塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための装置
【課題】塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置、栄養塩類濃度低減システム及び栄養塩類濃度低減方法などを提供することを目的とする。
【解決手段】高さの異なる複数の低減ユニット各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々がサイフォン管及び切り替え装置を備え、最も低い位置にある低減ユニットとこの最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが循環ポンプ及び切り替え装置を介して接続されており、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できる、栄養塩類濃度低減装置。
【解決手段】高さの異なる複数の低減ユニット各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々がサイフォン管及び切り替え装置を備え、最も低い位置にある低減ユニットとこの最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが循環ポンプ及び切り替え装置を介して接続されており、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できる、栄養塩類濃度低減装置。
Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、隣接する低減ユニットに塩水を送液可能な第一サイフォン管、低減装置外に塩水を排出可能な第二サイフォン管、及び前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第一流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項2】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、隣接する低減ユニットに塩水を送液可能かつ低減装置外に塩水を排出可能な第三サイフォン管、及び、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第三流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項3】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、隣接する低減ユニットに塩水を送液可能及び低減装置外に塩水を排出可能な可動式サイフォン管、ならびに該可動式サイフォン管の前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第四流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項4】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、その低減ユニットにおいてオーバーフローさせた塩水を隣接する低減ユニットに送液可能な第一オーバーフロー構造、及び該オーバーフローさせた塩水を低減装置外に塩水を排出可能な第二オーバーフロー構造を有し、かつ前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第五流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項5】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、その低減ユニットにおいてオーバーフローさせた塩水を隣接する低減ユニットに送液可能且つ低減装置外に塩水を排出可能な第三オーバーフロー構造を有し、かつ前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第六流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項6】
前記第一流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第一制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第一制御機構と前記第二制御機構が、前記第一流路切替え装置と前記第二流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項1に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項7】
前記第三流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第三制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第三制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第三流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項2に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項8】
前記第四流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第四制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第四制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第四流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項3に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項9】
前記第五流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第五制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第五制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第五流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項4に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項10】
前記第六流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第六制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第六制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第六流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項5に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項11】
前記低減ユニットが海藻流出防止手段をさらに備える、請求項1〜10のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項12】
前記海藻培養部が海藻を備える、請求項1〜11のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項13】
前記海藻が非成熟性の紅藻類大型海藻である、請求項12に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項14】
非成熟性の紅藻類大型海藻が、以下(1)〜(3)の性質:
(1)天然で成熟体として雌性配偶体が検出されない、
(2)四分胞子体のみの成熟体が検出される特徴をもつ、及び
(3)淡水混入天然海水域で繁殖するオゴノリ属紅藻類である、
を有するオゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)由来の海藻胞子が生長した非成熟性単藻培養株又は該非成熟性単藻培養株が増殖した藻体である、請求項13に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項15】
非成熟性の紅藻類大型海藻がオゴノリ(Gracilaria verrucosa)又はツルシラモ(Gracilaria chorda)或いはそれらの亜種であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項16】
前記低減ユニットが、栄養塩類を吸着するための吸着部をさらに有する、請求項1〜15のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項17】
前記吸着部が吸着剤を備える、請求項1〜16のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項18】
前記吸着剤が、リンを含む栄養塩類及び/又は窒素を含む栄養塩類を吸着する吸着剤である、請求項17に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項19】
前記海藻及び/又は吸着剤が酸性多糖類無機塩ゲル及び/又は酸性多糖類無機塩繊維で保持されていることを特徴とする、請求項12〜18のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項20】
前記酸性多糖類無機塩が、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、カラゲナンカリウム、及び、カラゲナンアンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項19に記載の栄養塩濃度低減装置。
【請求項21】
前記酸性多糖類無機塩が、純度99.9モル%以上のアルギン酸ナトリウムから調製されたアルギン酸無機塩である請求項19又は20に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置及び塩水供給手段を備えることを特徴とする、栄養塩類濃度低減システム。
【請求項23】
前記塩水供給手段と低減ユニット各々が、第七流路切り替え装置を介して接続されている、請求項22に記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項24】
前記第七流路切り替え装置が、前記複数の低減ユニットのうち、一つの低減ユニットに塩水が送液されている際には、残りの低減ユニットに塩水が送液されないように調節できる第七制御機構に制御されており、
該第七制御機構が、前記第一及び三〜六制御機構のいずれか及び前記第二制御機構と連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項23に記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項25】
吸着槽、硝化菌を定着させた硝化槽、酸素供給槽、泡沫分離槽、沈殿槽、pH調製水槽、水温調整槽、ろ過槽、循環ポンプ、及び生物飼育槽からなる群より選択される少なくとも1をさらに備える、請求項22〜24のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項26】
前記供給手段が、送液ポンプ、水力発電式送液装置、風力発電式送液装置、太陽光発電式送液装置及び重力式送液装置からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項22〜25のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項27】
前記供給手段が、魚類養殖槽又は魚類養殖システム由来の海水を低減ユニットに供給する手段である、請求項22〜26のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項28】
前記魚類養殖システムが、上部のみが開放された洋上の水槽で海域と隔てられている洋上半閉鎖型魚類養殖システムである、請求項27に記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項29】
前記低減システム全体が塩水域上にあることを特徴とする、請求項22〜28のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項30】
前記低減システム全体が閉鎖循環式システムであることを特徴とする、請求項22〜29のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項31】
請求項1〜21のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置又は請求項22〜30のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システムを用いて塩水中の栄養塩類の濃度を低減する工程を包含する、栄養塩類濃度低減方法。
【請求項32】
栄養塩類が、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素、尿素態窒素、有機態リン、無機態リン及び珪素からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項31に記載の栄養塩類濃度低減方法。
【請求項33】
請求項31又は32に記載の方法により得られた栄養塩類濃度低減処理水。
【請求項34】
栄養塩類の濃度が環境基準値以下である、請求項33に記載の栄養塩類濃度低減処理水。
【請求項35】
全窒素濃度が1mg/リットル以下、又は、全リン濃度が0.09mg/リットル以下である、請求項33又は34に記載の栄養塩類濃度低減処理水。
【請求項36】
請求項31又は32に記載の方法により生産された海藻。
【請求項37】
請求項33〜35に記載の栄養塩類濃度低減処理水を用いて生産された外洋性生物。
【請求項1】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、隣接する低減ユニットに塩水を送液可能な第一サイフォン管、低減装置外に塩水を排出可能な第二サイフォン管、及び前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第一流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項2】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、隣接する低減ユニットに塩水を送液可能かつ低減装置外に塩水を排出可能な第三サイフォン管、及び、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第三流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項3】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、隣接する低減ユニットに塩水を送液可能及び低減装置外に塩水を排出可能な可動式サイフォン管、ならびに該可動式サイフォン管の前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第四流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項4】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、その低減ユニットにおいてオーバーフローさせた塩水を隣接する低減ユニットに送液可能な第一オーバーフロー構造、及び該オーバーフローさせた塩水を低減装置外に塩水を排出可能な第二オーバーフロー構造を有し、かつ前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第五流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項5】
塩水中の栄養塩類の濃度を低減するための栄養塩類濃度低減装置であって、
該低減装置が、高さの異なる複数の低減ユニットを備え、
該低減ユニットの各々は、栄養塩類を吸収するための海藻培養部を有し、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニット以外の低減ユニット各々が、その低減ユニットにおいてオーバーフローさせた塩水を隣接する低減ユニットに送液可能且つ低減装置外に塩水を排出可能な第三オーバーフロー構造を有し、かつ前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを切り替える第六流路切り替え装置を備え、
前記複数の低減ユニットのうち最も低い位置にある低減ユニットと、この最も低い位置にある低減ユニット以外の前記複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つとが、循環ポンプ及び最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを切り替える第二流路切り替え装置を介して接続されており、
前記低減装置が、より高い低減ユニットからより低い低減ユニットに塩水を送液でき、かつ最も低い位置にある低減ユニットから前記最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットに塩水を送液できることを特徴とする、栄養塩類濃度低減装置。
【請求項6】
前記第一流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第一制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第一制御機構と前記第二制御機構が、前記第一流路切替え装置と前記第二流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項1に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項7】
前記第三流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第三制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第三制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第三流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項2に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項8】
前記第四流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第四制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第四制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第四流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項3に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項9】
前記第五流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第五制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第五制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第五流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項4に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項10】
前記第六流路切り替え装置が、前記隣接する低減ユニットへの送液と前記低減装置外への排出とを所定のタイミングで切り替える第六制御機構を有し、且つ、
前記第二流路切り替え装置が、最も低い位置にある低減ユニットから最も低い位置にある低減ユニット以外の複数の低減ユニットの少なくともいずれか一つの低減ユニットへの塩水の送液と最も低い位置にある低減ユニットから低減装置外への塩水の排出とを所定のタイミングで切り替える第二制御機構を有し、
前記第二制御機構と前記第六制御機構が、前記第二流路切替え装置と前記第六流路切替え装置が連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項5に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項11】
前記低減ユニットが海藻流出防止手段をさらに備える、請求項1〜10のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項12】
前記海藻培養部が海藻を備える、請求項1〜11のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項13】
前記海藻が非成熟性の紅藻類大型海藻である、請求項12に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項14】
非成熟性の紅藻類大型海藻が、以下(1)〜(3)の性質:
(1)天然で成熟体として雌性配偶体が検出されない、
(2)四分胞子体のみの成熟体が検出される特徴をもつ、及び
(3)淡水混入天然海水域で繁殖するオゴノリ属紅藻類である、
を有するオゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)由来の海藻胞子が生長した非成熟性単藻培養株又は該非成熟性単藻培養株が増殖した藻体である、請求項13に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項15】
非成熟性の紅藻類大型海藻がオゴノリ(Gracilaria verrucosa)又はツルシラモ(Gracilaria chorda)或いはそれらの亜種であることを特徴とする、請求項13又は14に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項16】
前記低減ユニットが、栄養塩類を吸着するための吸着部をさらに有する、請求項1〜15のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項17】
前記吸着部が吸着剤を備える、請求項1〜16のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項18】
前記吸着剤が、リンを含む栄養塩類及び/又は窒素を含む栄養塩類を吸着する吸着剤である、請求項17に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項19】
前記海藻及び/又は吸着剤が酸性多糖類無機塩ゲル及び/又は酸性多糖類無機塩繊維で保持されていることを特徴とする、請求項12〜18のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項20】
前記酸性多糖類無機塩が、アルギン酸カルシウム、アルギン酸マグネシウム、カラゲナンカリウム、及び、カラゲナンアンモニウムからなる群より選択される少なくとも1種である、請求項19に記載の栄養塩濃度低減装置。
【請求項21】
前記酸性多糖類無機塩が、純度99.9モル%以上のアルギン酸ナトリウムから調製されたアルギン酸無機塩である請求項19又は20に記載の栄養塩類濃度低減装置。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置及び塩水供給手段を備えることを特徴とする、栄養塩類濃度低減システム。
【請求項23】
前記塩水供給手段と低減ユニット各々が、第七流路切り替え装置を介して接続されている、請求項22に記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項24】
前記第七流路切り替え装置が、前記複数の低減ユニットのうち、一つの低減ユニットに塩水が送液されている際には、残りの低減ユニットに塩水が送液されないように調節できる第七制御機構に制御されており、
該第七制御機構が、前記第一及び三〜六制御機構のいずれか及び前記第二制御機構と連動して作動するようにプログラミングされていることを特徴とする、請求項23に記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項25】
吸着槽、硝化菌を定着させた硝化槽、酸素供給槽、泡沫分離槽、沈殿槽、pH調製水槽、水温調整槽、ろ過槽、循環ポンプ、及び生物飼育槽からなる群より選択される少なくとも1をさらに備える、請求項22〜24のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項26】
前記供給手段が、送液ポンプ、水力発電式送液装置、風力発電式送液装置、太陽光発電式送液装置及び重力式送液装置からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項22〜25のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項27】
前記供給手段が、魚類養殖槽又は魚類養殖システム由来の海水を低減ユニットに供給する手段である、請求項22〜26のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項28】
前記魚類養殖システムが、上部のみが開放された洋上の水槽で海域と隔てられている洋上半閉鎖型魚類養殖システムである、請求項27に記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項29】
前記低減システム全体が塩水域上にあることを特徴とする、請求項22〜28のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項30】
前記低減システム全体が閉鎖循環式システムであることを特徴とする、請求項22〜29のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システム。
【請求項31】
請求項1〜21のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減装置又は請求項22〜30のいずれかに記載の栄養塩類濃度低減システムを用いて塩水中の栄養塩類の濃度を低減する工程を包含する、栄養塩類濃度低減方法。
【請求項32】
栄養塩類が、硝酸態窒素、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素、尿素態窒素、有機態リン、無機態リン及び珪素からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項31に記載の栄養塩類濃度低減方法。
【請求項33】
請求項31又は32に記載の方法により得られた栄養塩類濃度低減処理水。
【請求項34】
栄養塩類の濃度が環境基準値以下である、請求項33に記載の栄養塩類濃度低減処理水。
【請求項35】
全窒素濃度が1mg/リットル以下、又は、全リン濃度が0.09mg/リットル以下である、請求項33又は34に記載の栄養塩類濃度低減処理水。
【請求項36】
請求項31又は32に記載の方法により生産された海藻。
【請求項37】
請求項33〜35に記載の栄養塩類濃度低減処理水を用いて生産された外洋性生物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2009−254976(P2009−254976A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107264(P2008−107264)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]