方向に実行条件が変更されることにより液詰まりの防止効果が高められる。また、ペーストが軟性、あるいは軟化し易いような場合には、ペーストの塗布量が目標値に比べて多くなり易い場合があるので、このような場合には捨て打ち実行時間を延長する方向に実行条件が変更されることにより不要な捨て打ちが軽減されることとなる。つまり、環境や使用ペーストの性状からみて捨て打ち実行時間が適当でない場合には、適量の捨て打ちが行われ得るように捨て打ち実行時間が自動的に変更されることとなる。
【0062】
そのため、待機期間中は、環境やペーストの性状に適した合理的な捨て打ちを行うことができる、つまりペーストを適切に捨て打ちできる範囲内で捨て打ちを実施するサイクルを可及的に長期化することが可能となる。従って、常に一定の時間サイクルで捨て打ちを実行している従来のこの種の塗布装置と比較すると、待機期間中の捨て打ちをより適切に行うことができるとともに、捨て打ちにより消費されるペーストを必要最小限度に抑えてペーストを有効に活用することができるという効果がある。
【0063】
他方、この塗布装置では、基板Pにペーストを塗布する本動作前に捨て打ち(作業中動作)を実施し、その塗布量が目標値(本動作で塗布するペーストの塗布量)となるように合わせ込み動作を行うが、この場合も、上記のように合わせ込み動作の繰り返し状況に基づいて捨て打ちの実行条件、つまり捨て打ち実行基板枚数を変更するようにしているので、環境や基板Pの搬入状況等に応じて合理的に捨て打ちを行うことができる。具体的には、例えばペーストが乾燥し易い環境、あるいは基板Pの搬入される時間間隔が長いような場合には、ディスペンサノズル18aの液詰まりが生じ易くなり、ペーストの塗布量が少なくなって合わせ込み動作の試打数が増加する場合があるので、このような場合には図5のテーブルデータに従って捨て打ち実行基板枚数を低減するように実行条件が変更されることによりディスペンサノズル18aの液詰まり効果が高められ、その結果、次回の合わせ込み動作における試打数を軽減することができるようになる。
【0064】
従って、捨て打ち(直前動作)を実行する基板の枚数は増えるものの、合わせ込み動作における試打数自体は大幅に低減することが可能となり、その結果、次回以降の合わせ込み動作において消費されるペーストの消費量を効果的に低減することができる。また、このように合わせ込み動作における試打数を低減できる分、基板Pのスループットを向上させることもできるようになるという効果がある。
【0065】
なお、以上説明した塗布装置は、本発明に係る塗布装置(本発明に係る塗布方法を実施することができる塗布装置)の実施形態の一例であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0066】
例えば、上記の実施形態では、捨て打ち動作として、塗布装置の待機期間中に実施する待機中動作と基板Pの塗布動作直前に実施する直前動作の双方に本発明を適用しているが、勿論、いずれか一方の捨て打ち動作についてのみ本発明を適用するようにしてもよい。
【0067】
また、待機中動作については、その実行条件として捨て打ち実行時間(サイクル時間)、試打数(捨て打ちの回数)および吐出時間(開閉バルブ20の開時間)を設定し、そのうち実行時間についてのみ変更するようにしているが、試打数や吐出時間についても捨て打ちによる塗布量に応じてその条件を変更するようにしてもよい。同様に、直前動作については、その実行条件として捨て打ち実行基板枚数および試打数を設定し、そのうち実行基板枚数についてのみ変更するようにしているが、試打数についても、合わせ込み動作の繰り返し状況に応じてその実行条件を変更するようにしてもよい。また、捨て打ち動作の実行条件として捨て打ち実行時間、捨て打ち実行基板枚数、試打数および吐出時間以外の条件を設定してもよく、その場合には、それらの条件についても同様に捨て打ちによる塗布量や、合わせ込み動作の繰り返し状況に応じてその実行条件を変更するようにしてもよい。例えば、シリンジ19に供給するエアの圧力をレギュレータ21により制御することによりペーストの塗布量を制御する場合には、上記実行条件としてエア圧力を設定し、捨て打ちによる塗布量等に応じてエア圧力を変更するようにしてもよい。
【0068】
また、この実施形態では、実行条件変更部34の捨て打ち実行基板枚数の変更に関するテーブルデータ(図5参照)について、捨て打ち実行基板枚数を減らすようにのみ補正係数が定められているが、これは上述した通り、当例では捨て打ち実行基板枚数の初期値が当該装置において義務づけられる最大値に設定されていることを前提としているためである。従って、実行基板枚数の初期値が最大値に限られない場合には、捨て打ち実行基板枚数を増やす方向にも補正係数を設定しておき、合わせ込み動作の繰り返し状況に応じて捨て打ち実行基板枚数を増減変更し得るようにしてもよい。
【0069】
また、この実施形態では、捨て打ち動作(待機中動作)により塗布されたペーストの塗布量を計測手段により計測し、その結果に基づいて実行条件変更の要否を判断するようにしているが、塗布量に対応するものであればそれ以外の物理量を計測し、その結果に基づいて実行条件を変更するようにしてもよい。例えば、捨て打ちベース62に塗布されたペーストの投影面積に基づいて実行条件変更の要否を判断するようにしてもよい。また、塗布液の質量を計測し、その結果に基づいて実行条件変更の要否を判断するようにしてもよい。この場合には、計測手段として、電子天秤等の精密質量測定装置を基台2上に設け、当該装置に対して捨て打ちを実行させるようにすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明に係る塗布装置(本発明に係る塗布方法を実施することができる塗布装置)を示す平面図である。
【図2】塗布装置を示す正面図である。
【図3】塗布装置の制御系(捨て打ち動作制御に関連する部分)を示すブロック図である。
【図4】実行条件記憶部に記憶されているデータ(捨て打ち実行時間を変更するための補正係数と塗布量比率との関係)の一例を示す表である。
【図5】実行条件記憶部に記憶されているデータ(捨て打ち実行基板枚数を変更するための補正係数と試打数比率との関係)の一例を示す表である。
【図6】記制御装置による塗布装置の動作制御(特にペーストの捨て打ち動作の制御)の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
4 ヘッドユニット
6 捨て打ちステーション
16 カメラ
18 ディスペンサヘッド
18a ディスペンサノズル
30 制御装置
31 主制御部
32 画像処理部32
32 計測部
34 実行条件変更部
35 実行条件記憶部
T テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作を開始するまでの待機期間中に、前記本動作とは別に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置の前記捨て打ちの方法であって、
所定の実行条件に従って前記捨て打ちを実行するとともにそのときの液量又はそれに対応する物理量を計測し、その計測値が目標値でない場合には、当該計測値と目標値との差に基づき次回の捨て打ちの際に前記計測値が目標値となるように前記実行条件を変更し、その実行条件に基づいて次回の捨て打ち動作を実行することを特徴とする塗布液の塗布方法。
【請求項2】
塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作の直前に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置の前記捨て打ちの方法であって、
所定の実行条件に従って前記捨て打ちを実行するとともにそのときの液量又はそれに対応する物理量を計測し、その計測値が目標値でない場合に、当該計測値が目標値となるまで捨て打ちと前記計測とを繰り返す合わせ込み動作を実行してから前記本動作に移行するとともに、この合わせ込み動作における前記繰り返し状況に応じて当該本動作よりも後に実施する捨て打ち動作の前記実行条件を変更することを特徴とする塗布液の塗布方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の塗布液の塗布方法において、
前記実行条件は、捨て打ちの実行タイミング、捨て打ちの塗布量又は捨て打ちの試打数の少なくとも一つであることを特徴とする塗布液の塗布方法。
【請求項4】
塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作を開始するまでの待機期間中に、前記本動作とは別に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置において、
所定の実行条件に従って捨て打ち動作を実行すべく前記ヘッドを駆動制御する制御手段と、
前記捨て打ち動作により塗布された塗布液の液量又はそれに対応する物理量を計測する計測手段と、
この計測手段による計測値とその目標値とを比較し、その計測値が目標値でない場合に、当該計測値と目標値との差に基づき次回の捨て打ちの際に前記計測値が目標値となるように前記実行条件を変更する条件変更手段とを有し、
前記制御手段は、上記実行条件として設定される初期条件に従って捨て打ち動作を実行するとともに、前記条件変更手段により実行条件が変更された場合にはそれ以降の捨て打ち動作を変更後の実行条件に従って実行すべく前記ヘッドを駆動制御することを特徴とする塗布装置。
【請求項5】
請求項4に記載の塗布装置において、
前記実行条件は捨て打ちを実行するサイクル時間であり、前記制御手段はその時間に従って捨て打ちを実行すべく前記ヘッドを駆動制御することを特徴とする塗布装置。
【請求項6】
塗布液を吐出するヘッドを有し、このヘッドにより製品基板上に塗布液を塗布する本動作を行う一方、この本動作の直前に塗布液を試し打ちする捨て打ち動作を実行する塗布装置において、
所定の実行条件に従って捨て打ち動作を実行すべく前記ヘッドを駆動制御する制御手段と、
前記捨て打ち動作により塗布された塗布液の液量又はそれに対応する物理量を計測する計測手段と、
捨て打ち動作の実行条件を変更する条件変更手段とを有し、
前記制御手段は、上記実行条件として設定される初期条件に従って前記捨て打ち動作を実行するとともに、その際の前記計測手段による計測値が目標値でない場合に、当該計測値が目標値となるまで捨て打ちと前記計測とを繰り返す合わせ込み動作を実行し、さらに前記条件変更手段により実行条件が変更された場合には、次回以降の本動作直前に実行する捨て打ち動作を当該変更後の実行条件に従って実行すべく前記ヘッドを駆動制御し、
前記条件変更手段は、前記合わせ込み動作における繰り返し状況に基づき次回以降に実行する捨て打ち動作の前記実行条件を変更することを特徴とする塗布装置。
【請求項7】
請求項5に記載の塗布装置において、
前記実行条件は捨て打ちを実行する製品基板の数であり、前記制御手段はその数毎に捨て打ちを実行すべく前記ヘッドを駆動制御することを特徴とする塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−815(P2006−815A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−182508(P2004−182508)
【出願日】平成16年6月21日(2004.6.21)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】