説明

塗布領域表示装置、及びプログラム

【課題】ノズルの軌跡に応じた塗布領域を基板の撮影画像と共に表示できる塗布領域表示装置を提供する。
【解決手段】基板を撮影した画像である撮影画像が記憶される撮影画像記憶部12と、基板に防湿剤を吐出するノズルの軌跡であって、ノズルが防湿剤を吐出する際の軌跡を示す情報である軌跡情報を受け付ける軌跡情報受付部13と、軌跡情報受付部13が受け付けた軌跡情報を蓄積する軌跡情報蓄積部14と、軌跡情報蓄積部14が蓄積した軌跡情報によって示される、防湿剤の吐出時のノズルの軌跡に対して、ノズルの吐出幅を付加した領域である塗布領域を算出する塗布領域算出部15と、撮影画像と塗布領域算出部15が算出した塗布領域とを表示する表示部16と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に防湿剤を塗布する前に塗布領域を表示する塗布領域表示装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板上に防湿剤を塗布する場合に、防湿剤を塗布するノズルの軌跡を設定するため、基板上の点のティーチングを行っていた。そのティーチングには、リモートティーチングと、ダイレクトティーチングと、数値入力とがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
リモートティーチングは、操作キーなどを用いてノズルを基板上の所望の点まで実際に移動させることによって行うティーチングである。ダイレクトティーチングは、マニピュレータのモータをオフにして、ノズルを手動で基板上の所望の点まで実際に移動させることによって行うティーチングである。数値入力は、ノズルの座標値を数値入力することによって行うティーチングである。
【0004】
リモートティーチング及びダイレクトティーチングでは、基板塗布装置を実際に用いてティーチングを行うことになるため、そのティーチングの間は生産ラインを止める必要があるという問題があった。したがって、近年は、基板塗布装置を用いないオフラインのティーチング、すなわち数値入力のティーチングが用いられるようになってきている。また、その数値入力のティーチングをサポートするために、CADを用いたティーチングなども用いられるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−140750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、オフラインにおいて数値入力のティーチングを行った場合に、防湿剤が実際に塗布される領域が容易に分からないという問題があった。特に、基板塗布装置のティーチングに慣れていない初心者にとっては、そのことが顕著となる。そのため、数値入力を行った後に、基板上に防湿剤を実際に塗布することによって検証し、塗布もれや、塗布禁止領域への塗布などがあった場合には、それに応じて入力した座標値を変更することが行われていた。そのため、リモートティーチング及びダイレクトティーチングの場合と同様に、その検証時に生産ラインを止める必要があるという問題があった。また、基板上に防湿剤を実際に塗布することによって防湿剤が塗布される領域を知る場合には、防湿剤が塗布される領域を知るために時間がかかるという問題もあった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、基板塗布装置のノズル位置のティーチングをオフラインにおいて完結するために用いられる塗布領域表示装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明による塗布領域表示装置は、基板を撮影した画像である撮影画像が記憶される撮影画像記憶部と、基板に防湿剤を吐出するノズルの軌跡であって、ノズルが防湿剤を吐出する際の軌跡を示す情報である軌跡情報を受け付ける軌跡情報受付部と、軌跡情報受付部が受け付けた軌跡情報を蓄積する軌跡情報蓄積部と、軌跡情報蓄積部が蓄積した軌跡情報によって示される、防湿剤の吐出時のノズルの軌跡に対して、ノズルの吐出幅を付加した領域である塗布領域を算出する塗布領域算出部と、基板の撮影画像と塗布領域算出部が算出した塗布領域とを表示する表示部と、を備えたものである。
【0009】
このような構成により、受け付けられたノズルの軌跡に応じた塗布領域を基板の画像と共に表示することができる。したがって、基板上において防湿剤の塗布される領域と、塗布されない領域を容易に短時間で確認することができる。その結果、オフラインにおいて、例えば、塗布もれや塗布禁止領域への塗布などの検証を行うことができる。また、その検証結果に応じて修正した軌跡によって、不適切であった点が適切に修正されたかどうかを容易に確認することができるようになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明による塗布領域表示装置等によれば、受け付けられたノズルの軌跡に応じた塗布領域を基板の撮影画像と共に表示することができる。この塗布領域表示装置を用いることによって、基板塗布装置のノズル位置のティーチングをオフラインにおいて完結することができうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態1による塗布領域表示装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態による塗布領域表示装置の動作を示すフローチャート
【図3】同実施の形態における塗布領域の算出について説明するための図
【図4】同実施の形態における撮影画像の一例を示す図
【図5】同実施の形態における軌跡情報の一例を示す図
【図6】同実施の形態における算出された塗布領域を示す情報の一例を示す図
【図7】同実施の形態にける表示の一例を示す図
【図8】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明による塗布領域表示装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0013】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による塗布領域表示装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による塗布領域表示装置は、軌跡情報を受け付け、その軌跡情報に応じた塗布領域と、基板の撮影画像とを表示するものである。
【0014】
図1は、本実施の形態による塗布領域表示装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による塗布領域表示装置1は、撮影画像受付部11と、撮影画像記憶部12と、軌跡情報受付部13と、軌跡情報蓄積部14と、塗布領域算出部15と、表示部16とを備える。
【0015】
撮影画像受付部11は、基板を撮影した画像である撮影画像を受け付け、後述する撮影画像記憶部12に蓄積する。ここで、基板は、通常、プリント基板であるが、防湿剤の塗布対象となるその他の基板(例えば、半導体基板等)であってもよい。プリント基板は、回路素子等の電子部品が固定され、配線されるための基板であり、回路基板と呼ばれることもある。この撮影画像のデータ形式は問わない。撮影画像は、例えば、JPEGのデータであってもよく、RAWやTIFFのデータであってもよい。また、撮影画像受付部11は、撮影画像(イメージデータ)と共に、その撮影画像上における寸法と、実際の基板の寸法とを対応付ける縮尺情報をも受け付けてもよく、そうでなくてもよい。縮尺情報とは、撮影画像での寸法(例えば、ピクセル数で記述されてもよく、ミリメートルによって記述されてもよい)と、実際の基板上での寸法(例えば、ミリメートルによって記述される)とを対応付けることができる情報(両長さを換算可能な情報)であれば、その内容を問わない。例えば、縮尺情報は、寸法の比率を示す情報であってもよく、撮影画像の縦の寸法や横の寸法に応じた基板の実寸を示す情報であってもよい。
【0016】
撮影画像受付部11は、例えば、撮影デバイス(例えば、デジタルカメラなど)から入力された撮影画像を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された撮影画像を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された撮影画像を受け付けてもよい。なお、撮影画像受付部11は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、撮影画像受付部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0017】
撮影画像記憶部12では、基板を撮影した画像である撮影画像が記憶される。この撮影画像は、撮影画像受付部11が蓄積したものである。撮影画像記憶部12での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。撮影画像記憶部12は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0018】
軌跡情報受付部13は、軌跡情報を受け付ける。軌跡情報は、基板に防湿剤を吐出するノズルの軌跡である。また、この軌跡情報は、ノズルが防湿剤を吐出する際の軌跡を少なくとも示す情報である。したがって、ノズルが防湿剤を吐出しない際の軌跡(すなわち、単にノズルが移動するためだけの軌跡)は、この軌跡情報に含まれてもよく、含まれなくてもよい。なお、ノズルが防湿剤を吐出しない際の軌跡が軌跡情報に含まれる場合であっても、軌跡情報において、ノズルが防湿剤を吐出する際の軌跡と、ノズルが防湿剤を吐出しない際の軌跡とを区別可能になっているものとする。また、この軌跡情報は、軌跡を点によって示すものであってもよい。例えば、軌跡情報は、2点の座標値を有することによって、その2点を結ぶ線分の軌跡を示すものであってもよい。また、この軌跡情報は、基板に平行な平面内での軌跡を示すものであってもよく、基板の法線方向の高さをも示すものであってもよい。基板に防湿剤を吐出するノズルは、基板に防湿剤を塗布する基板塗布装置の有するノズルである。そのノズルは、例えば、一瞬の間だけ防湿剤を吐出した際に、その防湿剤が略楕円形状になるノズルであってもよく、または略円盤形状になるノズルであってもよい。また、そのノズルは、防湿剤を吐出する単一の吐出口を有するものであってもよく、あるいは、複数の吐出口を有するものであってもよい。複数の吐出口を有するノズルについては、例えば、特開2009−106934号公報を参照されたい。また、軌跡情報受付部13が受け付ける軌跡情報は、例えば、キーボードやマウス等を用いて手入力で設定されたものであってもよく、あるいは、自動的に軌跡を生成する装置によって生成されたものであってもよい。前者の場合に、その軌跡情報は、例えば、ディスプレイに表示された基板の撮影画像等の上でGUI(Graphical User Interface)を用いて入力された座標値であってもよい。また、軌跡情報受付部13は、過去に受け付けた軌跡情報であって、後述する軌跡情報蓄積部14によって蓄積された軌跡情報を変更するための軌跡情報を受け付けてもよい。その受け付けた軌跡情報は、変更後の軌跡情報そのものであってもよく、あるいは、軌跡情報の差分であってもよい。
【0019】
なお、撮影画像における軌跡(すなわち、撮影画像の座標系で記述される軌跡)を示す情報をも、基板における軌跡(すなわち、基板の座標系で記述される軌跡)を示す情報をも軌跡情報と呼ぶことにする。後述するように、両者は変換可能であるため、実質的には同じ情報だからである。本実施の形態では、軌跡情報は基板上の座標値によって示される情報であるとする。また、軌跡情報受付部13は、撮影画像の任意の点に対応する基板上の点を特定することができる情報を受け付けてもよい。その情報は、例えば、前述の縮尺情報と、点対応情報とを含んでいてもよい。また、その情報には、撮影画像と、基板との向きを合わせるための情報(例えば、撮影画像を時計回りに90度回転させると、基板と同じ向きになるなどの情報)が含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。ここで、点対応情報は、撮影画像上の少なくとも1点と、その点に対応する基板上の点とを対応付ける情報である。この点対応情報によって、撮影画像と基板との少なくとも1点の対応がとられることになるため、その点と、縮尺情報とを用いることによって、撮影画像上の任意の点に対応する基板上の点を特定することができるようになる。なお、撮影画像受付部11が縮尺情報をすでに受け付けている場合には、軌跡情報受付部13は、その縮尺情報を受け付けなくてもよい。また、撮影画像の任意の点に対応する基板上の点を特定することができる情報は、軌跡情報に含まれると考えてもよく、そうでなくてもよい。
【0020】
軌跡情報受付部13は、例えば、入力デバイス(例えば、キーボードやマウス、タッチパネルなど)から入力された軌跡情報を受け付けてもよく、有線もしくは無線の通信回線を介して送信された軌跡情報を受信してもよく、所定の記録媒体(例えば、光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)から読み出された軌跡情報を受け付けてもよい。なお、軌跡情報受付部13は、受け付けを行うためのデバイス(例えば、モデムやネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、軌跡情報受付部13は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは所定のデバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0021】
軌跡情報蓄積部14は、軌跡情報受付部13が受け付けた軌跡情報を記録媒体に蓄積する。その記録媒体は、例えば、半導体メモリや、光ディスク、磁気ディスク等であり、軌跡情報蓄積部14が有していてもよく、あるいは軌跡情報蓄積部14の外部に存在してもよい。また、この記録媒体は、軌跡情報を一時的に記憶するものであってもよく、そうでなくてもよい。なお、すでに蓄積した軌跡情報を変更するための軌跡情報を軌跡情報受付部13が受け付けた場合には、軌跡情報蓄積部14は、その軌跡情報に応じて、すでに蓄積した軌跡情報を変更してもよい。その受け付けられた軌跡情報が、変更後の軌跡情報そのものである場合には、軌跡情報蓄積部14は、上書きでその軌跡情報を蓄積してもよい。また、その軌跡情報が、すでに蓄積された軌跡情報に対する差分の情報である場合には、軌跡情報蓄積部14は、その軌跡情報の示す差分だけ、すでに蓄積した軌跡情報を変更してもよい。
【0022】
塗布領域算出部15は、軌跡情報蓄積部14が蓄積した軌跡情報によって示される、防湿剤の吐出時のノズルの軌跡に対して、ノズルの吐出幅を付加した領域である塗布領域を算出する。この塗布領域が、基板上において防湿剤の塗布される領域である。ノズルの吐出幅は、ノズルを走査しながら防湿剤を吐出する場合において、ノズルが吐出した防湿剤の走査方向に直交する方向の幅である。そのノズルの吐出幅を示す情報は、塗布領域算出部15がアクセス可能な図示しない記録媒体においてあらかじめ記憶されているものとする。その吐出幅は、例えば、ノズルの種類、防湿剤の粘性等によって変化するため、基板塗布装置や防湿剤に応じて実際に測定した値を用いてもよい。例えば、ユーザは、あらかじめ吐出幅を測定しておき、その測定した吐出幅をマウスやキーボード等を用いて塗布領域表示装置1に入力してもよい。そして、その入力された吐出幅が、その図示しない記録媒体において記憶されてもよい。塗布領域は、軌跡の方向(ノズルの走査方向)を長さ方向として、それに直交する方向の幅がノズルの吐出幅である帯状の領域である。塗布領域算出部15は、防湿剤の吐出時のノズルの軌跡の幅を、ノズルの吐出幅に変更することによって、塗布領域を算出することができる。塗布領域は、例えば、帯状の領域の4個の頂点の座標値によって示されてもよい。また、例えば、矩形の塗布領域の4辺がx軸またはy軸のどちらかに平行である場合には、対角の2個の頂点(例えば、右上の頂点と左下の頂点など)の座標値によって塗布領域が示されてもよい。なお、塗布領域を算出する具体的な方法については後述する。
【0023】
表示部16は、撮影画像記憶部12で記憶されている撮影画像と、塗布領域算出部15が算出した塗布領域とを表示する。「塗布領域を表示する」とは、撮影画像上の塗布領域に対応する位置に、その塗布領域を示す図形(例えば、矩形の図形)を表示することである。表示する塗布領域の色などはあらかじめ決められており、表示部16は、それに応じて各塗布領域に対応する図形を生成して表示してもよい。
【0024】
なお、最終的に撮影画像等が表示されるのであれば、表示部16は、撮影画像等を表示する装置に対して、撮影画像等を送信するものであってもよい。また、表示部16は、それらの表示を行う表示デバイス(例えば、CRTや液晶ディスプレイなど)や、それらを送信する送信デバイス等を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、表示部16は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは表示デバイス等を駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0025】
なお、撮影画像記憶部12と、軌跡情報蓄積部14が軌跡情報を蓄積する記録媒体とは、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、撮影画像を記憶している領域が撮影画像記憶部12となり、軌跡情報を記憶している領域が軌跡情報蓄積部14が軌跡情報を蓄積する記録媒体となる。
【0026】
次に、本実施の形態による塗布領域表示装置1の動作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)撮影画像受付部11は、撮影画像を受け付けたかどうか判断する。そして、撮影画像を受け付けた場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS103に進む。
【0027】
(ステップS102)撮影画像受付部11は、受け付けた撮影画像を撮影画像記憶部12に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0028】
(ステップS103)軌跡情報受付部13は、軌跡情報を受け付けたかどうか判断する。そして、軌跡情報を受け付けた場合には、ステップS104に進み、そうでない場合には、ステップS105に進む。
【0029】
(ステップS104)軌跡情報蓄積部14は、軌跡情報受付部13が受け付けた軌跡情報を記録媒体に蓄積する。そして、ステップS101に戻る。
【0030】
(ステップS105)塗布領域算出部15は、塗布領域の算出を行うかどうか判断する。そして、塗布領域の算出を行う場合には、ステップS106に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。塗布領域算出部15は、例えば、塗布領域の算出を行う旨の指示を受け付けた場合に、塗布領域の算出を行うと判断してもよく、あるいは、ある基板について、軌跡情報の受け付けと蓄積が終了した場合に、塗布領域の算出を行うと判断してもよい。
【0031】
(ステップS106)塗布領域算出部15は、カウンタiを1に設定する。
【0032】
(ステップS107)塗布領域算出部15は、軌跡情報蓄積部14が蓄積したi番目の軌跡が存在するかどうか判断する。そして、存在する場合には、ステップS108に進み、そうでない場合には、ステップS111に進む。なお、このフローチャートにおいて、1個の軌跡とは、両端点の座標値が示される線分の軌跡であるとする。
【0033】
(ステップS108)塗布領域算出部15は、そのi番目の軌跡が、防湿剤の吐出時のノズルの軌跡であるかどうか判断する。そして、防湿剤の吐出時のノズルの軌跡である場合には、ステップS109に進み、そうでない場合、すなわち、単なる移動の軌跡である場合には、ステップS110に進む。
【0034】
(ステップS109)塗布領域算出部15は、i番目の軌跡に応じた塗布領域を算出する。その塗布領域を示す座標値等は、図示しない記録媒体において一時的に記憶されてもよい。
【0035】
(ステップS110)塗布領域算出部15は、カウンタiを1だけインクリメントして、ステップS107に戻る。
【0036】
(ステップS111)表示部16は、撮影画像記憶部12から撮影画像を読み出す。また、表示部16は、ステップS109での1以上の塗布領域の算出が行われた場合には、その1以上の塗布領域を撮影画像上の対応する位置に表示するための、その塗布領域を示す表示図形を生成する。そして、その撮影画像と、1以上の塗布領域の表示図形とを表示する。なお、塗布領域の算出が行われなかった場合には、撮影画像のみが表示されてもよい。そして、ステップS101に戻る。
【0037】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、軌跡情報が防湿剤の吐出時のノズルの軌跡のみを示す場合には、図2のフローチャートにおいて、ステップS108の判断処理を行わなくてもよい。その場合には、ステップS107においてYesであれば、ステップS109に進むものとする。
【0038】
ここで、塗布領域の算出について図3を用いて説明する。図3において、両端点の座標が(x1,y1)、(x2,y2)である線分が、防湿剤の吐出時の軌跡であるとする。また、(x1,y1)から(x2,y2)に向かってノズルが走査されるものとする。その場合に、ノズルの吐出幅は「a+b」であり、軌跡上の点から走査方向に向かって左側の吐出幅が「a」であり、右側の吐出幅が「b」であるとする。すると、矩形の吐出領域の4個の頂点A〜Dの座標は、図3に記載しているようになる。したがって、塗布領域算出部15は、点A〜Dの各座標値を保持しておき、そこに「a」「b」「(x1,y1)」「(x2,y2)」を代入することによって、軌跡に対応する塗布領域の4個の頂点の座標を算出することができる。このように、塗布領域の算出は、図3の各点に対応した座標に「a」「b」等の値を代入することであってもよい。なお、a,bの一方は0であってもよい。その場合には、ノズルの吐出幅は、aまたはbとなる。また、a=bであってもよい。その場合には、軌跡が塗布領域の中心となる。このように、ノズルの吐出幅は、軌跡上の点から左右のそれぞれの幅によって示されてもよく、軌跡上の点から左または右のみの吐出幅によって示されてもよい。また、実質的にそれらと同様の情報を示すものであれば、吐出幅を示す情報の内容は問わない。例えば、吐出幅を示す情報は、全体の吐出幅を示す情報と、その吐出幅のうち、軌跡上の点に対応する位置を示す情報(例えば、真ん中である、端である、端から3割の位置である、端から3ミリメートルの位置であるなど)とを含んでいてもよい。また、前述のように、矩形の塗布領域の各辺がx軸あるいはy軸と平行である場合には、対角点の2点の座標を算出するのみであってもよい。その場合には、図3の式ももっと簡潔なものとなる。aやbの値は、前述のように、あらかじめ測定されたものが、塗布領域算出部15のアクセス可能な図示しない記録媒体で記憶されているものとする。
【0039】
次に、本実施の形態による塗布領域表示装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例において、塗布領域表示装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)によって実現されるものとする。
【0040】
まず、ユーザは、防湿剤を塗布するプリント基板の写真をデジタルスチルカメラで撮影する。そして、その撮影画像をPCに取り込むと、撮影画像受付部11が、その撮影画像を受け付け、撮影画像記憶部12に蓄積する(ステップS101,S102)。図4は、そのようにして蓄積された撮影画像を示すものである。
【0041】
その後、ユーザが軌跡情報を入力する旨の指示を塗布領域表示装置1に入力したとする。すると、表示部16は、撮影画像記憶部12から撮影画像を読み出し、その撮影画像をディスプレイに表示する。その撮影画像上において、軌跡情報の入力が行われることになる。なお、その撮影画像の表示の後に、ユーザは、基板の縦及び横の実寸を入力する。その基板の大きさの情報は軌跡情報受付部13で受け付けられ、図示しない記録媒体で一時的に記憶される。また、ユーザは、表示された撮影画像において、基板に対応する領域を矩形で囲むことによって、トリミングを行う。そして、そのトリミング後の撮影画像を用いて、軌跡の入力が行われることになる。なお、この具体例では、基板の所定の頂点(図4で示される基板の左下の頂点であるとする)と、ディスプレイに表示される撮影画像の左下の頂点とが対応する点であるとする。また、その基板上の所定の頂点が、基板上の座標系における原点であるとする。なお、その原点に対して、図4の右向きがx軸であり、上向きがy軸であるとする。したがって、その頂点の対応と、トリミング後の撮影画像の縦及び横のピクセル数と、基板の実寸の情報とを用いることにより、ディスプレイ上の撮影画像の任意の点の座標値と、その点に対応する基板上の座標値とを変換できることになる。
【0042】
その後、ユーザはマウスを操作することによって、基板の撮影画像上の所望の第1の点から、所望の第2の点までをドラッグする。すなわち、第1の点にマウスポインタがある状態でマウスのボタンを押し、そのままの状態でマウスポインタを第2の点まで動かした後に、マウスボタンを押すことを終了する。このようにすることで、1個の軌跡の始点である第1の点と、終点である第2の点とが入力されたことになる。その軌跡情報は、軌跡情報受付部13によって受け付けられる(ステップS103)。軌跡情報受付部13は、その軌跡に対応するスクリーン座標(ディスプレイに表示されている表示画面上の座標)を取得し、そのスクリーン座標を撮影画像上の座標(この座標をクライアント座標と呼ぶこともある)に変換し、その後、その座標を基板上の座標に変換することによって、入力された軌跡に対応する基板上の座標値を知ることができる。この具体例では、第1の点の基板上の座標値が(x1,y1)であり、第2の点の基板上の座標値が(x2,y2)であったとする。軌跡情報蓄積部14は、その第1の点の位置(x1,y1)と、第2の点の位置(x2,y2)と、軌跡を識別するID「0」とを含む軌跡情報を図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS104)。図5の1番目のレコードは、そのようにして蓄積された軌跡情報を示すものである。このようにして、ユーザが順次、軌跡情報を入力することによって、最終的に軌跡情報蓄積部14が蓄積した軌跡情報が図5で示されるようになったとする。
【0043】
次に、ユーザがマウスやキーボード等を操作することによって、塗布領域の算出を行う旨の指示をPCに入力したとする。すると、塗布領域算出部15は、塗布領域の算出を開始すると判断し(ステップS105)、図5に1番目のレコードが存在するため、1番目の軌跡が存在すると判断する(ステップS106,S107)。また、この具体例では、全ての軌跡が防湿剤をノズルから吐出する際のものであるため、塗布領域算出部15は、図5の1番目のレコードから第1の点の位置及び第2の点の位置の座標を読み出し、それを用いて図3で説明したように、矩形の塗布領域の4個の頂点の座標を算出する(ステップS108,S109)。そして、その算出した4個の頂点の座標である塗布領域情報を、塗布領域を識別する領域ID「0」と共に図示しない記録媒体に蓄積する。図6の1番目のレコードは、そのようにして蓄積された領域IDと、塗布領域情報とを示すものである。この後、塗布領域算出部15は、2番目以降の軌跡についても順次、塗布領域の算出を行っていく(ステップS107〜S110)。その結果、算出された塗布領域が最終的に図6で示されるようになったとする。なお、図6では、説明の便宜上、各座標を式で示しているが、実際には計算結果の値である。
【0044】
塗布領域の算出が終了すると、表示部16は、撮影画像記憶部12から撮影画像を読み出し、図示しない記録媒体から図6で示される塗布領域の計算結果を読み出す。そして、各塗布領域に対応する4頂点の座標を撮影画像上の座標に変換し、各塗布領域に対応する矩形の図形を生成して、撮影画像上の対応する位置に各塗布領域を表示した図7の画面をディスプレイに表示する。図7において、撮影画像上に表示されている白色の矩形の領域が塗布領域である。ユーザは、この塗布領域と撮影画像とを見ることによって、塗布もれの有無や、塗布禁止領域への塗布の有無を確認することができる。そして、もしも不適切な点があれば、「軌跡変更」ボタンをクリックすることによって、軌跡情報の入力に戻り、軌跡情報を修正した後に、再度、塗布領域を確認することができる。なお、そのようにして修正された軌跡情報を用いて、基板塗布装置を用いた基板に対する防湿剤の塗布が実際に行われることになる。
【0045】
なお、この具体例では、塗布領域が表示される際に、表示部16が、塗布領域を示す基板上の座標を、撮影画像上の座標に変換する場合について説明したが、塗布領域算出部15が塗布領域を算出する際に、基板上の座標を撮影画像上の座標に変換していてもよい。また、この具体例では、軌跡情報が基板上の座標によって示される場合について説明したが、そうでなくてもよい。軌跡情報が撮影画像上の座標によって示されてもよい。その場合には、塗布領域は撮影画像上の座標によって示されてもよく、また、表示部16は、塗布領域の表示のために塗布領域の基板上の座標を撮影画像上の座標に変換する処理を行わなくてもよい。
【0046】
また、この具体例では、撮影画像上において軌跡情報をGUIで受け付ける場合について説明したが、そうでなくてもよい。撮影画像を用いないで軌跡情報を受け付けてもよい。その場合には、表示部16は、軌跡情報の入力のための撮影画像の表示を行わなくてもよい。
【0047】
また、表示部16が撮影画像と塗布領域とを表示する際に、さらに、軌跡情報蓄積部14が蓄積した軌跡情報によって示される軌跡をも表示するようにしてもよい。具体的には、表示部16は、第1の点及び第2の点を表示すると共に、両点を破線でつなぐ線分を表示してもよい。その際には、基板上の座標で示される軌跡を、撮影画像上の座標で示される軌跡に変換してもよい。その変換は、表示部16が行ってもよく,他の構成要素が行ってもよい。
【0048】
以上のように、本実施の形態による塗布領域表示装置1によれば、受け付けられたノズルの軌跡に応じた塗布領域を基板の撮影画像と共に表示することができる。したがって、基板上において防湿剤の塗布される領域と、塗布されない領域を容易に短時間で確認することができる。特に、基板の撮影画像上に塗布領域が示されるため、初心者であっても、防湿剤の塗布される基板上の領域を容易に確認することができる。その結果、オフラインにおいて、例えば、塗布もれや塗布禁止領域への塗布などの検証を行うことができる。また、その検証結果に応じて修正した軌跡によって、不適切であった点が適切に修正されたかどうかを容易に確認することができるようになる。このようにして、基板塗布装置のノズル位置のティーチングをオフラインにおいて完結することができうる。
【0049】
なお、本実施の形態では、軌跡の両側の吐出幅が「a」「b」であるため、第1の点から第2の点に向かってノズルが走査されるものとしたが、a=bである場合には、その走査の方向は問わない。
【0050】
また、軌跡の両側の吐出幅が「a」「b」である場合であっても、軌跡に対して、どちらの側の吐出幅が「a」であるのかを示す情報が別途、軌跡情報に含まれてもよい。その情報は、例えば、ノズルの角度情報であってもよい。そのような場合にも、その走査の方向は問わないことになる。すなわち、第1の点から第2の点に向かってノズルが走査されてもよく、第2の点から第1の点に向かってノズルが走査されてもよいことになる。また、そのような場合には、図3で説明した塗布領域の頂点の座標値の「a」「b」を適宜、入れ替える必要がある。
【0051】
また、本実施の形態では、吐出幅が変化しない場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、吐出幅を任意に変更可能なノズル(例えば、前述の複数の吐出口を有するノズルであって、その複数の吐出口のうち、一部のみを使用することによって吐出幅を変更できるノズルなど)や、走査方向に対してノズルの角度を任意に変更可能なノズルの場合には、吐出幅が変化することになる。その場合には、その変化する吐出幅に応じて塗布領域が算出されることになる。
【0052】
まず、吐出幅を任意に変更可能なノズルの場合について説明する。その場合には、軌跡情報に吐出幅を示す情報が含まれるものとする。すなわち、軌跡情報に、図3の式中の「a」や「b」を示す情報が含まれることになる。そして、塗布領域算出部15は、その軌跡情報に含まれる「a」「b」を用いて、前述のようにして塗布領域を算出すればよい。
【0053】
次に、走査方向に対してノズルの角度を任意に変更可能なノズルの場合について説明する。その場合には、軌跡情報にノズルの角度を示す情報が含まれるものとする。そのノズルの角度を示す情報は、基板に対するノズルの角度を示す情報であってもよく、走査方向に対するノズルの角度を示す情報であってもよい。そのノズルの角度を示す情報と、吐出幅の最大値を示す情報とを用いることによって、吐出幅を算出することができる。例えば、ノズルの角度を示す情報が、基板に対するノズルの角度を示す情報である場合に、軌跡を中心とする両側の吐出幅の最大値が「a」「b」であったとする。また、そのノズルが一瞬の間だけ防湿剤を吐出した際の吐出後の防湿剤の最大径の方向を最大径方向と呼ぶことにする。図3などの説明の場合には、通常、この最大径方向が軌跡の方向に直交することになる。また、ノズルの走査方向と、最大径方向とのなす角度をθとする。すなわち、その角度θが90°の場合に、最も広い範囲を塗布することになり、その角度が0°の場合に、最も狭い範囲を塗布することになる。その角度θは、ノズルの角度(これを「α」とする)と、軌跡の角度(走査方向の角度であり、これを「β」とする)とを用いて算出することができる。すなわち、θは、αとβとの差分の絶対値である。また、軌跡の角度は、軌跡の座標値を用いて算出できる。例えば、図3において、図中の右方向にx軸が設定され、上方向にy軸が設定されている場合には、軌跡のx軸となす角度βは、β=tan−1{(y2−y1)/(x2−x1)}となる。この場合に、ノズルの角度αも、x軸を基準とする角度であるとしている。このような場合には、軌跡の両側の吐出幅はそれぞれ、a×sinθ、b×sinθとなる。したがって、塗布領域算出部15は、a、bの代わりに、a×sinθ、b×sinθを用いて、前述のようにして塗布領域を算出すればよい。
【0054】
また、説明の便宜上、例えば、「上」「下」「左」「右」等の方向を示す用語を用いたが、それらは視線の向きなどに応じて異なりうるものであり、絶対的な方向を示すために用いたものではない。
【0055】
また、上記実施の形態では、塗布領域表示装置1がスタンドアロンである場合について説明したが、塗布領域表示装置1は、スタンドアロンの装置であってもよく、サーバ・クライアントシステムにおけるサーバ装置であってもよい。後者の場合には、表示部や受付部は、通信回線を介して、情報を表示出力したり、入力を受け付けたりしてもよい。
【0056】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0057】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における塗布領域表示装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、基板に防湿剤を吐出するノズルの軌跡であって、ノズルが防湿剤を吐出する際の軌跡を示す情報である軌跡情報を受け付ける軌跡情報受付部、軌跡情報受付部が受け付けた軌跡情報を蓄積する軌跡情報蓄積部、軌跡情報蓄積部が蓄積した軌跡情報によって示される、防湿剤の吐出時のノズルの軌跡に対して、ノズルの吐出幅を付加した領域である塗布領域を算出する塗布領域算出部、基板を撮影した画像である撮影画像が記憶される撮影画像記憶部で記憶されている撮影画像と塗布領域算出部が算出した塗布領域とを表示する表示部として機能させるためのプログラムである。
【0058】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を受け付ける受付部や、情報を表示する表示部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
【0059】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0060】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0061】
図8は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による塗布領域表示装置1を実現するコンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図8において、コンピュータシステム900は、コンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905と、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906と、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0062】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による塗布領域表示装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0063】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による塗布領域表示装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0064】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0065】
以上より、本発明による塗布領域表示装置等によれば、受け付けられたノズルの軌跡に応じた塗布領域を基板の撮影画像と共に表示することができるという効果が得られ、基板塗布装置のノズル位置のティーチングをオフラインにおいて完結することを支援する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0066】
1 塗布領域表示装置
11 撮影画像受付部
12 撮影画像記憶部
13 軌跡情報受付部
14 軌跡情報蓄積部
15 塗布領域算出部
16 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を撮影した画像である撮影画像が記憶される撮影画像記憶部と、
前記基板に防湿剤を吐出するノズルの軌跡であって、前記ノズルが防湿剤を吐出する際の軌跡を示す情報である軌跡情報を受け付ける軌跡情報受付部と、
前記軌跡情報受付部が受け付けた軌跡情報を蓄積する軌跡情報蓄積部と、
前記軌跡情報蓄積部が蓄積した軌跡情報によって示される、防湿剤の吐出時の前記ノズルの軌跡に対して、前記ノズルの吐出幅を付加した領域である塗布領域を算出する塗布領域算出部と、
前記撮影画像と前記塗布領域算出部が算出した塗布領域とを表示する表示部と、を備えた塗布領域表示装置。
【請求項2】
コンピュータを、
基板に防湿剤を吐出するノズルの軌跡であって、前記ノズルが防湿剤を吐出する際の軌跡を示す情報である軌跡情報を受け付ける軌跡情報受付部、
前記軌跡情報受付部が受け付けた軌跡情報を蓄積する軌跡情報蓄積部、
前記軌跡情報蓄積部が蓄積した軌跡情報によって示される、防湿剤の吐出時の前記ノズルの軌跡に対して、前記ノズルの吐出幅を付加した領域である塗布領域を算出する塗布領域算出部、
前記基板を撮影した画像である撮影画像が記憶される撮影画像記憶部で記憶されている撮影画像と前記塗布領域算出部が算出した塗布領域とを表示する表示部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−71408(P2011−71408A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−222449(P2009−222449)
【出願日】平成21年9月28日(2009.9.28)
【出願人】(390000594)株式会社レクザム (64)
【Fターム(参考)】