説明

塩素化ポリオレフィンの中空コアを有するポリオレフィンパイプ

【課題】多層パイプを提供すること。
【解決手段】任意の長さおよび断面の多層パイプが、低級ポリオレフィン(C〜C)の外側本体を、ランダムにか、部分的にランダムにか、またはブロック状に塩素化された低級ポリオレフィンの管状コアの外側本体の上に重ねる共押出しによって製造される。このコアは、半径方向に測定される場合に、約0.025mm〜5mmの範囲の壁厚を有する。この管状コアは、このパイプの本質的に全長と同一の広がりを有する。この管状コアは、重量の大部分が、ランダムに塩素化されたポリオレフィン(r−CPO)、または部分的にランダムに塩素化されたポリオレフィン(pr−CPO)、またはブロック状に塩素化されたポリオレフィン(b−CPO)からなり、これらのいずれかは、重量の小部分のブレンド成分とブレンドされ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(分野)
本発明は、配水システムにおいて使用されるような、任意の断面の、代表的にはポリオレフィン(「PO」)(本明細書中以下においてまた、「プラスチック」)のパイプの、中空細長本体に関する。ポリ(低級オレフィン)パイプは、酸化剤に対して感受性であり、この酸化剤は、経時的に、プラスチックを通って拡散し、酸化的分解を引き起こす。POパイプのこのような分解は、周囲からの酸素との反応およびこの酸素の拡散によって;ならびにパイプ中の流体からの酸化剤の反応、およびパイプ中の流体からPO内への酸素の拡散によって起こる。架橋ポリエチレン(「PEX」)の、飲用水中に存在する遊離塩素との反応による分解に対する感受性は、Jana Laboratories Inc.,Ontario,CanadaのP.Vibienら、およびChicago,Chicago,Illinois,U.S.A.のUniversity of IllinoisのW.Zhouらによる、表題「Chlorine Resistance Testing of Cross−linked Polyethylene Piping Materials」の文献に記載されている。
【0002】
(課題)
ポリエチレン(「PE」)配管は、飲用水のための冷たい(10℃〜35℃)水システム、約650kPa(80psig)〜1490kPa(200psig)の範囲の高圧での洗浄、および廃水の排液のために通常使用され、LLDPE(直鎖低密度PE)、MDPE(中密度PE)またはHDPE(高密度PE)の選択が、このパイプの利用の条件によって左右される。架橋PE(「PEXパイプ」)は、家庭用の冷水および熱水(10℃〜115℃)のため、ならびに放射加熱適用において、使用される。約997kPa(130psig)〜約1135kPa(150psig)の範囲の圧力下で、100℃より高温の水は、このパイプを破壊する。水中の酸化剤(代用的に、パイプ内の塩素および次亜塩素酸)は、外部環境に存在するいずれの酸化剤よりもより損傷を与えることが見出されている。目的は、PEXパイプを、長時間にわたって(50年まで)酸化性損傷に対して保護することである。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
2〜4個の炭素原子を含む低級オレフィンのポリマーから作製される配管は、水の温度が比較的低く、代表的に100℃未満であり、そして水の圧力が約790kPa(100psig)未満である、配水システムにおいて使用される。このようなPO配管、および特に、PEXは、従来、酸化防止剤で保護されるが、それにもかかわらず、酸素の拡散およびPO壁に入る酸化剤(パイプ内を運ばれる流体由来のものと、パイプの外側の環境由来のものとの両方)との反応に対して感受性である。現在まで、内部からの損傷の程度は、認識されており、そして酸化防止剤および他の処方成分の添加によって取り組まれている。空気からパイプ中への酸素の核酸を最小にするために、PEXのコアは、外側が、エチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)のような材料のバリア層で、中間接着剤層を使用してコーティングされるが、このようなパイプ上のEVOH層は、パイプ内からの酸化に対して保護しない;さらに、EVOH層は、膨張する場合に亀裂を生じやすいことが公知である。EVOHは、連続的なEVOHおよびPOの表面が十分に自己接着する条件下で、PEまたはポリプロピレン(「PP」)またはポリブチレン(「PB」)のパイプ上に押出しされ得ないので、接着剤が必要とされる。
【0004】
EVOHの外側層に接着結合したPEXパイプの機械的限度を克服するために、多層パイプが、Johanssonらに対する特許文献1に開示されている。過度の量の実験なしで、この組み合わせの有効性を決定することが可能であるほど十分には細部が提供されていないが、(中間の接着剤層を用いて)接着結合したEVOHの外側層を有するPEXコアはまた、別の層の接着剤でコーティングされ、この接着剤は、このパイプが膨張する場合に、パイプの亀裂(この亀裂は、コーティングされなければ生じる)を防止すると記載されている。内部からの保護の重要性を認識する場合、EVOHの管状(または環状)のコアを、PEXパイプの内側表面に接着結合し、PEXを、酸化剤および有害な酸化剤を含有する酸化された水中の酸素による分解に対して保護する(EVOHが水中で加水分解することを除く)バリア層を形成し得ることが予測される。
【0005】
内部からの酸化の問題を対処するために、POが架橋する場合にさえも有さない望ましいバリア特性を有する材料の薄い壁の内側管状層(または「コア」)の外側表面の上に押出しされたPOの外側層によって形成された積層壁を有する、二積層パイプを押出し得る。飲用水システムについて、このコアは、飲用水中に代表的に存在する全ての酸化剤(これらの酸化剤は、POが架橋ポリエチレン(「PEX」)である場合に特に、POの外側層と有害に反応する)に対する有効なバリアを提供するように選択される。薄い壁のコアは、望ましくは、PEXより低い透過性およびより低い拡散係数を有し、その結果、外側層は、パイプ内の酸素化された水による分解に対して保護される。さらに、二積層の外側の層はまた、バリア材料の保護的カバーで、酸化に対して保護され得る。バリア材料は、代表的に、PO層に接着結合される。なぜなら、従来のバリア層(例えば、EVOH)をPEXに共押出しによって直接結合することは、不十分な結合を生じるからである。
【0006】
酸化剤による分解の影響を本質的に受けず、そして酸素に対して実質的に不透過性である、代替の配管システムが利用可能である。このようなパイプは、ポリ(塩化ビニル)(「PVC」)または塩素化ポリ(塩化ビニル)(「CPVC」)のいずれかから作製され、その選択は、水の温度および他の「使用」基準に依存する。しかし、PEX配管システムの利点は、PCVおよび/またはCPVC(「PCV/CPVC」)の配管システムにおいて利用可能ではなく、そしてその逆もまたそうであることが、周知である。従って、両方のシステムの利点を有し、そしていずれのシステムの欠点も有さないパイプを製造するために、多くの努力がなされた。しかし、PVCもCPVCも、ポリオフェリンの表面に満足に直接結合可能ではなく、そして現在までの、中間接着剤層を提供する試みは、失敗している。
【0007】
特許文献2は、「ブロック状に(blocky)」塩素化されたポリオレフィン(「b−CPO」)が、PVCおよびCPVCをポリオレフィンゴム(「POゴム」)と相溶化するために使用され得ること、ならびにPVCおよび/またはCPVCの、ブロック状に塩素化されたポリエチレン(「b−CPE」)およびPOゴム(馴染み深く、本明細書中で「エラストマー」と称される)とのブレンドが、良好な耐衝撃性、高い加熱ひずみ温度(ベースのCPVCまたはPCVと比較して)、良好な引張り特性、酸化耐性、および紫外光(UV)曝露に対する安定性の組み合わせを有し得ることを開示する。用語「ポリオレフィンゴム」とは、本明細書中において使用される場合、重合した低級(C〜C)モノオレフィンのオレフィンゴム(例えば、エチレン−プロピレンゴム)、および/または重合したジエンをさらに含有するオレフィンゴム(例えば、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネンゴム(EPDMゴムと称される))をいう。用語「b−CPO」とは、高いCl含有量のPOブロック(例えば、50重量%〜75重量%のCl)と、比較的塩素化されていない結晶化可能なPOブロックとの両方を有する、ブロック状に塩素化されたPOをいい、このb−CPOは、少なくとも95%(特許文献2に示されるように計算される)の残留結晶性を有し、そしてPOをかなり膨潤させることも、結晶相を融解することもなく、すなわち、25℃での前駆体POの膨順に起因する体積の増加が10%未満で、生成される。b−CPEの調製の詳細は、特許文献2に記載されており、この特許の開示は、本明細書中に完全に記載されていると同程度に、本明細書中に参考として援用される。ブロック状に塩素化されたPP(「b−CPP」)およびブロック状に塩素化されたポリブチレン(「b−CPB」)は、樹脂の融点より低い温度での塩素化によって、類似の様式で作製される。本明細書中の「ポリブチレン」の言及は、ポリイソブチレンを包含する。
【0008】
特許文献2は、ランダムに塩素化されたポリエチレン(「r−CPE」)が、PVC/CPVCおよびPOゴムのための十分な相溶化剤として機能すること、ならびにb−CPEと作製されるブレンドの特性が、r−CPEと作製されるブレンドの特性より良好であることを開示した。部分的にランダムに塩素化されたポリエチレン(「pr−CPE」)に関する比較可能な開示は存在しない。r−CPEは、所望の量の塩素を含有するように、米国特許第3,110,709号;同第3,454,544号;同第3,563,974号;または同第5,525,679号に開示されるように調製され得る。r−CPEは、ゴム状であり、そして代表的に、約25重量%〜約45重量%までの範囲の結合したClを含有し、融解熱は、約0.1〜15cal/g未満の範囲である。Tyrin(登録商標)として市販されているr−CPEは、布地のコーティングとして使用される。pr−CPEは、r−CPEについて上に開示される様式と類似の様式で、調製され得る;pr−CPEは、約5重量%〜約50重量%までの範囲の結合したClを含有し得、融解熱は、約15〜50cal/gの範囲であり、そしてpr−CPEの残留結晶性が、以下の式:
【0009】
【数1】

【0010】
によって定義されるより低い点で、約15〜約50%の範囲の結合したCl含有量を有するb−CPEと区別可能である。ここで、
【0011】
【数2】

【0012】
は、残留ポリエチレン結晶性の融合エンタルピーである(特許文献2を参照のこと)。
【0013】
約15%〜20%の範囲で、r−CPEおよびpr−CPEの残留結晶性は、およそ等しい。塩素化ポリオレフィンの塩素含有量が5〜50%の範囲内である限り、残留結晶性は重要ではないが、より高い残留結晶性の材料が好ましい。
【0014】
上記塩素化ポリエチレンについて与えられる値は、PEXまたはPEと共押出し可能なコアに特に関することが、理解される。類似の様式で、ランダムに塩素化されたPPおよびPB;部分的にランダムに塩素化されたPPおよびPB;ならびにブロック状のPPおよびPBが調製され得るが、対応して異なる塩素含有量を有する。
【0015】
非混和性ポリマーのブレンド(例えば、PVC/CPVCとポリオレフィンゴム)の、より良好な衝撃特性を提供することは、特許文献2の重要な点であった。b−CPOの使用は、特定の機能(すなわち、相溶化剤または界面薬剤(interfacial agent))に関し、この機能は、ランダムに塩素化されたポリオレフィン(r−CPO)より予測不可能に優れており、そして推定により、部分的にランダムに塩素化されたポリオレフィン(pr−CPO)より優れていた。このような薬剤の有効性は、その特性、主として、分散相のサイズを制御する能力、この相を合体に対して安定化させる能力、および非混和性の相の間の界面接着を増加させる能力(これらの特性のいずれも、b−CPOの、POの外側層に結合可能な内側層としての押出し性にも、b−CPOの酸化剤分子に対するバリアとしての有効性にも、相関可能ではない)によって決定される。個々の相溶化剤または界面薬剤が機能し得る特定の機構にかかわらず、b−CPOの相溶化剤または界面薬剤が、適合する条件下で共押出し可能であるように選択された対応するPOと実質的に同じ処理条件下で結合的に共押出し可能であることを示唆するものは、何もない。共押出しされる場合に、r−CPO、pr−CPOまたはb−CPOのいずれかが、対応するPOとの粘着結合を形成するという示唆;特に、r−CPE、pr−CPEまたはb−CPEのいずれかが、PEXとの粘着結合を形成するという示唆は、存在しない。
【0016】
このような「粘着結合」は、b−CPEの層がPEX層の間に挟まれた、PEX層の三層パイプを共押出しすることによって、実証される;これらのPEX層を、リング剥離試験(ASTM F1281−99 セクション9.3.2)において引き離すことにより、b−CPEがPEX表面に接着する部分が示された。このことは、PEXの分子の間の結合が、b−CPEの分子の間の結合より強いことを示す。同じことが、挟まれたr−CPE層およびpr−CPE層について;ならびに同様に、ランダムに塩素化された低級ポリオレフィン、部分的にランダムに塩素化された低級ポリオレフィン、およびブロック状の他の低級ポリオレフィンについて(ポリプロピレンであってもポリブテンであっても)真実である。「二層」のパイプおよび「三層」のパイプによって、ポリ(低級)オレフィンの層に対して言及がなされ、そしてさらに含まれ得る任意の接着剤の層を言及しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】国際公開第99/49254号パンフレット
【特許文献2】米国特許第6,124,406号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
(発明の要旨)
家庭用の水送達における非ハロゲン化ポリオレフィン(「PO」)のパイプ内からの酸化的損傷は、このパイプが代表的に使用される環境におけるこのパイプの外側からの酸化的損傷よりはるかに大きく、そしてこのようなパイプは、酸化抵抗性の塩素化ポリオレフィンの内側管状コアによって、効果的に保護される;POパイプの外側の保護は、必要ではない。
【0019】
本発明は、以下を提供する。
(項目1)
任意の長さおよび断面の細長中空本体であって、ポリ(C〜C)オレフィンの外側層および管状コアを備え;該管状コアは、該本体の本質的に全長と同一の広がりを有し、該外側層は、塩素化低級ポリオレフィンを含む該管状コアに結合されており、該塩素化低級ポリオレフィンは、ランダムに塩素化されたポリオレフィン(r−CPO)、部分的にランダムに塩素化されたポリオレフィン(pr−CPO)およびブロック状に塩素化されたポリオレフィン(b−CPO)からなる群より選択され、該低級オレフィンが、2〜4個の炭素原子を有し、そして該管状コアの塩素含有量が、5〜約50重量%の範囲である、細長中空本体。
(項目2)
二層パイプである、項目1に記載の中空本体であって、前記ポリオレフィンの外側層が、架橋したポリエチレンであり、前記管状コアは、ランダムに塩素化されたポリエチレン(r−CPE)、部分的にランダムに塩素化されたポリエチレン(pr−CPE)およびブロック状に塩素化されたポリエチレン(b−CPE)からなる群より選択される、中空本体。
(項目3)
前記塩素化低級ポリオレフィンが、ブロック状に塩素化されたポリオレフィンであり、前記ブロック状に塩素化されたポリオレフィンのブレンド成分に対して、より大きい割合の重量で存在し、そして該ブレンド成分が、ポリ(低級オレフィン)ゴム、低級オレフィン−ジエンエラストマー、ポリ(塩化ビニル)、加工助剤、安定化剤、衝撃改質剤、不活性充填剤、および顔料からなる群より選択される、項目1に記載の二層パイプ。
(項目4)
前記管状コア内の前記ブレンド成分が、該管状コア内の化合物の合わせた重量に基づいて、約1重量%〜20重量%の範囲の量で存在する、項目3に記載の二層パイプ。
(項目5)
前記ポリオレフィンゴムが、(i)重合した低級(C〜C)モノオレフィンならびに(ii)重合した低級(C〜C)モノオレフィンおよびジエンからなる群より選択され、約1重量%〜10重量%の範囲の量で存在する、項目4に記載の二層パイプ。
(項目6)
前記管状コアが、半径方向に測定する場合に0.025mm〜0.5mmの範囲の壁厚を有し、そして前記外側層の壁厚が、同じ公称直径を有する従来のポリ(低級)オレフィンパイプの公称壁厚と本質的に同じである、項目1に記載の二層パイプ。
(項目7)
約7mm(0.25インチ)〜約152mm(6インチ)の範囲の公称直径を有し、そして約1.57mm(0.062インチ)〜約17mm(0.681インチ)の範囲の壁厚を有する、項目2に記載の二層パイプ。
(項目8)
前記外側層が、架橋ポリエチレン(PEX)であり、そして前記管状コアが、ランダムに塩素化されたポリエチレン(r−PCE)、部分的にランダムに塩素化されたポリエチレン(pr−CPE)およびブロック状に塩素化されたポリエチレン(b−CPE)からなる群より選択されるポリマーである、項目7に記載の二層パイプ。
(項目9)
前記管状コアが、(i)示差操作熱量測定法によって測定される場合に、約110℃〜約140℃の範囲の融解温度、ならびに(ii)アモルファス相および結晶相を有する、ブロック状に塩素化されたポリエチレン(b−CPE)であり、該塩素化されたポリエチレンが、該塩素化されたポリエチレンの重量に基づいて、約15重量%〜約50重量%の結合した塩素を含む、項目8に記載の二層パイプ。
(項目10)
前記管状コアが、前記パイプの機械的特性が従来のPEXパイプの機械的特性と実質的に区別不可能であり、そして該パイプの曲げ率がPEXの曲げ率を超えて20%よりは大きくないような壁厚を有する、項目8に記載の二層パイプ。
(項目11)
三層パイプを形成するように、前記架橋ポリエチレン層の外側表面に直接粘着結合した、ポリ(低級)オレフィンの第三の層をさらに備える、項目8に記載の二層パイプ。
(項目12)
ポリ(低級)オレフィンの第三の層を備え、前記ポリ(低級)オレフィンの外側層と、該第三の層とが、前記管状コアに対して任意の相対順序で結合されている、項目7に記載の二層パイプ。
(項目13)
任意の長さおよび断面の細長中空本体であって、間に中間層を有するポリ(低級)オレフィンの外側層および管状コアを備え;該管状コアおよび中間層は、該本体の本質的に全長と同一の広がりを有し、該ポリ(オレフィン)の層が、該中間層に結合され、該中間層が、次に、該管状コアに結合されており;該中間層が、ポリマー性接着剤を含み、該管状コアが、ランダムに塩素化されたポリオレフィン(r−CPO)、部分的にランダムに塩素化されたポリオレフィン(pr−CPO)およびブロック状に塩素化されたポリオレフィン(b−CPO)からなる群より選択される塩素化低級ポリオレフィンを含み、該低級オレフィンが、2〜4個の炭素原子を有する、細長中空体。
(項目14)
前記接着層が、不飽和カルボン酸およびその誘導体からなる群より選択される活性残基を有する、低級ポリオレフィンおよび酢酸ビニルからなる群より選択されるグラフトコポリマーである、項目13に記載の中空本体。
(項目15)
前記低級ポリオレフィンが、ポリエチレン(LLDPE、MDPEまたはHDPE)およびポリプロピレンからなる群より選択され、そして前記活性残基が、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ジカルボン酸、ハロゲン化物、アミド、イミド、無水物またはこれらのエステルからなる群より選択される、押出し可能なポリマーからなる群より選択される、項目13に記載の中空本体。
(項目16)
任意の長さおよび断面の細長中空本体を形成する方法であって、以下:
塩素化低級ポリオレフィンの管状コアを、約150℃〜225℃の範囲の第一の平均温度で押出しする工程であって、該塩素化低級オレフィンが、ランダムに塩素化されたポリオレフィン(r−CPO)、部分的にランダムに塩素化されたポリオレフィン(pr−CPO)およびブロック状に塩素化されたポリオレフィン(b−CPO)からなる群より選択され、該低級オレフィンが、2〜4個の炭素原子を有する、工程;
ポリ(低級)オレフィンの外側層を、該塩素化低級ポリオレフィンの管状コアと同一の広がりで、該第一の平均温度より高い、約150℃〜250℃の範囲の第二の平均温度で共押出しする工程;ならびに
該外側層が該管状コアに粘着結合した共押出し物を取り出す工程、
を包含する、方法。
【0020】
ポリオレフィンのパイプ(「POパイプ」)の外側層は、内側管状バリア層(「コア」)を備え、この内側管状層は、重量の大部分の、ランダムに塩素化されたポリ(低級オレフィン)(「r−CPO」)、および/または部分的にランダムに塩素化されたポリ(低級オレフィン)(「pr−CPO」)、および/またはブロック状にランダムに塩素化されたポリ(低級オレフィン)(「b−CPO」)を含有し、このコアは、接着剤なしで、外側層の内側表面に直接粘着結合し、pr−CPOもしくはpr−CPOブレンド;および/またはb−CPOもしくはb−CPOブレンド;および/またはr−CPOもしくはr−CPOブレンド(これらのブレンドは、個々にかまたは一緒に、「CPO/bl−CPO」と称される)は、外側のPO層が押出しされるのとおよそ同じ温度およびおよそ同じ圧力で、押出し物を提供するように選択され、その結果、ハロゲン化(代表的に、塩素化)されたコアと、非ハロゲン化(代表的に、非塩素化)外側層との嵌合表面が、接着機能を提供するためのいずれの他の材料もなしで、自己接着的に結合される。
【0021】
特に、二層PEXパイプまたは三層PEXパイプは、好ましくは、本明細書中に記載されるような従来の同軸押出機において、共押出しによって形成され、「CPO/bl−CPO」の薄い壁のコアを生じ、このコアは、同じ外径の、従来のPEXパイプの機械的特性から実質的に区別不可能な機械的特性を有し、そして実質的に、可撓性を犠牲にしない;特に、CPE/bl−CPE(CPEもしくはCPEのブレンド)の積層押出し物の曲げ率は、PEXの曲げ率を20%超えては大きくなく、好ましくは15%を超えては大きくない。
【0022】
押出しの温度において効果的な安定化剤で安定化された、上記のようなCPO/bl−CPOは、選択されたPO(例えば、PEX)が押出しされるのと同じ範囲の温度および圧力で、容易に押出し可能であり、その結果、適合する条件下での、CPO/bl−CPOの内側コアの上でのPOの外側層の共押出しは、中間接着剤層なしで、これらの界面において粘着結合した外側層およびコアを生じる;POの選択が、CPO/bl−CPOコアと外側のPO層との間の粘着結合が得られないような選択である例において、CPO/bl−CPOとPOとの間の満足な直接結合は、POおよびCPO/bl−CPOについての共押出し条件下で押出し可能なポリマー性接着剤の中間層の適切な選択によって得られ得、この共押出しは、好ましくは、接着剤中間層の両側の各隣接層の間の粘着結合を提供する。複合管状本体の改善された酸化抵抗性は、酸素の進入速度「P」によって得られる。塩素化された層については、ポリオレフィンそうについてより高くあり得る。
【0023】
任意の長さおよび断面の中空多層押出し物は、POの外側層およびCPO/bl−CPOの管状コアを有する;POの外側層の壁厚は、利用される国の命令された制限に従い、そしてこのコアは、市場の要求によって命令される最小内径と実質的に同じ内径を有する。
【0024】
特定の新規な参加抵抗性の薄い壁の二層パイプは、従来のPEXパイプと実質的に同じ外径を有する;この新規な二層パイプは、PEXの外側層およびb−CPEもしくはb−CPEブレンドの管状コアを有する;この押出し物は、約7mm(0.25インチ)〜約152mm(6インチ)の範囲の公称直径、および約1.57mm(0.062インチ)〜約17mm(0.681インチ)の範囲の壁厚(それぞれ、ASTM F876およびF877に詳述される)を有する;この新規なパイプの全体の寸法は、選択される環境におけるその使用を記載する仕様に適合する;各場合において、コアの厚さは、飲用水中に存在する酸化剤による、PEXの外側層の酸化的損傷を、実質的に無効にするために十分である。このコアは、半径方向に測定される場合、パイプの直径に依存して、約25μm(0.025mm)〜0.5mmの範囲の壁厚を有し、そしてこの外側層の壁厚は、同じ公称直径を有する従来のPEXパイプの公称壁厚と本質的に同じである。
【0025】
約5重量%以上であるが50重量%未満のClを含有するpr−COP(このうちのいくらかは、結晶性PO相である)、および特に、約5重量%以上であるが20重量%未満のClを含む、部分的にランダムに塩素化されたPE(「pr−CPE」)(このうちのいくらかは、結晶性PE相である)は、PEまたはPEXを用いる適合する条件下で、押出し可能である。また、PEまたはPEXと同様に押出し可能なものは、pr−CPE(「bl−pr−CPE」)およびPOゴムのブレンドであり、ここで、POゴムのブレンドは、pr−CPEおよびPOゴムの合わせた重量と比較して、重量がより少ない割合で存在する。
【0026】
本発明の上記およびさらなる目的および利点は、本発明の好ましい実施形態の概略的な図示と組み合わせて、以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解される。これらの図示において、同じ参照番号は、同じ要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、(i)POの外側層および(ii)b−CPO、またはb−CPOとエラストマーとのブレンドの管状コアを有する、二層パイプの、大いに拡大された、同一縮尺ではない断面図である。
【図2】図2は、(i)POの外側層、(ii)接着剤の中間コーティングおよび(iii)b−CPO、またはb−CPOとエラストマーとのブレンドの管状コアを有する、積層パイプの、大いに拡大された、同一縮尺ではない断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
b−CPO表面またはr−CPO表面またはpr−CPO表面のいずれかの、PO表面への接着は、PVC相またはCPVC相のいずれか、あるいは両方の層に分散した、ポリオレフィンゴムの間の良好な接着を提供する界面薬剤の特定の特徴によっては、予測され得ない。さらに、5重量%〜50重量%未満のClを含有する、b−CPO、r−CPOおよびpr−CPOは、各々、およそ同じ温度および圧力で押出しされるので、b−CPO、r−CPOまたはpr−CPE(対応する塩素化ポリオレフィン)の上でのポリオレフィン(すなわち、PEX)の押出しは、上に重なるPEXの下で管状コアとして流れる、塩素化されたポリオレフィンの円筒形の相の一体性を維持することを予測することが合理的であったが、得られる結合の型は、予測可能ではない(特に、管状コアの所望の壁厚が0.5mm(0.020インチ)未満である場合)。
【0029】
さらに、b−CPOで相溶化された、PVC/CPVCおよびポリオレフィンゴムのブレンドは、いずれも分解しない温度で容易に押出し可能であるが、このような押出し物が、適合する共押出し条件下で、押出し物のPO表面に満足に自己接着するか否かを予測し得ない。従って、任意の塩素化されたPO、および特に、PE(b−CPEであっても、r−CPEであっても、pr−CPEであっても、上記のもののいずれか1つのブレンド(「bl−b−CPO」)であっても)が、層(積層)が粘着結合された押出し物を生じるように共押出しされることを予測する理由は、存在しない。ポリオレフィンゴムとのブレンドにおいて、塩素かPOは、重量が多いほうの割合で存在する。類似の様式で、対応するランダムに塩素化されたPPおよびPB、部分的にランダムに塩素化されたPPおよびPB、またはブロック状に塩素化されたPPおよびPB、あるいは1つのものと別のものとの混合物は、対応するPPおよびPBについての適合条件下で共押出し可能である;そして前者の各々は、隣接する塩素化されていない層との粘着結合を形成する。
【0030】
塩素化POまたはそのポリオレフィンゴムとのブレンドのいずれかは、従来のブレンド成分を含有し得、ここで、塩素化POは、ブレンドされたCPOの重量に基づいて、重量の多い方の量で存在する。ブレンド成分は、好ましくは、コア中の化合物の合わせた重量の約20重量%未満の量で存在する。好ましいブレンド成分は、低級オレフィンゴム、低級オレフィン−ジエンエラストマー、およびPVCからなる群より選択され、そして約1〜10%の範囲の量で使用され、そしてさらに、従来のブレンド成分として使用される、加工助剤、安定化剤、衝撃改質剤、不活性充填剤、および顔料を、さらに含有し得る。
【0031】
b−CPE、pr−CPEおよびr−CPEは、各々、同じ条件下または異なる条件下のいずれかで形成され得、あるものは、そのCl含有量の分布および結晶性により、他のものと区別可能である。各々は、PO、および特に、PEXと共押出し可能であり、そして各々が、PEXと粘着結合を形成する。このことは、b−CPE、r−CPE、またはpr−CPEの層が、PEXの層の間に挟まれ、そしてこれらのPEXの層が、リング剥離試験(ASTM F1281−99、セクション9.3.2)において引き離される場合に明らかである。本明細書中以下で、簡潔にするために、b−CPOまたはpr−CPOまたはr−CPO、あるいはこれらの組み合わせ、あるいは上記のもののいずれか1つと、塩素化されるPOについての重量が少量の従来のブレンド成分とのブレンド(必要に応じて、安定化剤および衝撃改質剤を含有する)は、一緒に、「CPO/bl−CPO」と称される。従って、(i)b−CPEもしくはb−CPEのブレンド(「bl−b−CPE」);および(ii)pr−CPEもしくはpr−CPEのブレンド(「bl−pr−CPE」);および(iii)r−CPEもしくはr−CPEのブレンド(「bl−r−CPE」)(これらのブレンド「bl−PCE」のいずれかは、重量で少量のブレンド成分を含有する)は、「CPE/bl−CPE」と称され、ここで、「CPE」とは、b−CPE、r−CPEおよびpr−CPEのうちの1つ以上を示し、そして「bl−CPE」とは、ブレンド成分を含むCPEを示す。特に、好ましいコアは、bl−CPEのブレンド、すなわち、1つ以上のブレンド成分とブレンドされたb−CPEのコアである。
【0032】
外側層は、任意の押出し可能なポリオレフィンまたはそのブレンドであり得、これは、本明細書中に記載される、塩素化ポリオレフィンの管状コアと共押出し可能である。本発明の特定の最良の形態において、各層が互いに十分に結合するために十分に厚い温度で、約150℃〜約225℃の温度範囲で作動する従来の共押出しシステムを使用して、円筒形のb−CPE層および/またはpr−CPE層および/またはr−CPE層の上に押出しされる円筒形のPEXの外側層が参照され、別の塩素化されたかまたは塩素化されていないPOの外側層(シース)が、これが分解なしで押出し性を有する場合、特に、仕上げられたパイプの壁厚に関して命令される制限がない場合に、提供され得ることが理解される。このようなポリオレフィンとしては、架橋していないPE、PP、またはPB、あるいは1つのものと別のものとの、従来押出し可能なコポリマーまたはブレンドが挙げられる。b−CPE、r−CPEおよびpr−CPEは、最も好ましい。なぜなら、塩素化されたPP(b−CPPであっても、r−CPPであっても、pr−CPPであっても)および塩素化されたポリブテン(b−CPBであっても、r−CPBであっても、pr−CPBであっても)は、適合する押出し条件を有するPPまたはPBと一緒に共押出しされる場合でさえも、分解する傾向がある。代表的に、塩素化低級ポリオレフィンの管状コアは、約150℃〜220℃の範囲の第一の平均温度で、第一の押出機において押出しされ、そしてポリ(低級)オレフィンの外側層は、約150℃〜250℃の範囲の第二の平均温度で、第二の押出機において、塩素化低級ポリオレフィンの管状コアの上に、同じ広がりで共押出しされる。押出機の前駆体供給ゾーンは、好ましくは、120℃〜170℃の範囲である。
【0033】
PEXにおける架橋は、反応性官能基によって化学的にか、またはフリーラジカル反応によってかのいずれかで作製され得る;前者は、代表的に、シラン架橋を用いてもたらされ、一方で、後者は、例えば、Engelプロセスにおいてのように、照射によってかまたはペルオキシド架橋剤を用いてかのいずれかで、もたらされる。照射による架橋は、代表的に、臨界制御を用いて電子ボンバードメントによって、室温で起こる。最も好ましいものは、別々の押出しプロセスにおいてPE骨格にグラフト重合された、ビニルトリメトキシシラン基またはビニルトリエトキシシラン基との架橋である。グラフト重合されたPEのペレットは、触媒、安定化剤、癌量、加工除剤、酸化防止剤などを含有するマスターバッチと混合され、そして押出しされて、部分的に架橋したPEのパイプを生じる。このパイプは、水への暴露によって、さらに架橋される。
【0034】
特定の押出し物は、(i)PEXの外側層、および(ii)bl−b−CPEの管状コアを備え、この管状コアは、本質的にパイプの全長と同一の広がりを有し;この管状コアは、さらなる接着材料なしで、PEXの外側層の内側表面に直接粘着結合する。この管状コアはまた、PEXの外側層を共押出しするために必要とされるものと実質的に同じ条件で押出し生計物を提供するために十分に高い分子量および約15%〜45%、代表的には20%〜30%の塩素含有量を有する、CPE/bl−CPEであり得る。b−CPEまたはpr−CPEの分子量は、融解粘性係数によって測定される場合に、好ましくは、ASTM D−1238−Fを使用して、0.1g/10分〜1000g/10分の範囲である;上限近くの値において、すなわち、190℃で50g/10分より高い粘度を有する非常に流体性の材料(条件F)については、ASTM D−1238−Eを使用することが望ましい;r−CPEの分子量は、ASTM D−1646に従って、121℃(250°F)において、約20〜140,ML(1+4)の範囲のムーニー粘度内にある。
【0035】
最も好ましいb−CPEは、(a)DSC(示差操作熱量測定法)によって測定される場合に、約110℃〜約140℃の範囲の融解熱、ならびに(b)アモルファス層および結晶層を有し、ここで、塩素化ポリオレフィンは、塩素化ポリオレフィンの重量に基づいて、約20重量%〜約50重量%の結合塩素を含有する。pr−CPEは、存在する場合、pr−CPEの重量に基づいて、5%重量%〜20重量%未満の範囲の塩素含有量を有する。bl−CPEは、ブレンド成分が存在する場合、低級モノオレフィンゴムおよび低級モノオレフィン−ジエンゴムからなる群より選択される、約1〜10重量%のゴム;ならびに必要に応じて、さらに、1〜10重量%のPVCを含有し、加工助剤、安定化剤、衝撃改質剤(好ましくは、アクリル衝撃改質剤)、不活性充填剤、顔料ならびに加工性および物理的特性を最適にするために通常使用される他の添加剤を含有しない。
【0036】
b−CPEのコアは、PEXの外側層に、同一の広がりを有する保護を提供する。なぜなら、酸素の透過速度(「OTR」)および侵入速度(「P」)が各々、PEXについてよりb−CPEについてずっと低いからである。PEXについての代表的な平均「OTR」は、23℃で約116.75cc/m・日であり;そしてb−CPEについては、37.9cc/m・日である。PEXについての代表的な平均「P」は、約2689cc・ミル/m・日・atmであり;そしてb−CPE(23%Cl)については、796cc・ミル/m・日・atmであり;b−CPE(26%Cl)については、523cc・ミル/m・日・atmである。Tyrin(登録商標)(ランダムに塩素化されたPE)についての代表的な平均「P」は、20%Clおよび30%Clについてそれぞれ、約4340cc・ミル/m・日・atmおよび2480cc・ミル/m・日・atmであり、全ての「P」は、23℃で測定される。b−CPEの保護的なコアなしでは、PEXは、P.Vibienらによる文献(前出)に記載されるように、飲用水中に存在する塩素との反応による分解を受けやすい。
【0037】
代表的な押出し物は、約7mm(0.25インチ)〜約25mm(1インチ)の範囲の公称直径、およびそれぞれ約1.57mm(0.062インチ)〜約3mm(0.125インチ)の範囲のその積層壁の厚さを有する;管状コアの壁厚は、半径方向に測定される場合、好ましくは、約0.025mm(1ミル)〜約0.25mm(10ミル)の範囲であるが、より大きい直径のパイプについては、0.5mm程度に厚くあり得る。このような押出し物は、0.1ppm〜約5ppmの範囲の微量の遊離塩素(酸化剤)を含有する流体(例えば、水)(特に、飲用水)を、約5℃〜約100℃の範囲の温度および大気圧〜約790kPa(100psig)の範囲の圧力で、運ぶために有用である。
【0038】
図1を参照すると、共押出しされた多層パイプが概略的に示されており、このパイプは、一般に、参照番号10によって示され、界面13において接着剤なしで結合された、外側層11およびコア12を有し;外側層11は、熱水および冷水のサービスのために最も通常使用される、PEXである。HDPE、MDPEおよびLLDPEは、その材料仕様がASTM D−2104、セクション5の要件を満たすことを条件として、冷水サービスのために使用され得る。コア12は、外側層11がPEXである場合、b−CPEまたはbl−b−CPEである;あるいは、外側層11がPEXである場合、コア12は、pr−CPEまたはbl−pr−CPEであり得る;あるいは、外側層11がPEXである場合、コア12は、r−CPEまたはbl−r−CPEであり得る;あるいは、外側層11がPEXである場合、コア12は、必要に応じて他のブレンド成分を含む、上記のものの1つ以上のブレンドであり得る。類似の様式で、外側層11がPPである場合、コア12は、好ましくは、b−CPPまたはbl−CPP,あるいはこれら両方のブレンドである;そして外側層11がPBである場合、コア12は、好ましくは、b−CPBまたはbl−CPB,あるいはこれらの両方のブレンドである。従って、このブレンドは、好ましくは、POの外側層のモノマーと同じ塩素化モノマーのブレンドであり、その結果、各場合において、外側層はPOであり、そして共押出しされるバリア層は、塩素化された同じPOのブレンドである。各場合において、CPO−bl−CPOは、エチレン−プロピレンゴムおよび/またはEPDMと、好ましくは1〜10重量%の量で、そして必要に応じてさらに、1〜10重量%のPVCと、ブレンドされ得る。このジエンモノマーは、エチリデンノルボルネン(ENB)、ジシクロペンタジエン(DCPDM)、ビニルノルボルネン(VNB)、またはノルボルナジエン(NBD)から選択され、最も好ましくは、ENBである。最も好ましいブレンドは、(i)b−CPE/PVC/EPDMおよび(ii)b−CPE/EPDMである。
【0039】
別のさほど好ましくない実施形態において、二層パイプが、円筒形のPEXの外側層をポリマー接着剤の円筒形コーティングの上に、そして次に、このコーティングを、押出しされたb−CPEコアの上に、各層が互いに自己結合するために十分に厚い温度で、従来の共押出機を使用して押出しすることによって、形成され得る。PEXとCPE/bl−CPEとの両方に効果的に結合する、押出し可能なポリマーは、低級ポリオレフィン(好ましくは、PEまたはエチレン酢酸ビニル)と、不飽和カルボン酸またはその誘導体とのグラフトコポリマーであり、後者は、「活性残基(active stub)」と称される。活性残基を有するグラフトコポリマーは、これがコーティングされるポリマーの表面との、所望の結合を提供するために必要な結合を提供する。所望の結合は、グラフトコポリマーの極性に影響を与えること、または活性残基上の基の反応のいずれかによって得られると考えられる。不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ジカルボン酸;これらの誘導体(ハロゲン化物、アミド、イミド、無水物またはエステルが挙げられる)が挙げられる。PEの骨格上の無水マレイン酸およびエチレン酢酸ビニルの骨格上のアクリル酸メチルが、最も好ましく使用される。
【0040】
図2を参照すると、共押出しされた二層パイプが概略的に示されており、このパイプは、一般に、参照番号20によって示されており、POの外側層21、接着剤の中間コーティング22、およびb−CPOまたはbl−CPOの管状コア23を有する。外側のPO層21は、最も好ましくは、PEXであるが、上記のように、複数の塩素化されていない低級ポリオレフィンのコポリマーであり得る。中間コーティング22は、POとCPO/bl−CPOとの両方と少なくとも部分的に混和性であり、これによって、POおよびCPO/bl−CPOと共押出しされる場合に、これらの間に粘着結合を形成するように、各々(POの外側層およびCPO/bl−CPOのコア)と適合性であることが見出されている接着剤である。「粘着結合」とは、各隣接する層の間の結合(すなわち、界面24における接着剤/b−CPOの結合、および界面26における接着剤/POの結合)が、界面24でも26でも、これらの層の剥離が接着剤とb−CPOとのクリーンな分離も接着剤とPOとのクリーンな分離も生じないが、一方または他方(b−CPOまたはPO)上の接着剤の、損傷され得るかまたは実質的に損傷されずに残る一部分を含む分離を生じるほど強いことを意味する。従って、コア23がPEXであり、そして接着剤コーティング22が無水マレイン酸で修飾されたLLDPEまたはHDPEである場合、剥離は、コアに接着した接着剤の部分、またはPEXに接着した接着剤の部分を生じる。最も好ましいものは、b−CPE、またはEPDMゴムとブレンドされたb−CPEのコアである。
【0041】
コアがCPE/bl−CPEである実施形態の各々において、bl−CPEは、優勢な少量のブレンド成分として、ポリオレフィンゴムを含有し、CPE(r−CPE、pr−CPEまたはb−CPE)は、好ましくは、100部のブレンドあたり約75〜約99重量部(phr)の範囲、より好ましくは、約90〜99phrの範囲で存在し、このブレンドの残りの成分は、POゴム、PVC、加工助剤、安定化剤、不活性充填剤、顔料などである。POゴムは、エチレンおよびプロピレンのようなモノマー由来のポリオレフィンコポリマー、または直鎖ジエンもしくは二環式ジエンとのターポリマーであり得、これは、架橋のために、約10重量%のオレフィンを提供し、例えば、ENBまたはDCPD、1,4ヘキサジエン(4,4HD)またはVNBまたはNBDである。
【0042】
POの外側層、および特に、PEXは、好ましくは、公知の熱安定化剤、酸化防止剤、オゾン化防止剤など(これは、接着剤の濃度がコア層12に対するPOの外側層11の結合に有害な影響を与えないことを条件として、約10ppm〜100部のPOあたり約7部の範囲で存在し得る)によって、熱分解および酸化的分解に対して安定化される。外側層およびコアは、好ましくは、異なる安定化剤で安定化される。POは、好ましくは、一次酸化防止剤(例えば、Irganox 1010、Irganox 1076およびIrganox B215として市販されているものが挙げられるヒンダードフェノール);熱処理安定化剤として機能する二次酸化防止剤(Irgafos 168、Irganox PS802として市販されているものが挙げられる);ならびにさらに、ヒンダードアミンの光(UV)安定化剤(Tinuvin 111として市販されている)および顔料(例えば、二酸化チタンおよびカーボンブラック)、およびフッ素化流動助剤のような潤滑剤で安定化される。b−CPEは、上記のことに加えて、好ましくは、低級カルボン酸の塩(例えば、アルカリ金属のクエン酸塩、リン酸の塩、ポリオール、またはエポキシ化油)および熱安定化剤(例えば、ジブチルスズ安定化剤)で、100部のPOあたり約0.01〜約2部の量で安定化される。これらの他の安定化剤は、約0.1〜約7重量部の量で使用され得る。Dynamar(登録商標)フッ素化流動助剤、パラフィン蝋、低分子量ポリエチレン、酸素化ポリエチレン、脂肪酸およびこれらの塩、脂肪アルコール、金属石鹸、脂肪アミン、脂肪エステルのような潤滑剤は、PEXとb−CPOとの両方に含まれ得る。充填剤は、任意であり、そして粘土、シリカ、珪灰石、雲母、重晶石、炭酸カルシウム、カーボンブラック、二酸化チタン、および滑石が挙げられる。EPゴムまたはEPDMゴムが、衝撃改質剤として、コアに添加され得る。
【0043】
CPE/b−CPEの管状コアで内側がコーティングされたPEXの共押出しは、多層パイプダイヘッド(Rollepaalから市販されており、そしてそこの販売用小冊子に記載されている)に供給する、複数の押出機を用いて実施される。ダイヘッドの長手方向軸の長さに沿った複数のゾーンの各々の温度は、各ゾーンの温度が、形成される積層体を次第に加熱するように調節されることを可能にする。二層のパイプが形成される場合、2つの押出機が使用される;第一の押出機は、PEXを、ダイヘッドの第一のポートに供給し、そして第二の押出機は、bl−b−CPEを、ダイヘッドの第二のポートに供給する。第二のポートから、bl−b−CPEが分配分岐に流入し、これらの分岐は、内側の環状ゾーンと開いて連絡し、そして切頭円錐のマンドレルを覆う。第一のポートから、PEXは、分配分岐に流入し、これらの分岐は、外側の環状ゾーンと開いて連絡し、そして切頭円錐のマンドレルを覆って流れるbl−b−CPEを覆う。bl−b−CPEの管状内側コアが、形成される外側のPEXパイプの内側表面と接触すると、二層積層体が形成される。
【0044】
類似の様式で、三層のパイプが形成される場合、3つの押出機が使用される;第一の押出機は、PEXを、ダイヘッドの第一のポートに供給する;第二の押出機は、bl−b−CPEを、ダイヘッドの第二のポートに供給する;そして第三の押出機は、接着剤を、ダイヘッドの第三のポートに供給する。二層のパイプにおいてと同様に、熱いPEXおよびbl−b−CPEの流れは、切頭円錐のマンドレルを覆って流れるが、さらに、接着剤が、このマンドレルを覆う円筒形コーティングで、PEX層とbl−b−CPE層との間で流れる。従って、これらの2つのポリオレフィン層は、接着剤と接触して、これらの間に接着剤が挟まれた三層のパイプを形成する。
【0045】
以下の例示的な実施例において、「部」への言及は、他に示されない限り、重量部をいう。
【実施例】
【0046】
(PEXパイプの押出し)
市販のシラングラフト化ポリエチレンベースの樹脂(ASTM D1505に従って測定された0.945g/cmの密度およびASTM D1238の条件FまたはASTM D1928の手順Cに従って測定された35g/10分のメルトインデックスを有する)を、市販の触媒マスターバッチ(ASTM D1238の条件Eに従って測定された1.5g/10分のメルトインデックスおよびASTM D1505またはASTM D1928の手順Cに従って測定された0.935g/cmの密度を有する)と混合した。この混合物は、96重量%のシラングラフト化ポリエチレンおよび4重量%の触媒マスターバッチを含有した。このブレンドを、2 1/2Davis−Standard(機械の名称)一軸スクリュー押出機上に位置するホッパーに供給した。この押出機は、汎用ポリオレフィン加工スクリュー、ブレーカープレートおよび多目的1インチ(2.54cm)ダイを備えた。単層パイプを、以下の表1に記載される加工条件下で、連続的に押出した:
【0047】
【表1】

【0048】
次いで、パイプサンプルを、82℃に設定された水浴中に16時間入れることによって、後架橋させた。このように得られるパイプは、ASTM D2765に従って測定される場合、75%過剰のゲル含有量を有する。
【0049】
(b−CPEパイプの押出し)
市販のポリエチレン樹脂(ASTM D1238−Eに従って、0.961の密度および8.4g/10分のメルトインデックスを有する)を、’406特許に記載されるように塩素化して、30重量%の結合Clを有するブロック状CPE(b−CPE)を得た。100部のこの樹脂を、1.0部の二酸化チタンおよび0.25部の市販のヒンダードフェノール系酸化防止剤と、Henschelミキサー中で室温で混合した。この調合物を、Leistritz 27平行二軸スクリュー押出機で、以下の表2に記載される条件下で、3/4インチのSDR−11パイプ(表1、ASTM D−2846を参照のこと)に首尾よく加工する:
【0050】
【表2】

【0051】
部分的にランダムに塩素化されたCPE(pr−CPE)を、適切な温度で、b−CPEを調製するために使用されるものと類似の様式で、塩素化をpr−CPE注12%に制限して、調製し得る。100部のpr−CPEを、5部のEPDMゴムとブレンドして、ブレンドを得ることが可能であり、このブレンドは、PEXとの共押出しに適切な条件下で、押出し可能である。
【0052】
(PEX/b−CPEパイプの共押出し)
上に記載されたものと類似の様式で、1インチ(2.54cm)の押出しダイの内部構成要素を、2層配管構造体を可能にするように改変した。このパイプ構造体を、薄いb−CPE層を、より熱い架橋可能なシラングラフト化ポリエチレンの外側層の内側に押出しするように設定した。
【0053】
市販のシラングラフト化ポリエチレンベースの樹脂(ASTM D1505に従って測定された0.945g/cmの密度およびASTM D1238の条件Fに従って測定された35g/10分のメルトインデックスを有する)を、市販の触媒マスターバッチ(ASTM D1238の条件Eに従って測定された1.5g/10分のメルトインデックスおよびASTM D1505またはASTM D1928の手順Cに従って測定された0.935g/cmの密度を有する)と混合した。この混合物は、96重量%のシラングラフト化ポリエチレンおよび4重量%の触媒マスターバッチを含有した。このブレンドを、2 1/2Davis−Standard一軸スクリュー押出機上に位置するホッパーに供給し、2つの押出機のうちの第一のものは、改変された押出しダイに押出し物を提供した。この押出機は、汎用ポリオレフィン加工スクリューおよびブレーカープレートを備えた。加工条件下は、以下の表3に記載される:
【0054】
【表3】

【0055】
1 1/2Davis−Standard一軸スクリュー押出機(第二のもの)を使用して、b−CPEペレットを押出し、b−CPE押出し物を、改変された押出しダイに提供した。b−CPEペレットは、26.4重量%のCl含有量を有し、そして’406特許に記載されるように塩素化されたポリエチレン樹脂から作製されるb−CPE樹脂の、標準的な融解加工によって調製された。b−CPE樹脂を、以下の表4に記載される条件下で融解加工し、そして1インチ(2.54cm)の押出しダイのサイドポートに供給した。
【0056】
【表4】

【0057】
(寸法の適合)
以下の寸法(括弧内にインチで与える)は、単層(単一の材料から作製される壁)の19mmのSDR−9 PEXパイプについて、ASTM F−876およびASTM F−877によって特定される:
【0058】
【表4A】

【0059】
22.22±0.1mm(0.875インチ±0.004)の外径を有する、19mm(0.75インチ)の公称直径のパイプについての以下の寸法は、2つの管状二層共押出し物「A」および「B」(これらが2つ以上の材料から作製される多層パイプに適合することを除いて、各々が、ASTM F−876およびASTM F−877に記載される仕様に適合する)について特定されている。しかし、これらの管状コアは、以下の表5において、異なる壁厚を有する(括弧内にインチで与える):
【0060】
【表5】

【0061】
従って、異なる壁厚を有する2つのバリア層が、必要とされる仕様に適合するように押出しされる。
【0062】
(匹敵する曲げ率)
上記二層パイプAおよびBの製造と類似の様式で、同じ19mm(0.75インチ)の公称配管サイズを有する二層パイプ「C」を、PEX(メルトインデックス35g/10分(ASTM D1238−F))を用いて製造し、これは、27.2%の結合Clを有するb−CPEの管状コア、0.127mm(0.005インチ)の壁厚、および2.54mmの全体の壁厚を有する。その曲げ率は、同じ壁厚、ならびに同じ公称直径および外径を有する、同じPEXの押出しされたパイプ「D」の曲げ率に匹敵した。ASTM D790−95Aの方法1、手順Aに従って、5.08cm(2インチ)の間隔、速度=1.27mm/分(0.05インチ/分)およびL/d=16/1を使用して、曲げ率について試験を実施した。この試験は、以下の表6に提供される5つのサンプルの平均である:
【0063】
【表6】

【0064】
b−CPEのコアを用いると、曲げ率の約8.7%のみの増加が存在することが明らかである。
【0065】
(粘着結合した三層パイプ)
三層パイプ(3つのポリオレフィン層)のサンプルを、3つの押出機を使用することによって、調製した。これらの押出機は、それぞれ、ポリマー押出し物X、YおよびZを、Rollepaal三層パイプダイヘッドと類似の設計を有するダイに供給し、三層のパイプX/Y/Zを製造し、ここで、層Yは、層XとZとの間に挟まれており、そしてZが、内側層である。押出機の各々における温度は、約150℃〜190℃の作動範囲を提供するように設定される。図2を参照すると、ポリ(低級)オレフィンの層が、接着剤コーティング22の代わりに使用される。以下の三層パイプを作製する:
A.PEXが、2つの押出機によって供給され、ここで、X=Z=PEXである;第三の押出機は、c−CPEを供給し(Y=b−CPE)、各々が約0.86mm(0.034インチ)の厚さのPEX層の間に挟まれた、0.05mm(0.002インチ)の厚さのb−CPE層を製造する。
【0066】
三層パイプの4つのサンプル(以下の表7の1〜4)を、0.05mmのb−CPEの層が間に挟まれた0.86mmのPEX層を用いて調製した。3つの異なる密度およびメルトインデックス(「m.i.」ASTM D−1238−Eに従って、0.35〜8.4g/10分)を有するPEで出発して、3つの異なるCl含有量を有する4つのb−CPEを製造した。各b−CPEを、PEX層の間の層として押出した。各サンプルについての、PEXとb−CPEとの結合の強度を、23℃および95℃にて、ASTM F1281−99のセクション9.3.2に従って測定した。
【0067】
B.類似の様式で、三層のパイプX/Y/Zを製造し、ここで、2つの押出機は、層XおよびZとしてPEXを供給し、そして第三の押出機は、Y=r−CPEまたはpr−CPEを供給して、上記「A」において製造されたパイプと同じ厚さを有する、それぞれPEX/r−CPE/PEXおよびPEX/pr−CPE/PEXの三層のパイプを製造する。以下の表7のサンプル5において、使用されたr−CPEは、Dupont Dow
Elastomersから入手可能なTyrin 3615Pである。PEXとTyrinとの結合の強度を、23℃および95℃にて、ASTM F1281−99のセクション9.3.2に従って測定した(括弧内に米国単位で与える)。
【0068】
【表7】

【0069】
表面の試験は、PEXと挟まれた層との間の粘着結合を示す。
【0070】
C.上記AおよびBと類似の様式で、PPが2つの押出機によって供給され(ここで、X=Z=PP)、そして第三の押出機がb−CPPを供給する(Y=b−CPP)場合に、製造され、各々が約11mmの厚さを有するPPの層の間に挟まれた、0.5mmの厚さのb−CPP層を製造し得る。同様に、第三の押出機は、Y=r−CPPまたはpr−CPPを供給して、それぞれ、PP/r−CPP/PPおよびPP/pr−CPP/PPの三層パイプを製造し得る。これらの酸層パイプの各々のサンプルは、上記のように試験される場合、PP層とb−CPP層との間、pr−CPP層とr−CPP層との間の粘着結合を示す。
【0071】
D.3つの押出機が、ポリマー押出し物X、YおよびZをそれぞれ供給し、これらが、Rollepaal三層パイプダイヘッドと類似の設計を有するダイにおいて合わせられて、三層パイプX/Y/Zを製造し、ここで、層Yは、外側層Xと内側層Zとの間に供給される。
【0072】
0.5mMの厚さのb−CPE層、約2.54mmの厚さのPEX層、および約1.5mmの厚さのHDPE層を製造するための、X=HDPE;Y=PEXおよびZ=b−CPE。押出機内の温度を、約150℃〜190℃の作動範囲を提供するように、設定する。
【0073】
パイプのサンプルを、上記のように、PEX層とHDPE層とを引き離して試験する。表面の試験は、HDPEの一部分がPEXの上に残ることを示し、PEXとHDPEとの間の粘着結合を示す。
【0074】
(接着結合した二層パイプ)
E.PEX、接着剤「Y」およびb−CPEが、3つの押出機の各々によって供給され、ここで、X=PEX;Y=無水マレイン酸で修飾されたLLDPE、およびZ=b−CPEであり、0.5mmの厚さのb−CPE層、約2.54mmの厚さのPEX層、および約0.05mmの厚さの接着剤層を製造する。外側の層を引き剥がすと、表面の試験は、PEX表面とb−CPE表面との両方の上の接着剤の一部分が、PEXと接着剤との間、およびb−CPEと接着剤との間の粘着結合を示す。
【0075】
(最外層が接着剤で結合された三層パイプ)
F.三層パイプのサンプルを、4つの押出機を使用することによって調製し得る。3つの押出機は、それぞれポリマー押出し物X、YおよびZを供給し、そして第四のものは、接着剤「Q」を供給する。これらの押出し物は、Rollepaal型の四層パイプダイヘッド内で合わせられて、三層パイプX/Q/Y/Zを製造し得、ここで、層Qは、層XとYとの間に供給され、そしてZは、内側層である。
【0076】
G.PEX、b−CPE、Q=無水マレイン酸で修飾されたLLDPE、およびEVOHを、4つの押出機の各々によって供給して、X/Q/Y/Zを形成し、ここで、X=EVOH;Q=接着剤、Y=PEXおよびZ=b−CPEであり、0.05mmの厚さのb−CPE層、約2.54mmの厚さのPEX層、約0.05mmの厚さの接着剤層、および約0.05mmの厚さのEVOH層を製造する。押出機内の温度を、約150℃〜190℃の作動範囲を提供するように設定する。
【0077】
特定の代表的な実施形態および細部が、本発明を説明する目的で示されたが、種々の変化および変更が、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、本発明においてなされ得ることが、当業者に明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−202601(P2009−202601A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142811(P2009−142811)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【分割の表示】特願2005−505519(P2005−505519)の分割
【原出願日】平成15年7月11日(2003.7.11)
【出願人】(506347528)ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド (74)
【Fターム(参考)】