説明

塗装缶

【課題】インキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層の色調が変化することがなく、かつ、光干渉型顔料による光干渉効果を十分に奏功せしめることが可能な塗装缶を提供する。
【解決手段】缶の被塗装面20に、有色の下地層21と、この下地層21の上に被覆され、光干渉型顔料を含有する塗料が塗布されてなる光干渉型塗膜22と、この光干渉型塗膜22の上にインキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層23と、このデザイン層23の上に被覆される外面塗膜24と、が設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被塗装面に、光干渉型顔料を含有する塗料が塗布されてなる光干渉型塗膜が設けられた塗装缶に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、清涼飲料水等の容器として使用される飲料缶等の缶は、その被塗装面(缶胴の外周面)に印刷が施され、最外層にクリアな外面塗料が塗布され、オーブンで乾燥させることで外面塗膜が形成される。この外面塗膜によって、缶の外観の光沢性の向上、外面塗膜と被塗装面との間に形成された中間層の密着性の向上及び搬送の際の缶の滑り性の向上が図られている。
【0003】
ここで、例えば特許文献1および特許文献2に開示されているように、缶の意匠性を向上させるために、缶の被塗装面に、光干渉型顔料を含有する塗料が塗布された塗装缶が提供されている。このような塗装缶においては、光干渉型顔料が光干渉効果を引き起こして視覚に依存した色調変化を起こすことになり、見る方向によって多彩な色調を表現して従来にない装飾効果を得ることができる。
【特許文献1】特開2003−062522号公報
【特許文献2】特開2003−246966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された塗装缶においては、缶の被塗装面に、インキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層が設けられ、そのデザイン層の上に光干渉型顔料を含有する外面塗料を塗布した構成とされている。
この構成の塗装缶においては、最も外層に位置する外面塗膜に光干渉型顔料が含有されているので、デザイン層のインキの色が元の色とは大きく異なってくすんだ色となってしまうことがあった。また、外面塗膜は、搬送の際の缶の滑り性を向上させることを目的として設けられているので、缶の外周面に確実に外面塗膜が配設されるよう、周方向の一部がオーバラップするように塗布されている。このため、オーバラップされた部分の色調が部分的に変化してしまうといった問題があった。
【0005】
また、特許文献2に記載された塗装缶においては、缶の被塗装面に、光干渉型顔料を含有する塗料が塗布されてベースコート層とされ、このベースコート層の上にインキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層(印刷層)が設けられ、その上に外面塗料によって外面塗膜(トップコート層)が設けられた構成とされている。
この構成の塗装缶においては、缶が例えばアルミ二ウム及びアルミニウム合金等で構成され、被塗装面での光の反射が強いため、ベースコート層の下側に位置する缶の被塗装面の反射光によって光干渉型顔料による光干渉効果が低減し、多彩な色調を表現できなくなってしまうといった問題があった。
【0006】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであって、インキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層の色調が変化することがなく、かつ、光干渉型顔料による光干渉効果を十分に奏功せしめることが可能な塗装缶を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本発明に係る塗装缶は、缶の被塗装面に、有色の下地層と、この下地層の上に被覆され、光干渉型顔料を含有する塗料が塗布されてなる光干渉型塗膜と、この光干渉型塗膜の上にインキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層と、このデザイン層の上に被覆される外面塗膜と、が設けられていることを特徴としている。
【0008】
この構成の塗装缶によれば、缶の被塗装面の上に、例えば有色塗料や有色インキからなる有色の下地層が設けられているので、缶の被塗装面での光の反射が下地層によって抑制されることになり、この下地層の上に設けられた光干渉型塗膜の光干渉効果を確実に奏功せしめることができる。
また、光干渉型塗膜の上に、インキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層が設けられているので、光干渉効果によってデザイン層のインキの色調が変化することがない。また、光干渉型塗膜の透明性を必要以上に確保する必要がないので、光干渉型顔料の含有率を増加させて光干渉効果をさらに強くすることが可能となる。
【0009】
また、前記光干渉型顔料を含有する塗料において、前記光干渉型顔料の含有比率を2〜50vol%としてもよい。
この場合、光干渉型顔料の含有比率が2vol%以上とされているので、光干渉効果を確実に奏功せしめることができる。また、前記含有比率が50vol%以下とされているので、下地層を認識できなくなるおそれがないとともに、光干渉効果をより強く発揮させることが可能となる。
【0010】
また、前記デザイン層の少なくとも一部を、透明インキによって印刷してもよい。
この場合、デザイン層の下側に設けられている光干渉型塗膜による光干渉効果を、透明インキ部分を介して外部から視認させることが可能となり、塗装缶の意匠の自由度を向上させることができる。
【0011】
さらに、前記下地層を、少なくとも2種類以上の有色インキをパターン状に印刷することで形成してもよい。
この場合、デザイン層の背景となる部分を下地層によってパターン状に形成するとともに、このパターン状の背景部分に光干渉効果を与えることができる。よって、塗装缶の意匠性のさらなる向上を図ることができる。
【0012】
ここで、前記下地層を、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*≦50とすることが好ましい。
この場合、下地層の明度L*が低くなって低反射率となり、缶の被塗装面での光の反射を確実に抑制でき、下地層の上に設けられた光干渉型塗膜による光干渉効果をより効果的に引き起こすことができる。
【0013】
また或いは、前記下地層を、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*>80としてもよい。この場合、下地層の白色が光干渉型塗膜と相まってパール調の上質感を演出する効果が得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、インキが印刷されて形成されるデザイン層の色調が変化することがなく、かつ、光干渉型顔料による光干渉効果を十分に奏功せしめることが可能な塗装缶を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の第1の実施形態について添付した図面を参照して説明する。本実施形態である塗装缶を図1及び図2に示す。また、図3に光干渉型顔料を、図4に塗装缶の製造工程を示す。
本実施形態である塗装缶10は、例えば飲料缶として用いられるものであり、図1に示すように、有底円筒状をなす缶本体11と、缶本体11の開口部に巻締された缶蓋15とを備えた、いわゆる2ピース缶とされている。
缶本体11は、例えばアルミ二ウムまたはアルミニウム合金(好ましくはAA(Aluminum Association)3000系のアルミニウム合金)からなる薄板(例えば厚さ0.28mm以上0.35mm以下)に、絞り加工、しごき加工を施すことで成形されている。そして、缶本体11は、胴部12と、胴部12の缶軸方向下端部に連設された底部13と、胴部12の缶軸方向上端部に連設されて缶軸方向上方に向かうにしたがって漸次縮径した肩部14とを備えている。また、肩部14の缶軸方向上端部が前記開口部となっており、ここに缶蓋15が巻締されている。
【0016】
そして、缶本体11の円筒状をなす胴部12の外周面が被塗装面20とされている。この被塗装面20の上には、有色インキが被塗装面20を覆うように印刷されることにより、下地層21が形成されている。この下地層21は、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*≦50である有色インキによって形成されており、明度L*が低く反射率が低くなるように構成されている。なお、本実施形態においては、例えば、黒あるいは紺などを基調とする濃色系の有色インキを用いて下地層21が形成されている。
【0017】
この下地層21の上には、光干渉型顔料25を含有する塗料が塗布されることで光干渉型塗膜22が形成されている。
このとき、光干渉型塗膜22を構成する塗料に含有される光干渉型顔料25は、光干渉型顔料25を含む塗料の全体積に対して、2〜50vol%となるように混入されている。この光干渉型顔料25は、図3の断面モデル図で示すように、例えばAlあるいはSiOからなる薄板の鱗片状をなす低屈折率の基材26に対して、その周囲を例えばTiOからなる高屈折率層27によって被覆することにより構成されるものである。
【0018】
このように、光干渉型顔料25は、多層構造(本実施形態においては基材26と高屈折率層27との2層構造)となって界面が多く(本実施形態においては4つの界面)存在し、かつ、それら層同士の屈折率が互いに異なっている構成をとるため、図3に示すように、同じ入射角の入射光に対し、それぞれの界面で反射、透過が起こり、反射した波長同士が光りを強め合う。それゆえ、角度により強められる波長が異なるため見る角度により色調が変化するという特性を有している。また、波長により屈折角が異なるので、波長の異なる色が異なる反射角をもつ反射光となって観察されることになり、見る角度で色調が変化するという特性を有している。
【0019】
この光干渉型塗膜22の上には、インキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層23が設けられている。
そして、デザイン層23の上には、透明度に優れたクリアな外面塗料によって外面塗膜24、いわゆるオーバーバニッシュ層が形成されている。この外面塗膜24(オーバーバニッシュ層)は、例えば、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂で構成されていて、WAXとしてパーム油、ラノリン、カルナバロウ、マイクロクリスタリン、ポリエチレン、ポリプロピレン、フッ素、シリコーン等が含有されており、缶を搬送する際の滑り性の向上が図られている。
【0020】
以下に、このような塗装缶10の製造方法について図4を用いて説明する。塗装前の缶体は薄板を絞り加工、しごき加工を施すことにより成形され、内外面を脱脂した後表面処理されることによって作られ、外面印刷工程へと搬送されてくる。まず、第1プリンター31によって、缶の被塗装面20(胴部12の外周面)に有色インキが印刷される。このとき、2色以上の有色インキを用いてパターン状に印刷を施してもよい。このようにして下地層21が形成される。
【0021】
この下地層21が乾燥しない状態(ウエット状態)で、同じく第1プリンター31を用いて光干渉型顔料25を含有する塗料が下地層21の上に塗布される。このときの塗布量は、例えば30〜300mg/dmの範囲内に設定されている。前記塗料が塗布された後に、第1オーブン33に搬送されて乾燥され、光干渉型塗膜22が形成される。こうして光干渉型塗膜22が形成されることによって、下地層21が被塗装面20に強く密着させられることになる。
【0022】
次に、第2プリンター32を用いて、光干渉型塗膜22の上にインキを印刷することによりデザイン層23が設けられる。ここで、このデザイン層23を構成するインキは、透明インキあるいは不透明インキが使用される。つまり、デザイン層23の下に位置する光干渉型塗膜22の光干渉効果をインキが印刷された部分においても表現する場合には透明インキを用い、インキが印刷された部分において光干渉効果を発揮させない場合は不透明インキを用いることになる。
【0023】
デザイン層23が乾燥しない状態(ウエット状態)で、同じく第2プリンター32を用いてクリアな外面塗料がデザイン層23の上に塗布される。このときの塗布量は、例えば30〜150mg/dmの範囲内に設定されている。外面塗料が塗布された後に、第2オーブン34に搬送されて乾燥され、外面塗膜24が形成される。こうして外面塗膜24が形成されることによって、デザイン層23が光干渉型塗膜22に強く密着させられることになる。このようにして印刷、塗装を施された缶に内面塗装を施し、缶軸方向上方を漸次縮径した肩部14を成形し、缶蓋15を巻締めることにより、本実施形態である塗装缶10が製造される。
【0024】
このような構成とされた本実施形態である塗装缶10によれば、有色インキが被塗装面20を覆うように印刷されてなる下地層21が形成されているので、缶の被塗装面20における光の反射が下地層21によって抑制され、下地層21の上に形成された光干渉型塗膜22の光干渉効果を阻害することがなく、光干渉効果を効果的に引き起こすことができる。
【0025】
また、光干渉型塗膜22の上に、インキが印刷されてなるデザイン層23が設けられているので、光干渉効果によってデザイン層23のインキの色調が変化することがなく、デザイン層23の色を忠実に表現することができる。さらに、デザイン層23が光干渉型塗膜22の上に設けられているので、光干渉型塗膜22の透明性を必要以上に確保する必要がなく、光干渉型顔料25の含有率を増加させて光干渉効果をさらに強くすることが可能となる。
【0026】
また、本実施形態では、下地層21が、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*≦50である有色インキで形成されているので、下地層21の明度L*が低くなって低反射率となり、その上に設けられた光干渉型塗膜22による光干渉効果をより効果的に引き起こすことができる。
【0027】
さらに、光干渉型顔料25を含有する塗料において、光干渉型顔料25の含有比率が2〜50vol%に設定されているので、光干渉型顔料25の含有比率を2vol%以上として光干渉効果を確実に奏功せしめることができるとともに、前記含有比率を50vol%以下として下地層21を認識させることができる。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は本発明の第2の実施形態の塗装缶の製造工程を示す図である。なお、前述の第1の実施形態と同様の部位には、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2の実施形態の塗装缶は、図2において、被塗装面20の上に、ベースコート(有色塗料)が、この被塗装面20を覆うように塗装されることにより、下地層21が形成されている。この下地層21は、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*>80である有色塗料によって形成されており、本実施形態では、例えば白色とされている。
【0029】
次に、このような塗装缶10の製造方法について図5を用いて説明する。塗装前の缶体は薄板を絞り加工、しごき加工を施すことにより成形され、内外面を脱脂した後表面処理されることによって作られ、外面印刷工程へと搬送されてくる。まず、ベースコーター30によって、缶の被塗装面20(胴部12の外周面)にベースコート(有色塗料)が塗装され、下地層21が形成される。
【0030】
次に、この下地層21は、第1オーブン33において乾燥される。次いで、第1プリンター31を用いて光干渉型顔料25を含有する塗料が下地層21の上に塗布される。以降の工程については、前述の第1の実施形態と同様にして塗装缶が製造される。但し、図5に示すように、この第2の実施形態では前述の第1の実施形態における第1オーブン33が第2オーブン34とされ、また第2オーブン34が第3オーブン35とされている点で第1実施形態とは異なる。
【0031】
このような構成とされた塗装缶10によれば、有色塗料が被塗装面20を覆うように塗装されてなる下地層21が形成されているので、缶の被塗装面20における光の反射が下地層21によって抑制され、下地層21の上に形成された光干渉型塗膜22の光干渉効果を阻害することがなく、光干渉効果を効果的に引き起こすことができる。尚、本実施形態のようにベースコーター30を用いて下地層21を形成することにより、この下地層21は、例えば15μm程度の比較的厚みのある層に形成される。従って被塗装面20をより効果的に覆い隠すことが出来るとともに、またこの下地層21の塗装を、例えば2ロールで夫々2周塗装し計4周塗装することとすれば、さらに色斑が少なく外観の良い塗装缶10を製造することができる。
【0032】
また、本実施形態では、下地層21が、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*>80である有色塗料で形成されているので、下地層21の白色が光干渉型塗膜22と相まってパール調の上質感を演出する効果が得られる。
【0033】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は本発明の第3の実施形態の塗装缶の被塗装面近傍の拡大断面図である。なお、前述の第1、第2の実施形態と同様の部位には、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3の実施形態の塗装缶は、図6に示すように、被塗装面20の上に、ベースコート(有色塗料)が、この被塗装面20を覆うように塗装されることにより、下地層21が形成されている。この下地層21は、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*≦50である有色塗料によって形成されており、明度L*が低く反射率が低くなるように構成されている。
【0034】
また、この下地層21の上には、有色インキがパターン状に印刷されてなるパターン印刷層28が形成されている。さらに、このパターン印刷層28の上には、光干渉型顔料25を含有する塗料が塗布されることで光干渉型塗膜22が形成されている。それ以外の構成については、前述の実施形態と同様である。
【0035】
このような構成とされた塗装缶10によれば、デザイン層の背景となる部分をパターン状とし、光干渉効果を与えることができるので、塗装缶の意匠性のさらなる向上を図ることができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、缶蓋が巻締められた2ピース缶として説明したが、これに限定されることはなく、缶本体の上部に首部が形成されたボトル缶等の他の缶であってもよい。
【0037】
また、下地層を少なくとも2種類以上の有色インキをパターン状に印刷して形成してもよい。この場合も、デザイン層の背景となる部分をパターン状とし、光干渉効果を与えることができるので、塗装缶の意匠性のさらなる向上を図ることができる。
なお、有色インキを用いて下地層を印刷する場合は、意匠性を良好に保つために印刷のオーバーラップ部を極力形成させないことが望ましい。
さらに、デザイン層の少なくとも一部を透明インキによって印刷しても良い。この場合、デザイン層の下側に設けられている光干渉型塗膜による光干渉効果を、透明インキ部分を介して外部から視認させるような構成とでき、デザインの自由度を向上させることができる。
【0038】
さらに、光干渉型顔料として図3に図示したもので説明したが、これに限定されることはなく、その他の光干渉型顔料を用いてもよい。
また、ベースコーター、第1プリンター、第2プリンターを用いて塗装缶を製造するものとして説明したが、その他の装置で、下地層、光干渉型塗膜、デザイン層、外面塗膜を形成してもよい。
【0039】
また、本実施形態では、下地層21はL*≦50、或いはL*>80として説明したが、この範囲に限定されることなく明度L*を任意に設定することができる。ただし、下地層21をL*≦50で形成すれば明度L*が低くなって低反射率となり、その上に設けられた光干渉型塗膜22による光干渉効果をより効果的に引き起こすことができ、また下地層21をL*>80で形成すればその白色が光干渉型塗膜22と相まってパール調の上質感を演出する効果が得られるので、これらの範囲に設定されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の第1の実施形態である塗装缶の概略斜視図である。
【図2】図1に示す塗装缶の被塗装面近傍の拡大断面図である。
【図3】光干渉型顔料の断面を示すモデル図である。
【図4】本発明の第1の実施形態である塗装缶の製造工程を示す工程図である。
【図5】本発明の第2の実施形態である塗装缶の製造工程を示す工程図である。
【図6】本発明の第3の実施形態である塗装缶の被塗装面近傍の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0041】
10 塗装缶
20 被塗装面
21 下地層
22 光干渉型塗膜
23 デザイン層
24 外面塗膜
25 光干渉型顔料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
缶の被塗装面に、有色の下地層と、この下地層の上に被覆され、光干渉型顔料を含有する塗料が塗布されてなる光干渉型塗膜と、この光干渉型塗膜の上にインキがデザインを形成するように印刷されてなるデザイン層と、このデザイン層の上に被覆される外面塗膜と、が設けられていることを特徴とする塗装缶。
【請求項2】
前記光干渉型顔料を含有する塗料において、前記光干渉型顔料の含有比率が、2〜50vol%とされていることを特徴とする請求項1に記載の塗装缶。
【請求項3】
前記デザイン層の少なくとも一部が透明インキによって印刷されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗装缶。
【請求項4】
前記下地層が、少なくとも2種類以上の有色インキがパターン状に印刷されてなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の塗装缶。
【請求項5】
前記下地層は、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*≦50とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の塗装缶。
【請求項6】
前記下地層は、JIS Z 8729に規定されるL*a*b*表色系でL*>80とされていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の塗装缶。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−265868(P2008−265868A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−264545(P2007−264545)
【出願日】平成19年10月10日(2007.10.10)
【出願人】(305060154)ユニバーサル製缶株式会社 (219)
【Fターム(参考)】