説明

壜を検査する機械

【課題】コンベア上の容器の間に一定の間隔をあけることができ、また、容器がコンベア上に戻されるときの壜の不安定性をなくすことができる容器の検査装置を提供する。
【解決手段】壜離間機構が、コンベア50によって搬送された壜を第1位置で受け取り、下流の第2位置でコンベア50上に解放する。壜離間機構は、第1ベルトコンベア10を第1速度で駆動する含む第1駆動機構と、壜用のコンベア経路50の他方の側部を形成する上流の第2ベルトコンベア20及び下流の第3ベルトコンベア30と、第2ベルトコンベア20を第1速度よりも低い第2速度で駆動する第2駆動機構と、第3ベルトコンベア30を第1速度で駆動する第3駆動機構とを備えており、第2速度により、壜はコンベア50上に、選択された間隔で解放される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壜を、目に見える欠陥又は構造的欠陥について検査する機械に関する。
【背景技術】
【0002】
検査を実施する際に壜をコンベア上で離間させることを必要とする、ガラス壜の欠陥を検査する幾つかの方法がある。これを行うための現在の方法は、機械的デバイスを使用して壜をコンベアの速度に対して減速した後にコンベア上に戻し、再びコンベアの速度まで加速する方法である。この機械的デバイスは、ベルトコンベア、向き合った柔軟なホイール、又はばね負荷されたフィンガホイールの形態をとることができる。比較的高い壜処理速度(throughput speeds)では、壜を加速してコンベアの速度に戻すとき、壜がコンベア上で滑ってしまう。これにより、壜の間隔が一定でなくなり、コンベア上での壜の安定性が損なわれる。この不安定及び定置のガイドレールから壜に作用する抗力により、壜が転倒し、動くことができない状態(jamming) になってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、検査を行うため、コンベア上の容器の間に一定の間隔をあけることができ、また、壜がコンベア上に戻されるときの壜の不安定性をなくすことができる、壜を検査する機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、壜を検査する機械において、壜を第1速度で搬送するコンベアと、前記コンベアによって搬送された壜を第1位置で受け取り、壜をコンベア上に下流の第2位置で解放する壜離間機構とを含み、壜離間機構は、第1位置から第2位置まで進む壜用のコンベア経路の一方の側部を形成する第1ベルトコンベアと、第1ベルトコンベアを第1速度で駆動する駆動プーリを含む第1駆動機構と、第1位置から第2位置まで進む壜用のコンベア経路の他方の側部を形成する、上流の第2ベルトコンベア及び下流の第3ベルトコンベアと、第2ベルトコンベアを第1速度よりも低い第2速度で駆動する駆動プーリを含む第2駆動機構であって、第1コンベアと第2コンベアとの間を搬送される壜は、第1速度よりも低い速度で搬送される、第2駆動機構と、第3ベルトコンベアを第1速度で駆動する駆動プーリを含む第3駆動機構であって、第1コンベアと第3コンベアとの間を搬送される壜は第1速度で搬送される、第3駆動機構とを備えており、第2速度により、壜は、コンベア上に、選択された間隔で解放される、壜を検査する機械が提供される。
【0005】
本発明のこの他の目的及び利点は、本明細書の以下の部分から、及び添付図面から明らかになるであろう。添付図面には、特許法の定めるところに従って、本発明の原理を組み込んだ現在の好ましい実施例が例示してある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
検査機は、3本の可撓性を有するベルトコンベア10、20、及び30で形成された壜離間機構を有する。ベルト40は、代表的には、発泡体からなる面を持つ歯付きタイミングベルトである。各ベルトコンベアは、モータによって駆動される、下流端に配置された駆動プーリ42と、上流端に配置されたアイドラープーリ44とを含む。下左側のベルトコンベア用の駆動プーリは、下右側のベルトコンベア用のアイドラーローラーの下に配置されている。発泡体は、壜48が向き合ったベルトコンベアの間に捕捉されたとき、圧縮される。壜48は、適当な駆動装置(図示せず)によって線速度V1で駆動されるフラットトップチェーンコンベア50に載っている。ベルトコンベア10及び30は、同じ線速度V1で動いている。ベルトコンベア20は、比較的低い線速度V2で動く。壜離間機構に入ると、壜がベルトコンベア10と20との間に捕捉される。壜の線速度(V)は、ベルトの速度に基づく。壜は、
=[V1+V2]/2・・・(1)
に等しい線速度で移動することを示すことができる。
【0007】
V2は、V1よりも低速であり、ゼロであってもよい。V2がゼロである場合、ベルトの代わりに定置のサイドレールを使用できる。これにより壜の線速度を低下し、壜をベルト間で転動させる。この領域は低速区分である。壜がベルトコンベア30に達すると、壜の線速度は、向き合ったベルトの速度に基づいて再び変化する。ベルトコンベア10及び30は、両方とも、線速度V1で動く。この領域は高速区分である。壜の線速度は、V1であり、チェーンコンベアの速度と実質的に一致し、移送を滑らかに行うことができる。装置に進入する互いに接触した二つの壜は、壜の直径(D)に等しい所定距離離間される。壜Aが低速区分から高速区分に移動するとき、壜の線速度はV1に上昇する。壜Bはいまだ低速区分にあり、線速度Vで移動している。この線速度の差により、壜Aと壜Bとの間に間隔が形成される。この間隔は、二つの壜の速度(V1及びV)と、これらの壜の速度が異なる時間の長さ(T)に基づく。この時間(T)は、壜Aが高速区分に達した後に壜Bが高速区分に達するのに要する時間に等しい。この時間は、
T=D/V・・・(2)
に等しい。
【0008】
壜Bが低速区分を離れる瞬間の二つの壜の位置(X)は、
=V1×T・・・(3)
=V×T・・・(4)
である。壜の間隔XDIFは、
DIF=X−X・・・(5)
に等しい。
【0009】
方程式(2)から(5)により、
DIF=[(V1/V)×D]−[(V/V)×D
従って
DIF=[(V1/V)×D]−D・・・(6)
【0010】
これは、この装置を出る壜の間隔が、ベルトの速度及び壜の直径に基づくということを示す。この装置は、容器を効果的に離間し、これらの容器をチェーンコンベア上に同じ速度で戻す。ベルトコンベア20の速度を変化させると、間隔が変化する。
【0011】
V2が0である場合には、
DIF=D・・・(7)
である。
【0012】
この比較的簡単な装置は、互いに接触した状態で進入する壜を取り上げ、これらの壜を壜の直径と等しい距離だけ離間し、壜を送出し、コンベア上に滑らかに戻す。
【0013】
図2に示すように、携帯端末(Hand Held Terminal:HHT)60又は他の適当なコンピュータ入力装置が、V1を第1駆動機構62及び第3駆動機構64に送り、V2を第2駆動機構63に送る。V1及びV2は、所望の間隔を構成するように選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の教示に従って形成した容器検査機の一部の概略平面図である。
【図2】図1に示す容器検査機の壜離間機構の制御を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0015】
10、20、30 ベルトコンベア
40 ベルト
42 駆動プーリ
44 アイドラープーリ
48 壜
50 チェーンコンベア
60 携帯端末
62 第1駆動機構
63 第2駆動機構
64 第3駆動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壜を検査する機械において、
壜を第1速度で搬送するコンベアと、
前記コンベアによって搬送された壜を第1位置で受け取り、前記壜を前記コンベア上に下流の第2位置で解放する壜離間機構と、
を含み、前記壜離間機構は、
前記第1位置から前記第2位置まで進む壜用のコンベア経路の一方の側部を形成する、第1ベルトコンベアと、
前記第1ベルトコンベアを前記第1速度で駆動する駆動プーリを含む第1駆動機構と、
前記第1位置から前記第2位置まで進む前記壜用のコンベア経路の他方の側部を形成する、上流の第2ベルトコンベア及び下流の第3ベルトコンベアと、
前記第2ベルトコンベアを前記第1速度よりも低い第2速度で駆動する駆動プーリを含む第2駆動機構であって、前記第1コンベアと前記第2コンベアとの間を搬送される壜は、前記第1速度よりも低い速度で搬送される、第2駆動機構と、
前記第3ベルトコンベアを前記第1速度で駆動する駆動プーリを含む第3駆動機構であって、前記第1コンベアと前記第3コンベアとの間を搬送される壜は、前記第1速度で搬送される、第3駆動機構と、
を備えており、
前記第2速度により、壜は、前記コンベア上に、選択された間隔で解放される、壜を検査する機械。
【請求項2】
請求項1に記載の壜を検査する機械において、
前記壜離間機構は、更に、前記第2駆動機構の前記第2速度を決定するための入力装置を備えている、壜を検査する機械。
【請求項3】
請求項1に記載の壜を検査する機械において、
前記第2速度はゼロである、壜を検査する機械。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−24513(P2008−24513A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−183790(P2007−183790)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【出願人】(598152242)エムハート・グラス・ソシエテ・アノニム (49)
【Fターム(参考)】