説明

変性オルガノクレー

一事例における変性ナノクレーの製造プロセスは、オルガノクレーを準備する、前記オルガノクレーを溶媒または溶媒及び/または界面活性剤の混合物中に分散させる、ナノチューブまたはナノワイヤを準備する、前記ナノチューブまたはナノワイヤを溶媒または溶媒及び/または界面活性剤の混合物中に分散させる、及び前記オルガノクレー懸濁液と前記ナノチューブ及び/またはナノワイヤ懸濁液とを混合する、各段階を含む。ナノワイヤまたはナノチューブで変性したオルガノクレーは、ナノ添加剤をもたらし、これは熱安定性及び導電性が高い。このナノ添加剤は、ポリアニリンなどの本質的に導電性ポリマーを含むことができる。前記ナノ添加剤を含むポリマー複合体も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変性オルガノクレー(modified organoclay)の製造プロセス及びポリマー複合体の製造におけるかかるクレーの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
クレー添加剤を含むポリマー及びプラスチックは、特に自動車製造業分野における重い鋼鉄及び他の金属製品用の代替品として近年、広く使用されてきた。これらは、建築材料、及び自動車産業における重い鋼鉄部品の代替品などの非常に多くの分野での利用が知見されてきた。押出及び射出成形を使用して、ポリマーはオルガノクレーで順調に強化された。ナノコンポジット(nanocomposite)と呼ばれることが多いかかる製品は、優れた構造的、熱的、引っ張り、衝撃及び曲げ強度をもつ。
【0003】
今日、ナノコンポジットは、ケイ酸塩とアルキルアンモニウム塩(通常、四級アンモニウム化合物、たとえば二水素化獣脂ジメチルアンモニウムクロリド、水素化獣脂ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、及び二水素化獣脂メチルベンジルアンモニウムクロリド)とのカチオン交換反応により生成した有機的に変性されたケイ酸塩またはオルガノクレーを使用して殆ど製造される。ナノコンポジットを製造する際、ナノコンポジット製造には高温が不可欠である。プロセス温度がオルガノクレーの熱安定性よりも高いと、分解してしまって、ポリマーマトリックスとオルガノクレーとの間の相溶性(compatibility)を変えてしまう。オルガノクレー中の有機変性剤(アルキルアンモニウム塩)の熱分解の開始は、ポリマー処理の天井温度を設定する。
【0004】
オルガノクレーとも呼ばれる有機的に変性したクレーは、溶媒ベース系のレオロジー添加剤として長年にわたって使用されてきた。これらは、フィロケイ酸塩クレー、通常スメクタイトクレーの水分散液を製造し、これに長鎖脂肪酸の四級アンモニウム塩を添加して、カチオン交換反応と吸着により有機的に変性したクレーを製造する。この反応によって、水分散液からオルガノクレーを凝固させることができ、これによって濾過及び洗浄によってその単離が可能になる。
【0005】
Wilkieらは、優れた熱安定性のオルガノクレーの製造法を開示している。(“A stibonium−modified clay and its Polystyrene nanocomposite”,Polymer Degradation and stability 82(2003)309−315)。トリフェニルヘキサデシルスチボニウムトリフルオロメチルスルホネートで変性したオルガノクレーは、市販のナノクレーよりもはるかに高い熱安定性を示した。しかしながら、多くの合成段階が必要とされ、この変性オルガノクレーは使用する全てのポリマーマトリックスと相溶性を示さなかった。
【0006】
Awadら(Termochimica Acta,409(2004)3−11)は、イミダゾリウム塩との層状ケイ酸塩の変性と、ナノコンポジットにおけるその応用について開示する。イミダゾリウム塩で処理したモンモリロナイトクレーは、窒素雰囲気中で優れた熱的特性を示したが、その熱的特性は空気雰囲気中では低下する。得られたオルガノクレーは、ポリマーとの相溶性が非常に限定されていた。
【0007】
PCT国際特許出願国際公開第WO03/078315(Nagyら)は、カーボンナノチューブを充填した少なくとも一種のポリマーと、有機(organo)−変性層状ケイ酸塩ナノ粒子とのマトリックスを含むナノコンポジットについて記載する。ナノチューブとナノクレーとをポリマーに別々に添加する。使用したクレーは導電性ではない。
【0008】
上記例の殆どが、相溶性及び熱安定などの処理限界により、加工は容易であるが、種々のポリマーマトリックス中に分散させるのが困難なオルガノクレーの製造について記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
容易に製造できて、且つポリマーマトリックス中に容易に分散できる変性オルガノクレーに対する需要がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の概要
本発明に従って、変性ナノクレーの製造プロセスであって、
オルガノクレーを準備する;
溶媒または溶媒及び/または界面活性剤の混合物中に前記オルガノクレーを分散させる;
ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを準備する;
溶媒または溶媒及び/または界面活性剤の混合物中に前記ナノチューブまたはナノワイヤを分散させる;及び
前記オルガノクレー懸濁液と前記ナノチューブ及び/またはナノワイヤ懸濁液とを混合する、各段階を含む前記プロセスを提供する。
【0011】
一態様において、オルガノクレーを界面活性剤中に分散させ、溶媒中に懸濁させてから、ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドと混合する。
一例においては、ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドは溶媒中に分散させる。
【0012】
オルガノクレーは、溶媒中に懸濁させることができ、ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを界面活性剤中に分散させてから混合することができる。一例において、オルガノクレー懸濁液とナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッド懸濁液と混合してから界面活性剤を添加する。
【0013】
一態様において、溶媒は、水、アセトン、エタノール、メタノール、ブタノール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、キシレン、トルエン、ジメチルスルホキシド、プロピレン及びカーボネートのいずれか一種以上から選択される。
【0014】
一態様において、界面活性剤は、四級アンモニウム塩、非−イオン界面活性剤及び脂肪酸ヒドロキシエチルイミダゾリンのいずれか一種以上から選択される。四級アンモニウム塩は、二水素化獣脂ジメチルアンモニウムクロリド、水素化獣脂ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、二水素化獣脂メチルベンジルアンモニウムクロリド、及び脂肪酸ヒドロキシエチルイミダゾリンのいずれか一種以上から選択される。
【0015】
一態様において、ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドは、カーボンナノチューブ(CNT)、単層カーボンナノチューブ(SWCNT−CNI)、MO6ナノワイヤ、及びアーク放電多層壁カーボンナノチューブ(MWCNT)ススのいずれか一種以上から選択される。
【0016】
ナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)、二重壁ナノチューブ(DWNT)、多層壁ナノチューブ(MWNT)または炭素を含む分子のアーク放電、レーザー処理若しくは触媒分解により製造したナノチューブから選択される炭素を含むナノチューブであってもよい。
【0017】
オルガノクレーとナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドとは室温で混合することができる。変性したナノクレーから全ての溶媒を蒸発または除去することができる。
本発明はまた、変性ナノクレーの製造プロセスであって、
オルガノクレーを準備する;
前記オルガノクレーを界面活性剤中に分散させる;
分散させたクレーを溶媒中に懸濁させる;
カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを準備する;
前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを溶媒中に分散させる;及び
懸濁させた前記ナノクレーと、前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤ及び/またはナノロッド分散液とを混合する、各段階を含む前記プロセスを提供する。
【0018】
さらに本発明は、変性ナノクレーの製造プロセスであって、
オルガノクレーを準備する;
前記オルガノクレーを溶媒中に分散させる;
カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを準備する;
前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを溶媒中に分散させる;及び
前記ナノクレー分散液と、前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤ及び/またはナノロッド分散液とを混合する、各段階を含む前記プロセスを提供する。
【0019】
オルガノクレー及びナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドは、少なくとも30分間、高剪断で混合することができる。
本発明は、本発明の方法により製造した変性オルガノクレーまたはnonadditiveも提供する。
【0020】
本発明はさらに、本発明の変性オルガノクレーまたはnonadditiveをポリマーに添加することを含む、ポリマーナノコンポジットの製造プロセスを提供する。ポリマーは、熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、フルオロポリマー、ポリアミド、エンジニアリングポリマー、たとえばポリエーテルケトン、スチレンポリマー及びポリカーボネート、熱硬化性ポリマー、エポキシ及びフェノール樹脂のいずれか一種以上から選択することができる。
【0021】
本発明は、本発明に従って製造したポリマーナノコンポジットを提供する。
別の側面では、本発明は、優れた熱的特性をもつ変性オルガノクレーまたはナノ添加剤を提供する。
【0022】
変性オルガノクレーまたはナノ添加剤は、市販のナノクレーと比較して20℃〜80℃高い熱安定性をもつことができる。
また本発明は、0.2〜9.1Sm−1よりも大きい導電率をもつ変性オルガノクレーまたはナノ添加剤を提供する。
【0023】
優れた熱的及び機械的特性をもつポリマーナノコンポジットも提供する。
本発明はまた、本発明の方法により製造した変性オルガノクレーまたはナノ添加剤で強化したポリマーを提供する。
【0024】
一側面において、本発明は、ナノチューブ、ナノロッドまたはナノワイヤで変性したオルガノクレーを含むナノ添加剤を提供し、前記ナノ添加剤は、非変性オルガノクレーよりも高い熱安定性及びまたは導電率をもつ。
【0025】
本発明はまた、ナノチューブ、ナノロッドまたはナノワイヤで変性したオルガノクレーを含むナノ添加剤であって、非変性オルガノクレーよりも少なくとも20℃高い分解温度により明らかな熱安定性をもつ、前記ナノ添加剤を提供する。分解温度は、非変性オルガノクレーよりも少なくとも40℃高く、場合により60℃高く、場合により80℃高い。
【0026】
本発明は、ナノチューブ、ナノロッドまたはナノワイヤで変性したオルガノクレーを含むナノ添加剤であって、非変性オルガノクレーよりも少なくとも10倍高い導電率をもつ、前記ナノ添加剤を提供する。
【0027】
場合により、ナノ添加剤は、非変性オルガノクレーよりも少なくとも100倍高い導電率をもつ。
場合によりナノ添加剤は、非変性オルガノクレーよりも少なくとも1000倍高い導電率をもつ。
【0028】
一側面において、ナノ添加剤はさらに、ポリアニリンなどの本質的に導電性ポリマーを含む。
また本発明は、本発明のナノ添加剤を含む複合体を提供する。複合体はポリマー材料であってもよい。
【0029】
定義
ポリマーなる用語は、本発明の全ての変性オルガノクレーとナノコンポジットを形成し得る全てのポリマーを含むものと解釈する。本明細書におけるポリマーは、小さな、単純な化学的単位の繰り返しにより構築された大きな分子を意味する。たとえば、熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、ポリアミド、フルオロポリマー、エンジニアリングポリマー、たとえばポリエーテルケトン、スチレンポリマー及びポリカーボネート、熱硬化性ポリマー、エポキシ及びフェノール樹脂が挙げられる。
【0030】
本発明で使用するクレーは、カチオン交換し得る天然及び合成の任意の粘土鉱物である。典型例としては、モンモリロナイト、サポナイト、ベントナイト、ヘクトライト、バイデライト(beidellite)、バーミキュライト及びマイカなどのスメクタイト粘土鉱物が挙げられる。
【0031】
オルガノクレーとも呼ばれる有機変性クレーは、通常、水分散液フィロケイ酸塩、通常、スメクタイトクレーを製造し、これに、長鎖脂肪酸四級アンモニウム化合物の四級アンモニウム塩を添加して、カチオン交換反応及び吸着により有機的に変性したクレーを製造する。クレー小板上で交換されたアルキルカチオンによって、親水性クレーを親有機性とし、変形によってクレーをポリマー複合体中により容易に分散させやすくする。特にオルガノクレーなる用語は、スメクタイトクレーのイオン交換反応生成物を含む。
【0032】
本質的に導電性ポリマー(inherently conductive polymer:ICP)なる用語は、多共役(poly congugate)π−電子系(たとえば二重結合、芳香族または複素環式芳香族環または三重結合)をもつ有機ポリマーを指す。そのようなポリマーの例としては、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール及びポリアセチレンが挙げられる。より包括的なリストは、Handbook of conducting polymers,A.G.McDiarmuid and R.B.Kane,Marcel Dekker,New York、第1巻に列記されている。ポリアニリンは、そのような本質的に導電性ポリマーの一例である。
【0033】
付記図面を参照して、単なる例として与える二つの態様に関する以下の記載から、本発明をより明確に理解するだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
詳細な説明
本出願人は、変性オルガノクレーの熱的特性と導電率とを改善する、カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドと界面活性剤でナノクレーを機能化することを含む変性ナノクレーの製造プロセスを知見した。この変性オルガノクレーは市販のナノクレーよりも顕著に高い熱安定性をもつので、市販のクレーよりも高温で処理することができる。このようにして製造した変性オルガノクレーは本質的に導電性である。
【0035】
変性オルガノクレーは、射出成形、ブロー成形及び押出などの慣用の加工処理方法によって種々のタイプのポリマー/プラスチックで強化するのに理想的である。変性オルガノクレーで製造したナノコンポジットは、高い熱的、機械的、構造バリヤ及び難燃特性をもつ。変性オルガノクレーで強化した複合体は、本質的に導電性及び/または帯電防止性であることが知見された。この複合体には、自動車、航空宇宙、帯電防止コーティング、導電性インターフェース、静電消散(electro static dissipation)、超伝導、機械的強化、オプトエレクトロニクス技術、遠隔通信、信号処理、電子機器のパッケージング、半導体デバイス、医学及びヘルスケア部門などの用途がある。本発明は、他のプラスチックとブレンドし得る比較的高い電気伝導性をもつポリマー複合材料を提供する。
【0036】
本発明のプロセスは、配合前にナノチューブ束(nanotube bundle)を部分的に開口し易くすることも知見された。しかしながらカーボンナノチューブを使用するクレー変性プロセスの間に、溶媒と界面活性剤が存在すると、ナノチューブ束の部分的な開口を促すことが知見された。これによって、オルガノクレーの現行の処理条件下では困難であった、ポリマー中へのナノチューブの分散が容易になる。
【0037】
変性オルガノクレーは、種々のポリマー用の強化用充填剤として使用でき、ナノコンポジットの優れた構造的及び導電性特性を与える。この変性オルガノクレーは、レオロジー添加剤としても使用することができる。
【0038】
変性オルガノクレーを含む高密度ポリエチレン(HDPE)複合体は、最大荷重、引張強度及び熱的特性などの優れた機械的特性を示した。従ってHDPE複合体は、優れた熱的及び機械的特性と共に製造することができる。
【0039】
本発明の変性オルガノクレーで製造したポリスチレンナノコンポジットは、市販のオルガノクレーで製造したナノコンポジットよりも優れた熱的特性を示した。
本発明のカーボンナノチューブ変性オルガノクレーで製造したポリカーボネートナノコンポジットは、導電性であることが知見され、ナノ硬度(nano hardness)は50〜80%改善した。
【0040】
本発明の変性クレーで製造したポリエチレンテレフタレートナノコンポジットも本質的に導電性であることが知見された。
本発明の変性クレーで製造したエポキシ複合体は、非変性クレーで製造したナノコンポジットよりも優れた熱伝導性(thermal conductivity)を示した。
【0041】
通常、ナノクレーは、種々の極性ポリマーと相互作用するオルガノクレーを提供するために四級アンモニウム界面活性剤で表面を変性する。しかしながらこれらのクレーの中には、高温成形用途に適していないものがある。それはその熱安定性が低いため、有機変性が劣化するので、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなど、高温で成形するプラスチックには不適当である。
【0042】
本発明において、カーボンナノチューブと四級アンモニウム界面活性剤で変性したナノクレーは、顕著に高い熱安定性を示すことが知見された。この高い熱安定性は、四級アンモニウム界面活性剤とクレーギャラリー(clay gallery)中のナノチューブとの間の相互作用によって表れるようである。これは、クレーに沿ってナノチューブが並んだ結果によるのかもしれない。
【0043】
本発明は、以下の実施例からより明確に理解されるだろう。
四級アンモニウム界面活性剤とカーボンナノチューブで変性した本発明のナノクレーは二つの異なる方法で製造した。
【0044】
簡潔に言えば、最初の方法では、四級アンモニウム化合物で変性した市販のまたは社内(in house)変性したスメクタイト型クレーを溶媒を使用して膨潤させる。カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドをこの膨潤したクレーに添加し、続いて溶媒を除去または蒸発させる。変性したクレーをポリマーに添加して、優れた熱安定性及び導電率をもつナノコンポジットを形成する。
【0045】
第二の方法では、市販のオルガノクレーを水に分散させる。カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノワイヤを界面活性剤に分散させ、次いでクレー懸濁液に添加する。四級界面活性剤を添加する。水を濾過し、続いて乾燥すると、変性オルガノクレーが得られる。この変性クレーをポリマーに添加して、優れた熱安定性及び導電率をもつナノコンポジットを形成する。
【0046】
混合及び処理順序は、製造した変性オルガノクレーの特性に重要な効果を与えることが知見された。
ナノコンポジットは、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリスチレン(PS)、ナイロン11(PA11)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリカーボネート(PC)で5〜8重量%のクレー充填率で製造した。サンプルをブラベンダーオーバーヘッドミキサー中、80rpmスクリュー速度で10分間、溶融混合した。サンプルは、100KNの操作圧力でRandol水圧プレスを使用してさらに分析するためにシート状に熱プレスした。
【0047】
熱重量分析(TGA):
変性ナノクレー及び複合体の熱的特性は、パーキンエルマーPyris TGAを使用して測定した。測定は、30℃〜900℃で、加熱速度10℃/分で空気中で実施した。
【0048】
広角X−線回折:
X−線回折(XRD)は、複合体中の変性ナノクレーの層間隔とナノクレーの分散を測定するために、室温で実施した。
【0049】
X−線ビームは、40KV及び30mAでCu−Kα(λ=0.1514nm)照射で操作した。データは、走査速度0.1度/分で2から10°(2θ)で得た。
引張試験:
サンプルの引張特性は、10kNダイナミックロードセル(dynamic load cell)を備えた100KN張力試験器で測定した。測定は、圧縮した複合体シートから集めたストリップの形状のサンプルで、室温で実施した。
【0050】
表面抵抗率の測定:
表面抵抗率の測定は、BS EN 61340−5標準に従って、同心円状のリングプローブを使用して室温で実施した。
【0051】
ナノ硬度(nano hardness):
複合体のナノ硬度は、チップ荷重250mNの球状ダイアモンド圧子を使用して、ナノ硬度試験器(NHT,CSM instruments,スイス)で測定した。
【0052】
走査電子顕微鏡法
ナノチューブ変性ナノクレーは、走査電子顕微鏡(SEM)で観察した。SEM分析に関しては、サンプルを金属金で被覆して、クレーの構造とナノチューブとの適切なコントラストを得た。
【0053】
変性ナノクレーの導電率の測定:
変性ナノクレーの導電率の測定は、社内製造した実験組み立て品を使用して実施した。テフロン(登録商標)ディスクはマルチメーター(multi meter)または高抵抗メーター(high resistance meter)に接続するために二つの上部と底部の電極と、粉末サンプルを保持するために1.96×10−5の面積の小さな穴がある。粉末サンプルを穴に充填し、サンプルの抵抗を種々の重量下で測定した。導電率は以下の式を使用して計算した。
【0054】
【化1】

【0055】
サンプルで使用したラベルの正式名称は以下の通りである。
【0056】
【表1】

【実施例】
【0057】
実施例1
市販のスメクタイト型クレー[Bentone MA,Elementis specialties,USA]を二水素化獣脂ジメチルアンモニウムクロリド(Arquad 2HT−75,Fluka chemicalsの製品)を使用し、文献で利用可能な手順[Vaia,R.A.;Teukolsky,R.K.;Gainnelis,E.P. Chem.Mater,1994,6,1017−1022]により変性した。サンプルはMA 2HTと表示されるオルガノクレーである。オルガノクレー5gを連続攪拌下、室温で200mlアセトン中で膨潤させた。Nanocylより入手した薄い多層壁カーボンナノチューブを、高出力音波チップを使用してアセトン中に分散させた。得られたアセトン懸濁液を、クレー懸濁液に30分で添加した。5時間後、室温で高剪断混合し、全混合物(MA2HTMWCNT)を室温で溶媒を蒸発させるためにオープントレーに移した。完全に乾燥させた後、固体を粉砕して微粉末とし、ふるいにかけて均一サイズとした。変性したオルガノクレーの熱安定性は、四級アンモニウム化合物(Cloisiteオルガノクレーの種々のグレード)で変性した市販のスメクタイト型クレーと比較して図1に示す。図1aは、SWCNTで変性した市販のCloisite 25Aオルガノクレーの示差熱分析を示し、これはSWCNT変性オルガノクレーの高い熱安定性をはっきりと示す。
【0058】
実施例2:
市販のスメクタイト型クレー[Bentone MA,Elementis specialties,USA]を脱イオン水に60℃で、固体濃度0.5〜2.0重量%、剪断攪拌30分で分散させて、クレー小板を完全に剥離させた。Nanodisperse AQ非イオン界面活性剤中の多層壁カーボンナノチューブ[Nanocyl製]の水分散液をこのクレー分散液に、ナノチューブ:クレー及びNanodisperse AQ対クレーの比が10重量%で60分かけて添加した。分散液全体を高剪断下、30分間混合した。二水素化獣脂ジメチルアンモニウムクロリド(Arquad 2HT−75,Fluka chemicalsの製品)のアルコール性溶液を界面活性剤濃度5〜5.5重量%で製造し、次いでこれをクレー−ナノチューブ分散液に30分かけてゆっくり添加した。3時間後、固体をデカンテーションし、濾過し、熱水洗浄し、次いで60℃で乾燥した。完全に乾燥させた後、固体を粉砕して微粉末とし、ふるいにかけて均一サイズにした。このプロセスの別の変形例では、クレー[Bentone MA]を同様の条件下、ナノチューブ:クレー比0.5重量%で単層壁カーボンナノチューブ[CNI製]で変性した。図2aは、2HTAQMWCNTとBentone MA2HTで変性したBentone MAクレーの熱分析を示す。この熱分析から、変性したオルガノクレー(MA2HTAQMWCNT)の初期分解温度は非変性オルガノクレーと比較して45℃も高いことが明らかである。図2bは、四級アンモニウム化合物(Cloisteオルガノクレーの種々のグレード)で変性した市販のスメクタイト型クレーと比較した変性ナノクレーの熱分析を示す。市販のオルガノクレーと比較して、変性オルガノクレーの初期分解温度は、20℃〜80℃上昇した。オルガノクレーのX−線回折パターンd(001)間隔を図3に示す。d−間隔回折は約30Åで、これは市販のナノクレーと比較して6〜7Å高い。
【0059】
実施例3:
ナノチューブ変性ナノクレーMA2HTAQMWCNTは走査電子顕微鏡法(SEM)により観察した。図4は、ナノチューブで変性したナノクレーのSEM写真を示す。ナノチューブで変性したクレーは、クレーのなかにくまなくナノチューブと開口ナノチューブバンドルが分散していることをはっきりと示している。
【0060】
実施例4:
ナノチューブ変性ナノクレーのバルク導電率は、マルチメーターを使用して社内製装置で測定した。表1は、カーボンナノチューブとナノワイヤを使用した種々の変性クレーの導電率を示す。カーボンナノチューブで変性したナノクレーは、0.02〜9.1Sm−1の範囲の導電率を示す。市販のナノクレーは本質的に導電性ではない。
【0061】
【表2】

【0062】
実施例5:
カーボンナノチューブ変性オルガノクレー5重量%とHDPE95%を含むナノコンポジット(Equistar Petrothene LB832001)を180℃の温度、80rpmのスクリュー速度でブラベンダーオーバーヘッドミキサー中で10分間溶融混合した。図5は、ナノチューブで変性したクレーを使用して製造したHDPE複合体のTGA分析を示す。熱分析T50から、50%複合体が消散した温度を測定して表2に示した。T50は、ナノチューブ変性クレーで製造した複合体に関しては50〜55℃上昇した。表3は、ナノクレーで変性したHDPEナノコンポジットの機械的特性を示す。CNTで変性したオルガノクレーで製造したHDPE複合体は、HDPE単独よりも20〜25%高い弾性率と、最大荷重で30〜37%の改善を示した。オルガノクレーを使用して製造したHDPE複合体は、機械的特性では全く改善を示さなかった。
【0063】
【表3】

【0064】
【表4】

【0065】
実施例6:
ポリカーボネート(Aldrich CA No:18,1625)ナノコンポジットは、260℃でブラベンダーオーバーヘッドミキサー中、80rpmのスクリュー速度10分間を使用して種々のクレー充填量で製造した。XRD分析(図6)から、変性オルガノクレーで製造したポリカーボネートナノコンポジットは、挿入構造(intercalated structure)を示すことが明らかである。表2は、もとのポリマーと比較したナノコンポジットの優れた熱的特性を示す。
【0066】
表4は、本発明の種々のカーボンナノチューブ変性クレーで製造した種々のポリカーボネートナノコンポジットの表面抵抗率とナノ硬度を示す。本発明の変性クレーで得られた複合体は、本質的に導電性/帯電防止性(antistatic)であることが明らかである。導電率を別として、複合体のナノ硬度は、もとのポリカーボネートと比較して50〜80%改善した。
【0067】
【表5】

【0068】
実施例7:
実施例1及び2のオルガノクレーは、ブラベンダーミキシングヘッドで、180℃で、80rpmのスクリュー速度で溶融混合することによって5%充填量でポリスチレン(Aldrich 430102)中に配合した。得られた複合体は、TGA分析にかけ、結果を図7に示した。このデータは、本発明のオルガノクレーで得られた複合体が優れた熱的特性を持つことを示している。
【0069】
図8は、MA2HTMWCNT官能基化クレーで製造したポリスチレンナノコンポジットのSEM顕微鏡写真を示す。このCNTは開口しており、破断面から引き出されており、ここのCNTは充填方向に並んでいることが明らかであり、これらのCNTはポリスチレンマトリックス材料に対して強化作用を発揮していたことを示している。
【0070】
実施例8:
実施例1及び2の変性クレーは、ブラベンダーミキシングヘッドで、260℃でポリマーを溶融混合することによりポリエチレンテレフタレートPET(PermaClear)中に配合した。表5は、PET複合体の表面抵抗率を示している。本発明で変性して得られた複合体は、非常に低い表面抵抗率を示すか、やや導電性を示すことが明らかである。
【0071】
【表6】

【0072】
実施例9:
エポキシ複合体は、溶液ブレンドプロセスにより製造した。変性ナノクレー2重量%を60℃で30分間、ビスフェノールAプロポキシレート(IPO/フェノール)ジグリシジルエーテル[エポキシ樹脂]と混合して、均質分散液を得た。この混合物を室温に放冷して、10重量%の硬化剤(hardner)を添加した。この混合物を60℃に加熱し、硬化剤(hardnes)がナノクレー/エポキシ分散液と十分に混合するまで10分間攪拌した。この重合混合物を、5cm×10cm×0.1cm寸法のテフロン(登録商標)型に注いだ。サンプルを100℃のオーブン中で12時間硬化させた。
【0073】
表2は、種々の変性クレーで製造したエポキシ複合体の熱的特性を示す。T50は、ナノチューブ変性クレーで製造した複合体では25℃上昇した。
熱伝導率測定は、種々の変性ナノクレーで製造した複合体を使用して実施した。表6は、種々のエポキシナノコンポジットの熱伝導率を示す。熱伝導率測定は、ナノチューブ変性ナノクレーで製造した複合体の熱伝導率で11%上昇したことを示した。
【0074】
【表7】

【0075】
以下のセクションは、ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを使用して変性したナノクレーに追加の構成要素を導入する例を提供する。そのような追加の構成要素は、高い導電率に寄与する、及び/またはナノチューブよりも安価であるが、ナノ添加剤系と混和性である要素を含むことができる。たとえば、ナノ添加剤系は、ポリアニリンなどの本質的に導電性のポリマー(inherently conductive polymer:ICP)を使用して製造した。この場合、ナノチューブとポリアニリン成分は導電性であり、全てのナノ添加剤の導電率に寄与することができる。そのような複合体ナノ添加剤の処理は、ナノクレー+ナノチューブ+ICP+界面活性剤に化学的処理が含まれる。ICPを使用する一つの好都合な点は、所望の特性を得るのにより低濃度のナノチューブが必要なことである。全ての場合において、製造したナノ添加剤は、たとえば熱ブレンドまたは溶媒混合により、具体的なポリマーと混合して、優れた熱安定性及び/または導電性をもつナノコンポジットを製造することができる。そのようなポリマーの例としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン、ポリトルイジンが挙げられる。
【0076】
ポリアニリンとSWCNTを使用するナノクレーの変性:
実施例9:
市販の有機的に変性したモンモリロナイトクレー(Cloisite 25A,Southern Clay Products,USA)をポリアニリンとSWCNTで変性した。Cloisite 25Aは、文献(J.D.Sudha及びT.Sasikala、Polymer 48(2007)338−347)に報告されたもののやや変形した方法を使用してポリアニリンで変性した。Cloisite 25Aを60℃で80:20の水:イソプロパノール混合物中に、固体濃度1.0重量%で、12時間剪断混合することによって分散させた。蒸留アニリン4.3g(0.015モル)とドデシルベンゼンスルホン酸16.32g(0.05モル)を400ml蒸留水に80℃で分散させた。次いでエマルションをクレー分散液に滴下添加した。この混合物を氷浴中に保持しつつ0℃に冷却し、1M HClでpHを2〜2.5に調節した。次いで100mlの蒸留水に溶解した酸化開始剤(oxidant initiator)(NH0.06モルを滴下添加して、重合を開始した。6時間の反応時間の後、メタノールを添加して暗緑色の沈殿を単離し、濾過し、脱イオン水で洗浄し、真空オーブン中60℃で乾燥し、このサンプルをCloisite25ADPAと名付けた。
【0077】
Cloisite25ADPA1gを音波浴(sonic bath)中、室温で、N−メチルピロリドン(NMP)80ml中に分散させた。音波浴を使用してNMP20ml中に分散させた精製SWCNT(Nanocyl)2mg(0.2%)をNMP中のクレー懸濁液中に添加した。混合物全体を音波浴中、2時間、超音波処理した。最終変性クレーは、水1リットル(lit)中の懸濁液を沈殿させて回収した。沈殿を濾過し、過剰量の水で洗浄し、オーブン中、60℃で乾燥した。
【0078】
ポリアニリンとSWCNT変性ナノクレーのバルク導電率は、マルチメーターを使用して社内製造装置により測定した。表7は、ポリアニリンとSWCNTで変性したナノクレーの導電率を示す。ポリアニリンとSWCNTで変性したナノクレーは、ポリアニリン単独で変性したナノクレーの導電率の二倍を示す。市販のナノクレーは本質的に非導電性である。
【0079】
【表8】

【0080】
変性ナノクレーのTGA分析から、図9に示されているようにポリアニリンで変性したクレーと比較して、ポリアニリンとSWCNTで変性したナノクレーは、分解温度が40℃改善したことが明らかである。
【0081】
本発明は、上記の態様に限定されるものではなく、詳細は変動し得る。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1−1】図1(a)は、実施例1に記載のごとく製造したカーボンナノチューブ変性ナノクレーのTGAと、市販のオルガノクレーのTGAを示す図である。
【図1−2】図1(b)は、実施例1に記載のごとく製造したカーボンナノチューブ変性ナノクレーのTGAと、市販のオルガノクレーのTGAを示す図である。
【図2−1】図2(a)は、実施例2に記載のごとく製造したカーボンナノチューブ変性ナノクレーのTGAと、市販のオルガノクレーのTGAを示す図である。
【図2−2】図2(b)は、実施例2に記載のごとく製造したカーボンナノチューブ変性ナノクレーのTGAと、市販のオルガノクレーのTGAを示す図である。
【図3】図3は、カーボンナノチューブ変性ナノクレーのX−線粉末回折パターンを示す図である。
【図4】図4は、(a)多層壁ナノチューブ、(b)aX20K及びCNT−変性ナノクレー、(c)MA2HTAQMWCNT、(d)cX40Kの走査電子顕微鏡写真(SEM)である。
【図5】種々のHDPEナノコンポジットのTGA分析を示す図である。
【図6】ポリカーボネートナノコンポジットのXRD分析を示す図である。
【図7】ポリスチレンナノコンポジットのTGA分析を示す図である。
【図8】MA2HTMWCNT官能基化クレーで製造したポリスチレンナノコンポジットのSEMを示す図である。
【図9】ポリアニリン及びカーボンナノチューブで変性したナノクレーの導関数重量損失対温度のグラフを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変性ナノクレーの製造プロセスであって、
オルガノクレーを準備する;
溶媒または溶媒及び/または界面活性剤の混合物中に前記オルガノクレーを分散させる;
ナノチューブまたはナノワイヤを準備する;
溶媒または溶媒及び/または界面活性剤の混合物中に前記ナノチューブまたはナノワイヤを分散させる;及び
前記オルガノクレー懸濁液と前記ナノチューブ及び/またはナノワイヤ懸濁液とを混合する、各段階を含む前記プロセス。
【請求項2】
前記ナノチューブまたはナノワイヤと混合する前に、前記オルガノクレーを界面活性剤中に分散し、溶媒中に懸濁させる、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項3】
前記ナノチューブまたはナノワイヤを溶媒中に分散させる、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記オルガノクレーを溶媒中に懸濁し、前記ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを混合前に界面活性剤中に分散させる、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
前記オルガノクレー懸濁液と前記ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッド分散液とを混合してから界面活性剤を添加する、請求項4に記載のプロセス。
【請求項6】
前記溶媒が、水、アセトン、エタノール、メタノール、ブタノール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、キシレン、トルエン、ジメチルスルホキシド、プロピレン及びカーボネートのいずれか一種以上から選択される、請求項1〜5のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記界面活性剤が、四級アンモニウム塩、非−イオン界面活性剤及び脂肪酸ヒドロキシエチルイミダゾリンのいずれか一種以上から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
前記四級アンモニウム塩が、二水素化獣脂ジメチルアンモニウムクロリド、水素化獣脂ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、二水素化獣脂メチルベンジルアンモニウムクロリド、及び脂肪酸ヒドロキシエチルイミダゾリンのいずれか一種以上から選択される、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドが、カーボンナノチューブ(CNT)、単層カーボンナノチューブ(SWCNT−CNT)、MO636ナノワイヤ、ZnOナノロッド及びアーク放電多層壁カーボンナノチューブ(MWCNT)ススのいずれか一種以上から選択される、請求項1〜8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
前記オルガノクレー及びナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを室温で混合する、請求項1〜9のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記任意の溶媒を変性ナノクレーから蒸発または除去する、請求項1〜10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
変性ナノクレーの製造プロセスであって、
オルガノクレーを準備する;
前記オルガノクレーを界面活性剤中に分散させる;
前記分散させたクレーを溶媒中に懸濁させる;
カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを準備する;
前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤ及び/またはナノロッドを溶媒中に分散させる;及び
前記懸濁させたナノクレーを、前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッド分散液と混合する、各段階を含む前記プロセス。
【請求項13】
変性ナノクレーの製造プロセスであって、
オルガノクレーを準備する;
前記オルガノクレーを溶媒中に分散させる;
カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを準備する;
前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドを溶媒中に分散させる;及び
前記ナノクレー分散液と、前記カーボンナノチューブ、ナノワイヤ及び/またはナノロッド分散液とを混合する、各段階を含む前記プロセス。
【請求項14】
前記ナノクレーとナノチューブ、ナノワイヤまたはナノロッドとを、少なくとも30分間、高剪断で混合する、請求項1〜13に記載のプロセス。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれかに記載のプロセスにより製造した変性オルガノクレーまたはnonadditive。
【請求項16】
実施例を参照して本明細書中に記載の実質的に変性ナノクレーまたはnonadditive。
【請求項17】
請求項1〜14のいずれかに記載の方法に従って製造した変性オルガノクレーまたはnonadditiveをポリマーに添加することを含む、ポリマーナノコンポジットの製造プロセス。
【請求項18】
前記ポリマーが、熱可塑性ポリマー、ポリオレフィン、フルオロポリマー、ポリアミド、エンジニアリングポリマー、たとえばポリエーテルケトン、スチレンポリマー及びポリカーボネート、熱硬化性ポリマー、エポキシ及びフェノール樹脂のいずれか一種以上から選択される、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
請求項17または18に記載のプロセスにより製造したポリマーナノコンポジット。
【請求項20】
請求項1〜16のいずれかに記載のプロセスにより製造した変性オルガノクレーで強化したポリマー材料。
【請求項21】
実施例を参照して本明細書中に実質的に記載のポリマーナノコンポジット。
【請求項22】
ナノチューブ、ナノロッドまたはナノワイヤで変性したオルガノクレーを含むナノ添加剤(nanoadditive)であって、前記ナノ添加剤は、非変性オルガノクレーよりも高い熱安定性及び/または導電率をもつ、前記ナノ添加剤。
【請求項23】
ナノチューブ、ナノロッドまたはナノワイヤで変性したオルガノクレーを含むナノ添加剤であって、前記ナノ添加剤は、非変性オルガノクレーよりも少なくとも20℃高い分解温度により明示されるような熱安定性をもつ、前記ナノ添加剤。
【請求項24】
前記分解温度が、非変性オルガノクレーよりも少なくとも40℃高い、請求項23に記載のナノ添加剤。
【請求項25】
前記分解温度が、非変性オルガノクレーよりも少なくとも60℃高い、請求項23または24に記載のナノ添加剤。
【請求項26】
前記分解温度が、非変性オルガノクレーよりも少なくとも80℃高い、請求項23〜25のいずれかに記載のナノ添加剤。
【請求項27】
ナノチューブ、ナノロッドまたはナノワイヤで変性したオルガノクレーを含むナノ添加剤であって、前記ナノ添加剤は非変性オルガノクレーよりも少なくとも10倍大きい導電率をもつ、前記ナノ添加剤。
【請求項28】
前記ナノ添加剤が、非変性オルガノクレーよりも少なくとも100倍大きい導電率をもつ、請求項27に記載のナノ添加剤。
【請求項29】
前記ナノ添加剤が、非変性オルガノクレーよりも少なくとも1000倍大きい導電率をもつ、請求項27または28に記載のナノ添加剤。
【請求項30】
本質的に導電性ポリマー材料をさらに含む、請求項15、16または22〜29のいずれかに記載のナノ添加剤。
【請求項31】
前記導電性ポリマー材料がポリアニリンを含む、請求項30に記載のナノ製品。
【請求項32】
請求項22〜31のいずれかに記載のナノ添加剤を含む複合体。
【請求項33】
前記複合体がポリマー材料である、請求項32に記載の複合体。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−534284(P2009−534284A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506036(P2009−506036)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【国際出願番号】PCT/IE2007/000049
【国際公開番号】WO2007/119231
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(507345000)ザ・プロヴォスト,フェローズ・アンド・スカラーズ・オブ・ザ・カレッジ・オブ・ザ・ホーリー・アンド・アンディヴァイデッド・トリニティー・オブ・クイーン・エリザベス,ニア・ダブリン (7)
【Fターム(参考)】