説明

変色体セット

【課題】 変色体に形成される像の濃度保持性及び形状保持性に優れ、手形、足形等を採取して保存したり、筆記像やスタンプ像を保存する用途に適した像の永久保存性を満足させる変色体セットを提供する。
【解決手段】 支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層が吸液状態で透明又は半透明化して変色する変色体と、媒体中に屈折率が1.3〜1.8の固体物を溶解及び/又は分散させてなる変色体用液状組成物と、変色体に変色体用液状組成物によって形成された像を保護する透明性プラスチックシート材とからなる変色体セット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変色体セットに関する。更に詳細には、変色体に形成された像の永続性を満足させる変色体セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、変色体に像を形成する試みとして、人形又は動物形象玩具と、支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設けた変色体とからなる人形又は動物形象玩具セットが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
前記人形又は動物形象玩具セットは、吸液状態の人形又は動物形象玩具の任意の部位を水変色体の表面に押し当て、当該箇所の多孔質層に水を浸透させ、透明又は半透明化して像を視覚させるものであり、多孔質層に浸透した液体が蒸発すれば元の状態に復して像が視覚されなくなる、繰り返しの実用性を有するものである。
また、前記玩具に吸液させる媒体は、水が好適に用いられ、乾燥速度を調整して像の可視時間を延長化させるためには、プロピレングリコール等、微量の水溶性有機溶剤を配合できることが開示されている。
しかし、前記構成の変色体に形成される像は、水の蒸発によって視認されなくなるものであり、プロピレングリコール等の水溶性有機溶剤を添加しても像の可視時間は僅かに延長される程度であった。
よって、像を永続的に形成して保存する用途、例えば、幼児の手形、足形等を採取して保存する用途には不向きであり、像の保存性に適した変色体とそれに用いられる液状組成物が待ち望まれていた。
【特許文献1】特開平11−216272号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、像を形成することのできる変色体とそれに適用される液状組成物について鋭意検討した結果、液状組成物の媒体中に特定の固形粒子を分散した液状組成物と、変色体に形成された像を保護する透明性プラスチックシート材を用いることにより、変色体に形成される像の永続形成性に優れ、手形、足形等を採取して保存したり、筆記像やスタンプ像を保存する用途に適した像の永久保存性を満足させることのできる変色体セットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層が吸液状態で透明又は半透明化して変色する変色体と、媒体中に屈折率が1.3〜1.8の固体物を溶解及び/又は分散させてなる変色体用液状組成物と、変色体に変色体用液状組成物によって形成された像を保護する透明性シート材とからなる変色体セットを要件とする。
更には、前記変色体用液状組成物の媒体が少なくとも水を含んでなること、前記固体物が媒体中で溶解してなること、前記透明性シート材が変色体を封入する袋状体又は挟着体であること、前記透明性シート材がアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、セルロースアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂のフィルムから選ばれること、前記変色体用液状組成物が繊維材に含浸されてなり、且つ、前記繊維材が水不透過性の袋状体に封入されてなること、前記繊維材の目付け量が10〜1000g/m2 であること、前記繊維材が不織布であること等を要件とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、変色体に形成される像の濃度保持性及び形状保持性に優れ、手形、足形等を採取して保存したり、筆記像やスタンプ像を保存する用途に適した像の永久保存性を満足させる変色体セットを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、液状組成物を変色体に付着させ、当該箇所の多孔質層に媒体を浸透させ、透明又は半透明化して像を視覚させるものであり、多孔質層に浸透した媒体が蒸発しても、液状組成物中に含まれる固体物は残存するため、像が永続して視認される。
【0007】
前記液状組成物に用いられる媒体は、水が安全性、コスト面から最も好適に用いられるが、各種有機溶剤と水の混合物であってもよい。また、用途によっては、各種有機溶剤の適用も可能であり、前記有機溶剤としては、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、ノルマルノナン、ノルマルデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、ミネラルスピリット、流動パラフィン、ベンゼン、トルエン、キシレン、0−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、p−シメン、ソルベントナフサ、テトラヒドロナフタリン、α−ピネン、テレピン油、鉱物油、植物油等の炭化水素類。
メチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルブチルアルコール、イソブチルアルコール、第2ブチルアルコール、第3ブチルアルコール、イソアミルアルコール、フーゼル油、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等の1価アルコール類。
エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル酢酸エステル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソアミルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、酢酸モノグリセリド、酢酸ジグリセリド、酢酸トリグリセリド、酪酸モノグリセリド等の多価アルコール及びその誘導体。
エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、フェニルメチルエーテル、フェニルエチルエーテル、o−クレシルメチルエーテル、m−クレシルメチルエーテル、p−クレシルメチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジエチレンオキシド、シネオール、フルフラール、フルフリルアルコール、酪酸フルフリル、テトラヒドロフルフリルアルコール、ホルマール、アセタール等のエーテル及びアセタール類。
アセトン、アセトン油、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、カンフル等のケトン類。
蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ノルマルブチル、蟻酸イソブチル、蟻酸アミル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、酢酸第2ブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、イソ吉草酸イソアミル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸アミル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソアミル、安息香酸ベンジル、桂皮酸エチル、アジピン酸エチル、アジピン酸ブチル、アジピン酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジ−n−ヘキシル、アジピン酸ジ−n−オクチル、アジピン酸ジ−n−デシル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジイソブチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ビス(2エチルヘキシル)、アゼライン酸ビス(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ビス(2エチルヘキシル)、ドデカン2酸ビス(2−エチルヘキシル)、アセチルクエン酸トリブチル、トリメリット酸トリス(2エチルヘキシル)、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレシル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸アミル、オキシイソ酪酸エチル、酒石酸ジブチル、クエン酸トリブチル、サリチル酸メチル、ジエチルオキサレート、ジブチルオキサレート、マロン酸ジエチル、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジアミルフタレート、ジノルマルヘキシルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート等のエステル類。
蟻酸、酢酸、無水酢酸、クレゾール、等の脂肪酸及びフェノール類。アニリン、o−トルイジン、シクロヘキシルアミン、ピリジン、キノリン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ニトロベンゼン、ニトロアニソール等の窒素化合物類を例示できるが、流動パラフィン、植物油、アジピン酸エステル等の脂肪族エステル類、プロピレングリコール、グリセリン等のグリコール類等は他の有機溶剤と比較して安全性に優れるために好適に用いられる。
【0008】
前記媒体中に溶解及び又は分散される固体物は、20℃において固体状態を示す物質であり、媒体が乾燥しても多孔質層中に残存して像を永続して視認させるため、屈折率が1.3〜1.8、好ましくは1.4〜1.7のものが用いられる。
これは、変色体の多孔質層中に含まれる低屈折率顔料の屈折率が1.4〜1.7の範囲にあるため、層中に浸透した固体物が低屈折率顔料と同等の屈折率を有して、層に良好な透明性を付与でき、下層の色調を視認できる効果を永続して示すことができるからである。
よって、前記固体物を用いることにより、変色体に形成された像が経時後も初期と同様の形状及び色調にて保存することが可能となる。
【0009】
前記固体物としては、20℃で固体状態を示し、且つ、屈折率が1.3〜1.8の範囲にある有機物もしくは無機物であれば特に限定されないが、その物質としては、アイオノマー樹脂、アミノポリアクリルアミド樹脂、イソブチレン樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、アクリロニトリル−アクリレート−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合樹脂、アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチレン共重合樹脂、ブタジエン−スチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレン−プロピレン共重合樹脂、エチレンアクリル酸エステル共重合樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合樹脂、エチレン−塩化ビニル共重合樹脂、塩化ビニル−プロピレン共重合樹脂、塩化ビニル−ビニリデン共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、カルボキシビニル樹脂、ケトン樹脂、ノルボルネン樹脂、ポリアミド樹脂、共重合ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、メトキシメチル化ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、アクリル−スチレン共重合樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメチルスチレン樹脂、アクリル酸エステル樹脂、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、フノール樹脂変性アルキド樹脂、スチレン変性アルキド樹脂、エポキシ変性アルキド樹脂、アクリル変性アルキド樹脂、アミノアルキド樹脂、ブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン系共重合樹脂、ポリオレフィン系共重合樹脂、ロジンエステル樹脂、ポリイソブチレン樹脂、イソプレンゴム、ブチルゴム、環化ゴム、塩素化ゴム、ポリビニルアルキルエーテル樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、石油系炭化水素樹脂、トルエン樹脂、キシレン樹脂、メタクリル酸エステル共重合樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合樹脂、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾール共重合樹脂、ビニルピロリドン−ビニルイミダゾールメチル硫酸塩共重合樹脂、ビニルピロリドン−メタクリル酸ナトリウム塩共重合樹脂、ビニルピロリドン−ビニルカプロラクタム共重合樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、ポリビニルピロリドン−ビニルイミダゾール、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルメチルエーテル、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合樹脂、ポリリン酸塩等の合成樹脂、若しくはオリゴマー。
【0010】
セルロースアセテート、セロファン、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチル化澱粉、ヒドロキシエチル化澱粉、リン酸澱粉等の澱粉誘導体、デキストリン、ゼラチン、ニカワ、ロジン、セラック、カゼイン、カゼイン酸ナトリウム、カルナバワックス、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、コラーゲン、エラスチン、アラビアゴム、エステルガム、グアーガム、グリシルリチン、コパールゴム、タラカントガム、ダンマルゴム、ローカストビーンガム、五倍子、没食子、タンニン酸、ヒアルロン酸、ショウ脳、合成ショウ脳、乳糖、ブドウ糖、ペクチン、ポリフェノール、蜜ロウ、木ロウ、没食子酸、ピロガロール等の天然物若しくは半合成樹脂。
【0011】
ヤシ油、パーム油、牛脂、硬化油、高級脂肪酸、高級アルコール、脂肪酸エステル、オキシ酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル脂肪酸エステル等の固形油脂。
【0012】
脂肪酸石けん、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物、メラミンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、ジメチル−5−スルホイソフタレートナトリウム塩、硫酸化油、アルキル硫酸塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキルアマイド硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニュウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニュム塩、イミダゾリニウム塩、アルキルジメチルベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、レシチン誘導体、アルキルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フルオロアルキルカルボン酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[フルオロアルキルオキシ]−1−アルキルスルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パ−フルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩等の界面活性剤類。
【0013】
デンプン糖、デキストラン、ザンサンガム、カードラン、プルラン、シクロアミロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム等の多糖類。
【0014】
D−ソルビット、マンニット、マルチトール、イノシトール、フィチン酸、アルブチン等の配糖体。
【0015】
ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、アスコルビン酸カルシウム、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンG、ビタミンH、ビタミンK、ビタミンL、ビタミンM、ビタミンP、ビタミンR、ビタミンS、ビタミンT、ビタミンU、ビタミンV、ビタミンW、ビタミンX、ビタミンY、パントテン酸、ニコチン酸、リポ酸、リポアミド等のビタミン類。
【0016】
L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸塩、D−アスパラギン酸、DL−アラニン、L−アラニン、D−アラニン、β−アラニン、L−アルギニン、L−イソシアニン、グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−シスチン、L−システインの誘導体、L−スレオニン、L−セリン、L−チロシン、L−トリプトファン、L−バリン、L−ヒスチジン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、DL−メチオニン、L−メチオニン、L−リシン、L−ロイシン、グリシルグリシン、グルタチオン、酸化型グルタチオン、γ−アミノ酪酸、εアミノカプロン酸、L−オルニチン塩酸塩、L−シトルリン、等のアミノ酸類。
【0017】
コルチゾン、テストステロン、チロキシン、アドレナリン、インシュリン等のホルモン類。
【0018】
アデニン、アデノシン、5′−アデニル酸、3′,5′−サイクリックアデニル酸、アデノシン三リン酸ナトリウム塩、6−アリルアデニン、6−ベンジルアデニン、6−アリルアデノシン、6−ベンジルアデノシン、デオキシアデノシン一リン酸、グアニン、グアノシン、グアニル酸ナトリウム塩、デオキシグアノシン一リン酸、ウラシル、ウリジン、5′−ウリジル酸二ナトリウム塩、デオキシウリジン、5′−ヨードデオキシウリジン、ウリジン−5′−ジホスフェートグルコース、オロト酸、シトシン、シチジン、5′−シチジル酸、シチジン−5′−三リン酸塩、デオキシシチジン一リン酸、シチジン−5′−ジホスフェートコリンナトリウム塩、アラビノシルシトシン、ピポキサンチン、イノシン、5′−イノシン酸ナトリウム、6−メルカプトプリン、6−メチルメルカプトプリン、ニコチンアミドモノヌクレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド還元型ナトリウム塩、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート還元型ナトリウム塩、コレステリン、γ−オリザノール等の核酸及び脂質類。
【0019】
その他、尿素、N,N′−エチレンビス(ステアロアミド)、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、N,N′−メチレンビス(ステアロアミド)、メチロールステアロアミド、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、CTU、CTUグアナミン、セバシン酸、ドデカン二酸、ドデカン二酸ジヒドラジド、ペンタエリスリトール、マロン酸、無水イタコン酸、無水マレイン酸、アセトアニリド、アセト酢酸アニリド、p−アミノアセトアニリド、イソフタル酸、ジメチルテレフタレート、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、ジフェニル酢酸、ジフェニルスルホン、ジメチルテレフタレート、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、P−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸ステアリル、ラウロン、ステアロン等を例示できる。
【0020】
また、無機物としては、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、サラシ粉、炭酸二ナトリウム、ソーダ石灰、ケイ酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、硫酸アンモニュウム、炭酸カルシウム、コロイダルシリカ等を例示できる。
【0021】
前記媒体中に含まれる固体物は3.0重量%以上、好ましくは3.0〜90.0重量%である。3.0重量%未満では明瞭な像の形成性に乏しく、90.0重量%を越えると適用される固体物によっては粘度が上昇して初期の像形成性を損ない易くなる。
【0022】
また、前記固体物を多孔質層に効率的に含浸させるためには、固体物の粒子径が10μm以下、好ましくは0.01μm〜10μmのものが用いられる。
固体物を0.01μm未満に微分散することは困難であり、10μmを越えると多孔質層の空隙に固体物粒子が入り込み難くなり、多孔質層表面に付着して明瞭な像の形成が困難となる。
【0023】
なお、前記固体物として水に可溶なものを用いると、液状組成物を変色体に適用し、媒体が蒸発して固体物により形成した像を水洗により除去することができるため、像が不要になった場合や像の形成に失敗した場合に変色体を廃棄することなく、該変色体を繰り返し使用することができるため実用的である。その場合、変色体を構成する支持体は耐水性素材であることが好ましい。
更に、手形や足形を採取した場合、手や足に付いた固体物を水で容易に洗い流すこともでき、人体に対する安全性も高くなり、最適である。
【0024】
前記変色体は、支持体上に低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を備えたものであって、前記多孔質層が液状組成物を吸収して透明又は半透明化して下層の色調を視認できるものである。
前記変色体の支持体の材質は、耐水性を有するものであれば特に限定されず、合成紙、布帛、フィルム、プラスチック、ゴム、合成皮革、レザー、ガラス、陶磁器、木材、石材等が挙げられる。
又、耐水性に乏しい材質、例えば、上質紙、アート紙、コート紙等であっても、フィルムによるラミネート、樹脂を塗工又は含浸する等の方法により、支持体として用いることができる。
前記支持体形態としては平面状のものが好ましいが、凹凸状の形態であってもよい。
【0025】
又、前記液状組成物を多孔質層に付着させる際に用いられる塗布具やスタンプ具等の付着具が比較的硬質の場合、前記付着具の接触による押圧を弾性的に受け止めて、液状組成物の浸透により鮮明な像を形成させるため、支持体は柔軟性或いは弾性を有する材料、例えば布帛、ゴム、独立気泡を有する発泡体により形成することができる。また、合成紙等の弾性に乏しい材質により形成された支持体であっても、前記支持体の下層に柔軟性或いは弾性を有する層を設けることによって、鮮明な像を形成させることができる。
【0026】
前記支持体上に形成される多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層である。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、これらは屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液状組成物を吸液すると良好な透明性を示すものである。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
尚、好適に用いられる低屈折率顔料としては微粒子状珪酸が挙げられる。
微粒子状珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法微粒子状珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるもの(以下、湿式法微粒子状珪酸と称する)とに大別され、いずれを用いることも可能であるが、湿式法微粒子状珪酸を用いた場合、乾式法微粒子状珪酸の系に較べて常態での隠蔽性が大きいため、微粒子状珪酸に対するバインダー樹脂の混合比率を大きくすることが可能となり、多孔質層の皮膜強度を向上させることができるので、より好適に用いられる。
前記したように多孔質層の常態での隠蔽性を満足させるために用いられる微粒子状珪酸としては、湿式法微粒子状珪酸が好ましい。これは、乾式法微粒子状珪酸と、湿式法微粒子状珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法微粒子状珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法微粒子状珪酸は珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。従って、前記乾式法微粒子状珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法微粒子状珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法微粒子状珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記多孔質層に含まれる低屈折率顔料は、浸透する媒体が安全性とコスト面から主に水であることから、適度の親水性を有することが望ましい。従って、湿式法微粒子状珪酸は乾式法微粒子状珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く存在するため親水性が高く、好適に用いられる。
【0027】
前記湿式法微粒子状珪酸を低屈折率顔料として用いる場合、湿式法微粒子状珪酸の種類、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1g/m2 〜30g/m2 であることが好ましく、より好ましくは、5g/m2 〜20g/m2 である。1g/m2 未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/m2 を越えると吸水時に十分な透明性を得ることが困難である。
【0028】
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体上に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0029】
前記多孔質層は、従来より公知の一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。よって、耐擦過性が必要となる用途においては、上述のバインダー樹脂としてウレタン系樹脂又はナイロン樹脂を用いるか、或いは前記樹脂を少なくとも含有することが好ましい。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
尚、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分重量比率で30%以上含有させることが好ましい。前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、媒体との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加することにより、前記した浸透性能をコントロールすることもできる。
【0030】
前記多孔質層は従来より公知の方法、例えば、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷手段、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の手段により形成することができる。
【0031】
更に、前記多孔質層中には、従来より公知の二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を添加したり、一般染料、顔料を添加して色変化を多様にすることもできる。
【0032】
前記のようにして形成される変色体には、必要によって、一般染料や顔料、蛍光染料や顔料を含む非変色性インキにより非変色層を設けたり、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄−二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、グアニン、絹雲母、塩基性炭酸鉛、酸性砒酸鉛、オキシ塩化ビスマス等の金属光沢顔料を含むインキを塗布して金属光沢層を設けることもできる。
尚、前記非変色層は、多孔質層の下層に配設することによって、乾燥状態と吸水状態との色彩変化に優れた変色体が得られる。
【0033】
前記した変色体の構成において、保護層や光安定剤層を適宜設けることもできる。具体的には、前記光安定剤層は紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、一重項酸素消光剤、スーパーオキシドアニオン消光剤、オゾン消色剤、可視光線吸収剤、赤外線吸収剤から選ばれる光安定剤を分散状態に固着した層である。
尚、老化防止剤、帯電防止剤、極性付与剤、揺変性付与剤、消泡剤等を必要に応じて各層に添加して機能を向上させることもできる。
【0034】
前記変色体に液状組成物を付着させる方法としては、指を液状組成物で濡らして変色体に接触させる方法、先端部に筆穂や繊維ペン体等を有する塗布具又はスポンジに液状組成物を含浸させて変色体に接触させる方法、液状組成物を収容した容器を変色体に近接又は接触させ、容器内から液状組成物を導出して付着させる方法、印面に連続気泡又は独立気泡を有する発泡体を固着したスタンプに液状組成物を含浸させて変色体に付着させる方法、プラスチックやゴムの印面を粗面に形成したスタンプに液状組成物を付着させ、変色体に接触させる方法が挙げられるが、手形や足形を採取する場合には、含浸材として繊維材や連続気泡を有する発泡材(スポンジ)に液状組成物を含浸させたものに手や足を接触させて液状組成物を付着させた後、前記変色体に手や足を接触させて手形や足形を採取する方法が適しており、明瞭で均一な手形や足形を簡便に形成できる。
前記含浸材として特に繊維材が好適であり、繊維材のうち目付け量が10〜1000g/m2 のものが手や足に液状組成物を均一に付着させることができ、よって明瞭な手形や足形を変色体に形成することができる。
10g/m2 未満では液状組成物を十分に含浸できないため、明瞭な手形や足形を形成できず、また、1000g/m2 を越えると必要量以上の液状組成物を含浸することとなり、高コストになる。
更に、繊維材として不織布を用いることより、加工性に優れ、より安価に製造することができる。
また、前記繊維材は、未使用時に液状組成物中の媒体が蒸発しないように水不透過性の袋状物に封入されることが好ましく、水不透過性の素材としては水蒸気透過率が10.0g/m2 ・24hr以下のフィルム素材が適用される。
水蒸気透過率が10.0g/m2 ・24hr以下のフィルム素材であれば材質は特に限定されるものではないが、例えば、延伸ポリプロピレン20μmと無延伸ポリプロピレン30μmからなる積層フィルム、延伸ナイロン15μmと無延伸ポリプロピレン60μmからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム9μmと延伸ナイロン15μmと無延伸ポリプロピレン60μmからなる積層フィルム、セロハン#300とポリエチレン13μmとアルミニウム9μmとポリエチレン20μmとからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとポリエチレン13μmとアルミニウム6μmとポリエチレン30μmからなる積層フィルム、延伸ポリプロピレン20μmとエチレンビニルアルコール15μmとポリエチレン40μmからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム9μmとポリエチレンテレフタレート12μmと直鎖状低密度ポリエチレン40μmからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート12μmと直鎖状低密度ポリエチレン50μmからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム9μmと直鎖状低密度ポリエチレン40μmからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム9μmとエチレン・メタクリル酸共重合体40μmからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム9μmとアドマー20μmと直鎖状低密度ポリエチレン20μmからなる積層フィルム、延伸ポリプロピレン20μmとアルミニウム蒸着無延伸ポリプロピレン25μmからなる積層フィルム、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム9μmとポリアクリロニトリル30μmからなる積層フィルム等が使用される。
【0035】
前記透明性シート材は、変色体に変色体用液状組成物によって形成された像に水等の液体が付着することを防止するために用いられ、透明性を有する材料であれば全て使用することができるが、大気中の水分が結露等によりシート材を透して多孔質層に吸液することを防止するために水不浸透性又は難浸透性シート材であることが好ましい。前記透明性シート材の材質としては、ガラス板やプラスチックシート材が挙げられるが、取り扱いや加工が安易なプラスチックシート材が好適に用いられ、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、セルロースアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂等が使用される。
なお、前記透明性とは、無色透明の他、着色透明、半透明、着色半透明であってもよい。
前記透明性プラスチックシート材の形状としては、変色体の全面を覆う袋状体または狭着体であり、袋状体は前記変色体を封入する構成であり、狭着体は、変色体の多孔質層のみを覆う構成、略中央部に折り目を設けたシート材に挟み込む構成、変色体の上面と下面を覆う別体のシート材を貼着もしくは圧接する構成が挙げられる。
【実施例】
【0036】
以下に実施例を示す。
なお、実施例中の部は重量部を示し、固形物の屈折率は固体状態でのナトリウムのD線(589nm)における20℃での値である。
実施例1
変色体の作製
支持体として白色合成紙(大きさ200mm×180mm、厚み130μm)上に、青色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した青色スクリーン印刷用インキを、180メッシュのスクリーン版を用いて全面に印刷して非変色層を形成した。
次いで、前記非変色層上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いてベタ印刷を施し、70℃で15分間乾燥、硬化させて多孔質層を形成し、吸液により白色から青色に変化する変色体を得た。
【0037】
変色体用液状組成物の調製
固体物としてポリビニルピロリドン〔商品名:ルビスコールK−17、BASF社製、屈折率1.50〕45部を水55部中に攪拌しながら投入し均一溶解させて変色体用液状組成物を得た。
前記変色体用液状組成物5.0gを、繊維材としてセルロース製不織布(150mm×200mm、目付量:40g/m2 )に均一に含浸させて折り畳み、ポリエチレンテレフタレート12μmとポリエチレン13μmとアルミニウム6μmとポリエチレン30μmからなる積層フィルムからなる袋状物に封入した。
なお、前記変色性液状組成物を封入した袋状物を40℃、湿度50%RHの環境下で1ヶ月間放置しても重量変化はなく、袋状物外への水分の蒸発は発生しなかった。
【0038】
透明性シート材の作製
透明ポリプロピレン樹脂(厚さ40μm)によって袋状体(160mm×210mm)を形成して透明性シート材を得た。
【0039】
前記変色体と、変色性液状組成物を封入した袋状物と、透明性シート材とを組み合わせて変色体セットを得た。
前記袋状物の先端部をカットして変色体用液状組成物を含浸した繊維材を取り出し、幼児の手のひら全体に接触させて均一に液体組成物を付着させた後、変色体の多孔質層上に手を5秒間押し付けると、多孔質層が液状組成物を吸液して透明化し、下層の非変色層による青色の手形が採取された。
前記手形が形成された変色体を20℃、湿度50%RHの環境下で30分間放置して乾燥させた後、透明性シート材(袋状体)中に封入し、20℃、湿度50%RHの環境下で3カ月間放置しても初期と同様の色濃度と形状を維持しており、また、水等が誤って付着しても手形は何ら変化することなく保存安定性に優れていた。
なお、前記変色体用液状組成物に含まれる固体物は水に可溶であるため、手形を採取する際、手に付着した液状組成物は水で容易に洗い落とすことができると共に、手形の採取に失敗した場合は変色体を水洗することによって手形を完全に除去することができ、再度液状組成物を用いて手形を形成することができる繰り返しの実用を満足させるものであった。
更に、前記液状組成物は無色透明のため、誤って衣服等に付着しても汚れとなることはなく、水洗い等で簡易に取り除くことができ、幼児の手形を採取する利便性と安全性にも優れていた。
【0040】
実施例2
変色体の作製
支持体として白色合成紙(大きさ280mm×280mm、厚み200μm)上に、ピンク色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌したピンク色スクリーン印刷用インキを、180メッシュのスクリーン版を用いて全面にベタ印刷して非変色層を形成した。
次いで、前記非変色層上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−200A、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いてベタ印刷を施して多孔質層を形成して吸液により白色からピンク色に変化する変色体を作製した。
【0041】
変色体用液状組成物の調製
固体物としてサイクロデキストリン〔商品名:イソエリートP、日研化学(株)製、屈折率1.47〕50部を水50部中に攪拌しながら投入し均一溶解させて変色体用液状組成物を得た。
前記変色体用液状組成物6.0gを、繊維材としてポリエステル製不織布(100mm×200mm、目付量:70g/m2 )に均一に含浸させて折り畳み、ポリエチレンテレフタレート12μmとアルミニウム9μmとポリエチレンテレフタレート12μmと直鎖状低密度ポリエチレン40μmからなる積層フィルムからなる袋状物に封入した。
なお、前記変色性液状組成物を封入した袋状物を40℃、湿度50%RHの環境下で1ヶ月間放置しても重量変化はなく、袋状物外への水分の蒸発は発生しなかった。
【0042】
透明性シート材の作製
半透明のポリエチレン樹脂(厚さ100μm)によって挟着体(120mm×220mm)を形成して透明性シート材を得た。 なお、前記透明性シート材は、240mm×220mmのポリエチレン樹脂を120mm×220mmの大きさになるように半折りし、底部の1辺のみを熱融着させたものである。
【0043】
前記変色体と、変色性液状組成物を封入した袋状物と、透明性シート材とを組み合わせて変色体セットを得た。
前記袋状物の先端部をカットして変色体用液状組成物を含浸した繊維材を取り出し、幼児の足の裏全体に接触させて均一に液状組成物を付着させた後、変色体の多孔質層上に足を5秒間押し付けると、多孔質層が液状組成物を吸液して透明化し、下層の非変色層によるピンク色の足形が採取された。
前記足形が形成された変色体を20℃、湿度50%RHの環境下で30分間放置して乾燥させた後、透明性シート材(挟着体)に挟み込み、20℃、湿度50%RHの環境下で3カ月間放置したも初期と同様の色濃度と形状を維持しており、また、20℃、湿度95%RHの環境下で放置しても足形は何ら変化することなく保存安定性に優れていた。
なお、前記変色体用液状組成物に含まれる固体物は水に可溶であるため、足形を採取する際、足に付着した液状組成物は水で容易に洗い落とすことができると共に、足形の採取に失敗した場合は変色体を水洗することによって足形を完全に除去することができ、再度液状組成物を用いて足形を形成することができる繰り返しの実用を満足させるものであった。
更に、前記液状組成物は無色透明のため、誤って衣服等に付着しても汚れとなることはなく、水洗い等で簡易に取り除くことができ、幼児の足形を採取する利便性と安全性にも優れていた。
【0044】
実施例3
変色体の作製
支持体として青色に着色されたポリエステルシート(大きさ200mm×250mm、厚み:50μm)上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、ピンク色蛍光顔料2部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌したピンク色スクリーン印刷用インキを用いて、全面にベタ印刷を施してピンク色の多孔質層を形成し、吸液によりピンク色から紫色に変化する変色体を作製した。
【0045】
変色体用液状組成物の調製
固体物としてポリエチレングリコール〔商品名:PEG#6000P、三洋化成(株)製、屈折率1.48〕50部を水50部中に攪拌しながら投入し均一溶解させて変色体用液状組成物を得た。
前記変色体用液状組成物5.0gを、繊維材としてセルロース製不織布(150mm×200mm、目付量:40g/m2 )に均一に含浸させた。
【0046】
透明性シート材の作製
透明なポリメタクリル酸メチル樹脂(厚さ300μm)によって挟着体(230mm×280mm)を形成して透明性シート材を得た。
なお、前記透明性シート材は2枚のシート材からなり、各シート材の四隅には孔を設けてなる。
【0047】
前記変色体と、変色性液状組成物を封入した袋状物と、透明性シート材とを組み合わせて変色体セットを得た。
前記繊維材を幼児の手のひらに接触させて均一液状組成物を付着させた後、変色体の多孔質層上に足を5秒間押し付けると、多孔質層が液状組成物を吸液して透明化し、紫色の手形が採取された。
前記手形が形成された変色体を20℃、湿度50%RHの環境下で30分間放置して乾燥させた後、透明性シート材に挟み込み、四隅をボルトで固着し、20℃、湿度90%RHの環境下で3カ月間放置しても初期と同様の色濃度と形状を維持しており、また、水等が誤って付着しても手形は何ら変化することなく保存安定性に優れていた。
なお、前記変色体用液状組成物に含まれる固体物は水に可溶であるため、手形を採取する際、手に付着した液状組成物は水で容易に洗い落とすことができると共に、手形の採取に失敗した場合は変色体を水洗することによって手形を完全に除去することができ、再度液状組成物を用いて手形を形成することができる繰り返しの実用を満足させるものであった。
更に、前記液状組成物は無色透明のため、誤って衣服等に付着しても汚れとなることはなく、水洗い等で簡易に取り除くことができ、幼児の手形を採取する利便性と安全性に優れていた。
【0048】
実施例4
変色体の作製
支持体として白色コート紙(大きさ300mm×250mm、厚み100μm)上に、黒色顔料5部、アクリル酸エステルエマルジョン(固形分50%)50部、シリコーン系消泡剤0.2部、増粘剤3部、湿潤剤2部、レベリング剤1部、水10部、エポキシ系架橋剤2.5部を均一に混合、攪拌した黒色スクリーン印刷用インキを用いて全面にベタ印刷行い非変色層を形成した。
次いで、前記非変色層上に、低屈折率顔料として湿式法により製造される微粒子状珪酸〔商品名:ニップシールE−74P、日本シリカ工業(株)製〕15部、バインダー樹脂として水性ウレタン樹脂〔商品名:ハイドランAP−10、ポリエステル系ウレタン樹脂、固形分30%、大日本インキ化学工業(株)製〕50部、水30部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ増粘剤3部、エチレングリコール1部、エポキシ系架橋剤2部を均一に混合、攪拌した白色スクリーン印刷用インキを用いてベタ印刷を施して多孔質層を形成し、吸液により白色から黒色に変化する変色体を得た。
【0049】
変色体用液状組成物の調製
固体物としてポリビニルピロリドン〔商品名:ルビスコールK−17、BASF社製、屈折率1.50〕45部を水55部中に攪拌しながら投入し均一溶解させて変色体用液状組成物を得た。
【0050】
透明性シート材の作製
透明なポリエチレンテレフタレート樹脂(厚さ16μm)によって挟着体(350m m×300mm)を形成して透明性シート材を得た。
なお、前記透明性シート材の一方は表面に粘着層を設けてなる。
【0051】
前記変色体と、変色性液状組成物と、透明性シート材とを組み合わせて変色体セットを得た。
前記変色体に、変色体用液状組成物を含浸させた毛筆により筆記して得られる筆跡は、水が蒸発しても初期と同様の色形状を保持していた。
次いで、透明性シート材の粘着層上の中央部に変色体を載置し、他方の透明性シート材を変色体上に載置してシート材同士を貼着した。
前記筆跡が形成された変色体は誤って水が付着しても筆跡は変化することなく、また、40℃、湿度90%RHで3ヶ月間放置しても何らの変化もなく保存安定性に優れていた。
なお、前記変色体用液状組成物は水易溶性であるため、筆記後の毛筆に残った液状組成物が水で簡便に洗い落とすことができた。
更に、前記液状組成物は無色透明のため、誤って衣服等に付着しても汚れとなることはなく、水洗い等で簡易に取り除くことができ、利便性に優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた多孔質層を設け、前記多孔質層が吸液状態で透明又は半透明化して変色する変色体と、媒体中に屈折率が1.3〜1.8の固体物を溶解及び/又は分散させてなる変色体用液状組成物と、変色体に変色体用液状組成物によって形成された像を保護する透明性シート材とからなる変色体セット。
【請求項2】
前記変色体用液状組成物の媒体が少なくとも水を含んでなる請求項1記載の変色体セット。
【請求項3】
前記固体物が媒体中で溶解してなる請求項2記載の変色体セット。
【請求項4】
前記透明性シート材が変色体を封入する袋状体又は挟着体である請求項1乃至3のいずれかに記載の変色体セット。
【請求項5】
前記透明性シート材がアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル樹脂、セルロースアセテート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエステル樹脂のフィルムから選ばれる請求項1乃至4のいずれかに記載の変色体セット。
【請求項6】
前記変色体用液状組成物が繊維材に含浸されてなり、且つ、前記繊維材が水不透過性の袋状体に封入されてなる請求項2記載の変色体セット。
【請求項7】
前記繊維材の目付け量が10〜1000g/m2 である請求項6記載の変色体セット。
【請求項8】
前記繊維材が不織布である請求項7記載の変色体セット。

【公開番号】特開2006−150781(P2006−150781A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345717(P2004−345717)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000111890)パイロットインキ株式会社 (832)
【Fターム(参考)】