説明

増速機

【課題】 低速回転で高出力を得られる増速機の提供。
【解決手段】 エネルギーを受けて回転する外側駆動ギヤ1と、外側駆動ギヤの回転力を回転体に伝える内側主軸ギヤ2とを備え、外側駆動ギヤと内側主軸ギヤの間に中間伝達ギヤ3A・3Bを咬合可能に配設し、外側駆動ギヤの回転力を中間伝達ギヤと内側主軸ギヤで増速して、回転体を増速された出力で回転させる増速機であって、各ギヤは、径の異なるリング状に成形されて、各ギヤの対向する内・外周面に咬合面と非咬合面を有し、各ギヤごとで対向する咬合面に波形状を呈する歯部5・9a・9b・11a・11b・12を形成し、対向する各歯部の咬合状態を得て、外側駆動ギヤの回転力を各歯部を介して内側主軸ギヤに伝達すると共に、各ギヤの対向する非咬合面間にガイドローラー13・14・15を介設して、ガイドローラーの押圧方向において対向する歯部同士を咬合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、風力発電・水力発電、電気自動車、送風機などにおいて、回転力を増速するために使用される増速機に関し、詳しくは、独特の波形状を呈するギヤを用いた増速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、二酸化炭素の削減などにより地球環境を改善することを目的として、自然エネルギーを利用した風力発電や水力発電が注目されている。
【0003】
そして、風力発電は、風の運動エネルギーを利用してブレードを回転させて、発電機を回転駆動させるものであるが、通常は、多軸歯車式や遊星歯車式の増速機を用いて回転を増速している。又、水力発電は、水の運動エネルギーを利用して水車を回転させて、発電機を回転駆動させるものであるが、やはり、同様な増速機を用いて回転を増速している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、風力発電の出力を増力するためには、ブレードの回転速度を高速にする必要があるが、これを都心や住宅街などで行なうと、増速機部分で大きな機械音が発生するので、騒音問題が発生する恐れがあり、又、水力発電でも、多くの電力を発電させるためには、河川の水量や勢いが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、斯かる従来の実情に鑑み開発されたもので、請求項1記載の発明は、エネルギーを受けて回転する外側駆動ギヤと、該外側駆動ギヤの回転力を回転体に伝える内側主軸ギヤとを備え、上記外側駆動ギヤと内側主軸ギヤとの間に複数の中間伝達ギヤを咬合可能に配設し、外側駆動ギヤの回転力を上記各中間伝達ギヤと内側主軸ギヤとで増速して、上記回転体を該増速された回転出力で回転させる増速機であって、上記各ギヤは、径の異なるリング状に成形されて、各ギヤの対向する内・外周面に咬合面と非咬合面とを有し、各ギヤごとで対向する咬合面に波形状を呈する歯部を連続して形成し、該対向する各波形状の歯部の面接触による咬合状態を得て、外側駆動ギヤの回転力を各波形状の歯部を介して内側主軸ギヤに伝達すると共に、各ギヤの上記対向する非咬合面間にガイドローラーを介設して、該ガイドローラーの押圧方向において対向する波形状の歯部同士を咬合させることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1を前提として、各ギヤの対向する咬合面間に波形状の歯部と相似する滑り止めリングを組み込んだことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1乃至請求項2を前提として、各ギヤの非咬合面間に介設されるガイドローラーは、内・外の各段ごとで、介設位置が交互に逆向きとなっていることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3を前提として、各ギヤの咬合面と非咬合面の境にギヤのブレ防止手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
依って、請求項1記載の発明にあっては、外側の駆動ギヤから中間の伝達ギヤを経て内側の主軸ギヤへ回転力を伝える過程で、各ギヤの対向する波形状の歯部が面接触状態をもって咬合して回転力を伝達するので、従来のものと比べると、接触面積が多く且つ伝達面も数箇所と多くなって、回転力を分散して伝えることが可能となる。この為、例え、最初の外側駆動ギヤが受ける回転力が少なくとも、その回転力が内部に配されて徐々に径が小さくなっていく各中間伝達ギヤと内側主軸ギヤに伝達されて増速するので、発電機などの回転体をこの増速された回転出力で回転させられる。
【0010】
又、各ギヤは回転しながら、面から面へと接触することとなるので、騒音や振動を効果的に抑えることができる。
【0011】
請求項2記載の発明にあっては、各ギヤの対向する咬合面間に滑り止めリングを組み込んだので、軽い力で高速回転して、騒音問題を確実に防止することが可能となる。
【0012】
請求項3記載の発明にあっては、ガイドローラーは内・外の各段ごとで介設位置が交互に逆向きとなっているので、力を伝える箇所を集中させずに分散させて、力を増速し安定した回転を保障できる。
【0013】
請求項4記載の発明にあっては、各ギヤの咬合面と非咬合面の境にブレ防止手段を設けたので、回転して回転数を増した時に、各ギヤのブレや振動を抑えて、安定した回転が保障できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係る増速機の原理を示す概略図である。
【図2】同増速機を断面して示す概略図である。
【図3】各ギヤの波形状の歯部とガイドローラーの関係を示す説明図である。
【図4】外側駆動ギヤと第一中間伝達ギヤと第一ガイドローラーの関係を説明する要部説明図である。
【図5】増速機が使用される発電機を示す要部断面図である。
【図6】同発電機を別の方向から示す要部断面図である。
【図7】(A)は内側主軸ギヤの停止時における永久磁石とコイル巻線の関係を示す要部断面図、(B)は内側主軸ギヤの起動時における永久磁石とコイル巻線の関係を示す要部断面図である。
【図8】外側駆動ギヤと第一中間伝達ギヤの咬合状態を説明する要部拡大説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、エネルギーを受けて回転する外側駆動ギヤと、該外側駆動ギヤの回転力を回転体に伝える内側主軸ギヤとを備え、上記外側駆動ギヤと内側主軸ギヤとの間に複数の中間伝達ギヤを咬合可能に配設し、外側駆動ギヤの回転力を上記各中間伝達ギヤと内側主軸ギヤとで増速して、上記回転体を該増速された回転出力で回転させる増速機を前提として、上記各ギヤは、径の異なるリング状に成形されて、各ギヤの対向する内・外周面に咬合面と非咬合面とを有し、各ギヤごとで対向する咬合面に波形状を呈する歯部を連続して形成し、該対向する各波形状の歯部の面接触による咬合状態を得て、外側駆動ギヤの回転力を各波形状の歯部を介して内側主軸ギヤに伝達すると共に、各ギヤの上記対向する非咬合面間にガイドローラーを介設して、該ガイドローラーの押圧方向において対向する波形状の歯部同士を咬合させることにより、低速回転で高出力を得んとするものである。
【実施例】
【0016】
以下、本発明を図示する好適な実施例に基づいて詳述すれば、該実施例に係る増速機は、風力や水力の発電機用として開発されたもので、図1・図2に示す如く、風や水の運動エネルギーを受けて回転する1枚の外側駆動ギヤ1と、後述する発電機22側に連結されて増速された回転出力で発電機22を回転させる1枚の内側主軸ギヤ2と、該外側駆動ギヤ1と内側主軸ギヤ2との間に咬合可能に配設される2枚の中間伝達ギヤ3A・3Bとを備え、各ギヤ1・3A・3B・2は、外側から内側に向かって、径が順に小径(70%)となるリング状を呈している。尚、具体的には図示しないが、外側駆動ギヤ1の外周には、風力の場合は複数のブレードを、水力の場合は水車を直接又は外枠などを介して一体的に取り付けるものとする。
【0017】
そして、上記の各ギヤに関しては、図3・図4に示す如く、外側駆動ギヤ1に対しては、その内周面のみに咬合面4aと非咬合面4bとを平行に連続して画成して、前者の咬合面4aに緩やかな曲線を呈する波形状の歯部5を連続して形成し、後者の非咬合面4bに後述する第一ガイドローラー13の案内溝6を連続して形成する構成となっている。
【0018】
又、2枚の各中間伝達ギヤ3A・3B中、第一中間伝達ギヤ3Aに対しては、図示する如く、その内・外周面に咬合面7a・8aと非咬合面7b・8bとを平行に連続して画成して、内・外の各咬合面7a・8aに上記の波形状の歯部9a・9bを連続して形成し、内・外の各非咬合面7b・8bに後述する第一ガイドローラー13と第二ガイドローラー14の案内溝10a・10bを連続して形成し、第二中間伝達ギヤ3Bに対しては、具体的には図示しないが、第一中間伝達ギヤ3Aと同様に、その内・外周面に咬合面と非咬合面とを平行に連続して画成して、内・外の各咬合面に上記の波形状の歯部11a・11bを連続して形成し、内・外の各非咬合面に後述する第二ガイドローラー14と第三ガイドローラー15の案内溝を連続して形成する構成となっている。
【0019】
最後の内側主軸ギヤ2に対しては、その外周面のみに同様な咬合面(図示せず)と非咬合面(図示せず)とを平行に連続して画成して、咬合面に上記の波形状の歯部12を連続して形成し、非咬合面に後述する第三ガイドローラー15の案内溝(図示せず)を連続して形成する構成となっている。尚、図4の(a)・(b)・(c)・(d)は、図3の(a)・(b)・(c)・(d)の対応する箇所を断面したものである。
【0020】
従って、外側駆動ギヤ1の内周咬合面4aに形成された歯部5と第一中間伝達ギヤ3Aの外周咬合面7aに形成された歯部9aとが咬合し、該第一中間伝達ギヤ3Aの内周咬合面8aに形成された歯部9bと第二中間伝達ギヤ3Bの外周咬合面に形成された歯部11aとが咬合し、該第二中間伝達ギヤ3Bの内周咬合面に形成された歯部11bと内側主軸ギヤ2の外周咬合面に形成された歯部12とが咬合して、回転力を増速することとなる。
【0021】
しかし、これら各ギヤ1・3A・3B・2は、既述した如く、径が70%と順に小径となって、その全周において歯部同士が全体で咬合することができないので、本実施例にあっては、上記した外側駆動ギヤ1の内周非咬合面4bに形成された案内溝6と第一中間伝達ギヤ3Aの外周非咬合面7bに形成された案内溝10a間に第一ガイドローラー13を回転可能に介設し、該第一中間伝達ギヤ3Aの内周非咬合面8bに形成された案内溝10bと第二中間伝達ギヤ3Bの外周非咬合面に形成された案内溝間に第二ガイドローラー14を回転可能に介設し、該第二中間伝達ギヤ3Bの内周非咬合面に形成された案内溝と内側主軸ギヤ2の外周非咬合面に形成された案内溝間に第三ガイドローラー15を回転可能に介設して、各ガイドローラー13・14・15の押圧方向において対向する波形状の歯部5・9a、9b・11a、11b・12同士をその一部において咬合させる構成となっている。
【0022】
尚、各段のガイドローラー13・14・15は、ギヤ1・3A・3B・2同士の間隔に応じてその径が決定されることとなるが、約120°の開いた角度の中に3個づつ連結腕16を介して連結され、且つ、夫々のガイドローラー13・14・15全体は共通の保持金具17を介して一体的に固定され、内・外の各段ごとで、その介設位置が交互に逆向きとなっている。従って、径の異なる各ギヤ1・3A・3B・2同士がスムーズに安定した回転が可能となる。
【0023】
即ち、外側駆動ギヤ1の力を第一中間伝達ギヤ3Aへ、該第一中間伝達ギヤ3Aから第二中間伝達ギヤ3Bへと回転力を伝達する際に、ガイドローラーの反対側の歯部同士が咬合して力を伝達するため、ガイドローラーを一方向に集中させて取り付けた場合のように、力を伝える位置が(咬合位置)が片側に集中することがない。従って、全体の重心を中央にもって来るために、夫々のガイドローラー13・14・15を交互に介設した訳である。
【0024】
更に、本実施例にあっては、上記した各ギヤ1・3A・3B・2の対向する咬合面間に波形状の歯部5・9a・9b・11a・11b・12と相似する形状のラバーから成る滑り止めリング18を組み込んで、騒音問題を防止する構成を併せて採用している(図8参照)。
【0025】
これに加えて、図4に示す如く、各ギヤ1・3A・3B・2の咬合面と非咬合面の境に凹凸嵌合方式のズレ防止手段19a・19bを形成して、回転して回転数を増した時に、各ギヤ1・3A・3B・2のブレや振動を効果的に抑えて、安定した回転が保障できる構成をも併せて採用している。尚、ブレ防止手段19a・19bに関しては、外側駆動ギヤ1と第一中間伝達ギヤ3Aのみしか図示してないが、第二中間伝達ギヤ3Bや内側主軸ギヤ2にも同様に設けるものとする。
【0026】
又、図2において、20は内側主軸ギヤ2の軸受ケースで、該内側主軸ギヤ2の主軸連結シャフト21と一緒に回転するものであり、22は後述する発電機、23は固定支持金具24に固定される保護枠、25は発電機22を構成する発電コイル支持金具で、ステンレスパイプ26に固定されるものであり、上記固定支持金具24はこの回転しないステンレスパイプ26に取り付けられている。又、27は化粧板で、該化粧板27は上記した保持金具17で抑えられている。
【0027】
上記した発電機22は、図5・図6に示す如く、内側主軸ギヤ2の主軸連結シャフト21と一緒に回転する軸受ケース20の外周面に複数の永久磁石28を一定の間隔をおいて固定すると共に、上記発電コイル支持金具25の内面に該各永久磁石28と互いに向き合う複数のコイル巻線29を固定する一方、各永久磁石28を変形可能な板バネ30を介して上記軸受ケース20側に固定して、内側主軸ギヤ2の回転が停止している時は、各永久磁石28が板バネ30の力で軸受ケース20側に引き寄せられて対応するコイル巻線29との距離を拡げ、内側主軸ギヤ2が回転している時は、各永久磁石28が板バネ30の変形でコイル巻線29側へ移動して対応するコイル巻線29との距離を狭めるように構成されている。
【0028】
従って、この発電機22の下で、内側主軸ギヤ2の回転が停止している時には、図7Aに示す如く、上記した板バネ30の直線形状から得られる弾力で、各永久磁石28は、軸受ケース20側に引き寄せられて、対応するコイル巻線29との間隔Xを拡げるので、これにより、対応するコイル巻線29との磁力圏内が解除されて、電力を発生しない。
【0029】
逆に、内側主軸ギヤ2が回転して回転数が上がると、今度は、図7Bに示す如く、各永久磁石28に遠心力が働いて、当該各永久磁石28が外側に引っ張られるので、これに伴い、板バネ30が略台形形状に弾性変形して、各永久磁石28を対応するコイル巻線29側に自動的に移動させ、対応するコイル巻線29との距離Yを狭めて、両者28・29を磁力圏内に入り込ませるので、これにより、電力を安定して発生させられる。
【0030】
依って、上記した増速機を使用して斯かる発電機を稼働させる場合には、風力でブレードが回転するか水力で水車が回転すると、外側駆動ギヤ1が一緒に同方向に回転することとなるが、この外側駆動ギヤ1の回転は、第一ガイドローラー13の押圧作用を得て、その内周咬合面4aに形成された波形状の歯部5と第一中間伝達ギヤ3Aの外周咬合面7aに形成された波形状の歯部9aとがその一部において咬合して回転力を伝達することとなる。この場合には、図8に示す如く、ガイドローラー13の押圧方向において歯部5・9a同士が面接触状態をもって咬合を開始してから、数箇所での面接触状態をもって歯部5・9a同士の咬合が続き、その後、歯部5・9a同士の咬合が解かれることとなる。
【0031】
次いで、今度は、第一中間伝達ギヤ3Aの内部において、第一中間伝達ギヤ3Aの歯部9bと第二中間伝達ギヤ3Bの歯部11aとが咬合し、最後に、この第二中間伝達ギヤ3Bの歯部11bと内側主軸ギヤ2の歯部12とが咬合することとなるので、これにより、外側から内側へと回転力が伝達されて、回転スピードが増速されて行く。
【0032】
又、この外側から内側へ回転力が伝わる際には、径の大きなギヤ1から小さなギヤ3A・3B・2と伝わりながら回転スピートが増していくので、中間伝達ギヤの数を増すと、夫々のギヤ比率が違うため、回転スピードが一層増速される。
【0033】
しかも、各ギヤ1・3A・3B・2の歯部5・9a・9b・11a・11b・12は、緩やかな曲線の波形形状を呈しているので、各接触面積が多く且つ伝達面が数箇所と多くなるので、回転力を分散して伝えることができる。この為、外側駆動ギヤ1の回転力が少なくても、第一中間伝達ギヤ3A・第二中間伝達ギヤ3Bを経て内側主軸ギヤ2に増速して伝えることが可能となる。又、回転しながら、外側から内側へと接触する際には、面から面に徐々に接触するため、騒音や振動を効果的に抑えることができる。特に、この場合には、上記した滑り止めリング18が組み込まれているため、大きな効果を発揮する。
【0034】
尚、上記実施例の下で、増速比を調べたところ、ブレードの回転数が300rpmの時軸受ケース20の回転数は624rpm、ブレードの回転数が500rpmの時軸受ケース20の回転数は1040rpmであり、いずれも、約2.08倍の増速比が得られた。
【0035】
従って、本実施例に係る増速機は、一般的なギヤに比べて接触面積が多いため、低速回転で高出力が発揮できるので、ブレードを小さくして、ビルの屋上や住宅街・商店街・駐車場などの色々な場所に設置しても、騒音・振動問題は生じないし、水力発電で使用する場合も、小さな川でも一定の流れがあれば、多くの電力を発電させることが可能となる。
【0036】
尚、上記した実施例は、発電機22に使用される増速機を示したものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の精神に反しない限り、回転力を増速する必要があるものであれば、その他の電気自動車や送風機などにも使用することは十分に可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る増速機は、独特の波形状を呈するギヤを用いるだけで、低速回転で高出力を発揮できるので、これを回転力を増速する必要がある風力発電・水力発電、電気自動車、送風機などに応用すれば、頗る好都合なものとなる。
【符号の説明】
【0038】
1 外側駆動ギヤ
2 内側伝達ギヤ
3A 第一中間伝達ギヤ
3B 第二中間伝達ギヤ
4a 外側駆動ギヤの内周咬合面
4b 外側駆動ギヤの内周非咬合面
5 外側駆動ギヤの内周歯部
6 外側駆動ギヤの内周案内溝
7a 第一中間伝達ギヤの外周咬合面
7b 第一中間伝達ギヤの外周非咬合面
8a 第一中間伝達ギヤの内周咬合面
8b 第一中間伝達ギヤの内周非咬合面
9a 第一中間伝達ギヤの外周歯部
9b 第一中間伝達ギヤの内周歯部
10a 第一中間伝達ギャの外周案内溝
10b 第一中間伝達ギヤの内周案内溝
11a 第二中間伝達ギヤの外周歯部
11b 第二中間伝達ギヤの内周歯部
12 内側主軸ギヤの外周歯部
13 第一ガイドローラー
14 第二ガイドローラー
15 第三ガイドローラー
16 連結腕
17 保持金具
18 滑り止めリング
19a ブレ防止手段
19b ブレ防止手段
20 内側主軸ギヤの軸受ケース
21 主軸連結シャフト
22 発電機
23 保護枠
24 固定支持金具
25 発電コイル支持金具
26 連結主軸
27 保護板
28 永久磁石
29 コイル巻線
30 板バネ
X 停止時の永久磁石とコイル巻線との距離
Y 起動時の永久磁石とコイル巻線との距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーを受けて回転する外側駆動ギヤと、該外側駆動ギヤの回転力を回転体に伝える内側主軸ギヤとを備え、上記外側駆動ギヤと内側主軸ギヤとの間に複数の中間伝達ギヤを咬合可能に配設し、外側駆動ギヤの回転力を上記各中間伝達ギヤと内側主軸ギヤとで増速して、上記回転体を該増速された回転出力で回転させる増速機であって、上記各ギヤは、径の異なるリング状に成形されて、各ギヤの対向する内・外周面に咬合面と非咬合面とを有し、各ギヤごとで対向する咬合面に波形状を呈する歯部を連続して形成し、該対向する各波形状の歯部の面接触による咬合状態を得て、外側駆動ギヤの回転力を各波形状の歯部を介して内側主軸ギヤに伝達すると共に、各ギヤの上記対向する非咬合面間にガイドローラーを介設して、該ガイドローラーの押圧方向において対向する波形状の歯部同士を咬合させることを特徴とする増速機。
【請求項2】
各ギヤの対向する咬合面間に波形状の歯部と相似する滑り止めリングを組み込んだことを特徴とする請求項1記載の増速機。
【請求項3】
各ギヤの非咬合面間に介設されるガイドローラーは、内・外の各段ごとで、介設位置が交互に逆向きとなっていることを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の増速機。
【請求項4】
各ギヤの咬合面と非咬合面の境にギヤのブレ防止手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の増速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−41971(P2012−41971A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183202(P2010−183202)
【出願日】平成22年8月18日(2010.8.18)
【出願人】(509252405)株式会社ミネサービス (3)
【Fターム(参考)】